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■2009/03/31(火) やる夫のショート・ショート Author: Saki Title: The Mouse

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お奨め度やる夫 翠星石


1 名前:以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします[] 投稿日:2009/03/28(土) 20:47:49.81 ID:e6eGXqko
やる夫で、短編小説をやりたいと思います。
1回目は英国短編小説界の鬼才(と1は思う)、サキです。
本日2作投下予定です。
共に50レス前後です。よろしくお願いします。






【 作者:サキ  邦題:ハツカネズミ】

※スミマセン、かなり改変しました。
 今回の話は、原作者サキ、原作レイパー1です



1
         ____
       /      \
      / ─    ─ \    ひとつ小話をさせてください。
    /   (●)  (●)  \   私が生きてきた中でもっとも
    |      (__人__)     |   恥をかいた出来事についてです。
     \    ` ⌒´    ,/ 
     /⌒ヽ   ー‐    ィヽ
    /      ,⊆ニ_ヽ、  |
   /    / r─--⊃、  |
   | ヽ,.イ   `二ニニうヽ. |






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         ____
       /      \
      / ─    ─ \   なぜそんなことを話すのかって?
    /   (●)  (─)  \  
    |      (__人__)     |  なぜでしょう・・・退屈だからでしょうか。  
     \    ` ⌒´    ,/ 
     /⌒ヽ   ー‐    ィヽ
    /      ,⊆ニ_ヽ、  |
   /    / r─--⊃、  |
   | ヽ,.イ   `二ニニうヽ. |



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            ____
          /      \
         /  ─    ─\
       /    (●)  (●) \     あなたもご存知だと思いますが、
       |       (__人__)    |     私の父は田舎の村のちょっとした名士でした。
        \      ` ⌒´   ,/
        /⌒ヽ   ー‐    ィヽ_
        /  、     、  〆ヾ ̄ `i
      /  /      ゙  lヾ_ ,|ヽ─ヘ
      /  /l         `、´/     ヽ
     /  / ヽ  ,____   `  ,ヽ  ヽ
   -─ヽ イ_ ヽ /     ̄ ̄ ̄ ̄`ヽ Y   ゝ‐-、
  ( _i _i_ト、__)  ヽ、___⊥____ノ 「___ノ



4

            ____
          /      \
         / ─    ─ \
       /   (●)  (●)  \     私が確か12歳。    
       |      (__人__)     |     父の跡を継ぐために、勉強だといって、
        \    ` ⌒´    ,/      汽車で数時間の隣町の叔父に預けられてすぐのことでした。
        /⌒ヽ   ー‐    ィヽ_     
        /  、     、  〆ヾ ̄ `i   …父が鬼籍に入ったという電報を受け取ったのは。
      /  /      ゙  lヾ_ ,|ヽ─ヘ
      /  /l         `、´/     ヽ
     /  / ヽ  ,____   `  ,ヽ  ヽ
   -─ヽ イ_ ヽ /     ̄ ̄ ̄ ̄`ヽ Y   ゝ‐-、
  ( _i _i_ト、__)  ヽ、___⊥____ノ 「___ノ




5
     ____
   /      \ ( ;;;;(
  /  _ノ  ヽ__\) ;;;;)
/    (─)  (─ /;;/ 吸っても平気ですか?・・・
|       (__人__) l;;,´  ・・・ありがとうございます。
/      ∩ ノ)━・'/
(  \ / _ノ´.|  |  そうですね、もちろん悲しいという気持ちもありました。
.\  "  /__|  |  でも葬式のためとはいえ、自分の家に帰れると思うと嬉しくもありました。
  \ /___ /




6

         ____
       /      \
      / ─    ─ \  道中は一人かって? 
    /   (●)  (●)  \ いえ、父に買ってもらった一匹の   
    |      (__人__)     | ハツカネズミがおりました。  
     \    ` ⌒´    ,/ 
     /⌒ヽ   ー‐    ィヽ  籠に入れ、汽車内にも持ち込んでいました。
    /      ,⊆ニ_ヽ、  |
   /    / r─--⊃、  |
   | ヽ,.イ   `二ニニうヽ. |



7
         ____
       /      \
      / ─    ─ \  父の知らせを受けた次の週末に汽車の切符を手に入れました。
    /   (─)  (─)  \ もちろん一番安い、足も満足に伸ばせないボックス席です。
    |      (__人__)     |  
     \    ` ⌒´    ,/ そこに私と一回りも違わない、二十歳まえでしょう、
     /⌒ヽ   ー‐    ィヽ  とても綺麗な女性が先客として私の向かいの席に座っていました。
    /      ,⊆ニ_ヽ、  |
   /    / r─--⊃、  |
   | ヽ,.イ   `二ニニうヽ. |



8
       
       |--―- 、 ──ボックス席への扉を開けると彼女はチラッとこちらを見て、
       |--―‐- 、\  また目線を戻しました。
       |--― -、 ヽ ヽ 子供ながらに、一目ぼれに近い感情を抱いたのを覚えています。
       |/.: :: :: ::イ::\. l ヘ、 少女が大人になる、あの時期にしかない独特の幼さと、
       |_,:/.:/!:: :: | |_/  憂いを帯びていました。
       |ミ:イ/ ーl‐:|::l |:l    荷台にある荷物を見ると、ずいぶん遠い所から、
       |ソ   イ::ツV:/ l::|    私の実家方面に向かっているのが伺えました──
       |'' 。 `∠:イ |::l
       |>--r:: '´:: l {::l
       |_\/` ー、| l::l
       | ,小`ヽ /' l| l::|
       |/il|└' /  lL」::l
     r―i:|.__/  |:: :: :i
      T ∨::〈 r、 」:: :: ::i
       ト、ノフ ̄l寸]:: :: :: ::',
       |¨´ト、__ノ |、:: :: :: ::ヽ



