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783 名前：名無しのやる夫だお[sage] 投稿日：2011/04/11(月) 01:02:10 ID:vtRoN4q.

　　　　　　　　　　　　　　　　　　⌒} 　 /　　　　　　　　　　　　ヽ､ l　l　ｲ∠⊥ﾉ、
　　　　　　　　　　　　　　　　　　{_ rｭ /　　　　　　　　　　　　　　　 !　!　_小￣ヽヽ
　　　　　　　　　　　　　　　　　　{_:rｭ/　　　　　　　　　　　　　　　|　|　小￣ヽ〉
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 l :l　!　! 　 i　　　　　!＿　　　　　!　l´ ィﾄ＼__ﾉ}
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 i l| :!　|＿ﾊ　　　 i　　i｀:!ヽ　 !/ :/　レj:.トﾍ´
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 | :| :!　!__ﾉ　ヽ　　ノ　ー!-|┴人{__/　‐ｧv' |ll |
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 Vヽ!ヾ!｀ｲｔ心、ヾ'　ｲ圦三ｔｫ! |l　　}　{ 　 !|l |
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　| :!　:i孑k〉　　　　iｒ'じﾝ:| |l　ノ　ﾉ　 iｊヾ
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　| {!　i｀ー‐　　　　￣￣:::i! |l　　　i}　　|l　　　　どう？
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　ヽ!　!ヽ:::　'　　　　　　　 | :|l　　ノi 　 :|l
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　ヽ、　）ヽ　　ー_-　　／ヽヽ〈　 | 　 !!　　　　またちょっと背が伸びたのよ。
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　_,,＿　　＿i　|,, - ＞ー :::ﾍ　　　ヽ! ＼:|　 :||
　　　　　　　　　, - ―― -、ｒ::::ｒー' ー、｀ﾄ‐'　　　　（　 ...::::::i　　　 | ゝ　＼ﾉ'
　　　　　　　_ ノ´ ￣｀ヽ　　/_ｒ'　ｒ-, .}　!　} i 　　::ﾉ::　　ヽ　ー―　,イ￣ヽ、. ＼
　　　　　　 l:　　　　　　　　 /　　　しし'〉-'"_ ::／::　　　　　...:::::::/　　　　',:) 　）
　　　　　　｀、　　　　　　　　　 !　　iイ´{ ,ｒ::'´　　　　　　　　　 ;　　　　　　!辷ニ＝=ｭ
　　　　　　　　　￣￣￣￣/ /＾ー='´ 　 /　　　　　　　　　　　　{　　　　　 | 　　／《
　　　　　　　　　　　　＿__/ / 　　　 _ノ´　　　　　　.::ｒ;;　　　ヽi　　　　　/　　ミﾆﾊ
　　　　　　＜ニニニ...＿／　　　 ,,,::´　　...:.　　　　　　　　　　 |　　　　;/　辷,､二ﾆ==ｭ
　　　　　　　　＼三ニ＞　　ノ　　　　　　　　　　　　　　 ...:::|　　　 ::|　廴,､-─‐-､ﾐ)
　　　　　　　　　　ヾ二ニﾆ=-‐'　　　　　　　　　　　　　　 ....::::::::|　　　 ::!　　　─‐辷彡ﾞ
　　　　　　　　　r≦⌒ソ　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 ,i 　　 ::l　　　　辷三ク
　　　　　　　　　i ﾉ￣　 ..::　　　　　　　　　　　　　　　　　　,.::＜ |　　　::|　　　　　}ゞ'
　　　　　　　　ノ´_　　::i/　　　　　　　　　　　　　／　　 ! 　　::!

　　　　　　　　　　　＿＿＿＿＿
　　　　　　　　　／　　　　　　　　＼
　　　　　　　　／　　　　　　　　　　　＼
　　　　　　／　 ‐-､　　　　,.-‐　　　＼
　　　　　／　　　., ーヽ　　　,'. ｰ-、　　＼
　　　／　　　（（℃) l 　　l i℃））　　　　＼　　　　きれいだよ。
　　　 | 　　　　｀ｰノ　　　ヽ.ｰ '　　　　　　|
　　　 |　　　　　"⌒（_＿__人_＿__）⌒ﾞ　　　 |　　　　この世のどんなものよりも美しい。
.　　　＼　　　　　　 ´￣￣｀　　　　　　　／
　　　　　＼　　　　　　　　　　　　　　　／
　　　　　　 /　　　　　　　　　　　　　　　〈

　　　　く. `'"　　 `　`　　　　＼
　　　,-‐'　　　　 ::.. :.....::::::::::::..　＼
　　く,,,　　　　 ....:::::::.;;, -―‐ヽ_　:ヽ_＿
　　┌"　　　.::::::;　'´／　ヽヽ l'___:.:l＼`‐-､=＝､
　　 `'7　　 .:::／　 /　　　　ヽ　ヽl"　l　`l:;;; ,`＝"､
　　　l,-,　`::/　　　　　　　　 l,　.lヽｺ　l　 l :::lヾ= '/__
　　　　l_....::;'　　 l　 ,　　 l 　 ll　 l l,ヽ, l　 l　）lヾ=＜　　　　ふふ……。
　　　　ｰ､l'l　　 l　 l　　 l| ,　l| l,/'l| `､l,'ヽl ,-'ヽ　＼＼
　　　　　　l.l　|l　l,l, l,l　, /l//,,,＝t,l　lﾍ＠>'　丶　＼＼
　　　　　　 ll､ l､ l`　　　　 ,r==ﾐ　l|. ll'//`ヽ　　ヽ　　＼＼
　　　　　　 `ヾ`lヾ ,x=ﾐ　　　　　 l .ﾊl"　　ヽ　　ヽ　　＼ゝ
　　　　　　　 l.ｲヽ　　 `_ ノ　 ,,l /ヾ､　　ヽ　　ヽ
　　　　　　　　 //l　＞-　､ _,　'´//￣ヾゝ、　ヽ　　ヽ

784 名前：名無しのやる夫だお[sage] 投稿日：2011/04/11(月) 01:02:23 ID:vtRoN4q.

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:: :::::::::...:::::::::::: 　;．　／　/　　　　　 ,'　　　,'　　　　　　　 ;:　　　 , 　 ;ﾊ,　 v 〉::.:.:.:.:.:
:::::: :::::::::...:::::: 　．彡ﾐ．〃　　　/　　/　　　：　　　　 ,　　　 ;:　　《/|　!:.:》　〈::.:.:.:.:.:.:
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:::::::::::::::: ::::　　　/:......: 人　《Ｙfﾔｋ,　　　《　─- 〉,_イ　　　　　　 ,::::l　;:::.:.:　　i::.:.:.:.:.:.:
:::::::::::::::::::　　　/:::::::::: 　人./)八ﾟｯ刻　　　　沂勺)k,　|　　　/　　　,:::::::j__j:::.:.:　　;::.:.:.:.:.:.:
::::::::::::::::　　 /:::::::::::　 /　/ .ﾊ　` ¨　　　　　　ﾟｯ亥ﾘ〉ﾉ　／　,　　.:::::::.:.:.:.:.:.:..:　　;::.:.:.:.:.:.
:..::::::::::　　　/:::::::::::　 /　,　/ .ﾑ、　　ヽ　　　　｀　' '′Y＾'!　　{! 　　｀ヽ;::.:.:.:.:　　;::.:.:.:.:.:.
::::..::::　　　/:::::::::::　 /::　'　`　　｀　.　 ` ｰ　　　　　　,j　|　j　　》　　　　　　:.:.:.:　　i::.:.:.:.:.:.
:::::::..::::　　 ':::::::::　 /:::::　＼　　　ヽ, 　　　　,．≪ﾘ　!. ｲ　 |　　　　　 ,_　　　:
::::::::::..:::.　　':::　 /::::::::　　　＼　　　》`　￢7´ 　　　　 ! 　 ;　　　＿彡　.》:: 　 ; : : :
:::::::::::::..:::.　　‘．‘:::　《　　　 ≫'¨ ￣｀ヾ:::::《　　　＿_,ｨ＝|　　r―　　　　　《::.: 　 ;
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:::..:::::::::::::::::　　:::::::　　　 '　　　　　 .::/　　　　　　　　 ::　　:　　　　　〃:.: 　 i::::
::::: :::::::::::: 　　 ;::::::　　　/　　　　　　　 ,　　　　　　　　　 ;　　|　` ､＿　　　〉:::: 　 :::::::
::::::: ::::::::　．　 i;;;;;;　　 /　　　　　　　　　》　　　　　　　　ｌ　 |　　　＼　　《:::::.: 　 i::::::::

┌─────────────────────────────────┐
│　　僕はアリスに様々なポーズを指示し、何枚も写真を撮った。　　　　　　　　 │
│　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　│
│　　露骨な性的アピールを感じさせないよう、細心の注意を払って撮影する。 │
│　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　│
│　　それは世間への配慮というより、僕自身が自分に課したルールだ。　　　　　 │
│　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　│
│　　アリスの淫らな写真を撮ること自体、彼女への冒涜だと感じるからだ。　　　 │
└─────────────────────────────────┘

785 名前：名無しのやる夫だお[sage] 投稿日：2011/04/11(月) 01:02:36 ID:vtRoN4q. [12/60]

　　　　　　　　　　　　　　　　　　　,.- ＝‐‐‐-､'ﾞ　　 .　　　　　 |
　　　　　　　　　　　　　　　　　　ノ　　　　　　　ﾞ、 '´　　 .:　　　|. ﾞ、
　　　　　　　　　　　　　　　　　 i゛　　　　　　　　ヽ　　､i:::　　　　i.　i
.　　　　　　　　　　,　-‐- 、　 |　　　　　　　　　　ﾞ:、 :::i.　　　 l　 |
　　　　　　　　　ノ´ 　　　　ヽ ! 　　　、　　　　　　ヾ.:::|.　　　 l 　.|
. 　　　　　／　　　　　 /　　　　　i.　　　　　　ﾞ:､|　　　　l 　 |
.　　　　　　／　　　　　　　　/　　　　 |:!　　　　　　　 i 　　　ｌ　 |
　　　　　.／　　　　　　　 /. 　　　　 i: :! 　　　　　　l. 　　　l 　 |
　　　　／　　　　　　　,　　/.　　　　　　!、 i　　　　　　 l 　　　 |.　 |
　　／　　　　　　　/゛、./. 　　　　ﾉ　ヽ.l　　　　　　　 i: 　　　i.　 |
　.／　　　　　　　　/ 　｀/　　　　　 /　　　i._,. --‐''¨￣｀ヽ　　　| 　.|
／　　　　　　　／　　　/　__,... --‐‐ '' ¨¨´￣　　　　　　　　ｌ. 　!
　　　　　　,. ‐'´　　ノ'' ¨¨´　　　　　　　　　　　　　　　　　＿ ,........!:､　ﾞ、
　　　,. -'´　　　 i!　　　 ,,.=.‐--,-‐ ‐ ' ¨¨¨￣､￣¨~~~~￣　　　　　　　ﾞ:、
　.／　　　　　　i、 r‐‐'´　　／＼　　　　　ヽ　　　　　　　　　　　　　i
/´ 　　　　　　　　｀./　　　／　　ヽ　　　　　i 　　　　　　　　　　　　　　i.
　　　　　　　　　ノ　　　/.　　　　　ゝ.　　　　;.　　　　　　　　　　　　　　l
　　　　　　　_, :'　　　　〈.　　　　　　　＼　　　 i、　　　　　　　　　　　 /
　　　　　 _,.‐'　　　　　　）　　　　　　＼.　　゛、　　　　　　　　 /
　　　 _,.‐'　　　　__,...__,,／　　　　　　　　　｀ｰ-‐'ヽ､　　. 　　　　／
　　 (　 ,...___,. '´　　　　　　　　　　　　　　　　　　｀ - ...＿,,,,...,:::'

┌───────────────────────────────┐
│　　無論、撮影しながら僕が性的に興奮している事自体は否定しない。　　 │
│　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 │
│　　だが、その欲望に従いたいとは思わない。　　　　　　　　　　　　　　　　　 │
│　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 │
│　　彼女の美しさは純血や無垢から発するものであり、　　　　　　　　　　 │
│　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 │
│　　穢したが最後、永遠に失われてしまう。　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 │
│　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 │
│　　だから彼女が服を脱いでいる間、一メートル以内には決して　　　　　　　│
│　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 │
│　　近寄らないようにしている。　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 │
└───────────────────────────────┘

786 名前：名無しのやる夫だお[sage] 投稿日：2011/04/11(月) 01:02:55 ID:vtRoN4q.

　　　　　　 '. 　　 `、　 ! i| 　 |　　　　　　　　　　　　≦＝〃}}　　　　　＼＼
　　　　　　 '.　　 :i !　 i　|　　乂　　　　　　　　　　　　　　 {　　　　　　` ､` ､
　　　　　　 !　　 | |_ノノ====ミ､`T ´　　　　　　　　　　　　＼　　　　　　 `　､`　､
　　　　　　　 i　　ﾄ､_　_,.=====ミ八　　　　　　　　　　　　　　　ヽ　　　　　　　　 ` ､ `　､
　　　　　　　 |　　 | | 「　___／／｀ヽヽ　　　　　　　　　　　　　　　`ｰ- ､　　　　　　　 `　､ `
　　　　　　　 |　　 |: | |　`===ミ､　　 '.　＼　　　　　､　　　　　　　　　　　`　､　　　　　　　 `
　　　　　　　 |　　 |　| |　　≪´　　　 '.　　'.　　　　　`i　　　　　　　　　　　　　ヽ.＿__
　　　　　　　 |　　 |　:| |　　 .》　　　　'. 　 !　　　　　　　　　　　　　　 ,　　　　　　￣　　　　‐
　　　　　　　 |　　 | 　:| |　　　　　　　　 '.　 '.　　　　　　　　　　　　　　　 ,'
　　　　　　　　 !　　 | 　 |: |　　　　　　　　 '.　 '.　　　　　　　　　　　　 i
　　　　　　　　 ,'　　 |　　|: |　　　　　　　　 `、 .'.　　　　　　　　　　　　　　 |
　　　　　　 /　　/!　　　|: |　　　　　　　　 `、 '.　　　　　　　　　　　　　　 !
　　　　　　　/　　//　　　 !: ! 　　　　　　 `、〉、
　　　　　 /　　//　　　　 '. '.　　　　　　　　　〉'　｀　､　　　　　　　　　　　　ヽ
　　　＿_/　　//　　　　　　 '. '.　　　　　　 /　　　　　　　　　　　　　　　　｀ヾ､. ＿＿＿＿__ ,. -
　　 /´　　　￣　 ‐- .._　　　`､`、　　＿_　 /　　　　　　　　`ヽ　　　　　　　　　＼　　 _,.＞ ' ´
　　 {_,.　-----..._　　　｀　､八 `､　/　　冫　　　　　　　　 Y　ﾉ〈　　　　　＞ '´
　　　　　　　　｀　　.._　　 `ヽ　 /　　 /　　　　　　　　　　　　丶⌒ヽヽ ,.　'´
　　　　　　　 _,. -‐　　￣　＞' ´/　　　 |　　　　　　　　　　／ヽ,.　'´
　　　 _,. -≦　_,.　 -――_/　　　　　　　|　　　　　　　　 __　　, '　,. '´
　　　「￣　＜　　　　／´ 　 /　　　　　ヽ　　　　　／　〉 /／
　　　└‐‐- .._ ＼　 /j　　　 |　　　　　　　ヽ　　　 /　　 //'´
　　　　　　 __｀ヽ. 〈　　　　　!　　　　　　　　￣￣　　　/'´
　　　　　　≪￣￣ヽヽ　　　　　　　　　　　　　　　　　／

┌────────────────────────────┐
│　　いつか彼女も大きくなり、どこかの男のものになるだろうか。　　 │
│　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 │
│　　美しい肌を男の手で蹂躙されるのだろうか。　　　　　　　　　　　 │
│　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 │
│　　それを想像すると気が狂いそうになる。　　　　　　　　　　　　　　　│
│　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 │
│　　だからこそ、無性に記録しておきたくなるのだ。　　　　　　　　　　 │
│　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 │
│　　このつかの間の美を、映像の中に、僕の記憶の中に、　　　　　 │
│　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 │
│　　永遠に凍結しておきたいのだ。　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　│
│　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 │
│　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 │
│　　だが、それすらももう許されない。　　　　　　　　　　　　　　　　　　 │
└────────────────────────────┘

787 名前：名無しのやる夫だお[sage] 投稿日：2011/04/11(月) 01:03:27 ID:vtRoN4q. [14/60]

　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　/::/　／　　　／　　　　　‐-､　　＼
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 /::'-イ　　／　 //　 l: 　ヽ　ヽ　　 ,ゝﾆ二ヽ
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 7７/　 .:　.:/ 　 l//　　|::　　ヽ　:', 　 /,ｲ:ﾄ､-'::ｲ
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　///　 .:: :::// 　.:l |　　 |:::.　　　::! ::::! ｲ://::!:::｀´ l
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 /〈:! / ::| ::/lﾊ　 ::| |　　 |:::|:.　:.　:::::::::l...|:| |::|ヽ!:::　!
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 /　.:lﾊ .::l|-l十ト､:::ﾄ|:.|　:lﾊ::|:::. ::..:::::::l:::!::ヾjイ　|:::　|　　　先生、ちょっと疲れてきたのだわ。
　　　　　　　　　　　　　　　　　.　　/　.::/∧N Yた卞N| N|:.:/_立ト､:､:::::::!:::l:::/|::::! /:::　l
　　　　　　　　　　　　　　　　　　 /　.::://:://|　弋ツ　　ヽ'　た卞､ll:::::l::ﾊ|:::∧/ !::　 !　　　　撮っている間、ずっと動けないのだもの。
　　　　　　　　　　　　　　　　　. 〃 .::://ノ .八　　　　　　　　弋ツﾉﾉ!イく_／　　 l:　　l
　　　　　　　　　＼　　　〃 .:::/　|ﾊl : :l:.｀､　　　_'　　　　　　 .ィ､l::::|ノ　 : :| Ｖ⌒}
　　　　　　　　　＼　 !!　:／ . _八: l/:/:丶　　　｀　　　　　ﾉｨ :∧ : : | 'イf⌒ヽ
　　　　　　　　　　　　　　＼|／／ l　/: /ベ《ｰ､:_,`_- --‐ '' ''´: :/: :/ : ',: :/　 !'|/⌒}
　　　　　　　　　　　　　　　　/　　/ /: /　　　＼　ﾉ　　　　ヽ:__/: :∧: : :V　　　７´／
　　　　　　　　　　　　　./ 　./://: /　　　　　ヽ　　　＿, ／／￣｀ヽ:{ 　　 ‘´　/:
　　　　　　　　　　　　　　　/　 ./ﾚ : /､ヽ　　　　　／´　／／　　　　ｉ|　　　　／ : :
　　　　　　　　　　　　　.／　　: /:/j/　　　　　　　 /／　　　　　 l|　　 /＼: :

　　　　　　　　＿＿＿_
　　　　　　／　　　　＼
　　　　　／　 ⌒　　⌒ 　＼　　　　　　ああ、そうだね。
　　　　／　（⌒）　（⌒）　＼l⌒l
　　　|　　　（__人__）　　　　|`''|　　　そろそろ食事にしようか。
　　　　＼　　　｀ ⌒´　　　_／ /
　　　　　　　　　　　　　　　　/

788 名前：名無しのやる夫だお[sage] 投稿日：2011/04/11(月) 01:03:43 ID:vtRoN4q.

　　　　　　　　　 │ 　i´　　　! 　　/
　　　　　　　　　　 !　　 !　　/ 　　/l
　　　　　　　　　　　　 !　　ｌ　/ 　　/　!
　　　　　　　　　　 !　　 |/ 　　/ 　ヽ
　　　　　　 _.. ｰ'''"´ | 　 / 　　/_, 　　ヽ
　.／￣",ﾂ‐"゛　　　　|,.-‐'''''" 　　　　 !
　.!_.-'"´ 　　　　　　／　　　　　　　　　l
　/ 　　　　　　　　　/ 　　　.,,__ 　　　　ノ
　! 　　　　　.＿,,,,l　　　　　 ´ﾞ"'''-ﾆ.ﾞ
.　ﾞﾞ''''''''''''^ﾞﾞﾞ゛　　ヽ、　　　　　　　｀ ‐ ､-‐-、
　　　　　　　　　　　　｀"''' ｰ - . ＿　　　　　　　ヽ
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　" '' ─- ．_ 　　ヽ、
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　ヽ、　　､j
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　＼ヽソ
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　´

┌────────────────────────────────┐
│　　僕たちは床に敷いたマットの上に座り、他愛ない話をしながら、　　　　　　 │
│　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 │
│　　紅茶を飲みサンドイッチを食べた。　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 │
│　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 │
│　　僕はにこやかに話しながらも、慎重に一メートルの距離を置いていた。　 │
│　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 │
│　　それでも彼女が無防備にあぐらを組んだりするので、　　　　　　　　　　　　 │
│　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 │
│　　目のやり場に困った。　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 │
└────────────────────────────────┘

789 名前：名無しのやる夫だお[sage] 投稿日：2011/04/11(月) 01:03:59 ID:vtRoN4q.

