68 名前:
やる夫で学ぶ柳生一族(外伝その5)[saga] 投稿日:2013/06/16(日) 22:15:47 ID:hOh6MERg0
____
/ \
/ ─ ─\ で、この「月之抄」だけど、
/ (●) (●) \ 概要としてはどういうものになるお?
| (__人__) |
\ |\ / /|
/ /⌒ノ \/ ( )
| / / | |
/ ̄ ̄\
/ ヽ_ .\
( ●)( ●) | 一言で言えば、
(__人__) |
l` ⌒´ | 「十兵衛による新陰流(江戸柳生系).研究の集大成」
{ |
{ / というところだな。
_. -: ´Λ _.へ` 、
r<: : : : /:|: :、  ̄r' \ :\_ 本編でも書いた話だが、
/: : :l : : : : : :\`IエL>、 >ヘ::Λ 十兵衛本人曰く、蟄居中は、ずっと新陰流の研究をしていたから、
|: : : ト、: : : : : : : : : : : : : `ー/ : : V | それを伝書という形にまとめたのがこれって訳だ。
〈: : : :::: _ -¬--―-、: : く:r 、: : : V } 十兵衛の書いた伝書の中では、最大のものと言っていい。
/: : :_ン´: : : : \ ,___, ィ ): : :`く : : : ヘ|
 ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
69 名前:
やる夫で学ぶ柳生一族(外伝その5)[saga] 投稿日:2013/06/16(日) 22:17:34 ID:hOh6MERg0
____
/ ⌒ ⌒\ そういえば、「昔、飛衛といふ者あり」で、
. / (●) (●)\
l^l^ln ⌒(__人__)⌒ \ 「愚夫、故ありて東公を退いて、素性の国に引籠ぬれば、
ヽ L |r┬-| | (中略)めぐるとし十二年は古郷を出ず。
ゝ ノ `ー‐' / 何の道にか心をいささかもなぐさめむぞなれば、
/ / \ 家とする道なれば、明くれ兵法の事を案じ」
/ / \
. / / -一'''''''ー-、. って書いてあったお。
人__ノ (⌒_(⌒)⌒)⌒))
/ ̄ ̄\
/ ヽ、_ \
(●)(● ) | そうだな。
(__人__) | そして、その「兵法の事を案じ」の内容が、
(,`⌒ ´ | この「月之抄」の序文に載ってるんだ。
{ nl^l^l
{ _l / まずはそいつを紹介しよう。
ヽ、 (, <
/ ヽ \
/ ヽ \
.、-ー'''''''一- ヽ ヽ
((⌒(⌒(⌒)_⌒) ゝ__丿
70 名前:
やる夫で学ぶ柳生一族(外伝その5)[saga] 投稿日:2013/06/16(日) 22:19:49 ID:hOh6MERg0
| ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄~|_|
| ._ .|_| 「寛永三年拾月日、さることありて、君之御前ヲ退テ、
| |月| .|_| 私ならず山にわけ入ぬれば、みずから世をのかるゝと人は云めれと、
| |之| .|_| 物うき山のすまひ、柴の庵りの風のみあれて、かけひならては、つゆ音ノウモノナシ。
| |抄| .|_| 此世の外ハよそならし、侘ても至つれつれ、先祖の跡をたつね、
|.  ̄ .|_| 兵法の道を学といへとも、習之心持やすからす」
| |_|
| |_|
|________.|_|
└───────┘
., ──‐、
/ \
. .| _ノ ヽ まず、「月之抄」は、この文章から始まる。
| ( ●) (●) この伝書を書くに至った経緯の説明だな。
| (__人__) , -―ーっ ついでに、十兵衛自身の履歴の言及にもなっている。
| ` ⌒´ノ ( ゝ彡 ̄
. ン } ゙| ̄'| この辺りは、さっきの「昔、飛衛といふ者あり」と同じだな。
/⌒ヽ、 ノ .|, | 役目を致仕することになり、実家に戻ったが、
__/ ノ \_ィ ´ー‐ィ' ∫ 暇で他にすることもないので、先祖からの兵法研究に
| | / / r_____ ∬ 手を付けることにした、というところだな。
| | / / |i ┌‐┐
| | ( 〆⌒'──r─≒、.((| |
 ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄└‐┘ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
___
/ \ 「私ならず山にわけ入ぬれば、みずから世をのかるゝと人は云めれと」
iニーヽ /─ ─ \
iニ_  ̄ ̄/(●) (●) \ っていうのが、十兵衛自身は不本意だったけど、
⊂ノ ̄ ̄| (__人__) | 周りは「十兵衛様は自ら世間と距離を置かれたのだ」なんて
⊂ ヽ∩ `ー´ _/ 言われてたって解釈できそうだお。
'、_ \ )
\ \ / /| 致仕したことを結構後悔してるニュアンスがあるお。
|\ ヽ / |
71 名前:
やる夫で学ぶ柳生一族(外伝その5)[saga] 投稿日:2013/06/16(日) 22:21:19 ID:hOh6MERg0
| ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄~|_|
| ._ .|_| 「殊更此比は自得一味ヲあけて、名を付、習とせしかたはら多かりければ、
| |月| .|_| 根本之習をもぬしぬしが得たる方に聞請テ、
| |之| .|_| 門弟たりといへとも、二人の覚はニ理と成て、理さたまらす。
| |抄| .|_| さるにより、秀綱公より宗厳公、今宗矩公ノ目録ヲ取あつめ、
|.  ̄ .|_| ながれをうる其人々にとへは、かれは知り、かれは不知、
| |_| かれ知たるハ、則これに寄シ、かれ不知ハ又知たる方ニテ是をたつねて書シ、
| |_| 聞つくし見つくし、大形習の心持ならん事ヲよせて書附ハ、
|________.|_| 詞にハいひものへやせむ、身に得事やすからす」
└───────┘
/ ̄ ̄\ で、兵法研究を始めて当たった壁が
. ./ _ノ ヽ
| ( ●) (●) 「皆、言ってることが違う」
| (__人__) ∫
| `⌒´ノ ∬ ということだったわけだ。
. ヽ } | ̄| 柳生庄には石舟斎の代からの門弟がまだ残っていて、
ヽ ノ |_|) 彼らの中には、上泉伊勢守からの教えも知っている者もいたが、
____/ イー┘ | そんな彼らですら、いざ学んだ教えを問うてみると、
| | / / ___/ .人によって話が異なっていたというんだな。
| | / / |
| | (  ̄ ̄ ̄⌒ヽ
 ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
____
/ \ まあ、宗家の宗矩が江戸にずっといて、
/ ─ ─\ 教本だってない状態がずっと続いてる訳だから、
/ (●) (●) \ その辺り、ズレが出るのは仕方ないのかもしれないお。
| (__人__) |
/ ∩ノ ⊃ // ∩ノ ⊃ そもそも、それに気付けたのも、
( \ / _ノ \/ _ノ
.\ “ / . \ “ / ・ 時間の余裕がある
\ / /\/ ・ 新陰流の門弟が大勢いる地域に住んでいる
\ \ ・ 彼らから話を聞き出せるだけの立場である
\ \ \ ・ 彼らの話を聞いて判断できるだけの知識・腕前がある
> > >
/ / / これらの条件を全部クリアしてた十兵衛だから、というのがあると思うお。
72 名前:
やる夫で学ぶ柳生一族(外伝その5)[saga] 投稿日:2013/06/16(日) 22:22:57 ID:hOh6MERg0
| ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄~|_|
| ._ .|_| 「折ふし関東へひとゝせくたりしに、夏の稽古はしまりける寛永拾四年五月初日より、
| |月| .|_| 秋終に至テ是ヲ学、老父の相伝一々書留テ此ヲ寄スル也。
| |之| .|_| (中略)
| |抄| .|_| さるによって、おもふその至極を一巻ニ述る。
|.  ̄ .|_| 老父に捧捧ハ父の云ク、これ不残やき捨タランニしくハあらしと也」
| |_|
| |_|
|________.|_|
└───────┘
/ ̄ ̄\
/ ⌒ ⌒ \ そして、柳生庄でできる研究は一通り済んだ、というところで、
| (●)(●) | 十兵衛は寛永十四年、江戸の夏稽古に参加し、
| (__人__) | .そこで宗矩からも教えを受け、自分なりに一巻にまとめてみたわけだ。
| `⌒´ | これが十兵衛最初の伝書「昔、飛衛といふ者あり」だな。
| }
ヽ } その後の展開については、
人_____ノ"⌒ヽ .その42(
ttp://tagenmatome.blogspot.jp/2010/12/42_23.html )でも
/ \ .書いた話だから、詳細は省くぞ。
/ | ̄| \ .\
.( ヽγ⌒) ゝ i
 ̄ ̄\__/ ̄ ̄ ̄(⌒)__ノ ̄ ̄ ̄ ̄
___
/ ノ ヽ_\ 「玉栄拾遺」でも
/(● ) (● )\
./ (__人__) \ 「寛永十四年江戸麻布ノ柳生下屋敷ニ入リ、
| し | Y | 沢庵ト同居、家流印可論文ヲ書ク」
\ `ー ' /
.と⌒ヽ `> 〈´ とあるから、宗矩からの指示もあったかもしれないお。
ヽ V´ ヽ なんにせよ、かなり意気込んで書いてただろうに、
ヽ / 、 「焼き捨てよ」とか言われたら、そりゃショックだお。
73 名前:
やる夫で学ぶ柳生一族(外伝その5)[saga] 投稿日:2013/06/16(日) 22:24:33 ID:hOh6MERg0
/ ̄ ̄ \
/ __,ノ `⌒
| ( ●) (●) まあな。
| (___人__)
|. ` ⌒´ノ ここで少し余談になるが、
| | 「昔、飛衛といふ者あり」は、
iヽ | 別の意味でもかなり変わった伝書であるんだ。
}:::.`> ー-´-くヽ- 、___、
_/::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::: 7¨:.ヽ それは「弟子が師匠に向けて書いた伝書」だってことだ。
__/.:::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::/.::::::::::\
,.-<:::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::∧ 普通、伝書ってのは、
r´.::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::/.:::ヽ 「師匠が弟子に伝えるため、自らの教えをまとめたもの」なんだが、
}:::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::/.:::::::::::::::::::\ この場合、十兵衛が書いたものを宗矩が確認し、
f:::::|::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::i: /.::::::::::::::::::::::::::::ヽ 合格していれば印可を許すという、相当変則的なものになっている。
/.:::::|::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::V::::::::::::::::::::::::::::::::::::.\
/.:::::::::|::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::rヽ::::::::::::::::::::::::::::::::::::::\
____
/ \
/ ─ ─ \ そう言われてみると、あれも変な伝書なわけだお。
/ -=・=- -=・=- \ まるで大学の卒論みたいなノリだお。
| (__人__) U | 当時、こんなことやってたの、この二人くらいじゃないかお?
\ ` ⌒´ /
74 名前:
やる夫で学ぶ柳生一族(外伝その5)[saga] 投稿日:2013/06/16(日) 22:26:24 ID:hOh6MERg0
| ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄~|_|
| ._ .|_| 「父かいしんてんしん(以心伝心)の秘術
| |月| .|_| 事理一体、本分之滋味ことごとくつきたり。
| |之| .|_| 此ほとの予かむねの雲はれにけり」
| |抄| .|_|
|.  ̄ .|_|
| |_|
| |_|
|________.|_|
└───────┘
/ ̄ ̄\
/ ノ ヽ /\'ー、 ,, ..,、
| ( ●)( / .\` 、 . // / 話を戻すが、その後、和尚の助力もあって
. | (__人/ \ヽ、,.// ../ 印可を認められた十兵衛は、
| ` / ``77 / ようやく考えがまとまったらしい。
. ヽ / / / / .その心境を元に、一句読んでいる。
ヽ.. / fヽ、/ / , -,./
/./ r-、 ヽ ∨,ノ / 即ち ──
|. \ 〈\.\,〉 `, f
| . \ (ヽ ヽ `.. |
| .\ \ ノ
75 名前:
やる夫で学ぶ柳生一族(外伝その5)[saga] 投稿日:2013/06/16(日) 22:27:39 ID:hOh6MERg0
,.' ::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::;;::;;;,;,..''""゙
/:::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::,:;;:'""''''''''
\ ,. ' ::::::::::::::::::::::::::::::::::::: ,,,......,,,,,;:;''" .. .:.. . ::... . :.. . :. .. . :.:.
::: : ' , , '゙ ::::::::::::::::::::::,,_,,,..;''""''''" . .. .. . .. . . . . .. .. . . .. .::...
,.,;:;:;:;:; ゙ 、 ,,,,,_____,,,,... ''" .,,,;:;;:;,,,..;:.;:;;:;;::''"" :.:.. .. .. . . ,,.,,,...,.,.,,_,,,,,,,,,...;;;
.,;:,.'""""'''''''::::;:;:;;,..,,.,.,:;;:'""'''''''' . :.. . :. .. . :.:.. .. ,,...;:;:;;:''""'''"";:;.:;;'' ::.....;;;:.; "''"''';:;:;;,,.._
. .:. . . . . .. .. . . :. ......,,,,__...,,;:;'''""'''';;;.......,,,,...;: """''''''''"''''"'''''''''''''''':;:;:'''""''''"":;:;''"''
. . :. .. . :.:.. .. . . .. .. .. . .............................................................................................. ""''''''''':::::......"""''''''"""''''…
.. . . . . :. .. ::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::;:,.,.,_
::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::: ....,,_,,,...;:;::''"
:.:.. .. . . ..::::::::::::::: :::::::::::::::
::::::::::::::: 尋行 道のあるしや よるの杖 :::::::::::::::::;;:;;,..,,.,.,:;;:'""''''''''
::; ::::::::::::::: :::::::::::::::
:::.., 人::::::::::::::: つくこそいらね 月のいつれば :::::::::::::::
:..:... ) ::::::::::::::: :::::::::::::::,:‘
:.. .::ふ :::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::
ノ : : ::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::: . ..; ', ,:‘
::. f⌒Y^ :、 : ( . : : :γ⌒ゞ ................................................................................. ...:: ’‘ ’‘.; 。 ,.. . ..; ',
:.:. .人 : : ゞ⌒ :Y⌒⌒ .、 : : . 。 ,:‘. 。 ,.. . .; ', ,: ‘
) ⌒ヾ ( ノ . : : , .. ' ,:‘. , ;
) ) . : :)⌒ . : : :: . .. .. ' ,:‘.
.: 丿 ( . : / . : : : , ,:‘. ..; ', ,:‘ ’‘ ,
: ノ ) ノ . : . . ‘ ` , .. . + ’‘ :: . ..