9

                /    rー‐く ̄ ̄ ̄ゝ-、
              /    ノ  ― ヽ ̄___ヽ\_
             /    /ヽ / _ァー'  ̄/   ⌒\_ヽ
           / ::: :  r'  〆 ソ    /        i \ ──ペコッと会釈をして、自分の座席に着きました。
         /  ::: : .::::/   /    /      /     i  ヽ  彼女の不安げな顔を数十年たった今でも
         ー=ニニ>:::/ v/, /::    /      ./   / / i.   `,  はっきりと覚えています──
             |V "ァ‐/:::    /:     .:/ .:/イ ./:  i::   i l  
             .l ::) i |::::   i /::......:::::::/ ::/ / /: //:i:: i i: l
             l :(   |:::: :i :i L フニニ=ー‐‐''フ// / ハ:i: :i i i
            l :ノ 、i , l::::: i | :| ヽーr‐‐=マ ´ / / >く. |: i: i リ
            .l i:)ト‐ ‐ ヽ::::. i l :l   にんソ  ///ハュ、_> / ノ
            l i i(  小  ヽ:::::i l ヽ ハヾ.ー' / " ノ,にア/:/:/ 
            l i i )     へ::ヘ    〃      i.  ̄{//|    
           l :i i.(     ハ \.__         "  イi  l  
           l:i i .).ヽi ィ )::| \      =‐'  // i:  l   
          l :i .:i .:( 小  (::」   ` ‐ 、_   _, イ  イ::  i:  l  
          .l i ::i ::::}    ハ|   _. - 亠 く / ハ .ノ::i:::.  i:. l  
          l:i :::i .::::/    }へ>く _     /  ./::::::::i::  i: l   
         i .::::レイ  /  /  /〉‐〈  \  .{ ノ `ヽへ _ i:. l



10

`゚  '  `    .;゙
`.: ~     '、・。
 .'。:・ 。 '、 、。'`
   ・`,   .`
    .: ・`   ──汽車は白い煙を上げ、悠々と
    ;゙。 ;      線路を進みました。
    [ ̄ ̄ ̄]   父の知らせを聞いてから、
    | ̄ ̄|   もちろん私は涙しました。
   / ̄ ̄ ̄ ̄\ 前日の夜も泣いた記憶があります。
  /  [D51]   \ 泣き疲れていたんでしょう。
 |(●),  、(●)  | 私は心地よい汽車の揺れに身を任せ、
 | ,ノ(、_,)ヽ    | 眠りに落ちました──
 |  `-=ニ=- '   |
  \        /
  |\____/|
  ┃E\   /E┃
  皿@皿皿皿皿皿@皿
  !_!    !_!



11

            __,.--_-_- .__
          _∠/ _v__`¨´ _vv_ヽ.__ ¨' -._
         ,ィ´r_  イハ`_,、__ ハハ   _`ヽ.  ¨ ‐--ォ
       ,ィ´ ´ハ ,ノ ̄ ̄´    ̄ ̄ヽ、フヘ' ヽ.__    |
.      /ヘア´ ̄|.:.:.:.:.:.!.:.:.|.:.:.:.:.\.:.:.:.:.`ー、 _、\  | ──彼女も長旅に疲れていたのでしょう…
     ノi,ィ´:/.:.:.:.:.| .:.:/!:|ヽ.:',.:.:\.:.:ヽ..:.:.:.:.:.: ヽ.ハ¨ `ー'‐- 、   ___  時折私が目を開け彼女を見ると
.    |_/:!.:.:!.:.:.:.:.:ハ.:/ノ.:| .:',∧:ヽ.:ヽ.:.:ヽ.:.:.:.:.:ヽ:`¨Tヽ._=Y= _二_Yィ ン  まるで王族の子供のために作られた
.    / !:!|.:.:|.:.:.:.:.:|::|'/.:.;ハ.:.:ハ:|\:\:_:.ヽ.:.:.:. i.:.',:.:',.:.:\ ̄¨ ‐._ ̄    人形の様でした。
   イV|:|:!',.:l.:.:.|.:.:|::,'.:./ !.:.l |:!-‐<_`ヽ`.:',.:.:. |.: |、.:i、_.:ヽ、.:.:.:.:.: ̄¨   胸が高鳴りました──
.   |'ヘ |:|:!:ヽ',.:.|ヽ|ノ-,''¨|ノ l:!  _ ヽ|、.:.|.:.:/.:.:|::',:|、.:.: ̄ ̄.:.:.:.:.:.:.:.:
.  /  ,!:l:ヽ.:.ヽ.i/:|/  _」'  リ  _, -z' Y.:∧.:.:!ヽ!| \_.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:
.  ,'v_ 代:',、:ヽ.:.ヽ.:.:i!  _,ノ      ̄´   ,':,イ/ハ.:|:::::i|\.:.:.¨ヽ.__
  {,ホ | ',ヘヽ \:ヽト=''´      zxx /'´,'ノ:::|/ ̄¨ ‐-.__.:.:.:.ヽ. ̄
  ヽ ノ  ヽ', {\`ヽ\_zxx  `__ ,.    人\__:::::::::::::::::::::::::::: ̄ ̄ ̄
  トvヽ   \ヽ.\:`ヾ. ̄        /| :::\_`¨:::::‐-._____
  ヾ` |     `ュ、`.:、`マ'ェァ、‐-‐''´  jヽ___`>、‐-._____
   `¨!`ー- 、/.::.::`ーY`ァ-}`'‐‐x― '´ ト、,、,、:::::::::\_
     ヽ、___ヽ-=、_,、f'/_ファ=ァソト=,ゝ、__} /イー--、:::::::::::`¨ ‐-.__



