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┃｜　　　やる夫が王莽になるようです 　 　 　　　　　　　　　　　　　　　　　｜┃
┃｜　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 　 　 　 　 　 ｜┃
┃｜　　　番外編　西漢の錬金術師　その六 　 　　　　　　　　　　　　　　　｜┃
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　　　蕭望之が関内侯になったあと、
　　　元帝は蕭望之を丞相に任じようとした

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　　　　　　　　　　　　　,､　-- ､i!__
　　　　　　　　　　,　'´　　　　　　　｀`ヽ､
　　　　　　＿ ,／　　　　　　　　　　　　＼
　　　　 　 ∠　　　　　li　 ﾄ､ ､　 ､　　　　ヽ　　　　　　蕭太傅はガンコだけど
　　　　 　 /　　　 ,　, |ヽlヽ!ヽ､|ヽ!ヽ　　 　 l　　　　　　 たよりになるからね
　 　 　 　 ﾚ!　　./Viﾚ'　 , -ｰニｰ-､ﾚ､　　 .l
　　　　　　 |　　|i ,-ｰ､　　　'⌒iTｯ 　 .| /`ヽ!　　　　　　ガンコだけど
　　　　　　 ヽ,　',　ﾊT:}　　　　 ﾞ´　　　`　ｿﾉ
　　　　　　　　`ヽ',　''´ﾉ　　　　　　　　 _,イ-､
　　　　　　　　　　{l　　`　　　　 　 　 / ヽ┤ |｀`ｰ- ､
　　　　　 　 　 　 /入　　￣　　　　,　　　./　 |　 　　 `ヽ､
　　　　　　　　　 ﾄ､ ゝ>ー-'￣`ヽｲ　　　/　　.|　　　　,､ '" ＼
　　　　　　　　　 了､_　　　　　　　.〉　 ./　 　 |　　 ／　 　 　 ヽ
　　　　　 　 　 　 /ヽ｀`ｰ-l'　　　 |　　/__　　 |　　/　　　　　　　l
　　　　　 　 　 　 |　 ＼　 ,' 　 　 l`ｰ''|　ヽ､. |　 ﾉ　　　　　　 　 l
　　　　　　　　 　 |　　　`,' 　 　 .lヽ::::ﾉ　　　｀　l　 　 ／ 　 　 　 l
　　　　　　　　　　l　 　 ./　　　 ト-辷　 　 　 `Y　／　　　　　　 l
　　　　　　　　 　 l　　 ./　　　　|　　ﾄ､＿　　_-/　　　　　　　　　|
　　　　　 　 　 　 |　　/　　　　 |　　　 lヽ ｀　　l　　 　 　 　 　 　 l
　　　　　　　　　 L_../　　 　 　 ﾄ, 　　 |　l.　　 l　　　　　　　　　　|

　　　　　　　　　　　　　 　 　 　 　 　 . 　 ´￣￣￣｀`丶、
　　　　　　　　　　　 　 　 　 　 　 ／ZL 　　　 　 　 ､ 　 ｀ヽ、
　　　　　　　　　　 　 　 　 ､_　__/　／_{_　　　　　　　}　　 }　＼
　　　　　　　　　　　　 　 　 `ｰｧ′￣　／ ／／_ノ} / _ノ八　,_∧
　　　　　　 　 　 　 　 　 　 　 {　/　／　 /_//´　ノヘ{_´　　vVW}　 ,
　　　　　　　　　 　 　 　 　 　 ∨ /　{　７i丁[￣`ヽ　　｀　　 } ､_ ﾄ='′
　　　　　　　　　　　　　　　　　 }/∧ ｌVィ恭ミﾐ｀ 　 　 ‐‐ ､_ﾉ从iﾘ
　　　　　　　　　　　　　　　　　〔 {〈､｀　 Lｔタ′　　　ｨ=ﾐ、/／ /
　　　　　　　　　　　　　 　 　 　 ヽﾄﾍ　　　　　　　　{tVﾊ/´ ／　　　いやしばらく、
　　　　　　　　　　　　　　　　　　 _}　 ､　　 ＿_　　{ ｀¨ 厶ィ
　　　　　　　　　　　　　　　 　 ／＼ ､ ヽ、 `　_ア´　／　　　　　　　　しばらくおまちください
　　　　　　　　　 　 　 　 　 ／__ＦL　〉＼ ＼ _ .　　´
　　　　　　　_　-───　´　{ｈ7rv//＾ｰ`=ｧ′
　　　　　 ／ ､　　　　　　　　 _/り//　　 rく
　　　　　{　　　ヽ　　　　　　　 　 { {　　 /∧`ｰ- ､_
. 　 　 　 l　　　　 ＼　　　}　　 　 l ｌ　　{ {　　　　　 ＼


　　　　　　　　　　　　　　　　　 　 iヽ、 lヽ、
　　　　　　　　　　　　　　　　　＿_,ゝ::::｀::::::ヽ-...
　　　　　　　　　　　　　　　 　_＞:::::::::::::::::::::::::::::::::｀ヽ、
　　　　　　　　　　　　　　　　　 7ｊ/／/／/::,ｨ:::N::::::::::::ヽ.
　　　　　　　　　　　　　　　 　　ｒ'__ ／　/／ |::::::::::!ﾍｨ:::::::ヽ
　　　　　　　　 　 　 　 　 　 　 l,-､!　　‐!､_　|::/!::::ﾚヘｿ:::::::i
　　　　　　　　　　　　　　　 　,ﾊ_,ｿ　　 _ﾆ､ヽ|/ |::::::::::::::::::::::lﾉ!
　　　　　　　　　　　　　　　 / ｒ' 　 　 　! ｒ'ﾊ. ` |/|:::::::::::::::::::く
　　　　　　　　　　　 　 　 　l　　　　　　 ｀ｰ‐'　 　ﾉ::::::::::::::::::!｀
　　　　　　　　　　　 　 　 　|　ﾞ丶 　　 　 　 　　ｿ:::::::::::::::::/　　　　　　またかい
　　　　　　　　　　　　　　　 l　　　　　　　　　 ｨ'ｔﾌ）::::::::／
　　　　　　　　　　　　　　　 丶 ..＿____　_,.ｒ‐､二ノ-‐'"　　　　　　　　　今度はなにさ
　　　　　　　　　　　　　　　　 　 ,|-‐''_ﾆﾆ二ﾞ‐ｊ
　　　　　　　　　　　　　　　　 　 ,|-‐''_ﾆﾆ二ﾞ‐ｊ
　　　　　　　　　　　　　　　 　 　{ ｒ'´　 　 　|「|
　　　　　　　　　　　　 　,.-‐‐､-ｲ>｀ﾌ　　　　 l、
　　　　　　　　　　　 　/　　　　　＼ ＼　　　 　＼
　　　　　　　　　　　　i　　　,ｒ､‐､.　 ヽ__ヽ___/｀ ‐-ﾞヽ、

　　　　　　　　 ,　'ﾆﾆヽ、　_, -‐‐　
　　　　　　　／　　　｀ヽｒ彡'´￣ ｀ ﾐヽ
　　　　　　/　　ｒ'⌒ヽ、_ , -- ､　　　ヽ
　　　　　　l　　{ ｡cﾟ ｒ┬､　　ﾟｏヽ　　　l
　　　　　　', 　 l　 ｒﾍ l ノ-!　　ﾟ }　　　l
　　　　　　 ﾍ　 、 {_,ｨヘ､ﾌ　　/　　
　　　　　　　 ＼ ＼ 'ー'　　／　 ／
　　　 　 　 　 l>ヘ　ゝ--イ _, イ7 ﾉ
　　　　　　　/　 vlﾊ>‐ｧ＜_ﾍ　ｒ⌒y
　　　　　 　 {　/ｒ::､　　y--､ l/:::::/　　　　　　こちらをごらんください
　　　　　　　Vゝt::ﾉ 　 ｔ:::::7 ,':::::/　 _
　　　　　　　　l　　　　 ー' /:::::/ｿ)ｒ　　　　　　これは蕭望之がわが子をして
　　　　　　　 　>、_ﾟ＿＿/:::::/ｰ'　　　　　　　　みずからの無実をうったえさせた書にございます
　　　　　　　　 　 ヽl:ｊ::::l/::::
　　　　　　　　　　　l1::::}l::::
　　　　　　　　　　　ﾘ:::::ll::::　　　　　　　　　　　これ大臣の格式を失し、不敬なれば
　　　　　　　　　　〈k:_:::_ｊ::_:　　　　　　　　　　　なにとぞ蕭望之を逮捕なされますよう
　　　　　　　　　 　|::::::ハ:::::　　　　　　　　　　　伏してお願いもうしあげます
　　　　　　　　　 　l::::::!　 ',:::
　　　　　　　　　 　ｔ:::ﾉ 　 ﾍ::


}'´::::::／/:::;ｨ::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::｀ヽ、
ﾞ|:::::/／:／/／::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::＼
｀∨:::::::７／;:/:／/:::::::::::::::::::::::::::::::::ヽ.::､:ヽ.
　|:::::::::::::::::::／.イノ:::::/l::::::::,.ｲ:::∧,.ﾍ|＼ﾞ::::ヽ、
　ﾞl:::::::::::::::::::::::::::::::::::∧ﾉ:::::ﾍ:: 丿:::::::::::::::::::::::､:ヽ.
　 l:::::::::::::::::::::::::::;i:::::::::::::::::::::::,ｲ:::::::: ﾊ:::::::::::::::::iﾍ!
　 ﾞl:::::::::::::/!::::::/|::::::/!ﾊ:::::::/ i::::::/ﾘ |:::::::::::::::::|
　　|::::::::::/ |:::/　!:::/ |! i::／ /::::/〃 i:::::!:::::::::::}
　　ﾞl:::/i/　l:/ ___ｊ/_,.」_ﾚ___/:／ 　 　!:/|:::::::::::l
　 　}/ 　 ‐ﾘ'´　　‐‐-､ 　ﾉ'´ 　 　 /iﾉ-!;ｨ::八:!　　　　　　いやそれ拡大解釈だろ
　 　 l 　 　 　-ｒ‐c‐-- 　 　 　 　/二 /' |ﾉ　 ヾ.
　　　ヽ、　　　ゝ:ノ ノ 　　　　　/ｒ':ﾉﾞ/
　　　　 ヽ.　　　　 　　 　 　 　/ ¨´ /　　　　　　　　　　　 蕭太傅が息子に書かせたってのも
　　　　　/　　　　　　 　 　 　 ﾞ、　/　　　　　　　　　　　　　そっちの決めつけだろうし
　 　 　 /　　　　　　　　 　 　 ノ /
　　 　 i'　　　　　　　　　　 　 ／
- ‐ ￣　｀ヽ、　　 　 　 ‐‐ ／
　　　　　　　〉、　 　　 . ＜_
__ __ _ _, 　 /　/｀ﾞー' " ﾞ}､　｀ヽ、
　　　　　 /　/、　　　　　 ヽ、　　ヽ、
　　　　　{、/　 V!　　　　　　ヽ.　　　iヽ.

　 ',:/:l: :l: : :l: : : ::/: ｲ: : /　 l: : : : /　' ,: : :l l:l／／　　　　　　　　ヽ:l: /ll: : : : : : :l: :l: :l
　　j: :l: l: : ::l: : : /: /l: :/　　 l: : ::/　　 ｀ヽ! ヾﾞ´　　　　　　　　　　 /∧/: l: : : : : l: l: :l
. ／ィ:l: l: : : l: : :l: / .l: l　　　l: : /　　　　　　　　　　　　　　　　　 .// /',l: :l: : : : ://l:::l
／　l: :l::l: : : ﾍ: :l/　 ',:l　　 /:／　　　　　　　　　　　　　　　　　 ／　 　 l: l: : : : l:/ l::l
　　 l: :ﾄl:',: : : :ヽ:l＿__ヾ＿_'´＿　　　　　　　　　　　　　　＿＿＿＿＿_l:/: : : //　l:/
　　 ',: ﾄl: ',: : : :lヾ､　　　-----､￣¨ー､　　　　　 -‐‐¨,------　　　 .//: : :／　／
　　　',:l l: l ',,: : l　 -ィ＝ 人--､-　　　　　　　　　＿ィ＝───､-/ｲ:／ﾉ
　　　 ヾ l::ﾄ､ヽ:ﾍ　/ iヾ（〇 )ﾉiヽ、　　　　　　　 ／ il::::::●::.....::i ヽ,イy /
　　　　　',:',. ヽヽﾍ　 ',:::::ゞｿ /　　　 　　　　　　　　.lじ:::::::::::::// 　 /／　　　　いえ
　　　　 　 ',l　 ヽ_＼ ー＝＝‐'''¨　　　　　　　　　　　ー＝＝＝‐'" /'"
　　　　　　 ヾ　　 ',　　　　　　　　　　　　　　i.　　　　　　　　　　　 /　　　　　　蕭望之はかつて外戚をおしのけ、
　　　　　　　　　　 ',　　　　　　　　　　　　　 ll:::.　　　　　　　　 　 /　　　　　　　政をもっぱらにして朝廷をほしいままに
　　　　　　　　　　　' ,　　　　　　　　　　　　 ll:::　　　　　　　　　 /　　　　　　　　しようとしました
　　　　　　　　　　　　ヽ　　　　　　　　　　　 !:　　　　　　　　　 /
　　　　　　　　　　　　　 ＼　　　　　　 _＿　　＿__　　　　　 ／　　　　　　　　　のち関内侯の爵位をたまわりながら
　　　　　　　　　　　　　　　＼　　　　　　　＿_　　　　　　／　　　　　　　　　　　反省するどころかわが子に上書させ、
　　　　　　　　　　　　　　　 r''iヽ､　　　　　　　　　　　／ ト､　　　　　　　　　　　非を陛下に帰する始末
　　　　　　　　　　　　　　　《 ヾ､　 ヽ､　　　　　　 ／　　_y 》
　　　　　　　　　　　　　　　 ﾄ､　 ｀ｰ､___ヽ､＿,,._''__,,､‐'" __,ｲ　　　　　　　　　　　このさい蕭望之を獄に投じ、
　　　　　　　　　　　　　　　 l: : :¨ｰiﾞ　＿＿＿＿＿　ﾞi‐'": :l　　　　　　　　　　　　かれの不満が断たれぬかぎりは
　　　　　　　　　　　　　　 _ﾉi:i i:_:_::l　l: : : : : : : : : : l　l: :ﾆﾐil　　　　　　　　　　　　 恩をほどこすべきではないと存じます
　　　　　　　　　　 _,,. -'": : jl:lfr‐､il　l: : : : : : : : : : l　l:ll: : llll',ｰ ､__

　　|:::::::::::::::::::::::::::,.::,',':::::::,,:::::::::::,　ﾉ.|::::/. .!、::::::::|!::::::
.　 |:::::::::::::::::::::::／'':/:::::,'',',i'::::::,','/ . |:::!. . .ヽ:::::::::|`､:::
　　|::::::::::::::::／ ,','::i:::／::i':|::／i''. . . .!::|. . . ヽ:::::::|. .`、
　　 !、::::::::i'"::::::!__|:/;;=ﾆ';|'-;;;'ﾆ_;_;_;_!|. . . . ヽ:::::| . . .
.　 　 〉i'|/ヾ、 `￣!' ,,.-=＝ﾆﾆﾆ=-.､`"':ｰ- .ヽ:::| . . .　　　　　……わかってるさ、
　　　,' /ｿ入'､　　　ゝ　　!:::（　 ）::.!`'ヽ. ::::ヽ .:ヽ|　. .　　　　　 帝王の師だからって
　　　!、 /　ハ　　　　' ,　ヽ:;;;::::;;ノ　　,. 　 　`. :`!、　　　　　　　特別あつかいできないことは
　　 　ヽ`ｰ､`'ﾊ.　　　 　` - --- ‐　'
　　　　 ヽ、ヽハ　　　　　　 "''''' "　　　　　　　　　　　　　　　　でも蕭太傅は知ってのとおりガンコだ
　　　　　　ヽ､,,-;
　　　　　　　　,,-!,　　　　　　　　　　　　　　 .i|　..　
　　　　＿,,r‐"/::::!,　　　　　　　　　　　　　 /:! .:::::..　　　　　　　　捕吏にしたがうとはとても思えない
ー'''￣　//　/:::::::::ゝ、　　　　　　　　　　　〈::| .::::::::::.


　　　　　　　　　　_　-‐─ -
　　　　　　　　／　　　　　　　 ｀ヽ
　　　　　　　/　　　　/　 ／ 　i 　 ヽ＿ ,ｨ
　　　　　　 l 　　/ 　,{　/ / ｲ ﾊ　　 ヽ_ノ
　　　　　　 {　　l 　/‐ﾚ{ ｒ'　ﾉハ } 　　ﾄ､
　　　　　　 ',　! { :/＿　ﾘ　　　｀>ｨ　i　ﾊl
　　　　　　　} l　Vｲいi｀　　 ｨtぅ､ﾉ / ﾉ
　　　　　　　 ハ ゝこｿ　　　ｔり !ｲｲノ　　　　　　　　　　いえいえ、
　　　　　　　　　 ヽ、　　__'　　 /　ﾘ　　　　　　　　　　　 人の命はとても大切なもの
　　　　　　　/ヌ‐┘ｊ＞ __ . イ
　　　　　　 ﾒﾆ: l: :０: : : :l０:.ヽ　　　　　　　　　　　　　　 そもそも蕭望之の罪は
　　　　 　 /: : :/: il: : : : : ll/: !　　　　　　　　　　　　　　　ことばによる、
　　　　　/: : ::ｲ: : ll: : : : : il : l　　　　　　　　　　　　　　　 いたって軽いものにございます
　　　　/: : : / l : :il: : : : : :ll: :ﾍ
　　　〈: : : :/　|: : ll: : :: : : :ll: : :＼　　　　　　　　　　　　　陛下がご案じなさるにはおよびませぬ
　　 と入_/ 　l三{l二{二二lﾍ:_:ｨう
　　　　　　 　|: : ||: : :＿_:_:_ヽ,￣
　　　　　　　 t=T::￣|__ﾍ: :ヽﾗ
　　　　　　　　　l: : : l　 丶: :＼
　　　　　　　　　|: : : :l 　 ヽ: : : ＼
　　　　　　　　　l: : : : ',　 　ヽ: : : : 7
　　　　　　　　　{ : : : : l_　 　 ヽ_／
　　　　　　　　 　ｰ─‐‐′

　　　　　 　 　 　 ,､‐ ''" ￣ ｀`'' ‐- 、
　　　　　　　　／イハ/レ:::/V＼∧ド＼
　　　　　　 ／::＾'´::::::::::::i､::::::::::::::::::::::::::::＼
　　　　　‐'7::::::::::::::::::::::::ハ:ﾊ::|ヽ:::;､::::::::::::丶
　　　　 ／::::::::::::::/!i::/|/　 ! ヾ　ﾘハ:|;!､:::::::l
　　　　/´7::::::::::〃|!/_,,、　　 ''"゛_＾`''`‐ly:::ﾄ　　　　　そうかい、それがわかっているなら
　　　 　 /|;ｨ:::::N,､‐'゛_,,.＼　　 ´''""'ヽ　 !;Ｋ　　　　　　問題はないよ
　 　 　 　 ! |ﾊﾄ〈 　,r''"゛　 ,　　　　　　　ﾘｲ)|
　　 　 　 　 　`y't　　　　 ヽ' 　 　 　　 /／　　　　　　　逮捕してもオッケーね
　　　　　　　　 ! ぃ､ 　 　 ､;:=＝ｦ　　〃
　　　　　　　　　｀'' へ、 　 ` ‐ '゜ 　 .ｲ
　　　　　　　　　　　 　 `i;､　　 　 ／ l
　　　　　　　　 　　 　 　 〉　` ‐ ´ 　 l`ヽ
　　　　　　　　　　　　／　!　 　 　 　ﾚ' ヽ_
　　　　　　　　　_,､‐7　　 i|　　　　　 i´ 　 l ｀' ‐ ､_
　　　　 ,､-‐''"´　 ﾉ,､-､ /　､,_ ,.､-　{,ﾍ　 '､_　 　 ｀ヽ､_
　　　／ i　　　 ,､ｲ ∨　l.j__,,､..-‐::-:;」,ハ、　'､｀ ‐､_　　 ,`ヽ
　　/　　l ,､‐'´　/／ ',／!:::::::::;､--ｧ' /　　｀` ‐　　　｀'7゛ 　 ',
　/　　　l　 i　　´　　く 　 ';::::::l　 /　/　　　　　　　　 /　　 　 ',
/　　　　 !　l　　　　　 ＼　';:::l , ' 　/　　　　　　　　i/　　　　　',


　　　　　　　　　　　　　 ／.:.／ .:'".:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:｛.:.:.:.:.:.:.:.:／}.:.:.:.:.:＼
　 　 　 　 　 　 　 　 ／.:.／:／〃.:.:／／.:.:.:.: ﾊ.:.:.:.（.:（ﾉ人.:.:.:.:.＼.:`ｰイ
　　　　　　　　　　／ｲ／:／::::/.:.:∠_/:.:.:.／ノ　}.:.:.:人_:＞ ＼{.:.:.:.ヽ:＜
　　　　　　　　　　　/ イ/::::::,:'.:./了.:{.::〃＜_ ノ:.／::::::::::::::::::::}:}.:.:.:.:}.::::}
　　　　　　　 　 　 /ｲ:::/::::::ハ.:{ -j/j/‐≠-､＞}}ﾄ:::::::,,::::::::::_,,斗.:.:.,':::::ﾊ
　 　 　 　 　 　 　 　j∨::／l::::Ⅳｨ仟云不ﾐ　　´″ 〃=≦::ｰくﾘ.:./::::::j/
　　　　　　　　　　　乂:/:/::|::::|〃弋てク _,　　　　/:::ｨ仟云ﾐ､｀ｱ:::::::/
　　 　 　 　 　 　 ノ／/く:::厶入　｀¨¨:::::´　　　 　 ､_弋うク :}}:/::::／
　　　　　　　　　〃　 j/ ∨-ﾍ_::`=-　　　　 　 　 l、::::｀¨¨`=彡 '´
　　　　　　　　　　　　　　{〈⌒}_　　　　　　　　 　 ′::::::::::::::::/　　　　　　　かしこまりました
　　　　　　　　　　　　　　 ＼__ﾑ　　 　 ぃ-――=ァ::::::::::::::,.'}
　　　　　　　　　　　　　　　　`ヾﾍ、　　　　 ー一'´::::::::::∠ノ
　　　　　　　　　　 　 　 　 　 　 ヾ|＼　　　 :.ー:::::::::::／
　　　　　　　　　　　　　　 　 　 　 l 　 丶 　 :::::::::,.イ
　　　　　　　　　　　　　　 　 　 　 |　　　x≧=≦==|ヽ
　　　　　　　　　　　　　　　　　　|￣￣「「　 　　　| |｢|
　　　　　　　　　　　　　　　　　　|　　　| |　 　 　 .| ll |

╋━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━╋

　　　そして石顕は勅書を密封し、
　　　謁者にわたした

╋━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━╋

　　　　　　　　 ,　'ﾆﾆヽ、　_, -‐‐　
　　　　　　　／　　　｀ヽｒ彡'´￣ ｀ ﾐヽ
　　　　　　/　　ｒ'⌒ヽ、_ , -- ､　　　ヽ
　　　　　　l　　{ ｡cﾟ ｒ┬､　　ﾟｏヽ　　　l
　　　　　　', 　 l　 ｒﾍ l ノ-!　　ﾟ }　　　l
　　　　　　 ﾍ　 、 {_,ｨヘ､ﾌ　　/　　
　　　　　　　 ＼ ＼ 'ー'　　／　 ／
　　　 　 　 　 l>ヘ　ゝ--イ _, イ7 ﾉ
　　　　　　　/　 vlﾊ>‐ｧ＜_ﾍ　ｒ⌒y
　　　　　 　 {　/ｒ::､　　y--､ l/:::::/　　　　　　これは勅書だからね
　　　　　　　Vゝt::ﾉ 　 ｔ:::::7 ,':::::/　 _
　　　　　　　　l　　　　 ー' /:::::/ｿ)ｒ　　　　　　蕭望之を召し出してから
　　　　　　　 　>、_ﾟ＿＿/:::::/ｰ'　　　　　　　　直接これを手渡すように
　　　　　　　　 　 ヽl:ｊ::::l/::::
　　　　　　　　　　　l1::::}l::::　　　　　　　　　　　あ、ゆっくりでいいよゆっくりで
　　　　　　　　　　　ﾘ:::::ll::::
　　　　　　　　　　〈k:_:::_ｊ::_:
　　　　　　　　　 　|::::::ハ:::::
　　　　　　　　　 　l::::::!　 ',:::
　　　　　　　　　 　ｔ:::ﾉ 　 ﾍ::


　　 _,,....,,_　 ＿人人人人人人人人人人人人人人人＿
-''":::::::::::::｀''＞　　　　ゆっくりしていくね！！！　 　　＜
ヽ:::::::::::::::::::::￣^Ｙ^Ｙ^Ｙ^Ｙ^Ｙ^Ｙ^Ｙ^Ｙ^Ｙ^Ｙ^Ｙ^Ｙ^Ｙ^Ｙ^￣
　|::::::;ノ´￣＼:::::::::::＼_,. -‐ｧ　　　　　＿_　　 _____　　 ＿_____
　|::::ﾉ　　　ヽ､ヽr-r'"´　　（.__　　　　,´　_,, '-´￣￣｀-ゝ 、_ イ、
_,.!イ_　　_,.ﾍｰｧ'二ﾊ二ヽ､へ,_7　　　'r ´　　　　　　　　　　ヽ、ﾝ、
::::::rｰ''7ｺ-‐'"´　 　 ;　 ',　｀ヽ/｀7　,'＝=─-　　　 　 -─=＝',　i
r-'ｧ'"´/　 /!　ﾊ 　ハ　 !　　iヾ_ﾉ　i　ｲ　iゝ、ｲ人レ／_ルヽｲ i　|
!イ´ ,' |　/__,.!/　V　､!__ﾊ　 ,'　,ゝ　ﾚﾘｲi (ﾋ_] 　　 　ﾋ_ﾝ ).| .|、i .||
`! 　!/ﾚi'　(ﾋ_] 　　 　ﾋ_ﾝ ﾚ'i　ﾉ　　　!Y!""　 ,＿__, 　 "" 「 !ﾉ i　|
,'　 ﾉ 　 !'"　 　 ,＿__,　 "' i .ﾚ'　　　　L.',.　 　ヽ _ﾝ　　　　L」 ﾉ| .|
　（　　,ﾊ　　　　ヽ _ﾝ　 　人! 　　　　 | ||ヽ、　　　　　　 ,ｲ| ||ｲ| /
,.ﾍ,）､　　）＞,､ _____,　,.イ　 ハ　　　　レ ル｀ ー--─ ´ルﾚ　ﾚ´

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　　　一方また太常に命じて
　　　執金吾の車騎を蕭望之の邸宅にむかわせた

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　　　　　　　　　 ／.:.／ .:'".:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:｛.:.:.:.:.:.:.:.:／}.:.:.:.:.:＼
　 　 　 　 　 ／.:.／:／〃.:.:／／.:.:.:.: ﾊ.:.:.:.（.:（ﾉ人.:.:.:.:.＼.:`ｰイ
　　　　　　／ｲ／:／::::/.:.:∠_/:.:.:.／ノ　}.:.:.:人_:＞ ＼{.:.:.:.ヽ:＜
　　　　　　　/ イ/::::::,:'.:./了.:{.::〃＜_ ノ:.／::::::::::::::::::::}:}.:.:.:.:}.::::}
　　　 　 　 /ｲ:::/::::::ハ.:{ -j/j/‐≠-､＞}}ﾄ:::::::,,::::::::::_,,斗.:.:.,':::::ﾊ
　 　 　 　 　j∨::／l::::Ⅳｨ仟云不ﾐ　　´″ 〃=≦::ｰくﾘ.:./::::::j/
　　　　　　　乂:/:/::|::::|〃弋てク _,　　　　/:::ｨ仟云ﾐ､｀ｱ:::::::/
　 　 　 　 ノ／/く:::厶入　｀¨¨:::::´　　　 　 ､_弋うク :}}:/::::／
　　　　　〃　 j/ ∨-ﾍ_::`=-　　　　 　 　 l、::::｀¨¨`=彡 '´
　　　　　　　　　　{〈⌒}_　　　　　　　　 　 ′::::::::::::::::/
　　　　　　　　　　 ＼__ﾑ　　 　 ぃ-――=ァ::::::::::::::,.'}　　　　　　　大急ぎでやつの家を包囲しろ！
　　　　　　　　　　　　`ヾﾍ、　　　　 ー一'´::::::::::∠ノ
　　　　　　 　 　 　 　 　 ヾ|＼　　　 :.ー:::::::::::／
　　　　　　　　　　 　 　 　 l 　 丶 　 :::::::::,.イ　　　　　　　　　　　　　すっ飛んでいけ！
　　　　　　　　　　 　 　 　 |　　　x≧=≦==|ヽ　　　　　　　　　　　　 ハリーハリーハリー！
　　　　　　　　　　　　　　|￣￣「「　 　　　| |｢|
　　　　　　　　　　　　　　|　　　| |　 　 　 .| ll |


　　　　　　　＿人人人人人人人人人人人人人人人＿
　　 _,,....,,_　 ＞　　　 下痢したニワトリみてーに 　　　＜
-''":::::::::::::｀''＞　　　　 急いでいくね！！！　　 　 　　＜
ヽ:::::::::::::::::::::￣^Ｙ^Ｙ^Ｙ^Ｙ^Ｙ^Ｙ^Ｙ^Ｙ^Ｙ^Ｙ^Ｙ^Ｙ^Ｙ^Ｙ^￣
　|::::::;ノ´￣＼:::::::::::＼_,. -‐ｧ ：　　　　　　　＿_　　 _____　　 ＿_____
　|::::ﾉ　　　ヽ､ヽr-r'"´　　（.__ ：　　　　： ,´　_,, '-´￣￣｀-ゝ 、_ イ、：
_,.!イ_　　_,.ﾍｰｧ'二ﾊ二ヽ､へ,_7 ：　. 　 ： 'r ´　　　　　　 ..::::::::::::::.、ﾝ、：
::::::rｰ''7ｺ-‐'"´　 　 ;　 ',　｀ヽ/｀7 ：　： ,'＝=─-　　　 　 -─=＝',　i ：
r-'ｧ'"´/　 /!　ﾊ 　ハ　 !　　iヾ_ﾉ ：　：i　ｲ　iゝ、ｲ人レ／_ルヽｲ i　| ：
!イ´ ,' |　/__,.!/　V　､!__ﾊ　 ,'　,ゝ ：　： ﾚﾘｲi （◯）,　 ､（◯）::::| .|、i .|| ：
`! 　!/ﾚi'　（◯）,　 ､（◯） ﾚ'i　ﾉ ：　　　： !Y!""　 ,rｪｪｪ､　".::::「 !ﾉ i　| ：
,'　 ﾉ 　 !'"　 　,rｪｪｪ､　 "' i .ﾚ' ：　　.　： L.',.　 　|,ｒ-ｒ-| 　 .::::L」 ﾉ|　| ：
　（　　,ﾊ 　　　|,r-r-|　 　人! ：　　.　 　： | ||ヽ、 ｀ﾆﾆ´　.:::::,ｲ| ||ｲ| / ：
,.ﾍ,）､　　）＞,､_｀ﾆﾆ´_,.イ　 ハ ：　　　　： レ ル｀ ー--─ ´ルﾚ　ﾚ´：