::..Y⌒⌒ヽ: : . : . . , ,:‘.。 + ,..::: ' ,:‘. , .. . +
76 名前:
やる夫で学ぶ柳生一族(外伝その5)[saga] 投稿日:2013/06/16(日) 22:30:16 ID:hOh6MERg0
| ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄~|_| 「尋行道のあるしやよるの杖 つくこそいらね月のいつれば
| ._ .|_|
| |月| .|_| よつて此書を月之抄と名付ル也
| |之| .|_| ここに至テみれは、老父のいはれし一言、
| |抄| .|_| 今許尊感心不浅也。如此云ハ、我自由自在を得身に似り。
|.  ̄ .|_| サニハあらす。月としらは、やみにそ月はおもふへし。一首
| |_|
| |_| 月よゝし よゝしと人のつけくれと またいてやらぬ山影のいほ(庵)
|________.|_|
└───────┘ 寛永拾九壬午二月吉辰筆ヲ染」
/ ̄ ̄\ 即ち、「月之抄」の題の元となった歌だ。
/ ノ \ \ 複数の解釈ができる歌ではあるが、現状
>>1は
| (●)(●) |
. | (__人__) | .「兵法の道を求める時、未だ至らない間は
| `⌒´ ノ .先代の習(教え)を杖として頼ることになるが、
. | } .道に至れば、その心持は闇夜に月が上がったようになるので
. ヽ } 習に頼る(とらわれる)こともなくなる」
ヽ ノ
/ く. \ という塩梅に解釈している。
| \ \
| |ヽ、二⌒)、
∩_
〈〈〈 ヽ
____ 〈⊃ } つまり、この題は、
/⌒ ⌒\ | |
/( ●) (●)\ ! ! 「月(道)に至るための習をまとめた抄(抜書・解説書)」
/ :::::⌒(__人__)⌒:::::\| l
| |r┬-| | / という意味になる訳だお。
\ ` ー'´ //
/ __ /
(___) /
77 名前:
やる夫で学ぶ柳生一族(外伝その5)[saga] 投稿日:2013/06/16(日) 22:31:44 ID:hOh6MERg0
/ ̄ ̄\
/ _ノ .ヽ、\
| (●)(●) | そういうことだな。
. | (__人__) .| 家伝書にも、
| . '´n`' .ノ
.ヽ . | | } 「よく習をつくせば、ならひの数々胸になく成りて、何心もなき所、物を格すの心也。
ヽ.. ノ .ュノ (中略)此位にいたらん為の習也。ならひ得たれば、又習はなく成る也」
/ { ..ニj、
|. | "ツ \ という下りがあるが、それと同じような意ということになるな。
|. | .l |ヽ、二⌒)
_____
/ ― \
/ノ ( ●) \ その解釈に従うと、「月之抄」は、
. | ( ●) ⌒) | 江戸柳生における習の土台となることを目指して
. | (__ノ ̄ / 書かれたもの、ということになるのかお?
. | /
\_ ⊂ヽ∩\ だとすれば、秘奥の書である家伝書よりも
/´ (,_ \.\ 流派の伝書として広まっていたのかお?
. | / \_ノ
78 名前:
やる夫で学ぶ柳生一族(外伝その5)[saga] 投稿日:2013/06/16(日) 22:33:50 ID:hOh6MERg0
/ ̄ ̄\
/ _,.ノ ヽ、_
| ( -) (-) いや、それがなあ…。
| (___人__) この「月之抄」の最後で、
.| u. ` ⌒´ノ__
| _/  ̄\ヽ 「右は自得のために書あつむる所也。くはしくは録に在之べし」
人、 '、/  ̄ ヽ '、
_,/(:::::ヽ、 __'-r´ ̄ヽ v って書いてるところから見ると、
_, 、 -― ''"::::::::::\ :::::::::::::::j_γ | .基本、自分のためにまとめたものを、
/;;;;;;::゙:':、::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::ヘ r、 他の者にも読めるようにした、というものらしいんだな。
丿;;;;;;;;;;;:::::i:::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::ゞニニ彡〉,
. i ;;;;;;;;;;;;;;;;::::|:::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::( :::::::::::::::::∧^ 最後の署名も、十兵衛自身の名があるだけで、
/;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;:::!:::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::∧ :::::::::::::::::∧i 誰かに宛てたというものではないし。
;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;:::|;;;;;:::::::::\::::::::::::::::::::::::::::∧ ::::::::::::::::∧|
;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;丿;;;;;;;;;;::::::::::::::::::::::::::::::::::::::∧ :::::::::::::::::::v
;;;;;;;;;;;;;;;;;;/;;;;;;;;;;;;;;;;:::::::::::::::::::::::::::::::::::::::∧ ::::::::::::::::::ノ
____
/ \
/ \ そうなのかお…。
/ \ まあ、伝書自体、そうホイホイ出すようなものでもないから
| \ ,_ | 誰かに宛てたものでもないければ、
/ u ∩ノ ⊃―)/ .広まらないのも無理はないけど…うーん。
( \ / _ノ | |
.\ “ /__| |
\ /___ /
79 名前:
やる夫で学ぶ柳生一族(外伝その5)[saga] 投稿日:2013/06/16(日) 22:35:06 ID:hOh6MERg0
/ ̄ ̄\
/ _ノ \ で、まあ、今回はここまでなんだ。
| ( ー)(ー) 本文の解説はこの次から、ということで…。
. | u. (__人__) 申し訳ない。
| ` ⌒´ノ
. | }
. ヽ } / ̄ ̄ ̄\
ヽ ノ / ⌒ ⌒ \ できれば1話で完結させたかったけど…。
i⌒\ ,__(‐- 、 / u (ー) ::::(ー)ヽ 次は何とか終わらせたいお。
l \ 巛ー─;\ | :::⌒(__人_)⌒:l
| `ヽ-‐ーく_) \ `  ̄´ /
. | l i⌒\、___ ィヽ
| | .l \ 巛ー゙‐;\ ザパァアァァァ‐─────‐‐‐ ‐ン
リー──‐‐t____. | ヽ-‐≠ー '′
l " ~ ̄ ̄⌒ヽ`ヽ.|゙ ̄ ̄⌒ヽ ̄ヽ
───`ー───ソ | |┴‐─-r |i' |───────┐
| | | |,_|, __| |,
|_、| __|. (´_)゙_) |,、;──‐─────‐───────‐─
l'___)__) ,゜ '≒~゚ ⌒ ~ " ~  ̄ ー ~
; °。 ;从ヾー~ ~"~ ~
゚ ° 。 ゜ ` 。 '、从;_゚ノ'~~ ~´⌒ ´~
); ;゚ 。 ; 从 、 ,j ´ヾ。'~~〆";、~ッ)ヾ
ソ 人´; ノ'~、~ ソ 〆´( ゞ ~ 、~ ~' ⌒ ー
〆~ヾ、゜~ ヾ ~´ " ,゚ __ __¨ ./
リ' ~ー ~' ソ~ ー~ _) _) \
85 名前:
やる夫で学ぶ柳生一族(外伝その5)[saga] 投稿日:2013/06/23(日) 21:03:51 ID:YelGZJ3g0
/ ̄ ̄\
/ _ノ \
| ( -)(-)
| (__人__)
| u. ` ⌒´ノ
__|___ }
/ \ }
/ ─ ─\ ノ という訳で再開だお。
/ (-) (-) \ヽ、 今回で終わるのかお?
| u (__人__) | _|_________
\ ∩ノ ⊃ / | | | ……まあ、その、申し訳ない。
___( ` 、 _/ _ノ \ | | |
| | \ “ / ___l || | |
| | | \ / ____/| | |
| | |  ̄ |_|___________|
 ̄ ̄ ̄ ̄("二) ̄ ̄ ̄l二二l二二 _|_|__|_
86 名前:
やる夫で学ぶ柳生一族(外伝その5)[saga] 投稿日:2013/06/23(日) 21:06:11 ID:YelGZJ3g0
/ ̄ ̄\ じゃあ、解説を続けるぞ。
_ノ ヽ、_ \
(●)(● ) | さっき紹介したのが、
(__人___) | 最初の前書にあたる箇所だ。
| .| 「月之抄」の構成は、
| .|
ヽ 、 ,イ .・ 無題の前書
/ヽ,ー- ト、 .・ 序
_, 、 -─ '".:.ヽ:.:.\__ /ノ ト、__ .・ 浜法之落索(兵法之落索)
__ ,. ー 、...:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.... ・ 本文
\ r 、 _ \:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:::::::::::::::::::::::::::::'ー、
} }/ ) V::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::\ という形になっている。
/:ゝ/ ./ __ V ::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::i:.:.:.\ 「進履橋」が単独の目録として機能する家伝書と比べると、
}:::::ゝ ソ ,Y i::::::/::::::\:::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::|:.:.:.:. \ こちらは、3つの前書と本文という一体型の構成だな。
____
/ \
/ ─ ─\ 最初の前書はさっき紹介されてたからいいとして、
/ (●) (●) \ 残り2つの前書はどういう内容なんだお?
| (__人__) |
/ ∩ノ ⊃ /
( \ / _ノ | |
.\ “ /__| |
\ /___ /
87 名前:
やる夫で学ぶ柳生一族(外伝その5)[saga] 投稿日:2013/06/23(日) 21:07:09 ID:YelGZJ3g0
【序】
| ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄~|_|
| ._ .|_| 「新陰流兵法目録
| |月| .|_|
| |之| .|_| 序 閑長老作
| |抄| .|_|
|.  ̄ .|_| 夫兵術者、保身、亡敵、斉家、治軍、制国、平天下之道也。
| |_| 庶人得之則保身。勇士得之則亡敵。大夫得之其斉家。
| |_| 戦将得之則治軍。諸侯得之則制国。天子得之則平天下(後略)」
|________.|_|
└───────┘
/ ̄ ̄\
/ _ノ \ そうだな。
| ( ●)(● まず、「序」については、
| (__人__) 「新陰流兵法目録」という題から始まり、
. | ノ 兵法の在り方やその来歴、また、伊勢守や石舟斎への賛が
| ∩ ノ ⊃ 漢文体で記されている。
/ ./ _ノ
(. \ / ./_ノ │ 兵法の来歴は中国の春秋時代にまで遡って書いてるが、
\ “ /___| | .内容そのものは割とありがちなもので、十兵衛の独創感というのはないな。
. \/ ___ /
_____ ━┓
/ ― \ ┏┛
/ノ ( ●) \ ・ というか、
. | ( ●) ⌒) | 序の下に「閑長老作」ってあるけど、
. | (__ノ ̄ / ここだけ誰かに頼んだってことかお?
. | /
\_ ⊂ヽ∩\
/´ (,_ \.\
. | / \_ノ
88 名前:
やる夫で学ぶ柳生一族(外伝その5)[saga] 投稿日:2013/06/23(日) 21:08:25 ID:YelGZJ3g0
/ ̄ ̄\
/ _ノ \ その辺りは正直わからん。
| ( ー)(●) .尤も、十兵衛の身近で、こういう漢文体の文章を書ける人といえば
. | (__人__) まず沢庵和尚が挙がるから、その変名の可能性はあるかもしれんが。
| ` ⌒´ノ
.l^l^ln } どっちにせよ、
. ヽ L } ここは箔付的な部分の強いものだから、
ゝ ノ ノ それほど重視する箇所でもないかな。
/ / \
/ / \
. / / |ヽ、二⌒)、
.ヽ__ノ
____
/_ノ ヽ_\ あるいは、和尚に教えてもらいながら、
/( ●)( ●)\ 十兵衛が書いたって可能性もあるかもしれんお。
/::::::⌒(__人__)⌒::::: \
| ( ( | じゃあ、次に進めるお。
\ `ー' /
89 名前:
やる夫で学ぶ柳生一族(外伝その5)[saga] 投稿日:2013/06/23(日) 21:10:20 ID:YelGZJ3g0
【浜法之落索(兵法之落索)】
| ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄~|_|
| ._ .|_| 「浜法之落索」
| |月| .|_|
| |之| .|_| 夫兵法者、亘竺・支・日三国有之。
| |抄| .|_| 於土者、七仏師・文殊・上将、
|.  ̄ .|_| 提持智恵剣、載断無明賊、
| |_| 一切衆生莫不嬰其刃。
| |_| 可謂兵法濫觴(後略)」
|________.|_|
└───────┘
____
/ _ノ \
/ ( ●)}|)_ また漢文かお!
/ :::::⌒ (_ノ、) しかも今度はインド(竺)にまで話が遡ってるお!
| |┬‐' つか「浜法」ってなんだお!?
| |_|___
\ `ー‐'ノ
/ ̄ ̄\
_ノ ヽ、_ \ ああ、これは正しくは「兵法之落索」だ。
(-) (- ) |
.(__人___) | この頃は、割と平気で当て字や近い字を
.__(,__ | 宛てることがあったからな。
//___ \_ | 「兵」が「浜」になってたってことだろ。
| ./____\-` /
| / ,. 〉-`_. 〈 実際、十兵衛も、他の文章で
.| {(,/ ⌒`ヽ 「重兵衛」「光厳」「三吉」とか書かれてあったりすることもあるしな。
ヽ } ヽ
} ヽ ィ ヽ
90 名前:
やる夫で学ぶ柳生一族(外伝その5)[saga] 投稿日:2013/06/23(日) 21:11:48 ID:YelGZJ3g0
(⊃ ̄ ̄\
(⊃ _ノ \ ちなみに意味としては、
(⊃ ( ●)(●) 「兵法家訓」といったところだな。
| (__人__) 転じて、「柳生家訓」とも言える訳だ。
| ` ⌒´ノ
| } \ 実際、文末には
/ヽ } \
/ ヽ、____ノ ) 「歳次天文廿三年甲寅三月日 柳生但馬守宗厳書之」
/ . | _/
| / ̄ ̄(_) と書いてある。
\ \ /| JJJ (
\ / /⊂_)
____
/ \
/ ─ ─\
/ (●) (●) \ つまり、「石舟斎が定めた柳生家の家訓」ということかお?
| (__人__) |
./ ∩ノ ⊃ /
( \ / _ノ | |
.\ “ /__| |
\ /___ /
91 名前:
やる夫で学ぶ柳生一族(外伝その5)[saga] 投稿日:2013/06/23(日) 21:13:25 ID:YelGZJ3g0
/ ̄ ̄\
_ノ ヽ、_ \ まあ、一応そうなるんだが、扱いに困るのは、
(●)(● ) | この日付が天文二十三年(1554)ってことなんだな。
(__人___) |
| u | この日付が正しければ、
| .| 石舟斎…この頃だと新左衛門宗厳はまだ26歳、
ヽ 、 ,イ 伊勢守に出会う永禄六年(1563)の9年前だ。
/ヽ,ー- ト、 つまり、新陰流入門前に定められたものということになる。
_, 、 -─ '".:.ヽ:.:.\__ /ノ ト、__
__ ,. ー 、...:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.... なのにこの家訓、伊勢守への言及はおろか、
\ r 、 _ \:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:::::::::::::::::::::::::::::'ー、 .無刀についてまで言及してあるんだぜ?
} }/ ) V::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::\
/:ゝ/ ./ __ V ::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::i:.:.:.\
}:::::ゝ ソ ,Y i::::::/::::::\:::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::|:.:.:.:. \
___
/ \ うーん…。
/ _ノ '' 'ー \ .ということは、これは石舟斎直筆の写しではなく、
/ (●) (●) \ 十兵衛が伝え聞いた柳生家家訓を記述した後、
| (__人__) | .石舟斎の名前を記したってことかお?
\ ` ⌒´ /
92 名前:
やる夫で学ぶ柳生一族(外伝その5)[saga] 投稿日:2013/06/23(日) 21:15:50 ID:YelGZJ3g0
/ ̄ ̄\
/ _ノ \
| ( ー)(ー) そう考えるのが妥当だろうな。
. | (__人__)
| ` ⌒´ノ ただ、内容について言えば、尾張柳生家に伝わるという
. | nl^l^l .天正十七年(1589)付の柳生家憲と共通する部分も多いから、
. ヽ | ノ 日付がおかしいのは単なる十兵衛のミスで、
ヽ ヽ く 内容自体は、実際に石舟斎のものと考えてもいいと思う。
/ ヽ \
____
/ノ ヽ、_\
(●) (● ) \ そういうことかお。
/⌒(__人__)⌒ \
| ) ) u. | ちなみに、何か面白い点はあるかお?
