やる夫が嫁ぐようです 第3話「かわいそうな側室」
2009-05-23
134 名前:名無しのやる夫さん[] 投稿日:09/04/08(水) 13:27:37 ID:LjiUkQuK昔々、遠い西に果てにある薔薇の国は
小さいながらもとても平和に暮らしていました。
でもそんな平和は10代目の王で終わります。
その10代目の王様はわずか27歳ではやり病で死んでしまいました。
王が死ぬ間際、正妃と側室の二人が第一王子が大人になり
国を支えれる立場になるまで国を何とか支えて欲しいと言い残し
正妃のマーキュリーランペ(水銀橙)は中継ぎの女王になり
影でライナールビーン(真紅)が支える形になったが
この二人には政治の才覚は無く、徐々に他国との関係も悪化し
戦争によって衰退と崩壊へ歩むわけですが…
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135 名前:名無しのやる夫さん[sage] 投稿日:09/04/08(水) 13:38:38 ID:LjiUkQuK
もう一歩で国が崩壊するというギリギリの時に
助けの手が北の大国「ニューソク」の皇帝から差し伸べられました。
否応なしにその手を握った女王は、あとあと後悔することになります。
なぜかというと、側室の子とはいえ王子で自分にとっても息子当然の第二王子を
男色家の皇帝に捧げなければいけなくなりました。
すでに国として停止寸前だったローゼンキングダム。
断ればいっせいに兵士が王都の壁をぶち破り民を殺し、自分たちも殺される…。
水銀燈は王子の貞操よりみんなの命を優先して
側室として王子を捧げる決断をしました。
, =≠勹又 ミ= ..、
, イ/´:::::::::{_{、_)_) !:::::::`ヾ 、
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, イ⌒V∟´ , ´⌒i 丁 ド=ミ、:::::::::::}ハ
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_ ´ ./.ノ//} ド_ノi! | l | | .i ノi .! i i| i i :i :i|、
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/, ´ {:{.イ:|ハ. i|仟;_;iミ、i.ハ i.|-|┼i/j_i }, / イi|| ヽヽ ケツの穴より
/.//!:!_乂八 { ゝ-く` 川, ≠≦, i`/ / /:!.i||. i|ヾ 、
/./.ノ|:|{小_V/ト、 ゝ、ソ∨ , イ !.| i||ヽ j| L}
/. : : /L!/////ハ __′ //ハ i.| i|| _乂 命を大事になのよねぇ
'´ /////////// i.ト、 `ー` -=彳´/ / .|.!.| i|| _ | } ≠彡 ,
≠三ミ、// /イ ||ii 厶、__ .. - イ// /!_j__|.!.| ,イ彡'´三三彡
三三 イ´::::`\ ノ||ii广 ノ Y´ ̄〃/イ´:::::::::::`ヽ´三三三ニ=
彡'´ /::::::::::::::::::∨||i{|:::::::::/|:::::ノ /, ´ ̄ ̄`ヽ、_`ヽ、三=ミ
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136 名前:名無しのやる夫さん[sage] 投稿日:09/04/08(水) 13:49:34 ID:LjiUkQuK
そして第二王子「ヤルオ」は数年後、皇帝「ヤラナイオ」に嫁ぐわけですが…
覚悟を決めていたヤルオは、突然皇帝の口から皇帝のおさめる国と
周辺の事情を教えてもらい、それを理解すると
体は汚れないことも教えられました。
ヤルオは貞操が守れて喜びましたが
本当は男色家ではない皇帝の、他国に見せるための偽の挙式。
しかし見せ掛けの結婚とはいえヤルオはとても嫌だったし
このあと自分がどうなるのか分かっていました。
そしてしっかりと、結婚した後どうなるのかもすぐに説明されて絶望したのです。
/ ̄ ̄ ̄ \
/ :::::\:::/\
/ 。<一>:::::<ー>。 なんでやる夫は…
| .:::。゚~(__人__)~゚j 王子に生まれたんだお……
\、 ゜ ` ⌒´,;/゜
/ ⌒ヽ゚ '"'"´(;゚ 。
/ ,_ \ \/\ \
と___)_ヽ_つ_;_ヾ_つ.;.
