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┃｜　　　やる夫が王莽になるようです 　 　 　　　　　　　　　　　　　　　　　｜┃
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┃｜　　　番外編　西漢の錬金術師　その三 　 　　　　　　　　　　　　　　　｜┃
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　　　『穀梁春秋』についてかたるまえに、
　　　まず『春秋』とはなにかということを説明する

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　　　　　　　　　　　,. - ､
　　　　　　　　 　／　 　 ｀' .､
　　　　　　　　 ,:'　　 　　　　 ＼
　　　　 　　　./　　 　_,,..-「￣｀ヽr-ｧ'"￣7
　　　　　　 _/,. ‐''"´　 　 L____ン'-ﾄ､.,___」､
　　 　　 ／ 　　　　_,,.. -─く.__/^|__,ゝ,　 /
　　　　〈　　 ,. :''"´ 　　　　　　　　　　｀ヾ､_
　　　 　｀Y´ 　　 /　 _/!__　./!　　_/_ !　 ; ',　　　　　　　　　_,,. -‐ｧ　　　　　　　　 　　_,,... --──--..､..,,__
　　ﾄ､. 　,' 　 / .,'　 ´/_」_／/　 ／!_,ﾊ 　!　!　　　 _,,..-‐''"´　　／ 　　　　　　 　　,.:'´::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::｀"''::..､
　　l　',　|. 　 i　!　,ｧ'´;'´｀i` レ'　'i^i｀i/　/ /　, :'"´　,.､-､　　イ　　 　　　 　 　 　 ,!ゝ::__;;::-─-､:;___;;::-､::::::::::::::::::::::｀ヽ.
　　.!､ ':, !. 　 ヽレ'i　 !　c! 　　　 ﾄj ﾊ／ﾚ'／　_ _,／ ///;　 / 　 春！　　 　　^y'品8o::::::_;;::----:::;;_:::::::｀''::ｰ-､:;___ノ:::::':
　　 !　 ｀', 　 ﾊ ⊂⊃｀"´　,. -‐┐　(从ゝ'-ｧ'´//' _つ-/_／　　　　　　　 　 ,...'-::''"::二´-‐──- ､::二ﾆ､ヽｰ-::､:;_::::::::::!
　　 '､_ 　 ヽ.!　',　 ﾄ.､,_　　i 　　ﾉ,.:イ>'"//　 .,'.,'ｧ'ｰ-r'　/　　　　　　 　 r'´:::;:- ''"´ .,'　/　　　　　　　　　 `'' ｰ ､,::｀ヽ;ｿ
　　　 ,`-､　 ゝr＼|'"´r｀"Tﾆ 7´ i7'´ .//　　 ! |:::::´::|／　　　　　　　　　｀7´ 　 /　　!, _ﾄ_、　　　ﾄ､　　　｀ヽ.　　　｀ヽ::::ヾ､
　　　 ', ヽ「「´　'､'､　 i´￣〉o〈￣｀7 .,' ,'＞､.,_,!_'､___:ﾉ　　　　　　　 　　 　 '､　　',　　ハ_」_｀ゝ､,　 ', ヽ､-‐‐!- ヽ, ｀ヽ. ｀ヽ､::ヽ
　　　⊂､._! i 　　ヽヽ└ｧ7ムヽ r┘､!_」/_,.イ_＞'".　　　　　　　　秋！.　 　ヽ､,ﾊ.／! i´ !'ﾊ｀　 ｀ヽ!_」'ﾆ､,/!　　 ',　　',　 i:::＞
　　　　　　ヽ_'､,,..-ﾍゝrﾚ''´i｀ヽ」　　,Y　　 /　　 　 ､,..､.,　　　　　　　　　　　｀'ｰY　 ! i　iノ'i　　 　 ´i'´;ﾊ　`y､.　 ', 　 i.　|´ ヽ
　　　　　　　　　　ﾚ`´k､_ﾊ､___,,.イﾝ^ヽi'´　　　_ヾ'"　　 "';　　　　　　　　　　　　ﾉ　7⊃ ゝ'　 .::..　　 !ノ　i　 !7 iヽ､!.　 !　!｀
　　　　　　　　　 _r／ 7ｰ--‐ ''" ',　　　ヽ.　　ミ゛　ﾟ д ﾟ Ξ　　　　　　 　 　 ＜.,_　ﾄ､ 　　 　 　 　　ゝ- ' .ノ/　!　　! ,:'　,'
　　　　　　　 ,.ｨ>'　　,'　　　　　 　:　 　　 ヽ.　彡,　　　 　 ミ　　　　　 　 　 　 ∠_ノ 　｀>､,　 iｧｰ-┐　 ⊂⊃　,ﾊ 　,'´ ノ
　　　　　　　r'く 　　/　　　　　　 　',　 __.-ｲ_>　'ノﾝﾉﾊ )ヾ　　　　　　　　　　 　 　 ｀'ｰヽ,ﾊ'＞.､.,___　,.∠.,___,ノ-､!,ノイ
　　　　　　　｀'ｰrへ!､______ ____ ,,.._-rンr‐'´　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 ,..-‐ｧ'7´/∞ヽ.　　　,./´/
　　　　　　　　 ,'ｰ-:／`ｰ'^ｰ‐'`''-ﾍ´-‐!　　　　　　　　　　　　　　 　　　　　　　　　／　 /::/ﾚ'　ﾊ 　 ヽ,／/:::/
　　　　　 　　　!_,／　　　　　　 　　 '､_,ﾉ　　　　　　　　　　　　　　 　 　 ／´￣｀ヽ7　　,'::;'_,.､_,.､_,.､_,.､_,.､,'::::;'
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　/ /´￣ヽ._!　ヽ/:/- - - - - - - 'i:::::!
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　i !}　 ､ヽ､ﾉi 　 iY　　　　　　　　　 |::::ﾄ
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 ,'　i､__､ﾝ_ノ!　 ,ﾊ　　　　i　､　　　 ﾊ::::!
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　.　|　|:::::::::::::::!|　/　i'､.,____､!______,,,,....ｲ!:::!

