402 ◆E0.8YDkXYc 2011/06/01(水) 01:15:54 ID:sR7U817U
___ .,, .---、
{ .{ .ヽ//⌒)ノ
,;;ヽヽ//;;-、 ノ
/;;;;;;;r、:i--ァ;;;;;ヽ _
,--''ニニニr代理ニニニ'''ーァ / | ))
(( ,ヘ, `て;;;キ;ャ-λイ;ク;;サ-ン;;リ/ヾナ
'、ノヽ レリ;i ○ ○ iレリ/| .丿
/ {|`!;ル""r-‐¬"".イ/}| /{ それではおまけです。
}ヽ {||.ヽゝヽ、__,ノ_ノ/|} /{ メインが陸なら、おまけは海でいいじゃない。
`}`r,_{ノ弋.ヽロ/ ノ「{〆ナ{
.弋ト-ェ</|」-ェナ{ノ
从-rュrュ-イ.ゞ
/;;;;`;―;;;‐´;;ヽ
./;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;ヽ,
/;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;`、
403 ◆E0.8YDkXYc 2011/06/01(水) 01:16:40 ID:sR7U817U
============================================================================
機関科気質
============================================================================
404 ◆E0.8YDkXYc 2011/06/01(水) 01:17:14 ID:sR7U817U
上村嵐少佐が、軽巡洋艦「由良」の機械部隊長だったとき。
ミッドウェー作戦に参加、思わぬ敗戦となって、半年振りに母港の佐世保に帰ってきた。
夕食が終わり、当直以外の乗員は久しぶりの故国の土を踏んだのだった。
上村少佐もガランとした機械室に降りてみたが、ふと考えた。
____
/ \
/ ─ ─\
/ (●) (●) \ そういえば、この由良という旧式軽巡洋艦で
| (__人__) | 長い間に渡る、戦闘作戦に参加しながら、
./ ∩ノ ⊃ / 何の怪我もせんかったお。
( \ / _ノ | |
.\ “ /__| |
\ /___ /
/ ̄ ̄ ̄\
/ \
/ ─ ─ ヽ これも、艦のいろいろな装備や機械が故障せず、
| (●) (●) | 順調に動いてくれたお陰だお。
\ ∩(__人/777/
/ (丶_//// \
(※・・・軽巡洋艦「由良」 1923年に佐世保で完成。
ミッドウェー作戦は1942年の6月なので、艦齢約19年の老嬢)
405 ◆E0.8YDkXYc 2011/06/01(水) 01:18:04 ID:sR7U817U
そう思うと、じっとしていられなくなった。
機械室に行って主機械の顔を見なければと思い、
機関科操縦室に降りていった。
____
/ \
/ ─ ─\ もうそろそろ、操縦室だお。
/ (●) (●) \ ん?声?誰かいるのかお?
| (__人__) |
\ ` ⌒´ ,/
/ ::::i \
/ / ::::|_/ ボソボソ>
\/ ::|
| ::::| キュム
i \ ::::/ キュム
\ |::/
|\_//
\_/
406 ◆E0.8YDkXYc 2011/06/01(水) 01:18:16 ID:sR7U817U
そうすると、操縦室から声が聞こえる。
静かに中を覗き込むと。
|___
| \
| ,ノ \ ・・ゴクリ
| ( ●)u \
|人__) | ・・・誰がいるんだお?
|⌒´ /
(⌒ー─' )
|___
そこには一人の先客がいた。
上村少佐の直属の部下に当たる特務少尉だった。
407 ◆E0.8YDkXYc 2011/06/01(水) 01:19:00 ID:sR7U817U
そこには上村少佐の直属の部下に当たる特務少尉がいた。
特務少尉は、酒が入った一升瓶を持ち、機械達に少しずつかけていた。
そして、こう言っていたのだ。
,. ⌒ヽ γ⌒ ヽ
〈 ー- .i 人 -ー 〉
c ヽ_____ノ Y 心_____ノ っ 行動中は、何の問題も起こさず、よう頑張ってくれた。
/γ⌒ ⌒ヽ\ お陰で無事に佐世保に帰ることができたよ。本当にありがとう。
/ | | ヽ
| | | | 何も無いが、酒はもってきたからいっぱい飲んでくれ。
\ ヽ__,人.____,ノ / この次、出撃したら、またよろしく頼むぞ。
> `ーニニー´ <
まるで、自分の子供に言い聞かせるようにして、礼を述べている。
|___
| \
| ヽ、_ \
| ⌒゚o \ これぞ・・・日本海軍の機関科魂だ。
|人__) |
|⌒´ /
(⌒ー─' )
上村少佐はそう思った。
408 ◆E0.8YDkXYc 2011/06/01(水) 01:20:05 ID:sR7U817U
この特務少尉は、作戦行動中、ずっと機械室に篭り、
もし機械に何か変調があった場合、それこそ徹夜してでも修理し、
完全なものにするという責任感の強いベテランだった。
ノ L
⌒
,.⌒ヽ γ⌒ ヽ
〈○ ノ\ /\ ○〉ノ L
ヽ彡' ヽ / ヾ_ノ ⌒
) Y ( おい!そこ何やってる!
/γ⌒ ⌒ヽ\ 俺がやるから、若い奴はそのパイプ抑えとけ!
/ | | ヽ これが直らんかったら、みんなが困るんだ!
| ヽ__人__ノ | 意地でも直すぞ!
\ `ー'´ /
そして、上村少佐は続けて私にこういったのだ。
____
/ \
/ _ノ ヽ、_ \ 久しぶりに母港に帰ったのに上陸する前に、
/ /⌒) ⌒゚o \ まず、自分が担当する機械達に向かって、
| / /(__人__) | まるで生きている人間に対するように礼を述べ、
\/ / ` ⌒´ / 激励している姿を見て、
/ \ なんとも言えぬ感動に打たれたものですお。
原作:日本海軍のこころ
著:吉田 俊雄
409 ◆E0.8YDkXYc 2011/06/01(水) 01:21:20 ID:sR7U817U
. ~^ 、
. ⌒ヽ. i
,. -弋ナ 、 r.,.'´ ̄ヽ
_,l_,-代理、!,_ ,ソ / j .ノr‐,
(´ ( '´,Y_]_ノ それでは、本日は以上になります。
,..-‐'" ̄ヾ`ソ 皆様おやすみなさい。
/_:::::::::::::::::::::::::!
`く_,>‐ァ‐-、::::/
`ー'´ヽ
やる夫はサムライの翼を撮り続けるようです。 おまけ 第五章
第一部 第二章 中編一 ← 目次 → 第一部 第二章 遠く遥かなる日 中編二
- 関連記事
-