12

       |--―- 、  ──またしばらくしてからでしょうか、
       |--―‐- 、\   ふと目を覚ますと見慣れた風景を窓の外に見ました。
       |--― -、 ヽ ヽ  あと一時間もしないうちに私の田舎町でしょう。
       |/.: :: :: ::イ::\. l ヘ、
       |_,:/.:/!:: :: | |_/ 彼女も目を覚まし、窓の外を見つめていました──
       |ミ:イ/ ーl‐:|::l |:l
       |ソ   イ::ツV:/ l::|
       |'' 。 `∠:イ |::l
       |>--r:: '´:: l {::l
       |_\/` ー、| l::l
       | ,小`ヽ /' l| l::|
       |/il|└' /  lL」::l
     r―i:|.__/  |:: :: :i
      T ∨::〈 r、 」:: :: ::i
       ト、ノフ ̄l寸]:: :: :: ::',
       |¨´ト、__ノ |、:: :: :: ::ヽ



13

──ただ、私は自分の背中や腹に違和感を覚えました。
 まるで何かが私の体の上を這いずり回っているかのように──



14
  / ̄\  ,/ ̄\
  |    |  .|    |
  \ /__\ / ──ふと、出窓に置いた籠を見ると、
   /         ヽ   生前父に買ってもらったハツカネズミがいません。
   |   ●   ● |   籠が傷んでいたんでしょうね、籠に少し隙間が開いていました──
   |   三( _●_)三
  人、   |∪Ш 、`\
 / __  ヽノ /´>  )
 (___)   / (_/
  |       /
  |  /\ \
  | /    )  )
  ∪    (  \
        \_)



15

──まさかと思いましたが、襟元から服の中を除くと、真っ白い、
 あのハツカネズミが私の腹の上で毛繕いをしていました──



16

      / .,※,...-―:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:::ー-.、  \
    /  /,.:.:.:.:.:.:..:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.::.:.:.:.:.:\※ヽ
    \ /:.:.:.::/:.:.:.::.:.:.:.:.:.:!:.!:.:.:.:.:.\::.:.:.:..:ヽ ',
     /:.:.:.:.:.:/.:.:.:.:.:.:.:../.;イ.:ト、.:.:.:.:.:.:ヽ.:.:.:.:.:ヽ  ──服の中に手を入れてネズミを取ればよいのですが、
    ,':.:.:.:.:.:.:!.:.:.:.:.:.:.,:イ:/ ;:/ ヽ.:..:.:.:.:.!:.:.:.:.:.:.'※.  なにしろすばしっこい。
    !:.:.:.:.:.:.:|.:.:.:.:/.// //   \:.:.:.:.|:.:.:.:..:.:i    それに彼女に変な目で見られかねませんからね、
     |:.!:.:.:.:.:.|;∠..-'" 〃゛` ―--\:.!:.:..:.:.::,' }   最小限の動きでネズミを服の中から追い出そうと必死でした──
    !ハ:.:.:.:.:.!   _,,  /   、_    /:.:.:./:/∧
    i! \:.:.:\`=''"    `ー=''イ/:.ィ//:.:.   
       }ヾ、_\   '      //´ /:.:.:.
       ト、※,.>-―…―--<7´※ /:.:.:.:.
       !:.r(´.._'' ¨´ ̄ ̄`¨r-┴ 、  /ユュ_:.:.
       /:.{ 〉ーュ__...::::::::::.r―_`ヽ〈 // {j:.:.
.     /:.:/{Y´,.-<:::::::::::::::`ー、` ノュ!_j⌒ーリ:.:.
     /:.:.:! >` ー'、..__>-、_.ノス  ,'  |:.:.
     /:.:.:.| {~`^ーセ┘!}{} !㍉x-イ } ,'  |:.
.   /:.:.::.,'  !    !  | }{} ! i!   ト、  |:.
.   /:.:..:./  !    ,' }{} ! |   | ヽ   !:.:.
  /:.:./   ト   イ }{} ∧   | 〉  ハ:.