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　　　『春秋』とは、ひとことで言えば魯国の年代記である

　　　その語義は春夏秋冬の略で、年とか年々歳々とかを意味し、
　　　それが転じて年代記をしめす書名となった

　　　ちなみに春秋時代というよび名は、
　　　だいたい『春秋』がカバーする年代であることに由来する

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　　　　　　　　　,.　-─--─-､
　　　　　　　／;;;;;;;;;;;;;.::;;;;;;;;;:..:. .＼
　　　　　　/;;;;;;;;;　　;;,:.:.:;;;;;;;;;;;''''''"ヽ
　　　　　/;;;;;;;''' ,ヾ　ﾞﾞﾞﾞﾞ　　　　　　　i　　　　　ちなみに江戸時代の頼山陽は
　　　　/;;;'''' ,;'ﾐ 　 　　 　 　　　　　　|　　　　　『春秋』隠公元年の
　　　 〈;;||llliiiﾐﾞ　　　　　　　　　　　 　|　　　　　 「夏五月、鄭伯段に段に鄢に克つ」というのが
　　　　}; `ij_ゝ　　　　　　 __　　　　　/　　　　　　たまたま五七五になっているものだから
　　 ／　'';;,,::.　　　　　　 "rミji　　　/
　　 >,,,ゝ;;'　　　　　　　　 ゞン　　/　　　　　　　　「俳句の起源は『春秋』だ！」
　　!ll|||j　　　　　　　　　　-'"　／i
　　 ﾞト_ゞj　　　　　　　　　 ／/　 l　　　　　　　　　 と言ったことがある
　　 ｲj ､　　　　　　　　　/ﾆ /　　　|
　　　 'ｼﾘjy_j　＿;;j_...- 7三/ﾆ　　　{ll>､
　　　　　　 ﾞ ¨ ＼ ..,;;''/三三三ﾆ　_ﾆ_　＼　　　　　友だちとのバカ話のときに出たことだから
　　　　　　　　　 |＼/三三三二=　 　ﾆ　 l　　　　　 ただの冗談だけどな
　　　　　　　　　|;;||/三三三ニ　　　　ﾆ
　　　　　　　　 |ﾆy'三三三=　　　　ニﾆ

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　　　その『春秋』に筆削をくわえ、
　　　現行のものにしたのが
　　　ご存じ孔子である、とされている

　　　孔子と『春秋』とのかかわりについては
　　　かなり眉唾ものだが、
　　　儒者がかなりはやい時期から
　　　『春秋』を重要なテキストとしてあつかっていたことは事実である

