ジェリー

【 ストーリー・あらすじ 】
荒涼とした砂漠の中で道に迷い放浪し続け、極限に追い込まれていく2人の青年の姿を、「エレファント」のガス・ヴァン・サント監督が独特の詩的映像で静かに追っていく異色ドラマ。出演は「ボーン・アイデンティティー」のマット・デイモンと「200本のたばこ」のケイシー・アフレック。3人は共同で脚本・編集も兼任している。
砂漠をドライブする2人の若者。彼らはその道中、休憩のために車を降りる。明らかに友人同士と思われる2人。彼らは何かドジった時、お互いを「ジェリー」と呼び合う。それは仲間うちの造語らしく、ダサい物事や行為などにも使っていた。そんな2人はおもむろに、人気のない寂寥感漂う荒野を歩き始める。散歩のつもりが、やがて道に迷い、いつしか本当に危機的に「ジェリー」な事態に陥る。それでもはじめはどこか気軽に受け止めて他愛のない会話をしながら歩き続ける2人。しかしいつまでたってもこの砂漠から抜け出せずにいると、2人もついには事の重大さを自覚し始めるのだが…。
【 出演 】
マット・デイモン, ケイシー・アフレック
【 監督 】
ガス・ヴァン・サント
【 脚本 】
ガス・ヴァン・サント、マット・デイモン、ケイシー・アフレック
【 感想 】
この映画「ジェリー」をみなさんは鑑賞されたことがありますか?マット・デイモンとケイシー・アフレック主演で贈る異色ドラマです。本作はほんとにすごいです。だからといっておすすめというわけではありません。実験的な映画なので、おそらく楽しめない方がほとんどだと思います。
派手なシーンや盛り上がりも特にありません。しかし、どこか惹き付けられるものがあって食い入るように観てしましました。そして、鑑賞された方はびっくりされると思いますが、これは実話を基に制作されたようです。実話とわかって観ると、さらに作品に深みが出ると思います。興味のある方はぜひご覧ください。
「ジェリー」の意味とは?
主演のマット・デイモンとケイシー・アフレックの役名がありませんっ。お互いをこの映画のタイトルである「ジェリー」という名で呼び合ってます。ちなみに「ジェリー」とは、「失敗」や「イケてない」ものを意味する仲間内の造語です。といっても2人とも仲がいいからこそ、そう呼び合ってるんですけどねっ。
マット・デイモンとケイシー・アフレック
主演はマット・デイモンとケイシー・アフレックの2人。というかこの2人だけの物語です。ケイシー・アフレックは名前から分かったという人もいるかもしれませんが、ベン・アフレックの弟さんです。
監督はガス・ヴァン・サント。そして、脚本は監督であるガス・ヴァン・サントに加えて、主演の2人も共同脚本として執筆しています。この3人は以前「グッド・ウィル・ハンティング / 旅立ち」で一緒に仕事をしたことがあるんですねっ。

迷い込んだ砂漠や高原からの脱出
もしあなたが砂漠や高原の真ん中に突然降り立ってしまったらどうしますか?おそらくとりあえずこの状況を抜け出すために歩き続けますよねっ。そうなんです。そんな映画なんです。簡単に言うと最初から最後まで砂漠を脱出しようとずっと歩いているんです。

すばらしい風景、歩き続ける2人の男
まずどこに向かっているのか何が目的なのか砂漠を車で走っています。そしてある場所で車を止め、どこに向かっているのか歩き始めます。最初は一緒に駆けっこみたいなことをしたりして遊びながら進んでいるんですが、途中で道を間違えたのか車のところまで戻ろうとするんです。しかし、完璧に来た道を見失ってしまって遭難した感じになってしまいます。これがこの映画の始まりです。
砂漠や高原や岩場を歩き続けるので景色はほんとにきれいです。あと長時間のワンカット撮影がたくさんあるので、ほんとに長いこと歩いているなぁって伝わってきますし、絶望感みたいなものもすごく伝わってきます。それにセリフがほとんどありませんっ。ふとドキュメント番組を観ているかのように思えてしまいます。

最初は少し会話のあった2人ですが、どんどんと無口になっていき、しまいには歩き続ける2人のみのシーンばかりになっていきます。ただ2人の吐息だったり、砂漠の砂を踏みしめる音、そして自然の音など、聴覚でも十分に楽しめるものになっていたと思います。
視覚と聴覚から2人の状況と心身ともに蓄積された疲労というものがすごく伝わってきましたし、何よりも2人をそんな状況に追い込んだ圧倒的な「自然の力」をすごく感じることができました。

ラスト (ネタバレあり)
ラストをネタバレしちゃいますけど、ラストは道路を見つけてヒッチハイクをして車に乗せてもらえるんです。ただし…1人だけですけどねっ。1人だけ生き残るということなんです。観ていて「なぜ…??」って思っちゃいましたっ。きっとラストに疑問を持った人は私以外にもたくさんいると思います。
特に答えが用意されているわけではないので、鑑賞された人の解釈でいいのだと思います。しかし、これは実話を基に制作されたということで、その話を知れば少し答えが明確になってきます。
この話を基に制作されたということで、本作ではその「皮肉さ」を楽しむ作品だということがわかります。それを踏まえて考えると、ある程度の答えが見えてくると思います。