17

       ', /  /,          `ヽ  \   \
       i/ //                \   i:.:.:}イ´
      ::.{,// / /   l    \     ',  {:/ l
      ::l / :/ / :l::.l  ト、    ::.'、:    V }  ト ──それでも彼女は私の動きを不信に思ったんでしょうね。
       l/ .:/ .:/  :::!.:.l ::i \::. _  -:',::.   ハ }:  l ',  チラッと私を一瞥し、また窓に目線を戻しました──
:        /! .:i .::l:.  .::j ::l| ::l >'´ト、::.. }:.:   l| }:.  i \
!:..    /i | l ::l::   /! :|l ::|  / ヽ ,不}:.|:  .:i:{  }',  l   \
:l::.   / :l | :l :l.: /:イ::!:! i:l   /,ィし'ツj:イ:  .:l{ f:. i: ', 、丶` ー- 、_
::l::.   l :l :! :.、:l:.イi ノ'_!:l|      ̄ /}  .:イj、 {: l:  i i:.  丶    -
、:i::   ヽ | :ト  ヽ :{犬ヘしツ{'       ' /イ厶' \i  l:: l l ヽ   `  、
:ヽ!::.     l :i \ ヽ:.、_´ _   、    / / {    V l::  l l  \
 :.l:.:.    ヽ:l  |::`ト、二 ィ´   -    / /'、     \:  | l    ヽ::.
. :::!::.     \ ヽ:. ヽ ト  ̄ 下 ー -- イy' ,  l     ヽ-|:.|     ',:::.
. :l:.:',:.:        \::. ー 、  \:.:.:.:l/l{   f/\     ヽ!: |::.    ',:.:.:..
:/: : :}::.   /  / 寸:.…、ヽ   }:.:/, /lハ 〈/   \     l: |i:.:.    ',:.:.:..
/: : :.:!::  /  /  , r=>、:.ヽ V 」//」 {ヘ.i 「{       \   :|: !}:.:.:...   l:.:.:.:.
': : : :.}:/  /    !〈::.   \:.| ハ{ノj {// ヽ}       か :l: |:l¨ヽ:.:..  |:.:.:.:.
: : : /´   /      : :\:::.    V:.:.:.T|{._/ イ」     ::}{  {: | l イ}:.:.:.. l:.:.:.:.
: : : \. /         : : ヽ::.   Vォ:.|:!T゙  スj l     |:.:} :|: ! l└i:.:.:  l:.:.:.:
 : : : :/: .        : : : :ト、   ハイ|l |  {イ: |      |:.{ :|: ', ! ヽ}:.:.: |:.:.:.:




18

──何といいますか、顔から火が吹き出そうなくらいの
 恥を覚えました。
 同時に、今まで友達だと思っていた存在に裏切られた、
 怒りとも悲しみとも思えない感情もありました──



19

   |/:::::::::,::::::::::::::::::::::::':::::::::::::::::::::::::::ヾヽ     \
   |:::::::::/:::::::::::::::::::::::ノ!:::::::::::::::::::::::::::::|!t,!    ノ
   |::::::'::::::::,/::::::/:::::从ヾ,.:::::::!::::::::::::::::f!リ   /
   |::/::::::::/:::::::::/:::::ィl;l!::::::\:リ:::::ヾリ:::::レ /
   |/:::::::/::::::::::、 _:/_|:!ハ:::::::::.,\:::,:/::::://
   |:::::::/:::::::::/:::, '/ l「 lT:::;/::::j::ィメ、:; '
   |::::/:::::,:::ィ:/,.ォ==lト,、ヾ〃:,.::/メゥ∧ ──どうしても小動物が私の肌をくすぐるのに
   |::/::j/::/   ハ;;;;lリ  /:::/:/zォイ::|   我慢できなくなり、服を脱ごうと思いました。
   |'/´ j/    辷ゝ /:::,:::/zォ/::::!|   いえ、脱ぎたいと思いました──
   |          ノィ'レ'メハイ::::::::|  
   |   '      '"´/ィ'',ハz/:|! :::::|
   |  ‐.‐       イ/ヒメハ/ ,l! :::::|
 i`_ー 、      ,/ハィヒメハイ ,::::l!::::: |
  ヒ  ヽl、 __ ィ !::::::/ハィヒメハイトl!:: l!::::: |
  ト`ヽ \::::ノ !`!!:::iハィヒメ/l!:::|:::::::|! ::, |
  _ ヽ ヽ Y _ノ ∨ハヒハ!:::|::::|:::::::l!: リ |
 ヽ `ヽ  ' |∠__,..lヒメハイ|::::|!:::|!:::::|:::,l:: |
    ,)    |  ,>|ヒメハイ|ト、:::::ヾ::::ヽ::::::|
   l     , ヾ,.ノヒメハメハzヽr-._ヾ. ::::|
   |  _   i_,_  lヒメハメハメハソ fノ:.:.:.:`r'-、