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　　　　　　　　　　　ハハ彡　/ト'ヾヽ　　　l=j, (,、　　　　　　　　i`i`彡0ｆト'ヾヽ 　 　 　 　 　ヽﾐ彡/ 　 　　　　|二|
　ゞゝ──ゝ　　／､ ゝX 　彡ゝoノ　ハハ/ソ/⌒ゝ　　 　　　　/　ゝ 彡ゝoノ　　 　 　　　　/|　　iヽ 　 　　　 |二|
　　　　　　　　(　'　Y''''ノ＼ 　彡　／､ ゝx彡ヾ > ）､__ノ彡ﾐ=　| 、ノ　 彡くﾐヽノﾐ= 　 　 　 o,| 　 ||ol.　 　　　 |二|
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''''''''"""""￣￣￣　　　〉____,／ | `‐'ヽ　ヽノ |/／　|　　　|　 　　　　|川ﾘ ｰ'　　|　　,;' ) / c|､____, |っ　へ　　 |二|
""""￣￣　　　 　／＼|ﾘjilji 　 丶ゝヽ〉____,／ゝヽｰ'　　 /　　 　　　|　y　ノヽ　|　/ (ヽ 　　| 川ﾘl |　 ,;' ).　 　|二|
-‐　_,,.　．-‐　　　ヽｿゝゝ　　　　　`''' 川ﾘ|　　`'''　,'ヽ　丿　　／＼// //　　ヾ|　　　　　　ヽ |ｰ| /　/ (ヽ ／ |二|
　-‐ _,,.　．-‐　　,-‐'''"　ゝ　　ノ-ー'7ゝ　ゝ　　ゝ'　ヽ　ヽ　　 ヽｿゝ/ //　　　/ゝ　 　　　　ﾉ ゝﾉ ゞ　　 ／ヾ,　ヽ'
　_,,. 　　 -=━━|　-ー　/　彡　 　／　　/　／　.　..　ヽ 〉　　ノｿヽ/ゝ　　　　　.　　.　　　/ゝ　/ゝ　 /⌒､ヾ
　　　　-‐'''""-‐'''ヽヽヽ/ ／ .:-‐' /　／/ ／　　　.　　//　／ ゝ /ゝ　　　／／　　　　　　　　　　　　||()|（＼ヾ
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_,..:-‐'"_,..:-‐'"_,..:-‐'"_,..:-‐'"_,..:''　　　_,..:'　　／　　　／　　／／　　／　／　　　　 /　　/　　/　/　　 　＼＼|
　　　　_,..:-‐'"　　　　　　_,..:''　　　_,..:'　　　　　　　　　／　　　　　　　　　　　　　/　　　　　　　/　　　 　　＼

　　　　　　　　　　　　　　　　　↓ 蕭望之の邸宅
爻　　 _,,-‐ｔ‐''⌒ﾊ、　　　　　　　_,,,　-‐''三]
ｋ;;:､　(,,　ﾒ μ ,,´｀, -―一''''""~　_,, -‐／::::＼　　　　　　　 ／
､,＼;;:: 人人ｷ,,　 /　--一'''"~￣　　,／:::::['i']::::＼へ、　　／
ﾆヾ ＼ⅲⅲ Y,／　　　　　　　　　／ii[]:::[_,!_]::[];､＼　Yy,,..
-‐''`　 `.、:,:／　　　　　　　　　／ii;[ i ]~~[_!_]~[l];:ヽ ＼＿
＿,,､＿,,,,／　　　　　　　　　,／:::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::ヽ　>￣ヽ
ﾊﾊ从 ／-―====r-===三''　､-―――――――‐＜　木ﾎYyy
(⌒)ｲﾄ爻------(　tｲ-‐'´::::::::,＼＿＿,,,....､_＿＿,,,_____`」￥　Y
　T,::爻Ooﾄ[iiii]<,,. ､ ｷ[]　 i::::::::::::::::[]::::::::::::::[]=======|爻爻三三
ー-　　''ー＾　二,,　ー---┴, -‐へ-O-ー-～～-―へ`~~　　　　]、
　　　　　　　　　━
　〓　　　　　　　　　　　━〓　　　ー　----　､---―

　:||:: ＼おい、隠れても無駄だ ｺﾞﾙｧ！　　　　　ドッカン　　ゴガギーン
　:|| :: 　￣￣￣￣￣￣￣￣￣∨￣￣_ｍ　ドッカン　　　　 ☆
　:||:: 　 ＿＿＿　　　　 ＝＝＝＝＝＝）　）)＿＿＿＿＿　／　　　　　　　　／￣￣￣￣￣￣￣￣￣
　:||　　|　　　　 |　　　　　　|￣.ﾐ∧_∧　|　| ────┐||:: 　 　∧＿∧　＜　おらっ！出てこい！
　:||　　|＿＿＿|　　　　　　|＿..（　　　） |　|　.＿＿＿ │||::　 　（・Д・　）　　＼＿＿＿＿＿＿＿＿＿
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:,,_.:l".:ll'　　　lll,,,,,,,,,,lll／，‐　　　　　.'　/ﾞﾞﾞ　l,,,_
: ｀'ﾞ°'ﾞ!　i”:'°ﾞﾞ! ,lﾞ’:ﾞ゜'ﾞﾞﾞﾞ＼,,　wｖ: .'"　　　~　!--､
　　　　 ﾞl ,l,,　　　'! i,　　　 ｀ﾞﾞ/ﾞ　 　　　　　　　　　/
　　　　　l l　　　　l l: 　　　,、'l　 　　　　　　　　　/
,,、　　　 l ｌ,,,---　ｌ l ´ 　.ﾞ″ﾞﾞl　　　　　　　　　/ﾞ　　　　　まあたいへん！
ﾞヽ,_　　　lil’　　 .,,,ｗｗ,,,..　　 /　　:lﾞ,ﾞﾞ''''l　　　│
　 .ﾞl .,,　ll ゜: .､／ﾞ: ._.,,,,,,,,ﾞll!　:ｌ: 　ｌ ,,,,,,　　　　 <　　　　　　 あなた、うちがすっかり
,ili,,__,．　 ,∠,,,,,／ﾞﾞﾞﾞﾞﾞﾞllll!l゛._ｌ,".,ll".,,,,　ヽ,　　　＼　　　　　　かこまれています！
　 lllli,、 ..,iill |, （,,,）,,,,,,,l!ﾞ″,,lﾞｌ　 l　/ﾞ　ﾞl,,li　　　／
l!ﾞ°ﾞl!　.ll’　ﾞヽ,: ﾞ”ﾟﾞﾞ゜　　｀ l　│ >丶ﾉﾉ　　　/
　　 .'l: .:l｀　　　.ﾞﾞ″　　　　.,,,iiiiil: ヽ // 　　　│,,,iiiiiiiiiiiilll
　　 .:°"　　　　　　　　 　,/　ﾟﾞl,,l l,, r'　　　　/:ｗllll!!!!!!ﾞﾞﾞﾞﾞﾞﾞ
　..,ii、　　:,,、　　　　　　'l″: .,,illl,i__丿　　　　 |,,i/'ｖ,,,,,iiii!
　.（ l,,,_ .i丿ﾞ゜.,_　　　　 ､!: 　 ..,illl|ﾞﾞﾞﾞ　　　/ヽ/llllllllllllliiilllllllllll|
: _　　ﾞﾞllﾞ　_: : 　　　　 .:l:　　 ,llllll..ﾞ|　　　　|llllllllllllllllllllllllllll|
/ﾞﾞﾞﾞﾞﾞﾞﾞ'ﾞﾞﾞﾞﾞﾞﾞﾞﾞﾞヽ,,, 　　 : : :,,il　　　 |　　　　|llll:.illllllllllllllllllllllllll
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..　　 ｀｀｀｀ 丶　 : : : :.,,i　　!ﾞ　　　ヽ　　 |illllllllllllllllllllllllllllllllllllllll|
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::::::::::::::::::::::::,' |::|,彡ミﾒtxｪ､_|＿　ヽ::!,ｨ弋≠.: ,!::: : : .＼＼:.､　＼
::::::::::::::::::::::/=キ|ﾆﾆﾆﾘ==―‐メ,ヽ li|"､＼　 /.:::: : : : : .＼､:.､
:::::::::::::::::::.ﾄ､‐=´､＿/'　,.-‐≠/　! ,ﾘ　丶 ヽ'.::::::: : : : : : : .＼＼　　　　　　　ちょっとまて誰だオマエ
::::::::::::::::::､＼､ |!　 /￣´　／´　　/　 　　 ､丶::::: : : : : : : : : .＼＼
:::::::::::::::::.､ヾ､＼ ノ　　　　　　　 /　_　　　 ヽ ＼: : : : : : : : : : : .丶
:::::::::::::::::::､＼　　　　　　 ,　＿＿＿_＞┬――'.: : : : : : : : : : : : : .
:::::::::::::::::::.ヾ､＼　　　　,/／＿＿／,i//′|::|｀`ヾ､:. ､:. : : : : : : : : :
｀ヽ､::::::::::::::::.＼ヽ　　 /´.:.:.:.｀ヽil!i|l!'./! 　 |::|　　 ヾ､:.ﾄ､.: : : : : : : :
　　 ｀`ヽ ､::::::: :.､ヽ　{'.:.:.:.:.:.:.:.:.:ヽ７/|:i　　.!ﾊ　　　 l!ヾ､｀`ヽ､: : : :
､　　　　　 ｀`ヽ､:.＼ |:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.ﾉ}/ ,!'　　 |! |!　　　 l!　ヽ.　　 ＼.:
　￣` ー ､　　　 ｀`ヾヾ.､＿＿/ j.! i!　　　.! |　　　　|　　丶
　　　　　　 ｀ ヽ ､　　 ｀＼ー‐ '／　!　　　'　!　　 　 !

　　　　　　　　　　　　　　　　　　､ ,,,,　N　　　　_
　　　　　　　　　　　　　　､-‐‐‐ ､ ヽ ヽ ヽ　r'´/ ィ'´, r,,___. _,,
　　　　　　　　　　　　　　 ＼＼　ヽヽ　　rr f /　／イ　, '´／
　　　　　　　　　　　　　　 !,ヾヽ　　ﾍ　i i ||　//　／ 　 ノﾉﾉ/|　　　　　　そんな、ひどい……
　 　　　　　　　　　　　　　 ｀＞ ニ　ﾍﾍ,,,, , ,, ff rr　,,　　イ　/､,
　　　　　　　　　　　　≦イ　　 ノ　　 f f｀ .｀､､ ヾ 　ヽ　　ニ　フ　　　　　 長年つれそった妻の顔を
　　　　　　　　　　　 ヾニ三 ノ ／　 ﾉﾉ　　 ∥　jj　 { ヽ‐--フ　　　　　　　忘れただなんて！
　　　　　　　　　　　　　　／,／　ミﾐ ､、　　 ﾘ　,, イ彡j ヘニＺ
　　　　　　　　　　　　　//／｀ii. へ≡ｮｪ_　　 ﾉｪｮ≡, メf `:､ il
蝨蝨蝨蝨蝨蝨蝨蝨乙i /ヽ　jj }　 ｀''''"ノ'i .f.ヽ｀'''"　 ﾚi　 }`､乙蝨蝨蝨蝨蝨蝨蝨梦
嬲嫐嬲嫐嬲嫐嬲嫐嬲`'､ffヽj iミﾐ　　　　l l　　　　彡{　ノ　j嬲嫐嬲嫐嬲嫐嬲嫐嬲嬲嫐嬲嫐嬲梦
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嬲嫐嬲嫐羽羽羽嫐嬲嬲NＮ　|　ヾ ､　　 ━ 　　.ノ.ﾉi |j嬲嫐嬲嫐嬲嫐嬲嫐嬲嬲嫐嬲嬲嫐嬲嬲嫐嬲嫐嬲嬲嬲之
羽羽嬲嫐嬲嫐嬲嫐嬲嬲嬲 Ｎ|　 　 ヽ　　　　　ﾉ /　 ｛嬲嫐嬲嫐嬲嫐羽嬲嬲嫐嬲嬲嫐嬲嬲嫐嬲嫐嫐梦
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　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 　 　 　 　 　 　 　 　 i.
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　　　　　　　　　　 　 　 　 　 　 　 　 ＼.:､ｲ :::::::::::: }. /:.:.i:/　　　　　（天の底なしの悪意を感じる……）
　　　　　　　　　　　　　　　　　 　 　 　 |: :.乂从:::ﾉﾘ/:.:.:.j′
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　　　　　　　　　　　　　　　　　　　／ 　 　｀ヾ,:::::i彡′＼
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　　　　　　　｀ ｰ=彡イ: : : : : : : : : : : : : : : : ハ
　　　　　　　　／:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:',
　　　 　 　 ／/:.:/:.:.:.:.:.:.::::::::i::::i::::l:::l::|::::!:::::::::::::::i　　　　　　　　まあいい、
　　 　 　 /　/:.:/:.:.:./:::::::/:::/::/::/:://:::!|::::::::::::::::l　　　　　　　　 おまえのブ男ヅラも
　 　 　 /　 i:.:/:.:.:./:::::::/:::/!:/!/:://!!::ハ:::::::::::::::!　　　　　　　　　これで見おさめだと思えば気にならん
　　　　　 　 |/i|:i:i::|:i::::/:::/:ﾑｯi:::// ﾘﾑｯ从:::::::::::l
: .、 　 　 　 |　|从小/:::/　i　 |//:: /　 　 ﾘ::::::::::l
: : :＼｀: : -. 、 !　 Ⅵ!::::ﾊ　　　　 :: 　 　 ｲ!:::::::::ﾘ　　　　　　　　 さよならだ
.: .: : : ＼: : : :｀:.:.:.-. .li:::::∧ 　 　 ｰ′　 /:!:::::::::!ー: : : :´:
.: .: : : : : ヽ .:.:.:.:.:.:.:.:.l::::::::ｌ::|＼　´二｀　/ :l:::::::::l: : : : : : : /
.: : : : : : : : ', : :.:.:.:.:.:l:::::::::ｌ::ｉ　 ヽ　　　/　:.!::::::::!: : : : : : /:.:
＼ :.:.:.:.:.:.:.:.:∨:.:.:.:.:.l:::::::::l:ｉ:ｉ　　 ｀￣´　 : l::::::::l:.:.:.:.:. : /:.:.:.


　　　　　　　　　　　　　　　　　　､ ,,,,　N　　　　_
　　　　　　　　　　　　　　､-‐‐‐ ､ ヽ ヽ ヽ　r'´/ ィ'´, r,,___. _,,
　　　　　　　　　　　　　　 ＼＼　ヽヽ　　rr f /　／イ　, '´／
　　　　　　　　　　　　　　 !,ヾヽ　　ﾍ　i i ||　//　／ 　 ノﾉﾉ/|　　　　　　ダメです！
　 　　　　　　　　　　　　　 ｀＞ ニ　ﾍﾍ,,,, , ,, ff rr　,,　　イ　/､,　　　　　 これが主上の大御心によるものとは
　　　　　　　　　　　　≦イ　　 ノ　　 f f｀ .｀､､ ヾ 　ヽ　　ニ　フ　　　　　　とても信じられません！
　　　　　　　　　　　 ヾニ三 ノ ／　 ﾉﾉ　　 ∥　jj　 { ヽ‐--フ
　　　　　　　　　　　　　　／,／　ミﾐ ､、　　 ﾘ　,, イ彡j ヘニＺ　　　　　　 最後の最後まであきらめちゃダメ！
　　　　　　　　　　　　　//／｀ii. へ≡ｮｪ_　　 ﾉｪｮ≡, メf `:､ il
蝨蝨蝨蝨蝨蝨蝨蝨乙i /ヽ　jj }　 ｀''''"ノ'i .f.ヽ｀'''"　 ﾚi　 }`､乙蝨蝨蝨蝨蝨蝨蝨梦
嬲嫐嬲嫐嬲嫐嬲嫐嬲`'､ffヽj iミﾐ　　　　l l　　　　彡{　ノ　j嬲嫐嬲嫐嬲嫐嬲嫐嬲嬲嫐嬲嫐嬲梦
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　　　　　　　　　　　　　 ／::::::::::::::::::::::::::::::::: : ／:.: //:::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::ﾉ ノ
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.　　　　　　　　　 　 ﾊ::::::::::::::::::::::::::::::/:::／:::::.: : /// : /:::/ i:::::::::::::::::::::::::＼::::＼
　　ー- ．.　　　 　 ｛::::::::::::::::::::::::::::::/::/::::::::::.:.: Ⅳ/X/ :∧::ﾄ､:::::::＼､、:::::::::＼::::＼
　　: : ::::::::::｀:::...､ 　 Ⅵ:::::::::::::::::::::: /::/::::::::.:.:.:.:.:Ⅳ::::ハ::|ヽ!:! Ⅵi:∨!∨ :::::｀ヾ::＼::::ヽ.
　　: ::::::::::::::::::::::::＼ ﾉ:::::::::::::::::::::: /::/::::::::::.:.:.:. ∧::::!|　iﾍ｀ヾ!、!:i::::∨i∨::::::::::: ∨:＼:::!
　　: :::::::::::::::::::::::::::くヽ:::::::::::::::::::::/::/::::::::::.:.:.:.:.:ﾊ ∨!|　ヽ `ｰ‘'ゞﾘﾊｉⅣi∨::::::::::: Ⅵ:∧|
　　: ::::::::::::::::::ﾊ⌒ヾヽ＼ﾍ:::＞'/::/::::::::::.:.:.:.:.:;'　　 V!　　　　　/// ｉⅣハ∨::::i:l::!∨　｝
　　 :::::::::::::::://,∨//ヾゝ"´　 ,'::ｲ:::::::::::.:.:.:.:.:.!　　　 ＼　　　 /∧/Ⅳ!　} i!i:::::从:! |　 j　　　 奥はああ言っているが
　　:::::::::::::::////ﾊ..／　 　 　 i:/ |:::::::::::.:.:.:.:.:.|　　　　　　 　 ／　∨ /　ハ!i::/ハj 　 /　　　　どうしたものかな
　　ーｖーく//////ヽ.　 　 　 i!　|:::::::::::.:.:.:.:.:.| 　 　 　 　 　 　 _＿∨ /　/ /
　　 : : : : : :｀寸/////ヽ 　 　 !　|:::::::::::.:.:.:.:.:.|　　　　　　　.‐ｧ′　　　　/〃　　　　　　　　 　 雲よ
　　　　. . . : : : `寸//// ＼　 i　|:::::::::::.:.:.:.:.:.|　　　　　　 /升ｧ､_　　／´
　　 　 　 . . . : : : ∨/////,ﾞ＼､ |:::::::::::.:.:.:.:. ト．　　　 　 !///////7ァｧ,､_
　　 　 　 　 . . . : : ∨///////,ヾ ::::::::::::.:.:.:.:|::::::＞．...___j/////////////｀7ｧ､
　　 　 　 　 　 . . : : ∨////////,'＼:::::::::.:.:.|::::::::::::::::|////////////////////｀ｧ､
　　　　　　　　　. . : : ∨//////////＼:::::.:.|::::::::::::::::|///////////////////////＼

　　　　　　　　　　 　 　 　 ＼::＞...､＼ ∨:::::::＼ﾄ､　/::::::::::/　　　　 __＿
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　 　 　 　 　 　 　 　 ___　　｀ヽ　∨::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::／ __＿
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　　 　 　 　 　 　 　 　 ＼::::::::::::::::::::::::::::- ー､＼ ∨:::}:｝:::::::::::::::::::::::::::::::::::／´
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　　　　 　 　 　 　 　 　 　 ＞ゝ://:::::/｀:.:ｰ―／ｲ/!ﾄ､ｰ─.ｘ::: |:::i:::::＜..._＿　　　　そりゃもちろん、
　　　　　　　　　　　 ｰ=ニ;:::::::::|::|::::::!: : : :.／: :./!:|l: |: : : : :.:!::::!:::|:::::::::::::::＞　　　　 ノータイムで自殺するっきゃないっスよ！
　　　　 　 　 　 　 　 　 　 ｀ヽ;::|::ﾄﾍ::ﾄ;,:／;_;_;.:/,;!;|l;_|;_;_;_;,;,;j:::ﾘ::ハ::::::／
　　　　　　　　　　　 　 　 　 　ヽ＼! ／､｀丐ﾞ/　| |ｋi!`丐イﾊ!/::ハ／　　　　　　　 みっともなく命にしがみつくより、
　　　　　　　　　 　 　 　 　 　 /;';､Ｘ　 　 ｰ /　 .|::!| |｀ｰ ´ 　/ﾉｲ〈　　　　　　　　　 パッと死花さかせるのが
　　　　　　　　　　　　　　　　/／/|:::ﾍ　 　 | 　　!: !　 　 　 /イ/: :',　　　　　　　　 　男ってモンでしょ！
　　　　　　　　　　　　 　　／´　 ! ﾘ::ハ 　 　 ､＿＿,　　 ,ｲ::::ﾘ !: : i
　　　　　　　　　　　 　 ／　　　　　∨ﾍ:＼　　　　　　　ｲ::/!/　|: : :!　　　　　　　　　そーれ、先生のちょっといいとこ
　　　　　 　 　 　 　 ／　　　　　,/＞くi:!!:| :＼　　　 ／ :l/＼へ|: : :|　　　　　　　　 　見てみたい！
.　　　　　　 　 　 ／　　　　 , イ!　i:i:i:i:i:!:::l:　　｀ ｰ ´ 　 ﾊi:i:i:i:i:,ﾍ｀　‐　、
　　　　　　　　／/　 　 , イ　　:l　i:i:i:i:i:i:　j　　　　　　　!　:i:i:i:i:i:. ':　　 　 ｀ 　､、
　 ┏━　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　━┓
┏┛|￣　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 　 　 　 　 ￣|┗┓
　 　 　 朱雲、字は游

　 　 　 魯国のひと（のち右扶風の平陵にうつった）

　 　 　 儒者
　 　 　 蕭望之の門弟
┗┓|＿　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 　 　 　 　 ＿|┏┛
　 ┗━　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　━┛

.:l: :llト .,　　ﾞﾞll ﾞ　,ゝ:”.._,､､　　　 w／ﾞﾞﾞ゜　,,, /
:,,_.:l".:ll'　　　lll,,,,,,,,,,lll／，‐　　　　　.'　/ﾞﾞﾞ　l,,,_
: ｀'ﾞ°'ﾞ!　i”:'°ﾞﾞ! ,lﾞ’:ﾞ゜'ﾞﾞﾞﾞ＼,,　wｖ: .'"　　　~　!--､
　　　　 ﾞl ,l,,　　　'! i,　　　 ｀ﾞﾞ/ﾞ　 　　　　　　　　　/
　　　　　l l　　　　l l: 　　　,、'l　 　　　　　　　　　/
,,、　　　 l ｌ,,,---　ｌ l ´ 　.ﾞ″ﾞﾞl　　　　　　　　　/ﾞ　　　　　おまえは何を言っているんだァ――ッ！
ﾞヽ,_　　　lil’　　 .,,,ｗｗ,,,..　　 /　　:lﾞ,ﾞﾞ''''l　　　│
　 .ﾞl .,,　ll ゜: .､／ﾞ: ._.,,,,,,,,ﾞll!　:ｌ: 　ｌ ,,,,,,　　　　 <　　　　　　 食らえッ！
,ili,,__,．　 ,∠,,,,,／ﾞﾞﾞﾞﾞﾞﾞllll!l゛._ｌ,".,ll".,,,,　ヽ,　　　＼　　　　　　飛飯綱！
　 lllli,、 ..,iill |, （,,,）,,,,,,,l!ﾞ″,,lﾞｌ　 l　/ﾞ　ﾞl,,li　　　／
l!ﾞ°ﾞl!　.ll’　ﾞヽ,: ﾞ”ﾟﾞﾞ゜　　｀ l　│ >丶ﾉﾉ　　　/
　　 .'l: .:l｀　　　.ﾞﾞ″　　　　.,,,iiiiil: ヽ // 　　　│,,,iiiiiiiiiiiilll
　　 .:°"　　　　　　　　 　,/　ﾟﾞl,,l l,, r'　　　　/:ｗllll!!!!!!ﾞﾞﾞﾞﾞﾞﾞ
　..,ii、　　:,,、　　　　　　'l″: .,,illl,i__丿　　　　 |,,i/'ｖ,,,,,iiii!
　.（ l,,,_ .i丿ﾞ゜.,_　　　　 ､!: 　 ..,illl|ﾞﾞﾞﾞ　　　/ヽ/llllllllllllliiilllllllllll|
: _　　ﾞﾞllﾞ　_: : 　　　　 .:l:　　 ,llllll..ﾞ|　　　　|llllllllllllllllllllllllllll|
/ﾞﾞﾞﾞﾞﾞﾞﾞ'ﾞﾞﾞﾞﾞﾞﾞﾞﾞﾞヽ,,, 　　 : : :,,il　　　 |　　　　|llll:.illllllllllllllllllllllllll
: -' ￣￣￣`- '　｀ : : : ,/iill!ﾞ　　　|　　　/illllliilllllllllllllllllllllllllll
..　　 ｀｀｀｀ 丶　 : : : :.,,i　　!ﾞ　　　ヽ　　 |illllllllllllllllllllllllllllllllllllllll|
　: : : : : : : : :　　: : : :/!ll,i!ﾞ｀.,,i､ 　 /|　 /llllllllllllllllllllllllllllllllllllllllllll
: : : : : : : : : : : : : :,,,/ﾞﾞll,l!ﾞ: : .l″. / .|　|lllllllllllllllllllllllllllllllllllllllllllllll
ll_:_:_:_:_∧_:_:_:_:_:_:丿゜;;;;ﾟ!″ .,i! /　 .|/llllllllllllllllllllllllllllllllllllllllllllll
.:｢llﾞlﾞﾞﾞﾞﾞ!lllﾞlﾞﾞﾞﾞﾞﾞ｀: ，',ll° .,,｀　 /　il:: |llllllllllllllllllllllllllllllllllllllllllll|


/::/:::::/厂|ｈ{ 三≧＞ｌ:::::::::::冂::::二ﾆ－＞
ｌ:/::::::/三 |{ ヘ　ﾚｒ' ，弌廾::|::ｌ:::::::::∠,-‐ ､＿rー-ｔ
|/;:::::/＞‐〒ヽＹ　=≠　乂リうV,-‐イ　　::::::/ ..::::／:
:ｌ:::::ハ「__’ｲ　ﾉ!＼　 　　 _　h;ﾉ　　 /＿＿ﾉ-､:＿
ﾊ::::小 ￣　', ヾＬ　＼　　=　ﾚ∠‐ 个　　/　/　　ﾉ　　　　　　フタエノキワミ、アッー！
―ｌ:;代_　　 ヽ ,､=＝、　 Ξ,/　　　'　　/　　　／..::
　 |::ﾄ､ぃ、　　Ｙ::::::::::＼　=,/　　　　＿＿＿　　..::::::
　　ｌ　 `^＼ 　 V⌒ ⌒|　/|,､'｀￣　　　　　 ｀ヽ、:::
　　ヽ　 /: :/i;h .V＿_ノ /:ﾉ＿＿＿＿　　.:::::::::::＼
　　　 ／: : :{:::ﾊ`ヽ, ― ﾉ　　　　　　 　 ＼‐ ､::::::::::
　　　/: :: :/ |::::|:＼:`' T　　　　　　　　.:::::::＼:::::L
　　　|:::／/ |:::::|: : ＼: L＿＿　　 ..::::::::::::::::::::|::::|⌒

　　　　　　　　　　　　　　　　　 _＿
　　　　　　　　　　　　　ー＝ ´.:.:.:.:::`ｰ､、
　　　　　　　　　　　　　 ,.ｲ´.:.:.:.:.:.:.::::::::::::::::,
　　　　　　　　　　--=彡.:.:.:.:.:.:.:.:.::::::::::::::::::::i　　　　　　　　　　　　　　　　　　　……おれはかつて将相の位におり、
　　　　　　　　　　　 /.:.: : .:.:.:,ｨｌ.:.://i〃:::::|::!__　　　　　　　　　　　　　　　　　　 歳はいまや六十を超えた
　　　　　　　　　　　 l::从.:.:./､ｧi!､iil'ィ/ l::::l:'l:::::￣::::＝=- __
　　　　　　　　　　　 ｌ i i i:::ヽ 　 ':l　　　|::::i´:::::::::::::::::::::::::::::::::==‐- ､　　　　　　 老いて牢獄に入り、
　　　　　　　　　　　　 l　i:::::::...､　,｀-　/::: lヽ.==､、::::::::::::::::::::::｀ヽ　 ＼　　　　　 生きながらえようと望むのは
　　　　　　　　　　　　　 ,'::::/.．,ヽ. ｀ /.|:::::! , ゝ:´ :＼::::::::::::::::::::＼＼　ヾ.､　　　　恥知らずなふるまいだ
　　　　　　　　　　　　　'::::/: :// ヽ ´ .ﾑ::/. : : : :／.: :ゞ.、:::＼:::::::｀ヽ｀ヽ}::}
　　 　 　 　 　 　 　 ,.ｲl:::/: ://　　'__./:::/ : : :／.: : : : : :.ヽヽ:::ヾ､::::::',､::::〈
　　　　　　　 　 　 /: :.i:::i7::{ :{ゝ /／l::/ : :／´￣´: : : : : : :.:..`､:::ﾘ::::::::}メ::､
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　　　相談相手をまちがえたとしか思えないが、
　　　朱雲のことばをうけて
　　　蕭望之は毒をあおいで死んだ

　　　初元二年十二月のことであった

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　　　　　　　　 ー＝彡　.:／　　　 　 :.　/:::::::/ 　 　 :　　 ｜ ,
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　　　　　　　　　　　　　 　 ／　: :　　 /:::::::/`ー- ､:　　 　 | 　 ' .
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　 　 　 　 　 　 　 　 ／　　　　: :.　/::::::/　　　　　　 　 !|≦}´￣￣｀ヽ
　　　　　 　 　 　 ／′　　　:　:　 ,:::::::::′　 .:　　　　 /ｉ:|__」
　　　　　　.． : ´:′ 　 　 　 :　:　,:::::::,′　　.:　　 　 / :ｉ:|:::入
　　. ． :.´ 　 ／　　　　　　　:　: ,::::::/　　　 .:　　　 /　 |:|ヾＹ_Ｙ
:／　　　　／　　　　 　 　 　 :　 ;:: /　 　 　.:　　　 ′　|:|´￣｀ヾヽ

