20180304それぞれの働き方を



























東京新聞・中日新聞
2018年3月4日(日)
障害者は四つ葉のクローバー
それぞれの働き方を

別れと出会いの季節がやってきました。総勢10人以上のヘルパーさんに支えられている我が家でも、別れがあります。
 
 週二回来ている大学生のヘルパーさんが、4月から就職します。就職後も休みの日に月1回程度、来てもらいたいと思い、会社に聞いてもらいしました。でも「副業を認めていない」「休みの日に他の仕事をすることで、本業に支障をきたすと困る」という理由で認められませんでした。

 残念だったのと同時に、疑問もわいてきました。就職したら、会社を最優先することが求められているようだからです。アフター5や土日の使い方まで制約することは、人生を会社にささげなければいけないと言われているようなものでしょう?

 もし病気で休んだら「自己管理ができてない」と責められるだろうし、趣味のために休むなんてもってのほかでしょう。でも毎日の楽しさ、人生の豊かさは、仕事以外の時間にも作り出されるもの。社員それぞれの生き方を尊重しない職場では、会社にとっても不利益が出るのではないでしょうか。

 車椅子の私にとっては、ラッシュ時の電車通勤は危険だし、階段があったり、狭かったりする会社では働けません。フレックスタイムや在宅勤務があれば、より働きやすくなります。ちょっとのルール変更で、働ける人が出てくるのです。

 雇用者は試行錯誤しながら既存のルールを変えていくことを恐れず、被用者も「自分にとっての働きやすさ」を求めることを諦めないでほしいです。人は一人一人違うので、特別に配慮するのではなく、それぞれに合った形を提供していきたいですね。働き方改革が求められる今だからこそ「トライアンドエラー」を。失敗を責め合うのではなく、新しい形を模索していきませんか。



写真:昨年出演した舞台「月夜のからくりハウス」。私(中央)はマーメイド姿で、ミゼットプロレスのマネジャーをしました。