20

             、__ー────t-_- 、__
           , ':.:.:.:.:.:\    ´ li ヽ  f 「`ー、
          /:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:\        ヾヽ  \ ──幼いころに母が亡くなっていたので、
      , イ:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.\       l }   \  女性に免疫が無かったのもあるでしょう。
      ./.:./:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:../:.:.:.:.:.:..:.:.:ヽ _ヽl!/_  l }     \  その行動は自分にはどうしてもできませんでした──
      /:.,ィ :..|:.:.|:.|:.://ヽ:.ヽ:.:.:.:.:.:.:.:.:\. l!ヽ  l }   ゝ  \
    '::// :.:.|::.:|:.レ:/__  ヽl:.:.:.:.: .:.:.::.: l     l }    __    \
     l:.| {:.:.:.:|、:.l/ィ´ ̄ ´  lト,:.:./ :.:.:.:..:.!,    l }    _     \
    丶! ヽ :.|乂./ __    ヽV:.:.:.:.:.:.::/i    l }   √ .:.: ̄ ̄ ` ヽヽ
       へ!i.ソ ,,== ゝ   /:.:.:.:.:.::./ f! /   l }__ノ : .:.:.:.:|  ___\!
         r           /イ:.:.:.:.:./ = .=  l }ハ:.:.:.:.:.:.:.:.|!/
        丶  _      '/:.:.:. _イ / i! ヽ /ノ:.::.:.:.:.::.:.:.:|
          \``   _,ノ-‐ ' ノ/      / ).:: l :.:.:.:.:.:.:|
           ヽ.       /       / ):.:.:.: |:.:.:.:.:.:.: |
           / ` ー─┐  '!l!/_   / フ:.:.:.:.: | :.:.:.:.:.:.:|
            /i!ヽ ノ  rー イ/ ヾ  / 7:.:.:.:.:.:.:.:ヽ:.:.:.:.:.:ヽ
         /    ___,イr==、/   /フ、:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.ヽ:.:.:.:.:.:ヽ
         '   /r‐ノヽ  ,/    7、_rーz_、__:.:.:.:.:.:.:7:.:.:.:.:.::ヽ
         / -   l::レ,ノ|::l .ノl/_  /ア  ヽ ヽ:.:.:.:.:.:.:.:.:ヽ:.:.:.:.:.:.:ヽ
         f! ヽ  r 7/{ /|::|//l丶 /_)    l  !:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.ヽ:.:.:.:.:.:.:.:\
         |!   r//}{/ | |/    /j      |  |:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.\:.:.:.:.:.:.:.:\




21

             ,.'"´    ̄ ̄``ヽ、
              / ,. -‐ ーー --‐- 、 `丶、
          / /           `ヽ   \ ──まあ考えても見てください。
           〈 ム. '"´ ⌒⌒ ``ヽ    \  \  思春期の私が、一種の恋愛感情をもった
          V/   .:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:. \   ヽ  \ 女性の前でいきなり服を脱いでネズミを取り出したら・・・
          〃.::.::!.l::!.:..:.:.:.;.::/.://.::l:::::::::.`、   ヽ  ヘ 彼女は私を軽蔑するでしょう・・・
           〃.:::l:::l::|:|::l:::::/:/:://:::ハ.:;.:.:::::.`,   V.:l:l`  私には確信がありました。
         ./:::;:::::l:::l::|:|::l::/:/ //::::/ l:|:l:::::!::!::{!   !:::l:|   この確信は今でも持ち続けています──
        l::l::l:::::|:十ナl:< /::∠_ 」トト、:l::l:::{!   !:::l:|
         |::l::l:::::|:|:|yテ〒ミ/::/´,t==ミ、:ト、::{!   !::::l:!
         |::ト:ト、:|:|:| f辷ソ   _f辷シノl:l::l:::{!   !::::l:|
         ``Vハ1:ト、, , , 、    , , , , l::://{!   !:::l::!
           i `ヽ小、   _       ノ//.::{! i .j!:::l::|
           | ‐米 f{:.>.、  `   ,. イレハ.::::{! 米j!::::l::!
          ,/|    ,f{::l::l::>==<__ ノ⌒ヽ:::〉 !〈:::::l::|
        / .!   ! ,fレ'/``V,ィ介入      〈   〉:::l::|
          /  ! ‐米,f{ソ  //ノハ `ヽ     〉米〈フ⌒フ
       / ,.イ!   ! .{′ 〈_,イノ}  iト、__」   〈  !〈ノr'.::::.`ヽ
      ./ /.:::lL_ _」   / ,}  ji!      〉  !:::::::::::::::::ヽ
     / /.:.:::::) ,1 ソ   / ,}  jii!      L_」:::::::::::::::::::::
     ./ 〈.:.:.::::( ,1 ソ   /  ,}  jii!     { 1〈.::::::::/:::::::::::::::
    /  ハ.::::::),1 ソ  /   ,}  jii!     { ,1 〉.::::/::::::::::::::::::




24 名前:以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします[sage] 投稿日:2009/03/28(土) 21:00:09.95 ID:bqo8Idso