╋━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━╋

　　　かれの死を知ったとき、
　　　元帝は食膳をしりぞけて泣いた

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　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 ＿＿
　　　　　　　　　　　　　　　　　 　 　 　 ／::::::::::::￣｀ヽ
　　　　　　　　　　　　 　 　 　 　 　 　 /::＿__:::::::::::::::::::::＼
　　　　 　 　 　 ,.　' ´ ￣￣￣ ｀ ` ヽ//　　　｀`ヽ::::::::::::::::::＼
　　　　　　　／　／ ＼　　| 　 　 　 　 ＼　　　　　＼::::::::::::::::ﾞ､
　　 　 　 　 |　 / ノ＼.ヽ　| /　 　 　 　 　 ＼　　　　 ヽ::::::::::::::|
　　　,. -―┴‐;;'´/.　|　ﾞ, l/　　　　　　　　　　ヽ　　　　｀､:::::::/
　 ／;;;;　::;;;;;;;;;;;;;;;;;7　|　.| |　　　　　　　 　 　 　 ﾞ,　　　 　 Y/　　　　　やっぱり……！
　l;;;;;;;:　.:;;;;;;;;;;;;;;;;;/.　.!　,' |　　 　 　 　 /　　　　　〉　　　 .//
　!;.,,,,,,,;;;;;;;;;;;;;;;;;;;//　l_ノ;:/| ／ ￣ ｀`y'　　 　 　 ﾊ　　　 //　　　　　　 もしかしたらこうなるんじゃないかって
　l;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;/　ノ::::::::::ヽ　　　　 ハ＿＿_／::::ﾄ､　 .//　　　　　　　 思ってたけど！
　 ヽ、;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;l／-､,,,＿::::|　　 　 　 |::::::::::::::::::::;'　｀'Y/
　　　|ﾊ/V＼ﾄ､l　　 ＿ 　 ｀ヽ､＿＿_,ｲ::::::::::::::::::/ 　 // >
　　　　　　ヾ三___／:::::/｀`'ー- ､,＿__/:::::::::::_／ 　 ,//｢|　　　　　　　　 僕は先生を殺してしまった！
　　　　　　　　＼:::::::::::|:::::::::::::::::::::::::,:r‐ ''"´　 ,.-'´ // .|.|
　　　　　　　　　 ｀!:::::::ヽ:::::::::::::::::::::ヾヽ-‐ '"´ヽヽ,//　 |.|
　　　　　　　　　　｢::::::::::::＼:::::::::::::::::::ヽ.　　　 　 //＼　|.|
　　　　　 　 　 　 /-ﾐ/‐ｧ:::入::::::::::::::::::::ヽ.　　　//　ヽ＼!.!
　　　　　　　　 ∠_　 | /／　 .＼::::::::::::::::::ヽ.　 //　　　｀ｰ′
　　　　　　 　 〈.　 ヽﾚ'ﾉ 　 　 　 ＼::::::::::::::::::ﾞ,//
　　　　　　　 　 ｀` '' ´　　　　　 ＿）:::::::::::::／〉
　　　　　　　　　　　　　　　　 ／ ヽ ヽ;::::／／
　　　　　　　　　　　　　 　 　 l　　／>.｀ ／
　　　　　　　　　　　　　　　　 ｀ 'ー‐ '' ´

╋━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━╋

　　　なお蕭望之を死に追いやった石顕は
　　　審議の適切でなかったことを責められたが、
　　　ごめんなさいで済んだ

╋━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━╋

　　　　　.r-、 _００　　　　 　 　 　 /::::'┴'ｒ'.r-、 _００
　　　　　.|::::'´::::r┘　　!「`L00、|.l└ｸ_;厂 .|::::'´::::r┘　　!「`
　　　　　.|::::「|:::|　 　 l| |Lｎ:::r┘|.l _lﾆユ、 .|::::「|:::|　 　 l| |
　　　　　.￣└r''"´］_ l| | ｒﾞ=ﾞ┐ |└ァ::/　 ￣└r''"´］_ l| |
　　　　　､ヽ、 ,ゞ´_::::| l| |「二:::7 .|.l └′ ､ヽ、 .,ゞ´_::::| l| |
　　　　　. ＼＼｀´ |:::|. l| l　〈::/　 ､ ! 　　　 ＼＼.｀´ |:::|. l| l

　　　　　　　　 ／.:.／ .:'".:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:｛.:.:.:.:.:.:.:.:／}.:.:.:.:.:＼
　 　 　 　 　／.:.／:／〃.:.:／／.:.:.:.: ﾊ.:.:.:.（.:（ﾉ人.:.:.:.:.＼.:`ｰイ
　　　　　／ｲ／:／::::/.:.:∠_/:.:.:.／ノ　}.:.:.:人_:＞ ＼{.:.:.:.ヽ:＜
　　　　　　/ イ/::::::,:'.:./了.:{.::〃＜_ ノ:.／::::::::::::::::::::}:}.:.:.:.:}.::::}
　　 　 　 /ｲ:::/::::::ハ.:{ -j/j/‐≠-､＞}}ﾄ:::::::,,::::::::::_,,斗.:.:.,':::::ﾊ
　 　 　 　　j∨::／l::::Ⅳｨ仟云不ﾐ　　´″ 〃=≦::ｰくﾘ.:./::::::j/
　　　　　　乂:/:/::|::::|〃弋てク _,　　　　/:::ｨ仟云ﾐ､｀ｱ:::::::/
　　 　 　ノ／/く:::厶入　｀¨¨:::::´　　　 　 ､_弋うク :}}:/::::／
　　　　〃　 j/ ∨-ﾍ_::`=-　　　　 　 　 l、::::｀¨¨`=彡 '´
　　　　　　　　　{〈⌒}_　　　　　　　　 　 ′::::::::::::::::/　　　　　　　　　ざまあみろ！
　　　　　　　　 ＼__ﾑ　　 　 ぃ-――=ァ::::::::::::::,.'}
　　　　　　　　　　　`ヾﾍ、　　　　 ー一'´::::::::::∠ノ
　　　　　 　 　 　 　 　 ヾ|＼　　　 :.ー:::::::::::／
　　　　　　　　　 　 　 　 l 　 丶 　 :::::::::,.イ
　　　　　　　　　 　 　 　 |　　　x≧=≦==|ヽ
　　　　　　　　　　　　　|￣￣「「　 　　　| |｢|
　　　　　　　　　　　　　|　　　| |　 　 　 .| ll |

　　　　　　　　　　　　　　　　　　- -　　- -　-
　　　　　　　　　　　　　- -　--　─　──　─　--　- -
　　　　　- -　--　──　────────────　──　--　- -

╋━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━╋

　　　このあたりの機微はわかりにくいことが多いので
　　　ちょっと説明する

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　　　　　　　　/／　　　　　　　　　　　　　　　　 ＼
　　　　　 -一'　 -‐　　　　　　　　　　　　￣￣ ＼ ヽ
　　　　 /　　／　　　　　　　/　 　 　 　 　 　 　 　 ＼{
　 　 　 |　／ 　 　 　 　 　 /　　　　　　　　　　　　　　＼
　 　 　 i/　　　 　 　 　 　 | 　 　 　 　 !　　　　　　 　 　 ＼
.　　　 /　 /　/　 / 　 |　| i　 　 |　　　|　　　　　　　 ヽ ＼ ＼
　　　/　 /　/ 　 |　　｜ | i　 　 |　　　|　　　　　 |　　｜　‘，‘,
　　 /　i/　/ l 　 |　 i| |　| Ⅳ 1｜ i ｌ　!　 ｜　　 }　　｜　　|＼､
.　 〃１i　/ i l 　 |　 i| |　| |‘，i !|　i i　} /ｉ｜　 ｉ/ ｜　!　　 |　 )'
. 　|ｉ　i |｢Ⅵi |ｉ--|　 i| i 八i-､ i从八{-i/-l/!―/ｉ　 i　/ /　 }
　 ﾉ'　i |i　{ i |iー＝芸赱ｧ-` ﾘ 　 i 　ｰ芸赱ァ=- / / / / .′
　　　 }八　Ⅵﾊ　!　八{　　　　　　|　　 　 ﾉ'　 ,'// / / 〃/
　　 　 　 ＼ i 小{　　　　　　　　　|　　　 　 　 i i|ｲ!/／1/
　 　 　 　 　 | |:.　　　　　 　 　 　 |　　　　　　ﾉ小i|´　ノ'
. 　 　 　 　 〔| |∧　　　　　　　 　 i〉　　 　 　 /´1i|
　 　 　 　 　 | i〈込　　　　 　 __,､,､__　　　　 /`ｰ| |　　　　　　　　説明しましょう
　 　 　 　 　 | i∧　`, 、　 　 ｀ こ ﾟ´　　 　 　 　 | |
. 　 　 　 　 /| i 〈＼_i　＼ 　 　 　 　 　 . ｲ 　 　 | |
.　　 　 　 /　! !　/ 〈ﾄ､＿,`　。　 　 ／___}-,_. 　 | |
　　 　 　 {　｜!/　　}: : : : :｀=介ｰ介ﾆ==彳　＼ | |
　　　　　 |　 | |　 　{: : : : : : : : : : | | |: : : :|＼　 ヽi|
　　　_　　￣ !ﾘ　　 { : : : : : : : : : :| | |: : : :i: :∧　 ﾘ｀丶
　／　　　　 / 　 　 |: : : : : : : : : : ! ! !: : : : : : : ∨＼　　｀丶

╋━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━╋

　　　まず牢獄についてだが、
　　　これは現代日本の刑務所とはぜんぜんちがうものであり、
　　　一時的に犯人をとどめおくものにすぎない

　　　いってみれば拘置所である


　　　 　 　 　 　 ・ ・ ・ ・
　　　罪が決定してから入れられる場所ではなく、

　　　 　 　 　 　 ・ ・ ・ ・
　　　罪が決定するまで入れられる場所なのである

╋━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━╋

　　　　　　　　　　　　　　　　_＿____
　　　　　　　　　　　　　 .,,ｒ'三ヅﾞ´￣｀｀ﾞ''･ 、.　　　　　　　　　 　　　　　　そもそも古代のチャイナには
　　　　　　　　　　　　.／=＝'': : : : : : : : . 　ヾﾐｯ､ 　　　　　　　　　　　　　 いまの禁固刑に相当する刑は
　　　　　　　　　　 ／:: : : : : : : : : : : : : : : : : .　　ヽ　　_　 、 　　　　　　　　存在しなかったんだ
　　　　　　　　　 ./:: : : : : : : : : : : : |: :!,: : : : : : .. 　ヽ　つノ
　　　　　　　　　/.!::: : : : : : : : :| :i : :ヽ:ゝ::‐-=‐'''ヾ　|　　　　　　　　　
　　　　　　　　./ﾐﾉ: : : : : : : :,,ノノ: : : .! |:::. .ｒ',ﾆ､ｯ-　ｖヽ､--─-､__＿,,　 　 いや、禁錮という名の刑はあったさ
　　　　　　　　!ﾐi': : : : : : : ノ''::::^ヽ: : : :.i::: :ﾚ'￣´: : : ｀iヽi＿　　　　/
　　　　　　　　|ﾐ!: :__;,;,.r:‐彡- ､,　）ﾞ: : : ヽ: ::´: :､_: : __ヽ!ﾄ､ ￣＼ノノ 　 　 　しかしそれは終身、
　　　　　　　　ヾ: : ｀ﾞ´: :/´,..ｔョ-''‐:: :::::::::: :.､‐ぅ、: : ｩ､.,ヽ:ﾍ　　　＼／　　　　もしくは累代にわたって
　　　　.／　　　ヽ::: : -''´~ -‐''´::,::: .,: . . . :;!ｊ,,ｒ=ｬｯノ' ! : |::: :ヽ　　　￣　　　　 官吏となることを禁ぜられる、
　　／/_／　　,ｒ‐|: : : : : : : : ／:::ゝ､入___ノ'',,ｒ‐=ﾗ,: :/: :/: : : :ヽ　　　　　　　　　身分上の刑だったのだよ
　　ゝ-‐ '´　　!-ヽ-､: : : イ_,,='´: ｒｬ‐'ﾞ,=‐'' ´　 .丿i:: : ./;; : : : :.|
　　　　　　 ／｀ヽ《:ヽヽ: :m、: ｒ'ﾞ´_/´　　_,,.ィ'''´ ノ::.　|::: : : : : :|　
　　　　　／　　/｀ゝ､! i:::ヾ辷''ﾞ:￣｀二￣　 -‐'´:::: .　ﾉ､:: : : : : :|
　　　　/　　　/　　|:人ヽ､｀‐-｀: : : : : :￣: : : : : : : ／:: |::: : : : : !
　　 .／　　　 |　　 ヽ: :::::::｀ﾞﾞ二＝=-─ ､_: : : :__／:::::: |:: : : : : :|

╋━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━╋

　　　被告としては獄に入れられてからが第二ラウンドの開始である

　　　しかし本人はうごけないので
　　　実際にうごくのは家族や友だちだった

　　　当人が儒者なら師匠や弟子にも期待できた


　　　では助命や減刑のきめ手となるのは何か

　　　支那はむかしから人治主義の国なので
　　　ものをいうのは金とコネであった

╋━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━╋

　　　　　　　　　　ｒ.､
　　　　　　　ｒｆ｀ヽ }. ヽ
　　　　　　　〉.＼　＼. ヽ
　　　　　　　} {　丶.　　 .}
　　　　　　　| ｀　　　　　ﾚ'´/
　　 　　 ,.-‐‐`‐‐-､_　.:.　/　　　　このへんの事情を知りたければ
　　 .／´　＿,.-'´_ 　｀ヽY　　　　　『水滸伝』を読むんだな
　_./´ _,.-'ﾊﾄ‐‐､‐--､　:::}
.//{／:::::/ ヾ:＼ ｀‐-ｧヽ 〉
ﾄ､Y´ }:/´. -p‐､ヾｧ 〉ﾚｧ}〉　　　　　この時代より千年以上もあとの小説で、
〈人.ﾝ〈_,.　　￣' ｰ p-y/　　　　　　 しかも獄に入れられるのはたいてい庶民だから
ヾ､ﾄ::::彡　,.　　　　｀7 /　　　　　　　蕭望之のときとはケースがぜんぜんちがうが、
.:.:.:＼:-ｆ　 {ヽ. ＿_ ´ /そ
:-─- ､＼　｀ 二´ ./'"´　　　　　　 まあ被告の家族や友だちが官権に対して
.　　　 　ヽ＼ ＿ /　　　　　　　　　　どんな運動をするのか、
__　　　　　.Y:::∨´　　　　　　　　　　　ニュアンスはつかめると思うぜ
　ヽ.　　　 　ﾚ´
　＼ヽ　　　 }

╋━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━╋

　　　しかしエラい人はつらいもので、
　　　このころの将相はたとえ冤罪であろうとも
　　　獄官に対して自己を辯護せず、
　　　毒をあおって死ななければならないというのが
　　　当時のならいであった

　　　実際、西漢には
　　　自殺した丞相がけっこう多い

╋━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━╋

　　　　　　 　 　 ,､人,､／l＿,､
　　　　　＿ﾉ＼ﾉ:::::::::::::::::::::::::｀ー'フ
　　　　　＼:::::::::::＿_ノ＼,､＿:::::::::≧
　　　　　　ミ三::::::＼:::::||ll:::ゝ::て:::::::彡
　　　　　 　 ＼ハ二二川二二ハ／　　　　　俺が先生に自殺をすすめたのも
　　　　　 　／ﾉﾘ<●>ハ<●>ﾙ' ＼　　　　　 そのへんの事情があったことを
　　　 　 　 |　　　　（__人__）　　　　|　 　 　 　 くみとってくれ
　　　　　　 ＼　　　 ｀ ⌒´　 　　／
　　　 　 　 ／　　　　　　　　　　 ＼

╋━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━╋

　　　石顕にハメられたときの蕭望之は
　　　もと御史大夫、もと将軍であり、
　　　その点をおしとおせば
　　　自殺しなくていいという解釈も可能であった

　　　元帝や蕭望之の妻は
　　　そうすることを蕭望之に期待したのであろう

╋━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━╋

　 　 　 　 　　　　 /:::::::::::イ::::::::::ﾊ:::::::::::::::::::::::＼
　　　　　　　　　 /::::::::::::::::／::::/:::l:::::::＼＼:::::::::::}
　 　 　　　　　　イ:::::::::::::::::::::::::::::/|:|:::::::::::::::::::::::::::|
　 　 　 　 　 　　イ:::::::::/|:::/|::::/　|! | l|::::ﾊ:|:::::::::::ﾄ　　　　　　　　たしかに逮捕は許可したさ
　 　 　　　　　　　ｲrl:::/_|/__|/|_,　| ､__|/＿|_|:l::::ﾊ
　 　 　　　　　　　　{k〈ｬ'´ﾋｿ` ﾍ.　　'"ﾋｿ｀'ｧ/k）　　　　　　　　　 でも今の蕭太傅は関内侯給事中で、
　 　 　 　 　 　　　　ヽﾍ. 　 　　　　　　　　 /‐'　　　　　　　　　　　丞相でもなければ将軍でもない
　 　　　　　　　　　　　　＼ 　 　 , _　　　／
　 　 　 　 　 　 　 　　　　rへ、 ‐―　／|l ＼_　　　　　　　　　　　その罪は軽いものだと
　 　 　 　 　 　 　　　_／/::::/:|:`:::-イ　　|　　|＼　　　　　　　　　　石顕が太鼓判をおしたんだから、
　 　 　 　 　 　 　 ／　 /　 |　l　　　 /　 |　 │　＼　　　　 　 　 　 おとなしく獄にはいって裁きをまてば
　 　 　 　　　　／　　 /　　{＿_ 　　/＿.ﾉ　　| 　　　＼　　　　　　　 軽い刑ですんだはずなんだ
　 　 　 　 　／　　 ∠ -┴ﾍ‐-､三７ ／ へ、| 　 　　　＼
　 　 　 　 /　　　　|　　　 く ＼i　 ／ _＞ 　 `　　　　　　 ヽ　　　　 ガンコだから
　 　 　 　 |　　　　|| 　 　 　 ＼|/´／ 　 　 　 　　| l 　　／ |　 　 　 しなくてもいい自殺をするんじゃないかって
　 　 　 　 |　　　　|:|　　　　　 「　 　 　　　　　　　|/　／ 　 | 　 　 　 心配はしてたけど……

╋━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━╋

　　　結局のところ、
　　　すべての状況を読みきって
　　　首尾よく政敵を葬り去った石顕が
　　　一枚うわ手だったということである

╋━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━╋

　　　　 　 /:.:.:/.:.:.:/.:.:.:/:: ..:.:./:.:.:: /　l:.:..:.:.:.:ﾊ: l:: .:.:/　l:ﾊ:.l.::.:.:..:. :.:.:.:ヽ
　　　　　/:. ::/:: .:.:':.:.:.:.{.:: .:.:./:.::.::/　　l:.:.:.::/　l:.l::..:/　 lハ::.､:..!:.: : .:.:.:.::ﾍ
　 ＿__ノ:.:: ..:l:.: .:.::{:.::.:.:l:.: .:.:{_:.:.:/-─‐!:..:/ 　 ヽﾊ:{　　　　ヽヽl: l:.: : .:.ヽ:.:＼
　ヽ:＿.:ｨ:.::{.:l:.: .:.:.:l、::_l〉':´ﾊ:.:./ 　　　l::/　　　　　　　　　　 ヽ:ﾍl:.:. .: .:.:.:ﾄ､::.＞
　　　　 l:: :lﾉl:.: .:.:.::l ﾒ:.l ﾍ::l ヽｊ＿_　　l/　　　　　　⌒ヽ　 　 　l.:ｒ:ゝ:.: .:.:.:}
　　　　 ', ::/ {.:　.::.:.l　ﾘ -‐ 二 ＿ ｀　　　　　　　 　　　 ＼　　l:.ﾉ:.:.: .:l:.:ﾊ:',
　　 　 　l/: /ﾊ.: .:.:.:l 　,イ/´ ﾋうﾊ　　　　　　 　 　ｒ‐‐ 、　ヽ /ｲ.:.: .:..:}.:l l:.l　　 うわーん、
　　　　 /: ﾊ { ﾍ:.:.:.::l / /　fﾌしｨ} 　　　　　　 　　,ｨｔﾃﾐ､ヽ　/ｲ:.:./:.:.:ｲ:,' l:.l　　　国家の柱石たる人物が
　　　　,' / ﾍl ヘヽ:.::〈　{　 ｔり　ﾉ　　　　　　　　ｲｒんｨ }ﾊ　　/::/.:.:/ l:/　ﾘ　　　 先走って自殺しちゃったー（棒）
　　　　l '　　{ (　l ﾄ､:.:ヽ‐ゝ‐一'‐　　　　 　,　　 l tソ １　〉 /:ｲ:.:.:/　l/
　　　　{l　　 ヽヽ ﾍ　ヽ:.ゝ 　 　 　 　 　 　 l　　 廴　ノ　/ ｲ-v／　　　　　　　　 悲しいなー（嘘）
　　　　　　　　 ＼ソ　　　　　　　　　　　　/　　　　￣ ｀　/ﾍﾉ′
　　　　　　　　　　ﾄﾊ　　　　　　　　　　　　　 　 　 　 　 /ｒｿ
　　　　　　　　　　∧ﾄ､　　　 　 く´￣￣　` ｧ　　　　　/ノ　　　　　　　　　　　　 え？
　　　　　　　　　　 　}l ヽ　　　　　ヽ _　　 ノ　 　 　 ／　　　　　　　　　　　　　　 執金吾の兵を派遣せずに
　　　　　　　　　　　　l 　 ＼　　　 　 二´　　　 ,　'´　　　　　　　　　　　　　　　　 非武装の使者だけをつかわしていれば
　　　　　 　 　 　 　 __l　　　 ＼　　　　 　 , ｒイ　　　　　　 　 　 　 　 　 　 　 　 　 おとなしく獄に下ったかもしれなかった？
　　　　　　　　　　 {´ k__　　 　 ｀　､_ . ＜　l‐ﾃ}
　　　　　　　　　　 |ｰ - 二T ー ───‐┼'_ｲ　　　　　　　　　　　　　　　　　　　やだなー、
　　　　　　　　　　 l::::ﾊ::::::::l　「::￣￣￣:l　「:::::l　　　　　　　　　 　 　 　 　 　 　 　 それでもし万が一のことがあって
　　　　　　　 　 　 lﾍl1ｒ'ヽ:l　l::::::::::::::::::::::l　l::ｔｵ　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　逃げられでもしていたら、
　　　 　 　 　 　 　ﾚﾉﾊ{⌒:l　l::::::::::::::::::::::l　l::::}l　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 それこそとりかえしがつかなかったよ
　　　　　　　　　　l〈 V 〉::::l　l:::::::::::::::::::::::l　|:〈ﾉ:､＿
　　　　　　　　_..イ:::} ｒ':::::::l　l::::::::::::::::::::::::l　l:::〈〉:::::::::￣
　　　　 __, .-::::::::::tｨﾊﾉl::::l　l:::::::::::::::::::::::::l　l::ｔﾊゝ:::::::::::::　　　　　　　　　　　　　　　 だから僕はなにも悪くない（笑）
-‐:::￣::::::::::::::::::::::〈/ﾍノ::::l　l::::::::::::::::::::::::::l　 l:::V:::::::::::::::

　　　　　- -　--　──　────────────　──　--　- -
　　　　　　　　　　　　　- -　--　─　──　─　--　- -
　　　　　　　　　　　　　　　　　　- -　　- -　-

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　　　話をもどす

　　　蕭望之の盟友の周堪は
　　　蕭望之の死をあわれんだ元帝によって
　　　翌年に光禄勲へと昇進したが、
　　　やはり讒言されて降格されたり左遷されたりし、
　　　のちに病死した

　　　劉更生は周堪の死をいたんで
　　　『疾讒』『救危』『世頌』など八篇をものした

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　　　　　　　　　　　 ／　　　　　　　　　　　　 　 ＼
　 　 　 　 　 　 　 , '　　　　　　　　　　　　　　　　　丶
　　　　　　　　　 ｒi　　　　　　　　　　　　　　　　　　　ﾞi,
　　　　　　　　　 l:|, ,　　　　　　　　　　　　　　　　　, ﾉ:!
　　　　　　 　 　 l:.| |　　　　　　　　　　　　　　　　　| !:.!
　　　　　　 　 　 |:.l |　　　　　　　　　　　　　　　　　|ﾉ:.|
　　　　　　　 　 ムﾝ　　 　 　 　 ､　　 ,　　　　　　　ヽ:ﾑ
　　　　　　　　　lﾍヽ´￣,≧==-､ 〉　 ﾉｒ , -==≦￣ /ｒ' 〉
　　　　　　　　　| ﾊ lﾐ 〃■□■□■□■□■,ｨ,〈ム｛
　　　　　　　　　'､〈ﾘ　=!ﾞ￣￣,ｒ' lｒ===ｭﾐ￣￣´ ,ｒ" ﾘi ﾉ
　　 　 　 　 　 　 ヽ'､　 ゝ ￣´ ノ'〈　 〉　 ｀　'"´　　ﾚ/
　　　　　　　　　　 ヽﾄ　　 ￣　, ﾉ ｊ　{ ､,　　　　　ｨｆﾝ
　　　　　　　　　　　 ｊl:.ﾞ､___,,__ｒ'_ゝｒーzﾉゝ,,_,_,_,ｒ'':.l|
　　　　　　　　　　　/lﾍ:.:.:.:.:.:.:.:._,, =_ﾆ_=､__:.:.:.:.:.:.〃ヽ
　　　　　　　　　 ／.小ﾍ:.:.:.:.:ｨ"ﾞ´-―- ｀`'ﾄ:.:.:.:./ﾑ　 ＼
　　　　　　　__／　　ハ iヘ:.:.:ゝ,,__,､,､,､_,,ノ:.:.:,:ｲ　ﾉ〉　　丶、__
　　_　-‐　ﾞ´/　　　 l　　l　 ヘ:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:／　!/ /　　　　 ､　｀ ‐ ､_
‐''　　 　 　 /　　　　丶.　l　　　ヽ:.:.:.:.:.:.:／　　 / /l　 　 　 　､　　　　｀ ‐　､_

╋━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━╋

　　　そして劉更生は
　　　十余年にわたって官職を廃されることとなった

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　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 ,ｨ
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 /:::|
　　　　　　　　 　 　 　 _....................　　　　 ＿/.:::::|
　　　　　　　　　　　_............._,.__.........｀.＞'´:::::::::::::::メ､
　　　　　　　　　￣.....-‐ ¨　　　ゝ"´::::::::::::::::::::::::::.＝ﾒ=
　　　　　　,. -‐"´　　　　　　／.:.:.:::::::::::::::::::::::::三三三ﾞ､ﾆ
　　　　／　　　　　　　　　／.:.:.::::::::::::::::::::::::ヽ;:::::三三三!三
　　　 '　　　　　　　　　　/.:.:.:::::::::::::::''';;;;;;;;'''::''::::ﾊ､;;;;:＝=!=
　　　　　　　　　　　　　/.:.:.::::::::::::::::√_i^l`｀ﾞ　 ゝｫ､::::::ﾆキ
　　　 　 　 　 　 　 　 /.:.:.:::::::::::::::::::... ﾞｰ'.:::::::::::::f.ﾉ.ゝ::::＝ｉ=　　　　　うそーん
　　　　　　　　　　 　/.:.::.:::::::::::::::::::::::::::::::::::::::､:::::::::::::＝＝!＝
　　　 　 　 　 　 　 /.:.:.:.:::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::〉::::::::――┼
　　　　　　　　　　/.:.:.:.::::::::::::::::::::::::::::::::::: _＿::::::::::::::二二ｉ二
　　　 　 　 　 　 /.:.:.:::::::::::::::::::::::::::::::::::::: ﾞ￣´::::::::::::::::::三ｉ三
　　　　　　　　 /.:..:.:::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::二二二ｉ二
　　　 　 　 　 /.:.:.:.:::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::三三三三三ｉ三
　　　　　　　/.:.:.:.::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::ニニニニニニニｉニﾆ
　　　 　 　 /.:.:.:.::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::二二二二二i二
　　　　　 /.:.:.:.::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::三三三三三ｉ三Ξ

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　　　壮年期を不遇にすごすことになった劉更生だが、
　　　漢室への忠誠心がゆらぐことはなかった

　　　しかし、そんな父親を見て成長した子どもの心中は
　　　どのようなものであっただろうか

　　　おのれがやがて仕えるべき漢室に対して
　　　ひややかなものをおぼえるようになったとしても
　　　無理からぬことであったろう

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三三三三三三三 二≧
　　　　　　　　　　　　　　　｀ ミ､
　　　　　　　　　　　　　　　 　 ＿ミ､
　　　　　　　　　　　　　　　＞: : :≧､＞　　　　　　 宗室とは貝のごときもの
　　　 　 　 　 　 　 　 　 ／: : : : : :ヽ: : : : :ヽ
　　　　　　　　　　 　 ／¨¨v∧＿＿: : : : : : :＼　　　宗室に生まれたる者のなすべきは
　　　　　　＞====ｒ､､: : : M}: : : : : : ￣: : :r= ＜　　　ただ漢朝に尽くす
　　　＞. :´: ヽゝУ: : : : :〈: : :≧ｭt､: : : : : { : : : : : ＞
＞. :´: : : : : : :＼＼,ｲ : : : { : : : : : ゝ≫, :＿::≦´　　　　これに尽きもうす
: : : : : : : : : : : : : X　|､ﾆ>=,}i: : ≧: : : /: : : ,'=ｲ　　 ｨ
: : : : : : : : : : ::／ 　 .! ＼ﾆ|≧､:≦ : /: : : :,': :,' ／./
＼: : : : : : ::／ 　 　 .!: ＼＼: : :ﾚ v v v v vｲＹ　/　　　　　　　　　　　　　　　　　　──.
　 ＼≧=≦ 　 　 　 |: : : :＼＼: : : :ヽ: : : : {ﾆヽヽ　　　　　　　　　　　　 　　　　／ノ　⌒ ヽ
_　／ｲ: : : : :＞　=: :≧,: : : : |　!ヽ: :r. : ´: :｀}ﾆﾆ｝｜,　　　　　　　　 　　　　　　| （●）（●）|　　　（……ホントにそうか？）
γｲ ⊂⊃: : : : : : : : : : ヽ: : :|　!≧== ﾆﾆﾆ 三ﾐ{　|: :ヽ　　　　　　　　　　 　 　 |　（__人__）.|
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 　　　　!　 ｀⌒´　/
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 　　　　ヽ　　　　ﾉ
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　/　　　ヽ、
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　|　　　　　ﾆつ

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　　　ついでに言うと外戚の史高は
　　　蕭望之の死の三年後に
　　　栄光につつまれて政界を引退し、
　　　その翌年に天寿をまっとうした