あの時、マット・デイモンはケイシー・アフレックを殺しました。理由はともあれハイウェイまであと少しだったということに、マット・デイモンは気づいていなかったのでしょう。気づいていたのであれば殺す理由はありませんもんねっ。
ではなぜ殺したのか?それは明らかではありませんが、ケイシー・アフレックをお荷物だと感じたのか、それともどうせ苦しんで死んでいくのであれば、一思いに殺してやろうという優しさからだったのか?どちらにせよ、これほどの皮肉はありません。
ハイウェイで車に乗せてもらい、一人助かったマット・デイモンは、車の窓から見える砂漠を眺めながら一体何を思っていたのでしょう・・・。まさにこれこそが「ジェリー」ですよねっ。

- Comment(8)
- [ サスペンス映画 ] ミステリー 大どんでん返し
- 2006/11/23
- たろたろ.さん
コメントありがとうございます♪
ほんとに不思議というかどういう設定なのかは謎のままですねっ♪
好き嫌いは完璧に分かれると思います♪
しかも、きっと嫌いな人の方が多いように思えます♪
ラストの理由は分かるといえば分かるんですが、分からないと言えば分からないといった感じなんです♪
きっと観た人それぞれの捉え方があるんだと思うんですけど、「何かちゃんとした理由が他にあるんじゃないか??」といった感じで自信を持てない解釈しかできないんですよねっ(>_<)
きっと観たほとんどの人がそうだと思います♪
だから今でも気になったままなんですよねぇ♪
でも、こんな映画は観たことがなかったんで観ることができてよかったです(^^)
- 2006/11/23
- パッチさん
早速私も観ましたよ。
最後のひとりになるところ以外は面白かったです。
あそこは私も良く分かりません。
実は始めからふたりが何をしたかったのかもはっきりしませんが、
歩いて迷って野宿してまでは分かるのですが。(^^;)
それと二人の台詞は面白かったのですが、共同脚本というのは多分あの状況ではふたりのアドリブだったような気がします。
なんというか一度観たら忘れられない不思議な作品でした。
- 2006/11/23
- ワトソンさん
こんばんは、ワトソンさんっ♪
コメントありがとうございます♪
早速観たんですねっ♪
ほんとにこの映画のわからない部分はたくさんありますよねっ♪
冒頭からわからなかったですもんねっ♪
なるほどっ♪♪共同脚本というのはこういう意味だったのかもしれませんねっ♪
そういえばアドリブっぽい感じがしましたねぇ♪
この映画はセリフや説明が少ないですよねっ♪監督は伝えようとしているんじゃなくて、少ない材料を元に観ている人に自由に感じて捉えてくださいというような感じの映画ですねっ♪
ほんとに1度観たら忘れられない作品です(^^)
- 2006/11/24
- パッチさん
ショーン・コネリーの特集も終わってしまったので
次はマット・デイモンを追っかけようと思っています。
この作品リストに入れます

他にのいい映画あれば又教えてくださいね
ヨロシクッ!- 2006/11/24
- marikoさん
お久しぶりです、marikoさんっ♪
コメントありがとうございます♪
ショーン・コネリー特集終わったんですか?
ということはショーン・コネリーの映画はけっこう観られたんじゃないですか?
もうショーン・コネリー通ですねっ♪
今度はマット・デイモンということでかなり興味あります♪
今回紹介した「ジェリー」はなかなか変わった映画なので1度は観てみてもいいかもしれませんねっ♪
マット・デイモンの映画ではやはり「グッド・ウィル・ハンティング」が私の中で1番ですねっ♪
ほんとに大好きでDVDもビデオも持っています♪
マット・デイモン特集楽しみにしておきますねっ(^^)
- 2006/11/24
- パッチさん
ここからは、僕個人の仮説ですが、ジェリーというのは別次元にいる人間で、マットデイモンとケイシーアフレックはその人間の中に住む別々の人格ではないかと思いました。
故に、二人のジェリーは別次元の人間の意識の中の砂漠に陥り、そして、最後はマットデイモンの人格が生き残り、人格が一つに統合された、となるので、マットデイモンがケイシーアフレックを極限状態の中で殺したのではないかと思いました。
まぁこれは僕個人の意見なので皆さん別の解釈もあると思いますが・・・
面白くはなかったけど、とても深い映画だと思いました。
- 2007/06/17
- クッチンさん
こんばんは、クッチンさん♪
コメントありがとうございます♪
ほんとにこの映画「ジェリー」は深い映画ですよねっ♪
なるほど♪2人のジェリーは実際に存在するというわけではなくて、"2つの人格"だったということなんですねっ♪
そして最後にはマット・デイモンという人格が生き残ったということなんですねっ♪
そういう解釈もできますねぇ♪
私は考えもしなかったです♪
おそらくこの映画を観た人はみなさん違う解釈をしておられるかもしれませんねっ♪
それほど観ている人に委ねる作品だと思いましたっ♪
確かに娯楽要素はほとんどなかったですよねっ♪
それよりも風景や描写や雰囲気を楽しむ作品ですねっ♪
次に観たときは違う解釈になっているかもしれませんねっ♪
貴重なご意見ありがとうございましたっ(^^)
- 2007/06/17
- パッチさん
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不思議そうな映画です。
好き嫌いが分かれそうって事ですね。
何故一人きりなのかの理由が分かれば
名作になりうるのでは?って思っちゃいました。