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　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　__,．ｧァ ー-- ．_
.　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　r:i´:.:.:/:,'.:.:.:.:.:.:.＿＿＞ ､
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 ノ:.j:.:.:.:|/:.:.:.:.:／／＿＿___ヽ.-､
.　　　　　　　　　　　　　　　　　　 　 |:j'´ヽ∠．-‐''¨´￣ 　 ヽ.___, ﾍﾉ_
.　　　　　　　　　　　　　　　　　　 　 |'　　　　　　　　　　　／.:.:.:.:.:.:.:〉: 〉
.　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 /_　　 |　/　　　　　　ーｧ＿__,ノ:|/、
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 ヽ.ゝ､_ﾉ ﾉ　＿＿,. -‐''ヾ.__:::___::::|,ノ､
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 ハヾ〉 ゝ'＜ゞ.ﾌ¨ﾌ゛　/:l:::{,.ｲ Y::::/
.　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 〈　´7　'　.ヘ ｀‐'´｜ /.:.:!:: Yｧ l:::/:〉 　　　　　　のちの世にわしを称賛するものがあれば
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　|〉　|　! 〈　　｀¨　 / ,' :/:l:::::|' /'´V::}　　　　　　　それは『春秋』のゆえであろうし、
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　|:.:V､_,ノ´｀ヽ､_　,'　 !:/.: !:ｲ|1 　 {::;ﾊ　　　　　　　 わしを批難するものがあれば
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　|:|:ﾍ￣¨¨''ー ､', l　,'|1:|: l:||ﾉ|　　 ｿ:/　　　　　　　　それもまた『春秋』のゆえであろう
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　VV 〉￣¨''ー'' ｀,' /　Vl: ﾘ'　|　　 ソ:}
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　i　　|　　　,ノ _, ィ | V_,.ノ|　　{, ｲ　　　　　　　……とわしが言ったことになっておる
.　　　　　　　　＿____　　　　　　　　　　 ｀ゝr_､＿__／_,．‐ ¨´　　ヽ、 {::ﾊ
　　　　 ,.ィ¨￣.::.::.::.::.￣¨'' -､_,．---――} |:::::::r'´￣　　　　　__／　￣￣￣
　 　 ／.::.::.::.::.::.::.::.::.::.::.::.::.￣.::.::.::.::.::.::.::._人|:::::::}　＿__,．-‐'¨.::.::.::.::.::.::.::.::.:／
. 　 /::.::.::.::.:|.::.::.::.::.::.::.::.::.＿＿＿＿＿＿}￣¨¨{￣-‐'´.::.::.::.::.::.::.::.::.::.::.::.／.::.
　　i ::.::.::.::.::|.::.::.::.::.::.::.／::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::／.::.::.::.::.::.::.::.::.::.::.::.::.::.::.／.::.::.::.
　 ┏━　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　━┓
┏┛|￣　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 　 　 　 　 ￣|┗┓
　 　 　 孔丘、字は仲尼

　 　 　 魯の陬のひと

　 　 　 説明不要
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　 ┗━　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　━┛

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　　　『孟子』によれば、
　　　孔子は『春秋』をつくることで義をしめしたという

