ダイアナ・ロス、同年3枚目のリリースとなるソロ6作目でR&B12位・POP52位を記録。1973年6月に大ヒット作『Touch Me In The Morning』、10月にMarvin Gayeとの共演作『Diana & Marvin』、そして12月に本作。非常に制作意欲に湧いていた頃ってことかな。ただ本作は、1.5ヶ月前にリリースしたマーヴィンとの作品の評価が高かったせいか、そっちのシングルがヒットしまくりで、ここからのシングル等含め、アルバムも何か雲隠れのような。今回は2007年にHip-O Select よりリリースされたエクスパンドより、でもオリジナル部分のみレビューします(ディスク1の1〜10曲目)。実は11〜20曲目は、日本盤のみでリリースされていたJapanese Quad Edition なるヴァージョン違い(マスタリング違い?収録曲の分数とかも微妙に異なるし 音圧なんかも異なる)は今回は言及無し、微妙な差だけどファンには細かなチェック必要かもしれないけど、まずは本編内容に絞って。あと今回は、ディスク2のボートラもガツンと!<Disc.1>
1. Last Time I Saw Him
1stシングル兼タイトル曲、R&B15位・POP14位を記録。曲自体、しっぽり緩いソウルぽくもあるんだけど、なんか曇りがち。ポップさと軽やかさはあるけど、ダイアナの輝きとまでは行かず、準ニューソウル
2. No One's Gonna Be A Fool Forever
3rdシングル。なんかThe Carpenters のように、美しい世界観なんだけど、ダイアナぽくない歌唱で、白人寄りに更に磨き。歌のアレンジ自体の浮遊さは独特なんだけど
3. Love Me
UKにてシングルカット。美しさ、流れは、期待通り。スロウな中を、華麗に生きているダイアナまんまの姿
4. Sleepin'
2ndシングル、R&B50位・POP70位を記録。これがシングルかぁ、無難に薄口バラード。ストリングスに合わせて、なんか飽和感。でも後半はコーラスが厚めで迫力増し
5. You
ゴスペルぽいサウンドなのは好印象、ヴォーカルは後半からコーラスにも掻きたてられて熱くなっていき、堂々たる全体に。ダイアナの静と動が味わえる!
6. Turn Around
ヴォーカル術がなかなかの旨み、ただスタンダード寄り。サウンドも、完全に黒抜き。正統派に大御所への階段
7. When Will I Come Home To You
ファルセットが大人ぽさ、包容力。だけど、なんかマッタリしてきた。伸びやかではあるけど、メロウで曲調が似てるのが原因
8. I Heard A Love Song (But You Never Made A Sound)
と思ったら、曲調がファンクに。これは急だった!歯切れよく、これまでに無かったヴォーカル・コーラスで魅力再発見
9. Stone Liberty
刻むように、でも迷うように。揺れを持って進行。ちょっと難しい解釈ながら、ウネウネ。後半、挑戦は何気にあって、CD買って良かったと、ここに来て
10. Behind Closed Doors
ラストは軽やかに、夏の匂いを感じつつ、その一方で60年代のソウルビートをもとに、ヴォーカルの色味がやや太くなって(録音時期異なってるし)、違った趣で感じ取れるささやかなフィナーレ
<Japanese Quad Edition>
11-20. Overdubed / Re-Recorded
※オリジナルレコーディングと異なる時期にて、オーヴァーダブ・再ミックス・再レコーディング等にて
<Disc.2>
1. I'll Be Here (When You Get Home)
Johnny Bristol プロデュース、清涼感なるメロウながら、ホーンが程良く乗ってシマリのあるソウルに。ダイアナのつぶさな柔らかさが絶妙
2. Why Play Games
華麗さ、卒ないゴージャスさを兼ね備え清々と進行。ストリングスのキレがなかなか、抑揚あるダイアナは躍動感
3. I Don't Care Where The Money Is
『Touch Me In The Morning』時の未発表マテリアルのよう。乾きつつも、ファンクとソウルの狭間を行く痛快な生音スピリッツは、結構ゴージャスで聴いてて爽快
4. Get It All Together
本編レコーディング後のセッション。柔らかく、音の余裕がたっぷり。若干ながら飛ばすようなヴォーカルがなかなかの旨み。ちょっとの揺れなんかは、敢えてかな
5. Where Did We Go Wrong (Version 1)
こちらがオリジナルのようですが、後に再レコーディングされたテイクは1978年『Ross』収録。伸びやかで上質、とにかく浸れる美しき世界
6. Since I Don't Have You
プロデューサーBob Gaudio が『Diana & Marvin』のために書き下ろした曲も、マーヴィンはレコーディングをしなかったため、このような形で蔵出し。コーラス含め哀愁と熱情帯びたミディアムスロウ
7. Let Me Be The One
しっとり、とにかく正統派なコーラスと共に歌うスタンダードって感じかな。ツンと響くヴォーカルが聴きどころ
8. I Want To Go Back There Again
おっと、1973年レコーディングもHal Davis 担当。淡々としながらも、語りだったりアコースティックギター等のおどけがポイント
9. Old Funky Rolls (Alternate)
まるで「雨に唄えば」ぽい、1974年にシングルヴァージョンは既発。1982年には最高テイクとなる別ヴァージョンがシングル「We Can Never Light Old Flame Again」B面に収録。これは2テイク目の蔵出し、おどけてて楽しいなぁ
10. Last Time I Saw Him (Unedited Version)
2001年のベスト『Diana Ross : The Motown Anthology』に収録済なので、これはオマケ。30秒長いヴァージョン
まずは本編は10曲・32分半、日本限定エディットも合計分数はほぼ一緒(各曲の分数なんかには若干異なり有り)。更に、ボートラは33分半と、本エクスパンドにて計66分の追加で、約100分のボリュームとなりました。個人的にはパンチは薄いと思ったけど、歴史とともに聴いてたら面白い部分も結構出てきたなぁという印象です。ただ、乱暴な扱いしてたのでデジパックが傷だらけ、どこのサイトでも希少で結構値上がりしまくってるよう。
ダイアナ・ロス
USMジャパン
2012-12-05
Diana Ross
Hip-O Select
2007-08-07