写真1
B級スポットというワケではありませんが、風景の一部というにはどうにも咀嚼し辛い素敵な建築物があります。 それが給水塔。 気にかけて街を歩くとちょっと楽しいです。

見上げてごらん


 まずは写真をご覧下さい。この、違和感を隠しきれない風景はいかがでしょうか―――。この写真を額装して壁に飾ることがあるならば、「溢れ出る違和感」そんなタイトルを添えたくなるような風景です。

 もちろん、違和感の正体は写真右側に写る巨大な建造物であることは言うまでもありませんが、こちらの建造物、大きく分類して「給水塔」と呼ばれるもののひとつです。(細かい事を言えば、高架水槽という分野に属するのですが、それについては追々。)

 給水塔とは、浄水場などから各家庭にお水を運ぶ際に充分な水圧を得るために設置される塔を指します。水圧が弱すぎては、集合住宅の上階へ水を運ぶことが難儀だったりするためです。(※現在は水を運ぶためのポンプがだいぶ優秀になってきたために、あまり新造されることはないようですが)

 つまり給水塔は、実用のための建築物であるわけです。ところが写真を見ても分かるとおり、この給水塔には、左に並ぶゴルフ練習場と思われる巨大なネットがかすれてしまうような存在感があります。

 この街の主役、とでもいうような風体ですし、あまりにも巨大すぎて合成写真のようにも見えてしまいます。日常の中の非日常を感じてしまう。言い換えれば、手軽に非日常を体験することが出来る。そんなところに給水塔鑑賞のおもしろさがあるように思います。

 「あの塔のふもとはどうなっているのか?」ついつい、フラフラと”みちくさ”してみたくなりませんか?

写真2
 ちなみに近づいてみると・・・、ふもとには団地や住宅展示場があります。住宅展示場から見上げる給水塔ビュー、迫って来るものがありますね。

写真2
 さらに近づくと団地との対比から、そのスケールを感じることができます。ですが詳細は、やはりご自身の”みちくさ”で体験されることをおすすめします。





  • あべ りょう

  • http://blog.livedoor.jp/qsui10/

  • 給水塔ってなんだかおもしろいなぁ、と給水塔を見上げたり、写真を撮ったりしています。好きな給水塔は、「六供給水塔(愛知県)」と「駒沢給水塔(東京都)」。絶好の撮影ポジションを探して団地内をウロウロしていると変な顔で見られるので、問い詰められた時のために、スクラップした給水塔ファイルは必携。