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　　　　　　　　　　　　　　　　　　 ＿＿
　　　　　　　　　　 　 　 　 -‐'´　　 　 　 ｀丶､
　　　　　　　　　　 　 ／　　　　　　　 ｀丶　＼＼
　　　　　　　　　 　 /　　　　　　　　ヽVヽ ＼　＼|　　　　　　　　正義は勝つ！
　 　 　 　 　 　 　 ,′　　　　{　　 l　 {"＼_　l　l　ヽ
　　　　　　　　　　|　　　 　 小　　|　 i 　厶ｌ | !|l |l |
　　　　　　　　　　|　　 　 {　 |ハ 　　 ∨たﾊj从 Ⅳ _, -‐-､_
　　　　　　　　　　ｌﾍ ヽ　　く {⌒ヽ {＼代rﾘハj/￣´　　 　 l＞ヘー―┐_
　　　　 　 　 　 　 Vﾍ　>､＼ヽx=ミ　　 , 　" 八/⌒￣￣￣　　 　 　　 |　￣｀ヽ
　　　　　　　　　　　（ﾞ∨（xヘ _ゞ(⌒ヽ_ノ　,ｲ　∧　　　 　 　 　 / 　 　 |, 　　　 l
　　　　　　　　　　 （ヽ､＼`Y（ ヽ､_￣ 　 _/ 廴__,｣　　　 　 　 ∨　 　 ∠ ノ　　│
　　　　　　　　　　　 ＼⌒　し'　}　＼￣ __ﾉ} |:::| 　 　 　 ヘ　ﾉ{＿_／　/　　　 ,′
　　　　　 　 　 　 　 　 {　ヽ　　ﾉ＼.　￣ﾄ､ノ{.|:::|　　r‐'´　　|　 |　　　　l.　　　/
　　　　　 　 　 　 　 　 }　　 ／　　 ＼__,ド;＞⌒i 　 ∨｢╂ｌ |　 |　　　　|　　 /
　　　　　　　　　　　　/　　 {　ヽ　　　　　 ＼_::;人　　Ⅵw//　 jヽ　 　 j　　,'
　　　　　 　 　 　 　 /　　　 !　　＼{ 　 　 　 　l:::::ﾍ 　　￣　　' 　 ＼　◎ﾆ7　_
　　　 　 　 　 　 　 ,′　 　 |　ー=-ヽ 　　　　 |::::::::|　　 　 /　　　　 Ⅵ　　 V_,ヽ
　　　　　　　　　　 {　　　　 j＿＿＿_,＞ 、　　|::::::::|　　　/　 　 　 　 ﾍ　　　-ｧ′
　　　　　　　　　　　　　　　ﾉ／　　　　　　＼　| :::::::|　　/　　　／　　　ヽ-､_>′
　　　　　　　　　　　ヽ、__／　　　　　　　　（∧|:::::::::|　/　　 ／　　　 　 ∧
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 　 〉　|::::::::::|/　　　　　　 　 　/　|
　　　　　　　　　　　　　　 　 　 　 　 　 　 / 　 !:::::::::::〉　　　　　　　　　　│
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 /　　　＼／ヽ　　　　　　　　　／
　　　　　　　　　　　　　　 　 　 　 　 　 〈　　　　　 　　 〉　　　　　　　/│
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　/＼　 　 　 　∧　　 　 　 ／　/

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　　　　　　　　　　- -　--　──　────────────　──　--　- -
　　　　　　　　　　　　　　　　　　- -　--　─　──　─　--　- -
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　- -　　- -　-

╋━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━╋

　　　さて、邪魔者がいなくなった
　　　石顕であったが、
　　　わが世の春とはなかなかゆかなかった

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/　 .:/　 ,　　.:/　　　　 　　 .:　 　.:.:./　　 .::i .::! 　 .　　 .:　　
　 .::′ /　.:.:/　　　　　 　.:.:l　　.:.:.:/　.:: .::/ .:ハ::　:.　:.　.::　　'
　.:.:i　:/　.:.:/　　　　 .:.:ﾉ .:.:{　　 .:.:′.:: ,:ｲ.::/　ﾍ::　:.　:l　.::　 :.:
　.:.:| /!　.:.:′　.: 　 .:.:ｲ　.:.:ﾊ　　.:.:! :ｒ'　 ﾚ'　　　ヽ:.:l　:l.: .:l　 .::
　.:.:l/ l　.:.:l 　 .::l　.:.:/ l　.::l　ヽ　.:.:i :l　　　 　 　 　｀! .:l l .:l　 .::
　　.:.:.:i　..:|　 .:.:l　.:::l 　! .:.:!　　ヽ.:.ﾊ:!　　　　 　 　　|.:/.:l :l　 .::'
　　.:.:.:l　.::l　.:.::ﾊ　.:! 　 l.:.:l　　_, l/　　 　 ,ヽ､＿　 /ｲl.: l :l　 :
　　.:__:{　.::i　.::l-ﾍ :lﾆ二ﾍ l￣　ノ　　 　 /　 ＿_￣｀ l:. :l:ﾉ ::
ヽ.:/ｒ/:.!　.:ﾄ、.:l　 _ﾒォ=ｒﾒミ　　　　　　/　_'ｨ=ｒ-ｯ、 ,!: /..:: 　　　　　　秦の趙高みたいな
: :〈{ l.:/ﾍ .:ﾍ ヽｊ/´,ｲ　fこﾉlヽ　　　　　　〃 fｔわ　!ｲ.:/:　　　　　　　　　立場とはいうけれど、
＼:ヽ!:l （ヽ .:.:､　　{c ｔ１ り　　　　　 　 　lc ｔｊｰﾘ　/:　　　　　　　　　　　あのころとはやっぱりちがう
　 ヽ:l:l、 ﾍ ヽ::ゝ　廴Ｚｘン　　　　　　 　 廴ｔz斗
　　 Vヽ::ｰ‐',　　　　　　　　　　 　　　i　 　　　　　　　　　　　　　　　　 今は儒者の力が
　　　　 ＼:::ﾍ　　　　u　　　　　 　　　〉　　　　　　　　　　　　　　　　　　あのころとはくらべものにならないくらい
　　　　 　ｒヽ::ﾄ、　　　 　 　 　　 　 　′　　 , 　　　　　　　　　　　　　　　強いんだ
　　　　 　{ ゝl　＼　　　　　 　, --─ｫ　　／
　　　　 　l:ヽ ＼　 ヽ、　　　　ー─ ′／:::::::::::::￣:::::‐
　　　 _ イl::::::＼ ＼　 ｀ 　､　　 　　／l:::::::::::::::::::::::::::::::
-‐::::´::::::::l:::::::::::::ヽ、｀ﾒ､＿ ＞--イﾉ:::l:ヽ::::::::::::::::::::::::::
::::::::::::::::::::l::::::::::::::::::7/-二二 ﾆﾆイ:::::::l::::::＼::::::::::::::::::::

　　　　　　　　　　　　　　　 　_..　　-‐-　 　
　　　　　　　　　　　 　 　 イ　　　　ｒ　　　 　　 ヽ
　　　　　　　　　　　　／　　　　　/　　/　　　 }　　ヽ
　　　　　　　　　　　/　/　　　　　{　　l　 ／）人　　　
　　　　　　　　　 　,′/ /　l　{　 ﾊ 　lV´　'´　　ヽ　　l
　　　　　　　　　　 l　l　l　　l ﾊ　! } ﾉ　　　　　　　1 !　 ｒ　　　僕が領尚書事の権限を
　　　　　　　　　　 |　l　l　 ﾊlｰﾚ‐ｿ─'ﾉ　 、　　 　l ﾊ　　　　　もつ以上、
　　　　　　　　　　 l　ヽ丶 l /ｨてﾒ、　　 　,≧‐､_ ｲ!　　　　　　 法家は僕にしたがうほかない
　　　　　　　　　　ﾉﾍ /ヽ ヽ弋ｔソ　　 　　ｨﾋうﾒ、 l　l }
　　　　　　　　　　　 ﾊ ｒ 丶ゝ　 　　　　!　辷ソ　/ ,ｲ/　　　　　しかし儒者のばあい、
　　　　　　　　　　　　 ヽｨ!　　　　　　　′　 　 ノｲ　　　　　　　 災異がどーたら先王の道がどーたら、
　　　　　　　　 　　 　　 ﾍﾄ、　　 ｒ‐‐ -､　　　/　　　　　　　　　　法の埒外から攻めてくる
　　　　　　　　　　　　　 　| ＼ 　 ｰ‐─'　
　　　　　　　　　　　　　　 ｊ＿__ヽ、 __,.
　　　　　 　 ,　-- ､_　 　{l￣￣〃＝7　　　　　　　　　　　　　　 うっとうしいったらありゃしない
　　　　　／: : : : : : ﾍｰ‐ｲ: : : : {{: : : ll
　　　　 /: : : : : : : : : ! : .: : ﾌfﾍli: : : il
　　　　 l: : : : : : : : : : l : : : :〈〉 {{: : :〈:｀ー-,ヘ _
　　　　 l: : : : : : : : : : ;. : .: : : : : ll: : ::ヾ : / ,ﾍ ＼ヽ
　　　　ﾉ: : : : : : : : : : :.: : : ﾄ､: : : l}: : : :y'´二　ヽ ヽ
　　　く:.:.:二ﾆ.:-: : : .:′: : :{l: :＼_ｊl: : : {´≠｀ヽ

　　　　　　　　　 ／　, ／:／:／: :／／:　 : .　: .　 ヽ ヽヽヽ＼ヽ
　　　　　 　 　 ノ,　 //　/: :/ : : /〃: : /∧ :　{､: .　}: . 〉 }､:ヽヾ､＿_ﾉ
　　　　　　 ー 彳　:l |: /: : l: : :/ A: : ://＿V: :!ﾊ: :/:／Ｖ: :ヽ:ヽヽ／
　　　　 　 　 　 | : : ! ｖ:　 : ! : ハ! ゝ:Ａ{┬　∨ﾚﾞ}:/´ 　 | l:ヽヽ ぃヽ
　　　　 　 　 　 ｌ :〃/|:|:ｌ: 小､iｧ＝＝ミ､　　 ｊ/ （(　^ｉ 　| |: :l: |ｌ | ｀l
　　　　　　　　　V/ l/|:|:l | {〃｀んて,　ﾄ　　　　 _癶｜ ///:' /ｊ/　　　　　そもそも蕭望之の
　　　 　 　 　 　 lハヽい､{ |　ｒ､ぃｔﾂ　 　　　　 夊ヽ ∨/ｨ:// ﾉ　　　　　　僕をしりぞける根拠が
　　　 　 　 　 　 {　 ヽゝ_ ｀＼｀~＾¨¨　　 　 　 礼ﾉ/レノノ'i/　　　　　　　　 「刑人不在君側」
　　　　　　　　　 ヽ　 V/l　　　ｌ /ハヽ　　　{ 弋'ぅ/　　　　　　　　　　　　　　っていうのは何さ
　　　　　　　　　 ＿／´ 丶 　 , --､　　 　 ´ l ﾊV
　　　　　 　 　 ﾉ―‐ミヽ、__＼ゝ __ ｀ ーｧ　　 ／　　　　　　　　　　　　　　　儒者連中の経典のひとつ
　　 　 　 　 ／: : _: : ´二: : : ￣｀ヽ‐｀¨´_´　　　　　　　　　　　　　　　　　　　『禮記』曲禮上の一節じゃないか
　　　　　　/／／: :／ : : : : : : : : : ヽ＜
　　 　 　 / ／: :／: : : : : : : : : : : : : レ…―― ､

　　　　　 　 　 　 　 　 .　 -─‐-　 ､＿
　　　　　　　　　　　／: : : : : : __: : : : : : ＼
　　　　　　　　　　/: : : : : : ／: : : : :1: : : : ﾊ
　　　　　　　　　ｲ: : : : : ／: /: :/ :/ !: : : : : ∧
　　　　　　　 ７: /: : : : :{: : /: :/:ノl 人: :､ : : : ﾍ
　　　　　　　/: /: : : : / l : l: :// /´ 　 ＼} :＼: :ト､
　　 　 　 　 l: :{: : : : / /∨|「　　　　　 　 |: l: :l:/　　　　　　それは、たとえるならッ！
　　 　 　 　 |: :＼: : :ﾄ !_/＿　　 , -── |:/ /′
　　　　　　　＼: :_ゝ１rテミ ､＿r‐ィテ卞/.イ　　　　　　　　 公明党の議員が
　　　　　　　　 ｀ｰ∧弋tり　l　 l　弋tソ } ソ　　　　　　　　　『法華経』の一節をゴリ押しして
　　　　　　　　　　 ｀ー─‐ ´ |　｀ー─ 7´　　　　　　　　　　　日本の法律よりも優先させようと
　　　　　　　　　　　　＼　　_ 　_　　 ／　　　　　　　　　　　　　するようなものッ！
　　　　　　　　　　　　　_＞､ ｰ　 . イ ､
　　　　　　 　 　 　 　_/::{ ＼ ￣ ／|::∧
　　　　　 　 　 　 ／:/:::::! 　 ゝ_/ 　|:1:::ト　､　　　　　　　　　 まったく、漢の官僚なら漢の法律で来てほしいよ
　　　　　 _　 　 ´:::::/:::::::|　 ,ｲ:::ﾊ　 | |::::ﾑ:::::::l｀ｰr-　､__

　　　　　　　　　　　　　 ／.:.／ .:'".:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:｛.:.:.:.:.:.:.:.:／}.:.:.:.:.:＼
　 　 　 　 　 　 　 　 ／.:.／:／〃.:.:／／.:.:.:.: ﾊ.:.:.:.（.:（ﾉ人.:.:.:.:.＼.:`ｰイ
　　　　　　　　　　／ｲ／:／::::/.:.:∠_/:.:.:.／ノ　}.:.:.:人_:＞ ＼{.:.:.:.ヽ:＜
　　　　　　　　　　　/ イ/::::::,:'.:./了.:{.::〃＜_ ノ:.／::::::::::::::::::::}:}.:.:.:.:}.::::}
　　　　　　　 　 　 /ｲ:::/::::::ハ.:{ -j/j/‐≠-､＞}}ﾄ:::::::,,::::::::::_,,斗.:.:.,':::::ﾊ
　 　 　 　 　 　 　 　j∨::／l::::Ⅳｨ仟云不ﾐ　　´″ 〃=≦::ｰくﾘ.:./::::::j/　　　ま！
　　　　　　　　　　　乂:/:/::|::::|〃弋てク _,　　　　/:::ｨ仟云ﾐ､｀ｱ:::::::/
　　 　 　 　 　 　 ノ／/く:::厶入　｀¨¨:::::´　　　 　 ､_弋うク :}}:/::::／　　　　　儒者連中のなかで
　　　　　　　　　〃　 j/ ∨-ﾍ_::`=-　　　　 　 　 l、::::｀¨¨`=彡 '´　　　　　　　僕と仲よくしたがるやつと
　　　　　　　　　　　　　　{〈⌒}_　　　　　　　　 　 ′::::::::::::::::/　　　　　　　　　 手を組めばいい話なんだけどね！
　　　　　　　　　　　　　　 ＼__ﾑ　　 　 ぃ-――=ァ::::::::::::::,.'}
　　　　　　　　　　　　　　　　`ヾﾍ、　　　　 ー一'´::::::::::∠ノ
　　　　　　　　　　 　 　 　 　 　 ヾ|＼　　　 :.ー:::::::::::／
　　　　　　　　　　　　　　 　 　 　 l 　 丶 　 :::::::::,.イ
　　　　　　　　　　　　　　 　 　 　 |　　　x≧=≦==|ヽ
　　　　　　　　　　　　　　　　　　|￣￣「「　 　　　| |｢|
　　　　　　　　　　　　　　　　　　|　　　| |　 　 　 .| ll |

╋━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━╋

　　　というわけで石顕は
　　　儒者と手を組むことで
　　　その地位の保全をはかった

　　　ちなみに石顕と仲のよかった儒者のうちのひとりが
　　　以前にちょっとだけ出てきた五鹿充宗である

╋━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━╋

　　　　　　　　/　 /　｜_|iイ「「´　/ハ　　 }|　　}|　| 　 | | 　 |　＼
　　　 　 　 　 | //　!　|　|| l |∧ /　　 '孑于テｧx,/| 　 | | 　 |
　　　 　 　 　 |ｉ｜　l l ヽi|斗f_ﾃ¨　}　　　 ￣￣｀　ﾉ　　| |　l｜ 、
.　　　　　　　 j ∧　| | 　{　´　　　ﾉ　　　　　　 ／　　　| |　| ﾄ､ }　|
　　　　　　　　 　 ヽ|　.　 ＼　　　､　 　 　 　 /　 '　 　 ｌ |　'｜}ハ |
　　　　　　　　　　 ∧ ヽ　　 ヽ　 　 　 　 　 /／/ ／／/ / ﾊ　　| |
　　　　　　　　 　 ﾉ|　＼ ＼ﾄＮ　 ‐　ニ¨´ / ／'´ イ /' 　 ∧{ 　 | |
.　　　　 　 　 　 　 |　/　l＼{＼　　　　　　　　　 ／| ′/ /|　｀　 j/
　　　　　　　 　 　 j.ｲ　/|　ｌ ヽ|＼ 　 　 　 　 ／ 　/　/ ∧{
　　 　 　 　 　 　 　 |　ｌ｜ |　├ ‐＼___,．　´　　 /　/ ∧ ',
.　　　　　　 　 　 　 |　|｜ |　├…‐- ､ ＼　 , -/　/ /　|　i
.　　　 　 　 　 　 　 |　|｜ |　｜　　　　 ヽ ∨　′ '　{　｜ |
.　　　　＿_ ..　． -┴┴|　|　 |、　　　　　 i｜ | i　|　i|　 |　|
￣￣　　　　　　　 　 　 |　|　 ﾄ､` ‐-　．.._|_|　| l　|　iﾄ､｜ |
　　　　　 　 　 　 　 　 ｜ |　 |　＼　　　　　 ｀| l　|　i|　 ＼|
　 ┏━　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　━┓
┏┛|￣　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 　 　 　 　 ￣|┗┓
　 　 　 五鹿充宗、字は君孟

　 　 　 儒者
　 　 　 宦官石顕の友として権勢をふるい、評判がわるかった
┗┓|＿　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 　 　 　 　 ＿|┏┛
　 ┗━　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　━┛

╋━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━╋

　　　しかし石顕が五鹿充宗と手を組んだことは
　　　あらたな争いの幕開けとなった

╋━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━╋

　　　　　|┃三　 　　　 　 　 ,､人,､／l＿,､
　　　　　|┃　　　　　＿ﾉ＼ﾉ:::::::::::::::::::::::::｀ー'フ
　　　　　|┃　　　　　＼:::::::::::＿_ノ＼,､＿:::::::::≧
　ｶﾞﾗｯ.　|┃　　 　　　ミ三::::::＼:::::||ll:::ゝ::て:::::::彡
　　　　　|┃　 ﾉ//　 　 ＼ハ二二川二二ハ／
　　　　　|┃三 　 　 　 ／ﾉﾘ<●>ハ<●>ﾙ' ＼
　　　　　|┃ 　 　 　 　 |　　　　（__人__）　　　　|
　　　　　|┃三 　　 　　＼　　　 ｀ ⌒´　 　　／
　　　　　|┃三 　 　 　 ／　　　　　　　　　　 ＼

╋━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━╋

　　　朱雲にしてみれば、石顕の友の五鹿充宗は
　　　言ってみればカタキの片割れである

　　　朱雲と五鹿充宗が易について議論したことは先述した

　　　このとき、
　　　朱雲としてはあるいは
　　　師匠のカタキ討ちのようなつもりでいたのかも知れない

╋━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━╋

/::/:::::/厂|ｈ{ 三≧＞ｌ:::::::::::冂::::二ﾆ－＞
ｌ:/::::::/三 |{ ヘ　ﾚｒ' ，弌廾::|::ｌ:::::::::∠,-‐ ､＿rー-ｔ
|/;:::::/＞‐〒ヽＹ　=≠　乂リうV,-‐イ　　::::::/ ..::::／:
:ｌ:::::ハ「__’ｲ　ﾉ!＼　 　　 _　h;ﾉ　　 /＿＿ﾉ-､:＿　　　　　　メケーモ！
ﾊ::::小 ￣　', ヾＬ　＼　　=　ﾚ∠‐ 个　　/　/　　ﾉ　　　　　　ゴブリンバット！
―ｌ:;代_　　 ヽ ,､=＝、　 Ξ,/　　　'　　/　　　／..::　　　　　　 ノーパンスタイリスト！
　 |::ﾄ､ぃ、　　Ｙ::::::::::＼　=,/　　　　＿＿＿　　..::::::
　　ｌ　 `^＼ 　 V⌒ ⌒|　/|,､'｀￣　　　　　 ｀ヽ、:::
　　ヽ　 /: :/i;h .V＿_ノ /:ﾉ＿＿＿＿　　.:::::::::::＼
　　　 ／: : :{:::ﾊ`ヽ, ― ﾉ　　　　　　 　 ＼‐ ､::::::::::
　　　/: :: :/ |::::|:＼:`' T　　　　　　　　.:::::::＼:::::L
　　　|:::／/ |:::::|: : ＼: L＿＿　　 ..::::::::::::::::::::|::::|⌒


　　　　　　　　　　　　　　　　　 -―-
　　　　　　　　　　　　　　 ／　,　　ｌ 　　＼
　　　 　 　 　 　 　 　 　 /　//,.ｲ　| ヽ　ヽ
　　　　　　　　　　　　　ｲ :/ｵ廾l　小弋ｆ | l ﾄ､
　　　　　　　　　　　　　八| Kヱﾚﾍ|ヱ>ﾚ| l |
　　　　　　 　 　 　 　 /小｢＼ u　l〉 　/　ﾚ' |　　　　　　　　　（議論にならない……）
　 　 　 　 　 　 　 　 /ｲ,|　|＼ゝ - - ﾑイ l| |
　　　 　 　 　 　 　 　 /∧ | /l > ._　<|ミ|　| |
　　　　　　　　　　＿//ｲ_|:|_〉`ｰ=ミ､ |ノl ∧|
　　　　　　　　／⌒ヽ: : ∧!: :`:.､ :〉 Y｛.:l/、｀
　 　 　 　 　 /／: : /:､ : : ﾘ: : :＜＾. . . .｀ヾ:｀ ｰ:､
　　　　　　　.' : : : /: : :､: /: : : : : ＞. . . . .ゝ､: : :ﾄ､
　　 　 　 　 |.: :／: : : : :ヽ:／ : : : ＼. . . . . 〈ヽ: :|:.ｌ

　　　　　- -　--　──　──────────────────　──　--　- -
　　　　　　　　　　- -　--　──　────────────　──　--　- -
　　　　　　　　　　　　　　　　　　- -　--　─　──　─　--　- -
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　- -　　- -　-

　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 　 ,.ｲ 　 ／!
　　　　　　　　　 　 　 　 　 　 　 / ／::/ ／::::/　,ｲ
　　 　 　 　 　 　 　 ＼::.､、　ヽ,/ﾚ′ｲイ:::::::/／:/　 __＿__
　　　　　　　　 　 　 　 ＼::::｀ヽj::::::::::::::::::::::::::::::::::＜:::::::::／
　　 　 　 　 　 　 　 _..＞.､ゝ::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::∠...__
　　　　　　　　　＜::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::二ニ＝-
　　　　　　　　　　__..＞:::::::;イこム:::::::::::::::::::::::::::/∠::::::::::::::／
　　　　　　　　　　　＼::／>'У:/ソ::::::::::::::::::::/｀ヽVヽヾ:::::≦
　　　　　　　　 　 　 ／／:: /::/:::::::::::γこ八jrｭ､_jⅥﾄヾく´￣
.　　　　　　　　　 ／／ｲ::::/::/::::::::::::ハ､,｛　　`'′ﾊⅥ!|ﾄ､＼ 　　　　　宦官にしっぽをふって
.　　　 　 　 　 ／／　 /::ｲ::/::::::::::::::::::/Ⅴ 　 　 　 ヽⅥﾄ､＼ヽ　　　　　よろこんでるヤツの
　　　　　　 ／／ 　 ノイ/:/:::::::::::;ｲ::/!　　　　 ト_､r´ハj　ヽ ヾ　　　　　 角はへし折ってやった……
...　　　　／／　　　 　 /:/::::/ｲ::/ |/　　､　　　　/
.　 　 ／／　 　 　 　 /:/ｲ:/　|/　 　 　 /｀　 ー′
..　／／　 　 　 　 　 ! :l'"´￣′￣￣::::::＞... ___
　 ／　　　　　　　 ,.ｲ .:l::::::::::＞''''"~´　　 　 　 　 ｀ヽ
., ′　　　　　　_／_」 .:l"´/　　　　　　　　　　　 　 　 ＼
　　　　　　, イ´　　:l .::l　 !　　　　　　　　　　　　　　　　 ヽ.

　　　　　　 　ﾆ=-一=く　　　　　＜::::::::::::::::::::＞:...　 　 　 ＼:::ﾊ |ヽ {　∧
　　　　　　 ﾉ　　　　　　 ｰ=ﾆ二二ﾆﾆヽ ｀ '''＜:::::::::＼　 　 |V∨}ﾆ込/ﾆ:Vﾙﾊ　　/
　　　　_ イ　　　　　　　Y´　　　　　｀ヽﾊ　　　　｀ヽ:::::ヽ ﾄ､|ﾆﾆﾆﾆﾆﾆﾆﾆﾆﾆﾆﾆイV
　　イ　 Y　 　 　　　　 ｲ　 　-一-ミ 　从＿　　　 　 ＿::{ﾆﾆﾆﾆﾆﾆﾆﾆﾆﾆﾆﾆﾆﾆﾆ乂___
　　　　 .j　 ／￣￣ミヽﾚ'´　　　　　 ヽ　 ﾊ　｀ヽ 　　 ＼ﾆﾆﾆﾆﾆﾆﾆﾆﾆﾆﾆﾆﾆﾆﾆﾆﾆ／
　　　 　レ'　　 　 　 　 j　 彡-─=ミ　　/　V　　ﾊ　　､_乂ﾆﾆﾆﾆﾆﾆﾆﾆﾆﾆﾆﾆﾆﾆﾆﾆﾆ=ー
　　　　.l　　　 　 　 　 ﾑ'´　 　 　 　 ｀V　　 V 　.弋___ 辷ﾆﾆﾆﾆﾆﾆﾆﾆﾆﾆﾆﾆﾆﾆﾆﾆﾆﾆﾆイ
　　　　j　　＜￣ミｰ-{　　　 　 　 　 　 ', ｀¨弋　　 |ﾐミ≧ﾆﾆﾆﾆﾆﾆﾆﾆﾆﾆﾆﾆﾆﾆﾆﾆﾆﾆ彡'
　　　　ﾚ'　ｰ=ﾆ二　　 ',　　　　　　　 　 ',ｰ---ヽ /ミﾐﾐﾐ(,, 彡イﾆ:::::::..Zﾆﾆﾆﾆﾆﾆﾆﾆﾆ辷
　　　　|　　　 　 　 　 　',　 　 　 　 　 　 ',　　　 ｿミﾐﾐﾐ/,ｲ　 弋a::／::::|::::::ﾆﾆﾆﾆﾆﾆﾆ／
　　　 人　　　　　　　　　',　　　　　　　　 ',ｰ---}ミﾐﾐ/　 |　 　 ／　＞'|tﾃﾆﾆﾆﾆﾆ≦　　　　　だが俺のバトルフェイズは
　　 '　　 ＼　　　　　 　 　',　　　　　　　　}　 　 |ミﾐ/　.从　　ヘ　　{　　/ﾉ⌒　　　　　　　　　　まだ終了してないぜ！
　　　　　 　 ＼　　　　 　 　' ,　　　 __彡ﾍ　｀ヾ |ミ/　　__ﾊ（　　　>´ .／
　　　　　　　　 ＼　　　　　／￣￣　　　　ヽ 　 |:/　　　 从 ｀¨´.　＜
　　 ＼　 　　,ｨ ⌒ヽ---イ彡㍉　　　　　　　＼.|　　　 /ﾐ/ ｀¨´V
　　　　＼／　　　 　 ' ／　　　　ヽ　　　　　　 ノ　　　 lﾐｲ　　z≦ヽ.
　　　　／ヽ､＿＿＿{ {　　　　　　ﾉ　　　.z≦／　　 ／|ﾐ| ／ミミミミ＞　 -ｰv＿
　 ＼（　　　　 　　ノ弋ヽ　_____彡';≦ミミﾐ／ー‐一ｲ　 |ﾐ|'ミミミ彡'´｀ｰイ　し代__ﾉ
　　　　　￣￣￣´　　　｀ｰ─‐／ミミミ／｀￣￣￣}　　|ﾐ|＼彡'ミ　　　ーイ　(）_丿
　　　　　　　　　　　　　　　 ／ミミミ／ー──一く.　　|ﾐl　　　　 ￣｀ヽ　　　( ] ﾉ

/::/:::::/厂|ｈ{ 三≧＞ｌ:::::::::::冂::::二ﾆ－＞
ｌ:/::::::/三 |{ ヘ　ﾚｒ' ，弌廾::|::ｌ:::::::::∠,-‐ ､＿rー-ｔ
|/;:::::/＞‐〒ヽＹ　=≠　乂リうV,-‐イ　　::::::/ ..::::／:
:ｌ:::::ハ「__’ｲ　ﾉ!＼　 　　 _　h;ﾉ　　 /＿＿ﾉ-､:＿
ﾊ::::小 ￣　', ヾＬ　＼　　=　ﾚ∠‐ 个　　/　/　　ﾉ　　　　　　速攻魔法発動！
―ｌ:;代_　　 ヽ ,､=＝、　 Ξ,/　　　'　　/　　　／..::
　 |::ﾄ､ぃ、　　Ｙ::::::::::＼　=,/　　　　＿＿＿　　..::::::　　　　　　俺と手を組んでくれるヤツ召喚！
　　ｌ　 `^＼ 　 V⌒ ⌒|　/|,､'｀￣　　　　　 ｀ヽ、:::
　　ヽ　 /: :/i;h .V＿_ノ /:ﾉ＿＿＿＿　　.:::::::::::＼
　　　 ／: : :{:::ﾊ`ヽ, ― ﾉ　　　　　　 　 ＼‐ ､::::::::::
　　　/: :: :/ |::::|:＼:`' T　　　　　　　　.:::::::＼:::::L
　　　|:::／/ |:::::|: : ＼: L＿＿　　 ..::::::::::::::::::::|::::|⌒