\ `ー'´ / 漢文だと返り点や送り仮名が入るから、
⊂⌒ヽ 〉 <´/⌒つ PCだと原文をそのまま紹介しづらいのが困りものだけど…。
\ ヽ ヽ /
\_,,ノ| 、_ノ
93 名前:
やる夫で学ぶ柳生一族(外伝その5)[saga] 投稿日:2013/06/23(日) 21:17:37 ID:YelGZJ3g0
/ ̄ ̄\ そうだな。
/ ノ ヽ、.\ 例えば、
| (●)(●) |
/ ̄ ̄ ̄ 丶人__). | 「宗厳数年当流(新陰流)・他流稽古鍛錬以工夫之上、
/ \ ._|_____ 新分別肝心之一二、或十人而六七人、或十度而六七度、
, --'、 / `〉 無刀而得必勝之工夫」
/ ⌒ ) / /
,′ ノ / / っていう箇所がある。
l T´ .._ ./ r'´ ̄ヽ 伊勢守から印可を受けた後も、新陰流以外に
ヽ ノ ./丶、 / (  ̄ l 他流の稽古もして、無刀を完成させた、という訳だな。
`'ー'´ | .`'ー'――┬― --、/ _.ノ 「成功率は十回やって六・七回」って言ってるのも面白いな。
____
/ \
/ ─ ─\ 印可を受けた後も、
/ (●) (●) \ 兵法研究に励んだってことかお。
| (__人__) |
./ ∩ノ ⊃ / この頃には自流派も立てていただろうに、
( \ / _ノ | | 他流派の稽古を積んでいたってのは
.\ “ /__| | 随分と熱心なもんだお。
\ /___ /
94 名前:
やる夫で学ぶ柳生一族(外伝その5)[saga] 投稿日:2013/06/23(日) 21:19:04 ID:YelGZJ3g0
/ ̄ ̄\
/ _,ノ `⌒ あと、似たような意の文は、他にもこんなのがある。
| .( ⌒)(⌒)
. | (___人__) ・ 「不可廃余流、立他流嗜道可、相尋所以者、何於此道修行。
| ノ 于世上輩必知極意之一二者儘多矣」
.| | .・ 「一文無文師也。温故知新則於此道有日新之功、非可必勝他流。
人、 | 今日之我勝、昨日之我上手奇妙者、在鍛錬工夫之上」
,イ:. ト、ヽ、 __ ,_ ノ
,. -ーー -‐ ´:::::::::::::::::::::::::::::7 家伝書の紹介の時、
/..::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::: メ、 石舟斎の兵法思想についても言及したけど、
{ :::::::::::::::::::::.ヽ::::::::::::::::::::::::::::::::::::.. 、_ (
ttp://tagenmatome.blogspot.jp/2009/11/blog-post_22.html )
| ::::::::::::::::::::::..`、:::::::::::::::::::::::::::::::::::::..`ヽ
'| ::::::::::::::::::::::::::::i_::::::::::::::::::::::::::::::::::::.ヽ::ゝ 「一文は無文の師、他流に勝つにあらず。
ト、:::/ / ̄`` ハ::::::::::::::::::::::::::::::::::::::!:::::::.ヽ 昨日の我に今日は勝つべし」
`,ヘ ´:::::::::::::::::. ハ::::::::::::::::::::::::::::::::::::::|:::_,rー'、
}:,∨ :::::::::::::::::: ト、:::::::::::::::::::::::::>< ̄\::..\ という言葉は、ここでも挙げられているな。
. }:::∨::::::::::::::::、-''゙~ ̄ ̄ ̄ ̄:::::::::...\ ム:::::ヽ
l::::∨ :::: /::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::,.、/...:::::::::ヽ}
{::::::\,::::::::::::::::::::::::::::::::::::::/" ̄:::::::::::::::::::::::::ノ
____
/ \
/ ⌒ ⌒\ というか、引用されてる部分は
/ ( ●) ( ●)ヽ 漢文か和文かの違いがあるくらいで、
l ⌒(__人__)⌒ | 内容的には同一だお。
\ ` ⌒´ /
/ ヽ
95 名前:
やる夫で学ぶ柳生一族(外伝その5)[saga] 投稿日:2013/06/23(日) 21:19:59 ID:YelGZJ3g0
/ ̄ ̄\
/ _ノ \ その他、面白い文としてはこれかな。
| ( ●)(●)
. | (__人__) ・「所存覚悟・分別仁於執心懇望者、可相伝。
| ` ⌒´ノ .努々面太刀以下、不極稽古、嘲弄他流、
.l^l^ln } ..好仕合而於高瞞人者、不可相伝家宝」
.ヽ L }
ゝ ノ ノ 要するに、技を極めることを怠って仕合ばかり好んだり、
/ / \ 他流派を馬鹿にしたり、高慢な態度を取るような者に
/ / \ 印可を与えてはいけない、ということだな。
. / / -一'''''''ー-、.
人__ノ (⌒_(⌒)⌒)⌒))
___
/ \ 柳生といえば、「御留流なので他流試合を禁ずる」って話が結構あるけど、
/ ─ ─ \ 石舟斎の頃から、そういう下地はあったということかお。
/ (●) (●) \
.| (__人__) | __ 尤も、理由は御留流云々と言うより、
\ ` ⌒/ ̄ ̄⌒/⌒ / 「仕合ばかりを好んで、稽古を怠るようなことがあってはならない」ってところおね。
(⌒ / / /
i\ \ ,(つ / ⊂) ・ 「疎奥儀好仕合者、其身非受恥辱耳矣」
| \ y(つ__./,__⊆)
| ヽ_ノ | なんて風に、「奥儀を疎かにする者は、仕合しても恥をかくだけだ」とも書いてるけど。
96 名前:
やる夫で学ぶ柳生一族(外伝その5)[saga] 投稿日:2013/06/23(日) 21:22:25 ID:YelGZJ3g0
. / ̄ ̄ ̄\ しかし、前にも出た話だけど、
. /─ ─ \ 石舟斎って、この時代の兵法者としては
/ (●) (●) ヽ かなり変わり者だおね。
| (__人__) .|
\ `⌒ ´ __,/ 「強弩・矛戟不為翼。遯及死者、此術也」
. / \
| ̄ ̄ ̄ ̄ ̄Y ̄ ̄ ̄ ̄ ̄| とか、兵法は手柄を立てるより、
(,,) | (,,) まず生き残るためのものだ、といった感じだし。
| | |
/ ̄ ̄\
/ _ノ \
| ( ●)(●) まあ、小なりとはいえ領主だからな。
.| (__人__)_ 家の当主が生存を重視するってのは、
| `⌒´. ̄ 考え方としては別におかしくはないだろ。
.| ノ
ヽ .,ノ )/´二⊃ 実際、家康もそれを買ったからこそ、
> /"/ '‐、ニ⊃ キンッ 石舟斎に誓紙を入れた訳だろうし、
./⌒ヽ l ´ヽ〉〆ヽ その後の繁栄を考えたら、正解だったと言えるだろ。
( ヽ/ __人〉ヾ_ノ,ゞ
.\ / / { /
97 名前:
やる夫で学ぶ柳生一族(外伝その5)[saga] 投稿日:2013/06/23(日) 21:23:12 ID:YelGZJ3g0
/ ̄ ̄\
/ _ノ \
| ( ―)(―) シュポ 「序」と「兵法之落索」については
.| (__人__) チリチリチリ…… こんなところだな。
| .,ノ )/´二⊃
人 /"/ '‐、ニ⊃ これらのポイントは、「将軍家御流儀」ではなく、
./ ヽ l ´ヽ〉〆ヽ ただの「兵法」としての新陰流(柳生流)の由緒や思想が
( ⌒ヽ/ __人〉ヾ_ノ,ゞ どういうものかが記してあるということだな。
.\ / / { /
. __
-´ ``ヽ
. / ⌒ `ヽ つまり、「家伝書」は将軍や大名を念頭に置いてるから
/ `ヽ ヽ 統治者にとっての兵法とは、って話になってたけど、
. (( / (●) ヽ 普通の門弟相手の新陰流の由緒や理念は、
|::⌒(__ (● ) } .ここで書かれているものが教えられていたのでは、ってことかお?
ヽ 人__) ⌒::::. |
ヽ(__ン | 「まあ、そういうことだな」
人. / | |
/ _ノ ノノ
|
98 名前:
やる夫で学ぶ柳生一族(外伝その5)[saga] 投稿日:2013/06/23(日) 21:24:23 ID:YelGZJ3g0
/ ̄ ̄\ ( ;;;;(
/ ._ノ ヽ、\) ;;;;)
| (●)(●)/;;/
| (__人__)l;;,´| さて、それじゃそろそろ本文の紹介に入ろうか。
| ./´ニト━・' .l 流石に全部紹介するのは難儀だから、
| .l _ニソ } 概要の他、
>>1が面白いと思った箇所の抜粋になるけどな。
/ヽ、_ノ /
__/ / ノ__
/ / / `ヽ.
/´ ./ ,. ヽ.
ト、_,/. |、 ヽ
| |/ /
___
/ \
/ ノ \ \ そりゃまあ文章量だけなら、
/ (-) (-) \ 家伝書の倍はあるんだから、当然だお。
.| u. (__人__) | __
\ ` ⌒/ ̄ ̄⌒/⌒ / 全部紹介してたら、年が明けちまうお。
(⌒ / / /
i\ \ ,(つ / ⊂)
| \ y(つ__./,__⊆)
| ヽ_ノ |
99 名前:
やる夫で学ぶ柳生一族(外伝その5)[saga] 投稿日:2013/06/23(日) 21:25:15 ID:YelGZJ3g0
…で、今回ここまでだけど、
この更新の遅さ、どうにかならないのかお?
このままじゃ本気で ./ ̄ ̄\
完結する頃には年が明けるお? ._ノ ヽ、 \
____ (-)(- ) l
. / \. (__人_) | 俺に言うなよ…。
. / ノ ヽ、\ ヽ⌒ ´ .u l でも、どうしたもんだろうなあ…。
/ (-) (-) \ { /
. | (__人__) | ヽ /
\. ` ⌒´ /. / `ヽ
> <. /. <⌒ <)))\ l
/ /(((> ⌒> l ヽ_ヽ、___ ,イ
l. ___/_ノ. , ─l. |- 、
. l. ー‐⌒ヽ⌒ヽ l /⌒ ̄ ̄ ̄ l また
ヽ、. |_ノ `/ , ─―──´ __ __¨ ./
 ̄ ̄ ̄`ー ′ `ー ′ _) _) \
109 名前:
やる夫で学ぶ柳生一族(外伝その5)[saga] 投稿日:2013/06/30(日) 23:05:59 ID:35yzB5kk0
なんで今回も終わってないんだよオイ!
___
/ \ ___
/ノし u; \ ;//・\ ヽ\;
| ⌒ ) ;/ (_ ̄ ̄/・\\;
| 、 );/ /rェヾ__) ⌒::: ヾ; や、やる夫は知らねーお…!
| ^ | i `\/´-'´ u; ノ;;
>>1が前日に酒飲んでモンゴル相撲してたのが
| | \ヽ 、 , /; 悪いんじゃないかお…!?
| ;j |/ \-^^n ∠ ヾ、
\ / ! 、 / ̄~ノ __/ i;
/ ⌒ヽ ヽ二) /(⌒ ノ
/ r、 \ / ./  ̄ ̄ ̄/
110 名前:
やる夫で学ぶ柳生一族(外伝その5)[saga] 投稿日:2013/06/30(日) 23:06:24 ID:35yzB5kk0
/ ̄ ̄\ さて、「月之抄」本文は、
/ _ノ \
| ( ●)(●) 【習の項目名】
| (__人__) 解説文
| `⌒´ノ
| } という形の短文が、
ヽ } ( 230項目ほど続く構成になっている。
_ヽ ノ`ヽ、_ )
. _/|\ ` 、,__ 、小 L  ̄ ヽ ( 最初は太刀の目録から入り、
_, ハ \ ` ァ、 /ヘ,レ―‐‐、__i__,) 続いて技法について、そして様々な心得や、
. , -‐ ´ ,ゝ \/ _ 又/ ,ヽ\丁 .刀以外の槍や長刀、和(やわら)について、
/ ヾ. \ , イ{`< _ ,ィ 〉〉〉| 新陰流の由緒や起請文についての話など、
. / `゙ヾ\ ヽ/ ヽ\`く´ / `ー(/ | 多岐に渡る内容になっているな。
. ! ´⌒` ヽ / `ーヲ`〈 i !
____
/ノ ヽ、_\ で、それぞれに対し、
(●) (● ) \ 石舟斎と宗矩の教えを紹介して、
/⌒(__人__)⌒ \ 場合によっては、それ以外の伝も紹介してる訳だから、
| ) ) u. | 「新陰流(江戸柳生系).研究の集大成」って文句は伊達じゃないお。
\ `ー'´ /
⊂⌒ヽ 〉 <´/⌒つ 江戸時代にこれだけ書くなんて、
\ ヽ ヽ / 十兵衛も大したもんだお。
\_,,ノ| 、_ノ
111 名前:
やる夫で学ぶ柳生一族(外伝その5)[saga] 投稿日:2013/06/30(日) 23:08:37 ID:35yzB5kk0
/ ̄ ̄\
/ _ノ \ ( ;;;;( そうだな。
| ( ─)(─ ) ;;;;) あるいは「新陰流の技法・心得の教本」と
| (__人__) /;;/ 言ってもいいかもしれん。
. | ノ l;;,´
| ∩ ノ)━・' で、話を進めるが、それらの項目は
/ / _ノ´ 大体、「技法⇒心得⇒その他」という順に並んでいる。
(. \ / ./ │ まあ、厳密に区別されている訳でもないけどな。
\ “ /___| |
. \/ ___ /
____
/⌒ ⌒\
/( ●) (●)\ じゃあ、まずは技法から紹介していくお!
/::::::⌒(__人__)⌒:::::\
| |r┬-| |
\ `ー'´ /
112 名前:
やる夫で学ぶ柳生一族(外伝その5)[saga] 投稿日:2013/06/30(日) 23:10:11 ID:35yzB5kk0
【本文】
| ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄~|_| 『遠飛(燕飛) 面太刀ナリ
| ._ .|_| 遠飛 猿回 月影 山陰 浦波 浮舟 切甲 刀棒
| |月| .|_|
| |之| .|_| 三学
| |抄| .|_| 一刀両断 斬釘截鉄 半開半向 右旋左伝(転) 長短一味
|.  ̄ .|_|
| |_| 右之太刀のくたき三つづゝ有之
| |_| 老父云、此五ツは構をしてたもつを専とする也。待之心持也。
|________.|_| 亦云、めつけは二星、身の受用は五箇、三学、思無邪ノ心持専なり。
└───────┘
九箇
必勝 逆風 十太刀 和卜 捷径 小詰 大詰 八重垣 村雲
右之九ツは構ヲシテ居ル者ニ、また構をしてセンヲ仕掛、
打ソンして二ノメヲ勝稽古、残心の習也。これ老父ノヲシエなり』
/ ̄ ̄\ ( ;;;;(
/ ._ノ ヽ、\) ;;;;)
| (●)(●)/;;/ これが月之抄本文の最初の項目だ。
| (__人__)l;;,´| この辺りは従来の伝書の目録と同じく、
| ./´ニト━・' .l 太刀の名の列挙と、簡単な注釈が付く形になっている。
| .l _ニソ }
/ヽ、_ノ / この後、天狗抄、極意之太刀、活人劔…という具合に続いて、
__/ / ノ__ いずれも個別の太刀そのものについての解説はないな。
/ / / `ヽ.
/´ ./ ,. ヽ.
ト、_,/. |、 ヽ
| |/ /
-―─- 、
/ \
′ ⌒ ⌒ ,
i ( ―) (― ) i ま、そこはしょうがねーお、。
| (__人__) | 文章で書いてたらキリがないし、
、 ノ 結局は体で覚えるしかないって事だお。
⊂⌒ヽ > <_/⌒つ
\ 丶′ 7
\ ノ ト、_/
113 名前:
やる夫で学ぶ柳生一族(外伝その5)[saga] 投稿日:2013/06/30(日) 23:14:04 ID:35yzB5kk0
____
/ \
/ ─ ─\ ところで、文中に出てくる
/ (●) (●) \ 「老父」ってのは宗矩の事でいいのかお?
| (__人__) |
./ ∩ノ ⊃ /
( \ / _ノ | |
.\ “ /__| |
\ /___ /
/ ̄ ̄\
/ _ノ \ ああ、そうだ。
| ( ●)(●) 「月之抄」では、宗矩と石舟斎の事を、それぞれ
| (__人__)
| `⌒´ノ 「老父」(宗矩)
| } 「亡父」(石舟斎)
ヽ } (
_ヽ ノ`ヽ、_ ) と呼んでいる。
. _/|\ ` 、,__ 、小 L  ̄ ヽ ( 宗矩からの教えの場合は「老父云」「老父の伝に」、
_, ハ \ ` ァ、 /ヘ,レ―‐‐、__i__,) 石舟斎の教えの場合は「亡父云」「亡父の伝に」という塩梅だな。
. , -‐ ´ ,ゝ \/ _ 又/ ,ヽ\丁 たまに表記揺れすることもあるけど、そこはあまり気にするな。
/ ヾ. \ , イ{`< _ ,ィ 〉〉〉|
. / `゙ヾ\ ヽ/ ヽ\`く´ / `ー(/ | さて、それじゃ次に移るぞ。
. ! ´⌒` ヽ / `ーヲ`〈 i !
