東京新聞・中日新聞
2017年4月9日
障害者は四つ葉のクローバー
「障害者はどこに?」
新しい出会いの4月。あなたの学校や職場に、特徴のある人たち、いわゆる障害者はいますか?私の子どもが通う保育園には、ぱっと見いないし、街なかでもあまり見かけません。障害者はみんなどこに行っているのでしょう。
私は小・中学校の9年間、養護学校(現:特別支援学校)に通いました。高校は普通高校に進学しましたが、校舎は階段しかない5階建て。古い車椅子をかき集め、私がよく使う階に三台常備しました。初めての移動教室。緊張しながら、まだよく知らないクラスメートに手伝いをお願いし、別の階の車椅子まで抱っこしてもらいました。
日に日に、私に声をかける人は増え、移動の時は近くの人が手を貸すのが普通になりました。おかげで私の友だちは車椅子のサポートが自然にできるようになり、その後出会った障害者へも、気軽に声をかけられるそうです。
私にとって、常に人の手を借りる移動は、大変なこともありましたが、みんなが一緒に過ごしたからこそ、お互いに助け合うことを学べたのです。
障害のある人だけが通える学校や学級があり、障害がない人とわけられがちです。「みんなちがって、みんないい」とよく言われますが、それはみんなが同じ場所にいて、一緒に過ごしている中で、違いを認め合うこと。過ごす場所が違うことではないのです。
障害の違いではなく、一人一人の違いを大切にすることで、みんなが自分らしく生きることを学べるのです。新学期だからこそ、学校では分けることが当たり前ならないよう、疑問を持ち、分ける時間と場所が減らしてほしい。貴重な学びの場を、たくさんの子どもたちに、作っていきたいですね。「一緒にいないのが、おかしいよね」それ
を合言葉にしませんか。
写真:高校時代、放送部の友だちと