ほうほう




22

──私は作戦を考えました。
 この裏切り者をどのようにして排出しようかと・・・
 どの様にしてこの不快感から脱出しようかと──



23

           /: : : : : ;/: : : : : : : |: : : |: : : : ー- ,,           ヾヽ:::::::::::::::::::r::::::\
        /: : : : : ::/: : : : : : : : |: : : l\: : : : : : \    __ゝリノ_   ヾヽ ::::::::::::::::::::::::::::\
        /:: /: : : /: : : : : : : : ::j!:::: /!:: \: : : : : : : \    / liヽ   ヾヽ:::::::::::/: ,, ___ゝ
      / / i: : : : !: : : : : : : : / !:: ∧、: : : \: : : : : : : \         ヾヽ:::::i/ : : : : : ヽ /
       |/!:: |: : : : !: : : : : : : / !::/:ヽ:\: : : l: : : !: : : : : : \        ヾヽ: : : : : : : : : : \
       !l !:: |: : : : l: : : : : ::メ ./_/_j__\::\::::!: : ! : : : : : : :!::ヾ         i i,,: : : : : ヽ : : : : :
      !l !:: !!: : : :l : : : : :/ /::/  ヾ;`ゝ;;_ヽ!_..!ヽ: : : : : : !ヾ;;゙!        ヾヽ: : : : : \: : :
───試しに| ヽ ヽ|: : : : l! /∠,,_  \:\`r-ゞ:!:丶: : : :r 、j::!   __ヾ!!ノ_  ! !: : : : : : : : : :
私はわざとらしくヾ \ ヽ.: : !| j/ '" !、_j"` r  `"Y:: / !: : : : : : !`!| !!    / liヽ   ヾヽ: : : : : : : :
体を動かし、     ヽfヽ. !´   |リi  '    /: / |: : : : : / !: ::!,      ''    ゞゝ: : : : : : : :
少し冷えますね     ソ     '-‐'      /:/   l: : : : / /!ノ::\          \\  ____
と体を暖める     ヽ            j/    |: : : /< ゞ_: : : : ー 、,,___,, ==--''==、''´
ふりをして服の上から \             /: /   \/' ヽ.: : : : : ヽ,,         ヽ
裏切り者を排出       `r-            j/    /     `ー 、..: : :`ー-- 、____
しようと試みました。     ヽ              /          `ー 、: : : : : : : : : : : : : :
                  \   _,,. -‐ ´ `j、 /            ,,__ ゝ- 、__,,:__ : : : : :  ですが、やはり
                    ` ´     // /           ___∠_fー<__r'´`!_`~ヽン-、; : :この小さき
                       r-∠__ !/          ∠  f"    !  ゝソ  `ヒ_) 裏切り者は外に
                       /''r/::::::ト:ヽ.,,        /f´`~~   ヽ |  ヽ/r-、-ノ,) 出るのを拒むかのように
                      //´fi:::r、:ヾ\::\,.    /__j         |   !   |私と服の間に居続け様と
                     //j` !|::| !j|ヾ::ヽ \::ヽ  /,,//       i!    |   するのです───
                    /// ) !.|::| |li| ト::::!  |:::|  ! )/            |
                    く::ヽ,j / !::| |j| |::ゝ:\j:::|  j/              |
                    /ヽ:::`´::ノ |ト| |::::f\:j:::| /              !|



24


                 /   rク      , --=====ミ \
                /    ィ7     ≠″        `¬\
            ,. '     〃   /   /           \
         ,.       rク  /    /             ハ  ヽ
         \   \   jj  /      //     /  / /  |   ゛ ───彼女は、そうですわね。
          \` 、ヽ {{   .′   /    /  / /   ′    ハ  と言い、私に目を向けました。
           \/  V{{  |   -/―--<.  / イ / /       | 私は心の中が見透かされている
               /  ∧{  |     |子=ミ< ̄ / / イ |    |  と、思いました。
           /  / }} i|     |├び ハ` / //ト |  | |.//  彼女より年下の私がもぞもぞ
           , ′    }}. \   |` ー ′   / ァえメ、`|  | |'/   と一人、愚かな動きをしている。
         /        {{   rf\ ヽ        lじン〃ヘ/  | |′   そんな気持ちがこもったかの様な
       /       /バ  {{\        ′  ` / /  / /     視線でした───
      /       // {{  }} | \    '`    ー 二  イ//
    /        //   什jト′ `   _,  r< |}}   / }}
   /     r―‐、i⌒ヽー  ∨| _,ニヽ__   |   |{{     ヾ!
 /       |_し-.\〔_r┐ ∧∨_/介ー、\ r┐ヘ |{{   __}}__
'       / / _仁\〔__ |  ヽ / 乃ヘ \\弋!ィ  ̄ ̄  ____ヽ
      /|    ヽーミ `ヽ〔_ ヾ  ∨ | | )ハ ヽ/      /      \
     / |    / ̄> 、 `ー- ⊥ | |(   / /⌒ヽ /         \




25
───私には我慢の限界でした。
 裏切り者から受けるこの不快感、虚無感、そして屈辱に対して───




26

             、__ー────t-_- 、__
           , ':.:.:.:.:.:\    ´ li ヽ  f 「`ー、
          /:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:\        ヾヽ  \
      , イ:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.\       l }   \
      ./.:./:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:../:.:.:.:.:.:..:.:.:ヽ _ヽl!/_  l }     \ ───私は負けたのです。
      /:.,ィ :..|:.:.|:.|:.://ヽ:.ヽ:.:.:.:.:.:.:.:.:\. l!ヽ  l }   ゝ  \ 自身の男としてのプライドは脆くも
    '::// :.:.|::.:|:.レ:/__  ヽl:.:.:.:.: .:.:.::.: l     l }    __    \ 崩れ去りました。
     l:.| {:.:.:.:|、:.l/ィ´ ̄ ´  lト,:.:./ :.:.:.:..:.!,    l }    _     \ 小さき裏切り者に屈し、
    丶! ヽ :.|乂./ __    ヽV:.:.:.:.:.:.::/i    l }   √ .:.: ̄ ̄ ` ヽヽ この可憐な女性の前で服を脱ぐ事を
       へ!i.ソ ,,== ゝ   /:.:.:.:.:.::./ f! /   l }__ノ : .:.:.:.:|  ___\! 虐げられたのです。
         r           /イ:.:.:.:.:./ = .=  l }ハ:.:.:.:.:.:.:.:.|!/      この時が原因なのでしょうか?
        丶  _      '/:.:.:. _イ / i! ヽ /ノ:.::.:.:.:.::.:.:.:|       私は以降、想い人と行為に及ぶことができません
          \``   _,ノ-‐ ' ノ/      / ).:: l :.:.:.:.:.:.:|       異性の前で服を脱ぐ行為が、
           ヽ.       /       / ):.:.:.: |:.:.:.:.:.:.: |       どうしてもできないのです───
           / ` ー─┐  '!l!/_   / フ:.:.:.:.: | :.:.:.:.:.:.:|
            /i!ヽ ノ  rー イ/ ヾ  / 7:.:.:.:.:.:.:.:ヽ:.:.:.:.:.:ヽ
         /    ___,イr==、/   /フ、:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.ヽ:.:.:.:.:.:ヽ
         '   /r‐ノヽ  ,/    7、_rーz_、__:.:.:.:.:.:.:7:.:.:.:.:.::ヽ
         / -   l::レ,ノ|::l .ノl/_  /ア  ヽ ヽ:.:.:.:.:.:.:.:.:ヽ:.:.:.:.:.:.:ヽ
         f! ヽ  r 7/{ /|::|//l丶 /_)    l  !:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.ヽ:.:.:.:.:.:.:.:\
         |!   r//}{/ | |/    /j      |  |:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.\:.:.:.:.:.:.:.:\




