以下の内容はhttp://labaq.com/archives/50745424.htmlより取得しました。


2007年08月03日 23:35

19歳の誕生日に映画を見に行った少女、逮捕されて懲役1年罰金30万円

 
捕まった少女

こんな最悪な誕生日も珍しいですね。誕生日のお祝いに友達に映画をおごってもらった少女が、映画を見てる最中に逮捕されてしまったそうです。詳細は以下。

Teen Arrested for Recording 20 Second Movie Clip
Out of the Theater, Into the Courtroom

上記の記事によると、19歳の誕生日を迎えたジャネット・セハスさんは、先日公開された映画トランスフォーマーを見に、Ballston Common Mallまで友達と出掛けたそうです。

ジャネットさんは、この映画がとてもおもしろかったらしく、つい鞄からカメラを取り出してしまいました。トランスフォーマーを見に行きたがってた13歳の弟に、見せてやりたかったのだそうです。

映画のスクリーンを20秒ほど撮影し、弟の喜ぶ顔を思い浮かべて誕生日の幸福感に包まれていると、突然警察がやってきてジャネットさんにフラッシュライトを当てました。

「今すぐ映画館を出ろっ!」

そう言う警察になすべくもなく、ジャネットさんと友達は映画館を出て、そのまま逮捕されてしまいました。

もちろんジャネットさんはこのわずか20〜30秒ほどの動画を売ったりYouTubeにアップしたりするつもりもなく、ただ弟に見せたかっただけ。カメラも誕生日の思い出作りのために、妹から借りたもので、悪意はまったく無し。

こういうケースでは通常、カメラの没収、映画館の退場程度。犯罪として告訴されるのは今回が初めてのことだそうです。

映画館の代表を勤めるケンドリック・マクドウェル氏が言うには、映画館のスタッフを裁判官や陪審員のように教育するつもりは無い。意図が何であれ盗みは盗みで、その差がわかるようになれというのは無理、とつっぱねています。

ジャネットさんは8月21日に裁判にかけられ、最高で懲役1年、罰金2500ドル(およそ30万円)の刑に処されるそうです。

Diggでのコメントもご紹介しましょう。

「最悪だ……暴行罪でも1年くらいですむやつがいるのに、映画業界最悪」

「ちょうどそのとき別の映画を見にいったけれど、同じ映画館にいて、彼女が連行されるところだった。彼女のカメラは警察が持っていて、見ると小さなコンパクトカメラで、30秒も取れりゃいいようなやつだ。映画全部とろうとおもったら、4ギガSDとかいるだろうな。僕だけじゃなくて、他の人も思うだろうが、映画館管理会社の悪意だね。単に記録を削除して、映画が終わるまで、カメラを没収だけですむことだ。しかしデジタルものを持って映画館に入るとトラブルだってことだね」

「このカメラは警察ロボットにトランスフォームしてそれに逮捕されたんだ」

「削除するだけじゃダメなのかい? んで彼女も家に帰って、家でYouTubeからクリップをゲットすりゃ……」

「オレがなんで映画を見に行かなくなったか思い出させてくれた」

「この子をなんとか助けてやれないかい? 裁判でいかにこの告訴が変だってことをさ。たった30秒だろ? この子を刑務所に送るようなバカ裁判官から、映画を作る自分としては、助けてやらないといけない義理があるって気がする」

「あああああああ、彼女は海賊だっ」

「ちょっと記事に1年の刑と2500ドルの罰金って書くのは問題だと思うな。それは最高刑で、彼女が刑務所に行かないことはみんなわかってるだろう」

[彼女はPirate(海賊)として拘引された──どんなカッコいいねん! 『お嬢さん、ちょっと来てください……理由は君が……じゃじゃじゃじゃーーん、海賊だからです』」

「マジかよっ」

「みんなでグループ抗議しようぜ、この映画館で、全員で携帯だして、スクリーンに向けて録画しようぜ」

「彼女かわえーーー」

「映画館いくよりBit Torrentで家で見てようぜ」

「みんなっ、その地域に住んでる人、バリストンモールの映画館には行くのやめようぜ。抗議だ」

「RIAAやMPAAはまぁだれの人生をぶち壊しにしようと興味ないからな。みんなこの映画館に抗議の電話だ。Regal Cinemas Ballston Common: 703-527-9730 」

「皮肉にもその映画では、こんなセリフがある。『何千曲もネットでDLしたぜ。──みんなやってるだろ?』 映画業界は、音楽Piracyを面白いとは思うらしいが、映画はだめらしい」

「こういうバカなことはPiracyをかえって奨励する。いい加減学べよ」

「どんな罪やねん。著作権の侵害じゃないよな。20秒では無理だな」

「このニュースが出てから,大勢がTransformerをDLし始めても無理はない。きっと刑務所がいっぱいじゃなさすぎるんだぜ」

「きっとスパゲティモンスターが助けてくれるぜ。だって彼女は海賊だろ(参考リンク)」

「今回の件で、この映画館はどれくらい損するかな、別の映画館行きだすだろうしな」

「誕生日おめでとー!」

みなさん、いくらなんでも不当な逮捕だと感じてるようですね。

確かに彼女のやってしまったことは犯罪かもしれません。しかし、以前にも書いたように、著作物のコピーは原則自由、著作者の利益が不当に侵害される恐れがある場合のみ、コピーが制限されるわけです。

たった20秒のビデオクリップが、それほどの経済効果を生み出すでしょうか?

元記事のほうでは、映画の違法コピーによる被害額は2005年に182億ドル(およそ2兆円)にもなると書かれています。しかしそもそも米国の映画市場は100億ドル程度のはずです。興行収入は収益全体の20%程度と聞いたことがあるので、DVD販売なども含めれば500億ドルくらいの市場規模にはなるかもしれません。

しかし、市場規模の36%もの損害が出るものでしょうか?

P2P出現以来、2兆円も収益が減ってるというのでしょうか?

ネットでの海賊盤、P2P等による違法コピーの存在は、「無料の宣伝」という意味も含まれています。違法コピーにより、作品に出会う確率はぐっとあがるわけです。そうして作品に出会った人が、あらたな顧客となっていく。

現実にそういうことがある以上、オンライン海賊盤の存在と損害との関係を証明するのは非常に難しいでしょう。簡単に182億ドルなどという数字が出せるはずはありません。

一方、証明が難しいがゆえに、全部を違法として取り締まらなければならない、という事情も理解はできます。商売上、無料のコピー配布など認めるわけにはいかないのも、理解はできます。そのために、映画館での撮影を水際で防ぎたいというのも、心情としては理解できなくもありません。

彼らも映画を愛するものであり、それには映画業界の未来と、自分の生活がかかっているのです。違法コピーの存在はそれをむしばむものとしか、思えないでしょう。

さて、このジャネット・セハスさんという少女の行為は、処罰されるべきでしょうか? 許されるべきでしょうか?

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追記

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