　　　つ:::::::::::::::::rー-'三三_　-―――‐-- ､)::::::::＼　　＿
　　　(:::::::::::::::::::::::) 三= '´／　　　　　　､　 (_:::::::::::::丶<::::::`ー､
　　　 `ｰ,:::::::: __ノ／　　/ /　　　　＼　　＼ム::::::::::: |企;:::::::::::}___
　　　　 (_:::::: ヽ／　　　/ /　　　　　　ヽ　　､ヽ(__:::::::::::|三|:::::::::::⌒Yヽ
　　　　　r’:::: /　　　　　 {　　　　|!　　| |!　　|!ﾊノ :::::::::|三|:::::::::::::::乂{
　　　　　｀ｧ: :′　/　 /　!　　　　 |!　 |! |!　　|! |｀ｰ, : :::|三|:::::::::::::::}　'.
　　　　　ヽ.′　/　 /　 |! 　　　 |!　 |! |!　　}! | Ｙ:::::::::|三|:::::::::::::/　 {　　　　ねえ先生、お話しして欲しいのだわ。
.　　　　　　|　|　|!　 |! 　 |!　　　　 i}　 } |!　 /_!_| ゝｧ : :|三|::::::::_;ﾉ| 　 '.
.　　　　　|　|　|!|　 |!､　{! |!　　 // /}//孑' /ｲ　(_ : :r'--{:::::::)　| 　｜　　　前に、人間の頭の中が移るカメラの話を
.　　　　　{　|　| {　卞ﾄ､ハ!_　 //ノノィ≦ケテ|　(:::::〈ん)､) 〉´　| 　　|
　　　　　　ヽﾄ､ {ﾍ､从ィ升=ﾐノ´　　　/弋じ:::}｜　〉 : ゝﾆン　　 |　　｜　　　してくれたでしょう？
　　　　　　　　ヽ乂ﾍ!ゞ､rゝ':{｀　　　　　　`ｰ'ﾞ .|　 ∨/／　　　　|　　 !
　　　　　　　　　 }　　|ﾍ　`ｰ'ﾞ　　､　　　　　| 　 {ノ´　　　　　| 　　 |　　　ああいうお話、もっと聞いてみたいのだわ。
　　　　　　　　　川　| 丶　　　　マフ　　　ノ　 } !　　　　　| 　　 |
　　　　　　　　 //}　 ! ＿≧-..､　　　,∠⌒＜}/　八ﾍ　　　　　 | 　　 |

　　　　　　　＿＿＿
　　　　　／　　　　＼
　　　　／　　 ⌒　　⌒＼
　　／　　（ ⌒）　（⌒）＼　　　　おかしなお話？
　　 i 　::::::⌒ （__人__） ⌒:: i
　　　ヽ、　　　 `ー '　　／　　　　――じゃあ、未来の機械の話をしようか。
　　　　/　　　　　┌─┐
　　　　i　　丶　ヽ{ .茶 }ヽ
　　　　ｒ　　ヽ、__)一(_丿
　　　　ヽ、___　　　ヽ　ヽ
　　　　と_＿＿_＿ノ＿ノ

　　　　　　)::::::::::::::::::::,　 ´　　）::::::::::::::＝＝=彡::::::ﾃ
　　　　 (:::::::::::::::::／/　　　　ヽ:::_:::::::::::::::::i　 l::::l:::::ﾊ二))
　　　　　　＞:::::::,.'　 ′　　　 |　　 ):::::::::::::::l　 i:::i:::::(､二))
　　　　　て::::/ 　ｌｌ　ｌ |　 !|　　 {::::::::::::::::|　 l::i:::::::::ﾊ〈
　　　　　　しｌ |　ｌ |　 | |　_!H‐'ﾌ|/て::::::::::彡ﾐ::::::::(　 !ｌ
　　　　　　　　 l l　 l　_L | |ノ　 rT´㍉ | (::::::::ﾐ彡::::::ｨ　 l|ｌ
　　　　　　 ll ヽ ´ rｒ､　　　ヽ__ソ | l! {::l　l::::;:::)　|　ﾘ　　　未来ってどれくらい？
　　　　　　　　　　　　ﾊ v）　　　　　　 l l | ﾘ /::// 　 |　 |
　　　　　　　　　　　 ,' ﾊ　丶　　　　　ﾘ ,| |/／´　　｜　|
　　　　　　　　　　　 |　〉､　｀　　　　lﾚ' | ｈ､　　　　 |　 |
　　　　　　　　　　　 l / ||　＞ - ィ〃　| | l7　　　 |　 |
　　　　　　　　　　ﾉ'　 |r　j / rr､〃　 | | 〈＼　　 |　 |

790 名前：名無しのやる夫だお[sage] 投稿日：2011/04/11(月) 01:04:13 ID:vtRoN4q.

　　　　　　　　＿＿＿_
　　　　　　　／⌒　　⌒＼
　　　　　／（ ●）　（●）＼
　　　　／ ::::⌒（__人__）⌒:::: ＼
　　　　|　　　　　|r┬-|　　　　　|　　今から一五〇年くらい先かな。
　　　　＼　　　 `ー'´ 　　／
　　　　　 >　　　　　　　　　<
　　　　　（　|　　　　　　　 / ）

　　　　 └-i:::::::::::::::::::::::: ,.　　'"´　　　　　｀`ヽ:::::::.: : ヽ、
　　　　 __...ﾉ: : : : : : :,.ィ´　　　／　　 ', 　ヽ｀丶､: : : :ト.､　 ,.ィ"ヽ
.　　　 |: : : : : : : :／　　./　 /　　　　　 ',　　 ',　「: : : : :|:.:.:ヽ: : : : : 〉ﾆﾆ､二
　　　ヽ.ィ: : : :/　　 / 　 ,'　　　　　　 l　　　',　｀丶ﾄ､:|:.:.:.:.:.|: : : : :ート､､ヽ
　　　　 r‐:':::::::/ 　　 ,'　　,'　　　　　 !　　　.l　i'"´: : |:.:.:.:.:.:!: : : : :_:ハ ',ヽ
.　　　 ',_:､:::/　　　 l　　ｌ　　　　　　　 |l 　　 !　',: : : :.|:.:.:.:.:.:|: : : : L_ｌ::', ',r
　　　　　ﾉ:,'　　　 ,'l　　 |　　　　　l　 | l !　　! |　｀丶; |:.:.:.:.:.::!: : : : : :ﾊ::ヽ
　　　　 /:| |　　　,' |　! .!ｌ|　　　　,'|　ｌｌ | l　,' ,|. ｜!´: :.!:.:.:.:.:.,': : : :r '　｀￢
　　　　　/:::,! |　　 ..L.',_ﾄ. |',ﾄ　　　/ !./l/├ /￢￢､).:: /:.:.:.:./: ::::::::|　　　 |:　　　ずいぶん未来なのね。
　　　 /:::::ﾊ.ﾄ　、　!　..l_ヽヽ＼､./ l/"´　l/_∠ |　 {: : :/:.:.:.:./::::::;:::ﾉ|　　　 !:
　　　　ヽ|l　',ヽ＼ !,イ｀` ﾄ　 '′　　 ,ｲ"´　lヽ　,ﾊr'＾,-ﾍ':::::::::}::!｜　　.!:
.　　　　 |　　　ト､ト.`弋..ン　　　　　弋..ン '　| .|/j〈ィ'>》_ノ"!::l　!　　　|:
　　　　　　|　　 l　l.|. ',　　　　　､　　　　　　　 l　 ! .|:.ヾﾆﾌ　　 !::l. ｜　　 |:
　　　　　 |　　 / / |　ﾄ、　　　　 ,.、　　　　　｜ｌ|　|／　　　ヽ:|　|l　　 !
.　　　　　|　　/ /　|　|_.＞、　　　　　　_..-.､ｌ　l !　! 　　　　　　　 |.! 　｜
　　　　　 l|　 /,ｲ _..ｌ　l:.:.:.:.:.:.:｀丶､ __..ィ´:.:.:.:.:.,' .,'::|　| 　　　　　　　　| !　　 !

791 名前：名無しのやる夫だお[sage] 投稿日：2011/04/11(月) 01:04:27 ID:vtRoN4q.

　　　　　　　　　　　　　　　　 l　　_ -　´　　　｀丶、　　　　 !
　　　　　　　　　　　　　　　　 | ／　_, -┬ｒ - __　　　＼　　 |
　　　　　　　　　　　　　　　／　∠二≧|ﾑ::V ,＞､___ ィ::::＼ j
　　　　　　　　　　　　　　　L ／ｔ「 /辷jﾘ　ヽ!　辷j_` ｢|::::|:i::::{
　　　　　　　　　　　　　　　　|:::::l L＿__ﾉ!　　ヽ---- ' |:i::l::|:l::|
　　　　　　　　　　　　　　　　|l:::ﾊ　　　　､　　　　　　　|从ﾊV
　　　　　　　　　　　　　　　　ﾍ l　　　＿＿＿＿　　 ″　ﾉ
　　　　　,....､　　　　＿＿__　　　ヽ!　　∨　　　 У　　　,ィ７/
　　　　 / 　ヽ..._／二二二ト､ r‐ュ＼　 ` 二 ´　　_ -　|ｲ'
　　／　ｒ┴┴‐┼──‐弋三三マヽヽ＿＿_ ／　 ,　l
　　j　￣＞──┴─　､:.:.:.|─‐９|<7|l 　　　　　　 /　　ヽ､
　 f'　７´ ´¨｀ヽ｀ヽヽ:::::::__ヽ|}}─ j|^:|Yl　　　　　　/ 　　ｨ::::| ｀ヽ､＿__
　j 　､l::;′　　　Y:::::l:::l::::{　ヾ!|!ｭ:.:.:l|:::V 　　　　　 ′　／:|:::::l: : :／
　l　　l:::|　　　　 ||:::::|:::|::ﾊ　　＼_:.:.:ﾄ､::ﾄ､＿＿＿_ ィ´. : : |:::::l: /
　l　｀ヽヽ＿_ノ/.::/::/:::::/ヽ　　　￣ヽヽ: : : : : : ／: : : : : |::::l:/
　 '　／マ＝∠∠∠∠ -'"　　　　 ∨_＿／. : : : : : : j::::l:′
　　' 　　ﾊ::::｢ -r ､　　　　　　　　 ∨}} }: : : : : : : : :|::::l !
　　 }　　　ﾊ::::∨　ヽ　　　　　　　　　　　ヽV: : : : : : : : : |::::l |
　　/　　　　ヽ:::ヽ　　ヽ　　　　　　　　　　　＼: : : : : : : : :|::::l:ﾊ

┌──────────────────────────┐
│　　そう。その頃には科学もものすごく進歩している。　　　　 │
│　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 │
│　　たとえば写真は電気の力を使って撮影されている。　　　　 │
│　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 │
│　　色のついた写真も撮れる。露光に何分もかけなくても、　　 │
│　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 │
│　　ボタンを押すと一瞬で写るんだ。　　　　　　　　　　　　　　 │
└──────────────────────────┘

792 名前：名無しのやる夫だお[sage] 投稿日：2011/04/11(月) 01:04:48 ID:vtRoN4q. [19/60]

　　　　　　　ﾉｰ:::::::ヽ::::,-`ｰ､:::::::::::::::::::`i､_　r‐､　　　＿＿
　　　　　　（:￣:::::::,ィ'´　　　l:::::__:::::::::::::∨|`´::ﾉ_,ｨ=ﾃ"￣ゞﾐi!
　　　　　　　`j::::::/ 　　　　 `´　`jｰ::::::::∨!::´:）ヽ＝≠＝彳
　　　　　　　ゝ:/　　　 i　　　　　ゝ-､_:::::|ﾐ|::::::`i　ヽゞ_》
　　　　　　　 `l i　l　　l　　　　l　　　ﾉ:::::::|ﾐ|:::::::ﾉ　 l.ゞ!
　　　　　　　　 l l! .l l　ll! l　　l l .l　 l `i:::::::||!:::::_)　　 l |ﾐ|　　すごいのだわ！
.　　　　　　　 l.ﾄ､ﾄ､!从 l　 /l /l　/ .(_:::://:::( l　　　l |ﾐ|
　　　　　　　 l! ヽｨｬｫ.ヽ／_'´_.l/l/　/ｨｭ､::ノ.l 　　 l. ¨　　じゃあ、撮影の間、
　　　　　　　　　　 l ゞｲ　　´弋::ソ//.弋ｿｲ　 l　　　 l
　　　　　　　　　　　ゝ　 ___ 　｀´// ／　　　 l.　　　 l　　　じっとしていなくてもいいのね？
　　　　　　　　　　　//ヽ,`ｰ',､-‐//:´ヽ　　　　|　l!　　l
　　　　　　　　//ｰ､〉::◎::::/ .l:::::::::ヽ　　　l　l.l　　 l

　　　　　　　　　　　　　　＿＿＿_
　　　　, ヘｰ‐- ､　　　／ヽ　／　＼
　 -‐ノ .ヘー‐-ｨ　　／（●.）　（● ）ヽ　　　ああ。それどころか、動く映像でも撮影できる。
　''"/／ヽｰ､　ﾉ .／:::⌒（__人__）⌒::::::ヽ
　 /／＾＼　ヾ-､.|　　　　|r┬-|　　　　 |　　それだけじゃない。映像や音を記録したり、
,ノ　ヽ,_　ヽノヽ_)＼　　　`ー'´　　　／
/　　 <＾_,.ｲ `r‐'ﾞ ::::ヽー‐-..､　　,..-‐|、　　　それを遠くに送ることも当たり前にできるようになっているんだ。
＼＿＿_,／|　 !　　::::::l、:.:.:.:.:.ヽ /:.:.:.:.| ＼

　　　　　　___　　(._ 　|　　ノ , 　 ' 　,　　　　　 '　　　　　　　　' ヽ
　　　　 ___/r_- ' ￣　　ｲ　(__/　/　 / 　　　　　| 　i　､　　　　　V
　　　r　:::__:::: {　　　　/:! 　ヽ　　,'　　│!.　　　│　! 　 V　　　　 ',
　　　|:::|　イ^て　　イ::::!　　ﾉ .!　 l.　　│!　　　ﾊ　! 　 l　 !　　ﾊ　!
　　　L／ｲ　　「　　 |:::::! 　 (_　| l ﾊ　　| |　|!　　 l |　|　ﾉ|　! 　　! | |
　　.　　 /!　　ﾊ____.　|:::::!　　ヽVﾊ__ヽ__Nヽ|!　 l/ j ,.ｨl‐j 'T ﾘ　イ　ﾚ
　　　　/::! 　 l　　ヽヽ:::ヽ　　ノﾍ´ x==ミ l､ `ヾﾉ' j,x==ミヽﾚイ|
　　　　!:::!　　!　　　(　　ヽ,=:Vﾊヽ〃,_ﾉ::ﾊ　　　　　,_ﾉ::ﾊ　》} ,| ヽ　　　　　すごい性能ね！
　　　　ゝ! 　 !　　　　ー-..{@jil!|　!　 V//ｿ　　　　　V//ｿ　ﾊ　ﾊ. |
　　　　 |　　! 　　　　 ´ゞｨ'!|　| 　　　　　　 ′　　　/ |　|　ヽ
　　　　 |　　!　　　　　　　`ナ'|　ﾄ　　　　　 rァ　　　∠_.l　 !　　＼
.　　　 ,|　 ::! 　　　　　/' 　l　 !_＞-_､, ―-､ ´ 　 .／⌒Y　,′ 　　lヽ

793 名前：名無しのやる夫だお[sage] 投稿日：2011/04/11(月) 01:05:00 ID:vtRoN4q.

　　 /:.:/:.:.:.:.:.:.:.: .:...:.:.:. .:.:. :.　　...:..:.:.:.:.:.:. :. .　. :.:.:. . .:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.::.::.:|
　_ノ.イ:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.: :.: .:.:.:.:.:.:.:.::.:.:.:.:.:.:..:.:.:.:.:.:.:..:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.::.::.::!
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　　　！::.::.:.::.::.:!::.:.::.:.::.::{::!::.:.:.::.:l::.:|}' 　＼::.::.::l::.::.:.:l:.::.:!::.::.:.:.:.:.::.::.::.::.::〈
　　　　';:.ﾄ::.::.::.::';:.:.::.::.::.ﾑ:ﾄ､:::::{:ﾄ､レ‐_二._｀ヽ: ﾄ::.::.:|::./::.:.:.:.:.:.::.:.:.:.:.::.::.::ヽ
　　　 jﾉヽ::.::.::V{::.::.::.!:ャぃ＼Y´　/{bj.:} ｀ﾝハ::.j:/::.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.::.::.::.:}
　　　　　＼:トぃ::.::.l:〉:}:d }　ヽ.　　`"¨´　　 /ノ:.:.:.:.:.:. :.:.:.:.:.:.:.:.::.::.::.:}V
　　　　　　　　　}　＼::!'::.|　ﾉ　　　　　　　　　/:.:.:.:.　: . :.:.:.:.:.:.:.::.::.::y};ﾉ
　　　　　　　　　　 ∧::.!/　　　　　　　　　/:.:.:.:　.　..:.:.::.:.::,::.:ﾙ'}ﾉ ′
　　　　　　　　　 /:.:.:バヽ.　　　　　　 /:.:.:.: .:.:.:.:.:.:.::.::./::/
　　　　　　　　 ,':.:.:.'.:.::ﾍ　､__,,.＿　　 ,':.:/ :.:.:.:.:.:.:.::.::./イ__＿
　　　　　　　　　　 i:.:/　:.:.::.:.ヽー　　　 {;ｲ:. :.:.:.:.::.:.::.::/　 |:::_レ:｀ヽ
　　　　　　　　　ﾚ/ . .:.:.:.::.::.ﾊ　　　　 _,l:.:.:.:.:.::.::.::.::/　, -'´::.::.::.::::|
　　　　　　　　　　　/ :.:.:.:.:.::.::/::.:`ｧァフ¨´ｌ |:.:.:.::.::.::.!::/-'´:::.:::.:::.:::.:::::::!、
　　　　　　　　　 ;:.:,:.:.:.:.::.::.::.:/／／:::::::::::i:.:.:.::.::.:/j /.:::.:::.:::.:::.:::.:::.:／ノ､__
　　　　　　　　 {〃::.::,イ::.／／:::.::.:::::::::|:.::.::.::./::':::.:::.:::.:::.:::_; -'´／／　ﾉ}
　　　　　　　　　　 !::.:://／／:::.:::.::::::::::;. !:.::/::/.:::.:::.:::::_; -'´:::-:'´イ:ﾍ∠:_｣:､
　　　　　　　　　 _｣::./-‐／:::.:::.::::::::::／::,!::/ﾚ'.:::.::::;.-'´:::‐'::_; ＜ゝｰ'｀ー=ミ:へ
　　　　　　　　　ノ::|/‐／:::.:::.:､:::::::::/:::.:: /'´.:::.:::.:／:::'_;,.-‐'´:::.:::.::＼ヽ:::.::.::.::.ﾍヽ＼

┌──────────────────────────┐
│　　それだけじゃない。マイクロチップとかナノチップという、　　 │
│　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 │
│　　砂粒のような小さな機械ができている。　　　　　　　　　　 │
│　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 │
│　　未来では、そういう機械を頭の中に埋め込む人が　　　　　 │
│　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 │
│　　たくさんいるんだよ。　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 │
└──────────────────────────┘

794 名前：名無しのやる夫だお[sage] 投稿日：2011/04/11(月) 01:05:22 ID:vtRoN4q. [21/60]

　　　　　　　　　　 _,-─-､_
.　　　　　　　　　　 _r'´:. :. :. :. :. ヽ
　　　　　　　　　　　ﾉ:. :. :. :. :. :. :. :. }
.　　　　　　　　　 f:.／￣￣｀丶:. :.ﾉ
　　　　　　　へ_ﾉｲ i| i| i|　|!　|! く_r┐
　　　　　　 7j::r'ｲ　ﾚiト!　 |r'T j} k'´
.　　　　　　　 /ｲ::{ ﾙ'┯┯ﾘﾚ'┯┯lﾘﾍ
　　　　　　　//{::f !|　 l:::/　　 |::/ |!::ｲ '.
.　　　　　　//　7|i人　　　 _　　ノff┤ :,　　　　どうしてそんなことをするの？
　　　　　 f { 　| |i |　＞--　-イ|　ﾘ　Vﾊ
.　　　　　/ﾚ{　 | K´　 }　　　　Y　くヽ　川
.　　　　 i/ｲ　r'_≦　/　　　　　} 　〉〉ｲ|
. 　　　 { l{　￣ヾＶ:　　　　　　i ＜く　 !j
　　　　　 V| 　 ___ﾉ〉　　　　　　〉　_)ﾉ　ｲ

　　　　　　　　　　　＿＿＿＿＿
　　　　　　　　　／　　　　　　　　＼
　　　　　　　　／　　　　　　　　　　　＼
　　　　　　／　 ‐-､　　　　,.-‐　　　＼　　　　　脳に障害のある人を治療するためさ。
　　　　　／　　　., ーヽ　　　,'. ｰ-、　　＼
　　　／　　　（　● l 　　l　●　）　　　　＼　　年をとったり病気で記憶力に障碍のある人の脳に
　　　 | 　　　　｀ｰノ　　　ヽ.ｰ '　　　　　　|
　　　 |　　　　　"⌒（_＿__人_＿__）⌒ﾞ　　　 |　　チップを埋め込む。チップはカメラや蓄音機のように、
　　　　＼　　　　　　! ,-ｰ- 、!　　　　　／
　　　　　＼　　　　　｀ーｰ ´　　　　　／　　　　映像や音を記録できる。
　　　　　　 /　　　　　　　　　　　　　　　〈

　　＿∩
　/　〉〉〉
　{　　⊂〉　　＿＿＿_
　 |　　 | 　　／⌒　 ⌒ ＼
　 |　　 |　／(●)　 (● )　＼
　 |　　 |／:::⌒(__人__.)⌒:::　＼　　　つまり、その人の脳に代わって、
　ヽ　 |　　　 |,┬‐ |　　　　 |
　　　＼.＼　　｀ー ´　　　　／　　　色んなものを記憶してくれるんだ。
　　　　＼　　　　　　　＿＿　ヽ
　　　　　　ヽ　　　　 (＿＿＿_/　　　電気の力でね。

795 名前：名無しのやる夫だお[sage] 投稿日：2011/04/11(月) 01:05:46 ID:vtRoN4q.