　　　いわゆる春秋の筆法によって
　　　批判や賞罰をおこなったといい、
　　　ために世の乱臣賊子はみな恐れたという

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　　　　　　　　　　　 _, -zーｧ―-､　　　　　　　　　　　 l　　　ﾚi
　　　　　　　　　 ∠ｨｆ´￣｢￣￣¨丶_　　　　　　　　　　{　　　　ﾚ!
　　　　　　　　 ／/ ｌｉ　　 | 　 　 　 | l＼　　　　　　　　 ﾍ　　 　 ！
　　　 　 　 　 /　l　_｣.、　　　　　　' /　 ＼　　　　　　/　:.　　　　レ!
　　　　　　 ／｀Y　l 　 ＼　　　　　/　　/ ハ　　　　 /　　::　　　　　i
　　　　　　l ／ , ト|　　　 ＼　 　 /　　/ /　 }　　　 /　　 ﾊ　　　　　{
　　　　　／　 /　ｰ ､　　 ｌ,　＼＿＿＿_,　 /　　　/　　 /　l　　　　　'　　　　　ぬうん！
___ _　／イ　 /　　￣＼　 lｉ　　　　　　 /／　　／　　　/　 l　　　　　|
三二ﾆ／　 / l　　＼__ﾟﾍ_ﾉ　,,, - ' 　 〃　 _ ノ　 /　／　　 !　　　　 ,　　　　　　超級覇王春秋弾！
ﾆ¨￣/　／ﾘ /　　 -―=　yｹー｡=､ ﾃ! 二三≧彡'　　　　 ,　　　　 ﾘ
　　　７/l　 } j/⌒丶k　/ /　ヽー'　/ﾉ 　 　 　 　 　 　 　 /　　　　 j
　　　 |　:.　 V"｀>､__＼_/},__　　 ／|　　　　　　　　　　　〃,　　　　l
　　　　　ヽ　l　 {_ｰ- `ーｭ-､〉 ｲ　 l|　　　　　　　　　　 　 /　　　 /
　　　　　　 ｀{＿ー￣ヽ二ﾉ／ jﾊ　 |　　　　　 　 　 　 　 /　　　　〉
　　 　 　 　 　 ｨ少く ＿_／　　 ハ　!　　　　　　　　　　 /　　　 ,ｲ
　　　　　　　x彡ｿ　　　　　　　 　 ヽ|　　　　　　　　　／　　　 /


　　　　　　　　　,､ ､'7/.〉　　　 ,,,､､､､､､､､､,
　　　　/"ヽ,､/~//.//,/ ,､- ''~;:;:;:;:;:;;:;:;:;:;:;;:;:
　　　,/ ,'''"/ , '' '-'　r''~;:;:;:;:;:;;;;;;;r""''''''''''''"
　　 / /　/ ,/　　,､'';;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;)"　　あ
　　(,,/　/ r'　　/;;r"(;;;;;;;;;;;;;;;;;/　　　べ
　　　　/,,/　　 i;;/　 ヽ､;;､ '"ﾉ　　　　し
　　　　>'､　　 t;i i "i　 ::://,,,;ヽ　　　//
　　 ／／７ ,､, i|,,|i t､　;;ii,ﾘ'"　）　　・・
　　(／／／ ﾉﾘ;;;;t;;;､tii~|Yr''",､｀L
　　i／.／ ／ （｀'-､ヽ;;;;､､;r彡;;;三''｀''ﾚヽ
　　 ／.／.irヽヽ'tｱミﾆ彡tﾚ'（,@,､｀'"/
　r" ／ |, |i／　ヽ~''ｰ''"'y/）'",⌒''
　|／ ／,i |　　　　', '""ﾘｱiiﾘ".......
　　　￣ V ,,r､　　 t　''"ﾉ'Y'ｰ;::::::''''""
　　　　　rヽヽ,）ｰ､. t'" :::~'ｰ~,,,,_
　　　　　ヽ,ﾉ　 |,/　,,,i､ ／,,,r(y'fi
　　,,､- ｰ ― - y''''"　t"::::）ｯ⌒ﾘ
　'"::''''"""'''''''::::|ii ||ii;;;;;i :::/　,,ノ
　"　　　　　　 ｿ;; |i;;;;;;;;|､''"~,､;;;;;,,,
　　　　　　 :::::/;;;; 从ii;;;},〉'"　　　　,､'
　　　　　 :::::::〈y|ﾘ　 ::::::t,,,,,,,,,,,,,,､ '"<