114 名前:
やる夫で学ぶ柳生一族(外伝その5)[saga] 投稿日:2013/06/30(日) 23:15:06 ID:35yzB5kk0
| ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄~|_| 『習之目録之事
| ._ .|_|
| |月| .|_| 目付三之事 二星 嶺谷 遠山
| |之| .|_|
| |抄| .|_| 二星之目付之事
|.  ̄ .|_|
| |_| 老父ノ云ク、敵ノこふし(拳)両のウテ(腕)也。此はたらきをえる事肝要也。
| |_| 亡父ノ目録ニハ二星、不断ノ目付、左右ノこふしと書セル也。
|________.|_| 私云、二星付り、色ト云心持アリ。是ハ、二星はアテ処ナリ。二星ノウコキヲ色ト也。
└───────┘ 二星ヲミント思ふ心より、色々心付ク心第一ナリ。重々ノ心持、至極まて是を用ルナリ。
(略)
老父かしら書ノ目録ニ二星付タリ不断用ルト書モアリ。
亦云、二星敵モロテにて持時よしと書セル目録もあり』
(ヽ三/) ))
__ ( i)))
/⌒ ⌒\ \ ここから先は太刀とは別の技法についての解説かお?
/( ●) (●)\ ) これは目付についての解説だおね。
./:::::: ⌒(__人__)⌒::::\
| (⌒)|r┬-| | 太刀の時と比べると、結構記述が細かいお。
,┌、-、!.~〈`ー´/ _/ .宗矩、石舟斎のそれぞれの指導の他、
| | | | __ヽ、 / 場合によっては、自分の見識も載せてるお。
レレ'、ノ‐´  ̄〉 |
`ー---‐一' ̄
/ ̄ ̄\
/ _ノ ヽ_
| (●)(●) 柳生系の新陰流の場合、
. | (__人__) 個別の太刀以上に、実戦に於いて、
| `⌒´ノ ) ;;;;) 何に注意するべきか、どのように動くべきか、
. | } .) ;;;;) という部分が重視されているからな。
. ヽ } /;;/ .さもありなんといったところか。
ヽ ノ .l;;,´
. / ∩ ノ)━・' この後も、目付や拍子、構、間合などの解説に、
( \ /|_ノ ヽ かなりの項を割かされている。
. \ "" /_ノ |
\ /___/
115 名前:
やる夫で学ぶ柳生一族(外伝その5)[saga] 投稿日:2013/06/30(日) 23:18:52 ID:35yzB5kk0
, -‐- 、
{ ^L..`"¨"、"ヽ
`T´ ,)ヽ ヽ \〉
い、 ヽ ト、 .! !
`'〈_Y´〉 -}_ ! !
_,l>、 ̄`ヽr 弋`Y
, ''"´ -‐ ヽ\ \. `ソ
r‐-┬ '."~ ̄j`i {. lヽ.‐---、-- !.∠..___ ̄ |
ゞタ弋' ーrィへト, \ \\  ̄ \_. 〉
ム1入. / } `'</`Yら、 \ ̄,小、
. /´. 弋,j___ソ| `' <._ぅ `ヽ,.ト、ヽ
r勿、 ,r─- '、 ':, ヘ.
`<北孑{ \ \"´',
. / .\. } `r へ,
. /. ,>‐`弋''''ヘ, ヽ ',
〈 ,.ゝ'´ `7⌒ヽ. `^^
`"´ ` ̄´
【仕合う人たちの図】
∩_
〈〈〈 ヽ
____ 〈⊃ } 格ゲー辺りで例えたら、
/⌒ ⌒\ | |
/( ●) (●)\ ! ! 『キャラ性能は性能として、実際の対戦時は駆け引きが重要。
/ :::::⌒(__人__)⌒:::::\| l 強キャラでも、下手が使ったら宝の持ち腐れ』
| |r┬-| | /
\ ` ー'´ // といったところかお?
/ __ /
(___) /
/ ̄ ̄\ ( ;;;;(
/ _ノ ヽ\ ) ;;;;) まあ、そうだな。
| ( ─) (─)/;;/ 現実には体力ゲージなんてもんはない訳だから、
. | (__人__) l;;, 斬ったらその時点で勝負が付いてもおかしくないんだ。
| ∩ ノ)━・'
. | / ノ´ } それを踏まえると、この記述量は
. ヽ / / } 当然かもしれんな。
ヽ/ / ノ
116 名前:
やる夫で学ぶ柳生一族(外伝その5)[saga] 投稿日:2013/06/30(日) 23:20:24 ID:35yzB5kk0
/| ト、
/ |, -‐ ,へ ‐- .| l
| `ー/ ヽ ̄ |
rL__/\/ ヽ_--ヘ / ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
/. / \| / \ | | MSの性能の差が戦力の
|_r‐― ._ヽ/_. -― i、ト、 | 決定的差ではないということを教えてやる
/ | く二>∧ く二> |\ゝ ノへ.________________
/:::::L._r-‐ '´ l>`ー-r;」::::::::\__
/::::::::.从 r_=ニ} ハ}:::::::::::::::::::::./
く:::::::::::::::::: `ト、  ̄ / |::::::::::::::::::::/
\::::::::::::::.」__`-―‐ ' - r、:::::::::::/
\::::::::::| ( 三」|L三})L__ィ''´
 ̄_」______} { -―''--=――'}
/
―――――――y―――――――――´
____
/⌒ ⌒\
/( >) (<)\ そういえば
/::::::⌒(__人__)⌒::::: \ こんな台詞もあったお!
| /| | | | | |
\ (、`ー―'´, /
 ̄ ̄ ̄
__
/ \
/ ゝ_ \
(○)(○)U | おいばかやめろ
(__人__) |
・━(\_∩ | ほら、もう次に移るぞ!
ヾ(_ \ |
{ \ \ \
/ \_\ \ / .)
| |___ \ “ /
\___ \/
117 名前:
やる夫で学ぶ柳生一族(外伝その5)[saga] 投稿日:2013/06/30(日) 23:21:57 ID:35yzB5kk0
| ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄~|_| 『西江水之事
| ._ .|_|
| |月| .|_| 引歌ニ、
| |之| .|_|
| |抄| .|_| 中~に里近くこそ成にけり
|.  ̄ .|_| あまりに山のおくをたすねて
| |_|
| |_| 父云、心をヲサムル所、腰より下ニ可得心。是専一トス。
|________.|_| 油断ノナキ事、草臥サルサキニ、捧心万スニ心ヲ付ケサセンカタメナリ。
└───────┘ 油断ノ心アレハ、ナラサルモノ成り。其心持肝要也。
夫ヲ忘サル事ヲ、心ノ下作ト云也。三重五重モ油断ナク、勝タルト思ふへからす。
打タルト思ふへからす。夫に随イ油断ナクスル事肝要也。上泉武蔵守親ニテ候。
宗厳公之伝これより外ハナシ。此心之受用ヲ得テハ、師匠なしと云ナリ。
受用ヲ得テ、敵ヲウカヽイ懸ケ引キ、表裏アタラシク取ナシスルより外ハ是なし。
是無上至極の極意也。亡父ノ録ニ西江水之事、付心也。
置所、シムル心持一段大事口伝ト書ル、引歌はま一のことし』(続く)
/ ̄ ̄\ ( ;;;;(
/ ._ノ ヽ、\) ;;;;)
| (●)(●)/;;/ 次は本文でもあった「西江水」についての解説だ。
| (__人__)l;;,´| 解説を読む限り、姿勢に関連した内容のようだが、
| ./´ニト━・' .l これそのものについては、これ以上深入りはしない。
| .l _ニソ }
/ヽ、_ノ / ここで重要なのは、この次の記述だ。
__/ / ノ__
/ / / `ヽ.
/´ ./ ,. ヽ.
ト、_,/. |、 ヽ
| |/ /
118 名前:
やる夫で学ぶ柳生一族(外伝その5)[saga] 投稿日:2013/06/30(日) 23:23:24 ID:35yzB5kk0
| ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄~|_|
| ._ .|_| 『亦云、此西江水之習ニ、亡父ノ用ト、老父ノ用ニ替りタル差別アリ。
| |月| .|_| 亡父ノ用ハ、ケツヲスボムル也。これ西江水ト号ス。
| |之| .|_| 老父ノ用ニハ、ケツヲハル也。これ西江水ト号ス。
| |抄| .|_| すぼめたるヨリハはりたる方身モ手モクツロキテ自由ナル心アリト也』(続く)
|.  ̄ .|_|
| |_|
| |_|
|________.|_|
└───────┘
___ て
/ \ そ ……!?
iニーヽ /─ ─ \ これ、石舟斎と宗矩で、言ってることが違うお!
iニ_  ̄ ̄/(●) (●) \ 石舟斎は、「尻をすぼめろ」と言ってるのに、
⊂ノ ̄ ̄| (__人__) u | .宗矩は、「尻を張れ」と言ってるお!
⊂ ヽ∩ `ー´ _/
'、_ \ ) どっちが正しいんだお?
\ \ / /|
|\ ヽ / |
/ ̄ ̄\
/ _ノ \
| ( ●)(●) そう、そこがポイントだ。
. | (__人__) この「月之抄」が書かれた理由は、
| ` ⌒´ノ ,r'゛ヾ 「人によって言ってることが違う」のを
.l^l^ln } `‐= ) 整理するというのがあったわけだからな。
. ヽ L } ゝ-´ );;;;;;)
ゝ ノ ノ .) ;;;;) そこに、この習を創意した本人である石舟斎と、
/ / \ ./;;/ その子にして自分の師でもある宗矩とで、言ってる事が違うわけだ。
/ / \ .l;;,´ こういうものを十兵衛がどう判断するかが、「月之抄」のポイントのひとつと言っていい。
. / / |ヽ、二⌒)━・'
ヽ__ノ
119 名前:
やる夫で学ぶ柳生一族(外伝その5)[saga] 投稿日:2013/06/30(日) 23:27:11 ID:35yzB5kk0
/ | ´ |
/ ;;;,,, | / ,,;;;|
| ,,/ ゙゙゙ ` / ;;;;;;゙、
ヾ ,,;;;;| ‐-、 ヽ
| / `ヽ、,,,,,,,,,, `、
/ | ゙゙゙;;;;; ヽ
/ | ! ;;;
/ / | \ヽ l|l|l|l|l|l|l|l|l|l|l|l|l|l|ll|l //
/ / | \ /
/ / 、 | , 二 Q : 尻はすぼむるべきか、はるべきか? 二
/ | | ;;; ― 十兵衛の判断は───? ―
/ ;;;, | ;;;; // \
;;| ;;;; / ;;; // l|l|l|l|l|l|l|l|l|l|l|l|l|l|l|l ヽ\
.| ;; / ゙
| /
| ,,,,;;;;/,,
| ,,,,;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;/;;;;;;;;;;;;;;;,,,,,,,,,,
| ゙゙゙゙゙゙゙゙゙゙゙゙゙゙ |;;;;;;゙゙
| |;;;;
| |;;;
| |;;
| | ||;;
| | | |;;
| | | |;
| .| | ヽ
121 名前:
やる夫で学ぶ柳生一族(外伝その5)[saga] 投稿日:2013/06/30(日) 23:30:00 ID:35yzB5kk0
【A : 「どっちもアリ」】
| ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄~|_|
| ._ .|_| 『然レとも、是ハいつれニても、主々カ用エン方可然也。詞ハ替れとも心之置所一つ也。
| |月| .|_| 心ヲ定テしつかなる時ハ、捧心能ミユルナリ。秘事至極ナリ。
| |之| .|_| 抑此習ハ、亡父年シ老シテ体足心ならサルに、冬天ノ寒時ニ、
| |抄| .|_| 外ニアルセッチン(雪隠)エ通ふに、山中之事なれハ、氷とけず、なめ(滑)ト也テスヘリ、
|.  ̄ .|_| 老父かなひがたけりけれども、通ふとて、たヲれんとせし時、此心持ヲ、得道して今此西江水ト秘シテ、
| |_| 無上至極、極意ト号ス。此所に至レハ万事ハ一心トナリ、一心ハタ西江水一ツニ寄ス所ナリ』
| |_|
|________.|_|
└───────┘
____
/ ノ ヽ\
/ (○)}liil{(○) えー!?
/ (__人__) ヽ 「どっちもアリ」っていいのかお、それ!