　｢｀ー'′／　　 /　　ヽ、＼＼　ヽl}::.:)､＼
　 l_,ｨ　　/　/　　 l　　　 l 、　ｌ　｀､　{:|}く＼ヽ/
　　ノ　 ,′ !　　 {　　　 | l| 　 | 　 l　):|} ﾉ|:｢´
.　ヽ∧| ,　| 　 |　l　　　 | ｌ|　　|　 l|　{:|!::）|:|
　　　|::l| |　|　　ｌ　、　　 | l | _,厶| j| ｛::|}::} |｣
　　　l:::| ｀、!| 　＼ヽ、　|,.　　＿　.|　|{K!j　|
　　〈:;小､ヽヽ、　l　ヽj　　　〃￣` .|　|ァ１　|　　　　ふふ……。面白い。
　　　　|　＼ヽN { ,ｨ=-　　　　　　|　ﾄ |_|　 |
　　　｜　 |>-}ヽ.j　　　　　'.＿,　　 |　ﾄ |_|　 |　　　　思い出を代わりに記憶してくれる機械なんて！
　　　| 　〈r .ｽ　ヽr ‐ ､.`´ _＿／|| |:::..::.｀:┴-､
　　　 |　　!/ ,ｨ　　「二ヽ.rｸﾆﾐ::../:| ||::..::..::..::..::..:ﾄ､　　　じゃあ、そういう人たちは脳に障碍があっても、
　　　 l　　,ﾄ、.ヽ　　 `r- ､ .l:ヽ:シ//| |::..::..::..::..::./::..｀ヽ、
　　　 j　/.ゝ＜`ヽ､　 `┐ .l　l　＼::| |..::..::..::..:/::..::.｀ｰ┴―-ｫ　　普通の人と同じように記憶できるの？
　　　/／　　　＼＼ .ﾊ` '　 j　　　ヽ|.::..::..::r'::..::..::..::..::..::..::/::|
　　／　　　　　　　＼ .〉::::Tv"　　　　ヽ／.::{ー-::.ﾊ::..::..: /::..|

　　　　　　　　　　　＿＿＿＿＿
　　　　　　　　　／　　　　　　　　＼
　　　　　　　　／　　　　　　　　　　　＼
　　　　　　／　 ‐-､　　　　,.-‐　　　＼　　　　　　それだけじゃない。彼らは普通の人間以上の
　　　　　／　　　., ーヽ　　　,'. ｰ-、　　＼
　　　／　　　（（℃) l 　　l i℃））　　　　＼　　　　記憶力も手に入れたんだ。
　　　 | 　　　　｀ｰノ　　　ヽ.ｰ '　　　　　　|
　　　 |　　　　　"⌒（_＿__人_＿__）⌒ﾞ　　　 |　　　　チップの記憶はいつまでも鮮明に残るからね。
.　　　＼　　　　　　 ´￣￣｀　　　　　　　／
　　　　　＼　　　　　　　　　　　　　　　／
　　　　　　 /　　　　　　　　　　　　　　　〈

796 名前：名無しのやる夫だお[sage] 投稿日：2011/04/11(月) 01:06:01 ID:vtRoN4q. [23/60]

　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　,.　'　　ヽ
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　,.イ　　　　　/
　　　　　　　　　　　　　　　,.　- ' ／三三_ 　 /
　　　　　　　_　　　　　,_,.. ／　　／￣￣￣　｀ヽ　r-ｧ― ､
　　　　　　/　ヽ　　／..ｆ|　　　-|　　　　　　　　　ヽ〔三　ヽ.
　　　　　｜　　ヽ/....三ｌ　　　ｖ'　　　　　　　　　　ヽ./　　　|!
　　　　　f　　　l! .|三三l　　　f　　／　　　　　　　　　　＼　　ｊ
　　　　　__ゝ,.　ｌ. l.三三| 　 / 　 /　　　　 .i　　　　　　Ｖ,.,_＿
　　　　７ゝｫ　ゝ!三三|/ ,′´/ ￣｀ﾒ| ｌ　　|　　　　　　ヾ三.　/
　　　　　　攸.　　|三,ｒ !{　!　 /{＿／} | |　　,′ !　　　　　〕三 /　　　じゃあ、脳にチップを入れた人は、
　　　　 /　〉'´ヽ　〉ｒｔ:ヾ|Ⅵ ,ｨｆ爪心､リ　 /　　| }、　 }　　|ニﾄｖ'
　　　'Y |i ヽヽ√ﾐfr@jY/, f{ん'///　 ´_}／从ノﾚ∧　′rｲ｀!i　　　　　見たものを写真のように記憶できて、
　　　　ヾ,/¨ヽヽﾍ`´〃l ﾍ代辷ﾝ　　厶ィj',ｨ笊/　 /　/:::L_ｌ!
.　　　,' /　　　Ｎ　｀ｰ､　Ｖﾘ｀　　　　　ん/,厶イﾉ _∧::|　　　　　　いつでも思い出せるの？
　　　{, ´￣￣｀ヽ＼j､人|!　| ヽヽヽ　　　,　弋ン/if |　 f　ﾙﾍ
　　 /　　　　　　＼　　|!　|　　　　 - 　ヽ ,ｲﾍ｀ヽ　| ./∧ ＼
.　 / 　　 ´￣￣／￣￣|!　|｀Y⌒ヽ､　　　　人　 ´ヽ // f'|｀ｰ,i

　　　　　　　　　　　　＿＿＿
　　　　　　　　　　　／　　　　＼
　　　　　　　　　　／⌒　　 ⌒　　＼　　　　うん。しかも見たものだけじゃない、
　　　　　　　　／（● ）　（● ）　　　ヽ
　　　　　　 |　⌒（__人__）⌒　　　 |　　　空想したものもさ。
　　　　　　　　　＼　｀⌒ ´　　　　　／
　　　　　　　 /　　　　　　　　＼

797 名前：名無しのやる夫だお[sage] 投稿日：2011/04/11(月) 01:06:16 ID:vtRoN4q.

.　　　　　　　　 i　i
　　　　　　　　| | |X|x|
　　　　　　　　| | |X|x|
　　　　　　　　| | |X|x|
　　　　　　　　| | |X|x|　　　　　　　,. -─- ､　　　　 n/ﾚ)､.
　　　　　　　　| | |X|x|　　　　／　　　　 }　　　　〉　,ｸ:.
　　　　　　　　| | |X|x|　　　／ ,　 /　/　　/　　　　/　/:.　　_l二二二二二二
　　　　　　　　| | |X|x| 　／／　/　/　,／ﾊ　　 /　/::. 　 | | ┌───┐
　二二二Ｌ.　 | | |X|x|　/　 /　ノ　r'　 / ノ⌒Y´￣　/:::::..　 | | │ﾄｲ二ゞ｜
　　　　　 | l　 | | |X|x|　!　 {　〈　 / 　ﾚく　..:厶-─ '::::::.. 　 | | ｜ﾋユ.Y´　|
　FTZ　　| l　 | | |X|x|　＼ト､L_∧／ ..::::〉'´:::.　　　　　　 | | ｜/｀zﾊ　 |
　ﾚﾍﾘ　　| l　 | | |X|x|　　_ヾ::::.　　　 ..:／:::::::::.　　　＿＿＿　 |{ソﾍＬ.}　 |
　Lｿ.」　　／￣＼|x| ／7仁「ヾ＝=く:::::::::::..　　／　　ハ　　＼ヾｴｧ┤　|
　　　　 l 　fﾓﾚi　l ／ .:/　....:! ::＼ ::::ヽ:::::::::..　/　 r＜三＞t.　ヽ　──┘
　　　　 |　ﾏｲぐ | ⌒Y　..::::ﾊ＿_」　 ..:ヽ::::::::. |　Yﾍ／￣＼ﾅY　| 二二二二
　二二二|　くﾊﾞｿ |　　ｌ´￣｀..::::::::: . 　 ..::ヽ:::::. |　Ｖ|　ロ　 |Ｖ　 |
　　　　 |.　 T T　|　　i　i　.:l　　　　　　..::::ヽ:::.| 　 J＼＿／L 　 |
　　　　 |　///,ﾊ |　　l ,ﾊ ..::ヽ　　　　　 ..:::::i:. |　z〈/////∧〉z　|
　　　　 | ////∧|　　V　__　　＼　＿＿ ...::}:::|　ｨ///////∧ﾄ　|
　　　　 | 辷厶少|　　ヽ{.∧｀TΤ ｌ　l　l }.:/::::| く{∨///////}ﾇ |
　　　r 二二二二二二二 }//∨｀ｰ┴┴ '´ 二二二二二二二二二二二二二
　　　|. o o o o o o o o o ∨/! o o o o o o o o o o o o o o o o o o o o o o
　　　|　　　　ﾊ　　　　　　　｀´　　ﾊ　　　　　　　　　　ﾊ　　　　　　　　　　ﾊ
　　　|　　／::::＼　　　　　　／::::＼　　　　　　／::::＼　　　　　　／::.
　　　|,.　'´|::::::::::::::｀ｰ-　-　- '´::::::::::::::::｀ｰ-　-　- '´:::::::::::::::｀ｰ-　-　- '´:::...
　　　　　 |::::........::::::::|::::::..r───────────────────
　　　　　 |:.　　　 .:|::::.r'|::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::: ＿n＿:::::::::::::::::::::::::::::::.
　　　　　 |　r=ｏ=t　|:.. ト|::::::::::::::::::::::::. :::::.　　_,. -{＼大／}- ､_::::::::::::::::::::.
　　　　　 | 〈Y冂Y〉 |:.. ト|::::::::::::::::.　　　 ,.　'´三三）ﾊOﾊ（三三｀　､::::::::::::.
　　　　　 |　｀　　´　|::: ﾏ|:::. :::. ..　　　∠三三三三ﾏｴｴｹ三三三三＼
　　　　　 |　　　　　 |: 　 |:　　　　　∠三三三／￣￣￣￣＼三三三＼

┌────────────────────────────────────┐
│　　人間が何かを思い出すことと、何かを空想することは、とても似ているんだ。　　　　 │
│　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 │
│　　僕がしてあげた『不思議の国のアリス』のお話を覚えてるだろう？　　　　　　　　　　 │
│　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 │
│　　あれを聞いている間、君の頭の中には空想の風景が広がったんじゃないかな。　　 │
│　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 │
│　　行ったこともない不思議な国の風景が。　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 │
└────────────────────────────────────┘

798 名前：名無しのやる夫だお[sage] 投稿日：2011/04/11(月) 01:06:32 ID:vtRoN4q. [25/60]

　　 '┐　＿　:::＞‐　 ―　ー -　､:::ｉ:...:::ｉ　:::::　}　ヽ
　　 _/ .....　／　　　　　　　　　　　‐ヽ::::ｉ:. :::ｒ‐'|　｢__,.;;ぇ､
　｢＿_ ／　　　　　 /　　　;　　　　　　＼::::| _∧　　{ﾞ |:::|
　 |　 ./　　　　/　 /　　　　ｉ　　　　　　ｉ　ヽ::__ﾉ::ｌ　ｲ.LL:|.
　　} /　 /　 /　　/　　　　 :ｌ:　ｌ　　　　:ｌ　 | ::: |:::|　Ｔ"ﾞT:::}
　｢ /　 /　 /　　ｉ　　　　　:|:　 :ｌ　　 :ｌ　::ｌ　ｌ　}.|:::|..:く　/:::/
　ｲ.　ｌ　 :ｌ　ｉ　:ｉ　　　　　:::|:　 :|　.ｌ　:|　 :| ｢ ] |:::| "ト＾／
　 .|:ｉ　| ｉ ::ｌ ::ｉ ::ｉｉ　　　　 :::|　 ::|　:ｌ　::|　 :| .} |.ｌ:::ﾄ ∧:}
. /:|:ｉ　| ｉＬ｣ _ｉ__ｉｉ　 :　::::ｉ　 ::| :: .ｌ:　:|　 :ｌ（: ｉｌ::/{　 |::|　　　ええ、そうね……広がったわ。
/:/|:ｉ　|　ｉいﾊL|_ﾘ`ｉ::::::::/ナ ‐ト､Ｌ _:ｉ　 :| .}/::/ｲ　 |:::|
:/ .| いいﾊ　ｨ行心ヽ／　レｨ‐ ∠レ/` :///:/ /　　|:::|　　　本当の思い出と同じように。
|　 |　ﾄﾟ|　ｉ　V辷ｿ　　　　 ,ｨ7ぅﾐxVｲ／ﾚｒｦＬ.|.　　レ'
.　 |　 .| ｉ　| i　　　　、　　辷ｿｆﾉ "|. ｉ　ﾚｲ / |.　　|
　　|　ﾚｉ |. ヽ　　　､ __ 　　　 .／| ｉ　|　 | .|　　 |
　　|　//.| |_ ／`　、　｀´ 　 _.　ｒくｧｉ.ハ ',　| .||　　 |
　　ﾚ /ィ| |::::::.　::::::..`_- .:::'´:::::::　 ..ﾒ/.　', Ｖ　||　　 |

　　　　　＿＿＿_
　　　　／_ノ　ヽ_＼
　　／（ ●）　（ ●）＼　　　そうだろう？　空想というのは思い出とたいして変わらないものなんだ。
　／ ::::::⌒（__人__）⌒::::＼
　 |　　　　　　￣　　　　　 |　ただ実際にあったことか、そうじゃないかってだけの違いなんだ。
　＼　　　　　　　　／

799 名前：名無しのやる夫だお[sage] 投稿日：2011/04/11(月) 01:06:44 ID:vtRoN4q.

　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　,､-────-､
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　／:::::::::::::::::::::::::::::::::＼
　　　　　 rYゞ]_　　　　　　　　　　　　　 /:::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::.,
　　　　　ﾐ_ﾉ　_,.L　　　　　　　　　　　　　 |/|/|::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::;
　　　　　ﾐx　　ア　　　　　　　　　　　　　　　　）|/|::::::::::::::::::::::::::::::::::::;
　　　　　 ]三云_　　　　　　　　　　　　　r 　i:）＼::::::::::::::::::::::::::::::i
　　　　　/　　＼介x__　　　　　　　　　　　　 {_ 　　 rr┬/）:::::::::::::::/　　　　　　　　／
　　　　　>　　＼／＼）　　　　　　　　　　　　ヽ＿__ﾉ | | |/::::::::::::／　　　　　　　　 /
＿＿／|付i＼＿_／|::|　　　　　　　　　　　　　/　　　　ノつ）＜　　　　　　　 /
　　 [）けけ　　 /|　!|::|　　　　　　　　　　　　　|　 /庁＞"￣ノ:::::::ヽ　　　　　　　/
　　￣|ル|　　/ .|　 |:|￣＼　　　　　　　／:/　 l::|/「　／:::::::::::::::ヽ　　　　./
　　　　 /　 /　ﾉ　 ||　　　￣＼＿＿／＼/　　!::::::|_／:::::::::::::|:::::::::::',　　　　 |.: .: .: .: .:
　　　　|　/　 }!　　|　　　　　　　 /　　＼/　　.!:r":::::::::::::::::::: |:::::::::::::',　　　 |.:.:.:.:.:.:.:.:.
　　　／|,/　　}l　　　　　　　　　　l　　　 /　　　|∧::::::::::::::::::／::::::::::::::::',　　　.|:::::::::::::::::
　　／／|　　　||　　　　　　　　　　｀ヽ､/　　　 /　＼:::::::／:::::::::::::::::::::::;　　　|:::::::::::::::::
　　￣　 ]　　「|　　　　　　　　　　　　　|　　　　　　／￣..:.:::::::::::::::::::::::::i　　 .|::::::::::::::::::
　　　　　　|　　|_つ　　　　　　　　　　　　ヽ＿_,､r　´|（.: .:.:::::::::::::::::::::::::::::::l　　 |::::::::::::::::::
　　　　　　|＿又う　　　　　　　　　　　　　　　 .|　　X.:.::::::::::::::::::::::::::::::::::::＼　|::::::::::::::::::
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 | | L/::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::/　|::::::::::::::::::
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　//八:::::::::::::::::::::::::::::::::::::::／＼.|:::::::::::::::::::
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　/|￣／＼:::::::::::::::::::::::::::／＼　 |＼:::::::::::::::
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　／ .|／　／￣/￣/￣|￣|＼　＼＼＼:::::::::
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　／　 .|＿／　／　 / 　 .|　 |　＼　ヽ Y´::::::::::
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　／　　／　　　／　　 /　　 .|　 |　　　|　 |/::::::::::::::
　　　　　　　　　　　　　　　　　　／　　／＼　／　　　 /　　　/　 |　　「￣:::::::::::::::::
　　　　　　　　　　　　　　　　／　　／　r─＜　　　 /　　 /____.|:-─┘::::::::::::::::::::::
　　　　　　　　　　　　　　　／　　／　　 |　　　＼＿／＼＿./::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::.