　　　　　　　/:;ｨ::::::::::::i＼＼＼＼＼,.////　　　　　i::::::＞､ﾍ;;/／ __　 i
　 ＿＿＿　i:::i l::::::::::::lヽヽヽヾ○ﾞ　　　 ,.○　　　_.. ィ´　　） ） ／　}　,!
　 ∨._＿_ o７７''‐-　..!,,_　　　　 ＼　　/　　_..＜　　 ＿ ／/　^_=ﾆ　i
　　ヽ;ヽ､_＼! {　　　　　　 ｀ﾞ＞ ､　ﾞV∨ ／　_.. -‐=＝‐-Y　／＿ﾉ ﾉ
　　　 !. r‐- ､＼＼ _,,.. -‐- ..,,_ 　 ｀i.l!!'," ／,. ﾆ‐ ミ　 l:::|l　 二-､　!
　　　 ヽ ヽ-‐" .＞｢r::',￣_,,...ニ､＞､!';;l i/／ ＝=　｀/ i//;'´‐--.' /
　　　 　 ', ',￣¨＞｡',',::::ｉ'´ =＝_..ゝ.八 ol ﾞ丶､￣¨ﾞ"＿//r─‐┐ i､
　　　　　 ヽ¨"r‐‐-､∧:i｀ｰﾆ¨=イ..-‐ヽﾉ‐‐=ﾆ‐￣‐- ..,,__｀ﾆ二,ノ､ ﾞi
　　　　　 　 ﾄ,ヽ._／__,,.｀¨￣／.//´ 　 l　　　　ヽ..＿‐'"ヘヽ! ',i,-､ !.l　　　　　　　よんだ？
　　　　　　　';:ﾞi ヽ¨___ノ　／_／/. 　 ヽドﾍ　　　　 "/!i｀＞ ､ oヽ､"/
　　　　　　　 ';::＼__,..イ"ｹ¨,,＜｀.___,,.. -ﾞ"‐─‐ ''"´｀i　i::::::::::ヽ ト､＼
　　　　　　　　';:::',ヽｌ　　／', ＼　,､ r-‐…''　¨￣ﾚ!/l　,'::::::::/_,入ヽヽ ',
　.　 　 　　　　 ';::'／　i'､:::::::ﾞ､ ',ヽ! ｀　　　　　　　　 l .,'::::://　　｀ヽ､　 ',
　.　　　　　　　　ｉ / ! ｉ,.へ､:::::ﾞ､∧　 ,.＿　　,. --トｙ .,'::://!　　　　　 ＼.',
　　　　　　　　　,' l/./　 　 ＼.､::ﾞ､ヽ' ﾚ!　｀Ｙ　　lヽi .,'/ / l
　　　　　　　 　 i　/　　　　　 ＼ヽ　＼ ! 　 l　　lノ／ /　l
　　　　　　　 　 ﾚ　　　　　　　 ｌ ＼　　ﾞ.l 　 l 　 l,.　 /　 l
　　　　　　　　　　　　　　　　 /l　　 ＼｀', 　　　 l　/　　.l ＼
　　　　　　　　　　　　　　 ／　 l　　　　ﾞヽ',　　　i´　　　l　　　＼
　　　　　　　　　　　　 ／　　　 !　 　 　 　 ヽ _ .ﾉ 　 　 .l　　　　　＼
　 ┏━　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　━┓
┏┛|￣　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 　 　 　 　 ￣|┗┓
　 　 　 陳咸、字は子康

　 　 　 沛の相県のひと

　 　 　 父親が御史大夫で、
　 　 　 本人は二十代で御史中丞となった蝶エリート
┗┓|＿　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 　 　 　 　 ＿|┏┛
　 ┗━　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　━┛

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　　　朱雲はもともと仲がよく、
　　　反石顕派であった陳咸と相結んだ

　　　ときの丞相もまきこんだ、
　　　朱雲たちの戦いは……

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　　　　　　　　_　-‐─ -　　　　　　　　　　　　　　　　/::/:::::/厂|ｈ{ 三≧＞ｌ:::::::::::
　　　　　　／　　　　　　　 ｀ヽ　　　　　　　　　　　　　ｌ:/::::::/三 |{ ヘ　ﾚｒ' ，弌廾::|::　 、-----------　,_
　　　　　/　　　　/　 ／ 　i 　 ヽ＿ ,ｨ　　　　　　　　　|/;:::::/＞‐〒ヽＹ　=≠　乂リ 　 ∧::::::::::::／l:::::::::::::::::＼
　　　　 l 　　/ 　,{　/ / ｲ ﾊ　　 ヽ_ノ　　　　　　　　　:ｌ:::::ハ「__’ｲ　ﾉ!＼　 　　 _　h　/:::ﾊ::::／/」 !::::::::::::::::::::::ヽ
　　　　 {　　l 　/‐ﾚ{ ｒ'　ﾉハ } 　　ﾄ､　　　　　　　　　 ﾊ::::小 ￣　', ヾＬ　＼　　=　　亅::l/У}]{ /｣l::::::::::::::::::::::::::!
　　　　 ',　! { :/＿　ﾘ　　　｀>ｨ　i　ﾊl　　　　　　　　　―ｌ:;代_　　 ヽ ,､=＝、　 Ξ.　 l:::::l./,.ヘ.　/｣）ｒ‐ 、:::::::
　　　　　} l　Vｲいi｀　　 ｨtぅ､ﾉ / ﾉ　　　　　　　　　　　 |::ﾄ､ぃ、　　Ｙ::::::::::＼　=.　　l::N{/_,,ｨﾍ∠ﾌ）!ﾚ/::::::
　　　　　 ハ ゝこｿ　　　ｔり !ｲｲノ　　　　∧∧∧　　 　　 ｌ　 `^＼ 　 V⌒ ⌒|　/ 　 l:ﾊ人≦i}]=ヮ ）lﾄﾍ::::::
　　　　　　　 ヽ、　　__'　　 /　ﾘ　　　＜　Ｖ　Ｓ　＞　　　ヽ　 /: :/i;h .V＿_ノ /:ﾉ　　`〈　 ｀ー┬､ｰく__
　　　　　/ヌ‐┘ｊ＞ __ . イ　　　　　　　　ＶＶＶＶ 　 　　　　 ／: : :{:::ﾊ`ヽ, ― ﾉ　　　 　｀ にｦ´ !::/ﾌｰ┘
　　　　 ﾒﾆ: l: :０: : : :l０:.ヽ　　　　　　　　　　　　　　　　　　/: :: :/ |::::|:＼:`' T　　　.　　　　ヽ　 ﾚ'ｲ
　　 　 /: : :/: il: : : : : ll/: !　　　　　　　　　　　　　　　　　　|:::／/ |:::::|: : ＼: L＿ ..:::::::::::::::　 ￣ 　ヽ　 /
　　　/: : ::ｲ: : ll: : : : : il : l　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　_〉/

　　　　　　　　　 石 顕　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 朱 雲　 　 　&　 　 　陳 咸

╋━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━╋

　　　お察しのとおり、負けた

╋━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━╋

　　　　　　　　　　　　　 ／.:.／ .:'".:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:｛.:.:.:.:.:.:.:.:／}.:.:.:.:.:＼
　 　 　 　 　 　 　 　 ／.:.／:／〃.:.:／／.:.:.:.: ﾊ.:.:.:.（.:（ﾉ人.:.:.:.:.＼.:`ｰイ
　　　　　　　　　　／ｲ／:／::::/.:.:∠_/:.:.:.／ノ　}.:.:.:人_:＞ ＼{.:.:.:.ヽ:＜
　　　　　　　　　　　/ イ/::::::,:'.:./了.:{.::〃＜_ ノ:.／::::::::::::::::::::}:}.:.:.:.:}.::::}
　　　　　　　 　 　 /ｲ:::/::::::ハ.:{ -j/j/‐≠-､＞}}ﾄ:::::::,,::::::::::_,,斗.:.:.,':::::ﾊ
　 　 　 　 　 　 　 　j∨::／l::::Ⅳｨ仟云不ﾐ　　´″ 〃=≦::ｰくﾘ.:./::::::j/
　　　　　　　　　　　乂:/:/::|::::|〃弋てク _,　　　　/:::ｨ仟云ﾐ､｀ｱ:::::::/
　　 　 　 　 　 　 ノ／/く:::厶入　｀¨¨:::::´　　　 　 ､_弋うク :}}:/::::／　　　　くにへ　かえるんだな
　　　　　　　　　〃　 j/ ∨-ﾍ_::`=-　　　　 　 　 l、::::｀¨¨`=彡 '´　　　　　　おまえにもかぞくガイルんだろう・・・
　　　　　　　　　　　　　　{〈⌒}_　　　　　　　　 　 ′::::::::::::::::/
　　　　　　　　　　　　　　 ＼__ﾑ　　 　 ぃ-――=ァ::::::::::::::,.'}
　　　　　　　　　　　　　　　　`ヾﾍ、　　　　 ー一'´::::::::::∠ノ
　　　　　　　　　　 　 　 　 　 　 ヾ|＼　　　 :.ー:::::::::::／
　　　　　　　　　　　　　　 　 　 　 l 　 丶 　 :::::::::,.イ
　　　　　　　　　　　　　　 　 　 　 |　　　x≧=≦==|ヽ
　　　　　　　　　　　　　　　　　　|￣￣「「　 　　　| |｢|
　　　　　　　　　　　　　　　　　　|　　　| |　 　 　 .| ll |


　　　　　　　　　　　 　　 ◎ 　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 　　 ◎
　　　　　　　　　　 ◎　　　　　 ◎ 　　　　　　　　　　　 　　　 ◎　　　　　 ◎
　　　　　　　　　　　　　　◎ 　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　◎
　　　　　　　　　◎　 ◎　　 ◎　 ◎ ﾃｨｳﾝﾃｨｳﾝ 　　　　　◎　 ◎　　 ◎　 ◎ ﾃｨｳﾝﾃｨｳﾝ
　　　　　　　　　　　　　　◎ 　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　◎
　　　　　　　　　　 ◎　　　　　 ◎ 　　　　　　　　 　　　　　　 ◎　　　　　 ◎
　　　　　　　　　　　　　　◎　　　　　　　　 　　　　　　　　　　　　　　◎

╋━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━╋

　　　朱雲は陳咸とともに投獄され、
　　　死一等を免ぜられて城旦の刑に処され、
　　　生涯にわたって官途に就くことを禁ぜられた

╋━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━╋

　　　　　　　　　　　 　 　 　 　 　 ,r'´;;;;;;;;;;;ー- ､
　　　　　　　　　　　　　 　 　 　 /;;_;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;｀ヽ
　　　　　　　　　　　 　 　 　 　 ,';;;|L＼;;/ヾヽ;;;／l;;;;;}　　　　　　　　意外とツラいけど
　　　　　　　　 　 　 　 　 　 　 {;,r{L yY＼ 9ﾞﾞ,p''7;;;;l　　　　　　　　　ちょっとカ・イ・カン♪
　　　　　　　　　　　　　　 　 　 '{l {B ﾊ＼个rﾉ,r‐'´ﾌ7　__人__
　　　　 　 　 　 　 　 　 　 　 　 ﾊ_>='仆ｰ'､{ﾉ<フミノ. 　 ｀Y´
　　　　　　　　　　　　　　　 _,,ノ/_/｀ヾ_,r'´ﾉヾﾐミ/　　　　　　　　 　 　 　 ＿
　　　　　　　　　 　 　 ,r=‐'´　､　　 ﾍ .ヽヲ イ Lヽ　　　　　　　　　　　rr'´ヘj
　　　　　　　　 　 　 /　　　　　｀ヽ＿ ｀t'´　　　　　　　　　　　　 　 　 ﾍr'― .l
　　　　　　　 　 　 ./　　　　　　 ,=-‐ ￣｀'ｰ､__　　　　　　　　　　　　　（ｰ'´　|
　　　 　 　 　 　 ., '　　　__,,／_　　　　　　　 　｀ヽ　　　　　　　　　　　 冫i､　}
　　　　　　　　 , '　　　　/;;''　 ＼　 o　　　　　　Yヽ 　 　 　 　 　 　 ／　 　/
　　　　　　　 , '　 　 　 人'　 /　t｀ｰfｰ-　　　　o}　 ＼　　 　 　 _／ . 　 ／
　　　　　 　 ﾉ　　 { .／　 ﾍ　l　 亡　ｿ　 ,,,　　　iﾞ　　　.ヽ　 ,r' ´ 　 　 ／
.　　　　　 Yﾉ　 　 K　　 　 ﾍl　　 l｀　　　 ''''''　 ',　　 　 __∨　　 　.／
　　　　　　|　　 　 ',　　　　　ﾞi　　 ｀ヽ　　　　 　 l ＼　 　 ´　 　.／
.　 　 　 　 |　　　 /　　 　 　 ﾊ　　　 ',　　 　 　 .l　　｀ヽ　　　／
.　　　　 　 |　　 Y　　　　　 　 ﾞi　　　 ';　　　　　l　　 　 ヽ_／
.　　　　　　|　　 .|　　　　　　／__,,,,,,　 ';　　　　 j
　　　　　　 |　　 |　　 　 　/／;;;;;;;;;;;;;,,, ';, 　　//
. 　 　 　 　 |　　.|.　　 　 /;;;;''''　　 '';;;;;;,　　　l l
.　　　 　 　 | 　 .|　　　 /''　 　 　 　 '';;;;;,, 　 |/
. 　 　 　 　 j　　.|.　　 /　　　 　 　 　 ';;;;;;;,,,, |
　　　　　／　　　|　　{ 　 　 　 　 　 　 '';;;;;;;;;;ヽ
　　　 ,イ　　 　 .ﾘ 　 .l　　　　　　　 ';,　 ''';;;;;;;;;;}
.　　　｀t　　 　 /ﾉ　　ﾊ　　　　　　　 ';,　　 ';;;ノ
　　　　 f_二 _/´　　　 .ヽ　　　　　　　';,　　 ＼
　　　　　 ー'　　　　　　　iﾍ　　　　　　 ';　　 　 ヽ

╋━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━╋

　　　こと権力闘争に関するかぎり、
　　　石顕は当代のだれよりも役者が上であった

╋━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━╋

　 ',:/:l: :l: : :l: : : ::/: ｲ: : /　 l: : : : /　' ,: : :l l:l／／　　　　　　　　ヽ:l: /ll: : : : : : :l: :l: :l
　　j: :l: l: : ::l: : : /: /l: :/　　 l: : ::/　　 ｀ヽ! ヾﾞ´　　　　　　　　　　 /∧/: l: : : : : l: l: :l
. ／ィ:l: l: : : l: : :l: / .l: l　　　l: : /　　　　　　　　　　　　　　　　　 .// /',l: :l: : : : ://l:::l
／　l: :l::l: : : ﾍ: :l/　 ',:l　　 /:／　　　　　　　　　　　　　　　　　 ／　 　 l: l: : : : l:/ l::l
　　 l: :ﾄl:',: : : :ヽ:l＿__ヾ＿_'´＿　　　　　　　　　　　　　　＿＿＿＿＿_l:/: : : //　l:/
　　 ',: ﾄl: ',: : : :lヾ､　　　-----､￣¨ー､　　　　　 -‐‐¨,------　　　 .//: : :／　／
　　　',:l l: l ',,: : l　 -ィ＝ 人--､-　　　　　　　　　＿ィ＝───､-/ｲ:／ﾉ
　　　 ヾ l::ﾄ､ヽ:ﾍ　/ iヾ（〇 )ﾉiヽ、　　　　　　　 ／ il::::::●::.....::i ヽ,イy /
　　　　　',:',. ヽヽﾍ　 ',:::::ゞｿ /　　　 　　　　　　　　.lじ:::::::::::::// 　 /／
　　　　 　 ',l　 ヽ_＼ ー＝＝‐'''¨　　　　　　　　　　　ー＝＝＝‐'" /'"
　　　　　　 ヾ　　 ',　　　　　　　　　　　　　　i.　　　　　　　　　　　 /
　　　　　　　　　　 ',　　　　　　　　　　　　　 ll:::.　　　　　　　　 　 /
　　　　　　　　　　　' ,　　　　　　　　　　　　 ll:::　　　　　　　　　 /
　　　　　　　　　　　　ヽ　　　　　　　　　　　 !:　　　　　　　　　 /
　　　　　　　　　　　　　 ＼　　　　　　 _＿　　＿__　　　　　 ／
　　　　　　　　　　　　　　　＼　　　　　　　＿_　　　　　　／
　　　　　　　　　　　　　　　 r''iヽ､　　　　　　　　　　　／ ト､
　　　　　　　　　　　　　　　《 ヾ､　 ヽ､　　　　　　 ／　　_y 》
　　　　　　　　　　　　　　　 ﾄ､　 ｀ｰ､___ヽ､＿,,._''__,,､‐'" __,ｲ
　　　　　　　　　　　　　　　 l: : :¨ｰiﾞ　＿＿＿＿＿　ﾞi‐'": :l
　　　　　　　　　　　　　　 _ﾉi:i i:_:_::l　l: : : : : : : : : : l　l: :ﾆﾐil
　　　　　　　　　　 _,,. -'": : jl:lfr‐､il　l: : : : : : : : : : l　l:ll: : llll',ｰ ､__

　　　　　　　　　　　　　　　　　　―＝＝ﾆﾆ＝＝―

　　　　　　　　　　　 ――＝＝＝ﾆﾆﾆﾆ二ﾆﾆﾆﾆ＝＝＝――

―――＝＝＝＝＝＝ﾆﾆﾆﾆﾆﾆﾆ二二二二二ﾆﾆﾆﾆﾆﾆﾆ＝＝＝＝＝＝―――

╋━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━╋

　　　そして時はながれ、
　　　石顕の権力の源泉である元帝が
　　　死の床についた

╋━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━╋

　　　　　　/|　　／) /　 |　　　|ヽ
　　　/|　ﾉ |　／ / /　　|　ﾉ| ﾉ　|　 /ヽ
／ヽ|　ﾚ　 レ　 /ノ　　 レ　ﾚ　　ﾚV　 | /
　＿＿＿＿＿／、　　＼＿＿＿＿/V
　　 　＿＿__ 、　　　　 ＿＿　　 　 /
　　／ / ○ |´　　　／´ / ○|ゝ　 /ヽ
　く　　|　　ﾉ　　　　　　 |　　/　　/　/
　　　￣￣　　　　　　　￣￣　　/／
　 　　　　Ｕ　　　　　　　　Ｕ　 /
　　　Ｕ　　　　　　 ゝ　　　　／
　　　　　　ゝ＿＿＿　　　／　　　　　　　あばばばば
　　 　　　　`ー-┴′ ／
　　　＼ 　　　　　　／
＿　 　　　 ＿　 ／
　 ＼　　/
　　　＼ |

╋━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━╋

　　　番外編「王氏繁栄」では語らなかったが、
　　　このとき石顕は
　　　元帝の愛する定陶王ではなく
　　　太子を擁護し、すこぶる功績があった

　　　石顕は元帝が崩じたあとも生きのこるべく、
　　　つぎの皇帝に恩を売ったのである

╋━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━╋

　　　　　　　　　　_　-‐─ -
　　　　　　　　／　　　　　　　 ｀ヽ
　　　　　　　/　　　　/　 ／ 　i 　 ヽ＿ ,ｨ
　　　　　　 l 　　/ 　,{　/ / ｲ ﾊ　　 ヽ_ノ　　　殿下が即位なされたときは、
　　　　　　 {　　l 　/‐ﾚ{ ｒ'　ﾉハ } 　　ﾄ､　　　　 臣のことをお忘れなく
　　　　　　 ',　! { :/＿　ﾘ　　　｀>ｨ　i　ﾊl
　　　　　　　} l　Vｲいi｀　　 ｨtぅ､ﾉ / ﾉ
　　　　　　　 ハ ゝこｿ　　　ｔり !ｲｲノ　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 iヽ､´｀ヽ､
　　　　　　　　　 ヽ、　　__'　　 /　ﾘ　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 r‐ l:.:.:ヽ,:.:.ヽ、｀`ヽ
　　　　　　　/ヌ‐┘ｊ＞ __ . イ　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 /:.:,:.:.:l:.:.:.:.:ヽ:.:.:.ヽ:.:.:.:l
　　　　　　 ﾒﾆ: l: :０: : : :l０:.ヽ　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 　 ///,:.:∧:.:l､:.:.ヽ:.:l:.｀i:.:iヽ
　　　　 　 /: : :/: il: : : : : ll/: !　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 ／ﾌ:l:.:l ﾒ ､ヽヽゝキＴ:.:.!:.:トヽ
　　　　　/: : ::ｲ: : ll: : : : : il : l　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 　 ´　 l:./!:.l､l:.:.:.:.ヽ!:.:.:.:.ﾐヽ:l、!
　　　　/: : : / l : :il: : : : : :ll: :ﾍ　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 ﾚ　!:ｌi:.l　　ﾉ 　　　l:./:〉ヽ!
　　　〈: : : :/　|: : ll: : :: : : :ll: : :＼　　　　　　　　　　　　　　　　　……　　　　ヽ!Vヽ　ｰ一 , ｲ!V
　　 と入_/ 　l三{l二{二二lﾍ:_:ｨう　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 ヽ!)ゝ-　,. l+ ､
　　　　　　 　|: : ||: : :＿_:_:_ヽ,￣　　　　　　　　　　　　　　　　　　 　　　　　　 ,. -1 >_､´　,:::::l:ヽ､
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 　　 _,. - ´／//､:.:.,ヽ　/::::::ヽ:::::｀`ｰ ､
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 　　i:!::::::::く,. ﾌ　/＾!　｀ｸヽ､／::::::::::::::::::ｒ｀┐
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 　 ,!::l:::::l´:::::l　/:.:.:|　/:::::::::::>:::::::::::::::::/::::::::|
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 　 l::::l:::::!:::::::ｌ /:.:.:.:l /:::::::::, ::::::::::::::::::/:::::::::::l

╋━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━╋

　　　そして元帝は崩じ、太子が立った

　　　ご存じ成帝である

╋━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━╋

　　　　　　/　　 ﾄ､　　　　　　　　 　 ｀i
　　　　 　 |.　|.　|. ＼ 　＼　　　 　 ＼i|
　　　　 　 |.　ﾄ､ |. 　＼ト､ヘ´￣　 　 i､
　　　　　 //　.ﾄ､|￣二 ＼｀ >ｯｫｧ|＼ ﾘﾄ､
　　　 　 /ハ　i　K赱ｧ　　 ヽ ￣ :!　 ﾊ､!
　　　　 / 　 i ,ﾍ |　 　 　 i　 　 　!　 レ'|
　　　　 　 　 !ﾄ､jﾍ　　　　'＿_,, 　!　/ ﾊj
　 　 i⌒i　　 !^i 　 ＼　-'´-‐´ イ /'i/
　,‐-i　 j､　　　ﾍ/ヽハ｀ ｰ- ´　i/
..i　i-ゝ-' `ｰrーr-､ .ノ　!　　 　ハ
（i　!　／ 　,j::::::r<,イ　　i 　 　/　 ﾍ
´ﾍ_j　 ___ノﾉ:::::::i"´､　 　i 　 /　　　｀k､_
_ﾉ　　／　 j::::::::::!　 ｀ー､　 / ＿,,--　ﾉ::::iｰ-､
　 ／　　 i:::::::::::::k　　　 -'"　　　 　 ﾉ:::::::i　　 ヽ
／　　ヾ ,i::::::::::::::::＼　　　　　 　 ／i::::::::::i　　　 ＼
　　　　 i/::::::::::::::::::::::｀ｰ----―´:::::i::::::::::i.　　　 　 ＼
　_,,-'''"{::::::::::::r-､__::::::::::::::::::::::::::::::::i::::::::::i 　,-''　　 　 ＼
´　　　 |::::::::::::j　_ , -,ｰ､＿＿＿＿:::!:::::::i／/　　　 　 　 ＼
　　　　 }:::::::::j　`-, '､_,　,､／ﾌ　 /　j::::::::i /"ヽ　 　 　 　 　 ＼
　　　　 i:::::::::! r-'_〈二､.L iミｮ､ゝj /::::::::::Y　 　 ＼　　　　　　　ﾍ
　　　　!::::::::j　} L__〉 /,=ｱ !i ,=' i/:::::::::::::/　　　 　 ＼. 　 　 　 　j
　　　 i:::::::::'-ﾆﾆﾆﾆﾆ ´⊂ハ_>/::::::::::::/　　　 　 　／ヽ　　　　 /
.　 　 i::::::::::::::::::::::::::::::::::￣￣￣:::::::::::/　　 　 　 ／　 　 　 　 ／

╋━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━╋

　　　すべては石顕のもくろみどおりに動いたはずだった

　　　しかし本人をふくめて
　　　宮中のだれにとっても予想外のことに、
　　　石顕はこのあとすぐに破滅した

╋━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━╋

　　　　　　　 ＿＿
　　　　 　／..::::::::::::::..＼
　　　　／..:::::::::::::::::::::::::.＼
　　 ／..::::::::::::::::::::::::::::::::::::.＼　　　……
　　 | :::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::: |
　　 ＼:::::::::::::::::::::::::::::::::::::::／
　　,. -‐'´..:::::::::::::::::::::...｀丶､
　 ﾉ .:::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::....ヽ

　　　　　- -　--　──　──────────────────　──　--　- -
　　　　　　　　　　- -　--　──　────────────　──　--　- -
　　　　　　　　　　　　　　　　　　- -　--　─　──　─　--　- -
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　- -　　- -　-

　　　　　　　　　　　　　 　 　 　 　 　 . 　 ´￣￣￣｀`丶、
　　　　　　　　　　　 　 　 　 　 　 ／ZL 　　　 　 　 ､ 　 ｀ヽ、
　　　　　　　　　　 　 　 　 ､_　__/　／_{_　　　　　　　}　　 }　＼
　　　　　　　　　　　　 　 　 `ｰｧ′￣　／ ／／_ノ} / _ノ八　,_∧
　　　　　　 　 　 　 　 　 　 　 {　/　／　 /_//´　ノヘ{_´　　vVW}　 ,
　　　　　　　　　 　 　 　 　 　 ∨ /　{　７i丁[￣`ヽ　　｀　　 } ､_ ﾄ='′
　　　　　　　　　　　　　　　　　 }/∧ ｌVィ恭ミﾐ｀ 　 　 ‐‐ ､_ﾉ从iﾘ
　　　　　　　　　　　　　　　　　〔 {〈､｀　 Lｔタ′　　　ｨ=ﾐ、/／ /
　　　　　　　　　　　　　 　 　 　 ヽﾄﾍ　　　　　　　　{tVﾊ/´ ／　　　　　さて、太子は
　　　　　　　　　　　　　　　　　　 _}　 ､　　 ＿_　　{ ｀¨ 厶ィ　　　　　　　僕のおかげで
　　　　　　　　　　　　　　　 　 ／＼ ､ ヽ、 `　_ア´　／　　　　　　　　　　つつがなく即位した
　　　　　　　　　 　 　 　 　 ／__ＦL　〉＼ ＼ _ .　　´
　　　　　　　_　-───　´　{ｈ7rv//＾ｰ`=ｧ′　　　　　　　　　　　　　　これからさきも
　　　　　 ／ ､　　　　　　　　 _/り//　　 rく　　　　　　　　　　　　　　　　 僕の権勢は盤石さ！
　　　　　{　　　ヽ　　　　　　　 　 { {　　 /∧`ｰ- ､_
. 　 　 　 l　　　　 ＼　　　}　　 　 l ｌ　　{ {　　　　　 ＼

　 　　　　　　　　　　　　　　　∩ 　　ピンポーン!!
　　　　　　　　　　　　　 　 　( ⌒)　 　 　 ∩_ _
　　　　　　　　　　　　　　 　/,. ノ　　 　　 i　.,,E）
　　　　　　　　　　　　　　 ./　/"　　 　 　/ /"
　　　　_n ピンポーン!!　 ./　/_、_　 　 ／ ノ'
　　　（　l　　 　_、 _ 　　/　/ ,_ノ` ）／ ／ _、 _　　　　ピンポーン!!
　　　 ＼ ＼ （　<_,`　）（　　　　　　　／（　,_ﾉ` ） 　 　　　n
　　　　　 ヽ___￣￣　ノ　ヽ 　　　　 /　￣　　　　＼ 　 （ E）
　　　　　 　　/　　　/　　　＼　　　ヽフ　　　/ ヽ ヽ_／／
　　　　　　　　　 n　　　　　　|　　　|.　　　　　 n
　　　　　　　　（ヨ ）　　　 　 /　　　|　　　　　（ E）
　　　　　　　　/　| 　　　 _、/　　　 _、_　　　　 |　ヽ
　ピンポーン!!＼ ＼/（　,_ﾉ` ）／（ <_,`　）ヽ／ ／ ピンポーン!!
　　　　　　　　　 ＼(uu　　　　　/　　　　 uu)／
　　　　　　　　　　　|　　　　　 ∧　　　　　/

　　　　　　　_n　n_
　　_、_　　.（　 ll 　）　 　 _、_
（　,_ﾉ` ）　 `／ /ヽ　　（ <_,`　）
（　　　￣￣___/ ヽ___￣￣　　 ）
　＼　　　丶　　 　 / 　　　 / 　　　ピンポーーーン!!