　　　　　　　　　　　. :-‐…‐- .
　　　　　　　　　 ／: {　:／‐ ､: :｀ヽ
　　　　　　　 　 {:,‐- -´ 　,,.. く: : : :ﾟ， 　　　　　_____
　　　　　　　 　 ｊ′　 　 ,〃｡> ヽ: :〈ヽ　　　／ 　 　 `ー─‐一'⌒ヽ
　　　　　　　 　 ヽ~ﾆ｡ゞ ,´~´ 　 {: : :V　 ／　　　 　 　 　 　 　 　 　 ト､　　　　　　　　　どりゃああ！
　　　　　　　　　　}　 ´{_ｊ‐::.、 　‘,: : :| /　　　　　　　　　　　　　　　 }　{､
　　　　　　　　　　iヽ. {::::,.-‐ﾍ　i ‘,: :ｊ/　　　　 　 　 　 }〃 　　　　 /　 　＼　　　　　　　酔舞・再現江湖デッドリー春秋！
　　　　　　　　 　 ｊﾊ:ヽ ヽ___ ﾉ 　/ﾍ/　　-─-　、　　,/´　　　　　　　　　　 ＼
　　　　　　　　　 　 ﾚ´i＼__!__,／__/ 　 　 　 　 　 　 /　　　 　 　 　 　 　 　 　 }
　　　　　　　　　　　　厂|:::::::| 　 /　　　　　　 　 　 〃　　　　　 　 　 　 　 　 /｀ヽ
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ヽ::/ ;;;;､ --ｰｰ ､､､,,　~~",､）::;;;;;;;;;;;;''":::ﾉｰ､__　 ・・
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ﾐ（((iミ､ｰ-､ミミ｀≧'ｰ--:::､;;;;＜t::　　　~'ｰ~'"､､､-'"ノ
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　　　　､'''""'i､　 　 　 | i　　.i　i　　　　　　　　ﾄ､>､-､､,,__ .| |　,,､､-､<人
＼　　.（　　　i.ヽ　　　 |.i　､,､-.ｉ　　　　　　　 |ﾄ/|　.-､,,､-"ﾄ.|"-､､- ヽヽ）　　　　　　　　　　そして！
　 ＼　.ヽヽ　　 ヽ　　 .|i　　　 i　 /　　　／　ヽ彡／ -‐'''ﾉ| .|"''‐-　 / |"
　　　＼ ヽヽ　　 ヽ　　.i　　　 i　/　　 ／　　　| へ　　　.ゝ| |.>　　　/|ｉ|　　　　　　　　　　　　必ず殺すと書いて、
　　　　　　ヽ -''" .ヽ　 .i　.i　 .i /　　　　　　　'"| |.|.､ ､‐二二二‐､ /|人　 .,,,､-‐''"　　　　　　　必殺の……
　　 ､　　　 ヽ　　 i ヽ､丿 i　 ヽ､　　　　､-　　　.|.|ﾄ,_.￣'-‐‐--'￣.|､|ﾉ）''"
.　　　＞-､＼ヽ　 .i　　　 i､,,､　×　,,-''　　　 ,,-''"￣ヽ　'''""''"　/ |ノ ）
-､, /"　 "ゝ''‐ヽ＼.i　.|　　/ ／　ヽ<　 .,,,､‐''　,,,､-‐'''人,,,,､､,,,,ノ‐─|ノ）
　　ヽ､‐'　 ） 丿､ヽヽ .|　 /　 ／　　 ￣　　､　　　　 / 　 |　　|　　　　|_人
　　　|　 .,,,､＼ヽ､＼＼| / .／　　-‐''"￣ 　 ＼.,,,､-'''‐--|.　　|､--‐''""　　"'''‐--､,,,＿,,,､､､､,,
─-　＼(　）-）─ / >＊<.i二＿　　　　､､,,,ｒ二─''''""￣　　 .|､､,,,　　　　,,,,,,＿＿＿　　　　　 ヽ､
　　 ｒ'''".ヽ､丿,,,､/／/|ヽ i "‐､,　　 ､､,,＿ﾉ　　　＿＿,,,,,,,､､､､|　　　　　　　　　　　　　　　　　　　ヽ
　 ./,,､､ヽノ　　-/　/　| | i　　　　　　　／''‐|"￣､,　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 ヽ
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.::' ..........: '",''--,､......:'　 llヽ　/ ,.､ l!　　l .lヽ
　/.....:'　　　／ l　'::'　　l l l/}ﾐ ､ ヽ､__,,.-iﾉo、　　　　　　　　　　　　 ／￣　　　　　　石破！
./;.....'　　／　　　　;　　 l　llヾl '~ ｡、,_＿/　`9o　　　　 _,,. -―ｰ/ｱ'　　　　　　　　　　春秋拳！！
　...'　,／　　　　　　　　 l　ll l lｨｰ､' l_ ﾟ'/l -ー'''ー-y'''"　　　　　 l
、:￣　　　　　　　　　　 l　ｌｌ lﾘヾﾆフﾃ'､ l　　　　 /　　　　　　　 l
ヽ　　　　　　　　　　　 /　l llヽ `ーi'ノl ヽ!　ヽ　 /　　　　　　　　　　　＿_
　＼　　　　　　　　　,/　/;'/二o￣l　　　　　 ヽ　　／　　　　　_,. ー'
　　 `丶 ､＿,,... -''"/　 // l￣P　　　　　　　　ヽ,.／―--ー''"
　　　　　　　 `ー／　 ／　　l　l　　　＿　　　　　l　　　８
　　　　　　　 ／　／／ヽ　 / / ―　　―　　―'/　　　 ８
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　　　 ／　　　／ /　　 ―　l　l　　　　　　　　　l　　　　　　　　∞∞∞ .ﾘ
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　　　　　　　　　　　　　　　',　　　,　!　　　|　　　!
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　　　　　　　　　　　　　　　　　＼　'┼　、|　　,×　　 ／　　　　´
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　　　　._,-"::::／　　　￣"''---　 i|　　　　　|i　　　　　　　　　　　　ヽ::::i
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ミ|iii~'-if､ﾏ――― ―＝ｰ三三二＝――=＝=;;ｲ彳ﾂ:;:从Y)）､;;;;;;;;
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二::::::::三=+}{;;;} :」}　　|;;l　j| :: ::　　j;;;}　|;;}　　,,/〆/:;:;:;:;://::|;;|}
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　　　　　　　　　　　　　人|　　　ヽ　　 ､-二'-‐‐‐‐‐-､､　　 /
　　　　　　　　　　　　 （　|　　 ヽ .|　　| |,,,,､､､､､､､､,,,,,,.ヽヽ/|.　　 ／￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣
　　　　　　　　　　　　（ヽ |　　　 | | |.　　　 ､,,,,,､､､､,,,,､"''./ .|.|　＜　　ん！？　やりすぎたかな……
　　　　　　　　　　　 （ヽ <| |　　|| ヽヽ　　　　　　 ､　　　/　 ||　　 ＼＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿
　　　　　　　　　　　（ヽ　）|| |　 ||　　 　 　 　 　 　 ）　 .（　| ||
　　　　　　　　　　 （ヽ　） |　丶|　＼　　　　　　　 /　　 .）/||
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　　　　　　　　　（ヽ　）┌''"　　　　　　　　|￣ ゛"''‐-.|､､
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╋━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━╋