| |!!il|l| |
\ lェェェl /
/ ヽ
しヽ ト、ノ
| __ |
!___ノ´ ヽ__丿
/ ̄ ̄\ まあ、その判断の是非はともかく、
/ _ノ \ 十兵衛のスタンスが、ここから見えてくる。
| ( ●)(●)
| (__人__) 「相反する教えがあったとしても、
| `⌒´ノ 根本に理があるなら、両論記載とする」
| }
ヽ } ( というわけだ。
_ヽ ノ`ヽ、_ ) この場合だと、理想的な姿勢を如何にあるべきか、という問に対し、
. _/|\ ` 、,__ 、小 L  ̄ ヽ ( 石舟斎、宗矩の両人が、それぞれが良いとする姿勢の取り方について
_, ハ \ ` ァ、 /ヘ,レ―‐‐、__i__,) .直接的な形は異なるが、「理想的な姿勢を取る」という根本に関しては
. , -‐ ´ ,ゝ \/ _ 又/ ,ヽ\丁 同一なわけだからな。
/ ヾ. \ , イ{`< _ ,ィ 〉〉〉|
. / `゙ヾ\ ヽ/ ヽ\`く´ / `ー(/ | 補足として、石舟斎が述べた習についての言及もあり、
. ! ´⌒` ヽ / `ーヲ`〈 i ! その点を補強しているな。この逸話は前に紹介した通りだ。
(石舟斎の西江水会得の逸話(
ttp://tagenmatome.blogspot.jp/2009/08/11.html ))
122 名前:
やる夫で学ぶ柳生一族(外伝その5)[saga] 投稿日:2013/06/30(日) 23:32:23 ID:35yzB5kk0
| ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄~|_| 『真之活人劔之事
| ._ .|_|
| |月| .|_| 老父云、是レ新陰流之、タテハ也。ヲツトツテ、ひつさけたる構也。
| |之| .|_| 太刀之内ニも是アリ。新当流ニハ下段之太刀ヲハ、殺人刀ト、コロシ不用也。
| |抄| .|_| 陰之流ニハ、是ヲ活人劔トイカシテ用ル也。心ハ、構ヲ不用(もちいざる)ユエナリ。
|.  ̄ .|_| 下段の活人劔ハ構ニアラデ、敵のハタラキニ随ヒ構トスルニより、殺人刀ヲ、
| |_| 陰ニハ活人劔ト遣ナリ。上段・中段・下段・長キ・短キ共ニ構ノナキ所ヲ
| |_| 構とする心持真之活人劔也。構なくして、敵のはたらきニ随テ構になす所、
|________.|_| 新陰之流之タテハ是也。不切、不取、勝ス、負ザル流也。是根源也。
└───────┘ 亡父ノ録ニハ真之活人劔之事、付構ナキ心持一段大事根本也。
口伝ニ有。不切、不負サル口伝、重々可秘者也。ト書ル。
亦云、当流ニハ所作ヲ捨テ、心ニアル本理ヲ構トスルナリ。構ハ不知トいへり』
/ ̄ ̄\ ( ;;;;(
/ ._ノ ヽ、\) ;;;;)
| (●)(●)/;;/ さて、ここからは習であると同時に、
| (__人__)l;;,´| この頃の江戸柳生系の新陰流の思想について
| ./´ニト━・' .l 言及してある箇所を幾つか抜粋して紹介しよう。
| .l _ニソ }
/ヽ、_ノ / まずはこの「真之活人劔」からだ。
__/ / ノ__ 基本は構についての話だが、
/ / / `ヽ. .後半から宗矩や石舟斎による「新陰流とは」の話になる。
/´ ./ ,. ヽ. .詳細は長くなるから紹介に留めるが、なかなか面白いぞ。
ト、_,/. |、 ヽ
| |/ /
____
/ \
/ ─ ─ \
/ (●) (●) \ (老父云)「不切、不取、勝ス、負ザル流也。是根源也」
| (__人__) | .(亡父云)「不切、不負サル口伝、重々可秘者也」
\ ` ⌒´ ,/
/⌒ヽ ー‐ ィヽ 「兵法之落索」でも書かれていたけど、
/ ,⊆ニ_ヽ、 | また随分ストレートに言ってるもんだお。
/ / r─--⊃、 |
| ヽ,.イ `二ニニうヽ. |
123 名前:
やる夫で学ぶ柳生一族(外伝その5)[saga] 投稿日:2013/06/30(日) 23:34:16 ID:35yzB5kk0
| ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄~|_| 『真実之無刀之事
| ._ .|_|
| |月| .|_| 父云、此心持ハ、手ぶりにてセンよりハ、何にても取り持テすへし。
| |之| .|_| 座敷ならハ、盃はちなになりとも、すハと云時ハ、手に取、持合テ、取心持真実ノ無刀ト云也。
| |抄| .|_| 諸道具ハあるにまかせよ、かたなナクシテ不被切心持ヲ可知ト也。
|.  ̄ .|_| 万事ヲ、無刀ト可心得。活人劔ノ心持ノ根本也。至極也。亡父ノ録ニ理なし。
| |_| 亦云。此心得、亡父ノ自由也。陰ノ流ニモなし。亡父此かたの儀也。
| |_| たとヘハ手ニハ長短とも、何ヲ持モ無刀之心持にてすへし。
|________.|_| 此心持ヲ以、亡父ハ無刀流我か法ナリトいはれしと、老父かたりたまへし也。
└───────┘ 無刀ノ心ニハ、太刀も鑓モ道具ハナクシテ、道具有也。是真実ノ無刀心持也。
亦云、真実ノ無刀之事、古語云ク、空手地鋤頭。
歩行騎水、人従橋上過、橋流水不流。ト書にアリ。是は、秀忠公御稽古之時分之目録ニアリ』
/ ̄ ̄\ ) ;;;;)
/ _ノヽ_\ ) ;;;;)
| (─)(─) /;;/ この辺りも面白いな。
. | (__人__) l;;,´ 内容的には、家伝書内での無刀についての言及とほぼ同一だが、
| `∩_ノ)━・' 石舟斎の話が載っているのがポイントといえる。
. | |_ノ
/ヽ | |_
| \_/ ノ ヽ
\ /_| |
| \ / _/
「此心得、亡父ノ自由也。陰ノ流ニモなし。亡父此かたの儀也。
___ たとヘハ手ニハ長短とも、何ヲ持モ無刀之心持にてすへし。
/ \ 此心持ヲ以、亡父ハ無刀流我か法ナリトいはれしと、老父かたりたまへし也。
/ ⌒ ⌒\ 無刀ノ心ニハ、太刀も鑓モ道具ハナクシテ、道具有也。是真実ノ無刀心持也」
/ ( ⌒) (⌒)\
i ::::::⌒ (__人__) ⌒:: i この箇所だおね。
ヽ、 `ー ' /
/ ┌─┐ ・ 無刀は石舟斎が編み出したこと。
i 丶 ヽ{ .茶 }ヽ ・ 石舟斎の言う「無刀」は、刀を持たないという話ではなく、
r ヽ、__)一(_丿 道具の違いや有無に囚われない心そのもの。
ヽ、___ ヽ ヽ
と_____ノ_ノ 「無刀流我が法」の意味も、文脈全体で見ると、多重的な意味を持つわけだお。
124 名前:
やる夫で学ぶ柳生一族(外伝その5)[saga] 投稿日:2013/06/30(日) 23:37:09 ID:35yzB5kk0
| ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄~|_| 『無刀取心持之事
| ._ .|_|
| |月| .|_| 父云、無刀ニテ無理リニ取ト云心ニテハナシ。
| |之| .|_| 万事無刀之心持ニアル心ヲ以テ、極意トセリ。
| |抄| .|_| 偏ニ取間敷ニモアラス。拾人シテハ六七人、
|.  ̄ .|_| 拾度ニシテハ六七度ハ、取モセンモノ也。
| |_| サレハ取リテ頼ニセンモノカ、鑓ナリ、刀ナリ、
| |_| 不叶所ニテハ、取テミヨ、ヤラレンヨリハ、取ルへし』
|________.|_|
└───────┘
/ ̄ ̄\
/ ノ \ \ 無刀関連でもうひとつ挙げようか、
| .(●)(●) | これも内容的には、家伝書と、
. | (__人__) | 前述の「兵法之落索」にあるのと、ほぼ同内容だが、
| `⌒´ | ) ;;;;) 最後の一文が面白かったので挙げてみた。
. | | .) ;;;;)
. ヽ } /;;/ 『サレハ取リテ頼ニセンモノカ、鑓ナリ、刀ナリ、
ヽ ノ .l;;,´ 不叶所ニテハ、取テミヨ、ヤラレンヨリハ、取ルへし』
. / ∩ ノ)━・'
( \ /|_ノ ヽ 「無刀取りなんか確実にできるもんでもないんだから、頼りにすんな。
. \ "" /_ノ | 何にもない時に、やられるくらいなら取る、くらいに思っとけ」ってとこだな。
\ /___/
____
/ \
/ ― ―
/ ( ●) (●)' …「練習して確実に成功できるようになれ」とかじゃなくて、
| u (__ノ、_,x ,--、 .どうしたって確実に成功するとは限らないのだから、
\. `ー< ヾ zヽ ズズ… やるならどうしようもないときだけにしとけ、ってのは
____/ ー‐\/| | .随分と割り切ったもんだお。
| | / / __ノ
| | / / | まあ、実際、刀や槍があるなら、
| | (  ̄ ̄ ̄⌒ヽ. | 自分からやるようなもんじゃないのは同感だお>無刀取り
 ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
125 名前:
やる夫で学ぶ柳生一族(外伝その5)[saga] 投稿日:2013/06/30(日) 23:38:36 ID:35yzB5kk0
/ ̄ ̄\
/ _ノ .ヽ、\
| (●)(●) | …さて、本文をある程度挙げていったわけだが、
. | (__人__) .| やる夫、ここまでで何か気づいたことはあるか?
| . '´n`' .ノ
.ヽ . | | }
ヽ.. ノ .ュノ
/ { ..ニj、
|. | "ツ \
|. | .l |ヽ、二⌒)━・
___
(⊃ \
(⊃ _ノ ヽ、_ \ ここまでで、かお?
(⊃ (ー) (ー) u.\
/| (__人__) | うーん…。
/ \____` ⌒´ / 「全体的にミもフタもない」というところかお?
( \
\_ | \
ヽ| ト、 ヽ
ヽ | > )
126 名前:
やる夫で学ぶ柳生一族(外伝その5)[saga] 投稿日:2013/06/30(日) 23:40:27 ID:35yzB5kk0
,, -‐ 、
/' ヽ そうだな、それも間違いじゃない。
/ ̄ ̄\ ./ i しかし、この「月之抄」本文のポイントは、
/ ._ノ ヽ、\ / ...........i
| (●)(●) | / ..:::::::::::::::| 「十兵衛による宗矩へのインタビューとして読める」
| (__人__) | / ..::::::::::::::::::l
.| ` ⌒´ .} ./ ..::::::::::::::::::::! ということなんだ。
| }/ .::::::::::::::::::::/ 石舟斎のそれと違い、宗矩の教えについては
ヽ ./ .:::::::::::::::::::/ 伝書だけではなく、十兵衛が直接宗矩に尋ねて回答を得ていると
.ヽ . ./ .:::::::::::::::::::/ .思われる箇所がある。
,. ‐'"´ `'‐,r''"~ .:::::::::::::::::/
..:./,. -‐‐- 、 l′ ..:::::::::::::/| つまり、江戸柳生、即ち、当時の最大流派の達人が
:,' / !.:::::::/:i..:..l 流派宗家に対し、次々と質問を投げかけて、
r 、 / !::::::::::: i..:..i ひとつひとつ答えを貰ってるわけだ。
l .......`:i i !:::::::::: ゙、:.i
! ::::::::::/ i i:::::::::: ヽ:i ある意味、とんでもなく豪華なシロモノだぞ。
.! ::::::::/ i .....i::::::::::: ヽ
.ヽ ::::::| `、 `、 .....::::::::::::l:::::::::::: `,
/ \:::l. `、 ヽ::::::::::::::::::::l::::::::::: /'''ー─----、
`ヽ `、 .::::\:::::::::::::::|::::::::: /,, ,. ‐;''
127 名前:
やる夫で学ぶ柳生一族(外伝その5)[saga] 投稿日:2013/06/30(日) 23:42:24 ID:35yzB5kk0
___
/)/ノ ' ヽ、\
/ .イ '(●) .(●)\ インタビュー…。
. /,'才.ミ). (__人__) \ なるほど…そう言えばそうだお。
. | ≧シ' ´ ⌒` | .あるいは、対談集とも言えるかもしれないわけお。
. \ ヽ /
(⊃ ̄ ̄\
(⊃ _ノ \
(⊃ ( ●)(●) そういうことだ。
| (__人__)
| ` ⌒´ノ その辺りもあってか、
| } \ 随分変わった項目も含まれている。
/ヽ } \ そいつも幾つか紹介しよう。
/ ヽ、____ノ )
/ . | _/
| / ̄ ̄(_)
\ \ /| JJJ (
\ / /⊂_)
128 名前:
やる夫で学ぶ柳生一族(外伝その5)[saga] 投稿日:2013/06/30(日) 23:44:35 ID:35yzB5kk0
つ、次こそは
終わらせてみせるだろ・・・多分!
´___
:/ u\; ____
;/ ノル(<)\; / ;u ノ し ヾ
;| (>) _) \;./ ⌒ \ で、ここで終わってどーすんだお!
;|::: ⌒(__ノェソ / ヽ 馬鹿なの?死ぬの?
.;\ u ´ ソ / ^ │
` ;\ , | │ 1話分で1ヶ月以上掛かるってどうなんだお!?
,ヾ \_ n^^- \ , _/
;/ ∠_;i  ̄丶/ ̄ \ __ __¨ ./
;( ⌒) ´ ノ \ _) _) \
137 名前:
安価スレッドはEXへ!纏めて落とします[sage] 投稿日:2013/07/04(木) 17:07:14 ID:z.Tcjt1E0
月之抄は李衛公問対の剣術版みたいなもんってことか
138 名前:
1[sage] 投稿日:2013/07/06(土) 18:20:58 ID:n5cGl.VE0
どもどもです。
さて次回の投下ですが、いつも通り日曜(7/7)の21時からを目標にする所存ー。
明日こそ終わらせたいものでアリマス。
よろしゅうですー。
>>137「対話」というには、石舟斎や宗矩の教えに対する十兵衛自身の意見は少なめなので、
「インタビュー」という形容にしてみたり。
その意味では、「木村助九郎兵法聞書」に十兵衛と木村助九郎の兵法対話があるので、
そちらの箇所は李衛公問対の形式に近いかもで砂。
141 名前:
やる夫で学ぶ柳生一族(外伝その5)[saga] 投稿日:2013/07/07(日) 22:02:11 ID:LyQgZ6tY0
m n _∩ ____ ∩_ n m
⊂二⌒ __) /⌒ ⌒\ ( _⌒二⊃
\ \ / (> (<).\ / /
\ \´::::⌒(__人__)⌒:::: .\/ / やっと今回で終了だお!
\ \ |r┬-| / /
\ \ `ー'´ / /
`ヽ、'' ̄V ̄ ̄'' ノ
/ ̄ ̄\ /
/ _ノ ヽ_ ..\ /
/| (-)(-) |イ まったくだろ。
.イ..| (__人__) | `ヽ、 随分予定より掛かっちまったなあ…。
i | ` ⌒´ u i ,,,;;)
トxヽ、ノ) . ノ (_,, "':、
i ../.(ヽ、.イ x/ ノ ノ
ヽ./ヽ、 .\ i´//
`ヽ  ̄V\ノ'"/
Y /
.i i
.|_____|
.| ./
.| y ./
.|/ ./
.i⌒ii/ .イ
|川| ../ |
illl.||/| |
""" ィ" ̄)
142 名前:
やる夫で学ぶ柳生一族(外伝その5)[saga] 投稿日:2013/07/07(日) 22:03:13 ID:LyQgZ6tY0
| ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄~|_| 『師匠之心持之事
| ._ .|_|
| |月| .|_| 老云、ヨメガシウトニ成トイヘバ、これそ習ニスルト云儀モさしてあらす。
| |之| .|_| 諸事万法ニ入り、其心ヲ心ト心にて、師弟ト成テ可知ト云々。
| |抄| .|_| サル人ノ云。我かゑたる所ハ、再々セルモノ也トいへり。
|.  ̄ .|_| 父云、四つノヲシヘアリ。
| |_| 主人ト子ト徳ト深キ執心ノ人ト、是四ツニハ不残可伝者也。
| |_| 其のくるゝ人ニ、ヲシヘヨト云バ、ヨクニ似タレトモ、
|________.|_| タカラヲ入テ習ぬれハ、アダニセザルナリ。
└───────┘ ソツヂニモサヌモノ也。古今伝授モ黄金ヲツム也。
云、師道上手ノヲシヘハ、本ヲハつサザルト』
/ ̄ ̄\ .........::::::::::...r‐ ' ノ.
/ \........::::::::_ ) (_ まず、初っ端からパンチのある項目を挙げよう。
|::::::: : |.....:::(⊂ニニ⊃) こいつは兵法指南をする際の心得というところだな。
.|::::::::::::: |....: ::::`二⊃ノ 面白ポイントを訳すと、
|::::::::::::: |..: :::: ((  ̄
.|::::::::::::::: } [l、 ・ 相伝する者は、「主君」「子」「金を出した人」「熱心な人」の四者である。
ヽ } /,ィつ ・ 大金を払って習ったものならば、それなりに大切にするものである。
/ ヽ . ノ .,∠∠Z'_つ それにホラ、古今伝授だって金を積むじゃろ?
/ ''⌒ヽ ./ .r─-'-っ
.| ( / } ./ ):::厂 ´ こんな感じか。
| / .// .ト /
____
/ ノ ヽ\
/ (○)}liil{(○)
/ (__人__) ヽ トバし過ぎだお!
| |!!il|l| | もうちょっとオブラートに包めお!
\ lェェェl /
/ ヽ
しヽ ト、ノ
| __ |
!___ノ´ ヽ__丿
143 名前:
やる夫で学ぶ柳生一族(外伝その5)[saga] 投稿日:2013/07/07(日) 22:08:17 ID:LyQgZ6tY0
, '´  ̄ ̄ ` 、
i r-ー-┬-‐、i
| |,,_ _,{|
N| "゚'` {"゚`lリ
.ト.i ,__''_ !