　　_n　　　　　　　　　　　　　　　　 n_
　（　l　　　　_、_　　　　　_、_　　　　l　）　 ピンポーン!!
　 ＼ ＼　（ <_,`　）　（　,_ﾉ` ） 　／ ／
　　　ヽ___￣￣　 ）　 (　　￣￣___／
　　　　　/ 　　/　　　　＼　　 ＼

　　　　　　　　　 ／　, ／:／:／: :／／:　 : .　: .　 ヽ ヽヽヽ＼ヽ
　　　　　 　 　 ノ,　 //　/: :/ : : /〃: : /∧ :　{､: .　}: . 〉 }､:ヽヾ､＿_ﾉ
　　　　　　 ー 彳　:l |: /: : l: : :/ A: : ://＿V: :!ﾊ: :/:／Ｖ: :ヽ:ヽヽ／
　　　　 　 　 　 | : : ! ｖ:　 : ! : ハ! ゝ:Ａ{┬　∨ﾚﾞ}:/´ 　 | l:ヽヽ ぃヽ
　　　　 　 　 　 ｌ :〃/|:|:ｌ: 小､iｧ＝＝ミ､　　 ｊ/ （(　^ｉ 　| |: :l: |ｌ | ｀l
　　　　　　　　　V/ l/|:|:l | {〃｀んて,　ﾄ　　　　 _癶｜ ///:' /ｊ/
　　　 　 　 　 　 lハヽい､{ |　ｒ､ぃｔﾂ　 　　　　 夊ヽ ∨/ｨ:// ﾉ
　　　 　 　 　 　 {　 ヽゝ_ ｀＼｀~＾¨¨　　 　 　 礼ﾉ/レノノ'i/
　　　　　　　　　 ヽ　 V/l　　　ｌ /ハヽ　　　{ 弋'ぅ/　　　　　　　なんだよもう、
　　　　　　　　　 ＿／´ 丶 　 , --､　　 　 ´ l ﾊV　　　　　　　　せっかく人がいい気分に
　　　　　 　 　 ﾉ―‐ミヽ、__＼ゝ __ ｀ ーｧ　　 ／　　　　　　　　　ひたってたのに……
　　 　 　 　 ／: : _: : ´二: : : ￣｀ヽ‐｀¨´_　　´
　　　　　　/／／: :／ : : : : : : : : : ヽ＜　　　　　　　　　　　　　　はいはい、どなたー？
　　 　 　 / ／: :／: : : : : : : : : : : : : レ…―― ､
.　 　 　 / : : ／: : : : : ::::::::::::::::::::::::::::! : : : : : : : ∧


　　　　　　　　　　　i|||||ミ,' ./　　　　　　　　　　　',ﾐl|l|l|l|l|l|l|l}l|
　　　　　　　　　　/⌒V　　|　 ／￣￣｀　　 　 ,＿',ﾘ|l|l|l|l|l|l||l|
　　　　　　　　　　{ l　　,'　 |　　ﾆﾆﾆヾ　　　　　　 i|ﾘ/l||l|l|l|l|l|
　　　　　　　　　　ヽ 　 i　　|　　卞O≧　　 ,　　___|ﾘ|l|l|l|l|l|l|l|l|
　　　　　　　　　　 |ハ　　　|　　　 ￣　　　 l　 ≦O|>/l|||/｀,||l
　　　　　　　　　　 ||||||!　　 |　　　　　　　　 l　　　 ﾘ　l|l|l　/|l|l
　　　　　　　　＿__||||||l　　　　　　　　　^　^　　　 /　//／|l|l||l
　　　　_,,.-‐''"　　 ||||||ﾊ　　　　,' _,,.-‐ー-､　:　　　 /' ,'l|l|l|l|l|l|
_,,.-‐''"　　　　　　 ||// ∧　　　 ヽ、￣￣　>,'　　／ /l|l|l|l|l|l|l|
　　　　　　　　　　ﾉ∧　|　＼　　　 丶ﾆﾆ／　　　／/l|l|l|l|l|l|l|l| 　　　つーか勅使だから！！
　　　　　　　　　　/　　 l　 　 ＼　　　　　　　　／l|l|l|l|l|l|l|l|l|l l|
　　　　　　　　　/　　　 l　　　　 ＼,　　　,.　＜　/l|l|l|l|l|l|l|l|l| ﾘ

　　　　　　　　　　　　　　 _,. -─‐- ,＿
　　　　　　　　　　　　,.-'´　　　　　　　　｀~'ヽ、
　　　　 　 　 　 　 ／　 　 　 　 　 　 l　　　　　ヽ、
　　　　　　　　 ／ 　 　 　 / /　　　!　}　 　 　 　 ヽ
　　　　　　　 /　 　 　 　 / /　 　 ノj lヽ、、　 　 　 ﾞ,
　　　　　ー7,　　　　 /　l　 !　 /／} ,/　ヽヽ、i　　　 l
　　　　　　/!　 ,　/　i!　 l　 l　l､{ ノ´　　　｀ヽ} lﾍ、、 l
　　　　　 { l　 ,'　,'!　l　 ∧　j　l ｀　　 　 　 　 l l　l ヽ ヽ、_
　　　　　 ! l　 l　!l　 l　/　l ﾉ｀ー　　,r-──‐ﾘ1 l　} j￣
　　　　　 l ﾞ,　l　l !　l, {-‐jﾉ￣`　　　　zニニ,._ l l //
　　　　　　! ヽl　!ヽ l ヽノニz　　　　　ノ{!ノr1ﾍ lノ }!　　　　　これはご無礼つかまつりました
　　　　　　　　ヽ }、ヽｨ fノ_rl}`　　　　ヽ}f刄ﾉ'´ｲ ,/
　　 　 　 　 　 　 VゝヽVゞ‐'´　 　!　　 　 　 　 lｰ'　　　　　　 陛下のご命令とあらば
　　　 　 　 　 　 　 ｀ーﾍ　　　　　'-　　　　　 /　　　　　　　　 この顕、水火も辞せず
　　　　　　　　　　　　　 ヽ　　　　‐--‐　　,ｨ´　　　　　　　　　　うけたまわる所存にございます
　　　　　　　　　　　　　　　｀1- .,_　ｰ'　／.:l
　　　　　　　　　　　　　　　 f≦}!＞ー'´-z≧}!
　　　　　　　　　　　　　　　 |::::: l ｒ ─┐ l'"´:|
　　　　　　　　　　　　　　　 |!７ l l:::::::::::l! lr个|
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　　　　　 _,. -‐'""´::::::::::::'ｰ´::::::l l:::::::::::l! l::::::::::::::::::::::::::｀ー- .,_
　　　γ´::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::: : j l:_::＿:l! l::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::｀' - ､

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　　　　　　　　＿__||||||l　　　　　　　　　^　^　　　 /　//／|l|l||l
　　　　_,,.-‐''"　　 ||||||ﾊ　　　　,' _,,.-‐ー-､　:　　　 /' ,'l|l|l|l|l|l|
_,,.-‐''"　　　　　　 ||// ∧　　　 ヽ、￣￣　>,'　　／ /l|l|l|l|l|l|l|
　　　　　　　　　　ﾉ∧　|　＼　　　 丶ﾆﾆ／　　　／/l|l|l|l|l|l|l|l| 　　　オメェ長信宮の中太僕に
　　　　　　　　　　/　　 l　 　 ＼　　　　　　　　／l|l|l|l|l|l|l|l|l|l l|　　　　異動だから！！
　　　　　　　　　/　　　 l　　　　 ＼,　　　,.　＜　/l|l|l|l|l|l|l|l|l| ﾘ


　　　　　　　　　　　　　　　 　_..　　-‐-　 　
　　　　　　　　　　　 　 　 イ　　　　ｒ　　　 　　 ヽ
　　　　　　　　　　　　／　　　　　/　　/　　　 }　　ヽ
　　　　　　　　　　　/　/　　　　　{　　l　 ／）人　　　
　　　　　　　　　 　,′/ /　l　{　 ﾊ 　lV´　'´　　ヽ　　l
　　　　　　　　　　 l　l　l　　l ﾊ　! } ﾉ　　　　　　　1 !　 ｒ
　　　　　　　　　　 |　l　l　 ﾊlｰﾚ‐ｿ─'ﾉ　 、　　 　l ﾊ　
　　　　　　　　　　 l　ヽ丶 l /ｨてﾒ、　　 　,≧‐､_ ｲ!　　
　　　　　　　　　　ﾉﾍ /ヽ ヽ弋ｔソ　　 　　ｨﾋうﾒ、 l　l }
　　　　　　　　　　　 ﾊ ｒ 丶ゝ　 　　　　!　辷ソ　/ ,ｲ/
　　　　　　　　　　　　 ヽｨ!　　　　　　　′　 　 ノｲ
　　　　　　　　 　　 　　 ﾍﾄ、　　 ｒ‐‐ -､　　　/　　　　　　　　　　……はっ？
　　　　　　　　　　　　　 　| ＼ 　 ｰ‐─'　
　　　　　　　　　　　　　　 ｊ＿__ヽ、 __,.
　　　　　 　 ,　-- ､_　 　{l￣￣〃＝7
　　　　　／: : : : : : ﾍｰ‐ｲ: : : : {{: : : ll
　　　　 /: : : : : : : : : ! : .: : ﾌfﾍli: : : il
　　　　 l: : : : : : : : : : l : : : :〈〉 {{: : :〈:｀ー-,ヘ _
　　　　 l: : : : : : : : : : ;. : .: : : : : ll: : ::ヾ : / ,ﾍ ＼ヽ

　　　　　　　　　　　i|||||ミ,' ./　　　　　　　　　　　',ﾐl|l|l|l|l|l|l|l}l|
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　　　　　　　　　　ヽ 　 i　　|　　卞O≧　　 ,　　___|ﾘ|l|l|l|l|l|l|l|l|
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　　　　　　　　＿__||||||l　　　　　　　　　^　^　　　 /　//／|l|l||l
　　　　_,,.-‐''"　　 ||||||ﾊ　　　　,' _,,.-‐ー-､　:　　　 /' ,'l|l|l|l|l|l|
_,,.-‐''"　　　　　　 ||// ∧　　　 ヽ、￣￣　>,'　　／ /l|l|l|l|l|l|l|
　　　　　　　　　　ﾉ∧　|　＼　　　 丶ﾆﾆ／　　　／/l|l|l|l|l|l|l|l| 　　　秩禄は中二千石だから！！
　　　　　　　　　　/　　 l　 　 ＼　　　　　　　　／l|l|l|l|l|l|l|l|l|l l|　　　　秩千石の中書令からすれば栄転だから！！
　　　　　　　　　/　　　 l　　　　 ＼,　　　,.　＜　/l|l|l|l|l|l|l|l|l| ﾘ　　　　 三階級特進だから！


/　 .:/　 ,　　.:/　　　　 　　 .:　 　.:.:./　　 .::i .::! 　 .　　 .:　　
　 .::′ /　.:.:/　　　　　 　.:.:l　　.:.:.:/　.:: .::/ .:ハ::　:.　:.　.::　　'
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　.:.:| /!　.:.:′　.: 　 .:.:ｲ　.:.:ﾊ　　.:.:! :ｒ'　 ﾚ'::::::::::::ヽ:.:l　:l.: .:l　 .::
　.:.:l/ l　.:.:l 　 .::l　.:.:/ l　.::l　ヽ　.:.:i :l　:::::::::::::::::::::::｀! .:l l .:l　 .::
　　.:.:.:i　..:|　 .:.:l　.:::l 　! .:.:!　　ヽ.:.ﾊ:! ::::::::::::::::::::::::: |.:/.:l :l　 .::'
　　.:.:.:l　.::l　.:.::ﾊ　.:! 　 l.:.:l　　_, l/　　 　 ,ヽ､＿　 /ｲl.: l :l　 :
　　.:__:{　.::i　.::l-ﾍ :lﾆ二ﾍ l￣　ノ　　 　 /　 ＿_￣｀ l:. :l:ﾉ ::
ヽ.:/ｒ/:.!　.:ﾄ、.:l　 _ﾒォ=ｒﾒミ　　　　　　/　_'ｨ=ｒ-ｯ、 ,!: /..::
: :〈{ l.:/ﾍ .:ﾍ ヽｊ/´,ｲ　fこﾉlヽ　::::::::::::::::　〃 fｔわ　!ｲ.:/:
＼:ヽ!:l （ヽ .:.:､　　{c ｔ１ り　:::::::::::::::::::: 　lc ｔｊｰﾘ　/:　　　　　　　　　 （たしかにうわべだけ見れば栄転！
　 ヽ:l:l、 ﾍ ヽ::ゝ　廴Ｚｘン　:::::::::::::::::::::　 廴ｔz斗 　　　　　　　 　 　 　 しかし！　僕の権勢は
　　 Vヽ::ｰ‐',　　　　　　　　　　 　　　i　 　　　　　　　　　　　　　　　 　 ひとえに領尚書事の権能をもつ
　　　　 ＼:::ﾍ　　　　u　　　　　 　　　〉　　　　 　　　　　　　　 　 　 　 　中書令にある！
　　　　 　ｒヽ::ﾄ、　　　 　 　 　　 　 　′ u　 , 　　　　　　　　　　　　　　　これはあきらかに左遷人事ッ！）
　　　　 　{ ゝl　＼　　　　　 　, --─ｫ　　／
　　　　 　l:ヽ ＼　 ヽ、　　　　ー─ ′／:::::::::::::￣:::::‐
　　　 _ イl::::::＼ ＼　 ｀ 　､　　 　　／l:::::::::::::::::::::::::::::::　　　　　　　　　　こ、これはなにかのまちがいでは……
-‐::::´::::::::l:::::::::::::ヽ、｀ﾒ､＿ ＞--イﾉ:::l:ヽ::::::::::::::::::::::::::
::::::::::::::::::::l::::::::::::::::::7/-二二 ﾆﾆイ:::::::l::::::＼::::::::::::::::::::

　　　　　　　　　　　i|||||ミ,' ./　　　　　　　　　　　',ﾐl|l|l|l|l|l|l|l}l|
　　　　　　　　　　/⌒V　　|　 ／￣￣｀　　 　 ,＿',ﾘ|l|l|l|l|l|l||l|
　　　　　　　　　　{ l　　,'　 |　　ﾆﾆﾆヾ　　　　　　 i|ﾘ/l||l|l|l|l|l|
　　　　　　　　　　ヽ 　 i　　|　　卞O≧　　 ,　　___|ﾘ|l|l|l|l|l|l|l|l|
　　　　　　　　　　 |ハ　　　|　　　 ￣　　　 l　 ≦O|>/l|||/｀,||l
　　　　　　　　　　 ||||||!　　 |　　　　　　　　 l　　　 ﾘ　l|l|l　/|l|l
　　　　　　　　＿__||||||l　　　　　　　　　^　^　　　 /　//／|l|l||l
　　　　_,,.-‐''"　　 ||||||ﾊ　　　　,' _,,.-‐ー-､　:　　　 /' ,'l|l|l|l|l|l|
_,,.-‐''"　　　　　　 ||// ∧　　　 ヽ、￣￣　>,'　　／ /l|l|l|l|l|l|l|
　　　　　　　　　　ﾉ∧　|　＼　　　 丶ﾆﾆ／　　　／/l|l|l|l|l|l|l|l| 　　　コレ決定事項だから！！
　　　　　　　　　　/　　 l　 　 ＼　　　　　　　　／l|l|l|l|l|l|l|l|l|l l|
　　　　　　　　　/　　　 l　　　　 ＼,　　　,.　＜　/l|l|l|l|l|l|l|l|l| ﾘ


　　　　　/: :.:./　.:.:/ ./:.:l:　ｉ:.　!l　/丿　　　 ミ､: l: ヽ　､:ヽ
.　　　　 ':. .:./　.:.:/:.:/ .:∧:.|､ 从 { 　 ､-―‐-､」:ﾄ､: ｉ　i い
　　　　 |:. .:.': .:.:.:.l:.:.' .:./‐l: |ﾍ{　 ｀　　　＿＿　ｊﾒ､|: |　|: !:|
　　　　 |:.:.:.l:.:.:./:.!:.:|:./　_ｌ厶 ヽ　 　 　 ﾉｧ＝=ﾐ、 |: i: , :ﾊ:!
　　　　 '､:.:.|:.:.:l:.ｉ:.､:l:.{／, =ﾐ　　　　　　'/ ｒぃ　 》 ｉ: ｉ/:/〃
　　　　　}:.:.:､.:.l:.|:.:ﾄＮ／ ｒぃ＼　　　　　 弋_ﾘ 　ノｨ:／/
.　　　 _ノヘ:.ヽl､:､:'､ 《　弋ﾘ　　　　　i　　`＝彡 ィﾘ
　 　　 　 　 ＼i:.i､ヽヽ ､＿__ノ　　　　',ヽ　　　 　 l´
　　　　　＿＿_l:.l､＼: ＼￣　　　　 　 iﾉ　　　　 /　　　　　　　　　……！
　　　／　　　　ヽ!｀≫ミ=-　　　　　 ,. -‐ｭ　　∠ヽ
　_／　　　　　　 乂　　 _≫ 　　 　 ‘¨´　　 ｲ: : :l├ ､
//　　　　　　　/　　 ／ {{: : ､＞　　　　 ／丿: : ｊ小ヽ＼＿
7　　　　　　　/　　,　／ }} : : ヽ　　 ｀二 イ: : : :/　}}　／へ　∨￣　 ､
ｉ　　　　　　　′　/ /　 从 、: :｀二二 -‐'ﾞ: : ／　 〆／　　／　　 　 　 丶、
|　　　　　　　!　 / /　 〃 ヽ＼二二二 -‐ '´　 ／／ 　 ／　　　　　　　　　＼

　　　　　　　　　　　i|||||ミ,' ./　　　　　　　　　　　',ﾐl|l|l|l|l|l|l|l}l|
　　　　　　　　　　/⌒V　　|　 ／￣￣｀　　 　 ,＿',ﾘ|l|l|l|l|l|l||l|
　　　　　　　　　　{ l　　,'　 |　　ﾆﾆﾆヾ　　　　　　 i|ﾘ/l||l|l|l|l|l|
　　　　　　　　　　ヽ 　 i　　|　　卞O≧　　 ,　　___|ﾘ|l|l|l|l|l|l|l|l|
　　　　　　　　　　 |ハ　　　|　　　 ￣　　　 l　 ≦O|>/l|||/｀,||l
　　　　　　　　　　 ||||||!　　 |　　　　　　　　 l　　　 ﾘ　l|l|l　/|l|l
　　　　　　　　＿__||||||l　　　　　　　　　^　^　　　 /　//／|l|l||l
　　　　_,,.-‐''"　　 ||||||ﾊ　　　　,' _,,.-‐ー-､　:　　　 /' ,'l|l|l|l|l|l|
_,,.-‐''"　　　　　　 ||// ∧　　　 ヽ、￣￣　>,'　　／ /l|l|l|l|l|l|l|
　　　　　　　　　　ﾉ∧　|　＼　　　 丶ﾆﾆ／　　　／/l|l|l|l|l|l|l|l| 　　　オメェの席（中書令の座）
　　　　　　　　　　/　　 l　 　 ＼　　　　　　　　／l|l|l|l|l|l|l|l|l|l l|　　　　ねぇーから！！
　　　　　　　　　/　　　 l　　　　 ＼,　　　,.　＜　/l|l|l|l|l|l|l|l|l| ﾘ


　　　　　　　　　　　　　 ／.:.／ .:'".:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:｛.:.:.:.:.:.:.:.:／}.:.:.:.:.:＼
　 　 　 　 　 　 　 　 ／.:.／:／〃.:.:／／.:.:.:.: ﾊ.:.:.:.（.:（ﾉ人.:.:.:.:.＼.:`ｰイ
　　　　　　　　　　／ｲ／:／::::/.:.:∠_/:.:.:.／ノ　}.:.:.:人_:＞ ＼{.:.:.:.ヽ:＜
　　　　　　　　　　　/ イ/::::::,:'.:./了.:{.::〃＜_ ノ:.／::::::::::::::::::::}:}.:.:.:.:}.::::}
　　　　　　　 　 　 /ｲ:::/::::::ハ.:{ -j/j/‐≠-､＞}}ﾄ:::::::,,::::::::::_,,斗.:.:.,':::::ﾊ
　 　 　 　 　 　 　 　j∨::／l::::Ⅳｨ仟云不ﾐ　　´″ 〃=≦::ｰくﾘ.:./::::::j/
　　　　　　　　　　　乂:/:/::|::::|〃弋てク _,　　　　/:::ｨ仟云ﾐ､｀ｱ:::::::/
　　 　 　 　 　 　 ノ／/く:::厶入　｀¨¨:::::´　　　 　 ､_弋うク :}}:/::::／
　　　　　　　　　〃　 j/ ∨-ﾍ_::`=-　　　　 　 　 l、::::｀¨¨`=彡 '´
　　　　　　　　　　　　　　{〈⌒}_　　　　　　　　 　 ′::::::::::::::::/　　　　　　　　（終った……
　　　　　　　　　　　　　　 ＼__ﾑ　　 　 ぃ-――=ァ::::::::::::::,.'}
　　　　　　　　　　　　　　　　`ヾﾍ、　　　　 ー一'´::::::::::∠ノ　　　　　　　　　　なにもかも……！）
　　　　　　　　　　 　 　 　 　 　 ヾ|＼　　　 :.ー:::::::::::／
　　　　　　　　　　　　　　 　 　 　 l 　 丶 　 :::::::::,.イ
　　　　　　　　　　　　　　 　 　 　 |　　　x≧=≦==|ヽ
　　　　　　　　　　　　　　　　　　|￣￣「「　 　　　| |｢|
　　　　　　　　　　　　　　　　　　|　　　| |　 　 　 .| ll |

╋━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━╋

　　　石顕は失脚した

　　　中太僕となってから数ヶ月のあいだに
　　　丞相と御史大夫は
　　　石顕のこれまでの悪事を箇条書きにして上奏した

　　　石顕の一味のあるものは官を廃せられ、
　　　あるものは地方へ左遷された

　　　石顕は流されて妻子とともに故郷へもどされ、
　　　帰るとちゅうで憂悶のうちに死んだ

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　　　　　　　　　,　'´ : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : :ヽ
　　　　　　　 ／ : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : ::ヽ
　　　　　　／ : : :／ : : : : :i: : : :､: : :ヽ: : : : : : : : : : : : :ヽ
　　　　　/ : : : :/ : : :/ : :l :ﾄ､:＼:丶:､ :＼ : : : : : :ヽ : : : : ',
　　　　 /:: : : :/ : : :/: : /lﾉ　 `' :_:ﾌ: }メ､:ヽ : : : ヽ: i_: : : : ﾍ
　　 　ノ: : : : :{ : : : l:: :/ ﾘ　　　　イl :l　　'; :',: : : :}: :ﾄヽ : : : :'z
　ヽ二ｨ : : : : l : : : :l :l　　_ -　´_. ‐l :l-　　}: i: : : l :ﾊ! } } : :ｒ´
　　 　' :l : :i : '; : :: :从 ／　 ,ｨ'´ 　 l/ -‐ 　lﾉl: :/::/ソ / : :,'
　　　{: :l: : {:: : '; : :ﾊ　　　　　　,ｨ'´　　　　 ﾘ l:ｲ::/｀　ﾉ : :,'
　　　l:: :{ : :ヽ: : :V‐ ､　　　　〃　　　　　　　 /ｲ 　ｒ' ヽ: l
　　　ﾍ: ヽ : : :ヽﾉ　/ﾆヽ　　　　　　　　　　 　 　 　! 　 ﾍ!
　　　　 ヽ:ヽ : : :＼! 　,ｲ}　　　　　　　 　 　 　 　 / 　 　',
　　　　　　＼:ヾ: :: :｀〈　ヽ　　　　　　_　　　 　　/　 　 　 ',
　　　　　　 　ヽ:ﾊ:二>ﾍ　 　　　_　'´_, 　 　 　,ｲ 　 　 　　 ',
　　　　　　　　　ヽ　　 　ヽ、　　　　 　 　 　, '　　　　　　 _」-‐┐
　　　　　　　　　　　　　　 　｀　-　 　__　 ,ｲ _ -‐' ￣}￣_..::‐::￣l
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 ｀ ｒ'┌::'´::￣l 「::::::::::::〈〉:::'､
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　〉 l:::::::::::::::l l::::/⌒ヽｒ'＾ヽヽ、
　　　　　　　　 　, -‐── ─---::::'::::￣::t! l:::::::::::::::l l:::ﾚ⌒Vlｒ⌒ﾘ::::::::‐- .._

╋━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━╋

　　　では石顕失脚の計画を立て、
　　　実行にうつしたのは何者だったのか

　　　『漢書』には書かれていないので想像するしかないが、
　　　丞相・御史大夫でないことはたしかである

　　　かれらは元帝の御代、
　　　石顕が権勢をふるっていたのを恐れ、
　　　かれの意をそこなわないようにつとめた

　　　石顕が中書令でなくなってから手のひらをかえしたのであり、
　　　あんまりみっともないので
　　　ときの司隷校尉の王尊に弾劾される始末であった

╋━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━╋

　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 　 　 　 __ヽ
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　｀ヽ!
　　　　　　　　　　　　l　　　,ｲ　　　　　　　　　　　　 ､._,ﾗ
　　　　　　　　　 ,イノヽ、 （　`ｰ､ﾄ､　 ,ｲ　人　　　 　 ヽ
　　　　　　　 , イナ=､-､`'ｰゝ　　　）ノ l／_,.へ　 　 ﾄ､ }
　　　　　 　 人{､y=＝ヽ｀ニニｲﾉ ,´　,,ﾘﾆ∠　 ） ,　 },ﾚ'
　　　　　　く 　 　 　 （cﾄ}　’ ;'　　　 /´(rﾟ）`'∠ノ　ﾉ
　　,.-‐､ 　 ﾉ 　 ..`ｰ‐─‐'　"　　　 （　ｰ- 'ﾞ　! ,r‐('
　 i　,ゝ（.　（　 :::::::　　 　 　 　 　 　 丶.　 　 .! ,)　　　　アンタら
　 ! { (　{　 ）´::::::::　　　　　 　 　 　 _,.ﾉ 　 　 |'　　　　　 カッコわるすぎだよッッ！！
　 ヽヽ ）ヽ(_　　　 　 　 , -─‐- ､`"´　　 　 l
　　 ヽ､__,ﾉ　　　 　 　 /ｰ──-- ｀ゝ 　 　 ,'
　　　 　 （_,.　 　 　 　 {　, -─-､　/　　　 /__
　　 　 　 ノ　　　 　 　 `'ー----`'　 　 ／　/｀─--;
　　￣￣￣￣￣|ﾆﾆ￢　　 -一　　 ／　　/　　　 /
.　　　　　　　 　 |　　| | 　 　 　 , ‐'´　　 ./　　　 /
　 ┏━　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　━┓
┏┛|￣　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 　 　 　 　 ￣|┗┓
　 　 　 王尊、字は子贛

　 　 　 涿郡の高陽県のひと
　 　 　 このとき司隷校尉

　 　 　 マザコンの変態を処刑した
┗┓|＿　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 　 　 　 　 ＿|┏┛
　 ┗━　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　━┛

╋━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━╋

　　　そもそも宦官は
　　　皇帝のプライベートな召使であり、
　　　その人事について外朝官である丞相や御史大夫に
　　　容喙する餘地はない

　　　石顕とおなじ内朝官であり、
　　　石顕の足もとをすくえるだけの地位と実力をもち、
　　　石顕がいなくなって最大の利益を得る者……

　　　うえの条件をみたす人物はただひとり

╋━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━╋

　　　　　　　　　　　 ＿＿＿
　　　　　　　　　　／　 :::::: 　＼
　　　　　　　　 ／　 ::::::::::::::::: 　＼
　　　　　　　／ 　::::::::::::::::::::::::::::　 ＼
　　　　　　　|　　　　（__人__）　　 　　|
　　　　　　　＼　　　 ｀ ⌒´　　　　／
　　　　　　　 /,,―　-ー　　､　,　-‐ ､
　　　　　　 （　　　,　-‐　'"　　　　　 ）
　　　　　　　 `;ー"　`　ー-ー　-ー'
　　　　　　　　l　　　　　　　　　　　l

╋━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━╋

　　　王鳳である

╋━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━╋

　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　(ヽ三/)　））
　　　　　　　　　　　　　　　_＿＿_　　　 ( i)))
　　　　　　　　　　　　　／⌒.壱.⌒＼　　 ヽ ＼
　　　　　　　　　　　 ／=⊂⊃=⊂⊃=＼　　 >　）
　　　　　　　　　　／::::::⌒（__人__）⌒:::::＼'　／
　　　　　　 　　　 |　　　　　|r┬-|　　　　 |
　　　　　　　　　　＼ 　　 　 `ー'´ 　 　／
　　　　　　　⊂ヽ γ´　　　　　　　　　/
　　　　　　　 i !ｌ ノ　ﾊ　　　　　　　 　|
　　　　　　　⊂ｃノ´　 ヽ 　　　　　　　|
　　　　 　 　 　 　 　　　＼　　　　　　/
　　　　　　　 　 　　　　　（　⌒ヽ　　⌒ヽ
　　　　　　　　　　　　　　　　)　　ﾉ ｀)　　ﾉ
　　　　　　　　　　　　　　　　(.＿つ(.＿＿つ
　 ┏━　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　━┓
┏┛|￣　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 　 　 　 　 ￣|┗┓
　 　 　 王鳳、字は孝卿

　 　 　 魏郡の元城県の委粟里のひと

　 　 　 やる夫の父方のおじ
┗┓|＿　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 　 　 　 　 ＿|┏┛
　 ┗━　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　━┛

╋━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━╋

　　　元后が皇后となってから十五年、
　　　王氏は石顕の陰にかくれながら
　　　孜孜として後宮にその勢力をひろげていった

　　　すべては石顕を失脚においこみ、
　　　王氏が実権をにぎるためである

╋━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━╋

　　　　　　　　　　　 　　 ＿＿＿_
　　　　 　 　 　 　 　　／　　　　　＼　　　　　　　　　 陛下が崩御した年（B.C.33）で
　 　 　 　 　 　 　 (／　⌒.壱.⌒　　＼　　　　　　　　　ワシ四十代の働きざかりだもんねお
　　　 　 　 　 　 ／））⊂⊃=⊂⊃=　　＼
　　　　　　　　　|　（（＿（__人__）　 :::　 　|
　　　 　 　 　 　 ＼ ’￣` ⌒´ 　 　 　／　　　　　　　　孝宣皇帝の代から宦官やってるジジイとは
　　　 ＿＿__/⌒｀`ヽ　,,ー‐,,　　　"⌒ヽ＿＿__　　　　　バイタリティがちがうお
　　　|＿＿__し'⌒/ ．　 　 ． 　 /"⌒し′＿_|::|
　　　|＿＿＿＿/　　　　　　　 /_＿＿＿＿__|::|
　 　 |＿＿＿_/⌒ ヽ、　　 　 /＿＿＿＿＿_|::|
　 　 |＿＿＿_しｲ"i　 ﾞ` 　 ,,/.＿＿＿＿＿__|::|
l二二二二二二 l　|二二二二二二二二l＿＿:|
　| |::|　　　| |::|　 し′　　　　　　　　| |::|　　| |::|
　|_|;;|　　　|_|;;|　　　　　　　　　　　　|_|;;|　　|_|;;|

╋━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━╋

　　　そして石顕のほうには油断があったのだろう

　　　石顕が皇帝にするために尽力した太子は
　　　元后の息子であり、
　　　かれは王氏にも恩を売ったかたちになった

　　　恩人である自分が裏切られるとは、
　　　石顕には思いもおよばなかったものと見える

　　　むろん王鳳が疑われないような演技をした結果でもあるのだろうが

╋━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━╋

　　　へへー、
　　　太子が即位できたのは
　　　みーんな石中書のおかげだお！

　　　王氏一堂、
　　　このご恩は一生わすれませんお！

　　＿ノ⌒|/⌒ヽ、＿ノ⌒ヽ、＿ノ⌒ヽ、＿ノ⌒
　　　　 　ヽ 　　＿＿＿_
　　　　 　　　／　 壱::⌒＼
　　　　　　／　 _ノ｜::⊂⊃＼
表　　　／ 　oﾟ⌒　|ヽ__）⌒::::＼　　　裏
　　　　 |::.　 　 （__ﾉ|r-|:::::::::::::::::::|
　　　　 ＼::.　　　´ |ｰ´::::::::::::::／
　　　　　　　　　　　　　　　∧
　　／￣￣￣￣￣￣￣￣　 ￣￣￣￣＼
　　　ケッ、
　　　チンポなしのジジイがせいぜい
　　　いい気になってるがいいお！

