深呼吸の必要

【 ストーリー・あらすじ 】
沖縄の離島を舞台に、サトウキビ刈りのアルバイトに集まった若者たちの姿を描いた青春群像劇。広大なサトウキビ畑を前に悪戦苦闘し、互いに反発・葛藤しながら次第に新たな自分を見出していくさまを沖縄の美しい自然を背景に綴る。
2月。沖縄のとある離島。本土とは比べものにならない陽射しが降り注ぐこの島に5人の男女がやってくる。彼らはみな「キビ刈り隊」の募集に集まった若者たち。それは、人手の不足した農家を手伝いサトウキビを刈り取るアルバイト。5人を迎えるのは年老いた平良夫妻と「キビ刈り隊」の常連・田所豊。彼らは豊の指示の下、これから35日間で約7万本のサトウキビを刈り取ることになっていた。だが、全くの初心者である5人は慣れない仕事にもたつくばかり。おまけに、先輩ヅラして偉そうに振る舞う豊にも苛立ちを募らせていく…。
【 出演 】
香里奈、谷原章介、成宮寛貴、金子さやか、久遠さやか、長澤まさみ、大森南朋、北村三郎、吉田妙子
【 監督 】
篠原哲雄
【 感想 】
この映画「深呼吸の必要」を皆さんは鑑賞されたことがありますか?サトウキビ刈りのアルバイトに集まった5人の若者の葛藤などを描いた物語です。特別な盛り上がり場所は用意されていません。恋愛模様が描かれているわけでもなく、ひたすらサトウキビを刈っています。
なのでアクション映画のような派手な作品がお好みの方は、ただ単に退屈な映画でしかないかもしれません。しかし、サトウキビ刈りを通して、それぞれの悩みや葛藤だったり絆が、美しい沖縄の離島を舞台に繰り広げられていて、静かで美しい作品が好きという方は楽しめると思います。

「さとうきび刈り」のアルバイト
さとうきびというのは沖縄辺りで栽培されているのは有名ですよねっ。そのさとうきびを収穫するアルバイトとして、遠く離れた土地から5人の若者がやってきます。

今でもアルバイトを雇ってさとうきびを収穫しているんでしょうかねぇ?てっきり重機で刈っていくものとばかり思っていましたが、約1ヶ月程かけて少しずつ収穫していくなんてほんとに大変だなぁと感じました。
アルバイトとして雇われた男性2人、女性3人の5人の若者。それぞれ性格も育ってきた環境も違う彼らが、1ヵ月のさとうきび刈りを通してどのように変わっていくのか?美しい自然を背景に、緩やかな雰囲気の中描かれているのが素敵でした。

初めての「さとうきび刈り」
当然のことながら、さとうきび刈りをやったことのない5人の若者は、さとうきび刈りのベテランである田所(大森南朋)に教えてもらい作業を始めます。

香里奈と谷原章介は初めての作業にとまどいながらも、きちんと仕事をしていましたねっ。あと長澤まさみもゆっくりですが、それなりにがんばっていたと思います。ただ成宮寛貴と金子さやかは、若さが垣間見れるというか、「暑い」「しんどい」「めんどくさい」といった感情が作業から伝わってきました。
約1ヵ月で広範囲のさとうきびを全て刈らなければいけないというのに、もう全然作業が進まないんですよねぇ。まだ慣れていないというのもありますが、「もっと真剣にやらないとっ!」って歯がゆい気持ちになりました。

おばぁとおじぃ
5人の若者をアルバイトとして雇ったさとうきび畑の持ち主のおばぁとおじぃ、アルバイトのみんなが1ヵ月間寝泊りできるように部屋を与え、栄養満点の沖縄料理を振舞ってくれます。いわば、若者5人、ベテランの田所(大森)、そしておばぁとおじぃの計8人の共同生活です。
このおばぁとおじぃがほんとに良い人なんですよねぇ。決して順調とは言えないさとうきび狩りに対しても、「なんくるないさぁ」と笑顔で応えてくれます。おばぁとおじぃの存在がとても大きかったと思いました。

事故
ゆっくりとした雰囲気で物語が進んでいく中、ある事故が起きます。嵐の中車を走らせていた田所(大森)は事故を起こしてしまい、足を大怪我してしまうんです。ベテランの田所がケガをしてしまったことにより、みんなの絆が深まることになるのです。
やっぱりベタランの田所がケガをしてしまったことにより、さとうきび刈りの作業がより遅れるのが心配でしたが、この事故をきっかけに若者5人の絆が深まり、仕事に対しての意識が変わったのがとても大きかったと思います。
さとうきび刈りに慣れてきたのもあると思いますが、テキパキとした行動になっていましたし、なんといっても彼らの表情がすごく真剣だったのが良かったなぁと思いました。無言で作業を進める姿から、彼らの中で何かが変化したのが伝わってきました。

変化
田所のケガにより、彼らの仕事に対する意識だったり、彼らの関係性が変わっていったのはもちろんですが、彼らが抱えていた悩みが少しずつ癒されていく過程が見れて良かったです。
彼らが抱えていた悩みが解決されたわけではありませんが、彼ら1人ひとりの考えが変わり、悩みが悩みで無くなるといいますか、その場で立ち止まっていた彼らがさとうきび刈りを経験することにより成長し、一歩前に進むことができるようになったのだと思います。

個人的に印象に残ったのは、長澤まさみ演じる土居加奈子ですねっ。彼女はほんとに暗くて他の人と全く話すことはしませんでした。そんな彼女が言葉を発し、たまに笑顔まで見せるまで成長できたのは良かったと思いました。
あとこれまでほんとに苦しんできたんだろうなぁと思わせる彼女の手首に残るリストカットの痕、どんなに暑い中でも彼女は長袖の服を着て隠していました。そんな彼女が最後の方で腕まくりをして清々しい表情をしていたのが、すごく良かったです。

旅立ち
みんなが頑張ったおかげで、期日までに無事にさとうきび刈りの作業が終わります。7万本のさとうきびが刈り取られ、広大な土地が姿を見せた時は爽やかな感動がありました。
沖縄の離島にやって来た頃の彼らからは考えられないぐらい清々しい表情をしていて、仕事をやり終えたという達成感と共に、彼らの成長が伺えました。
仕事を終えた彼らは、また元の土地に戻っていきます。環境は変わることはないですが、これまでと違って前を向いて進んでいくんだろうなぁと予感させる終わり方だったのが良かったです。
タイトルにもある「深呼吸の必要」、そして深呼吸ができる場所を見つけることは、人生においてとっても大切なことなんだなぁと感じた作品でした。そしてまた人生を歩み出すことができるのだと思いました。

- Comment(0)
- [ 日本映画 ] 邦画
「深呼吸の必要」のトラックバックURL
以上の内容はhttp://makemyself.blog64.fc2.com/blog-entry-568.htmlより取得しました。
このページはhttp://font.textar.tv/のウェブフォントを使用してます
モバイルやる夫Viewer Ver0.14