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今回の流産で、驚きだったのが、本当にたくさんの人が流産を経験している、ということ。
次々に知り合いの方々から「実は私も流産したのよ」と言われて、驚くばかり。
「私の職場では5割くらいの女性がしてるよ」という話まで聞いたり。
では、どうしてみんな、あまり流産経験について話さないのかな、って思い、いろいろ考えてみた。

まず流産は、思いだすと辛いし、悲しいし、暗い話だから、話さないでおこう、って思ってしまうのだろう。
暗い話を、進んで誰かに話すのは、とても勇気がいること。
勇気を振りしぼって話しても、相手によっては、無理に励まされたりもして、どっと疲れてしまう。
最後には、わざと明るく「うん、もう大丈夫」「次があるしね」「ありがとう」と、元気になったフリをしないと、なかなか会話が終わらなかったりもする。

私の場合、「大学院に通うんだから、よかったんじゃない」と励まされたりもした。
その一言で、余計に悲しくなった。
大学と、赤ちゃんは、全然違う話。
無理に流産をいい方向に捉えて、片づけたりしないでよ、と思った。
もちろん、相手はただ私を慰めたくて、悪気がなかったのは分かる。
でも「辛かったね」「よくがんばったね」だけで止めてほしい、と思ったものだ。


実際に流産をした方の話を聞くのは、参考になり、励みにもなった。
でも、相手の辛かった気持ちを、あまりにもたくさん語られると、余計に疲れてしまうことも。
更には、「私の知り合いは…」なんて話までされると、そんなことはもういいから、私の話だけを、思いだけを聞いてよ、って思ってしまうこともあった。


また、流産したと知り合いに話すと
「無理をしていたんじゃない」
「飛行機に乗ったからじゃない」
「体が冷えたんじゃない」
などなど、アドバイスのように言われ、それもまた疲れてしまった。
11週までの流産は、母体の問題ではほとんどない。
それを多くの人はしらず、親切心でいろいろ言ってくれるのだけど、それが返って妊婦を責めてしまう原因にもなったりする。
私は「赤ちゃんの力を信じる」と決めていたので、自分を責めずに済んだのは、本当によかった。


「流産の手術が、今後の妊娠に影響がないといいね」と、誤った言葉かけもあった。
流産がその後の妊娠に影響してくることは、今の医療ではほとんどない。
特に3回までの手術は。
流産についての正しい情報は広まりにくい、そう実感した。


流産をすると、悲しみと無力感だけが残ってしまい、その経験を誰にも話せなくなることもある。
私も、妊娠の実感がほとんどないままに流産になり、心にぽっかり穴があいたようだった。
無力感になり、ただただ悲しかった。
でも、そんな時、ある友だちが
「流産をしたなっちゃんの体は、産後と同じ状態なんだよ。
だからゆっくり休んでね。」
と言われ、本当に楽になった。
それまでは、赤ちゃんは成長せず、手術もし、自分には何も残らず、自分は何もできなかった、思っていた。
でも、流産という結果にはなったけど、偉大なことを成し遂げた。
だから流産を誇りに思っていいし、堂々と体をいたわって、休んでいい、そう思えるようになったのだ。
流産も、出産と同じくらい、尊いもの。
そう思えたら、心も軽くなる。


見方を変え、私の場合は流産だったのだけど、これが中絶だったりすると、余計に人に話しにくいだろう。
ただただ自分を責めてしまうだろう。
また、不妊治療や、子どもができない悲しみも、オープンにしにくいだろう。

性の問題は、本当に奥が深い。
難しい。
それを改めて感じた。


もう流産はしたくない。

でも、本当にいい経験になった。

人生、なかなかうまくいかないし、生きていくって辛いことも多い。
でも、生きていくしかないんだよね。

次の妊娠では、ちゃんと赤ちゃんが成長してくれて、子育てできますように!

2月22日
ただの定期健診で行った沖縄の産婦人科で、妊娠が発覚!
尿検査で薄く陽性反応が出て、血液検査で確定。
まだ赤ちゃんの袋(胎嚢)も見えていませんでした。

予想外、予定外の妊娠だったので、最初はただただびっくり!!
あまりに動揺する私に、
「大丈夫ですよ、産むのは10ヶ月後ですから。」
「あなたの場合は施設が整った病院がいいですね」
と、肯定的、かつ冷静なことだけをお医者さんから言われました。
それが本当に良かったです。

この病院は、私がとても信頼している病院なのですが、妊娠がわかったのも、この病院で本当によかったです。
だって、病院によっては「あなたは診察台に乗れません」と、診察自体を拒否するところもいくつかあったからです。