　　　しかし『春秋』の文章は
　　　何年何月何日に何がおこった式の
　　　面白味のない簡潔な事実のひたすらな羅列である

　　　シロウトが読んでも孔子の意図など読みとれるものではない

　　　そこで春秋の筆法を説明し、
　　　『春秋』がどれほど偉大な書であるかを知らせるために
　　　注釈書がつくられた

　　　それらのうち、いまにつたわるものは三種あり、
　　　春秋三伝と通称される

　　　『左氏春秋（春秋左氏伝）』、
　　　『公羊春秋（春秋公羊伝）』、
　　　『穀梁春秋（春秋穀梁伝）』のみっつである

　　　なお伝とは注釈とか解釈の意味である

╋━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━╋

　　　　　　　　　　　　　　　_,,,-ｰ､_,,..
　　　　　　　　　　　　　　,," _､､..._ 　 ｦ､_
　　　　　　　　　　　　　ｲttv'-‐-､弋　　 ﾞ`､_,,._
　　　　　　　　　　　　　i（．)（．)ﾉ　 ﾄ　　ヾミ､　う　　　　　　　　　　　　つまり私の『春秋経伝集解』は、
　　　　　　　　　　　　　| ﾚ'､レ'ﾚ'　　{　､_　　　　ﾞ~=､_　　　　　　　　　　言ってみれば『春秋』の注釈の注釈だな
　　　　　　　　_,,　　　　 |　　　　　　 iﾞ　ｰ三~＿_,,,....,,,r-､､
　　　　　　 ,->_,(((､￣'ｰ.|　{{・}}　_,,." ,r"~￣　　＿(((_ ｧ''"ー- ､　　　　なお唐代には『春秋左伝注疏』がうまれた
　　　　　／ /　i ＼~ﾞｰ-､ﾄ'' ヽ" _,,.､,''　ｲ r-''"~　/　　i　ヽ　　 _,ゝ
　　　　/　 ﾉ　　t　　 ,,..　 〉ﾞ`'"~ 　. 丿　ﾉ _／　/　　ﾉ　　　て~　　　　　これは私の『春秋経伝集解』に、
　　　/　　　　　｀t　 (　 ,`{　 ⌒ヽ　　　 {　　　ノ　　　　/＾ｰ'　　　　　　　 さらに注釈をくわえたものだ
　　　⌒ヽ　　　 rr( i !､ﾉｰ-､　`　　　　　 ）　　 _／⌒ｰ'
　　　　　 し'⌒ｰ`{ ( ヾ}　　( ( ( ﾉ-‐　　 i'＿／　　　　　　　　　　　　　　『春秋』の注釈の注釈のそのまた注釈というわけだ
　　　　　　　　　　 `i_j～´,r'ｿ'ｿｿ'ヽ　 　 }_,､_,-､
　　　　　　　　　　　　　r"ｿ/ r"ｿ 　｀ヽ　 '　_}}} .{
　　　　　　　　　　　　, ''"r"ｿ,'"　　　　`-'"　{　 j
　　　　　　　　　　　r"ｿ ,''"rｿ　　　　　　　　 ''`ﾞ'
　　　　　　　　: .､　''"　rｿ　'" , ''
　　　　　　　＼从､仆从,'/／　, '
　 ┏━　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　━┓
┏┛|￣　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 　 　 　 　 ￣|┗┓
　 　 　 杜預、字は元凱