┌──────────────────────────────────────┐
│　　だから、チップを埋め込んだ人たちはとてもリアルな空想ができるようになる。　　　　　　 │
│　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 │
│　　本物の体験と変わらない、実際にその場にいて、本物の人間と話しているような、　　 │
│　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 │
│　　細部までリアルな体験が空想できるんだ。しかもそれを記憶しておいて、　　　　　　　　　 │
│　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 │
│　　何度でも再生できる。映像だけじゃない、音も、匂いも、暑さや寒さ、風の感触も……。　 │
└──────────────────────────────────────┘

800 名前：名無しのやる夫だお[sage] 投稿日：2011/04/11(月) 01:06:56 ID:vtRoN4q. [27/60]

　　　　　　　　　 _ヽ:.:.:.:.:.:.＿.:.:.:.:.:.:.:.＼:.:.::.::.::.:ｰﾍ:..ヽ　　　　　　　　　　i{　　　　,バ
　　　　　　　　 {_:.:.:.＿:.:.:.:.:.:.:.:.:.:＞ ―､― -　{｀::.:.:.:.＼-..､　　　　　　 i`ｰ､ ´ 　ﾉく＼
　　　　　　　 _ }.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:／　　　 /　 l　　＼ｰ､:.:.:.:l:ヽ:くr..､　 _　}　 ∧　　　》' ﾄ､
　　　　　　　　{:.｀:.:.:.:.:.:.:／　　　　 l　　　　　 Y｀:.:.:.:.|:..:l/.:.:.:}／_:. （　 {.∧　　,/ /　}、
　　　　　　　　 ⌒}:.:.:.:/　　　　　　 |　　　 l　　　ト､:.:.:.:.l..:.l.:.:.ｲ∠⊥ﾉﾄ､ ',{__ヽ / /　ハ、
　　　　　　　 {_:rｭ/ 　 / _i　/i 　　 ∧ 　 | 　 ',l _}:..ヽ|..:.|:._:小￣ヽ:ヽ- ミ_三‐'＿,∠　}
　　　　　　　／　 .V　,.イ´/!`ﾄ !l 　　ｉ|-ﾍ─ﾄ､ｉハ_:.:.:.ﾘ:...l´.:ィﾄ＼__ﾉ:.:}.._,r┴-｀`丶､_　 !､
　　　　　　 /　 ...::/:{　　.|,ｘ汽ヽ从.　/ﾘ____＼!.',ｲ:::r‐':./:../:.:_レj:.ト- ﾍ´ ヽ、　　　　ヽヽﾘ
　　　　 /　 ...::/ :{　　 'i{ {ﾍ{_,}　 ∨ ´汀{｀ﾄ､　:.不::.{__/:.:‐ｧv' |::l:.　l |　　＼､　　　　　　ﾉ
　　　　　/　／:// /ヽ､_ { 弋ぅﾘ　　　代廴i }トく/ｲVrj､}:.:.{ｨ　 |:.|:.　l | 　　ヾ、　　　ノ′
　　　　/　／:// :/　 _,x┘､`¨´　　　弋zソ　ｲi :ﾄ{にｿ{^´　　|:j::　j｜　　　 }} 　／
　　　 .イ´..:://／　 .,ｲ　ｒﾄ._j. 　 `　　　　 r_'´,`ﾏィ'　　 ,'　　,)､|:.|:.　l | 　　　ﾘ／　　　空想するだけで本当に
　／イ ..::j/／　 .-‐ｧ＼　　丶、ﾏ¨￣）, -‐ '´ /,'　　/V ／　..|:.|:.　l |　、　　〃j′
／´ /　..:／　　　 /　 i,）　　ﾙ'`i￢‐´'{　　 ,rｧ'}ｲ／　／　　 .|:.|:.　l |i　ｉ!　　/´　　　　不思議の国へ行けるのね。
'　 /　:: / 　　　　∧r,ｧ′　, ′　',　',ｘ.ﾍ　　　V- ､, ／　　　　 .|:.|:.　l |　/／ ´
　,′　/　　　　　/　八. 　 ∧　　,ｘ'´ ／ﾍ.　　_,>─ﾄ､/　　 ____|:.|:.　l |x'´　　　　　　スゴイのだわ！
　l　 ./　　　　.,厶ｨ′ ＼/._ ',／＞'´{.　　_Ｖ´ 　　 ,Y_,x　 ´￣ .|:.|:.　l |
　/ /.　　　.rf'{　丶　　　　｀}､三￣ ',￣r'´　　／　＼　＿＿/:/_. =イ
..ｲ/　　　　 },ハ　　｀　、,／　　　｀¨¨＾ｰ}.　　／　　／｀ヽ＞´‐ ´　 /
../ 　　　 rｲ{ 　｀､　　　/　　　　　　　　＼/　　.／_＞´／/　／／
　　　　 ',　、　　｀ヽ_/　　　　　　　　＼　/-‐::_二:／:／／

..　　　　　　＿＿＿_
　　　　　／　―　　-＼
.　　.　／　（●）　（●）
　　／　　　　（__人__）　＼　　　……でも、その時代はいいことばかりじゃないんだよ。
　　|　　　　　　｀ ⌒´　　　|
.　　＼　　　　　　　　　／
.　　　ノ　　　　　　　　　＼
　／´　　　　　　　　　　　ヽ

801 名前：名無しのやる夫だお[sage] 投稿日：2011/04/11(月) 01:07:18 ID:vtRoN4q.

　　　　／..::.:.:.:.:.:..:.(
.　　ｨ⌒ｙん￣ハ｀ヽ:.:.:）
.　《 ≧〃(　! l 　} i ∨
　彳こ|{乂_ｊ人ノﾉj_ﾊ
〃/　7叨| ７i　 , lｊｆく
//　　 ,》ﾄ　 rｧ　ﾉi |　　　何か悪いことがあるの？
/　　斗zl:.厂}=＜| l |
　＿≦__フ∠二丁ヲ―
　＼.:.:乙.:.:.:.:.:.:.:ﾉノ　　/
　　　 __〉.:.:::..／.::.:lnm}
　　／:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:::.＼

　　　／￣￣￣＼
　　／　　　　　　　＼
　/　　　 ─　　　─　ヽ　　　それは……。
　|　　　（●）　（●）　|
　＼　　∩（__人/777／
　／　　（丶＿//// ＼

┌───────────────────────────────┐
│　　僕は言いよどんだ。こんなことをアリスに話して何になる？　　　　　　　 │
│　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 │
│　　もう僕の運命は決まってしまった。あがいてもどうにもなりはしない。　　 │
│　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 │
│　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 │
│　　……それでも、言わずにはいられなかった。　　　　　　　　　　　　　　　　 │
└───────────────────────────────┘

802 名前：名無しのやる夫だお[sage] 投稿日：2011/04/11(月) 01:07:31 ID:vtRoN4q. [29/60]

..　　　　　　＿＿＿_
　　　　　／　―　　-＼
.　　.　／　（●）　（●）　　　　その時代にはね、今と違う法律がある。
　　／　　　　（__人__）　＼
　　|　　　　　　｀ ⌒´　　　|　　裸の子どもの写真を見せたり売ったりしてはいけないと
.　　＼　　　　　　　　　／
.　　　ノ　　　　　　　　　＼　　　いう法律だ。
　／´　　　　　　　　　　　ヽ

　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　/::/　／　　　／　　　　　‐-､　　＼
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 /::'-イ　　／　 //　 l: 　ヽ　ヽ　　 ,ゝﾆ二ヽ
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 7７/　 .:　.:/ 　 l//　　|::　　ヽ　:', 　 /,ｲ:ﾄ､-'::ｲ
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　///　 .:: :::// 　.:l |　　 |:::.　　　::! ::::! ｲ://::!:::｀´ l
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 /〈:! / ::| ::/lﾊ　 ::| |　　 |:::|:.　:.　:::::::::l...|:| |::|ヽ!:::　!
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 /　.:lﾊ .::l|-l十ト､:::ﾄ|:.|　:lﾊ::|:::. ::..:::::::l:::!::ヾjイ　|:::　|　　　それがどうしていけないの？
　　　　　　　　　　　　　　　　　.　　/　.::/∧N Yた卞N| N|:.:/_立ト､:､:::::::!:::l:::/|::::! /:::　l
　　　　　　　　　　　　　　　　　　 /　.::://:://|　弋ツ　　ヽ'　た卞､ll:::::l::ﾊ|:::∧/ !::　 !
　　　　　　　　　　　　　　　　　. 〃 .::://ノ .八　　　　　　　　弋ツﾉﾉ!イく_／　　 l:　　l
　　　　　　　　　＼　　　〃 .:::/　|ﾊl : :l:.｀､　　　_'　　　　　　 .ィ､l::::|ノ　 : :| Ｖ⌒}
　　　　　　　　　＼　 !!　:／ . _八: l/:/:丶　　　｀　　　　　ﾉｨ :∧ : : | 'イf⌒ヽ
　　　　　　　　　　　　　　＼|／／ l　/: /ベ《ｰ､:_,`_- --‐ '' ''´: :/: :/ : ',: :/　 !'|/⌒}
　　　　　　　　　　　　　　　　/　　/ /: /　　　＼　ﾉ　　　　ヽ:__/: :∧: : :V　　　７´／
　　　　　　　　　　　　　./ 　./://: /　　　　　ヽ　　　＿, ／／￣｀ヽ:{ 　　 ‘´　/:
　　　　　　　　　　　　　　　/　 ./ﾚ : /､ヽ　　　　　／´　／／　　　　ｉ|　　　　／ : :

┌───────────────────────────────────┐
│　　彼女に理解できないのも当然だ。この十九世紀後半のイギリスでは、　　　　　　 │
│　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 │
│　　未成年の少女の裸の写真などごく当たり前に撮影され、売られていた。　　　　　　│
│　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 │
│　　それは大人の女性のヌードと違い、健全で汚れのないものとみなされていた。 │
│　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 │
│　　だからこそ、僕のモデルの少女の親たちはみな、娘の裸の写真を　　　　　　　 │
│　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 │
│　　撮ることを許してくれているのだ。　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 │
└───────────────────────────────────┘

803 名前：名無しのやる夫だお[sage] 投稿日：2011/04/11(月) 01:07:48 ID:vtRoN4q.

　　　　　＿＿＿_
　　　　／_ノ　ヽ､_＼
　　／（ ─）／)（─）＼　　　　一応、「子どもの虐待を防ぐため」というのが建前だ。
　／::::::⌒／／／)⌒::::: ＼
　 |　　／,.=ﾞ''"／　　　　　 |　　そうした写真の中には、子どもを虐待して撮影されたものがある。
　＼.　i f ,.r='"-‐'つ　　／
　／　ｉ　　 _,.-‐'~　　　＼　　　だから全て禁止しようというんだ。
　　　　i　　　,二ﾆ⊃

　　　　　　)::::::::::::::::::::,　 ´　　）::::::::::::::＝＝=彡::::::ﾃ
　　　　 (:::::::::::::::::／/　　　　ヽ:::_:::::::::::::::::i　 l::::l:::::ﾊ二))
　　　　　　＞:::::::,.'　 ′　　　 |　　 ):::::::::::::::l　 i:::i:::::(､二))
　　　　　て::::/ 　ｌｌ　ｌ |　 !|　　 {::::::::::::::::|　 l::i:::::::::ﾊ〈
　　　　　　しｌ |　ｌ |　 | |　_!H‐'ﾌ|/て::::::::::彡ﾐ::::::::(　 !ｌ
　　　　　　　　 l l　 l　_L | |ノ　 rT´㍉ | (::::::::ﾐ彡::::::ｨ　 l|ｌ　　　だったら、虐待している
　　　　　　 ll ヽ ´ rｒ､　　　ヽ__ソ | l! {::l　l::::;:::)　|　ﾘ
　　　　　　　　　　　　ﾊ v）　　　　　　 l l | ﾘ /::// 　 |　 |　　　悪い人だけ捕まえればいいのに。
　　　　　　　　　　　 ,' ﾊ　丶　　　　　ﾘ ,| |/／´　　｜　|
　　　　　　　　　　　 |　〉､　｀　　　　lﾚ' | ｈ､　　　　 |　 |
　　　　　　　　　　　 l / ||　＞ - ィ〃　| | l7　　　 |　 |
　　　　　　　　　　ﾉ'　 |r　j / rr､〃　 | | 〈＼　　 |　 |

　　　　　　　　　　＿＿＿_
　　　　　　　　　／　　　　＼
　　　　　　　／　　─　　 ─＼　　　　　　でも、それが虐待によって撮られたかどうかなんて、
　　　　　　／　　（●）　（●）＼
　　　　　　|　　　　　（__人__）　　　 |　　　　　写真を見ただけじゃ分からないからね。
　　　　　＼　　　　｀ ⌒´　　 ,／
　　　　　　ノ　　　　　　ー‐　　　＼　　　　　それで、子どもの裸の写真は全て禁止することになった。

804 名前：名無しのやる夫だお[sage] 投稿日：2011/04/11(月) 01:07:59 ID:vtRoN4q. [31/60]

　　　　　r’:::: /　　　　　 {　　　　|!　　| |!　　|!ﾊノ :::::::::|三|:::::::::::::::乂{
　　　　　｀ｧ: :′　/　 /　!　　　　 |!　 |! |!　　|! |｀ｰ, : :::|三|:::::::::::::::}　'.
　　　　　ヽ.′　/　 /　 |! 　　　 |!　 |! |!　　}! | Ｙ:::::::::|三|:::::::::::::/　 {
.　　　　　　|　|　|!　 |! 　 |!　　　　 i}　 } |!　 /_!_| ゝｧ : :|三|::::::::_;ﾉ| 　 '.
.　　　　　|　|　|!|　 |!､　{! |!　　 // /}//孑' /ｲ　(_ : :r'--{:::::::)　| 　｜
.　　　　　{　|　| {　卞ﾄ､ハ!_　 //ノノィ≦ケテ|　(:::::〈ん)､) 〉´　| 　　|　　　乱暴な話ね！
　　　　　　ヽﾄ､ {ﾍ､从ィ升=ﾐノ´　　　/弋じ:::}｜　〉 : ゝﾆン　　 |　　｜
　　　　　　　　ヽ乂ﾍ!ゞ､rゝ':{｀　　　　　　宀'´ |　 ∨/／　　　　|
　　　　　　　　　 }　　|ﾍ　^¨´　　､　　　　　| 　 {ノ´　　　　　| 　　 |
　　　　　　　　　川　| 丶　　　　r‐､　　　ノ　 } !　　　　　| 　　 |
　　　　　　　　 //}　 ! ＿≧-..､　｀´ ,∠⌒＜}/　八ﾍ　　　　　 | 　　 |
　　　　　　// j　/':.:.:.:.　 .:.:.:/>=(:.:.:.:.:.:.　 / /＞ヽヽ　　　　 | 　　 |
　　　　　　ノ ,' / /:.:.:.:.:.:....:.:__}ｲ夊)=-:.:.:　/ /:./::::::ﾍ∧　　　 | 　　｜
　　　　　／／ / /＞ｧー:. :.:.:.:｀¨)´:.:.:.:.:.／-ー＝二二〕＼　　| 　　｜

　　　　　　　　　　＿＿＿_
　　　　　　　　　／　　　　＼
　　　　　　　／　　 ─　　 ― ヽ
　　　　　　／　　（ ●）　（ ●）'　　　　全くだ。
　　　　　　|　　　　（__人__）　　|
　　　　　　＼　　　　｀ ⌒´ 　,／　　　そのおかげで、バカバカしい事件がいくつも起きた。
　　　　　　／　　　　　　ー‐　　ヽ

805 名前：名無しのやる夫だお[sage] 投稿日：2011/04/11(月) 01:08:16 ID:vtRoN4q.

..　　　　　　＿＿＿_
　　　　　／　―　　-＼
.　　.　／　（●）　（●）　　　　アメリカでは、母親が八歳の娘が入浴しているところを写真に撮って
　　／　　　　（__人__）　＼
　　|　　　　　　｀ ⌒´　　　|　　写真展に現像を頼んだら、店員に通報されて逮捕された。
.　　＼　　　　　　　　　／
.　　　ノ　　　　　　　　　＼　　　十五歳の女の子が自分の裸を写真に撮って彼氏に送ったら、やはり逮捕された……。
　／´　　　　　　　　　　　ヽ

　　　　　　　　　　　　　＿
　　　　　　　　　　 _r一':::::::`:ｰ-､
　　　　　　　　　f´:::::::::::::::::::::::::::{:ヽ＿_　　 ,､
　　　　　　ノ:::::／￣'´￣￣｀く＼:::｀ヽ〃》
　　　　　　 {::::::/　 l　　　　　く::::ヽ､:::}≦､
　　　　　　〈::::::|l l　!　　l　　　ヽL:::::||:::ヽ=く
　　　　　　 !::::|N|､|､　 |＼l､　 __|_l〉::||:::::〈　ヽ　　　そんなの誰も虐待されてないのだわ！
　　　　　　 `ｰ|!ｨf心＼!　,.≦ミ､|/〉:＠::ノ
　　　　　　　　 ,.-j{弋zﾘ　　´トrﾘ}　}| ヽﾘノ!_〉
　　　　　／ /{ v ｰ　__　弋zｿ /'_,.ｲ　}　{ヽ
　　　　　 / 　 | 丶、　{　＼￣z ´ﾉ__!ノ　ｽ
　　　　 |　　　　　｀ﾄｧ=='rｧ==く〈_j　　〈__}
　　　　　　　　　　 /{　ﾆ＠二　}ヾ|　　　 ,ﾊ

　　　　　　　＿＿＿_
　　　　　／　　　　＼
　　　／　⌒　　⌒　　＼　　　　そう。でも法律は法律だからね。守らなきゃいけないんだ。
　　／　（ー）　（ー）／^ヽ
　　|　　　（__人__）（　/　　〉|　　　でも、それだけならまだマシだった。そのうち、さらに法律が厳しくなった。
　　＼　　｀ ⌒´　　〈／ ⌒^ヽ
―――――――― ＼ _ _ ＿）

806 名前：名無しのやる夫だお[sage] 投稿日：2011/04/11(月) 01:08:34 ID:vtRoN4q.

　　　　 r‐:':::::::/ 　　 ,'　　,'　　　　　 !　　　.l　i'"´: : |:.:.:.:.:.:!: : : : :_:ハ ',ヽ
.　　　 ',_:､:::/　　　 l　　ｌ　　　　　　　 |l 　　 !　',: : : :.|:.:.:.:.:.:|: : : : L_ｌ::', ',r
　　　　　ﾉ:,'　　　 ,'l　　 |　　　　　l　 | l !　　! |　｀丶; |:.:.:.:.:.::!: : : : : :ﾊ::ヽ
　　　　 /:| |　　　,' |　! .!ｌ|　　　　,'|　ｌｌ | l　,' ,|. ｜!´: :.!:.:.:.:.:.,': : : :r '　｀￢
　　　　　/:::,! |　　 ..L.',_ﾄ. |',ﾄ　　　/ !./l/├ /￢￢､).:: /:.:.:.:./: ::::::::|　　　 |:　　　どんなふうに？
　　　 /:::::ﾊ.ﾄ　、　!　..l_ヽヽ＼､./ l/"´　l/_∠ |　 {: : :/:.:.:.:./::::::;:::ﾉ|　　　 !:
　　　　ヽ|l　',ヽ＼ !,イ｀` ﾄ　 '′　　 ,ｲ"´　lヽ　,ﾊr'＾,-ﾍ':::::::::}::!｜　　.!:
.　　　　 |　　　ト､ト.`弋..ン　　　　　弋..ン '　| .|/j〈ィ'>》_ノ"!::l　!　　　|:
　　　　　　|　　 l　l.|. ',　　　　　､　　　　　　　 l　 ! .|:.ヾﾆﾌ　　 !::l. ｜　　 |:
　　　　　 |　　 / / |　ﾄ、　　　　 ,.、　　　　　｜ｌ|　|／　　　ヽ:|　|l　　 !
.　　　　　|　　/ /　|　|_.＞、　　　　　　_..-.､ｌ　l !　! 　　　　　　　 |.! 　｜
　　　　　 l|　 /,ｲ _..ｌ　l:.:.:.:.:.:.:｀丶､ __..ィ´:.:.:.:.:.,' .,'::|　| 　　　　　　　　| !　　 !