妊娠はびっくりだったけど、本当に嬉しくて嬉しくて。
安全、安心して産めるように、いろいろ考えました。
私の障がいの人は、30週前後で生んでいるので、周産期の設備が整った病院で産まなきゃいけないのです。
どこの病院で産むのがベストなのか、色々調べました。
サポートもたくさん必要だし、ヘルパーの時間数も増やさなきゃいけない。
大学も辞退するか、前期だけ通うか、悩みまくりの日々が始まりました。

でも本当に嬉しかったな。


2月28日
同じ沖縄の病院で、胎嚢を確認。
成長しているのが本当に嬉しかった。
食べ物や、寝る姿勢などなど、いろいろなことが気になり始め、これまた悩む日々。
でもすごく楽しかったな。

妊娠出産の経験のある友だちに話を聞いたり、本でも調べたり。
ただ11週までの流産の確立が、二割もあることを初めて知りました。
でも赤ちゃんの力を信じよう、って決めたのです。


3月7日
東京の周産期が整った病院を受診。
前々から、産むならこの病院がいいと思っていて、3年前にも受診したのです。
設備だけでなく、お医者さんが素晴らしい方なのです。
私と同じ障がい者の出産経験もあり、素敵な女医さんです。

不安で、ネガティブな質問ばかりをするパートナー君。
でも先生は
「体がどこまでたえきれるか、一人一人違うから、やってみないとわかならい。赤ちゃん、お母さん、それぞれ。」
「苦しくなったら、帝王切開で出せばいいだけ。」
という、これまた肯定的なことを言われました。
二人とも、とても安心しました。

ただ胎嚢は2.5cmになっていたのですが、心拍がない。
このとき、流産の可能性もある、と言われました。

とても心配だったけど、赤ちゃんの力を信じるしかない、と思っていました。

そして、運よく、香川のいいお医者さんを紹介してもらいました。


3月14日
紹介された香川のお医者さん。
本当にいい人で、安心しました。
でも、まだ心拍が確認されないので、流産の可能性が高いと言われました。
赤ちゃんの力を信じたいのだけど、覚悟も必要になってきたのです。


3月17日
心拍がないため、けいりゅう流産が確定。
けいりゅう流産は、6人に1人の確率で起こるそうです。
そして、卵の問題なので、母体に何か問題がある、お母さんが○○したからこうなった、というわけでない、と何回も説明してくださいました。

私は自然に出血で流れることを望んでいたので、3月いっぱいは様子を見て待つことに。
でも、あまりに長い間、赤ちゃんを入れたままにしておくと、子宮が変形したり、次の出産にも影響がでてきたりと、問題なのです。
タイムリミットを3月いっぱいに決めました。

そして3月いっぱいに出血が起きなければ、全身麻酔で手術をすることに。
海藻を子宮に入れ、子宮を開き、胎嚢を取り出すのです。
昔、保健の時間に習った、中絶手術と同じものです。

手術が本当に嫌で嫌で、早く自然に出血がおきることを願いました。
今まで、愛おしいと思っていたものを、一転して、早く出てほしい、って思うようになってしまって。
流産も悲しいけど、早く出てほしいと思ってしまう自分も責めてしまいました。

そんな中、胎嚢だけは成長し、3cmに。
どんどん成長していく胎嚢が、腫瘍のように感じられて、それも苦しかったです。


3月24日
心拍も確認されないし、出血がおこりそうな兆候もない。
手術の日を、30日に決めました。
それまで、不安でたまらなかったのですが、いざ手術の日程が決まると、意外にも精神的に落ち着いてきました。


3月30日
手術。
海藻を入れるのが本当に痛かった。
もう診察台には乗りたくないくらい。
でも、お医者さんのケアが本当に丁寧で、一つ一つの声掛けに救われました。
手術直前まで、エコーで赤ちゃんの心拍がないかを確認してくれ、最後の最後まで希望をもたせてくれたことに、感謝の気持ちでいっぱいです。
胎嚢も、今までは楕円形だったのが、少し並々くねくねになり、変形していました。

一泊入院し、退院後、やっといっぱい泣きました。
びっくりだったり、嬉しかったり、悲しかったり…
次から次にいろんなことがおきて、感情を感じる余裕すらなかった1ヶ月でした
不安だらけで、泣くことすらできなかった。
でもようやく、一区切りがついてきました。

心も体も元気になるには、まだまだ時間が必要だけど、この一カ月のことを、何もなかったことにはしたくないのです。
本当に濃い一ヶ月だったので。
もっともっと流産のことを考えたり、感じたり、話したりしていきたいと思います。





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