R&B1位(2週)・POP7位を記録ってことであれば、1960年代の勢いとは別に1970年って軸で考えればかなりの大ヒットアルバムっていう位置づけ。でも、この順位で、その後のアルバムへの評価を踏まえると、どうしてもテンプスブランドとして一旦ヒットしたって程度としか考えにくいんです。テンプスに求めるものがまず詰まってないっていうのと、アルバムコンセプトがどうも分かりにくぅ…。テンプスとこのアルバムで全曲を手掛けるプロデューサーNorman Whitfield の相性にも限界なのか、と思わせてしまいます。ほんとに。当時のテンプスは、Otis Williams, Melvin Franklin, Dennis Edwards, Richard Street, Damon Harris (1974年に脱退)…まっ、5名でのアルバムですね。タイトルはマスターピースってことなので、日本語でいう“傑作”。ただ、収録されてる6曲の個性がメチャクチャで、どうもその印象は評価しにくいところ。
1.「Hey Girl (I Like Your Style)」
3rdシングル、R&B2位・POP32位。アルバムを聴いてれば分かると思いますが、この曲だけが救い。彼らのスムースなヴォーカルをくみ取れます。テンプスがヴォーカルグループというのも、この曲だけは何とか理解できるので…。決して5人の魅力が発揮されたわけではなさそうですが、クラシカルな音にこそ彼らの哀愁がミックスされてきますねー
2.「Masterpiece」
タイトル曲で先行シングルでもあるこの曲は、R&B1位・POP7位を記録。分数にして13:49!しかしながら、シングルにはサブタイトルで“Vocal”というのが付加されている。要は、大衆的に編集されたヴァージョンはシングルとして発表されていたものの、アルバムに収録されたヴァージョンはほぼ全編インストで退屈。決して演奏のFunk Brothers が悪いわけではないんです。女性ヴォーカルが乗っかってきたり、アルバム2曲目にしてこの展開は、ファンクグループでもない限りテンプスがやるべきことだったのかがいささか疑問。だからこそ、シングルとしてもよくもまぁこれがヒットしたなぁと茫然
3.「Ma」
「Hey Girl (I Like Your Style)」B面曲。ヴォーカルに深みの出てきたメルヴィンのヴォーカルは好き。ただ、アレンジだったり、メロディがどうも暗礁…。時代ってのもあるんでしょうが、乗り切れないミディアムビート
4.「Law of the Land」
UKのみのシングルカットで41位。アレンジがやっぱり厳しい…。過剰なストリング、そしてパーツの多くを演奏が占め、テンプスの出番が目立たないです。ファンクで頑張ろうとするテンプスに光を差しのべたい方は聴きこめるかな?!
5.「Plastic Man」
2ndシングル、R&B8位・POP40位。アレンジはどうにもこうにも微妙なストリングスファンクですが、テンポが良い分、まだ楽しめる方。ただしヴォーカルの魅力も落ち気味
6.「Hurry Tomorrow」
「Plastic Man」B面曲、まるでBjork のテンプスヴァージョンとでも思えるくらいに、ダーーーク。微妙な世界観だけをひっぱり出してきて彼らがアピールしようとしても、そうはいかないです
計42分もありますが、散々。たぶん、テンプスとは何なのかが分かりづらくなるアルバムでしょうね、きっと。一応1975年『A Song For You』との2in1 でリリースされているのですが、なぜか時代が古いこちらのアルバムの方が後回し(10曲目以降)に収録されてます。ビミョーですが、そんなのも彼らの歴史の一つ。
アーティスト:The Temptations
販売元:Polydor
発売日:2003-03-03
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アーティスト:The Temptations
販売元:Universal/Motown
発売日:2004-08-09
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