以下の内容はhttp://labaq.com/archives/50725864.htmlより取得しました。


2007年07月12日 06:01

JASRACが暴走しすぎて、感覚がマヒしてる日本人たちへ

 
光をつかめ!

P2Pとかその辺のお話という、海外の著作権情報を伝えてくれているブログがあります。詳しい情報を書いてくださるサイトで、こちらでもよく参考にさせていただく事があり、トラックバックも何度か送らせて頂きました。そんなおり、私信めいた記事を頂きましたので、反応させて頂こうと思います。

私もこのブログを始めるにあたって、海外の著作権関連の事件に目をやるようになり、その日本との違いに日々驚いています。

先日の「わざとダウンロードさせて違法コピーで逮捕する企業が現れた! コマンド?」という記事では、そうした驚きと、以前から懸念していた著作権が文化を壊す問題とが交錯し、ちょっと表現が過激になりすぎたかな、という気はしてました。「P2Pとかその辺のお話」さんが指摘されてる通り、すぐに逮捕や起訴ということになる話ではなかったのかもしれません。しかしソーシャルニュースサイトDiggなどで大きく問題が取り上げられたために、件のニセ動画サイトが閉鎖というところまで持って行けたのではないかとも思います。

また、著作権問題は興味をひくのか、この記事はあちこちの個人ニュースサイトやブログでご紹介いただき、はじめて1ヵ月程度でサイトデザインも仮のままというこの「らばQ」が、いきなり累積5万PVを突破するという事態になりました。らばQメンバー一同、これには驚きと喜びと感謝でいっぱいです。

そうしたサイトでの反応を追っていますと、やはり「人ごとではない」という不安をお持ちの方が多い印象でした。それだけ現在の著作権者、正確には著作権隣接権を管理してる団体への不信感が広まってる証拠だと思います。

今回はP2Pとかその辺のお話へのご挨拶返しという意味も込めながら、アメリカで起こった喫茶店での著作権使用料懲収のトラブルをご紹介させて頂こうと思います。

音楽著作権管理会社が料金徴収にやってくるという記事があります。

日本語ですとtechnobahnでも紹介されてる事件ですが、ビーチで喫茶店を開き、週末の夜には店でライブをやっていたそうです。ライブのサービス料金を取らない代わりに、演奏するミュージシャンたちへの支払いも無し、時間制限もなく、コーヒー1杯で何時間でもいていいという、のんきな店だったそうです。

ところが、ASCAPという著作権管理団体から音楽使用料を払えという電話が来たそうです。額面は年間400ドル(約5万円)。店はまだ赤字で、分割で支払うことにしたそうです。

ところが半年後、今度はBMI、SESACなどの著作権管理団体からも請求が来たそうです。それから毎日のように3〜4本の著作権使用料請求の電話がかかってくるようになり、年間1000ドルほどの著作権使用料を支払わなくてはならなくなったんだとか。

喫茶店のオーナーは、どうしてこんな小さい店が、大きな店舗と同じ扱いを受けなくてはならないのかわからないと言ってるそうです。

さてみなさん、この話を聞いてどう思いましたか?

JASRACよりはマシ?

そう、JASRACの著作権料懲収のひどさを知ってる日本人には、この程度はどうという気もしないでしょう。ハーモニカ吹いてたら逮捕される日本の現状を考えると、むしろ良心的にすら見えます。しかし、冷静に考えてみれば十分すぎるほどひどい話です。

小倉秀夫弁護士の私的使用目的の複製が自由に行える理由という記事では、

まず確認しておかなければならないのは、我が国は自由を原則とする国だということです。ですから、他人の著作物を複製することがこれによって実現される個人の幸福追求権に優越する利益・価値を不当に損なうおそれがある場合に、そのような事態を回避するのに必要やむを得ない範囲内でのみ、他人の著作物を複製することを法令で禁止できるということがむしろ言えます。

と、述べられています。米国でも原則自由というのは変わらないはずですね。

つまり、基本的には我々が音楽を演奏しようとコピーしようと、それは自由なはずなのです。それが著作権者の利益を損なう可能性がある場合のみ、その自由が制限される。

果たして小さな喫茶店で音楽を演奏することが、著作権者の利益を損なう事になるでしょうか?

これだけ考えてみても非常にひどい話で、これでは伝統的な流しの演奏家などもいなくなるのはあたりまえ。むしろそういう場で鍛え上げられて来た音楽家がいないから、音楽業界は過去のリバイバルに頼らざるを得ない現状があるのでしょう。

しかし日本の音楽著作権管理団体であるJASRACはもっとひどいわけです。

はてなキーワードのJASRACの項目では金のためならなんでもやる団体。利権ヤクザ。などと紹介されています。すごいぜ!JASRAC伝説などというフラッシュムービーも作成されてますね。JASRACの暴挙をまとめるページなんてところもあります。

アメリカでの著作権関連訴訟の暴走っぷりはJASRACの遥か上を行ってるかと思いましたが、著作権使用料の懲収に関しては、日本の方が遥かに暴走してるわけですね。

こうした日本の異常事態も、海外のニュースを見てないと異常と気付かない事も多いでしょう。実際、私も最初見たときは「なんて良心的な」と思いました。感覚がマヒしてますね。

そういうわけですので、今後も「らばQ」は海外の著作権関連ニュースをご紹介していきます。冒頭の「P2Pとかその辺のお話」さんの記事では、

ただ、こういう海外のP2P事情をレポートしてくれるブログやサイトが増えていくのは、非常に嬉しい。これからもどうぞよろしくね、らばQさん。

と、おっしゃってくださってます。「らばQ」の返事はこうです。

こちらこそ! まだまだ至らないところも目立つでしょうが、今後ともよろしくお願い致します!

 
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