　　　そのうちおまえにとってかわってやるから
　　　その時をたのしみにしているがいいお！

╋━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━╋

　　　ともあれ石顕はしずみ、王鳳はうかんだ

　　　極言すれば内朝の権力者がかわっただけであり、
　　　王鳳にもまた政敵は多かったが、
　　　当時の士大夫にとっては

　　　「宦官よりは外戚のほうがマシ」

　　　という気分が強かったのではないだろうか

╋━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━╋

　　　　　　　　　　 ∧,,∧　 ∧,,∧　 ∧_∧
　　∧∧　　∧∧(´・ω・)(´・ω・｀)(・ω・｀) ∧,,∧.　　　　　チンポなしにくらべればねー
　(　´・ω) (ω・｀ )　　Ｕ) ( つと ﾉ　Ｕ Ｕ　(・ω・｀)
　｜　Ｕ 　 ｜と ﾉ`ｕ-ｕ'　 `ｕ∧,,∧　∧∧（Ｕ　Ｕ)　　　　　母方の親戚をうやまうのは孝の精神にもかなうし
　(　　´・) 　 u-ｕ　 (　　´・) ( 　　　)(・｀　　)`ｕ-ｕ'
　（l 　　 )　　　　　　（l 　　 )（ 　　　) (　　　ﾉ∧,,∧　　　 　 石顕をおいはらったのはよかったなー
　 `ｕ-ｕ'　　　　　　　`ｕ-ｕ'　`ｕ-ｕ'　..`ｕ-u'( 　　　 )
　　　　　　　　　　　　　　　　　 　 　 　 　 　 （ 　　　)　　　　政界の風通しはずいぶんよくなったよね
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 　　`ｕ-ｕ'


　　　　　　　　　　ﾟ･　*:　 :　*･
　　　　　　*･　゜ﾟ･　*　:　　.｡.　.｡.:　　*゜
　　　*　･゜　ﾟ･　*:　.　.｡.:　*･　゜ﾟ　　･　*　　:..
　｡.　･　･*:.｡ ∧,,∧ 　.∧,,∧　　　.:*　･゜
　　　 ∧∧(´・ω・｀)(´・ω・｀)∧∧
　　　(´・ω・｀).∧∧) (∧∧(´・ω・｀)　　　　　　　　 　 　 　だれかにタカってうまい汁を吸うなら
　　　｜　Ｕ (´・ω・｀)(´・ω・｀) と ﾉ 　 　 　 　 　 　 　 　 　宦官より外戚のほうが心理的抵抗はすくないしね！
　　　　ｕ-ｕ　（l 　　 ) ( 　　　ﾉ u-ｕ
　　　　　　　　 `ｕ-ｕ'　`ｕ-u'

╋━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━╋

　　　その証拠というわけでもないが、
　　　たとえば蕭望之の次男の蕭育は
　　　王鳳の引立てによって出世街道を歩むことになる

╋━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━╋

　　　　　　　　　　　､
　　　　　　　　　　 ､ヽヽ､,
　　　　　　 ‐=＝､''‐ヽ.:l::ヽ,.. -‐‐- ､
　　　　 　 ,. r‐'':::::｀''‐::::::::::::::::::::｀ '' ‐ ､
　　　 ,.r ',. r ''´:::::::::::::::::::::::::::::::::., ' ‐､::｀ヽ、
　　／イ:::::::::::::::::::::::::::::::::::::::､::::::::::ヽ､｀ヽ､::ヽ、
　　.／::::／::::::::::::::::::i:::::i::､::::::ヽ:::::::::::ヽ､:::｀ヽ::',
　 ./.:..../. .:/　.../.:l .:.l ..:.l:.ヽ ....:ヽ.... 　.: ヽ. .:.ヽ.l
　/.::::ｲ:... .:l..... lﾄ:::l:::::ﾄ::::::ﾄ::ヽ､::::::',:::::::::::::::',:::::::::l
. |://.l:::::::::|:::::il__l::l l:::l ヽ::l ,.>r‐''':::l::ヽ:::::::::::l::::::::l
. |:/ .|::::::::::l::::il､ﾐｭ､ヽl　 -'ﾔ;ﾊ'７ヽ::l::::ヽ:::::::::l:l:::::l
. ﾚ　.|::::::::l::l::il　｀´ i. ヽ　　｀ "　　 〉:::::::::',::::::::l l::::|　　　　　敵の敵は味方でござる
　　　|::::::l::::ヽi'i.　/　　　　ヽ、 ／ ゝ''ﾆ l:::l::::::l　l::|
　　　.|:::::ll:::::::.!:'､｀ヽ＿_ 　　 X　 .／li::::::ll:::l::::|　ﾚ
　　　 l::::l ',:::::::::l ヽ、 ‐ ｀ .／　'／　.|i:::/::〉::::::l ｀:' ‐ ､_
　　　　ヽl　ヽ:::::l　 ヽ　　'　 ,. '　　　.|i/／rl::::l -‐- .,,_::｀'' ‐ ､
　　　　　　　 ヽ::l　　 ヽ-ィ　　　　　 ,.. !-l:::ﾚ-::::ヽ::｀ヽ､｀'‐-､｀ヽ、
　　　　　　　　　ヽ　　　　i　　,.r ' ´ r ''' .|::::::|'‐ｭ::::｀ヽ:::｀ヽ、｀'ヽ､ ､
　　　　　　　　 　 　 　 　 !r',.r ' ´　　　　|l:l:::|　l:::',.. :.:ヽ::::::::ヽ、　 ヽ､
　　　　　　　　　　　　 ／r'´　　,.. -‐‐ '' | l:l::| .'‐,::l::::::::::ヽ､::::::ヽ、 　 ヽ、
　　 　 　 　 　 　 　 ／'" 　,.r '　　 　 　 |:l:l:..l　 .l::::l::::::::::::',ヽ:::::::::',
　　　　　　　　　　／ 　,.r '　　　　 　 　 |:l::l::l　i l::::::l:::::::::::::l .ヽ:::::::l
　 ┏━　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　━┓
┏┛|￣　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 　 　 　 　 ￣|┗┓
　 　 　 蕭育、字は次君

　 　 　 杜陵のひと
　 　 　 蕭望之の次男

　 　 　 陳咸の友
┗┓|＿　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 　 　 　 　 ＿|┏┛
　 ┗━　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　━┛

╋━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━╋

　　　ちなみに蕭育の友だちのひとりは
　　　のちにやる夫の数多い政敵のうちのひとりになるのだが、
　　　それはずっとさきの話である

╋━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━╋

　　　　∠_ 　／　::/　 .:::|　 .: 　/　　 :::　 i::　 !￣￣￣￣{ﾞ!　　/　 |:!
　　　　　　ブ　　:/　 .:.::::|　 .: /　　　::::　 !::　 |::＿＿＿ .｣｣　ノ　　ﾉ
　　　　　∠__　 〈　　.:.:::::|　 /　　 　 :::　 !ﾆｰ┘＿_`ー─-ﾞ,
　　　　　　　 `ヽ､`ｰｧ-､:|. /　　　　 ::　 i:::､｀`ヾl:::::ｰ-ﾆr─ '
　　　　　　　　　 ／-ﾆ＿ｿ　　　　　::　 !:::. ＼　＼:::;r‐'
　　　　　 ,. -‐／　.:::　　 `ー､‐-､_　:　|/ヽ.　 ＼. /
　　　　／ ,∠＿＿　　　　　 :l｀`ヽ `ヽl.　　＼__,ノ
　　 ／ ／ ,／　　　￣｀`ｰ-､_|　　 ／
　 /,.／'"´　￣￣ヽ`ヽ‐-､　　|ヽ./＼
. ／───- ､　　　＼｀ヽ｀ヽ l　ヽ::　＼

╋━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━╋

　　　陳咸は
　　　石顕に逆らった剛直の士であることが
　　　王鳳に評価され、
　　　官界に復帰することとなった

╋━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━╋

　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 _,,..　-─────---- ､
　　　　　　　　　　　　　　　　 ,. ‐'"::::::::::::::::::::;: ‐'"´｀ヽ:::::::::::::::i
　 　 　　　　　　　　　　　　／::::::::::::::::::::::::／::::::::::::::::::::ヽ::::::::::├─- ..,_
　　　　　　　　　　　　　　/::::::::::::::/｀`ヽ､ ':::::::::::::::::::::::::::::`､:::::::::;:::::::::::::::::｀`ｰ-.､
　 　 　 　 　　　　　　　 /::::::::::::::::{　 iﾍ、.＼:::::::::::::::::::／`:ヽ:::::::;:::::::::::::::::;:へ:::::i
　 　　 　 　 　 　 　　　,'::::::::::::::::::/　ヽ､_ゝ o,ゝ、::::::／､::､::::`､:::::;::::::::::／:/:::::l:::|
　 　 　 　 　 　　 　　 ,':::::::::::::::::::{　,.ﾍ　o //　 ヽ,へヽ､ヽ､:::::ヽ::;::::／::::/:::::::|:::!
　　　　　　　　 　 　　i:::::::;: -､:::::｝ ヽ_ ヽ. | !　　　ヽ　`ヾ､ヽ:､::::',／:::::::/::::::::l:::|
ヽ､　　　 　 　　　　　!::::/ へ　}i{　r-､｀`o| |　　　　ﾞ､　　　`ヾ､/／〃/:::::::::i:::l
　　＼ 　 　 　 　　　i::::{　⌒）〉!:｝.ヽ､_ゝ ./‐- ､　　　ﾞ,　 ９　 ,o ｀` `/:::::::::,':::,'
　　　 ＼.　　　　 　/::::::い l.〈 |::{. r‐､ o i. r-､ ､＼ 　 ',　 |! /　　　/::::::::::/:_/_
　　　　　ヽ　　 ,. -'‐''"´ﾞ, ＼}.|:::｝ヽ､_ゝ | {::::::＼ヽ.ヽ　ﾞ,　/7　　 ,/ィ-‐_ニ,　ﾉ
　　　---　`／　 　 　　 ヽ_,　|:::{　へ､.oヽ`ｰ='._ヽ } ',　i/{::レ '" _ノ｡. `ｰ'／
　 　 　 　 　　　　　　　　　 |　i:::ヽヽ､＿) oヽ､＿__'_.｣ /　/.:ｧﾃ'ﾌ｡　ﾆﾌノ
＿　　　／　　　　　　　　　 |.　!:::::ヽ､＿_　 ＿__-‐_'´. !r/='‐',ノ｡=ﾆ)_ノ′　　　　　　蝶☆サイコー！
　　　／ 　 　 　 　　　 　 　 i, ┴‐｡'´=＝‐､ヾ,.-‐─``ﾚﾍ￣｡__ﾆ) ﾉ:::/
　 ／　　　　　　　　　　　_∠∠ﾌ／i`'''‐---'´.　　　　 {ﾄr'n.,ﾆイﾌ/::/
／　　　　/　 　 　　::.. 　　￣ ヽ i::::|　 ヽ､-､_　　 ;:r-‐ｿヽ'〈::／ /:/
　 　 　　/　　　　　　::::....　　 　ヽヽ|　　 ､ヽ...＞‐ ,　'´/::::{n:i　 /'′
　　　　 /　　　　　　　　　─-- ...＼　　　 `　　／　／::／ヾ!／
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　｀`ヽ､　_,.／　 ／''"
　　　/　　　　　　　 　 　　　　 　 　 　 　｀ヽ､
　　〃　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 ＼
　 〃 　 　 　 　　　!　　　　　　　　 　 　 　 　　 ヽ

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　　　朱雲は無視された

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　　　　　　　　　　, ､
　　　　　　＿ノL/:::::＼,､/＼ﾉ｀L,,､
　　　　 　_ゝ:::::ノ::::::::::ハ:::::::::::::::::::::ん､　　　　　　　　　　あ…ありのまま 今　起こった事を話すぜ！
　 　 　 　＼::::::::::::::::::::::::ゝ:::::／::::::::三て
　　　　 　 ノ::::::/∧,､,､ノハ人／:::::三彡　　　　　　　　　『おなじように石顕と対立したのに
　　　　　　＼:::ハ//＿＿＿_彡_:::::::／　　　　　　　　　　　おれだけ大将軍に無視された』
　　　　　　　ミ川|ﾉ＿＿__彡/:::::::::::て
　　 　 　 ／´fト{ﾙ{　,ィ'ｅﾗ　, ﾀ三≧　　　　　　　　　　　　な…　何を言ってるのか　わからねーと思うが
　　　　 /' 　 ヾ|宀| {´,)⌒`/ |<ヽﾄiゝ　　　　　　　　　　　　おれも何をされたのかわからなかった…
　　　　,ﾞ　 ／ )ヽ iLﾚ 　u' |　| ヾｌﾄﾊ〉
　　 　 |／_／　 ﾊ !ニ⊇　'／:} V　　ト、　　　　　 　　　　　頭がどうにかなりそうだった…
　　　 /／ 二二二7'T'' ／u'/:::/　　 　｀ヽ
　　　/'´r　-―一ｧ‐ﾞＴ´ 　/::::/ 　　　 　　＼　　　　　　　　ナナヒカリだとかエコヒイキだとか
　　 / // 　 广¨´|::::/　　/::::/ 　／￣｀ヽ⌒ヽ　　　　　　　　そんなチャチなもんじゃあ　断じてねえ
　　ﾉ ' /　 ノ　 　.|::::| 　 /:::/ 　/　 　 　 　　　}
_／｀丶　/　　 　 |::::|　　!::::l 　/　　　　 　　　ハ　　　　　　　もっと恐ろしいものの片鱗を味わったぜ…

　　　　　- -　--　──　──────────────────　──　--　- -
　　　　　　　　　　- -　--　──　────────────　──　--　- -
　　　　　　　　　　　　　　　　　　- -　--　─　──　─　--　- -
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　- -　　- -　-

╋━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━╋

　　　さて大司馬大将軍の王鳳は
　　　諸吏光禄大夫給事中の張禹とともに
　　　領尚書事として政務にあたった

╋━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━╋

.　　　　 　 ∧
　/￣≧-./　',
./　　 　 /　 /　　　　　　　　　_　　 　 　r､
.　 　 。〈＿/。＼　 /ｉ　 　 　 ｉ ',　 　 　 ｉ　',
　 ＿＿。　。___　Ｖ　ｉ　　　　 ｉ　ｉ　　 　 !_　ｉ 　 　 ,-､
　 |｀‐‐'|　ｉ |‐‐'|　 ｉ　ｉ　　　　 |- ',　 　 /　./　　　/　!
　 ￣￣。:|.。￣　 .! /　 　 　 .ｉ 　 !＿/　 / 　 ／　/　　　　　やあみんなひさしぶり
　 　 　 。:|.。　　　ﾚ::＼　　　 ｉ　　 　 　 〈__／　／
＼　　　　:!. 　 　 ∧:::::::＼_／ｉ　 　 　 　 　 　 /＼
　 ＼　　　　　 ／　ｉ:::::::::/　 /　　　　　　　 　 ｉ__　＼
　　　＼＿__／!　r‐‐‐､---'　 　 　 ／￣　　　　￣二二ﾆｌ
　　　 /　 /　ｉ ｉ　｀‐､＿＿　　　 　 　 　 　 　 ／￣/
　　 ＿＿_／| !　　　ｉ　　　＼＿＿　　　　　/　　/
　　 ￣￣ 　 ﾘ､　　　ヽ　 　 　 ｉ::::｀-｀―‐‐´ﾄ､ /
　　　　　　　 ＿＼　　ハ　　　 ＼::::::::::::::::／　＼
　 ┏━　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　━┓
┏┛|￣　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 　 　 　 　 ￣|┗┓
　 　 　 張禹、字は子文

　 　 　 左馮翊の蓮勺県のひと

　 　 　 太子時代の成帝の学問の師
┗┓|＿　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 　 　 　 　 ＿|┏┛
　 ┗━　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　━┛

　　　　　　/:::::::::＼＿＿＿＿ /　 　 ｌ
　　 　 　 /:::::::::::...　　　　o　 /　　　/　　　　　　　　　　　　　　　いやしかし
　 　 ∧ .ｉ:::::::.. 　 　 　 　 o　ｉ　 　 /､.　　 ∧　　　　　　　　　　　かつての太子の師が
　 　 ｉ　ヽ:::..　　　　　　　　o ｀‐‐ ´o ＼／　ｉ　　　　　　　　　　　外戚とならんで
　 　 |　　 ＼　　　＿＿＿　o 　 o＿＿',　　|　　　　　　　　　　　領尚書事になったかー
　 　 |　　　　ｉｉ 　 ｉ:::ヽ＿_/ｉ　　　i､＿/ｉ |　 .!
　　 ∧ 　 　 || 　 |:::::::::::::::::i　　　|::::::::::| |　/　　　　　　　　　　　　それってまるっきり
.　 /　 ＼　 /　 　 ￣￣￣　 　 　￣￣ | /　　　　　　　　　　　　　蕭望之とおなじポジションだよね
￣＼　 ! ∨::::.　　 　 　 　 o　　 o 　 　 ﾚ ＼　　　　　　　　　　　　宦官がいないだけで
　 　 ＼ ｉ　＼:::..　 　 　 　 o　　 o　　 ∧　　 ヽ　　
　　 　 / ヽ　 ヽ:::..　　　　　　　　　　 /　ハ　　 〉￣ ＼　　　　　　 いやまいったね、はは
　　　/　　　　ﾘ＼::::..　　 　 　 　 　 /　/　ﾘ　 /　 　 　 ＼
　　/　 /　　 ,'　　＼::..　　　　 　 ／ 　 　 /　/　　 　 　 　 ＼

　　　　　　　　　　　　　　 　 　 　 　 　 　 　 　 ﾄ､
　　　 　 　 　 　 　 　 　 ,-､　　　　　　　　　 　 !　',
　　　　　　　　　　　 　 / 　 ＼＿∧＿_　　 　 /　 ',
　　　 　 　 　 　 　 　 /　 　 ´ 　/　ｉ 　 ＼__／　　 !
　　　　　　　　　　　　|　　　 　 / 　 ｉ 　　・＼　　 /
　　　　　　　　　　　　|　/　　 ,'　 　 ｉ　　　　・＼/
　　　　　　　　　　　　| /　　　ｉ　　　ﾄ､　 ＿___　ｉ
　 　 _＿＿＿＿＿___ﾚ　　　/ｉ　　 │〉 |::::｀‐‐| |　　　　　　　　　……
　／::: : : : : : : . .　　　 ￣ ＼__ｉ＿／/.　 ￣￣　|
'´::::: : : : : : : : : . . .　 　 　 　 ＼　 ￣￣￣ｉ 　 ：|
::::::::::: : : : : : : : : : . .　　　　　 　 ＼　　　　ｉ-､__/-'ヽﾊ
::::::::::::::::: : : : : : : : : . . .　　　　　 　 ＼　　 ｉ　　 ＼‐-､｀ー'ﾉ
::::::::::::::::::: : : : : : : : : : : . . .　　　　　　 ＼　ｉ_　　　 ゝ　＼ﾉ
:::::::::::::::::::: : : : : : : : : : : : . . . 　 　 　 　 　 　 ＼ 　 ＼　　｀ヽ,
:::::::::::::::::::::: : : : : : : : : : : : : . . .　　　　　　　　　 ＼　 　 　 　 ）､
::::::::::::::::::::::／￣￣￣￣￣￣＼. .　　　　　　　　　ｉ　 ＼ 　 /　ﾉ

　　　　　　　　　　　　　　　　　　　',ヽ,
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 ',　ヽ,
　　　　 　 　 　 　 ,ｒ-‐ｰ‐丶､,,,_,.,,,,,,'　　 ',　　 　 　 　 　 　 ／⌒´
　　　　　　　　　　|　　　　　´　　　,'　　　',､　　　',ヽ　　 　 (
　　　　　 　 　 　 |.　　　　　　　c (　　　 ,'c＼、　l　', 　 ／
　　　　　　　　　 |　　　 ∩　　　　c'丶-　c. ,-､ヽ　　', （　　　　　蕭望之の
　　　　　 l',　　　|　　　l l ∪,／｀'''ヽ､　　　/__ﾉ;l |. 　 l　＼.　　　 二の舞だけは
　　　　　 l ヽ,　 ,l　　　∪　ｌl;;ヽ---';;;||　 | ll;;;;;;;;!､| 　 l　　 l 　 　 まっぴらだ！
　　　　　 ﾞ,　｀' ､!,,,,, 　　　 ||;;;;;;;;;;;;;;;;;;||　┃.ll''/´.　|　,' 　 ,(＿
　　　　　　',　　　　 ',.　　 └＝＝＝' c　 |.c´　 　 |.,',ｨ''~　.／
＼　　　　　ヽ　　 　 l　　　　　　　　　 c　 | c 　 　.l´. 　 　 ￣ ',⌒｀ヽ,,＿,ノ￣｀ヽ
　 ＼　　　　　｀t-ｪ,,_l,.．'',　　　|.|∪　　c　|. c　　 ,!｀~~｀ヽ　　　',　　//;;;;;;;;|: : : :',
　　　＼　　　_,. !-'''"　 　 ',　　 ||　　　　 　| 　 　 ,'｀ヽ　｀~ヽ　　 ',　//;;;;;;;;;;|: : : :',

╋━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━╋

　　　張禹が王鳳をおそれて
　　　しばしば病んで骸骨を乞うたことは
　　　先述したとおりである

╋━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━╋

　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　ミ㍉___､､.　　　 ＿＿＿＿
　　　　　　 　 　 　 　 　 　 　 　 　 -=彡　　　　｀ヽ／　　　／／＼
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　/ 　ミ　　　 ／　 　 ／／　　　ヽ　　　　　　ゴホッ、ゴホッ……
　　　　　　　　　　　　　　　　　　 　 ｉ　　 ﾘ＿／　 　 ／／　 　 　 　 ｉ
　　　　　　　　　　　　　　　　　　／￣￣　／　／￣￣＼　　　 　 　 |∧　　　　　持病のひざがしらむずむず病がひどくて
　　　　　　　　　　 　 　 　 　 ／　　　＿＿_／　　　 　 　 ＼　　　　/￣ ヽ__　　　 領尚書事の任にたえません
　 　 　 　 　 　 　 　 　 　 ／　 ／￣　 　 /　　　　　　　　　 ｉ　 　 /￣￣ ／
　　　　　　 　 　 　 　 　 /　 ／　　__　　　　 　 　 　 　 　 　 !　　/＿__／ ｉ＞
　　　　　　　　　　　　　/ ／　　 　 __ ＼　 ＿__　　　　　　 / .／ﾘ＿　 ・ ,'　＿_
　　　　　　　　 　 　 　 ｉ ｉ　　　　／＼＼〉､　　 ＼＿＿_／／ｉ .ゞｉ::（| ・/￣　／
　　 　 　 　 　 　 　 　 ｉ│　　／　 　 ,＼＼＿_／　　 };;;/ﾉ;;;;;ｉ　E 二／￣￣
. 　 　 　 　 　 　 　 　 | ヽ___/　 　 ／　 ,＼＼　　 ￣/;;;;;;;;;;;; |　ハ
. 　 　 　 　 　 　 　 　 |／　　＼__/　 ／ 　 ＼＼　　ｉ;;;;;;;;;く / リ ﾘ　　　　＿
. 　 　 　 　 　 　 　 　 |＿＿＿＿＼/　 　／　＼∧ ＼,;;;;;;/　　　　　 r‐/ ,ﾆヽ
　　 　 　 　 　 　 　 ／ ＿＿＿＿_　 ＼_/ _／／ ￣￣＼'　　　　　　 し/二　ヽ
　　 　 　 　 　 ／￣￣　/ 7　7　＼＼　 ＼ｉ_ｉ 　 ヽ　ヽ　ﾉ＿＿＿＿（_r--' 　 /
　　　　　　 .／　　　 　 / 7　7　7　7＼￣￣ ヽ_ヽ ｀ .人ﾉ　　　　　　　￣＼__/ 　／／ｉ
. 　 　 　 ／　 　 　 　 / 7　7　7　7　7 ＼　　　 ＼r ﾉノ　　　　　　　　　　　＼／／::::::ｉ
.　 　 　/.　　　 　 　 / 7　7　7　7　7　7　〉　　 　 　 　 　 　 　 　 __　　　　／／::::::::::/
　　 　/ ＼.　　　　 / 7　7　7　7　7　7　/　　　 　 　 　 　 .／￣　　　　／／　..::::::::/
　　 /　　　＼　 　 ∨ .7　7　7　7　7　/　　　　 　 　 　 ／　 　 　 　. : ｉ　ｉ 　 ..:::::::/
.　 /　　　　　 ＼　　∨7　7　7　7　7 / 　 　 　 　 　 ／　　　　　　. : : :|　ｌ　 ..::::::/
　/　　　　　　 　 ＼__∨ 7　7　7　7 /_＿＿＿＿_／　　　　　 　 . : : : :|　|　 ..:::/
./　　　　　　　 　 　 　 ∨　7　7　7/　 　 　 　 .／　 　 　 . . : : : : : : : : |　|　..::/

╋━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━╋

　　　人事の刷新はつづく

　　　蕭望之や劉更生の盟友であり、
　　　元帝の代に中郎将侍中であった金敞は
　　　本来なら元帝の墓守として生涯をすごすべきところを
　　　元后の特別のはからいにより
　　　官界にとどまることをゆるされた

　　　もしかしたら金敞もまた石顕失脚に一役買っていたのかもしれない

╋━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━╋

　 　 　 　 　 　 　 　 　 　 ∧
　　　　　 　 ＼　　　ﾄ､　 / ∧
　　　　　 　 　 ＼＿l　∨ 　 ∧
　 　 　 ＼　 　 ､_）　 ､,⊥ -─ﾍ-｡、
.　　　　　V＼__,ﾉ　 ／ c　　 ﾟ　 ＼ ＼　　　　　　　　　　　　　　　　え、蕭望之たちが悲惨な目にあってたとき
.　　 　 　 ∨　 　 /　。　　　c　　　',。∧　　　　　　　　　　　　　　　 オマエは何をしてたのかって？
　　　 　 　 ∨　 /　　　 　 ,.---､　 l| ,.- ､
.　　 　 　 　 〉　,'　ｃ　　／　　Ｃﾊ　 |ハﾉ ヽ　　　　　　　　　　　　　　『漢書』になにも書かれてないから
　　　　ヽ--'　 /　　 　 { 　 　 　 ﾉ　 l、　　 }　　　　　　　　　　　　　　　うまく立ちまわったんだろうな
　　　＼_） 　 , 　､r､__　ヽ＿__／。　 | ヽ-ィ
　　　 ／　ｃ　　}＼ VVl＼＿＿＿／＼__/─ ､　,.-┴─- ､
.　 　 　 　 　 ／　 ヽ＼l∧∧∧/∨VＷ |　　　/　　 c　　　＼
　　　　　　　￣￣）　＼＼:ﾊ:::::::::::::::::::::::| |　　　｡　　　　 　 。 ﾊ
　 。 　　。ｃ /　／｀ヽ　＼＼∧ﾊ:::∧ﾊ//　　　　　｡　c　　　　 |
　　 　 ｡　／: ::ヽ　／＾ヽ　＼＼＿＿_// （ -─ 　ｃ　　　　。　ﾉ
　　　￣ ￣￣｀ヽ＼ 　 /＾W⌒ー―一'ヽ（　　　｡ 　　　　＼／

　┌──┐ＯO　┌┐OO 　 　 　 　 　 ｢|　　 /!　　/
　└─┐│　┌‐┘└‐┐　　　　　　　 |.ﾄ､　/ |　 /|　　　,
　┌─┘│　└‐┐┌‐┘　　　　　　　 !|　∨　Ｗ　|_,　 /!
　└──┘ 　 ○ |　| ○　　　 　 　 　 _|l　l__l＿_　l　 ∨│ /
.　　　　　 　 　 　 └┘　 　 　 　 　 .／ ｌ|　ｃ　 ｡　｀ヽ/　/ｌ/!　　　　　　　　　そもそも俺たち金氏は
　┌──┐ＯO　┌┐OO 　 　 　 /　｡ l!　　。　 　 c ∨ //　　　　　　　　　　武帝の匈奴戦のトロフィーとして
　└─┐│　┌‐┘└‐┐　　 　 /　ｃ　|　　＿__　　　　V レ1　　　　　　　　　 飼われていた一族だ
　┌─┘│　└‐┐┌‐┘ 　 　 x─ _､ ｌ ,ｨ´　　 ヽ　　ｃ |_　 |／
　└──┘ 　 ○ |　| ○　　　　{　　し1| {ﾉ 　 　 / ｃ /|｡|_／（_,　　　　　　　　忠義の家とはいうけれど、
　　　　　　　　　　└┘　　　　　弋＿_,ﾉ | ヽ--- '　／　| .!　／￣｀ヽ　　　　　　それは匈奴の裔が
　　　　　　　 　 　 _ 　 ｎ　/| ｎ　　|_｡　　 l　　 ｡ ／　lV＾|│二ﾆ=‐。 ＼　　　　　漢で生きのこるために
　　　　　〈＼　　　| V＾| |/　しＬn n∨ｰ‐个ーイ ﾊ/＾:::::::l｡| （__　、　　　　　　　　　必要だったことだ
　　　　 　 ＼＼_rﾉ　 ,ﾉ　　 ､_,、　て∨∨Ｖ＾Wﾚ'::::::::∧ﾊ| ｊ 〔￣: :＼__
　　　　　⊂´　　＿__ 　 　 　 （　　（,／　 ／l:::∧:ﾊ｢／／（￣　　: : : :_:）
　　　　＿__） ／ _ﾉ'´ ＿　　　　　　　ｰ∠_─-----' ヘ｢｀。　,　'´￣　　　　　　　死して後已む、
.　 　 （__＿_/ヽ/　／｀V´　　　　　　 　 （7ﾊＭﾊ/V＾　　　／　　　ｃ　。　　　　　　なんてタイプの忠義はゴメンだね
　　｡ｃ　⊂/ ⊂／､_／＿＿__　 　 ,｀つ　）　　|￣＼ 　 ／　 ｏ　ﾟ　。
　　　　　 〔　 / 　 /／ヽ＿ﾉ´__＾´　､_）　ﾆ⊃　。 　 ｀i　　　　゜　 。
　 　 （_/ │〔　　／｀ ／ヽ＿ソ　　（　　ヽ　　っ　　　_|　　　　　　　o
　　　゜　 /| 　 〔｀　／ヽ／'⌒ｰ‐'´r‐'⌒ヽ_）　　｡　 　 ',　　　｡　　　　　c
　　　　 /｡.|　　　 〈 　 /､n　ｎ_｢|　|　　o　　Ｃ　　　　　V
　　 　 ,'　　,　ﾟ 　 c　（/　 Ｕ　　し'　　　｡　　　　　　　　ヽ　　　Ｏ