ニューソク国の南西に存在する村の小さな神殿に
皇帝が死ぬまで「永のお預け(幽閉)」されることになりました。
138 名前:名無しのやる夫さん[sage] 投稿日:09/04/08(水) 14:18:58 ID:LjiUkQuK
世話をする人も食事を用意する人も無くヤルオは神殿に一人だけです。
さびしくて悲しくて寒くて…死んでしまいたい気持ちがありましたが
もし自分が死んだら国はニューソクからの支援が受けれなくなる。
母とママ母、兄と民のために死ねません。
____
/ ∪ \
γ⌒) ノ三三三ゞ(⌒ヽ さびしいさびしいさびしい
/ _ノ (>)三(<) \ `、 かなしいかなしい
( <:::∪:::::(__人__):::::∪| ) かーちゃん…かーちゃんさびしいお
\ ヽ ::∪::::` ⌒´∪:://
139 名前:名無しのやる夫さん[sage] 投稿日:09/04/08(水) 14:27:45 ID:LjiUkQuK
だから時々、どうしてもさびしくて仕方ない時は家宝であり宝剣の一つ
「シストラム」で魔法動物を召還して気を紛らわせてました。
/ ̄ ̄ ̄ \
/ :::::\:::/\
/ 。<一>:::::<ー>。 もうくじけそうだお
| .:::。゚~(__人__)~゚j
\、 ゜ ` ⌒´,;/゜ 一人はさびしいお
/ ´ ´
/ | | / |
/ | | / | |
/ l | / | |
__/ | ⊥_ーー | ⊥_ ________
| `ーヽl_l_l.} ヽl_l_l.} \
(、`ーー、ィ } ̄` ノ \
`ー、、___/`"''-‐" もう二体呼んで遊ぶか
_,,..,,,,_  ̄|/ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
./ ,' 3 `ヽーっ
l ⊃ ⌒_つ
`'ー---‐'''''"
140 名前:名無しのやる夫さん[sage] 投稿日:09/04/08(水) 14:29:14 ID:LjiUkQuK
|ハ,_,ハ ヨンダ?
|´∀`';/^l
|u'''^u;' |
|∀ ` ミ よばれたね
| ⊂ :,
| ミ
| 彡
| ,:'
|''~''''∪
_,,..,,,,_
./ ,' 3 `ヽーっ
l ⊃ ⌒_つ
`'ー---‐'''''"
l^丶
もさもさ | '゛''"'''゛ y-―,
ミ ´ ∀ ` ,:'
(( (丶 (丶 ミ
_,,..,,,,_ ミ ;': ハ,_,ハ
./ ,' 3 ;: ミ ';´∀`';,
l ⊃ ``:; ,:' c c.ミ
`'ー---‐'''''"U"゛'''~"^'丶) u''゛"J
/^l
,―-y'"'~"゛´ | もさもさ
ヽ ´ ∀ ` ゛':
ミ .,/) 、/)
゛, "' ´''ミ ハ,_,ハ
(( ミ ;:'`ヽーっ ,:' ´∀`';
'; 彡⌒_つ :: っ ,っ
(/~"゛''´~"U '''''" ι''"゛''u
召還された魔法動物は踊ったり歌ったり、ときにはヤルオの愚痴を聞いて
なんとか生きる気力を与えてました。
141 名前:名無しのやる夫さん[sage] 投稿日:09/04/08(水) 14:32:43 ID:LjiUkQuK
時には古代の遊びを教えて
道具も召還してヤルオの脳を活性化させたりもしました。
_o_
_,,..,, (_(
./ ,' 3(_(ヽーっ
l ∩ ⌒_つ
`'ー---‐'''''"
<この手でどうだお!
パチン!
