琉球新報社提供
琉球新報 2017年7月3日(月)
100cmの視点から あまはいくまはい
「妊娠のリスクと喜び」
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身長100?、体重20kg、骨が折れやすい障害があり、車椅子で生活している私。そんな私が、4年前の2013年、おなかのなかで赤ちゃんを9ヶ月、2000gまで育て、元気な男の子、碧を出産しました。不思議でもあるし、生命の神秘、奇跡とも言えます。だからこそ「生むのは一人、あと一人は養子を引き取りたい」と考えていました。でも碧が1歳になった頃、子育てが少し落ち着き「あと一人生むのもいいな、可愛いだろうな」と思ってしまったのです。そしたらすぐにやってきた二人目。
しかし、重要なことを忘れていました!一人目を生むとき、帝王切開の子宮底部横切開をし、子宮を大きく切りました。これは二回目の出産では多量出血や、子宮破裂のリスクが伴う可能性があり、二人目を考える人には推奨されない方法でした。あと一人を生むとは当時は全く考えておらず、その手術法に同意したのでした。2人目を妊娠して、それを思い出した私。そんな楽観的な自分にびっくりですが、それを忘れていたからこそ、すぐに来てくれた2人目ちゃん。前に進むしかありません。
1人目の時と同様、何か月まで赤ちゃんがおなかにいられるか分からないし、NICU(新生児特定集中治療室)が整った病院で、信頼できる医師のもとで生む必要がありました。前回の手術法のこともあり、今回は前回よりもリスクが高まり、さらなる経過観察、安静も大切です。神奈川県で一番大きな、周産期医療が整った病院が自宅の最寄りにあり、そこに通うことになりました。碧を生んだのは香川県だったので、その医師と、神奈川県の担当医と連絡を取り合ってもらい、前回を参考にしながら経過を見ていきました。
2回目はつわりが重く、一日10回くらいトイレにこもる日々。まだ1歳の碧もいるのでゆっくり休むこともできません。ヘルパーがいる時間を増やし、私と碧、二人きりで過ごす時間を少なくしました。毎朝5時半に碧は起きるので、その相手もつらく、タッパーにおやつを入れておき、彼が朝一人で食べられるよう工夫したりもしました。また無理をしないと決め、自分でできるけれども体に負担がかかること、例えば落としたものを拾うことでも、人になるべくお願いするようにしました。
おなかの中ですくすくと成長する二人目の赤ちゃん。女の子とわかり、ますます楽しみでした。順調に成長する赤ちゃんの大きさの割合は、私の小さな体から見ると、けっこう大きいのです。体のバランスを崩しやすく、転ばないように気を付けました。碧は私の膝に座り甘えてくるし、毎日がギリギリ。でも何もトラブルもなく、妊娠後期を迎えることができました。続きはまた次回に・・・。
写真:二人目出産直前の家族写真 2015年7月(撮影・鈴木智哉さん)