╋━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━╋

　　　そして劉更生は
　　　石顕の失脚にともない名誉を恢復され、
　　　ふたたび進め用いられるようになった

　　　そしてこのとき、名を向とあらためた

　　　これよりのちは劉更生のことを
　　　劉向とよぶことにする

╋━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━╋

　　　　　　　　　　 　 　 　 　 　 ／⌒ヽ
　　　　　　　　　　　　　　,ｘ＜∠二`ヽ＿___
　　　　　　　　 　 　 ∧,/￣//￣｀ヽ ∧ ｀ヽ｀ヽ
　　　 　 　 　 　 ／{{｀´{{>"| [::｀ヽ　{{｀´{トミ}} ハ
　　　　　　　　 /　({{＜){〃| ｢､｀ヽV(＞)　　｀Ｙ^{
　　 　 　 　 　 {　　{{ 　{{　∧〉ﾊ!　}}　}}　　 　 }　}　　　　　　冬の時代はながかった……
　　　　　 　 　 ｀Y⌒ﾊ　V{　　　ｊV/　ｊ} ''⌒ヽ/　ｉ｀Y
　　　　　　　　　/ヽｊノ=ｧﾍ ｰｖ‐'イ ／{　　　 ｝.ノト┤
　 　 　 　 　 　 {、くこ〔 レヘ.ｊ . イ＿ｊ'こｘイ }＿ｊ_丿
　 　 　 　 　 　 | ＼＿_| ＼＿__/　　{＿__／〉Ｖ´
　 　 　 　 　 　 ヽ　|　 {　 　 　 　 　 }　|　／
　　　　　　　　　　〕二}ﾊ 　 　 　　__/ / /
　　 　 　 　 　 　 ゝｲ/｀′　　　　`ァｰ‐{
　　　　　　　　　　 　 　 　 　 　 　 {ﾉﾚJｊ

╋━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━╋

　　　劉向は石顕の政敵であり、
　　　王鳳もまた石顕の政敵であった

　　　敵の敵は味方というように、
　　　また蕭育や陳咸のように、
　　　劉向は王鳳と手を組むこともできたはずであった

╋━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━╋

　 ｒ―--　、　　　　　_________
　 |　　　　　｀Y　　／　　　　 ＼　　　　--一　 ー- ､
　 |　　 ＼ ｀　| ／　　 ⌒ 壱.⌒＼　 　　　　　　 　 /
. 　! 　 　　ヽ／　　 .=⊂⊃=⊂⊃=＼､＿_／　　　/
. 　 ',. 　 　　`i 　::::::⌒ （__人__） ⌒:: i ／　 　 　./
　 　 '､　 ヽ 　ヽ、　　　 `ー '　 　 ／/　　/ 　 ./　　　　　せっかくだから
　　 　`､ 　　　　｀Y|　　` ｰ ｒ'__／´′ 　 ′ ／　　　　　　仲よくしましょうお
　　 　　`､　　　　　　　ヽ 　 ′／　 　 　/ /
　　 　　　ヽ　＼　　` ー 　 　 ′　　 　 ' /
.　　 　　　　＼　　　　　　　　　,　　　　　{
　　　 　　　　　i　　　　￣｀　 ′　　　　　!
　　　 　　 　 　 ',　　　　　　　,　 　　　　　i　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　_}＼_＿__　_ _ _
　　　 　　　　　　ヽ　　　 　　 } 　　 　　　 ﾊ.　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 /: : : : : : : :ヽｰ‐=ミ
　　　 　　　　　　　 ＼　　 　 ′`　　　　　　＼ 　　　　 　 　 　　　　　　　　　　　イ 　　′: : : : : : : : :‘ ， 　＼
　　　 　　　　　　　　　＼　　　　 ､　　　　　′ `ー-　、　　　　　　　　　　　　　　ラ　　ｉ : : il|: : : : : : : : :‘，
　　　 　　　　　　　　　 　 ヽ､　　　!　　　　　　　　　　　ヽ　 　 　 　 　 　　　　　　ッ 　 |: 0 il|0: : : : : : : : :‘，
　　　 　　　　　　　　　　　 　 ＼　　　ヽ　　 　 　 　 　 　 ',.　　 　　　　　　 　　　　　　 |: : v‐y: : : : : : : : : :‘，
　　　 　　　　　　　　　　 　 　 　 >、　　　　　　 /　　　　　| 　　　　　　 　 　 　　　　　 |: : : : : : : : : : : : : : : :‘，
　　　 　　　　　　　　　　　　　　ﾉ　　､ｒー―-‐‐┐　　　　 | 　　　 　 　 　 　 　　　　　 |: : : : : : : : : : : : : : : : :.
　　　 　　　　　　　　　　　　　/　　　 .| 禁 　 則 !　　　　　| 　 　 　 　 　 　 　 　　　　 |: : : : : : : : : : : : : : : : : ，
　　　 　　　　　　 　 　 　 　 /　　 　 ｜ 　　　　｜ 　 　 　 !　　　　　　　　　 　　　　　 |: : : : : : : : : : : : : : : : ::；
　　　 　　　　　　　　 　 　 /　 　 　　 |_事＿_項」 　 　 　 .l　　　 　 　 　 　 　 　　　　 |: : : : : : : : : : : : : : : : :┃
　　　 　　　 　 　 　　　　./　　　　　　　　/　 | 　 　　　　 ｜ 　 　 　 　 　 　 　　　　　 |: : : : : : : : : : : : : : : : :┃

　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 ,ｨ1ミﾐ
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 .ｲ⌒`
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　_＿,ノ ﾉ
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 .．‐ｧー-　､　 　 l＼／￣￣＞､
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 ＿,ｨ.._＿}＿　 　 ＞ｨ´|　 ＼_＿＿／￣｀ヽ.
　　　　　　　　　　　　　　　　　 　＿＿}　　　.＞' q}ｰ一／　 i!　 ／　￣￣｀ヾー‐ｧ＼
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　` ＜ ).ィfｿ　 ノl|　／　　　｣ｲ´ 　 　 　 　 　 ﾊ/.　　＼
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　T　＝r'　:l|く　　　 /´　　　　 　 　 　 　 ﾔ　　 　 ヽ
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 　 　 V´1/ 　 ｣::ﾊ　　.ﾉi　　　 　 　 　 　 　 .ｲ|　　　　 ∧
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 　 ∧.ｨ'≦三7,.へ／,. 、　　　　 　 . イ⌒ｿ:l｣　　　　　∧
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　ヽL三三.′／／＿}＼　　　 r'　　　　　｀ヽ.　　　　 ∧
　　　　　　　　　　　　　 　 　 　 　 　 　 　 　 　 }／　 ￣￣¨ゞ、ー-､|　　　　 　 　 ﾊ　 　 　 ∧
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
　　　　　　　　　　　＿..　　:::=＝ﾆ>⌒ヽ
　　　　　　　　　　　　　　／／　 /　 .　!　_人_／／／　　　 　 　 　 　 ＿＿＿
　　　　　　　　　　　　　, ' /　　　{　 ﾉ　}　　　（　　　　　_／￣￣￣ Γl
　　　　　　　　　　　　 / ./　 　 ｌ }　}　 ﾊ 　 　（　　　／/ ノ弋'　　 　l　l
　　　　　　　　　　　　 {　{　　　 l└1　　.} 　　（　 ／ __ 二　　＼＿　l　l
　　　　　　　　　　　　 ',　',　---|　 { 　 ｜.Y⌒　（　く ／ヽ 　 　 　 　}　!
　　　　　　　　　　　　　＼二二ハ　 `ｰ┴‐┐　 ./＼_)　ィ　　＞-┬1　!
　　　　　　　　　　　　,. --―‐" | 下二ニニ__. 　 ヽ,　Y〈 {　 /　　　V　/
　　　　　　　　　　　　　　　　 　 `ト----‐く‐┘　　 ヽﾉ　ヽ. 〈　　　　∨　 __
　　　　　　　　　　　.　　　　 　 　 ｀ ￣￣´　　　　　　 ＼ﾉ＼_）　　　　￣
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　　 　 　／￣￣￣＼
.　　　／ ｕ　 ＼,壱／＼
.　 ／　　　=⊂⊃=⊂⊃＼
　 |　 　Ｕ　 ⌒（__人__）⌒ |
.　 ＼　　　 　 ｀ ⌒´　　／

╋━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━╋

　　　しかしそうはならなかった

　　　劉向はあくまでも漢の宗室として、
　　　朝廷にふさわしからぬと考えた相手に対しては
　　　宦官であろうと外戚であろうと
　　　批判の舌鋒をにぶらせることはなかった

　　　それは好意的に解釈すれば、
　　　漢室への忠誠心のなさしむるものであっただろう

╋━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━╋

　　　　　　_,,,.....--‐===ー――===＝＝＝＝==ｰ‐‐-- ..,,__
　 _,,.-‐''"~,,.-‐'',ﾆ￣_..-‐'''"~´　　　iヽ、　　　　　￣｀ニｰ--ﾆｰ-..,,_
''"　　,,‐ﾆ´‐''"ﾆ-''"　　　　　　　　 .i __ヽ,,_　　_,,.-‐ニ-----..,_｀''-..,_ヽ、　　 ,i
　　,.:"´,,.-''"´　　　　　　　 _,,.-=ｰ''ニ,=--,＝<,.--,,..-'''７.-‐'''""''ヽ==='-,..／i,.:i
　/　.／　　　　　　　　_,.-'"　,:´,:':´r/_!..--::::''"ヽヾ　　/ヽ、　　　_,,...｀=!､'"_／ i
/　／　　　　　　　 ,.-"　　　 ; .i:;/,<　　i'".ヽ.｀ヾ i,.ヽ /）　.ヽ　 ,:'　　　　　ヽ　　!
　/　　　　　　　,,.:"./i　　　　.; !:.i > ﾄ.,,_.'ｰ‐'　 _,-!）i .!､ヽ 　 i　!　 _,,...,_,.,　 .ヽ/　　　　　仁義忠孝！
,/!、　　　　　／,' ./　i　　　　:,ヾr-i.｀ﾆ"｀'''=ﾆ!'.丿.! ! i ! .;　　i_,i_r"　_,,..:'　　　i
　　　　　　,.:'　　 /　　!　　　　' ,ヽiヾﾆ,,_, _ ＝.r'-iﾉ ! i .i ｰ-,ﾉァ-,--,.-、　　 /　　　　　　それが僕の生きる道！
　　　　　,:'　_,,...V　　　i..,_.　　　 ' ,ヽ'、　" 'v､/::_:::::i　! .! i_く.ヾ. ヽ ヽ ヾ='''i､_!
　　　　 ,'.-'"_,,...!--‐‐-!..、ヽ、　　 'i i,,____,-='-''､ヽ:!　! i.ﾉ! ,ゝ-ー'ー｀''　　ノ
　　　 ／,:'ニ-‐'''''iー,==,‐ﾆヽヽ　　.i !::::ri''i~ i ヽ,-!ﾉ_=ノi/ !､_￣）,,ノ´｀ー"
￣￣￣//　　　　｀￣￣　　ヽヽ!.,,_ i !::::!_!,'-=＝''~　 ´　!　　 ￣
"''-,,_ ,' ,'　　　　　　　　　　　　i　　~"ｰ-,''"´　　　　　　.!
　　　.i .i、　　　＿__　　　　　　j i _,,..-''"!　　　　　　 ヽ .i
　　　 ! !::>. ,'"´　　 ￣'''‐:､ ,../! i､　｀"" ￣ "" '''''''''' ァ',-,-‐''''フヽ
　　　ヽヽ! ｀　_,,......,_　　　 !/_!_/__＼　　　　　　　　 ./,-i ,-‐'''.ﾆ-.i'
　　　　ヽヽ ,."　,..-―-,..-''"　　　ﾆ＝i,,.....,,,,,,__＿／/ .,' -‐'''"　ノ
　　　　　! ヽ, ,:ヾ''i　／　　　　　 (_rニ...,,,_____,,.-/　i　 i　,,.-‐フ´
　　　　　ヽ_,,.!、　 /ヽ、　　　　　　　　　　　　 ./,　i　 i　 _,,-''
　　　　　　i､'i‐_,,.ﾉ　 /ヽ、　　　　　　　　　　 ./i_!__!- ',r'

╋━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━╋

　　　そして皮肉に解釈すれば、
　　　一種の売名行為であったと考えられる

　　　劉向が政界を追放されてから十余年、
　　　成帝の代になって復帰したはいいものの、
　　　いわば官界の浦島太郎であった

　　　かつて与党であった蕭望之も周堪も
　　　物故して今は亡い

╋━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━╋

　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　,,､　　 ,,,　　､,,　　　　 ,,　,,,,,,,,,,　,,,,,,, ,,,,,　　,,, ,,,,,,
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 ヽ､,,ﾒy ;;; r";;;;;;´ヽ｀;;;;;ヽ｀i;;;;;;;;;|;/;;;;;;ii;;;;;|;;,,ﾄt､t;
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　｀''ﾌ, ii ;;;Y/;;､;;;;;;(;;;;; ;; ;;;;;i|;;;i;;;;;;;;､t;;;;;;ii;;从､;;;;､､
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　ﾉノij､､;;;; ;;;t ;;;;t;t;;ノﾉ;;;;ノtt;;;､升込ﾍ､从｀;;;;;ii
　　 ,,､､､　　　　　　　　　　　　　　　　　 iyi)从;;;;i r'"iiii||||iiiヽ;;t'''"iiiiiii||||i體逡;; <;;;;;｀　　　　　 貴様はすでに
　 r"　　 '' ､　　　　　　　　　　　　　　　　/ﾌ-i;;;;;i:ﾝ､zﾓﾃﾃ､;;t≦;;ｰ;rﾓﾃﾁゝz'" 　〉;;;;;;　　　　　 死んでいる
　 't　　　　 ｀ '　､　　　　　　　　　　　　　　从;;;;;;t:::｀:::"";;;;;ﾘΞ　:::::::"",,,",ノ"　 i;;;;;ﾘ,
　　ヽ,　　　　　　　 ､　　　　　　　　　　　　　刈ii､t::::::::::::::;;; i::　　　　　:::::::::::::::'" i;;;;/ﾉ
　　　　' ､　,,､､::'''　　ヽ,　　　　　　　　　　　　i;;ヽ, ;､::::::::::::;; i､__,,,_ ::::　　　:::::　　i;r"／;;　　　　 　政治的な意味で
　　　　　 ~' ､"""　:::;;;　ヽ,　　　　　　　　　　 t; ;;;｀it　 ::::::::ヽ､;;;~''　　　　 :::　　/~r;;;;;;;;;;
　　,,､--､,,,,､'ヽ,　　　　　　 ''　､,　　　　　　　 ノi; ;;;| t　 ::　　,,ii,,,,,　　　　　　　/　|;;i;;;;;;;;;;;;
ｰ'";;　;;''''';;;;　''"ヽ;;;;;;'''"",,　　　 ヽ,　　　　　　　ヽ;;;i ;t　　　''";;",｀' -　　　　 /;;:::ヽﾘ;;;;;;;;;;;;,,,
;;　;; ;;"　 ;;;　　　 ｀t''''""　 ~''　,,　　ヽ,,rr"iiitt､r"t;;;i　ヽ 　'' ;;~;;　''ｰ　　　 ,, ';;::::　 "i|;;;;;;;;;ヽ"" ！
,,r"　　/　　　 :::ヽ;;tヽ､,,,,,､､-'",,　　　ヽ,ｰ-;;､iiii"ヽii;;ヽ;;ヽ　r';;;;　　　　 ,,r";;:::::::　　 i|ﾚ"|;;;;ﾉ
"　　 /　　　:::::　i;｀''-､;;;;;;;;;;;;'":::､,　　　 t　　~'' ､;;;;ii"ii:::ヽヽ,ヽ-ｰ　 ,､ ';;;　 ::::　　　 :::　 |'"ヽ''';;-､､,,,,,,,,,,,,,,
　　 /　　　:::　 ﾉ''ｰ､;;;;;;､,,,,,,,::::::::::;;　　　　t ''"""'ヽ;;;; ""ii::;;;~~~~~~";;;;;　 ::::::::''"　　:::　 |;;;;""''ヽ;;;~'- ､＝=~､''''' ｰ ､
　　ｿ　　　"r '"ヽ/ /;;;;;;;;;;;;;;;;;;､ '/:　　　　 t　　　'"ヽ;;;; 彡;;;;;;;::~'-､;;;;;;　　;;::::'"　　 ;;;;　 |､;;;;"''";;;ヽ;;;;､~''ｰ ､,>~' ､
　　ヽ,;;;""　 ''""' ,ｿ;;;;;;;;;;;;;;;､'"　r'"　　　　 ヽ　　yii;; t;;;; 彡､;;y;;;; ::~' ､　 ;;::::''"　　　;;;;;　tヽ,､;;;;　 "ヽ;;;;;;;;　;;;;~ '"'z
ヽ､;;;;;;~,二フ"~~~;;;;;;;;;;;;;;;r'"　,,r"　　　　　　ﾘ　　　　ﾘi;;;; 彡tヽ;;y;;;;　:;;ヽ;;;;;;''"　　　　　|i　ヽtヽ;;;;　ミヽ;;;; ;; ;;;iii/;/
-､;;;;;;;;;;;;;;;;;;;､ -ｰｰ - ､､-ｰｰ'"　　　,,,,,,,;;;;;; /;;;　　　　 i;;;; 彡;t､ヽ;y;;;;　;;;ヽr''ｰ､､､､,,,,､､ ｰ''" ﾘ　t;;;;　ﾐ''ヽ ;;;;;;;;/;/
　　~~~~~"　'""'　　　　　　　　　　""""""

╋━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━╋

　　　五十の坂も近づいた今、
　　　王鳳にへつらって権力のおこぼれにあずかったところで
　　　先は見えている

　　　それならばかつて石顕に対して一歩も引かなかったときのように、
　　　あくまで漢の忠臣としての立場をくずさないことで
　　　死後に令名をのこそうとたくらんだ

　　　……のかもしれない

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　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　∧
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　, r:'::::::ト､
　　　　　　　　　　　　　　　　　／:::r ､::::u rヾ.､
　　　　　　　　　　　　　　　 .ri:::::l.| !_ﾉ::l:|:l:::!_ﾉ::i　　　　　　　　,　　　　　あんまりな解釈だよッ！
　　　　　　　　　　　　　　　/.l::' 　　　　　　　u :|つ`ヽ､ 　　../ |
　　　　　　　　　 　 ,　 　 /,ｲ|　u.　∨~W~!/　.,:!:'´　　　ヽ./　 .|
　　　　　　　　　　　!ヽ　/ || |:　　　　　　　.r〃　　_,,., =∠=-､_|
　　　　　　　　　　　.! .У .|| .!:: 　　　　,,,_　|.|　／／　　　　､　｀ヽ
　　　　　　　　　　 .,r|/|　 ||_.|:::::::r--─＼｀`｀7.i′　　....:::::::_.,i' '　ヽ
　　　　　　　　　／ / トこ=‐┴‐┴＝＝─t､/ |:. 　..::::::::::::::7r'':::::::.. ',
　　　　　　　　./　 i　 !::::::`＞-=ｪ==-ー'' ´i i′!:::::::::::::::::::::::!/:::::::::::::::|｀＞
　　　　　　 ＜'''¨¨こl　ﾚ=:'´ ｀ヽ|r:､　　　 .L.L i/`!／｀`ヽ:､_:::::::::::::::::!'i
　 　 　 　 　 .|.`/ '´ /~´, r=､　　　.）　　　| .|/.　　　　　　　''::`!,rァ/　|
　 　 　 　 　 .∨｀`ヽ.!'.´::::::::;∨ﾍ._Ｌ　 .／∨.　　　　　　　　　:::::;!/ 　 .|
　　　　　　　　.ト:､,,_::::∨' ´:::,:r '´　　∨　i′ 　　　　　　　　 ::::/'::.　　.|
　　　　　　　　.iヽ､::__二∨'´　　　　　　∨　　　　　 ／｀ヽ　 ::/=:､:: 　 .|
　　　　　　　　l　　|:::::::::::∨ﾍ　　　　　　　｀＞ ､　./　　　:::∨::::::::_;i 　 .|

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　　　ともあれ敵対者となった劉向を
　　　王氏は排除しようとはしなかった

　　　結局、劉向に成帝をうごかすだけの影響力がないことを
　　　理解していたのだろう

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　　　　　　　　　　　 　　 ＿＿＿_
　　　　 　 　 　 　 　　／　　　　　＼　　　　　　　　　アイツ宗室の身分であるうえに
　 　 　 　 　 　 　 (／　⌒.壱.⌒　　＼　　　　　　　　 孝宣皇帝の御代からの旧臣だお
　　　 　 　 　 　 ／））⊂⊃=⊂⊃=　　＼
　　　　　　　　　|　（（＿（__人__）　 :::　 　|　　　　　　 石顕に最後まで膝を屈しなかった
　　　 　 　 　 　 ＼ ’￣` ⌒´ 　 　 　／　　　　　　　 硬骨漢でもあるし、
　　　 ＿＿__/⌒｀`ヽ　,,ー‐,,　　　"⌒ヽ＿＿__　　　　ヘタな手出しはしないほうが
　　　|＿＿__し'⌒/ ．　 　 ． 　 /"⌒し′＿_|::|　　　　こっちのためだお
　　　|＿＿＿＿/　　　　　　　 /_＿＿＿＿__|::|
　 　 |＿＿＿_/⌒ ヽ、　　 　 /＿＿＿＿＿_|::|
　 　 |＿＿＿_しｲ"i　 ﾞ` 　 ,,/.＿＿＿＿＿__|::|　　　　ま、アンタッチャブルな
l二二二二二二 l　|二二二二二二二二l＿＿:|　　　　天下のご意見番を気取らせておけば
　| |::|　　　| |::|　 し′　　　　　　　　| |::|　　| |::|　　　　 いいんじゃないかお？
　|_|;;|　　　|_|;;|　　　　　　　　　　　　|_|;;|　　|_|;;|

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　　　もっとも劉向に対して
　　　いい感情をもっていたわけでは決してない

　　　そのことは劉向の息子のやらない夫の出世のチャンスを
　　　王鳳がご破算にしたことからもうかがえる

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,,,,;;;;;;'''''''　　　　　　　;' ,,,,,;;;,;''' l ＼ .,ｷ呪ｶ'/ /　　　　　,,,,;;;''''　　'';;,,　　''';;;;
　　　　　　　　　　 ,,,;;;'''''' 　　　＼ ヾ狂ﾘ |　{　　　　　';;'　　　　 　　';,　　 '''';;;
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　　　　―|　　|―.　 ヽ｜ノ　　ヽ .__|＿|__ヽ ヽ|　 |ヽ　 ム ヒ　|　|
　　　　―|　　|―. |￣i三i￣|　三__V＿|__　　 |￣|￣　月 ヒ　|　|
　 　 　`フ. 　 |― . 「￣|￣］　 口. 日. _X_, ./ | ノ ＼ ﾉ Ｌ_い o o

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　　　それから四年後の陽朔三年（B.C.22）、
　　　王鳳が病んだ

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｡　　 '　o　゜ 　　　　　　　　　☆　　　　　 ＿＿＿_ ゜　　　　+.　　　　　 ;／　　　　゜
　　゜　　　　　。　　　　　　　　　　　　゜／⌒.壱.⌒＼ 　　　　ﾟ　　　　ﾟ'　　　　　　　　☆
　　　*　.　　　　　　゜　　　　　　　　 ／=⊂⊃=⊂⊃=＼ 　　いやワシが死ぬの　 　　　　゜
　　ﾟ　　　　　　　　。　　　　　　.　／::::::⌒（__人__）⌒::::: ＼　 もうちょっとあとだから　 　｡
。　　　　　　+　　　　　　 。　　　|　　 u　　|r┬-|　　　　　|　　　゜　　　　　　゜　　　　｡
　 　ﾟ 　　,;／　　　　。　　　.　　　＼ 　　 　 `ー'´ 　u　 ／ 　　.　　　 　'
　　｡　 　ﾟ 　　。.　　　　　+　　　　　　　　 。　　　　　　　　　. 　'　ﾟ　｡　　　　　*　　.
　　　　　｡　　　　　　　　　　,;／　　 '　　　゜　　　　　　　　　　　 　o　　　　　ﾟ　　　ﾟ　　　　　　　　.
　。　　　　　　　　　　　　　*''　　　　　　　　　　*　　　　　　　.゜　　　　　。　　　　゜
'　　　　　　゜　　　　　　 。　 　ﾟ　　　　　　　　ﾟ　　　゜　　　+　　　　　　　　　　゜　　　　　　　｡　 '
　。　　　　　　　　　　　　　*''　　　　　　　　　　*　　　　　　　.゜　　　　　。　　　　゜



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　　　　　　　 ／　　　　＼　|　　　　　　　 }　／　　　　ヽ　　　　／＼＿＿＿_|
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　　　　　　＼　　　　　　　ノヽ　　　 　 　} ｌ　　　　　　　　　',　 ＼　　　　　　　ノ　　　　　 　 　 i　　　i
　　　　 　　／ 　　　　　　.＼/　　　　　 くﾘ　　　　　　　　　 ', ／ 　　　　　　.＼　　　　　　　　［’↓’］ヽ　ﾌﾟｯ

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　　　そしてものがたりは
　　　第一話へとつづく……

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　　　　　　 ／─　 　 ─ 　＼　　～　ﾌﾟｩ～ﾝ
　　　　　　/ （●） 　（●）　　ヽ　　～
　　　　 　 |:::⌒（_人__）⌒::　　|`ヽ　～
　　　,ｨＴl'ヽ＼　 `ー´　　　 ／｀ヽｰ;、
　 　 kﾋﾋど,　((　 　 　 　 (({⌒Yｨ ､ ｿ
　　　 　 ｀´￣ヽ　　　　　　ﾊヽ/｀^ｰ′
　　　 　 　 　 　ヽ 　　｀　/　 '}
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　　　　　 　 __,∠ 　 　 /　　　　ｷｭﾑｷｭﾑ
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【略年表】


高祖六年（B.C.201）.　劉交が楚王に封ぜられた。
　　　　　　：　　　　　　　　　　　　　：
後元二年（B.C.87）　　武帝が崩じた。昭帝が立った。
元鳳元年（B.C.80）　　劉徳が太中大夫から宗正となった。
元鳳二年（B.C.79）　　劉向がうまれた。もとの名は更生。
元平元年（B.C.74）　　昭帝が崩じた。昌邑王が立ち、二十七日で廃された。
　　　　 　 　 　 　 　 　 宣帝が立った。
地節二年（B.C.68）　　劉更生が輦郞となった。劉更生十二歳。
地節四年（B.C.66）　　劉徳が陽城侯に封ぜられた。
五鳳二年（B.C.56）　　劉更生が錬金術に失敗した。劉更生二十四歳。
　　　　 　 　 　 　 　 　 劉徳が薨じた。子の劉安民が陽城侯をついだ。
　　　　 　 　 　 　 　 　 劉安民が封戸のなかばを献じて弟の罪をあがなおうとした。
五鳳三年（B.C.55）　　劉更生が死刑をまぬがれた。
　　　　 　 　 　 　 　 　 劉更生が『穀梁春秋』をまなんだ。劉更生二十五歳。
甘露三年（B.C.51）　　石渠閣会議がひらかれ、劉更生も出席した。劉更生二十九歳。
黄龍元年（B.C.49）　　宣帝が崩じた。元帝が立った。
初元元年（B.C.48）　　劉更生が散騎宗正給事中となった。劉更生三十二歳。
竟寧元年（B.C.33）　　元帝が崩じた。成帝が立った。
　　　　 　 　 　 　 　 　 石顕が失脚した。
建始元年（B.C.32）　　劉更生が名を向とあらためた。劉向四十八歳。
河平三年（B.C.26）　　劉向が秘書の校訂を命ぜられた。劉向五十四歳。
陽朔三年（B.C.22）　　王鳳が薨じた。やる夫が黄門郎となった。

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┃｜　　　やる夫が王莽になるようです 　 　 　　　　　　　　　　　　　　　　　｜┃
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┃｜　　　番外編　西漢の錬金術師　その六　　　　　　　　　　　　おわり　｜┃
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┗┛　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 　 　 　 　 　 ┗┛
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　次回へつづく

本日の投下はこれまでとなります

おつきあいくださりありがとうございました

次回は明日の21:00ごろに投下をはじめるつもりです

よろしくお願いいたします


　　　　　 　 　 __,､-''"¨´￣￣｀¨ﾞﾋー-:､,,_
　　　　　　 ,r''"　 ,,　　　　　　　,,ﾆ､　　　 `ヽ、
　 　 　 　 /;i',,〃"　　　　　 　 （　 ﾞi　　　　　ﾞi,
　　　　　,/ 〃　　　　丿　　　　ﾞl, ,/　　　　　　ﾞi,
　　　　 〃　　　　　彡　　7ﾞ　ﾘ　|'　.　　 i　　　ﾞヽ、
　　　／ ,　　　ﾞi,　f r'　　〃　　 ﾉ!､| i　　l　　　ﾐ､ l
　　,i',f";i'　|　　 }　い　,／　 ,／ﾞi（､い　| !､　ごﾞ　{
　　l_|　i ,, _彡'"ノﾋ人（ f ,／　_,,ニゝヾﾐ､ミーヽ　 |
　　　ゝ| i l　｢"´┬ｦ=,（(　'''"r┬ﾃ;ｧ　Jf`:､ミ:､l　ﾘ
　　　　`'ゝﾐｰﾄ　￣　　,}`　　　￣　　=彳! ﾄ　　ソ　 　 ／￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣
　　　　　　 )ハ　　　　/　　　　　　 　 i',ﾉ,ｲ川:ﾘ）　　　|　 うはwww
　　　　　　　{; ﾞi　　　 ﾞャ ;:.　　　　　　, ;"　　／ 　 　 .|
　　　　　　　＼ﾞi　　　__ﾆ ,,,,_　　　　 /〃　.f" 　 　 　 |　 近親相姦サイコーwww
　　　　　　　　 ﾐヽ、　 `ニ'"　　　 ／ ),､　､ド 　 　 　 |　 血つながってないけどwwww
　　　　　　　　　,)介､　　　　　_,／ /´｢ﾉ　,ｿ 　 　　　人＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿
　　　　　　　　　 ,>l,,_`;､__,,,,;:'"ﾆ-ｰ''"~_> ｢
　　＿　　　　. 　`T''=:,,`Y''二-ｰ＜_.￣,r}ﾉ　　　　　　_,,,,,,＿＿＿＿＿
　　　 ￣ﾞl__, ､__,r儿'~ﾞi.| | :| f⌒ﾞし|（_ノﾉ|ﾞi､__　　_　 ,i'`ー---===,,,,,＿二ニニ''ー-z=
　　=''ﾆ"~//''''''l,ヽ二ノ,!.| :| ﾞ､＿_,,＞''"-'^ー`'''ﾅﾄ:┤　　　　　　　　　　　　　　　 ｢　　`i
　　､_　　lﾞ l　　 ﾞi Tｰｧ' ⊥.!`ｰｧ　,r'"　　　 ,,ｨ／,,ーｹ┬┬-,ﾆ,,＿＿　　　　　　　 |,,,,ｨ-f
　　　`ｰ:､ヾ､、　ﾞi 'Y"r⌒ヾﾞV ,r'"　　_,,ﾆ-''"￣　,,,-|`|ヾト､|　|ヾ |、,｢￣|￣｢~｢~｢~| ﾄﾄ;|
　　＼　　｀`''＝-<⊥lLニ-┴┴''"￣　　　　,,-''"　 ﾄﾞ|　| ｀|、|　ﾐ|、,|ヾﾐ| ミ|.ﾐ|　|､｣ | | |
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