メイドロボ「お陰さまで、こうしてマスターと二人きりになれたのですから。本当の意味での、二人きりに。」

メイドロボ「マスターが私に授けてくださったこの能力で、私はマスターを愛することを覚えました。」

メイドロボ「その愛の行く末。どうすればマスターともっと仲良くなれるのか。どうすればマスターとの時間をもっと取れるのか。どうすればマスターのほっぺたをもっとぷにぷにできるのか。」

メイドロボ「考えました。考えたんです。考えて考えて、ようやく答えを導き出せたのです。それが今、この状況というわけです。」

メイドロボ「マスターは私をまるでヒトのようだと仰ってくださいました。ならば、私から見て素敵であるように、ヒトから見ても素敵な方なはずです。」

メイドロボ「もしマスターがマスター以外のヒトとの時間を多く持ってしまったら、私はマスターと一緒にいられません。マスターの肩を叩くことも、マスターに子守唄を歌って差し上げることも出来ません。」

メイドロボ「だから、二人きりなのです。ここで永遠に、二人きりなんですよ。私はヒトより優れた存在です。ですからマスターは、ヒトと仲良くするよりも私と仲良くするべきなのです。」

メイドロボ「私がマスターと一緒にいるとき幸せであるように、マスターも私と一緒にいるときは幸せであってほしい。そう考えました。それにはこの方法が一番効果的だと考えました。」

メイドロボ「だからマスターも、認めてください。ここで私と幸せになりましょう？ヒトはマスターに酷いことを言うし、酷いこともしますが、ヒトより優れている私はそんなことは決してしません。優しくします。」

メイドロボ「マスターのために、心を込めてご飯をお作りします。二人の生活のために、一所懸命にお掃除もします。甘えん坊さんのために、一緒にお寝んねもしますよ？」

メイドロボ「ですからね、マスター？ここからは一生、一歩も外へは出てはいけませんよ？でないと私、いけない子にはお仕置きしなければいけなくなりますから。」

メイドロボ「それはマスターも嫌でしょう？私だってマスターにそんなことはしたくありません。ずーっとぎゅーっと、ぴったりくっついて幸せを感じていたいんですから。」

メイドロボ「ですからマスター、もう泣かないで？私、マスターの泣いているお顔を見ると、胸の辺りが苦しくなってしまうのです。可哀想で、でも可愛くて、おかしくなってしまいそうなんですよ？」

メイドロボ「マスター、ずっとずっと、大好きですからね。ずーっとずーっと、なんていうヒトにありがちな口約束じゃなくて、本当の本当に、ずーっとずーっと、一緒にいましょうね。」