30 名前:以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします[sage] 投稿日:2009/03/28(土) 21:02:36.19 ID:bqo8Idso

何かこう
傍から見るとどーでもいいことに、必死こいてるのが
いかにも男の子って感じだなあww




27

───それから時間にすると15分くらいでしょうか?
 私には永遠とさえ感じられる時間がたちました───




28

───ネズミですか?
 窓から放り投げてやろうかとも思いましたが、
 これ以上彼女の前で醜態をさらすわけには行きませんから…
 ハンカチで補強した籠に戻しました───



29


`゚  '  `    .;゙
`.: ~     '、・。
 .'。:・ 。 '、 、。'`
   ・`,   .`
    .: ・`
    ;゙。 ;
    [ ̄ ̄ ̄] ───汽車が駅のホームに着きました。
    | ̄ ̄|  言っていませんでしたっけ?私の地元の駅が終点だと?
   / ̄ ̄ ̄ ̄\ つまり、彼女と汽車を降りても少しの間、
  /  [D51]   \時間をともにしなくてはならないかもしれないのです。
 |(●),  、(●)   |すばやく荷物を降ろして走ろうと身構えた時です。
 | ,ノ(、_,)ヽ     |彼女は私に言いました───
 |  `-=ニ=- '   |
  \        /
  |\____/|
  ┃E\   /E┃
  皿@皿皿皿皿皿@皿
  !_!    !_!
 //      \\
//〓〓〓〓〓〓〓\\




30

    / /.:.:.:./.:.:./.:.:./!.:.:.:.|.:.:ヽ.:.:.:.:.:.ヽ.:.:.:.:.:.:.:!.:|.:ヽ._'' ` }  ヽ
    ,' /.:.:.:.,'.:.:.:/ .:,イ.:|.:.:|.:|ヽ.:.:ヽ.:.:.:.:.:.ヽ.:.:.:.:.:|.:|.:.:.:.:|ヽ  | /
.   i.:.!.:.:.:/.:.:.:/.:,イ ! ハ.:.|.:|.:.:',:、.:.ヽ.:.:.:.:.:.ヽ.:.:.:!.:|.:.:.:.:`7  !'´ ───お手数をおかけして申し訳ないと。
.   |.:|.:.:.:|.:.:.:,' 7十H-l、|.:ヽ.:.ヽ\.:\.:.:..:.:ヽ.:!.:!.:.:.:.| {_  |    彼女は続けました。
   ,|.:|.:.:.:|.:.:.:|/__ヽ|_ ',|、.:ヽ :|\ゝ‐ヽ、__.:',|.:|.:.:.:.|.:{, |   私は目が見えません、ご迷惑でなければ、
  ハ:|、.:.ヽ.:.ハ'¨びこハ ヽ\:| \ ゝ\:|\` V.:.:.:.:!: ハ |   荷台に乗った私の荷物を取ってくださいませんか?と
  .:.{ヽ \.:N ヽ又__ブ゙    \  '´び>ャ、!:、!.:.:.:.,'.:,' Y
  .:.({  {\ヽ_`¨             又_ブ ノ,イ.:.:.:/ /   !    私は驚きました。
  /〉  `ヽ ̄     ノ      --‐''¨,ノ.:/_/  ,イ    こんな活き活きとした人が盲人だと───
  :::人 ri  ,ヘ、   、、_    , 、,ニラ='´r'´, _, |:|
  ´.:.(iヽ;;く }〉 /\      ̄ ,r‐r', ´  ¨ `Y´_V_ r‐1:!
  _,ノ:;ゝ{j `ii)'::::::::`ゝ、___/.::.::ゝ    、__,、_r‐1 .:|:|
  _`´二ヽ._ノ::_r,=ノ_/、ノ.::.::.::.〉    ノ.::.::.:ヽ::|.:.:|:|



35 名前:以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします[sage] 投稿日:2009/03/28(土) 21:04:22.96 ID:bqo8Idso

お約束wwwwww




31

     ____  
   /      \
  /  ─    ─\ ネズミのことに対して、  
/    (●)  (●) \ 私の愚行について、それとなく聞いてみました。
|       (__人__)    |  ネズミはお好きですか?といった具合に・・・
/     ∩ノ ⊃  /   彼女は、どうしてそんなことをお聞きになるんです?
(  \ / _ノ |  |     と答えました。
.\ "  /__|  |  
  \ /___ /