　　　　　＿＿＿_
　　　　／_ノ　ヽ､_＼
　　／（ ─）／)（─）＼　　　　まず、写真を撮ったり売ったりするだけじゃなく、単に持っているだけで
　／::::::⌒／／／)⌒::::: ＼
　 |　　／,.=ﾞ''"／　　　　　 |　　法律違反になった。続いて、写真だけじゃなく、子どもの裸を
　＼.　i f ,.r='"-‐'つ　　／
　／　ｉ　　 _,.-‐'~　　　＼　　　想像して絵に描くだけで法律違反になったんだ。
　　　　i　　　,二ﾆ⊃

､´ , l::::::::::|ヽ::::|||`゛|‐ ､::::|||`､::::::::::::::::::::::::::::::/::,::::::::|::::::::::::::i|
||`´/|:::::::::| ヽ::|,|＝=-､::゛┼､ l_::::::::,::::::::::::::::::/:::l::::::::|:::::::::::::::||
||||/::|::::::::| -r" / 0 , ､l`,:|t､　lT､:::::::::::::::::::/|:::l::::::,::|::::::::::::::, l-
／::/|::::::::|　 l　l　（::）､l |`′　 ||`,:::::::/:::::/ |::/::::/:::::::::::,-´
:/:/ |::::::::|　ヽ.ヾ､___,/ 　　　 ′l:::/l::×､l:/:::::/::::::::, ′
'::/ .|::::::::|　　＞‐- ､　　　　　　　|/_|/_　 /|:::/::::::::/　　　・
:/　|:::::::::|　　　　　　　　　　　　 '/,‐ｒT /／l:::::::,/　　　・
ﾍ　|:::::::::|　　　　　　　　　　　　､　lU /,| /:::/:::／l　　　　・
|||l |:::::::::|　　　　　　　　　　　　ﾉ､`‐' ' /:::/〆:/:|　　　　・
ー/:::::::||－､　　　　　　,-＝=-,　　` ‐ ハ '':::::×||　　　・
||l:::::::::::|||||||l　　　　／-､　／　　　 /::|ヽ::＿,.-┘　　　・
||l::::::::::::||||||ﾍ　　　（　　 `／　　　　/:::::| ヽ:::::`T‐､　　　　・
|||i::::::::::::||||||l　　　ヽ　／　　　　.／ |:::::|　ヽ:::::::ヽ`､
||||l:::::::::::||||||||ﾍ　　ー`　　　 , ‐l´l　.|:::::|　丶::::::::ヽlヽ
||||||l::::::::::|||||||||l　　　　 , -‐'´ -‐､:`､|:::::|　　ヽ::::::::ヽl ＼
|||||||l::::::::::l||||||||`ー-‐'´||||||||||||||ヽ:::`::::ﾍ　　ヽ::::::::ヽl　ゝ､_
|||||||||:::::::::|_,-‐',l||l､＼||||||||||||||||||ヽ:::::::::::l　　ヽ:::l::::::|　　　￣
￣`､ |:::::::::|　 /||||||＼ヽ|||||||||||||||||ヽ::::::::::|　　　＼l:::::|

807 名前：名無しのやる夫だお[sage] 投稿日：2011/04/11(月) 01:08:47 ID:vtRoN4q.

　　　　　　　　　　　　　　　　　　 r:1ｰ､＿
　　　　　　　　　　　　　　　　　ノ: :l: : :i: : :ヽ＿
　　　　　　　　　　　　　　　　　｢: : : l: : ヽ: : :i: : :ﾄ､
　　　　　　　　　　　　　　　r: ┘: : ,　-―‐- ､: :j: :l
　　　　　　　　　　　　　　　ｽ: : : /　　　　　　ヽﾄ: ヽ
　　　　　　　　　　　　　　く: : :/　 /　　 l　| 　 }､: ∧
　　　　　　　　　　　　　　　 L:j　l /_l　 | .l|__|　く: :/　 l　　　　そんなのおかしいのだわ！
　　　　　　　　　　　　　　〔＿｣! Nｨ:::jヽノｨ:::j|　,〈:/　 /＼
　　　　　　　　　　　　／LＮﾊ,!:ｿ　　!::ｿノ／／j- '´　　空想するだけでいけないなんて！
　　　　　　　　　　　　　 /　./ / >､　t -､　_/　<　}ﾉ
　　　　　　　　＿_. -‐ ´／ / /ｒ―ｧ=, --ﾃ往ｲィ水.　　　　　それこそ誰も虐待なんかされていないのに！
　　　　__ r -‐´ 　　_, ＜.／　／∟{_/＿_/∧/ {_乂._〉
　ｒ' ´　　　_. -― '´　 _／　／:＼　/'|　／ｲ:./ //|｜
　 | ,ｒ_'´￣　　　　　　 rゝ'´: : : : :r: : 〈＿＿j/ //l

　　　　　　＿＿__
　　　　　／_ノ　ヽ＼
　　　　／（ ●）　（●）、　　　　そうだよ。でも、そうした法律を作った人たちは、
　　　／::::::::⌒（__人__）⌒＼
　　　 |　　　　　|r┬-|　　　 |　　　自分たちが正しいことをしていると信じていたんだ。
　　　＼　　　 `ー'´　　／
⊂⌒ヽ　〉　　　　　　＜´/⌒つ　『この世から裸の子どもの絵がなくなれば、犯罪が減って
　＼　ヽ　 /　　　　　ヽ　/
　　　＼_,,ノ　　　　　　|､＿ノ　　　　世界は良くなる』と考えたんだ。

　　　　　　　　　　　　　＿
　　　　　　　　　　 _r一':::::::`:ｰ-､
　　　　　　　　　f´:::::::::::::::::::::::::::{:ヽ＿_　　 ,､
　　　　　　ノ:::::／￣'´￣￣｀く＼:::｀ヽ〃》
　　　　　　 {::::::/　 l　　　　　く::::ヽ､:::}≦､
　　　　　　〈::::::|l l　!　　l　　　ヽL:::::||:::ヽ=く
　　　　　　 !::::|N|､|､　 |＼l､　 __|_l〉::||:::::〈　ヽ　　　　絵を禁止しただけで犯罪が減るなんて
　　　　　　 `ｰ|!ｨf心＼!　,.≦ミ､|/〉:＠::ノ
　　　　　　　　 ,.-j{弋zﾘ　　´トrﾘ}　}| ヽﾘノ!_〉　　　　　　あるわけないじゃない。
　　　　　／ /{ v ｰ　__　弋zｿ /'_,.ｲ　}　{ヽ
　　　　　 / 　 | 丶、　{　＼￣z ´ﾉ__!ノ　ｽ　　　　　　私みたいな子どもでも分かるのだわ。
　　　　 |　　　　　｀ﾄｧ=='rｧ==く〈_j　　〈__}
　　　　　　　　　　 /{　ﾆ＠二　}ヾ|　　　 ,ﾊ

808 名前：名無しのやる夫だお[sage] 投稿日：2011/04/11(月) 01:09:00 ID:vtRoN4q.

　　　　　　　　　　　＿＿＿_
　　　　　　　　　　／　　　　＼
　　　　　　　　／　─　　 ─　＼
　　　　　　　／　（●）　（●）　＼　　　でも、分からない大人がたくさんいたんだよ。
　　　　　　　 |　　　（__人__）　　　 |
　　　　　　　＼　　　｀ ⌒´ 　　 ,／　　　それで、しかたなく誰も裸の子どもの絵を
　r､　　　　r､／　　　　　　　　　　ヘ
　ヽヾ　三　|:l1　　　　　　　　　　　　ヽ　　描かなくなった。
　　＼>ヽ/ |｀｝　　　　　　　　　　　|　|
　　　ﾍ　lノ `'ｿ　　　　　　　　　　　|　|　　――でも、それで終わりじゃないんだ。
　　　　/´　 /　　　　　　　　　　　　 |.　|
　　　　＼. ｨ　　　　　　　　　　　|　 |
　　　　　 |　　　　　　　　　　　 | 　|

　　　　　　　　　　　　　　 _＿
　　　　　　　　　　　　／r': : :└､
　　　　　　　　 ,　.／ r┘: : : : : :乙
　　　　ｒ‐z-　イ(　 ' { '￣　ヽ､: : 〕
　　　　に/ｒ'/ //　イ｣川　ﾄ､ヾ｣
　　　　　|i 〈　 l::|' ノ_ｌﾄリﾚヽﾉｿ
　　　　ｌi | ヽ l::||.K◯ 　 ○ ||　　　まだあるの？
　　　　　li |　.（6ｌ||ぃ　,-┐ ﾉ.||
　　　　 |i.,!　　ヽ|ﾄゝ､ニ.イ　.||
　　　　 li |　　　,ﾉ||::､ ◎:｀ヽ.||

809 名前：名無しのやる夫だお[sage] 投稿日：2011/04/11(月) 01:09:19 ID:vtRoN4q.

::::::::::::::::::::, イll! ､、　　　　　　ヽ
:::::::::::::,ィ7 //ﾘ　｀ﾞ7'⌒ヽ.‐-;　ヽ
:::::, イ// ///ι　 //,r　ﾐ',｀´　　/
7ﾌ／/// ,/　 _, ィl l ' ,'ﾆ',iL,,. ィ^{,
/ソ,ｲ/,ｲ,/-‐''":::::ll l l l{:ﾟ:!ll}ｧ―-r'
/／／ﾘ'"￣￣｀`'ll l l ヽﾉl,!:.:.　丶
',シ′　　　　　　 ', ',ヽ-,'ﾘ　　　u ＼
"　　　　　 u　　　ヽニン　　　　　＼
　　　　　　　　　 ∴：･．　　　　　＼
　　　　　　　　　　　∴‥　ι　　　　 ,, - '
　　　　　　　 u　　　　　　　　　　_,,'"く
　　　　　　　　　　　　　　,,. -‐ ''7ｱ／
　　　　　　　　､三,, -＜´ー'一'ﾞ://
　　　　　　　　￣｀`ヽ、｀￣￣￣_,フ
｀丶､　　　　　　　　　　｀ヾ二二}ゞ､
　　　丶、　　　　　　　｀丶､、＿ ,,.ﾉ　　　／i）
　　　　.:.:｀丶､　　　　　　　　:.:.:.:/　　 ,／''´/
　　　　.:.::::::::::::｀丶､、　　　　　 i'　,. -'"　／
　　　　 ::::::::,r― '''"⌒ ' ‐ --‐ '／　　 ,ノ:-― '''"´　　 /
　　　　 :::／　　　　　　　　　／　　　'´　　　　　　,ﾉイ´
　　　　／　　　　　　　　　　/　　　　　　　　　　イ __ﾉ
　　　 /　　　　　　　　 /　　　　　　　　　　ノ´ﾉ

┌────────────────────────────────┐
│　　ある時、***の女の子を誘拐して殺した男が逮捕された。　　　　　　　 │
│　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 │
│　　そいつはたまたま記憶に障碍があって、治療するために　　　　　　　　　　 │
│　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 │
│　　脳にチップを埋め込んでいた。警察は証拠としてそのチップを調べた。　 │
│　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 │
│　　そうしたら、中には裸の女の子の画像が一杯入っていた……。　　　　　　 │
└────────────────────────────────┘

810 名前：名無しのやる夫だお[sage] 投稿日：2011/04/11(月) 01:09:38 ID:vtRoN4q. [37/60]

　　　　 r‐:':::::::/ 　　 ,'　　,'　　　　　 !　　　.l　i'"´: : |:.:.:.:.:.:!: : : : :_:ハ ',ヽ
.　　　 ',_:､:::/　　　 l　　ｌ　　　　　　　 |l 　　 !　',: : : :.|:.:.:.:.:.:|: : : : L_ｌ::', ',r
　　　　　ﾉ:,'　　　 ,'l　　 |　　　　　l　 | l !　　! |　｀丶; |:.:.:.:.:.::!: : : : : :ﾊ::ヽ
　　　　 /:| |　　　,' |　! .!ｌ|　　　　,'|　ｌｌ | l　,' ,|. ｜!´: :.!:.:.:.:.:.,': : : :r '　｀￢
　　　　　/:::,! |　　 ..L.',_ﾄ. |',ﾄ　　　/ !./l/├ /￢￢､).:: /:.:.:.:./: ::::::::|　　　 |:
　　　 /:::::ﾊ.ﾄ　、　!　..l_ヽヽ＼､./ l/"´　l/_∠ |　 {: : :/:.:.:.:./::::::;:::ﾉ|　　　 !:
　　　　ヽ|l　',ヽ＼ !,イ｀` ﾄ　 '′　　 ,ｲ"´　lヽ　,ﾊr'＾,-ﾍ':::::::::}::!｜　　.!:　　　それは本当の女の子の写真？
.　　　　 |　　　ト､ト.`弋..ン　　　　　弋..ン '　| .|/j〈ィ'>》_ノ"!::l　!　　　|:
　　　　　　|　　 l　l.|. ',　　　　　､　　　　　　　 l　 ! .|:.ヾﾆﾌ　　 !::l. ｜　　 |:
　　　　　 |　　 / / |　ﾄ、　　　　 ,.、　　　　　｜ｌ|　|／　　　ヽ:|　|l　　 !
.　　　　　|　　/ /　|　|_.＞、　　　　　　_..-.､ｌ　l !　! 　　　　　　　 |.! 　｜
　　　　　 l|　 /,ｲ _..ｌ　l:.:.:.:.:.:.:｀丶､ __..ィ´:.:.:.:.:.,' .,'::|　| 　　　　　　　　| !　　 !
　　　　 !|_ノ' r":.:.l　l:.:.:.:.:.:.:.:.:.ﾊィｭﾍ:.:.:.:.:.:.:./ /:.:::!　!ヽ、　　　　　 .| l　　 |

　　　　　　　　　　　＿＿＿_
　　　　　　　　　　／　　　　＼
　　　　　　　　／　─　　 ─　＼
　　　　　　　／　（●）　（●）　＼
　　　　　　　 |　　　（__人__）　　　 |　　　いや、本物の記憶は被害者の女の子一人だけだった。
　　　　　　　＼　　　｀ ⌒´ 　　 ,／
　r､　　　　r､／　　　　　　　　　　ヘ　　　　他はみんなそいつが空想した画象だったんだ。
　ヽヾ　三　|:l1　　　　　　　　　　　　ヽ
　　＼>ヽ/ |｀｝　　　　　　　　　　　|　|　　　でも、それが問題になった。
　　　ﾍ　lノ `'ｿ　　　　　　　　　　　|　|
　　　　/´　 /　　　　　　　　　　　　 |.　|　　　『そら見ろ、こんなものを空想するから犯罪に走るんだ』ってね。
　　　　＼. ｨ　　　　　　　　　　　|　 |
　　　　　 |　　　　　　　　　　　 | 　|

811 名前：名無しのやる夫だお[sage] 投稿日：2011/04/11(月) 01:09:48 ID:vtRoN4q.

┌───────────────────────────┐
│|　|　 | |　　　　 /::'::.::.::/::.::｀::|::::､!　　　　　σ／ヾヽ、　　　　　　　　 │
│|　|　 | |　　　　　〃 ::.:: / ::.::.:::/|:ヽ::＼,ｒ‐---.〈::::|ヾ;｀ｉ:|　　　　　　　　 │
│|-‐,＝ｰ-､_, -／ ::.::.:: / ::.::.:: /　>ｰ' ´⌒ヽ::::::: !ヾ!. |! |:|　　　　　　　　 │
│／/　｀＞ '´::.:::.:::.::: /::.::.::／　　　　　ヽ:ﾉ|:::::! |!!.l:!　　　　　　　　 │
│ヽ:|　／::: :::.:::.:::.::::／::::::／　　　　　　　 V.|:::::|/:| |!　　　　　　　　 │
│　／ ::.::.::.::.::::;::／ :::, .'/ 　ｌ:　　　　　　　　　　V:::〃/　!　　　　　　　　 │
│.':::.:::.:::.:::, ／::/ :::／:::::|　　|:　　　　＼　　　　V:／　/　　　　　　　　　 │
│::.::.::,　'／:::::/ :::/::.:::.::: } 　ヽ　　　　　ヽ　　　　ヽヾこ_,.-_─_ｧ､　　　　 │
│,　'::／:::／/:::::/::.::.::／::|　　｀　　　　　ヽ　　　　ヽ､｀ヽﾆﾆく/ノ〉　　　 │
│::／::／::::/:::::/::.::／:/::: !　|　　　　　　　　ヽ　　　　ヽヽ-'/ｲ/ﾚ′　 │
│'::／: , .':::l:::::::!／:::〃::::::|　ｌ　　　　　　入　　　　　:|/　〉　　　　　 │
│/::: / ::.::: !::::::|::::://::::::::/ ,　　　　　　 ∧､丶、　.:::〃　/　　　　　　 │
│::: /!::.::.:::/ヽ::.!:::: ' :::／ :/　　　　　　　　/　ヽヽﾐ＞'´　 /|　　　　　　　│
│::::{ |::.::.:::!　　>` ' ´ 　　　　　　　　　/　　　 `ｰ┬' ／j |　　　　　　 │
│::::| ヽ ::::l_∠　._／　　　　　　　 :　 /　　　　　　 |「　ノﾉ　　　　　　　 │
│＼::｀／ ´ﾞ　　´　￣｀ｰ-､　　　　 ::::./ 　　　　　　　｀　´　　　　　　　　 │
│　　/'　　　, 　　　　　　　　｀ヽ　.::.,ｲ、　　　　　　　　　　　　　　　　　 │
│　 /　　　ｌ　　　　　　　　　　ヽ／､:ヾ｀､、　　　　　　　　　　　　　　　 │
│　 |＼　　ｌ::　　　　 , -‐' ￣ ‐iく:ヽ､､:＼｀ヾ､､　　　　　　　　___　　 │
│　 |、　ヽ、ヽ::::: ／´　　　　｜＼::ヽ､ヾヽ　l:} ｰ────i---,｀!　　 │
│　｜　　　ヽ二´ 　　　　　　　 !　　ヽ::.! ﾉ|:! ﾉ′ .;.;.;.;.;.;.;.;.;.; |￢' 丿　　 │
│　│　　　　　 .!　　　　　　 |　　　!:| ノ' 　　:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.: !-‐'´　　　 │
│　 |　　　　　　::ｌ　　　　　　　　 !　　ﾉ′ 　　: : : : : : : : : : : |　　　　　 │
│　 |　　　　　　 |　　　　　　　!　　　　　　　　　　　　　　|　　　　　 │
│　│　　　　　　::|!　　　　　　 |　　　　　　　　　　　　　　 |　　　　　 │
│　 .!　　　　　　 | ､　　　　　 |　　　　　　　　　　　　　 |　　　　　 │
│.　 |　　　　　　 :|　､　　　　　　　 |　　　　　　　　　　　　 |　　　　　 │
└───────────────────────────┘

┌─────────────────────────────┐
│　　法律では、印刷した画象だけじゃなく、電気的に記録された　　　　 │
│　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 │
│　　写真も対象になる。つまりチップの記憶もそれに含まれる。　　　　 │
│　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 │
│　　チップに違法な画象を溜め込んでいる人間がいると分かって、　　 │
│　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 │
│　　大きな問題になった。　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 │
└─────────────────────────────┘

812 名前：名無しのやる夫だお[sage] 投稿日：2011/04/11(月) 01:10:02 ID:vtRoN4q.

　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　, -‐‐ ､
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 __ ___　　　　　　　 /　　　　ヽ
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 ,ｨi´/ ／__ヽ.　　　　」　　 { ﾆ、‐i　　　　　　　　　　　　　　　 _ ＿,_,___,_
　　　　 ,､, -,_　　　　　　　　　　　 |r ､ノ'´ i }- i　　　　 {'ゞ､　｀ﾌ_j｀!　　　　　　　　　　　　 __/'´´.:.:.:.:.:.:.:.:'ｨ
　　　r/:/.://｀>i　　,　--　、　　　　 i!L_ , ‐_ヽVﾊ　　　｀ri ｀i　, --v'　___／',ﾆ､-‐ｧ　　　 /.:.:.:.:.:.::ｬ‐-､ｲ/
　　　|､:{.:.i/, く.:_}ｨ/.:.:.:.:.:.:.:.:ヽ　　　 {r_ｬ｀'-' 　j'ﾉ　　　　 |ヽ、　￣ﾘ　/´.:.:.:.::｀l ヽゝ　　　 'ｲ.:._.:.:.／ __-,ｲ
　　　|:{｀ー'　 L_:jl:ｨ´ ー '´ヽ! 　　／|、L_,>　 |jゝ‐‐- ､_, ィ､ヽ｀ー_ｧﾍ､'ｧ'.:.:.|.:ﾄ 'ﾍ　｀Yヽ, ヘ　l:〈ﾑ.:|、´=｀ {!
.　　　｀L_,ﾊ∠　i!ﾊ{_　 - ‐jｨi|、　ｲ'　/ﾍ｀二´/.:,ｨ,_,.:.:.:.:.:.｀¨く::｀::￣::::::::ﾉ|.:.l:|/}ﾉ　 _ゝ _|_/::::::::::｀ヽ'=!:!ヽノｧｲ
　　　　ヽ´}_｀　ﾉ|j＾i!｀ﾆｵゝi |j　　 !ｨ |〉:ヾーi´!.:/'/'ﾚ/ﾊヾ｀.:ヽL、￣´::::/.:.{`!'¨ｼ! ﾔ |!＼ヽ､___:::::::::::::｀ヽ'.く,ﾍi!
　　　　　ゝ‐-､ﾚ'::!ヽ、　'‐ '　| _, ィ::¨´:::/:::ﾄ-!::Y//:/ｲ:,'ﾊ.:ﾘ:jﾊ!|､ヽ::::::::::/,.:.｀}､　_z'_ ﾊ_｢-‐_ｪｪ_7ヽ:::::::::::|｀ｿ'!´＼
　　　　,ｨト_､｀ヽ､|:::;{ゝ､´-｀/ﾊ:::::::::_,ｨ´::::::|イ:::i!ｲﾚァﾚ´弌/|:::::!::',::',::::::::7/ノ|ヽ、_r=='‐'´, -‐‐-､｀¨＞_//!:::ﾚ'´｀
.　　　´:〈､ ´|　レ‐ﾍヽ::::￣:ｲ:::|‐::¨::::| ::::::::Vｨ:::::A、　_'_イ.:人::|::/:::_>‐‐i´:::::|ヽ,ｲ_,ゝ、　,'　　　 ',　 ´ｲﾉ:|'´!::::::::
　　　 :::::',｀ ,r ´:::::::::::ヽ:::::::::::j､::',:::::::::::l:::::::::::l'|ｲ/::::!ゝﾆ/ィ:: /::|':::,ﾍ:::::::::|:::::::| 　 l:ヽ_ ヽ〉__ =､=__｣_ノｲ:::::|:::|::::::::
　　　 ::,ｨヽ_i:!:::::::::::::::::::ヽ:::::::|:::ヽi!:::::::::',::::::::::ヽ':::::::ﾄ､::::::::::! /｀ー┘､:::::::::!::::::|　 ,':::|ヽ_ ﾊ!‐=孑〈=-!Zノ::::::|:::|:::::::::
　　　 :i::ヽ_j::ヽ:::::::::::::::::::::＼:|:::::::|::::::::::::',:,ィ::¨´＼:::!::::::::::::ﾚ::::|‐-ｧ､∧:::::::',:::::!　,':::::! ヽﾑ_}、ノ -ﾍ i!ィ|::::::::!:::!:::::::::
　　　 :|::::::ﾉ::::::ヽ::､:::::::::::::::::{j::::::::!:::::::::::::i!ヽ::::::::::∧|:::::::::/'|:::::l:::::|:::i::::|:::::::::',:::|　!::::::!　　 |ﾊ!'v,==ﾉｲ::|:!:::::::l::::|:::::::::
　　　 :|::::::V::::::::',::::＼:::::::::::,ゝ::::::!:::::::::::::|::::|::::::::,'::::il:::::::::i!::!:::::|::::l::::|:::ﾊ:::::::::l:::l ,':::::::|　,ｨ/::| ヽ!j_jｲlヽ- ､ :::|::::!:::::::::
　　　 :|::::ノ:::::::::::',:::ヽ::ヽ::__|::::::::::|:::::::ノ::j:::::!＝===:ll::::::::{l:=＝＝|::::!'::::|:::::::::',::||, ‐ ¨´::/_::｣､/ゝｲ､|_:ヽ::::｀ヽ､|:::::::::
　　　 :ヽ'::::::::::::::::ヽ::::＼::::::ゝ ::::::!／::::::|__:::',::::::!:::::::ll::::::::!!:::::::|:::::|:::|___ﾊ::::::::::V::ヽ::::::::::',:::::ヽ |:::::! |:::｀,:::::::::::|:i:::::::::
　　　､::::::::::::::::::::::::＼:::::ーヽ、::::〉::::::::ﾉ-‐-ヽ::|::::::::||:::::::||:::::::|:::::|:::|:::::ノヽ:::::::}::::::',::::::::::ヽ:::::',|::::::l !:::/:::::::::::l〈::::::::::

┌─────────────────────────────────────┐
│　　その頃には既に、脳内チップを利用している人間は何万人にもなっていたからね。 │
│　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 │
│　　そこで、全てのチップ使用者が、警察への出頭を命じられた。　　　　　　　　　　　　　　 │
└─────────────────────────────────────┘

813 名前：名無しのやる夫だお[sage] 投稿日：2011/04/11(月) 01:10:23 ID:vtRoN4q.

