写真lowtech001
人が行き来する量に比例して、街中の看板の設置量も増えます。
看板が増加すると、看板同士の競争が生まれます。
看板の宿命は、なんといっても目立つこと。

巨大化させたり、同時多発的に乱立させたり、著名人を起用したり、
奇抜なコピー、派手な電飾や色使い、グラフィカルなデザインなどを駆使して、
あの手この手で目立とうとします。

こうして、街の景観は雑多になり、やかましくなってゆきます。
今では、電光掲示板や、巨大モニターから映像が流れたりと、
ハイテク化が進み、看板による街の喧騒は加速しています。

「目立てば勝ち」という看板競争化社会において、
「目立っているのに勝ててない感じ」の方向に進化した看板があります。

それこそが、愛すべきローテク看板です。

「目立っているのに勝ててない感じ」の方向に進化した看板の顕著な例。「目立っているのに勝ててない感じ」の方向に進化した看板の顕著な例。
両手が上下にゆっくりと稼働し、頭上の回転灯が光り、夜になると目も光ります。
現在は動いていない、という噂も…。


That's ローテク看板!


ローテク看板とは、「目立ち」を構成する要素に、
「動き=動力」を用いた意欲的な看板たちです。
目立つ→派手にする→音や動きを取り入れる、
というシンプルな思考から産み落とされた表現方法です。
動力の導入は、看板競争化社会において極めて革命的な事件であった…
かどうかは知りませんが、現在、主流の表現方法でないことは、
疑いようにありません。

さて、そんなローテク看板の特徴ですが、
「単調な動きをする看板」ぐらいに思っておけば良いでしょう。
そのシンプルさが、僕がローテク看板のことを好きな理由のひとつです。

だからといって、なめてかかると痛い目にあいます。
なぜなら、看板によっては動力源が異なっていたり、
諸条件が揃わないと動かないというレアなモノがあったり、
宣伝広告する商品と看板の「動き」がマッチしていないという、
看板としては致命的な欠陥があったり(でも平気)と、
一筋縄ではいかないからです。


カラスよけのカラス。動力は風力で動きます。
ローテク看板にもエコ化の波が押し寄せています。


「目立っているのに勝ててない感じ」の方向に進化した看板の顕著な例。次回はソーラーパワーで木魚をぽくぽく叩く和尚さんの
魅力について詳しく語りたいと思います。





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  • 廃墟や秘宝館、珍スポットなど、日本全国から奇妙なモノを発見し、発信しているインディーズ出版レーベル。著書に『ニッポンの廃墟』、『廃墟という名の産業遺産』、『ILOVE秘宝館』あり、その他こまごまとミニコミやグッズを制作しています。HPにくだらない記事を真剣に更新中!! ローテク看板の記事はコチラ。よろしくね!!