_,,..,,,,_,
パチン☆ ./ , ∪_`ヽーっ
l ,3 (_( ⌒_つ
___((⊂,,,,.(_('''''"⌒/
/・。゜・・゜/|(;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;ノ
| ̄ ̄ ̄ ̄|/._ _
. ̄ ̄ ̄ ̄ (⌒)(⌒)
 ̄  ̄
_,,..,,,,_
./ # ⊃`ヽーっ
l ⌒_つ
____ `'ー---‐'''''" / .__
/・。゜・・゜/|(;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;ノ ノ_ノ
| ̄ ̄ ̄ ̄|/._ _ ノ_ノ
. ̄ ̄ ̄ ̄ (⌒)(⌒)
 ̄  ̄
手 詰 ま り
142 名前:名無しのやる夫さん[sage] 投稿日:09/04/08(水) 14:45:21 ID:LjiUkQuK
そんな風に暮らして数年
ヤルオはすっかり大人になりましたが
ずっと神殿暮らしだったためか
家族の顔を、故郷の空気も、過去のものはすべて
全てを忘れてしまいました…
かつて側室として召し上げられたことも…
____
/⌒ ⌒\
/(● ) (● )\
/:::⌒(__人__)⌒:::: \ 神殿暮らしも悪くないおw
| mj |┬-| |
\ 〈__ノ`ー'´ /
/ノ ノ ‐‐‐‐一´\
143 名前:名無しのやる夫さん[sage] 投稿日:09/04/08(水) 15:00:42 ID:LjiUkQuK
しかし、それで生きていけてるならよかったのかもしれません。
そのときの方が確実に平和だったでしょう。
寂しさに慣れ、動物と戯れる日々は既に板についてたのだから。
ですがヤルオが17歳になったとき、運命はまた一歩進むことになるのです。
____
/ ― -\
. . / (●) (●) なんか胸が騒ぐお
/ (__人__) \
| ` ⌒´ |
. \ / シストラムも反応しないし…
. ノ \
/´ ヽ 何かが起こるのかお?わからないお…
144 名前:名無しのやる夫さん[sage] 投稿日:09/04/08(水) 15:10:08 ID:LjiUkQuK
::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::。:::::::::::::::::::::::::::::
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:::::::::::::::::...... ....:::::::゜::::::::::.. :::::::::: ____ ::::。::::::::::::::::: ゜.:
:. .:::::。:::........ . .::::::::::::::::: _+ / \ /\ キラリン:::::::::::::。:
:::: :::::::::.....:☆彡:::: // /(ー) (ー) \ ::::::::::゜::::::::::
:::::::::::::::::: . . . ..: :::: / ヘ / ⌒(__人__)⌒ \ +:::::..
::::::...゜ . .::::::::: /ヽ ノ | |....... .
:.... .... .. . く / \ /:.... ...
:.... .... ..:.... .... ..... .... .. .:.... .... .. ..... .... .. ..... ......:.......::.
/ ̄ ̄\
/ \.........:::::::::::.... ....... ヽ ,
|::::::: : | .... .........::::::::::.....r‐' _ノ
. |::::::::::::: | .... .........::::::::_ ) (_
|::::::::::::: |.. ..... ......:::(⊂ニニ⊃)
. |::::::::::::::: } ..... ......: ::::`二⊃ノ 生きてるのかな
. ヽ____ } ..... ......: :::: ((  ̄ ヤルオ…
r'ニニヽ._\. ノ.. ..... ......: :::::: ;;.
r':ニニ:_`ー三`:く._ [l、. もうたしか17歳か
/: : : : : : :`,ニ、: :_:_;> /,ィつ
. /: : : : : : : : / : : : ヽ\ ,∠∠Z'_つ
| : :.:.:.:.:.: . :/: : : : : : l : ヽ. / .r─-'-っ 生きてたなら……
. |:.:.:.:.:.:.:.:.:.,' ''" ̄: : :l: : : :l / ):::厂 ´
|:.:.:.:.::.:.:.:l -─-: : /:_:_:_:_l / ̄`Y´
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やる夫は嫁ぐそうです・3話「かわいそうな側室」オワリ
153 名前:名無しのやる夫さん[sage] 投稿日:09/04/08(水) 20:23:46 ID:IrAVOHno
あれ?
ここまでか
154 名前:名無しのやる夫さん[sage] 投稿日:09/04/08(水) 20:44:50 ID:1TVXWAPx
中座したのかな
155 名前:名無しのやる夫さん[sage] 投稿日:09/04/08(水) 20:49:34 ID:9omKi7R4
寝落ちの可能性もありうる
156 名前:名無しのやる夫さん[sage] 投稿日:09/04/08(水) 21:07:29 ID:LjiUkQuK
見てる人がいたーーーー
基本、太陽発電なので電気の備蓄がないか使いすぎで切れるとPCは動かせないんですよ
いま風が出てきたので風力発電に切り替えてやっと動いてます。
157 名前:名無しのやる夫さん[sage] 投稿日:09/04/08(水) 21:17:59 ID:IrAVOHno
>>156
どんなシステムなんだよw
まじでクヤシク
158 名前:名無しのやる夫さん[sage] 投稿日:09/04/08(水) 21:42:22 ID:1TVXWAPx
太陽発電とな!
まあ状況が落ち着いたら再開してくんなさい
159 名前:名無しのやる夫さん[sage] 投稿日:09/04/08(水) 21:43:30 ID:LjiUkQuK
>>157
北海道の山奥で、北電ですらあまり来ないような場所で
家庭用の小型風力発電と太陽電池で暮らしてます。
太陽電池はわりと蓄電できるけど風力のほうはほとんどできません
もしこの二つがだめになったときは死にます。
まぁ仕方ないので北電の世話になりますけど
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