　　　　　　　　　　　　　＿
　　　　　　　　　　 _r一':::::::`:ｰ-､
　　　　　　　　　f´:::::::::::::::::::::::::::{:ヽ＿_　　 ,､
　　　　　　ノ:::::／￣'´￣￣｀く＼:::｀ヽ〃》
　　　　　　 {::::::/　 l　　　　　く::::ヽ､:::}≦､
　　　　　　〈::::::|l l　!　　l　　　ヽL:::::||:::ヽ=く
　　　　　　 !::::|N|､|､　 |＼l､　 __|_l〉::||:::::〈　ヽ
　　　　　　 `ｰ|!ｨf心＼!　,.≦ミ､|/〉:＠::ノ
　　　　　　　　 ,.-j{弋zﾘ　　´トrﾘ}　}| ヽﾘノ!_〉　　　出頭しなかったらどうなるの？
　　　　　／ /{ v ｰ　__　弋zｿ /'_,.ｲ　}　{ヽ
　　　　　 / 　 | 丶、　{　＼￣z ´ﾉ__!ノ　ｽ
　　　　 |　　　　　｀ﾄｧ=='rｧ==く〈_j　　〈__}

　　　　　＿＿＿_
　　　　／_ノ　ヽ､_＼
　　／（ ─）／)（─）＼　　　　逮捕はされない。その代わり、チップの記憶を調べられて、
　／::::::⌒／／／)⌒::::: ＼
　 |　　／,.=ﾞ''"／　　　　　 |　　裸の子どもの画象があれば全て消去される。さらにチップの設定を変えて、
　＼.　i f ,.r='"-‐'つ　　／
　／　ｉ　　 _,.-‐'~　　　＼　　裸の子どもの映像を決して記録できないようにされる。
　　　　i　　　,二ﾆ⊃

　　　　　＿＿＿
　　　　／　　　　＼
　　／　 _ノ ''　'ー　＼
　／　　（●）　（●）　＼　　　つまり、空想することすらできなくなるんだ。
　|　　　　（__人__）　　　|
　＼　　　｀ ⌒´　　　／

814 名前：名無しのやる夫だお[sage] 投稿日：2011/04/11(月) 01:10:34 ID:vtRoN4q.

　　　　　　　　　　　　　　　（;ノ:.:.:.:.:.:.:.:.:..:.:.:.:.:.:.:ヽﾐス　_
　　　　　　　　　　　 _,ノ⌒´:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.´:.:）
　　　　　　　　　＿（:.:.:.:.:.:.:.:.:.,　　 ´ ￣｀　　､:.:.:.:.:.:.:.う､＿＿
　　　　　　　　　　　　/r=ﾐノ:.:.:.:.:.:／　　　　　　　ヽ.:.:.:（;ﾉー―ﾍヽ
　　　　　　　　　〈〈／て:.:.:.:.:/　　　　　　　　　　　　‘，:.:.:.）)=≠//ﾐ､
.　　　　　　　　　 //　（.:.:.:.:.:.:' 　/　/　　　　ヽ＼ヽヽ :l:.:てﾉヽｰ//ヘヽ）
　　　　　　　　　　 //　　と:.:.:.′/　/　/｜!　　ｌｌヽヽ　ｌ:.::.ハ　//　　|'´
　　　　　　　〈/　　/|::lて! ｌｌ　ｌｌ il ｌｌｌｌｌｌｌ l　ｌ l　 |:ノ　乃｜　 |　　　そんな、空想まで取り締まるなんて！
.　　　　　　　　　〃　　, |::|:l l　ｌ:ﾄ､| | :l ｌ | ｌ | ｌ | ｌ |ィl ｌ　ｌ'　ノノ!　　　 |
.　　　　　　　 ,ｲ　　 | |;ハヽ从ｨ≧xl | ｌ | ｌ lx≦ｲ/从 / （ (　 , 　　 |
.　　　　　　　　〈/!　　　|ﾐ　 |　ﾄ弋zｿ　　　弋zｿ !/:| l　　)_） ,　　　｜
　　　　　　　　ﾉ　　 ,ﾉ　／| 　|::. ⊂⊃　　　⊂⊃/:. | |　　　　|　　　 |
　　　　　　　,　 ´　 ,　´ー.':.:.:.|　 |:. ゝ　　（　）　　ｲゝ（（＼　　 ! 　　 ;
　　　　　　　　　　ｲ:.:.:.:.:.:.:.:.:.: |　ｌｲ三ﾐ≧《薔》彡三彡））:.:ゝ―.ヽ　　ヽ
　　　　　/　　　//:.:.:.:.:.:..:.:.:.: ﾉ　ﾉ〈三三三人三三三〉:ｉｉ:.:.:.:.:.:.:.:.:う､　　　＼

　　　　　＿＿＿
　　　　／　　　　＼
　　／　 _ノ ''　'ー　＼
　／　　（●）　（●）　＼　　　だけど、出頭を拒否したら逮捕される。
　|　　　　（__人__）　　　|
　＼　　　｀ ⌒´　　　／

815 名前：名無しのやる夫だお[sage] 投稿日：2011/04/11(月) 01:10:49 ID:vtRoN4q. [42/60]

　　　 l|:::::ヽ､:.:.:.＼　　　　　 ' 　　　／ィ´::::::::::::　l
　　　 l|::: ::: ::＼下Ｔ、　　　cっ　　　／i:.:::::::::::::::::.　',
　　 ∥::: ::: ::: ::: ::: :::＞:..､　　　, ィ:::::::.:l:::.:::::::::::.:.　 ,
　　 /'::: ::: ::: ::: :::::::.:.::::::l::::|　　 : :|::::l::::::::.:i:::.:::::::::.:.:　 ',
　./::: ::: ::: ::: ::: :::: .:::.__／　　　　￣＼＿::::::::: .:.:.:..　 ',
./::: ::: ::: ::: ::::,.､- '" ,,_　　　　　　 _____,, ｀ﾞ' ‐-- ､.:.:.:..ヽ
|::: ::: ::: ::,､ '"´　　　　　｀｀｀ﾞﾞ' 　'"´　　　　　　　｀'､:::ヽ
. ヽ::: :::,.'　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 ',:::::ヽ
.　　ヽ,'　　 .､　　　　　_,,......,______　　　　　　　 /: 　　',:::: |
.　　　 ;　　 .::::',　,r‐''",r‐'"‐‐-､,,,_ﾞ' ､.　　　　　,':::.　　 i
.　　　 ',　　::::::;. ,'　　/-ﾞ''_-　　　　　ヽ‐､　　　';::::　　 l
　　　　',　　::::,'　'､.,'"::｀',‐､　　　　　　',-､'､.　　';:　　 !
　　　 ',.　　,'　　,'　　　｀"'i- ､,._......　　'、｀'､. 　;.　　 !
.　　　　 i.　　!　　!　　.:::::::::l:l　!:::｀',　　 ',..　.'';. ..!　　.l
　　　　 l　　ﾞ､　 '､::.::::::::::::::::l　l:: ::::i.　　　';:::: i::;.'　　 .l
.　　　　　l　　｀､_!､::::::::::::: :l　 ';:. .. i　　　 '.;:i'i" 　　.!
　　　　　 l　　　｀,.i:ﾞ､:::::::　:,'　　';:.:: :l　　　 '.,i:::　　　l
.　　　　　l　　　　',.',:: ::.　 ,' 　:.　';:::. ',　　　　ヾ:.　　 i
　　　　　 l.　　　　',';:､.　 ,'.　 ::　 ';::　';:.　　　　ヽ.　 ,'
.　　　　 l　　　　｀ﾞ'‐､　':　 ::::.　 ';:.　';:::.　　　　',. ,'
　　　　　　 !　　　　　　｀'‐､　:::::.　 ';:　 ';::::..　　　' /
.　　　　　 ',　　　　　　　　｀'‐ ､　 ', :. ヾ;:::.　　, '
.　　　　　　｀ﾞ　,､:::...　　　　　　｀ﾞ' - ､:::　ヾ;,.. '
　　　　　　　　/　ﾞ,'::‐. ､:;;_　　　　　　　｀ﾞ''‐-'.ﾞ､_
　　　　　　　 /　 ,' ::::　　｀ﾞ''' ‐　､,,　　　　　　｀､
　　　　　　　/　 ,'.　::: 　　　 ::　　　｀ﾞ'''‐.､　　　　ヽ.
　　　　　　 / 　 !. :: :::　　　　　　　　　 ::::::::ヽ　　　　ヽ.
.　　　　　 / 　　!　:::. ::　　　　　　　　 .::::::::::::ヽ.　　　　,.l
　　　　 ,' 　　 ! 　 ::. :　　　　　　.:::::::::::　　〉 , ./ /,'
　　　　　,'　　 l　　　.　　　　　　 .:::::　　　/:i､'-'‐'iﾞ"
　　　　　!.　　 ,! i. 　　:..　　　　　 '' . .::''　/:::::i　　　!

┌────────────────────────────┐
│　　ある未成年の女の子は、風呂に入っているときの記憶や、　　　 │
│　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 │
│　　風呂上りに鏡に自分の体を映したときの記憶まで消された。　　 │
└────────────────────────────┘

816 名前：名無しのやる夫だお[sage] 投稿日：2011/04/11(月) 01:11:06 ID:vtRoN4q.

　　　　　／: : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : ＼
　　　　 /: : : : : : : : : : : : : : : : :.、: : : : : : : : ヽ
.　　　 /: : /:: : : / : : : !:: : : : !: : !: : : ヽ:: : : : : ',
　　　/: : /: : : 斗--､ :|: : : : :|: : | ,ィＴ: ',: : :ヽ : !
　　　|: : |: : : : : |: /　＼: : /|:.ィ: :ヽ: : :.|.: : : ﾄ､:|
　　　|: : |: : : : /!/ ⌒ヽ| :/　|:./⌒ヽＶ: |.: : : | V
　　＜ : ｣_: : / 〈　　{}　|/　　ﾚ　 {}　}|:./ヽ: : |
　　＜:: |. 小{　　 _,,.. -　　　　､-.,_　ﾚ{: :.|ヽ:|
　　　厶ﾍ　ﾊ　　　（ (　　　､　　) ）　 {ﾊ/　V
　　　　　＼_!　　　) ）　＿　'　（ (　　 !
　　　　　　　ヽ　（ ( ／　　｀t ) ）／
　　　　　　___,ｒ| ＼　 {　　　　/　／
　　　　／:/::::| ＼　ヽ｀_⌒ ィ ´
　　／::::::/::::::|　　＼　　　´ ∧＞､
／:::::::::::/::::::::|　　　　＼　 /　 !＼::`ｰ- ､
::::::::::::::/:::::::::∧　　　　/二＼　|::::::ヽ::::::::::::＼
::::::::::::/::::::::::::::∧ヽ　 /: : : : :}ヽ!::::::::::〉:::::::::::::::!

┌──────────────────────┐
│　　ある青年は、高校一年の時にガールフレンドと　 │
│　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　│
│　　一夜を共にした記念すべき思い出を消された。　 │
└──────────────────────┘

　　　　　,. -‐―――‐-､
　　　　γ::::::::::::::::母::::::::::::ヽ
　　　/::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::ヽ
　 γ:::::::::人::::人::人::::人::::::::ヽ
　（:::::::::／　 _ノ　ヽ､_　＼:::::::）
　＼:／　oﾟ⌒　　　⌒ﾟo　＼ﾉ
　　　|　　　　（__人__）'　　　　|
　　　＼　　　　｀⌒´ 　　／

┌────────────────────┐
│　　ある母親は泣いて抵抗した。　　　　　　　　　 │
│　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 │
│　　わが子のオムツを変えたり着替えさせたり　 │
│　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 │
│　　風呂に入れたりした思い出が、みんな　　　 │
│　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 │
│　　消されてしまうんだからね。　　　　　　　　　　 │
│　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 │
│　　でも結局彼女の訴えは通らず、　　　　　　　 │
│　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 │
│　　子どもの記憶を消されてしまった……。　　　 │
└────────────────────┘

817 名前：名無しのやる夫だお[sage] 投稿日：2011/04/11(月) 01:11:32 ID:vtRoN4q.

　　　ゞ/:::: /　　／　　　　　,　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　/
　　　　/::: ィ　　/ 　 , 　　/　　/　　　　　　　　　　　　　ヽヽ　ヽ　　　　/::/
　　　/::/ /,/　/　 /　　 / 　/　　　　　　!　　　　　　 !　|　!　!　　　　/:/
　　/::/ ,／　/　,. ,' 　　 '　 ,/! 　　　　 i!　 ! 　　　　/　l!　!　ﾄ ,　　/::/
　 /::/ /'　／ /　,'　　 ,'　/ 　!　　　　 i　/!　　　　　/!　|　|　l　!　 /::::|
　/::/ / / '　 /'　! 　　/ /　　|　! 　　　/ /' |　　 / 〃 l /,'　|　' 　!　|:::: !
/::/ /,ｨ　 i　/'|i　| 　 i!　|　　│ l 　　　/ / 　! 　,./_/;-//ナ' !/　!　Y!::.: |
ヾ / /! 　.i　l l 　|　l　|　i. 　　|　| 　　/! /　/ ィ'/／.=j/=.､ノ'/ /!　ヾ::::::|　　　　そんなのひどすぎるのだわ！
　 i /!|　 l　! ∧　!/!　| .j_＿_ l　| 　 / j/　 j／ ",ｨっ::::::: ! 〉 / /　l　 |/＼!!
　 .V ゝ　| 乂　ヽjヽ.ｨf ! ,,.==.ゞ! ヽ'´ 　　　　　､`ｰいﾉ　/ /　 |. │ i l　　　　一体誰のための法律！？
　　/　　/＼!|　　＼ﾊ!ヽﾊっ:::r! 　　　　　　　　｀￣　, / / 　 .|　.|　,/
　 /　　/　/: ! 　　/　∧ 　o- ' 　　　　　　　　　O,. '' ／　　　　|／　　　　それこそ虐待じゃない！
　/　　/　/::::l!　 ./　　!ﾍi 。　　　　　　　　　　　　 o　／　　/,!　|
. /　　/　/ﾚ ´　 / 　 / 　ゝ. 　　　　　`　―- ､　　/ ／　　　 , 　 ,
/　 ,/／　　　 , '　 , '　　　＼　　　　　　（　　丿 / ,´　　　／　/　ﾉ
　,.／　　　／, イ/_　　　　_＿..ゝ､　　　　￣　 / /　　.／　　/ 　∧
／　　　,／ '　//::::::::＼_ ﾉ::::: ／:::::,.＞､._ 　　/ /_　 ' _,-―'/ 　/::::::＼
ヽ　　,／　　/:! !:::::::::::::::::ヾ／:::::::／::::::::::::::`ｰi / ／´::::::::::::/ 　/::::::::::::::＼
ゞ＼ヽ　　/::::l |::::::::::::::::／:::::::／:::::::/::::::::::::::/／::::::::::::::::::/ 　/:::::::::::::::::: /

　　　　　　＿＿__
　　　　／　　　　＼
.　　　／　　　　　＼
.　　／　　　 ―　　ー　＼　　　ああ、まったくそうだ……。
　　|　　　　（●）　（●）　|
.　　＼　　　　（__人__）　／
.　　　ノ　　　　｀ ⌒´ 　＼
　／´　　　　　　　　　　　ヽ

818 名前：名無しのやる夫だお[sage] 投稿日：2011/04/11(月) 01:11:53 ID:vtRoN4q.

　　　つ:::::::::::::::::rー-'三三_　-―――‐-- ､)::::::::＼　　＿
　　　(:::::::::::::::::::::::) 三= '´／　　　　　　､　 (_:::::::::::::丶<::::::`ー､
　　　 `ｰ,:::::::: __ノ／　　/ /　　　　＼　　＼ム::::::::::: |企;:::::::::::}___
　　　　 (_:::::: ヽ／　　　/ /　　　　　　ヽ　　､ヽ(__:::::::::::|三|:::::::::::⌒Yヽ
　　　　　r’:::: /　　　　　 {　　　　|!　　| |!　　|!ﾊノ :::::::::|三|:::::::::::::::乂{
　　　　　｀ｧ: :′　/　 /　!　　　　 |!　 |! |!　　|! |｀ｰ, : :::|三|:::::::::::::::}　'.
　　　　　ヽ.′　/　 /　 |! 　　　 |!　 |! |!　　}! | Ｙ:::::::::|三|:::::::::::::/　 {
.　　　　　　|　|　|!　 |! 　 |!　　　　 i}　 } |!　 /_!_| ゝｧ : :|三|::::::::_;ﾉ| 　 '.　　　……ふふっ。
.　　　　　|　|　|!|　 |!､　{! |!　　 // /}//孑' /ｲ　(_ : :r'--{:::::::)　| 　｜
.　　　　　{　|　| {　卞ﾄ､ハ!_　 //ノノィ≦ケテ|　(:::::〈ん)､) 〉´　| 　　|　　　ドジスン先生、そんな時代に生まれなくて
　　　　　　ヽﾄ､ {ﾍ､从ィ升=ﾐノ´　　　/弋じ:::}｜　〉 : ゝﾆン　　 |　　｜
　　　　　　　　ヽ乂ﾍ!ゞ､rゝ':{｀　　　　　　`ｰ'ﾞ .|　 ∨/／　　　　|　　 !　　　よかったわね。
　　　　　　　　　 }　　|ﾍ　`ｰ'ﾞ　　､　　　　　| 　 {ノ´　　　　　| 　　 |
　　　　　　　　　川　| 丶　　　　マフ　　　ノ　 } !　　　　　| 　　 |　　　先生なんか逮捕されて、写真も全部没収されちゃってたわよ！
　　　　　　　　 //}　 ! ＿≧-..､　　　,∠⌒＜}/　八ﾍ　　　　　 | 　　 |
　　　　　　// j　/':.:.:.:.　 .:.:.:/>=(:.:.:.:.:.:.　 / /＞ヽヽ　　　　 | 　　 |

　　　　　　　　　　　　＿＿＿
　　　　　　　　　　　／　　　　＼
　　　　　　　　　　／⌒　　 ⌒　　＼　　　　ああ、その通りだね。
　　　　　　　　／（● ）　（● ）　　　ヽ
　　　　　　 |　⌒（__人__）⌒　　　 |　　　さて、そろそろ撮影に戻ろうか。
　　　　　　　　　＼　｀⌒ ´　　　　　／
　　　　　　　 /　　　　　　　　＼

819 名前：名無しのやる夫だお[sage] 投稿日：2011/04/11(月) 01:12:05 ID:vtRoN4q.