32
         ____
       /      \
      / ─    ─ \  彼女は何も気づいていなかったのです。
    /   (●)  (●)  \  私が小一時間ほど小さく、そして大きい脅威と
    |      (__人__)     |   戦っていたことに。
     \    ` ⌒´    ,/  
     /⌒ヽ   ー‐    ィヽ
    /      ,⊆ニ_ヽ、  | 
   /    / r─--⊃、  | 
   | ヽ,.イ   `二ニニうヽ. |



33

     ____  
   /      \
  /  ─    ─\ 私は思いました。  
/    (─)  (─) \ 盲人の前で何と無駄なことをしたのだろうと。
|       (__人__)    |  そして彼女を恨めしく思いました。
/     ∩ノ ⊃  /  盲人ならそれらしく振舞うべきだと。 
(  \ / _ノ |  |
.\ "  /__|  |  
  \ /___ /




34
     ____
   /      \ ( ;;;;(
  /  _ノ  ヽ__\) ;;;;) 数年後・・・でしょうか、彼女に対してそんな考えをしてしまった
/    (─)  (─ /;;/   自分を恥じました。
|       (__人__) l;;,´ 
/      ∩ ノ)━・'/ 彼女は好きで目が見えなくなったわけではないと、
(  \ / _ノ´.|  | 幼いときとはいえ、こんな考えを持ってそれから生きてきた
.\  "  /__|  |  事を今では恥ずかしく思います。 
  \ /___ /



35
         ____
       /      \
      / ─    ─ \  なぜ今この話をするかって?  
    /   (●)  (●)  \  言ったでしょう? 
    |      (__人__)     |  退屈したんです。 
     \    ` ⌒´    ,/  私でいるのに。
     /⌒ヽ   ー‐    ィヽ
    /      ,⊆ニ_ヽ、  | ネズミと言えども友に裏切られ、
   /    / r─--⊃、  | 辱められたことに。
   | ヽ,.イ   `二ニニうヽ. |



36
      / ̄ ̄ ̄\ 
    / ─    ─ \ 
   /  (●)  (●)  \. これが・・・私の死刑前の私の懺悔です。
   |    (__人__)    | 
   \    ` ⌒´    /
   /              \




37
      / ̄ ̄ ̄\ 
    / ─    ─ \ 
   /  (●)  (●)  \. 神父さん、お付き合いいただきどうも。
   |    (__人__)    | 
   \    ` ⌒´    /
   /              \




38

      / ̄ ̄ ̄\ 
    / ─    ─ \ 
   /  (●)  (●)  \. 裏切る側に立ってみたかった。
   |    (__人__)    |  友と呼べる人間を裏切って、
   \    ` ⌒´    / あの時あのネズミが何を思ったか知りたかった。
   /              \



45 名前:以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします[sage] 投稿日:2009/03/28(土) 21:07:38.95 ID:bqo8Idso

なん……だと?




39

───それが、友を敵国に売り、不敬罪で死刑にされる、
   私の裏切り行為の理由ですよ
───



40
     ____
   /      \ ( ;;;;(
  /  _ノ  ヽ__\) ;;;;) 
/    (─)  (─ /;;/ …ネズミの気持ちを知ることができたかって?
|       (__人__) l;;,´    そうですね、あなたも誰か裏切ってみると良い。
/      ∩ ノ)━・'/    あなたのことを友と想う人を……
(  \ / _ノ´.|  |
.\  "  /__|  |
  \ /___ /




48 名前:以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします[sage] 投稿日:2009/03/28(土) 21:09:12.22 ID:bqo8Idso

コミカルな話かと思えば……

これは、良いどんでん返し






【 作者:サキ  邦題:ハツカネズミ】 終わり


宣言どおり、かなりひどいレイプです。

原作では、やる夫役は、マザコンで潔癖症の中年で、
まず、二等席という扱いを憤慨に思っていて、
さらにハツカネズミといった不潔なものにくるしめられ、
恥ずかしい姿を見られた向かいに座る女性は盲人という話です。



50 名前:以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします[sage] 投稿日:2009/03/28(土) 21:14:06.86 ID:e6eGXqko

サキ(原作者)が第一次世界大戦の戦死者ということもあり、
やる夫はスパイ活動をしている友人を裏切るという設定で大幅に改編してしまいました。
申し訳なく思っています・・・

原作はもっとすっきり話が進み、読みやすいものになっています。


51 名前:以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします[sage] 投稿日:2009/03/28(土) 21:16:06.68 ID:bqo8Idso



まあ原作は未読なんだで、以下は的外れの可能性アリなんだけれども

女性と相対する主人公が少年になったことで
序盤の奇妙なコミカルさが強調された、という部分もあるんじゃないかな、と

で、コミカルに見えれば見えるほど、ラストの落差がガツンと来るわけで

面白かったよ
また気が向いたら、何か作ってみてくれ


52 名前:以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします[sage] 投稿日:2009/03/28(土) 21:16:16.74 ID:e6eGXqko

2作目は同じく原作者サキで、【侵入者たち】です。

少し席をはずします。
投下は21:30にします。よろしかったらお付き合いください。


53 名前:以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします[sage] 投稿日:2009/03/28(土) 21:23:42.50 ID:bqo8Idso

む、まだあるのか

了解、待ってるよ




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■御感想or寝言

1024 名前:無関係な名無しさん [] 投稿日:2009/03/31(火) 22:23:43 ID:79D/WHSg

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不敬…罪…だと…?



1025 名前:無関係な名無しさん [] 投稿日:2009/04/01(水) 04:19:48 ID:79D/WHSg

SECRET: 0
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サキとはまた渋いな



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