前に港区は愛宕山にある男坂と女坂をとりあげてみましたけど、あれから “男坂&女坂”という坂名の響きがすごく気になり、今回は目黒区にある男坂と女坂をみちくさしてきました。
なぜ隣り合う坂道を男坂と女坂などという名前にしたのか?、そしてそれがなぜ神社仏閣の境内にあるのか?という疑問を持ちつつ、これらのことはおいおい調べていくとして(もしかしたら永遠に解けない問題かもしれませんけど・・・笑)、まずは今回の男坂と女坂の舞台である目黒区は下目黒にある目黒不動尊へ。

ここは東急目黒線の不動前駅なんてのがあるくらい有名なお寺のようで(すごく単純な見方ですけど・・・)、お寺の入口あたりの案内板にも書いてありましたが、この目黒不動は江戸時代に五色不動(目黒不動、目赤不動/駒込、目白不動/小石川、目青不動/世田谷、目黄不動/小松川)のひとつとして有名な行楽地だったらしく、多くの人手でにぎわっていたそうです。
また「瀧泉寺」というのがこのお寺の正式な名称らしく「目黒不動」というのは通称名でいわばニックネームみたいなものみたいですね。

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そんなわけで立派な入口の門をくぐり境内にはいるとさっそく正面に「不動男坂」とよばれている本堂へ行くための急勾配な石段が見えていました(2枚目の写真です。ちなみに1枚目はその坂の途中からのものです)。
男坂の高低差の三倍くらいの高さの樹々がすごく印象的で、その隙間にちょこっとだけ坂上にある本堂が見えているのが、なんともおもわせぶりなつくりかもですね(なのでみちくさ写真としては初の縦レイアウトです・・・)。しかも、計算したのか偶然なのかどちらかわかりませんけど、本堂の赤ちょうちんもいい感じに、ちゃんと見えています。

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男坂の左隣には「独鈷(どっこ)の滝」とよばれる滝があって(3枚目の写真です)、かつては信者が滝をあびてはお百度をふんで男坂をのぼりおりしたことでも知られていた滝だそうです。
滝というにはちょっとしょぼいかんじがしなくもないですけど、水をはきだしている龍のつくりはかなり凝っていました。
なんでも1200年くらい前から涸れずに湧き続けていることになってるみたいです。

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そして男坂の右隣には、「女坂」とよばれるゆるやかな勾配の階段坂道がありました(4枚目の写真です)。
なにやら階段が二つあって複雑なつくりですが、坂上の本堂にいくための階段は右側のほうになります。
一度右に大きく曲がり、くいっと180度左反転して上にあがっていく階段ですね。
見ため的にも、実際にのぼりおりするにもまわりの景色がくるくるとかわりなかなか楽しい階段だったりします。
とにかく手前のお堂も含めて坂のいたるところにいろんな神様にまつわるものが置いてあるのも印象的でした。

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女坂の坂上からの眺めです(5枚目の写真です)。
かなりしっかりと整備された階段で、坂の途中はうっそうとした樹々が上空を覆っていたのでちょっと薄暗い感じではありましたが、坂上にむかうたびになにやら天から光がさしこむように明るくなっていきます。


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そして坂上には、立派な本殿がでーんと構えていました(6枚目の写真です)。
1981年に再建された鉄筋コンクリート造の建物だそうです。
お参りするためには、さらに階段をのぼっていくことになります。

最後は本堂側からみた男坂と女坂の坂上の風景です(7枚目の写真です)。
ちょっとわかりにくいかもしれませんけど、絵馬がいっぱい掛けられた赤い柵のようなものがみえる場所の右側が男坂で左側が女坂です。

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というわけで、いつもは字数制限もあってダイジェスト的な坂道話になりがちなみちくさシリーズですが、今回はちょっとこまかく写真も多めにした坂道散歩というかみちくさ話にしてみました。
とりあえず、この男坂&女坂という組み合わせについては、まだ都内にいくつかあるみたいなので、連続ではないですけどタイミングをみながらぼちぼちとシリーズ化していこうかなとも思ってますのでよろしくです。





  • 雲本らて

  • 東京坂道さんぽ

  • 1973年7月、兵庫県(というか神戸)生まれ、♂(男性です)。世田谷区在住。
    現在は「東京坂道さんぽ」というブログを運営しながら、坂道観察などを続けています。