　　　　　　　　　 │ 　i´　　　! 　　/
　　　　　　　　　　 !　　 !　　/ 　　/l
　　　　　　　　　　　　 !　　ｌ　/ 　　/　!
　　　　　　　　　　 !　　 |/ 　　/ 　ヽ
　　　　　　 _.. ｰ'''"´ | 　 / 　　/_, 　　ヽ
　.／￣",ﾂ‐"゛　　　　|,.-‐'''''" 　　　　 !
　.!_.-'"´ 　　　　　　／　　　　　　　　　l
　/ 　　　　　　　　　/ 　　　.,,__ 　　　　ノ
　! 　　　　　.＿,,,,l　　　　　 ´ﾞ"'''-ﾆ.ﾞ
.　ﾞﾞ''''''''''''^ﾞﾞﾞ゛　　ヽ、　　　　　　　｀ ‐ ､-‐-、
　　　　　　　　　　　　｀"''' ｰ - . ＿　　　　　　　ヽ
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　" '' ─- ．_ 　　ヽ、
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　ヽ、　　､j
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　＼ヽソ
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　´

┌───────────────────────────┐
│　　僕はさらに彼女の写真を撮った。　　　　　　　　　　　　　　　　 │
│　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 │
│　　さっきの嫌な話題は忘れ、もっと明るい話題を語り合った。　　│
└───────────────────────────┘

820 名前：名無しのやる夫だお[sage] 投稿日：2011/04/11(月) 01:12:18 ID:vtRoN4q.
　　　　　　　　　__
　　　　　　　 _（:::`ｰ'`-､＿
　　　　　　　（:::￣:::::::::::ヽ‐::ヽー―-､_
　　　　　　　ﾉｰ:::::::ヽ::::,-`ｰ､:::::::::::::::::::`i､_　r‐､　　　＿＿
　　　　　　（:￣:::::::,ィ'´　　　l:::::__:::::::::::::∨|`´::ﾉ_,ｨ=ﾃ"￣ゞﾐi!
　　　　　　　`j::::::/ 　　　　 `´　`jｰ::::::::∨!::´:）ヽ＝≠＝彳
　　　　　　　ゝ:/　　　 i　　　　　ゝ-､_:::::|ﾐ|::::::`i　ヽゞ_》
　　　　　　　 `l i　l　　l　　　　l　　　ﾉ:::::::|ﾐ|:::::::ﾉ　 l.ゞ!
　　　　　　　　 l l! .l l　ll! l　　l l .l　 l `i:::::::||!:::::_)　　 l |ﾐ|
.　　　　　　　 l.ﾄ､ﾄ､!从 l　 /l /l　/ .(_:::://:::( l　　　l |ﾐ|
　　　　　　　 l! ヽｨｬｫ.ヽ／_'´_.l/l/　/ｨｭ､::ノ.l 　　 l. ¨
　　　　　　　　　　 l ゞｲ　　´弋::ソ//.弋ｿｲ　 l　　　 l
　　　　　　　　　　　ゝ　 ___ 　｀´// ／　　　 l.　　　 l
　　　　　　　　　　　//ヽ,`ｰ',､-‐//:´ヽ　　　　|　l!　　l
　　　　　　　　//ｰ､〉::◎::::/ .l:::::::::ヽ　　　l　l.l　　 l
　　　　　　　　　 / ＿,」l::／＼l　 l:::::::::::::ヽ　 l　l l　　 l
　　　　　　　　　ゝ‐､ヽ/:::/:::|::ゝ､ヽ:::::::::::::＼_l　l .l　　ヽ､
　　　　　　　　　／__ﾉヽ/:::::l::_:::_〉 _〉::::::::::/彡　l　l　,ｨ　 l
　　　　　　　　,.ィ`ｰ`jlﾐ､＿:::´:::{_二>:::::ｨｹ"　 l　l／´　　　l
　　　　　　ｨ'´　　/ /l::￣`ゞ＝=//_ﾃ"¨ヽ　 / ´　　　　　 `i
.　　　　　　ヽ＿ｰ'ゝ/ｨ-―-､/:::ゝﾉ:::::::::::::／　　　　_.,､-‐''´
　　　　　　　_,､ﾆ=- ∧￣￣ゝ_::::'´ﾉ:::::::::::ヽ／ _,ｨ'_´ｰ-- ､__
　　　　　　ゝ-―'´::(二ｰ-‐ゝ-ｨ'´:::::::::::::::::::ゝ'　 _,､-=--‐　ヽ
　　　　,ィ':´:::::::::::::::::::::::::￣￣::::::::::::::::::::::::::::::_,ｨ'´　　　　　　/
　　　 /:::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::ヽ _　_--――-､ﾉ
　　 ,'::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::＼＼＼::::::ヽ
　ｨ'´::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::､::::::::__ﾉ￣￣￣´　￣/:::::::ヽ､__
　ヽ__::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::l＼_:＼ｰ､＿　　＿/::::::::::::´:::/
　　　ゝ:::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::`ｰ､￣ヽﾉ:::::￣::::::::::::::::::::＿/
　　　＼＿::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::￣￣::::::::::::::::::::::::::::::: ﾉ
　　　　　　ゝ_, -､:::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::＿::::/`ｰ'´
　　　　　　　　　　`ｰ-､__, -‐､::::::＿::::::, -､＿,ｨ'　 `´
　　　　　　　　　　　　　　　　 `'´　　`´

┌─────────────────────────────────────┐
│　　やがてアリスは服を着ると、「写真が現像できたら見せてね」と言って帰って行った。　 │
│　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 │
│　　僕は、「ああ、必ず見せるよ」と約束した。　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 │
│　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 │
│　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 │
│　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 │
│　　だが、僕はその約束を果たせない。　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 │
└─────────────────────────────────────┘

821 名前：名無しのやる夫だお[sage] 投稿日：2011/04/11(月) 01:12:42 ID:vtRoN4q. [48/60]

　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　,.ｨ''丁¨T⌒ヽ-､
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　/⌒＞┴…‐＜／〉、
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　人/´　 ,.　　　　＼ハ.ヽ
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 i／　〃　l l ｌ i　　 ∨　 ',
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　〃 / //!　ﾉ l ｌＮ　ｌ }　　 !
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 !l　{.イ｢ﾊ.ノﾉﾉ,j⊥l　 l j　　｜
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　八ヽjｲﾇj　　込!j　｢）　 !l
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　ｌｌ｀iハ'''　 , 　''//,　,'´! ｌ /ﾉ
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　从 '、 >､_ 冖 { { ! /_ﾉノ´´
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　ヽiｲ⌒｀うT,斗Ｈ7
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　＿厂ﾞ＞ｪム<二＞､
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　／´　__l／,.ｲ/⌒´　.::｀i　＼
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　〈　,.ｲ´ /＼| /　　　 .:.::::|ヽ丿
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 ∨ j　 ! 　ﾌ　　 . :.::: Λ　〉
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 / 　 `／　　　. .:::／__/´
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 |_,. -'　　　 .: .:::/<´＿_
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　,. ‐''"´　　　　 ..: ::::/／´　　}
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　／　　　　　　 .. .::.:,.イ´-　　 /

┌─────────────────────────────────┐
│　　彼女に話さなかったことがいくつかあった。　　　　　　　　　　　　　　　　　　 │
│　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　│
│　　例えば本物のアリス・プレザンス・リデルは黒髪のボブカットで、　　　　　　　　│
│　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　│
│　　金髪の巻き毛などではなかったし、本物の　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 │
│　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　│
│　　チャールズ・ラトウィッジ・ドジスンは吃音で、子どもと　　　　　　　　　　　　　　 │
│　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　│
│　　話すときにもよくつっかえていたこと。　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 │
│　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　│
│　　実際にはドジスンの撮った少女ヌード作品はさほど多くなく、　　　　　　　　　　│
│　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　│
│　　彼が***者だったという説は研究者から疑問視されていること……。　 │
└─────────────────────────────────┘

822 名前：名無しのやる夫だお[sage] 投稿日：2011/04/11(月) 01:13:05 ID:vtRoN4q.

　　　　　　　　　　　　/ﾆヽ
　　　　　　　　　　r‐┴v'⌒ヽ、　　　 _ ＿＿＿ __
　　　　　　　 ,ゝ=彳:.:.:.:.;ィﾆ孑'´:.:._:_:_:_:_:.:.:.:.:.:.:｀丶､
　　　　　　　　　/// （:.:.r=くﾆ∠:.:.:_:_:_:_.:.:.:.:rﾍ:_/＾ー'⌒ヽ
　　　　　　　 { ﾚ1l|{_:.:{廻jｿ:.:-‐rﾍ:_ﾉ冫ｰ＾ヽ、　　　　丿
　　　　　　_＿／j | |ｌ (_|三l :.:rケメ､//l　ｌ| !｀Ｙ!　　　「
　　,　'´￣,　 -‐ ／!八　l三厂ハ朮Ｙヽｌ八、｀ヽ、　r′
　〈（　∠二￣ _／厂:ヽ }ﾆl ,ｲ｜｀´　ﾉ川ハ｀ヽハ,ノ
　｀ヽ、〈￣￣,..:'´ .:.:.:.:〈ヲ//| ノ､　_ ぶj乂リ｝j从ノ
　　｛:.:ヽ｀r＜_:_:.:.:.:.r;==彳ﾆ廴 _｀_ .ィ;‐ｭ　｀＜＿｀丶､､＿
　　〉:.:ﾉ厶-‐ﾍヽ:〈└ -ﾍ、〈) lr‐く　乍}_＿二￣ミヽ､)）_＿￣｀丶、
　　（／/⌒Ｙ:.:.:.:.:} }:.:｀￣｀ヽＹ::┘:.:.:｀Ｙ-‐勹^ヽこ二ｰ-く　￣∧｀ヽヽ＼
　／ ,.ｲ_:_:__L二彡′.:f⌒ヽ､|:.:.:.:.:｀┌':.:.:.:.:）:.:.:.〉　jう＞'′　 |l | ヽ }　丶ヽ
/　{ {_ﾉr冖7弋´:.:.:.:.:.ノ:.:.:.:./:' .:.:.:.:.:丿/⌒´:｀ｰ':‐:'´￣｀ヽr‐r:ﾍ/-‐'′　ﾉ丿
｀ヽ＞:┴く　了⌒:＾´.:ヽ:.:.:′:.:.:.;∠:_八ヽ.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.‐-:.′）⌒ﾝr1ｧ_彡'
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　ﾊー:-ﾆ_￣ -―‐-､｀丶､:.:.:.厶-―- ､:.:.:.:.ｌ:.:.:.:.:.:.∠-‐う::.::.: | ｰく＿_　　丶ヽ＼＼
（　ヽ､_:_:_:｀￣＞'´￣了ヽ ∨⌒じ廴_/　ﾝ‐'ー―个ｘ__ﾉ::.::.::_ﾉr'二二、ヽ、　）　）　 !　|
　＼　rｰ┤:.:（:.:.:.:.,:.:'´:.:.:/:＼ヽ､ィ＾アLん'＾丶､几ﾊﾉ　｀,二-┘r‐- ､　、ヽ＜＿ノ丿
＼　ヽ!::rく｀丶､:_/:.:.:.:.:.;' ;:ィＴ丶ﾚ'′　冫rﾍノ、､＼ /　｀丶､｀丶､｀丶ヽ＼ー‐ '′
＼丶 ∨ ハ:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.{/:.ﾉ/ ,イ｀ヽ、／しﾀ、__ 〉、ヽ_r七ニ＝x｀ヽ､ハ＿〉丶､｀ー=彳
_ _＞ｰ匕　ヽ､:.:.:.:.:.:.:.:.厂才:ｉ　ヽ､／　　/＾ｰ'⌒{（＾´ ＞‐r＝'′｀ヽ､ _厂｀丶､＿＞'′
＿彡イ　｀てィ｀ｰ― '´∨〈 :|　　/,′　/　　　丶=キ‐r┘
　/　/ ,　'´∠二、r仁￣｀ﾌ:└fO}^ヽ､/　　　　　ﾉ} 　ヽ＼
く　　!/ / ´ ￣）／　｝!⌒ﾊ::.::｀「ヽ､/　　　　　｛（　　　 l　}
　丶{し′　r‐' 厶ヽノ人ノ∧::.:::|　　ﾄｰ- ､　　ヽ､_＿ノノ
　　　　　　｀￣￣〉r=ミ＜　ｰ人　rﾍ丶､　>　　｀￣´
　　　　　　　　　｛ {　　｀ヽ＼〈::.::.:｀ｰ!｀⌒´
　　　　　　　　　　ヽ＝==仆　 } ヽ､_:ノこヽ
　　　　　　　　　　　　廴ノ八（_＿　　　　）ﾚ',二ヽ、
　　　　　　　　　　　　｀￣　｀ー＝＝=彡'´ 　廴)）

┌─────────────────────────────┐
│　　だが、現実の歴史と違っていたからといって、どうだというのか。　 │
│　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 │
│　　少なくとも、僕がグラスハウスでアリスと過ごした日々は、　　　　　　│
│　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 │
│　　僕にとって現実と同じくらいリアルだったのだ。　　　　　　　　　　　　 │
│　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 │
│　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 │
│　　それどころか、この現実よりもずっとまともだった。　　　　　　　　　 │
└─────────────────────────────┘

823 名前：名無しのやる夫だお[sage] 投稿日：2011/04/11(月) 01:13:22 ID:vtRoN4q.

／ || || || ,／ .|| |;　:　"　;　 : 　 ;:ﾞ:　;": :; 　;　 : 　 ;:ﾞ:　;";ﾞ|; ; :: 　: :;:　;": :"#
| |l || ||,／|| || || |; ::ﾞ .:;　 : 　 ;:ﾞ: :; ; ;　 : 　 ;:ﾞ:　;": :; 　ﾞ;　 |:　: 　;; |＼　::　ﾞ::
| |l ||,／|| || || || |　;　 : 　 ;:ﾞ:#　;": :; 　;　 : 　 ;:ﾞ:　;": :; 　 |　::　　 | ||.＼ ; ;"
| |l／.|| || || || || |;　:　"　;　 : 　 ;:ﾞ:　;": :; 　;　 : 　 ;:ﾞ:　;"ﾞ;|　;; "　.| || || ＼ ;
／..|| || || || || || |　;;:　;　 : 　 ;:ﾞ:　;": :; 　;　 : 　 ;:ﾞ:　;": :; ﾞ|;; ;　ﾞ　＼ || || |
| || || || || || || || |; ::ﾞ .:;　 : 　 ;:ﾞ: :; ; ;　 : 　 ;:ﾞ:　;": :; 　ﾞ;　 |: :　; ; ":　＼.|| |;
| || || || || || || || |;　 : 　 ;:ﾞ:　;": :;:　;": :; 　;　;:: .: 　"　;; ﾞ:::|　::　;　::;　.; ﾞ＼! :
| || || || |ﾚ|| || || |　;　 : 　 ;:ﾞ:　;": :; 　;　 : 　 ;:ﾞ:　;": :; 　# |;;";;ﾞ　;;　"　::　;　::
| || || |ﾚ|ﾚ|| || || |　;;:　;　 : 　 ;:ﾞ:　;": :; 　;　 : 　 ;:ﾞ:　;": :; ﾞ|　::　;: :;:　;": :;　; ;
| || |ﾚ|ﾚ||_|| || || |;;　:　 " ;　 : 　 ;:ﾞ:　;": :; 　;　 : ": :; 　ﾞ;　|:: :;:　　::　;
| |ﾚ|ﾚ||_|| || || || |　;;:　;　,; 　 ;:ﾞ:　;": :; 　;　 : 　 ;　;": :; 　 | : :;:　;": :
ﾚ|ﾚ||_|| || || || ||　￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣＼　 :　;": :;
ﾚ||_|| || || || ||　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　＼: :;:　;　;; ":
|_|| || || || ||　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　＼: :;:: :; 　;

＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿__./
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::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::|

┌───────────────────────────────┐
│　　今、現実の僕は出頭を拒否したために、逮捕されて留置場にいる。　　 │
│　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 │
│　　明日には強制的に記憶を消されることになっている。　　　　　　　　　　 │
└───────────────────────────────┘

824 名前：名無しのやる夫だお[sage] 投稿日：2011/04/11(月) 01:13:36 ID:vtRoN4q.

　　　　　　　　　　　／￣￣＼
　　　　　　　　　　／　　 _ノ　　＼
　　　　　　　　　　|　　　（ ⌒）（⌒）
　　　　　　　　　　|　　　　（__人__）　　　ご安心ください。あなたの脳の中から消去するのは
　　　　　　　　 |　　　　　｀ ⌒´ﾉ
　　　　　　　　 |　　　　　　　 }　　　違法な画象だけです。最新の画像認識ソフトは
　　　　　　　　ヽ　　　　　　 }
　　　　　　　　　　　ヽ､.,＿＿ __ノ　　　　99．8パーセントの精度で、裸の子どもの画象を検索し、
　　　_, ､ -― ''"::l:::::::＼ｰ-..,ノ,､.ﾞ,i ､
　　/;;;;;;::ﾞ:':､::::::::::::|＿:::;､>､_　l|||||ﾞ!:ﾞ､-､_　　　　　抽出できます。それ以外の記憶には手をつけませんから、
　丿;;;;;;;;;;;:::::i::::::::::::::／:::::::＼ﾞ'' ﾞ||i l＼>::::ﾞ'ｰ､
. i;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;|::::::::::::::＼::::::::::＼ .||||i|::::ヽ::::::|:::!　　生活に全く支障はありません。
/;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;!:::::::::::::::::::＼:::::::::ヽ|||||:::::/::::::::i:::|
;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;|;;;;:::::::::::::::::::::::＼:::::ﾞ､|||:::/::::::::::|:::

　　／￣￣＼
　／　　 _⌒　＼
　|　　　（●）（●）
.　|　　 ⌒（__人__）　　　処置が終わればすぐに釈放されますよ。
　 |　　　　 |r┬| .}
.　 |　　　　ｰ―' }　　　よく考えてみてください、そんな画像がなくなったからって、
.　ヽ　　　　　 }
　　ヽ　　　　ノ　　　　どうって事ないじゃないですか。

825 名前：名無しのやる夫だお[sage] 投稿日：2011/04/11(月) 01:13:52 ID:vtRoN4q. [52/60]

　　　　　　　　L　　　.::::::::::::::: '　　　　　　　　　　　　　　　　　(_,-､ |:::ヽ　＼　　　　　イ_
　　　　　　　　 {　　　　:::::::::::/ /　　　　　　　　　　　　　　　　　　ノハ:::::V　ﾉー.､　　　__ ﾉ
　　　　　　　　　つ　　　 , ' /　　　　　　　　　　　　　　　　ｰ､|:::::::V　/　|　　　(__
　　　　　　　　rへ　　　　,'　/ ./　 .//　　　, 　　　'　　　　　　　rｰ Y::::::::|/　V　　　_ ﾉ
　　　　　　　　ﾚイ　　 /　'　,　　/　　　' 　　　 '　　　　　　　　　`ー|::::::::|　:/　　　(__
　　　　　　　／1|ﾄ､　　.' ./　ﾊ　 ,　 '　　/.　　　　|　　 |　 | |　　γｰ '´!:::::: | /　　　　　/
　　　　　 /　∧|ゝ　　! /　/　　'　l!　　.'l!'　　|!　,|　　 |.　| |!　　`ーt |:::::: ﾚ　　　　_ノ
.　　　　/　/ 　|!(_.　 l | 　! |　l!　.|!　|　|l!　|　|　|!l　|!　|　| |!　|! i rーV:::::: |　　　　ハヽ
　　　　ｲ　,'　 ∧ ﾊ__ | l |!l! | !‐!-ﾊ､ |　|l!　|　|! :|||: |!　|　| |!　|,　ゝｰ|::::::: |　　r__'Yヽ//
　　　 /::l　'　./　|::| /ヽ从1ﾘ|!､,≡l!|ヽY |l|　|　l!! |_j__|ﾊj | l |!　|　r､ﾉ ,::::::::, 　　__ノ l　V
　　./::://　/　 ,|::ﾚ　　　ゞYヽｲf::::::::ﾞヾ ' lゞ|,ハ! |!ﾊﾉ|j!''T!十 -　ｰ,ノ:: ／_　ﾉ /ｲl |
　　　ヽ ,　/! 　ﾉ::|　　　ｲﾊ　.ゝ-ﾍﾉ　　　　　　,.ﾒ≡!ヾﾒイ!　'rｰ'___／r､j　Y /∧:|.|
　　　 / 　' !　　Y/　　/ |　.!}`r　￣　　　　　　　　i､::_::rﾊヾ|!ノ{γfヽ!フ　/ 　〃　＼
　　 ./　/　!　 // 　 /　ﾊ　|}　! ',　　　　　　　ゝ- '　/　ｲﾊゝゞﾝ ′ '　|./!| 　 | |! ＼
　　/　/ 　!　// 　 /　/ | .!} i　!　t.　　　｀　　　　　　　'　　 /　／　　　|　/::ｲ' 　 | |!　l::!
.　/　/　 ,.' // 　 /　/　 l/| '　}　ゝ､　 `　ー　　　　 /　　,/¨´　　　　|　!: |　　 | |' ﾉ::!
　'　/ 　/ //'　 ,.'　, ' 　,.l', ､丶ヽ　　　＼　　　　　　.イ　 / 　　　　　| ||:::|　ヾ　　!`V
　 /　 ,' ,／/　/ イ　／l| |＼　　　　　　ゝ　-__.'ﾆ/　　　'､＿.　　　　|!|ヾﾊ　 ' ､ゝ
　'　　/´　/　' ／ .／ , '|| | /＼__　　　　　}V三]／　　ｲ |三三./ 　　　　l!|　　 ',. 　＼＼
　　 /　　/..∠　／　三 '| |/::::::r-}二二_　,'ﾊ: ／／, '/|! | 三../　　　　　li|　　　ヽ　　＼＼

┌──────────────────────────────────────┐
│　　彼らは何も分かっていない。たとえ『アリス』マニアの僕が生んだ空想に過ぎなくても、　　 │
│　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 │
│　　アリスは実在の人間と同じくらい大切な人だということを。　　　　　　　　　　　　　　　　　　 │
│　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 │
│　　彼女を消し去るのは一種の殺人だということを。　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 │
└──────────────────────────────────────┘

826 名前：名無しのやる夫だお[sage] 投稿日：2011/04/11(月) 01:14:27 ID:vtRoN4q.