/i/ l\ ー .イ|、
/ | l  ̄ / | |`
.【主人:家光】 / ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄\
.| 今の話を宗矩に当てはめると、.|
____ | 大体こんな感じになるな。 |
/ \ \_____________/
/ ─ ─ \
/ (●) (●) \
| (__人__) |
\ .`⌒´ ,/
/ ー‐ \ 友矩、宗冬も
【子:十兵衛】
,.、_、,、_, ,、、.,、,、、
x': : : : : : : : : : : : :ヾ
,ミ: :ミY´ヾヾヾヾ〃ヘ: :ミ
ミ: ミ 彡:ミ
.爻{ ====ミ ,x====ヘ: ミ . ;;;;;;l _、‐--― ´ 、一--- .,j;;;;;j,
ハ〈i| -=tッァ }-{ rッァ=-}リ,ハ ...... ;;;;;i! ヽj辷'> i <i辷T ゝ;;;;;;}
い仆---- イ{ `ー--- 仆./.. ゙r;;リl!::. ヽ ハ;;;ヾ
\_l └r ' /シ′ ......<;;;;;;;;ヽ .,.._,. 〉 i;Z`
. レヘ ─‐ ,仆リ . f;;Y゙i, .,'_、-ー.,_. /ハぇ;,
.´イ\  ̄ / | .!` .:ヽ, `二´ /戈''~ 他何人か
【徳(の人):鍋島元茂/細川忠利など】
,ィ''''''''" ̄ ゙゙'' 、 ,r ' ., , .ii, , .))``` ヽ,, . .... ,ィ:´ ̄ ̄`ヽ
,r''~ w"www''''""ナヽ ./:;:;:;:;:;:;:;:./厶川//`;;;;;;;ミ .... f`、__(_(_((iii,ヘ__ノノノ .`、 . フ ノァ ... /:.:.:.:.. .:.: ヽ
,r"ミr''"''''' ー'""" アシ''゙、 .... /:;:;:;:;:;:;:;/ /y-、ツム、:;:;:;:;:;ミ' . < 彡 .:: :::ノノ::::.. ´彡'、 .、ー' イ ) i:.:.:.:.:.: ハ
イ ''}´ ゙' 、ィ、__ t゙'iiミ} ./:;:;:;:;:;:;:;〈 イ!{ 〉|!:;:;:;:;> f 彡ri、 ::::'' ::::::, ,, , ミ .'i .´フ /´i!フ r- - 、ツ ツl . .i:.:.:.:.:.: i
イ, ノリ r"""リ{~ヽ ̄''''}{ミ ゙'l ...... /:;イ:;:;7ミハ从|_ i | /ノレ:;:;ト、) (,(ノl vゝニニノ'((ニニニノノミ f ..l/ィr-/r、_(/レ i! i!i! 彡 ソ . |:.:. ,ィ i ,i ト、 ゝ-
( lイ  ̄:::-(,,、lヽ ̄ノ:| jヽ) {/ノ:;:;/!Ⅵ ミセ示ミ メtッテ }:;:;ヽ frゝ '─’ゝ l `‐¨‐'´ / /,.....〈 V ==t r-ッノi 彡 ノ ... { ノ !イ川 !ゝ_ゝ、_ .〉
( ィt:|ツ r''ヽ;ノ'、, 'ィ::'|/l,}リ ∠,_/:;ヽリ ´ ̄ √ ̄` ハ:;〈 '、゙.', r__ゝ........:::::yノlj....../l从|∥》 / ゙テ〒' /' l > ._j { 辷ァ , ,ィャ .}  ̄`'
ノ.{゙=:| /:/ ,、― -、;j '': |シ ) .... /:;:;:;:;:;:;:ハ -' /_ノ|レ . < ,t', ャ,-----.ァ::::::,',-.' ..... / l// ヽ‐' i!《゙Уイ \ ..... } ,ハ / |:. ヽ ハ
{ 〉i::|. ゙'" ミ,、-、;}, l 从 ) ......./:;:;:;:;:;:;:;:;:;| ', ` ー一 イ:;:;:;:;| ',/ ', .' ,r--ァ/ :::: / 'ノ ..',. l (  ̄ ) ヾ/ ヽrー 、 ) .....彡, /∧ 、___, /i ∨ ヽ
,,,{ ;l| :`'' 、 'ー'' ,、-' ::::〉"ヽ _〉:;:;:;:;:;:;:;:;:;j ヽ ` , イハ:;:;:; ! ,'. ヽ  ̄ ´::::::, .'::::l l l  ̄ イ ノノ::::/l ヽ' ../ / ,∧ `ニ´,イ: :} ' ,乂
,,r⌒ヽ| :::::::`'ー ''"'ー'´::: / ......7:;/:;:/ >、|\r‐ミ ー- ′ト、:;:;:; j__ . ヽ´,' ::::ヽ__, .'::::::::::l .ヽ......∧ .`ー-ー´ / /::::::l/l/l〉、 / ,イ: : : : :゙ ー‐.',ィ´: 〉、iヽ、 他大勢
【深き執心の人:木村助九郎、荘田嘉左衛門、村田与三など】
144 名前:
やる夫で学ぶ柳生一族(外伝その5)[saga] 投稿日:2013/07/07(日) 22:09:04 ID:LyQgZ6tY0
____
/ \ つまり、シグルイに出てた言い方をすると、
/_ノ ヽ、_ \ 「義理許し」「金許し」「術許し」ってとこかお。
/(●)三(●)) .\ こんなこと書いていいのかお?
| (__人__) |
\ ヽ|r┬-| / / 一応、他にもまともなことも書いてるけど…。
/ `ー'´ \
/ ̄ ̄\
/ _ノ \
| ( 一)(●) まあ、この時期だと、
| (__人__) 概ねどこもこんなもんだぞ。
| `⌒´ノ
| ,.<))/´二⊃ 実際、石舟斎や兵庫助にしても、
ヽ / / '‐、ニ⊃ これと同じような形で印可を授けてる記録があるしな。
ヽ、l ´ヽ〉
,-/ __人〉
/ ./. / \
| / / i \
|" / | > )
ヽ/ とヽ /
| そ ノ
145 名前:
やる夫で学ぶ柳生一族(外伝その5)[saga] 投稿日:2013/07/07(日) 22:10:10 ID:LyQgZ6tY0
_____ ━┓
/ ― \ ┏┛
/ノ ( ●) \ ・ うーん…。
. | ( ●) ⌒) | でも、鍋島元茂や細川忠利も「徳の人(金を出した人)」扱いなのかお?
. | (__ノ ̄ / むしろ大名衆の門弟の中では、きちんと修行していた人たちじゃないのかお?
. | /
\_ ⊂ヽ∩\
/´ (,_ \.\
. | / \_ノ
/ ̄ ̄\
_ノ ヽ、_ \ それはそうなんだが、
(●)(● ) | 宗矩の場合、「御流儀」としての格式もあるから、
(__人___) | 金さえ出せば印可を出す、なんてしたら、
| | .却って流派の名に傷が付くだろ。
| .|
ヽ 、 ,イ その意味では、この場合の「徳の人」というのは、
/ヽ,ー- ト、 「印可を与えれば、流派にとってメリットがある人物」という
_, 、 -─ '".:.ヽ:.:.\__ /ノ ト、__ 解釈の方が妥当だろうな。
__ ,. ー 、...:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:....
\ r 、 _ \:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:::::::::::::::::::::::::::::'ー、 実力はどうあれ、
} }/ ) V::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::\ .大藩の藩主orその直近の縁者という立場が
/:ゝ/ ./ __ V ::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::i:.:.:. 家伝書まで授ける程、厚遇した一因であったのは
}:::::ゝ ソ ,Y i::::::/::::::\:::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::|:.: 間違いないだろうし。
146 名前:
やる夫で学ぶ柳生一族(外伝その5)[saga] 投稿日:2013/07/07(日) 22:11:14 ID:LyQgZ6tY0
| ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄~|_| 『三段一無ト云習之事
| ._ .|_|
| |月| .|_| 父云、稽古之心持也。三つツヽ三段ナリ。
| |之| .|_| 身手足自由ヲ得る、三学也。
| |抄| .|_| 太刀構色々ハ三ヶ三見ナリ。勝負亦三拍子ナリ。
|.  ̄ .|_| 是ヲエル心三段ナリ。一とハ一見也。
| |_| 三段ヲ得テハ、三段モ一ツニ成ト也。無とハ心ナリ。
| |_| 三段モつニ成、一つモ又無ト成り、無ハ心也。
|________.|_| 末ヨリ本へ入ルナリ。本より末に出レハ、序・破・急習之数々也。
└───────┘ 本ハ唯一無ナリ。亡父ノ録ニ理なし』
__
/ _ノ\
/. (●),
| (__ノ、) もちろん、直接的な教授方法についての習もある。
. | | こちらは稽古についての心得を記したものだな。
. ヽ |
ヽ ノ さっきのは流派の経営に絡む部分が多いから
ヽ ( 「指南の心得」と言われたら、こちらの方がイメージは近いかもな。
> ヘ
| |
| |
____
/ \
. / \
. / /) ノ ' ヽ、 \ なら、最初からこっちを出せば
| / .イ '=・= =・= u| よかったんじゃないかお?
/,'才.ミ) (__人__) /
. | ≧シ' ` ⌒´ \ 「(面白い方を先に出したら) いかんのか?」
/\ ヽ ヽ
147 名前:
やる夫で学ぶ柳生一族(外伝その5)[saga] 投稿日:2013/07/07(日) 22:12:20 ID:LyQgZ6tY0
/ ̄ ̄\
/ ノ \ \
| .(●)(●) | では、もうひとつ、
. | (__人__) |
>>1が個人的にウケた習を紹介しよう。
| `⌒´ | ) ;;;;)
. | | .) ;;;;) お題は「多数の敵と戦う場合」だ。
. ヽ } /;;/
ヽ ノ .l;;,´
. / ∩ ノ)━・'
( \ /|_ノ ヽ
. \ "" /_ノ |
\ /___/
____
/⌒ ⌒\
/ (⌒) (⌒)\ おお!
/ ::⌒(__人__)⌒::: \ 面白そうなネタだお!
| u .|::::::| ,---、
\ `ー' しE | 「一対多」で敵を蹴散らすなんて
/ l、E ノ リアル無双っぽくて格好いいじゃないかお!
/ | | 正直、またミもフタもない答えが返ってきそうだけど、
( 丶- 、 ヽ_/ 早く教えるお!
`ー、_ノ
148 名前:
やる夫で学ぶ柳生一族(外伝その5)[saga] 投稿日:2013/07/07(日) 22:13:46 ID:LyQgZ6tY0
| ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄~|_|
| ._ .|_| 『多敵ト仕合心持之事
| |月| .|_|
| |之| .|_| 亡父ノ録ニ理なし。老云、多セイニ無セイならぬ也。
| |抄| .|_| 然レとも、知テとへ仕なしの心もある也。
|.  ̄ .|_| 拾人きり掛ルトモ、一方より追イ懸ケ、出タラン敵ヲ打テ取心持也。
| |_| タセイモ、一人ト成仕懸心持専也』
| |_|
|________.|_|
└───────┘
/ ̄ ̄\
/ _ノ \
| ( ●)(●) 【多数と戦う場合】
| (__人__)
| ` ⌒´ノ Q : 多数の敵と戦う時はどうすればよいのでしょう?
| }
ヽ } .A : (そもそも多数の敵と戦う時点で)いかんでしょ。
ヽ、.,__ __ノ
_, 、 -― ''"::l:::::::\ー-..,ノ,、.゙,i 、
/;;;;;;::゙:':、::::::::::::|_:::;、>、_ l|||||゙!:゙、-、_
丿;;;;;;;;;;;:::::i::::::::::::::/:::::::\゙'' ゙||i l\>::::゙'ー、
. i;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;|::::::::::::::\::::::::::\ .||||i|::::ヽ::::::|:::! _
/;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;!:::::::::::::::::::\:::::::::ヽ|||||:::::/::::::::i:::| _´_ _` 、
;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;|;;;;:::::::::::::::::::::::\:::::゙、|||:::/::::::::::|::: /‘=’ニ ‘=’u‘. お、おう……。
i └‐' ー' u‘. …まあ、そんなこったろうと思ったお。
ヽ !
149 名前:
やる夫で学ぶ柳生一族(外伝その5)[saga] 投稿日:2013/07/07(日) 22:15:29 ID:LyQgZ6tY0
/ ̄ ̄\
/ _ノ \
| ( ●)(●) だってお前、多数相手ってのはそれだけ不利なんだぜ?
. | (__人__) 石舟斎だって、「多勢に無勢 兵法のほか」と言ってるくらいなんだ。
| ` ⌒´ノ ,r'゛ヾ 一対多なんて状況にならないようにするのが最上なのは言うまでもないだろ?
.l^l^ln } `‐= )
. ヽ L } ゝ-´ );;;;;;) それに、万が一、
ゝ ノ ノ .) ;;;;) そうなってしまった時の方策も載せてるだろ。
/ / \ ./;;/
/ / \ .l;;,´
. / / |ヽ、二⌒)━・'
ヽ__ノ
____
/ \ 「10人相手でも、走って逃げれば、
/ \ 追いつくのはバラバラだから、そうなりゃ一対一だ」ってことかお。
/) ノ ' ヽ、 \
/ .イ(ー) (ー) u | …なんかどこかのコラ画像を思い出すような話だけど、
/,'才.ミ) (__人__) / そのまま逃げてしまうのもアリだし、確かにその通りではあるお。
.| ≧シ' ` ⌒´ <
/ / ヽ
150 名前:
やる夫で学ぶ柳生一族(外伝その5)[saga] 投稿日:2013/07/07(日) 22:17:26 ID:LyQgZ6tY0
| ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄~|_| 『追懸心持之事
| ._ .|_|
| |月| .|_| 亡父ノ録此儀ミエザル也。老云、追イかけものハ、
| |之| .|_| 能きほと成と奥ヘハ、遠キモノ也。
| |抄| .|_| 打テハ打チハヅスモノ也。とらへて切つク心持よし。
|.  ̄ .|_| 不知セシテ、同し所より立出テスルニハ、
| |_| 敵のあゆムアシニ我か足ヲツレテ、ハコビカゝレバ、敵しらぬもの也。
| |_| 馬などにてハ、なるほとながく追マハシ、
|________.|_| 草臥ラカシ、ヒトリタヲルル心持ヲ思ふへし。これ専也』
└───────┘
/ ̄ ̄\
/ ⌒ \ そして、「走って逃げろ」と説いた習の次に、
| ミィ赱、i .i_r赱
. | ::::::⌒ (__人__) Q : 逃げる敵を斬る場合はどうすればよいのでしょう?
. | トエエエイ. A : 追い掛け回して疲れ果てさせ、動けなくなってから捕まえて斬れ。
. ヽ `""´}
ヽ ノ と言ってるのが、なかなか実用性のある流れだよな!
/ く
____
/ \
/_ノ ヽ、_ \ 「走りながら斬っても斬れないから、捕まえてから斬れ」
/ (●) (●) \ 「追いかける時、馬があるなら、それに乗って追い掛け回せ」
| (__人__) u |
r、 r、\ ` ⌒´ ,/ とか、もう時代劇なら悪役確定モンじゃないかお。
ヽヾ 三 |:l1 > ー‐ ヘ なんつー習だお…。
\>ヽ/ |` } ヽ
ヘ lノ `'ソ イ | |
/´ / ./ | | |
\. ィ_ノ .| | |
| | |
151 名前:
やる夫で学ぶ柳生一族(外伝その5)[saga] 投稿日:2013/07/07(日) 22:18:26 ID:LyQgZ6tY0
【追懸心持之事(イメージ図)】
∧_∧ ∧_∧
( 追手) <丶`д´>
三 ( つ つ (つ ,ノつ
三 人 ヽノ / ゝ 〉
(__(__) (_(__)
∧_∧ ∧_∧
<`Д⊂彡 三追手 )
⊂ ノ 三G( こつ γ  ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ヽ
人 Y 三(_,\ \ | つまりこういうことだな! |
し (_) 三___) 乂____________ノ
∧_∧ . . ∧_∧ ∩
( フ追手)フ ::∧_∧: ⊂(追手 ,)/
( )ノ :< ∩∩ >. \ ) γ  ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ヽ
/ / / ::(´ ノ ノ:: ( ( | | ぐう畜にも程があるお… |
(_)_) ::( ̄__)__):: し(_) 乂____________ノ
_ (⌒Y´ ̄ヽ ∧_/( ̄))∧_∧
γ´ `ヽ_`と.__ )( ∩( 《 ( 追手) ゴロン
)) ,、 , ) <、_,.ノ ヽ、.__,ノ l つ つ
((_/し∪V .ヽ.__ノ!__))
∧__∧ :::∧_∧: ∧_∧
( ) < ;∩∩>. ( 追手 )
( つ ::(´ ノ ノ:: (つ と) ゴロン
.ヽ___ノj ::( ̄__)__):: (⌒Y⌒)
∧__∧ /⌒"ヽ、
( ) __ ( __ ) 〈 ゴロン
と ヽ ( ̄)).∧_∧ /´ `⌒) UV''VU,_)
(__ト、__丿 〉 》∩入_) ( .__つ´
ヽ、.__,ノ ヽ、__,.>
152 名前:
やる夫で学ぶ柳生一族(外伝その5)[saga] 投稿日:2013/07/07(日) 22:19:48 ID:LyQgZ6tY0
| ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄~|_|
| ._ .|_| 『カラメ取心得之事付け道具
| |月| .|_|
| |之| .|_| 亡父ノ録ニ此儀無之。
| |抄| .|_| 老云。一人ヲ二人シテ、カラメ取事、成ニクキ物也。
|.  ̄ .|_| 然ルニよりハため所ノ心持専也。
| |_| ツラ・コシ・コビンノマハリ・ムナイタ・眼ツボ・フグリ、
| |_| かやうの所ヲフミもし、打モシ、ツキモシテ、取心持専ナリ』
|________.|_|
└───────┘
.r-、 _00 /::::'┴'r'
.|::::'´::::r┘ !「`L00、|.l└ク_;厂 /
.|::::「|:::| l| |Ln:::r┘|.l _lニユ、 ./
. ̄└r''"´]_ l| | r゙=゙┐ |└ァ::/ / /
、ヽ、 ,ゞ´_::::| l| |「二:::7 .|.l └′/ / /
. \\`´ |:::|. l| l 〈::/ 、 ! '/
____
/ ノ_ ヽ,,\ ちなみに、これの更に次の項目は、
/ ≦゚≧ミ:≦゚≧ この「相手を絡め取るための習」だ。
| (__人__)|
| |r┬| } 「絡め取るのはなかなか難しいから、
| | | | } 顔面・腰・小鬢の廻り(側頭部)、胸板、眼、陰嚢などを
. |. `ニニ } 踏んだり打ったり突いたりしろ」
. ヽ }
ヽ ノ いいよな、このそのまんま感!
/ く
____
/ノ ヽ、_\ r ⌒j ていうか、これって要は
/( ○)}liil{(○)\ / /
/ (__人__) \/ / / ) 「ボコれ」
| |i|||||||i| / / / /
\ |ェェェェ| / '` ´ / ってことじゃないですかー!
r´ (⌒'ー―- イ′ ´廴 やだー!
/ > 、 ヽ _  ̄ ̄ ̄)
/ -、 } (  ̄¨´ ホントなんでこんな嫌な具合に連続してるんだお!
/ ヽ._ __ \
` --‐'´ `゙' 、_.)
153 名前:
やる夫で学ぶ柳生一族(外伝その5)[saga] 投稿日:2013/07/07(日) 22:21:30 ID:LyQgZ6tY0
/ ̄ ̄\ 家伝書の時もそうだったが、
/ ⌒ \ 宗矩はこういう
| ミィ赱、i .i_r赱
. | ::::::⌒ (__人__) 「具体的に何があったかはわからないが、
. | トエエエイ 多分何かあったんだろうなあ」
. ヽ `""´}
ヽ ノ と思わせる発言があって、ニヤニヤできる。
/ く この3つの習の流れを見た時は、
>>1も笑いが止まらんかったしな。
___
/_ノ ヽ\
/ (○) (○) \ もうちょっと真っ当なのはないのかお!?
/ u (__人__) \ こういう黒いのはもういいから!
| |i!i!i!i!| u |
\ u |;;;;;;;;;| / 「そうだなあ…。
/ `⌒´ \ じゃあ、こんなのはどうだ?」
(<<<) (>>>)
|、 i、 ,i /
ヽ_/ ヽ__/
| |
154 名前:
やる夫で学ぶ柳生一族(外伝その5)[saga] 投稿日:2013/07/07(日) 22:22:22 ID:LyQgZ6tY0
| ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄~|_| 『二刀仕掛之心持之事
| ._ .|_|
| |月| .|_| 亡父ノ録ニ理なし。老父云、二つハひとつ也。二つ一度に打事なし。
| |之| .|_| 一ツハタテニ用、一つを遣心持也。
| |抄| .|_| うち物と手利剣ヲ思ふへし。身ノかゝり、二寸五分ノ心得専也。
|.  ̄ .|_| かけめの心持ニテまつ一方打ふサキ、仕をふさぐ心持専也。
| |_| 脇差・小刀・サヤ・ハナ紙・道具ニ取テハ、
| |_| リウシケン・サンクワウ・車ヒシ・野ロマエなとゝ云ものも、
|________.|_| ナゲ出し、敵の気ヲちらして可勝、ハかり事也。
└───────┘ 所作に気ヲトラレヌヤウ専也』
, ァ
/  ̄//---------------------- 、
/ _//二二二二二二二二二二二二ア
./ /〈/
/ -r´ _
',. \. γ `ヽ _
ヽ| \ _ノ /|__| ほら、二刀を使う場合の習だぞ。
' ノ (●)(● /// 二刀流といえば武蔵&二天一流ってイメージが強いけど、
.〉 (__人) /// 新陰流も二刀についての教えがあるんだ。
/ `ヽ、_ノ /// まあ、若干「外の物」的な扱いではあるけどな。
.,' ヽ ///
. | 丶 ///
.|. γヽ. \ ///
| /\. \ ///
| { \ \ ///
} `――‐`ヽ <\ ///
./ \ 、.< //
/ _____ 〈 ヽ`<
./ / ( _ ` `ー-\>
/ / `ヽ ヽ ̄ ̄ ̄
/ / ` ー'
/ /
____
/⌒ ⌒\
/ (⌒) (⌒)\ そうそう、こういうのでいいんだお!
/ ::⌒(__人__)⌒::: \ 記述を見るに、片方は防御、片方で斬るって感じおね。
| |::::::| ,---、 レイピアとマインゴーシュみたいなイメージが近いかお?
\ `ー' しE |
/ l、E ノ 使い方の心得は、
/ | | 「無刀」の延長線上にあるのがいかにもだお。
( 丶- 、 ヽ_/
`ー、_ノ
155 名前:
やる夫で学ぶ柳生一族(外伝その5)[saga] 投稿日:2013/07/07(日) 22:23:46 ID:LyQgZ6tY0
/ ̄ ̄\ ( ;;;;(
/ ._ノ ヽ、\) ;;;;)
| (●)(●)/;;/ まあ、さっきも書いたが、
| (__人__)l;;,´|
>>1が個人的にウケた箇所を抜粋しただけで、
| ./´ニト━・' .l 全体としては、ごく真っ当な習が殆どだぞ。
| .l _ニソ } 個別に紹介するとキリがないから端折ってるだけで。
/ヽ、_ノ /
__/ / ノ__ あと、それとは別に面白い点としては、
/ / / `ヽ. 他の流派や人物についての言及が
/´ ./ ,. ヽ. ちょこちょこあるのもポイントだな。
ト、_,/. |、 ヽ
| |/ /
_____ ━┓
/ ― \ ┏┛
/ノ ( ●) \ ・ 他の流派?
. | ( ●) ⌒) | あと、人物ってどういうことだお?
. | (__ノ ̄ /
. | / 「うん、これも抜粋で紹介しよう」
\_ ⊂ヽ∩\
/´ (,_ \.\
. | / \_ノ
156 名前:
やる夫で学ぶ柳生一族(外伝その5)[saga] 投稿日:2013/07/07(日) 22:25:10 ID:LyQgZ6tY0
| ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄~|_| 『朝日夕日ト云事
| ._ .|_| 老云、新当流ニアリ。敵ノ眼也。左ヲ朝日ト云、右ヲ夕日ト云。
| |月| .|_| これへ太刀先ヲサシムケ、遣ふ心持。チンシユト云事。
| |之| .|_| 老云、冨田流ニアリ。敵ノアタマヲ、目付、ヒトヘ身成テ打コム心持也(後略)』
| |抄| .|_|
|.  ̄ .|_| 『テツチト云事
| |_| 卜伝流ニ有。父云、手ノ内ヲシムル也。
| |_| 打チツクル所ニテ、シメテサガラヌ心ヲ遺也』
|________.|_|
└───────┘ 『三越之サンヂント云事
父云、新当流ノ習ナリ。敵ノかを、ムネマテノ間、上・中・下とシテ、
太刀サキノムケ所ニ用ナリ』
『三所ノ切分・切留・切返しト云事
父云、ヨシオカ流に用ゆる表裏ノ心也。
切留ハ小詰也。切返しハ切返ス也』
/ ̄ ̄\
/ _ノ ヽ_
| (●)(●) まず、他流派の習についての言及だ。
. | (__人__) 新当流、冨田流、卜伝流、吉岡流などの名前が挙がってる。
| `⌒´ノ ) ;;;;) これは宗矩からの教えとあるから、
. | } .) ;;;;) .宗矩がこれらの流派の習を十兵衛に教授したようだな。
. ヽ } /;;/
ヽ ノ .l;;,´ 宗矩の若い頃だと、これらはかなり隆盛していたから
. / ∩ ノ)━・' .案外、宗矩自身が稽古したこともあるのかもな。
( \ /|_ノ ヽ
. \ "" /_ノ |
\ /___/
____
/ \ そういえば、「飛衛」の序文で宗矩について
/ ─ ─\
/ (●) (●) \ 「若年より此道に心をつくり、
| (__人__) | 太刀のみならす鑓長刀の類にいたるまて、
./ ∩ノ ⊃ / 兵道とさへいえは不聞といふことなし」
( \ / _ノ | |
.\ “ /__| | って書いてるけど、こういう教授があったのが
\ /___ / この一文の背景だったのかもしれんお。
157 名前:
やる夫で学ぶ柳生一族(外伝その5)[saga] 投稿日:2013/07/07(日) 22:26:20 ID:LyQgZ6tY0
| ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄~|_| 『すたれと云習之事
| ._ .|_| (前略)アミダノゐんト云習、
| |月| .|_| 父云、是ハいきとうとふみ(伊岐遠江)ガ工夫也(後略)』
| |之| .|_|
| |抄| .|_| 『ニヲヒト云習付カグト云心持
|.  ̄ .|_| 父曰く、アナ作が流に是有。長太刀ニよし、槍ニ入ル時、付カケノ時ニ、
| |_| ハナイキヲツムルナリ。カダ心得ナルニヨリ、ニヲヒト云なり。おもしろし』
| |_|
|________.|_| 『サミタレト云事
└───────┘ 父云、ホウゾウインが流ニアリ。敵入掛る時、一拍子後へクツロゲ、
鑓ヲサカテニ取ナヲシテツク也。十文字ノ家ニ秘スル也』
/:l
./ /:/
./ /:/
/ /:/
≧=
/ ̄ ̄ \ ./ /
/ \ヽ / / また、剣術以外にも、槍や長刀についての教えも結構ある。
| ( ●) / /
. | (___ノ) / / 「伊岐遠江(伊岐真利:伊岐流)」
| ノ / / 「アナ作(おそらく穴澤盛秀:穴沢流)」
. | } nn/ / 「宝蔵院流」
ヽ ノ i.i/ /
/ 弋  ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄/ / / これまた宗矩が若い頃隆盛していたり、
i _ \ | ___r/ / 付き合いのあった流派だな。
i ´ `< `弋 ̄ ̄ ̄ / / |
i `< \ / /
| `'< \.._/ /
| |. \ ∨
ハ ,| ゙i 、ゝ
ハ. ,| マュ-/
=‐- .
 ̄¨ ¬―- _,ィ'^l'^h -‐=ニニ=‐-
/ } | | .i_ , ・ ´ \
/. / | | .|二ニ=‐-ニ㍉ヘェェ_‐/ \
ノ / / , l \ヾヾ / ィ==-、 ヽ 武芸者が剣以外も修めるのが
. / / / | /, ―、 f ● ) ハ 普通の時代の生まれだから、
―――――‐/ /―――t-_ノ | `ー' ` ー '' | この辺りが詳しいのは納得だお。
.l ノ ヾミL_ 八 ( 人 ) |
. | /  ̄ ~ヽ `ー ' `ー ’ /
| / \ " ⌒ ゛ /
| | イ =‐-、 \
| | / ヽ |
158 名前:
やる夫で学ぶ柳生一族(外伝その5)[saga] 投稿日:2013/07/07(日) 22:28:00 ID:LyQgZ6tY0
| ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄~|_|
| ._ .|_| 『和之事
| |月| .|_| 是ハ七郎左衛門工夫ニヨリ目録トス。
| |之| .|_| 此一流良移心当流和ト云(後略)』
| |抄| .|_|
|.  ̄ .|_| 『起倒流乱目録
| |_| 体スクナルニヨリ勝アル心ナリ、出テ入ル心持、
| |_| 平敵ニ随マハリ居ル身スグナリ(後略)』
|________.|_|
└───────┘
/ ̄ ̄\
ノし. u:_ノ` ,,\. あと、これは宗矩からの教えではなく、
/⌒` ( ◯)(O): 良移心当流や起倒流なんかの和(やわら)についても
.:| j( (__人__) .教えを載せてるだろ…ッ!