　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　__＿＿＿＿＿＿_
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　／´ 　　　　　　　｀＼
　　　　　　　　　　　　　　　　／　　　　　｀｀゛'‐- ,_ 　　　　 ,.ィ
　　　　　　　　　　　　／　　　　　､　　　｀＼ル /　＼
　　　　　　　　　　／　　　　　　ｏ（｀゛ｰ-､）　　　（,ィ´ jo｡
　　　　　　　　　　　　　／　　　　　°　ｏ　.Ｊ`´⌒゛彡　　　　　　ﾞ´⌒＼°　　　　（誰か……！
　　　　　　　　／　　　　　　　　　　° 　　　（　　　　　　 } 　　ﾊ
　　　　　　　／　　　　　　　　 °o　　　　/⌒乂,,＿＿_ ,.ノ､＿ ,ノ＼　　　　アリスを助けてくれお――！）
　　　　　　　　　 i　　　　　　　　　　　　　　 {　　　　　 ,､(V,-|　　　　l
　　　　　　　　　 |　　　　　　　　　　　　　 V　　　　　　　 | 　　　|
　　　　　　　　　　l　　　　　　　　　　　　　　　　 V´⌒ ＼　　　 |ﾟ　　　　l
　　　　　　　　',　　　　　　　　　　　　　　　　　　 V 　　＼　　.!　　　.／
　　　　　　　　　　＼　　　　　　　　　　　　　　　　 V　　　 } 　 .|　　／
　　　　　　　　　　　　＼　　　　　　　　　　　　　　　　｀ー--┴－´ ／
　　　　　　　　　　＞- _＿_ 　　　　　　　　　　,, ,,,,,＿_､ゝ／
　　　　　　　　　／´￣　　￣｀＼　　　　　　　　　　　　／＼
　　　　　　　／　　　　　　　　　＼　　　　 ''' ‐､-─一 ´　　ﾊ
　　　　　　　　／　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　ﾊ
　　　　　　　/　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　ﾊ
.　　　　　 {　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　ﾊ
. 　　　　ｌ　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　ﾊ
　　　　　　ヽ

┌───────────────────────────┐
│　　しかし、僕の訴えは彼らの耳には届かない。　　　　　　　　　　 │
│　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 │
│　　彼らにとって空想などというものは一片の価値もないのだ。　 │
└───────────────────────────┘

827 名前：名無しのやる夫だお[sage] 投稿日：2011/04/11(月) 01:14:38 ID:vtRoN4q. [54/60]

＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿__./
:::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::..::..:|
::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::|
::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::;;;;;;;;;;;;;;;;;;;:::::::::::::|
:::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::／　　　　＼: . :::|
::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::;ノ　　ヽ､_　　 .ヽ.:: |
::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::;oﾟ（●）) (（ ●）)ﾟo　ヽ|
:::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::| （__人__）'　　　　　 i:|
::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::＼_｀⌒´　　　 .⌒ゞ'´|
:::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::~'/⌒/⌒/　/ 　|::|
::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::（つ/＿/　/＼ .|::|
:::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::（＿＿＿_/　　ヽ:|
:::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::: /　 / 　/　＼　 ._ﾉ|
:::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::(_＿(_＿_）::￣::::::::::::|
::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::|

┌───────────────────────────┐
│　　僕は留置所の片隅にうずくまり、絶望にすすり泣きながら、　 │
│　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 │
│　　頭の中でなんどもリピートしている。　　　　　　　　　　　　　　　 │
└───────────────────────────┘

828 名前：名無しのやる夫だお[sage] 投稿日：2011/04/11(月) 01:14:52 ID:vtRoN4q.

　　　　　　　　L　　　.::::::::::::::: '　　　　　　　　　　　　　　　　　(_,-､ |:::ヽ　＼　　　　　イ_
　　　　　　　　 {　　　　:::::::::::/ /　　　　　　　　　　　　　　　　　　ノハ:::::V　ﾉー.､　　　__ ﾉ
　　　　　　　　　つ　　　 , ' /　　　　　　　　　　　　　　　　ｰ､|:::::::V　/　|　　　(__
　　　　　　　　rへ　　　　,'　/ ./　 .//　　　, 　　　'　　　　　　　rｰ Y::::::::|/　V　　　_ ﾉ
　　　　　　　　ﾚイ　　 /　'　,　　/　　　' 　　　 '　　　　　　　　　`ー|::::::::|　:/　　　(__
　　　　　　　／1|ﾄ､　　.' ./　ﾊ　 ,　 '　　/.　　　　|　　 |　 | |　　γｰ '´!:::::: | /　　　　　/
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　.'l!'　　|!　,|　　 |.　| |!　　`ーt |:::::: ﾚ　　　　_ノ
.　　　　/　/ 　|!(_.　 l | 　! |　l!　.|!　|　|l!　|　|　|!l　|!　|　| |!　|! i rーV:::::: |　　　　ハヽ
　　　　ｲ　,'　 ∧ ﾊ__ | l |!l! | !‐!-ﾊ､ |　|l!　|　|! :|||: |!　|
　　　 /::l　'　./　|::| /ヽ从1ﾘ|!､,≡l!|ヽY |l|　|　l!! |_j__|ﾊj | l |!　|　r､ﾉ ,::::::::, 　　__ノ l　V
　　./::://　/　 ,|::ﾚ　　　ゞYヽｲf::::::::ﾞヾ ' lゞ|,ハ! |!ﾊﾉ|j!''T!十 -　ｰ,ノ:: ／_　ﾉ /ｲl |
　　　　　　　　　　　　　ｲﾊ　.ゝ-ﾍﾉ　　　　　　,.ﾒ≡!ヾﾒイ!　'rｰ'___／r､j　Y /∧:|.|
　　　 / 　' !　　Y/　　/ |　.!}`r　￣　　　　　　　　i､::_::rﾊヾ|!ノ{γfヽ!フ　/ 　〃　＼
　　 ./　/　!　 // 　 /　ﾊ　|}　! ',　　　　　　　ゝ- '
　　/　/ 　!　// 　 /　/ | .!} i　!　t.　　　｀　　　　　　　'　　 /　／　　　|　/::ｲ' 　 | |!　l::!
.　/　/　 ,.' // 　 /　/　 l/| '　}　ゝ､　 `　ー　　　　 /　　,/¨´　　　　|　!: |　　 | |' ﾉ::!
　'　　　　　　　　　　 ' 　,.l', ､丶ヽ　　　＼　　　　　　.イ　 / 　　　　　| ||:::|　ヾ　　!`V
　 /　 ,' ,／/　/ イ　／l| |＼　　　　　　ゝ　-__.'ﾆ/　　　'､＿
　'　　/´　/　' ／ .／ , '|| | /＼__　　　　　}V三]／　　ｲ |三三./ 　　　　l!|　　 ',. 　＼＼
　　 /　　/..∠　／　三 '| |/::::::r-}二二_　,'ﾊ: ／／, '/|! | 三../　　　　　li|　　　ヽ　　＼＼

┌────────────────────────────────┐
│　　グラスハウスでの逢瀬を。カメラの前で静止したアリスの美しい裸身を。　 │
└────────────────────────────────┘

829 名前：名無しのやる夫だお[sage] 投稿日：2011/04/11(月) 01:15:03 ID:vtRoN4q.

　　　　　　　　L　　　.::::::::::::::: '　　　　　　　　　　　　　　　　　(_,-､ |:::ヽ　＼　　　　　イ_
　　　　　　　　 {　　　　:::::::::::/ /　　　　　　　　　　　　　　　　　　ノハ:::::V　ﾉー.､　　　__ ﾉ
　　　　　　　　　つ　　　 , ' /　　　　　　　　　　　　　　　　ｰ､|:::::::V　/　|　　　(__
　　　　　　　　rへ　　　　,'　/ ./　 .//　　　, 　　　'
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　' 　　　 '　　　　　　　　　`ー|::::::::|　:/　　　(__
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　/.　　　　|　　 |　 | |　　γｰ '´!:::::: | /　　　　　/
　　　　　 /　∧|ゝ　　! /　/　　'　l!　　.'l!'　　|!　,|　　 |.　| |!　　`ーt |:::::: ﾚ　　　　_ノ
.　　　　/　/ 　|!(_.　 l | 　! |　l!　.|!　|　|l!　|
　　　　ｲ　,'　 ∧ ﾊ__ | l |!l　　　　　　　　　　　　　: |!　|　| |!　|,　ゝｰ|::::::: |　　r__'Yヽ//
　　　 /::l　'　./　|::| /ヽ从1ﾘ|!､,≡l!|ヽY |l|　|　l!! |_j__|ﾊj | l |!　|　r､ﾉ ,::::::::, 　　__ノ l　V
　　./::://　/　 ,|::ﾚ　　　ゞYヽｲf::::::::ﾞヾ ' lゞ|,ハ! |!
　　　　　　　　　　　　　　　　　.ゝ-ﾍﾉ　　　　　　,.ﾒ
　　　　　　　　　　　　　　　.!}`r　￣　　　　　　　　i､::_::rﾊヾ|!ノ{γfヽ!フ　/ 　〃　＼
　　 .　　　　　　　　　　　　|　　　　　　　　　　ゝ- '　/
　　　　　　　　　　　　　　　!} i　　　　　　　　　　　　　　'　　 /　／　　　|　/::ｲ' 　 | |!　l::!
.　　　　　　　　　　　　　　　| '　}　ゝ､　 `　ー　　　　 /　　,/¨´　　　　|　!: |　　 | |' ﾉ::!
　　　　　　　　　　　　　　､丶ヽ　　　＼
　 /　 ,' ,／/　/ イ　／l| |＼　　　　　　ゝ
　'　　/´　/　' ／ .／ , '|| | /＼__　　　　　}V三]／　　ｲ |三三./ 　　　　l!|　　 ',. 　＼＼
　　 /　　/..∠　／　三 '| |/::::::r-}二二_　,'ﾊ: ／／, '/|! | 三../　　　　　li|　　　ヽ　　＼＼

┌─────────────────────────────┐
│　　屋根の上で風に翻る金色の髪を。彼女の愛らしい微笑みを――　 │
└─────────────────────────────┘

830 名前：名無しのやる夫だお[sage] 投稿日：2011/04/11(月) 01:16:21 ID:vtRoN4q. [57/60]

　　　　　　　　L　　　.::::::::::::::: '　　　　　　　　　　　　　　　　　(_,-､ |:::ヽ　＼　　　　　イ_
　　　　　　　　 {　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　ノハ　　　ﾉー.､　　　__ ﾉ
　　　　　　　　　つ　　　 , ' /　　　　　　　　　　　　　　　　ｰ､|:::::::
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　'　　　　　　　rｰ Y:::
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　`ー　　　　　　　　(__
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 |　 | |　　γｰ '´!::::
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 |.　| |!　　`ーt |:::::
.　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　|!　|
　　　　ｲ　,'　　　　　　　|!l! | !‐!-ﾊ､ |　　　　　　　　　　　| |!　|,　ゝ　　　　　　　_'Yヽ//
　　　/　　　　　　　　　从1ﾘ|!､,≡l!|　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　__ノ l　V
　　./::://　/　 ,|::ﾚ　　　ゞYヽｲf::::::::ﾞヾ ' lゞ　　　　　　　　
　　　　　　　　　　　　　　　　　 .ゝ-ﾍﾉ　　　　　　,.ﾒ
　　　　　　　　　　　　　　　　`r　￣　　　　　　
　　 .　　　　　　　　　　　　　　! ',
　　　　　　　　　　　　　　　　　!　t.　　　｀　　　　　　　'　　 /　／　　　|　/::ｲ' 　 | |!　l::!
.　　　　　　　　　　　　　　　　　　ゝ､　 `　ー
　'　　　　　　　　　　　　　　丶ヽ　　　＼
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　ゝ
　'　　/´　　　　　　　　　　| /＼__　　　　　}V三]／　　ｲ |三三./ 　　　　l!|　　 ',. 　＼＼
　　 /　　　　　　　　　　　|/::::::r-}二二_　,'　　　　　　　! | 三../

┌───────────────────────────────┐
│　　間もなく永久に失われてしまう、シャボン玉のようにはかない記憶を。　 │
└───────────────────────────────┘

831 名前：名無しのやる夫だお[sage] 投稿日：2011/04/11(月) 01:16:39 ID:vtRoN4q.

.

　　　　　　　　　　　　　　　　　ｲf::::::::ﾞヾ
　　　　　　　　　　　　　　　　　.ゝ-ﾍﾉ
　　　　　　　　　　　　　　　　　。￣

┌───────────────────┐
│　　ごめんよ、アリス。僕は君を守れない。　　 │
└───────────────────┘

832 名前：名無しのやる夫だお[sage] 投稿日：2011/04/11(月) 01:16:51 ID:vtRoN4q.

┏┓　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 ┏┓
┗╋━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━╋┛
┏╋────────────────────────────╋┓
┃｜　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　｜┃
┃｜　　　　　　　　　　　　ア　リ　ス　へ　の　決　別　　　　　　　　　　　｜┃
┃｜　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　｜┃
┗╋────────────────────────────╋┛
┏╋━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━╋┓
┗┛　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 ┗┛

　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　【原作：山本弘『アリスへの決別』】

.

833 名前：名無しのやる夫だお[sage] 投稿日：2011/04/11(月) 01:18:34 ID:vtRoN4q.

終わり。露骨に風刺的すぎて山本弘作品の中では
それほど好きな方ではないんですが、
この落とし所はさすがですね。
今日投下せな、と思って急いで作りました。

834 名前：名無しのやる夫だお[sage] 投稿日：2011/04/11(月) 01:19:17 ID:YY58C6xc

たしかに、発表するなら今だな

乙

835 名前：名無しのやる夫だお[sage] 投稿日：2011/04/11(月) 01:21:21 ID:Xr0rG5Fg

乙

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■御感想or寝言

19303 名前：無関係な名無しさん [] 投稿日：2011/04/12(火) 05:34:21 ID:-

露骨で極端すぎる感じ
あの条例反対の自分から見てもうわぁってなる
反対派以外が見たらむしろ嫌悪感増すだけな気が

19304 名前：無関係な名無しさん [] 投稿日：2011/04/12(火) 05:37:56 ID:-

空想や記憶まで奪われるのは嫌だな…意味の見えない規制は、弾圧に早変わりするから怖い

19306 名前：名無しさん [] 投稿日：2011/04/12(火) 08:33:32 ID:-

子供を味方につけようとしてるとこがやらしいよね
山本氏の作品は主張が強く出すぎてていかん
アリスが全くニュートラルな立場で意見してる作品だったらもうちょっと説得力あったかも

19308 名前：無関係な名無しさん [] 投稿日：2011/04/12(火) 10:02:35 ID:-

遅かれ早かれこうなるだろうね
>>※１みたいな考え方は甘い

19309 名前：無関係な名無しさん [] 投稿日：2011/04/12(火) 10:13:29 ID:QQ9QZgZM

現実でそうなってしまってからでは遅く
そうなる前に動かなければそうなってしまう

そんな話。

いろんなものに対して言える話

19314 名前：無関係な名無しさん [] 投稿日：2011/04/12(火) 12:28:40 ID:-

#17106
世間知らずは黙っててください

19315 名前：無関係な名無しさん [] 投稿日：2011/04/12(火) 12:37:26 ID:-

#17106
何でみんなこの話聞いても平然としているか知ってる？
危機感や知識が足りないんじゃなくてお前みたいなみっともない根性なしじゃないだけなんだよ

19332 名前：無関係な名無しさん [] 投稿日：2011/04/12(火) 21:10:03 ID:-

日本にはプライバシーの侵害云々言うやつも多いからここまでなるまい。
が、ロリはこれからも規制されてくだろうな

19344 名前：無関係な名無しさん [] 投稿日：2011/04/13(水) 02:18:32 ID:-

条例とか特に意識しなかったが
単純に内心の自由を奪われた悲しさを描いてるだけじゃね？
皮肉も込められてるだろうけど、過敏になり過ぎだよ

19346 名前：無関係な名無しさん [] 投稿日：2011/04/13(水) 06:48:38 ID:-

※17113
ミッドウェーがどうでもフクシマがああでも、意外とみんな平静だったりするからねぇ…

19354 名前：無関係な名無しさん [] 投稿日：2011/04/14(木) 02:58:19 ID:-

#17106
達観して世の中よく見て理解してるつもりの邪気眼乙。実際はただの世の中に拗ねて斜めに見てるだけの餓鬼。
醒めた振りしても大人になんかなれないよ～（ｂｙ　two-mix)てか。

19374 名前：無関係な名無しさん [] 投稿日：2011/04/15(金) 11:29:34 ID:-

確かに「実際にここまでの事になるか」
というのは疑問も多い
そうなった状態がいかに不便で無意味で無駄の多い社会であるか
ちゃんと判断できる良識的な人も世の中には多いからだ

だが、「本当にここまでするべきだ」とか
本気で唱えている人も同様に、世の中に多い
なにより、実は既に人類はそういう時代と地域を過去に
「実現」させていたという歴史的事実がある
心に思うだけで罪だったし
死後に地獄に落ちると勧告されなければならなかった
人々は理性的で戒律に忠実であるべきと強要されていた
そしてその一部が現代でも残っている
どこの何のこととは言わないが、某宗教のことだよ

この先もまたそんな時代が来ないとは限らない
絶対に来ないと思っている人は、勉強と思慮が少しばかり足りない

19387 名前：無関係な名無しさん [] 投稿日：2011/04/16(土) 02:16:25 ID:-

言い方は悪いが、ロリだから規制しようと言う人は、黒人に人権はないと言った時代から進化していないと言える
例え消したほうが世のためになるとしても、罪人や障碍者も一人の人間であることを忘れてはならない
その罪が刷り込みに過ぎないならなおさらだ

19917 名前：無関係な名無しさん [] 投稿日：2011/05/28(土) 02:47:09 ID:-

こんな事態になるってことは立憲主義が影も形もないってことで、
そんなところに近代立憲主義の価値観持ち込んでどうするの

19954 名前：無関係な名無しさん [] 投稿日：2011/05/29(日) 19:47:39 ID:-

地上で核反応が起きて死の灰が降ろうが、平然としている人はしている。
そして恐れおののき逃げ惑う人をあざ笑う。

そういう人は往々にして、思考を放棄することと思慮深さとの区別がついていない。

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