:| ^ 、` ⌒´ノ: 二つとも、開祖が柳生門弟だから、その縁だろうな…ッ!!
| u; ゙⌒}:
ヽ ゚ " }:
ヽ :j ノ: _____
/⌒\ ゚ (´ . :/ ノし \ 何気に柔道の祖流のひとつの
:| ゚ \~、,⌒\. _ :/ u ⌒ ゚ \ 起倒流が柳生と繋がってるのが
:| \j(, \ r \ :gj }`hi、. :|, 。 :j } 面白いところだお…ッ!
| \ 〆ー───〆 八 ヽ ( u 〃ノ
| :j \__゚___' ,ノノー`Y \ \/⌒ヽ~ヽ っていうか、なんでいきなり
| |: ー──‐‐\ . ィ ´ ゚ / \ 手四つなんだ…お…ッ!?
| ゚ :j |: \、__/l ゚ :j \
159 名前:
やる夫で学ぶ柳生一族(外伝その5)[saga] 投稿日:2013/07/07(日) 22:29:01 ID:LyQgZ6tY0
| ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄~|_| 『紅曲之事
| ._ .|_| 父云、二星之勤ヲ色ト云、曲にいろの付ク心持也。
| |月| .|_| 能々心ヲ付テ、動キニ我心ソミテくれなひのちしほニそめよと也。心持面白し。
| |之| .|_| 分五郎流ニハ、紅葉之目付、観念大事ト秘する心持同意也。
| |抄| .|_| 亦云、分五郎流ノ紅葉観念と云ハ、我心ヲ敵に付しハ、近クよせぬもの也。
|.  ̄ .|_| よそよそしく或ハ向ふの山の紅葉なとを見ル心ニテ仕掛レハ、
| |_| 近クよるニも敵心ヲ付さるヲ打テあとへ退ク也。
| |_| サルニより、かたて太刀、センタンノ打を用いルトいへり(後略)』
|________.|_|
└───────┘ 『太刀一はいニウツト云心持之事
是ハうで迄太刀ト云心也。我か眼ノ下より、太刀サキマテ太刀に遣なし、
打心持太刀一はいの打也。是ハ助九より工夫ノ所也(後略)』
『鏡ト云心持之事
是ハ、細川越中殿工夫之所也。
敵を鏡ニスルト、我ヲ鏡ニスルト。二つノ心持アリ(後略)』
/ ̄ ̄\
/ _ノ \
| ( ⌒)(⌒) で、だ。
. | u (__人__) こっちは他流派というより、
| |r┬|} 特定個人の教えについての言及だな。
| | | |} 疋田豊五郎、木村助九郎、細川忠利の名前が確認できる。
. ヽ .u `ニ} あと、名前自体は上がってないが、「思無邪」の習は、
ヽ ノ 鍋島元茂の影響がありそうだな。
/ く
| \
| |ヽ、二⌒)
,-'" ̄ ̄ ̄\ ゙
/\, 、/ ヽ ;:
i (○) ;(○) u i ; 疋田豊五郎の教えが宗矩経由というのも、
ヽ (__人__) / ; もしかしたら、若い頃、直接学んだ可能性もあるかも
i 、\ ; .しれないおね。
| ! /__} ;
,-| . |ー-、/ ゞノヽ しかし、随分と幅の広い伝書だお。
{_ i、___,l | | ; 柳生以外の教えにもかなり言及してるお。
)ソ(___i)---| |
ゝ-i--i´ ;
`-゙
160 名前:
やる夫で学ぶ柳生一族(外伝その5)[saga] 投稿日:2013/07/07(日) 22:30:06 ID:LyQgZ6tY0
/ ̄ ̄\
/ ノ \ \
| .(●)(●) |
. | (__人__) | その辺りは十兵衛が
| `⌒´ | ) ;;;;) 兵法をどのように捉えていたか、という
. | | .) ;;;;) 証左とも言えるかもな。
. ヽ } /;;/
ヽ ノ .l;;,´ この他、小太刀についてや、
. / ∩ ノ)━・' 馬上での習などにも言及してある。
( \ /|_ノ ヽ
. \ "" /_ノ |
\ /___/
___
/ \
/ ─ ─ \ あと、数が多い上に長いから端折るけど、
/ (●) (●) \ 沢庵和尚からの教えや、陰流、新陰流、新当流について
.| (__人__) | __ 由緒や事跡を述べていたり、
\ ` ⌒/ ̄ ̄⌒/⌒ / 起請文のテンプレなんかも載ってるおね。
(⌒ / / /
i\ \ ,(つ / ⊂) この辺りは兵法伝書というより、
| \ y(つ__./,__⊆) 十兵衛の覚書みたいな感じだお。
| ヽ_ノ |
161 名前:
やる夫で学ぶ柳生一族(外伝その5)[saga] 投稿日:2013/07/07(日) 22:32:05 ID:LyQgZ6tY0
| ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄~|_| 『右ハ自得ノタメニ書アツムル所也。
| ._ .|_| クワシク録ニ在之ヘシ。
| |月| .|_|
| |之| .|_| ひとつふたつひろはぬたまも残るらん
| |抄| .|_| 我をかなる袖のせはさに(光廣) ※烏丸光広
|.  ̄ .|_|
| |_| 紙数スミツキ一四一まい
| |_|
|________.|_| 寛永拾九年午壬三月吉辰書之終ル 平三厳』
└───────┘
___
/ \ で、ここで〆が入って、終わりかお。
/_ノ ヽ_ \ 最初の方でも上がってたけど、
/(●) (● ) u. ヽ あくまで「自得のため」のついでなのおね。
| (__人__) | .この「月之抄」は。
\ `⌒ ´ /
/ \ まあ、注釈がつけてる時点で、
| ̄ ̄ ̄ ̄|~| | 他人に見せるのも意識はしてたようだけど。
. / | | .|-、 ノ |
. // (つ .|と  ̄” ノ
/ ̄ ̄\
/ _ノ \
| ( ●)(●) まあな。
. | (__人__) だから、この伝書が当時他者の目に触れたか不明だし、
| ` ⌒´ノ ,r'゛ヾ 後世の影響もどの程度あったかどうか定かではない。
.l^l^ln } `‐= ) .この辺りは他者への教授/披露を前提にした家伝書と対照的だな。
. ヽ L } ゝ-´ );;;;;;)
ゝ ノ ノ .) ;;;;) ただ、それはそれとして、
/ / \ ./;;/ 当時の新陰流の習や十兵衛の兵法観などが
/ / \ .l;;,´ 詳細かつ率直に記された武道史上の一級史料と言える。
. / / |ヽ、二⌒)━・'
ヽ__ノ
162 名前:
やる夫で学ぶ柳生一族(外伝その5)[saga] 投稿日:2013/07/07(日) 22:32:40 ID:LyQgZ6tY0
/ ̄ ̄\
/ _ノ \ それに、当人の伝書では
| ( ●)(●) 記述のなかった石舟斎・宗矩の習について、
| (__人__) この月之抄がカバーした功績は大きいと思う。
| `⌒´ノ
| } さっき「インタビュー」と書いたが、
ヽ } ( 別の言い方をすれば、
_ヽ ノ`ヽ、_ )
. _/|\ ` 、,__ 、小 L  ̄ ヽ ( .原作 : 柳生石舟斎/柳生宗矩ほか
_, ハ \ ` ァ、 /ヘ,レ―‐‐、__i__,) .編・著.: 柳生十兵衛
. , -‐ ´ ,ゝ \/ _ 又/ ,ヽ\丁
/ ヾ. \ , イ{`< _ ,ィ 〉〉〉| こういう感じにもなるかな。
. / `゙ヾ\ ヽ/ ヽ\`く´ / `ー(/ |
. ! ´⌒` ヽ / `ーヲ`〈 i !
____
/ \ そう考えると、
/ ノ \\ 十兵衛の伝書というより、
/ (-) (-) \ あくまで「江戸柳生系新陰流の伝書」として
| (__人__) | 見た方が適当なのかもしれないお。
./ ∩ノ ⊃ /
( \ / _ノ | | 宗矩が、これをどう評価したのか
.\ “ /__| | 記録が残ってないのが残念なところだお。
\ /___ /
163 名前:
やる夫で学ぶ柳生一族(外伝その5)[saga] 投稿日:2013/07/07(日) 22:34:24 ID:LyQgZ6tY0
/ ̄ ̄\ ) ;;;;)
/ _ノヽ_\ ) ;;;;) 確かに、それがないのは残念なんだが、
| (─)(─) /;;/ 「焼き捨てよ」と一喝された「飛衛」の時と違い、
. | (__人__) l;;,´ 宗矩からの酷評はなかったようだから、
| `∩_ノ)━・' 少なくとも、最低でも容認レベルには達していたとは思う。
. | |_ノ
/ヽ | |_ 実際、宗矩自身が教えた習が大量にあるわけだから、
| \_/ ノ ヽ 間違ってたら指摘しただろうし。
\ /_| |
| \ / _/
____
/ \ .宗矩もこの年、72歳だし、
/ _ノ ヽへ\ 後の事を考えたら、せめて兵法に関しては
/ ( ―) (―) ヽ 間違いのないようにしたい、と考えるのが自然だお。
.l .u ⌒(__人__)⌒ |
\ ` ⌒r'.二ヽ< 自分を除けば、
/ i^Y゙ r─ ゝ、 自流派を最も理解/習熟してるのは十兵衛だろうし。
/ , ヽ._H゙ f゙ニ、|
{ { \`7ー┘!
164 名前:
やる夫で学ぶ柳生一族(外伝その5)[saga] 投稿日:2013/07/07(日) 22:36:50 ID:LyQgZ6tY0
/ ̄ ̄\
/ _ノ \ そういうことだな。
| ( ●)(●) だからこそ、自分の目が黒いうちに、
| (__人__) 教えられるものを全て叩き込むのがベターではある。
| `⌒´ノ
| } だから、なんとか十兵衛が容認できる程度には達した時点で、
ヽ } ( 宗矩としては一区切り付いた感はあったんじゃないかと思う。
_ヽ ノ`ヽ、_ ) まあ、この辺りは
>>1の推測だけどな。
. _/|\ ` 、,__ 、小 L  ̄ ヽ (
_, ハ \ ` ァ、 /ヘ,レ―‐‐、__i__,)
. , -‐ ´ ,ゝ \/ _ 又/ ,ヽ\丁
/ ヾ. \ , イ{`< _ ,ィ 〉〉〉|
. / `゙ヾ\ ヽ/ ヽ\`く´ / `ー(/ |
. ! ´⌒` ヽ / `ーヲ`〈 i !
___
(⊃ \
(⊃ _ノ ヽ、_ \ だから、本編で宗矩が
(⊃ (ー) (ー) u.\ 「肩の荷が下ろせるか…」という
/| (__人__) | 気持ちになれたかもしれない、と描いた訳かお。
/ \____` ⌒´ /
( \ しかし、流派の後継者としてはともかく、
\_ | \ 柳生家の次の当主としてはどうなのかお?
ヽ| ト、 ヽ
ヽ | > )
165 名前:
やる夫で学ぶ柳生一族(外伝その5)[saga] 投稿日:2013/07/07(日) 22:37:48 ID:LyQgZ6tY0
/ ̄ ̄\
/ .⌒ ⌒ \ _,, その辺りについては、
| (⌒) (⌒) .| l;l この後の本編で描かれることになるさ。
. | (__人__) .| _,_,|,|_,
| `⌒´ |, ト-=y 丶 というわけで、「月之抄」解説はここまでだ。
. | } ヽ `i, ̄‐^l .随分長く掛かってしまったが、
. ヽ } ヾ~ ` i, 十兵衛の兵法家としての集大成ともいえるこの伝書、
ヽ ノ _ ヽ、 ;i, 興味を持ってもらえたら嬉しいな。
,,_,i y,ソト,,__ ヽ、 ;i,
,/r-'"j / / ii, `ヽ、-x,,゜r ;i
,,/'/__.L、 /ヾ、"i `ヽ `;i i,
,/ /_iーヘ,ヽ、 , /i" ヽ、 i `、'i iヽ、
_,) ヽ " ネメ、_ii"~ _Yri l, ヽ、
_,,,>t 、ヾ、 ゞ;;/ / ,¬ V⌒l
,y`;,,__ ,i /ii' / r-/| l l
_/^,,, ヘ l /iil / l"v' y } l
v=4⌒ヽ、 j --,,,if /iii| ,, 〈-ヘ_,、 <、 / i|
ヽ, ,, i、 _,,tv /iiiii ム、 / / ヽ、ヽ、_x--ー‐- 、
__,,,l ii Yi___,lk / }iiiiil ヘ __,,,,,,___/ `x'"^ ,,,,, \
^ ̄⌒ヽ ヘ、 ,ノiiiii|、__,,,y,,_,,,/ ヽ、 ,/ ,,,-‐‐ `',, ヘ,、
,,,_ \ ヽ `>- liiiiiiil ¬">-- ヽ ヽ i i/ _,, / } i
"- ,, } / /iiiiiiil / l l l lK ^~' / |
\ーヾ /iiiiiiiil / i i | |i`'ヽーミ_/ /
,ヘ
____ / /
/\ /\ / / 「月之抄」は『史料柳生新陰流・下(今村嘉雄)』に、
/( ⌒) (⌒)\/ / 他の十兵衛の伝書も含めて全部載ってるお!
/ :::::⌒(__人__)⌒:::::\ / ちょっと(というかかなり)高いから、
| |r┬-| | .図書館で借りて読んでみるのが、一番手軽だと思うお!
\ ` ー'´ /
/ \ それじゃ、また本編でよろしくだお!
/ \
/ /\ ヽ
/ \ ノ
U ヽ ノ
166 名前:
やる夫で学ぶ柳生一族(外伝その5)[saga] 投稿日:2013/07/07(日) 22:38:42 ID:LyQgZ6tY0
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【やる夫で学ぶ柳生一族(外伝その5) : 「月之抄」解説】 完
168 名前:
やる夫で学ぶ柳生一族(外伝その5)[saga] 投稿日:2013/07/07(日) 22:42:57 ID:LyQgZ6tY0
てなとこでようやく外伝その5、終了でアリマス。
本日もお付き合いありがとうございました&お疲れ様でした>ALL
当初は1回で終わらせるはずだったのに、
気が付けば1ヶ月以上掛かってしまいどうしてこうなった。
とはいえ、剣士としては有数の知名度を誇る十兵衛の伝書であるにも関わらず、
存外に知られてない「月之抄」をざっくりとはいえ紹介できて満足でアリマス。
十兵衛には、これ以外にも「武蔵野」「朏問集」「行川の流」など色々伝書があるのですが、
基本、「昔飛衛といふ者あり」と、この「月之抄」が十兵衛の伝書では双璧かなーと。
月之抄は今回解説した以外にも、大量に習があるので、
実際読んでみるのが一番なのですが、現在、入手可能な書籍で、
「月之抄」を全文掲載してるのが「史料柳生新陰流・下(今村嘉雄)」くらいしかないのがちと厄介。
(単体の出版物もあったらしいけど、絶版で入手不可)
これはどんなに安くても万は越えるので、気軽には薦めづらいのでアリマス。
>>1も神田の古本屋で改訂版を上下18000円くらいで手に入れたのですが、
これでもかなり掘り出し物でしたし喃。
読むなら、置いてある図書館に行くのがベターかと。
単品で出てくれればいいんですが喃。
さて、ともあれようやく外伝も終わったので、次回からはまた本編でアリマス。
内容は、「寛永末期の江戸柳生」か「寛永の尾張柳生」のどちらかの話になるかと。
ちと構成を迷ってるところもあって、どっちになるかはお楽しみというところで。
それではではー。
170 名前:
怖~い夏のホラー祭り、八月二十三日から開催だお[] 投稿日:2013/07/08(月) 20:14:12 ID:G78nMCjoO
>疋田豊五郎、木村助九郎、細川忠利の名前が確認できる。
木村助九郎の方でも十兵衛の言動を書き残してるらしいし(Wikipedia情報)
魔界転生で十兵衛と木村助九郎が仲が良かったのもそれなりの根拠があったんですね
175 名前:
1[saga] 投稿日:2013/07/13(土) 17:41:11 ID:zrmuXwMI0
どもどもです。
次の更新ですが、呼び出しとかがなければ、
いつも通り、明日(07/14)の21時からを目標にしようかと。
で、次回になる「その64」は、久々に尾張柳生家の話になる予定。
「柳生の麒麟児」が本編に本格登場する予定でアリマス。
よろしければー。
>>170それが「木村助九郎兵法聞書」で砂。
宗矩が亡くなったことをきっかけに、子孫のために教えを取りまとめたそうで、
その中に、十兵衛が伊香保(群馬県の温泉地)に湯治に行った時の対談が載ってるのでアリマス。
(つまり、十兵衛の湯治に助九郎も同行したということになりま砂)
対談以外にも十兵衛の教えや宗矩からの教えなども載ってて、
この辺、流石に門弟筆頭と称されるだけあるなーと思うところ。
今月の「十」でも登場してましたし喃。
それではではー。
179 名前:
1[saga] 投稿日:2013/07/15(月) 20:37:34 ID:jSNf0SI20
どもどもです。
あの後、しばらくやってみましたが、なんかうまく行かない感じ。
つか、最後に尾張柳生メインの話をしたのが、4年前のその22(元和年代の尾張柳生)、
清厳の討死をカウントしても2年以上前と、随分間が開いたせいで、どうも書きづらくてなんともはや。
同時期の江戸柳生と比べて、一次史料も殆どないですし喃。
(まあ、史料自体はあるので、書こうと思えば書けるのですが)
てなわけで、ちょいと今回は無理そうであり、すいませぬ。
来週は何とか頑張りたいところ。
それではではー。