　 　 　 京兆尹の杜陵のひと

　 　 　 『春秋経伝集解』の著者にして呉をほろぼした名将
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　 ┗━　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　━┛

╋━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━╋

　　　春秋三伝のくわしい来歴や性格、
　　　また三者の解釈のちがいなどをくわしく語るとなると
　　　退屈きわまりない支那哲学スレになってしまうので、
　　　漢の皇帝の正統性に関する点についてだけ説明する

　　　それは高祖劉邦の孫の景帝の代にはじまる

╋━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━╋

―――＝＝＝＝＝＝ﾆﾆﾆﾆﾆﾆﾆ二二二二二ﾆﾆﾆﾆﾆﾆﾆ＝＝＝＝＝＝―――

　　　　　　　　　　　 ――＝＝＝ﾆﾆﾆﾆ二ﾆﾆﾆﾆ＝＝＝――

　　　　　　　　　　　　　　　　　　―＝＝ﾆﾆ＝＝―

　　　　　　　　//:/.:.:.:.:.:.／:.／:.:.:.:./:/　　　　　　　　i:.:l;.:i､:.:.ヽ;.:.:ヽ
　　　　　　　 //;/:.:.:.:.／,:イ:.:.:.:i:.:.:i.:il　　　　　　　　　i:.|i:.|:.:､.:.:i!:.:.:i',
　　　　　　　i,:':/:,:.‐''";:'":.:／:/:l.://i:|　　　　　　　　　l:i:|;:l:i.:i.:.:.i:.:.:i:li
　　　　　　　|:,;.:.:‐''":.／:.'.:／/:i/i:.l'i:.i　　　　　　　　　i'i|'i:l.:.i:.i:.:.l:.|:|:|
　　　　　　,..ﾒ:.:./:.r''"i:／ｲ:.:/:.:ﾑ/_| i:l　　　　　　　　 i!,.l-'i:.'､';.i:.:i:|:|.!
　　　　　　　 |:/:ﾒ, ‐i;|::i:|:.i/://_/,,,｀`ﾒ､,,　　　　 ,, -ﾆ,,,,上_i';:ヾ;':,i:|:i!　　　　　　　　 　 　 ｷﾝｸﾞ
　　　　　　'''"ﾚ'ﾅ／l:.l:.|:iノ''ヽ, ヽﾟ;:ノ'ヽ　　　　　　 'ベﾟ;:ノ　'ﾞ 〉ヽ`､/、　　　　　俺さまが王様だ！
　　　　　　　　ﾘ'|　{ﾞ,i|.:|.il,　　 `'-一''　　　　　i′　'''‐-‐'ﾞ　 √ |:'ﾘ`
　　　 　 　 　 　 i,　r;;';| !　　　　 ・　　　　　　|::'. 　 　 　 　 ,'`'ﾞ/''
　　　　　　　　 　 i:､ ､_'　　　　　　　　　　　　|: ' 　 　 　 　,'ﾉ./　　　　　　　　　……じゃなくて皇帝だ
　　　　　　　　　　ﾘ'＼ ヽ, 　 　 　 　　　　　　　　　　　　 /''"
　　　　　　　　　　　　ﾙ｢ﾄ、 　　　　　　　 -､ ,:　　　　　 /
　　　 　 　 　 　　　　　　| ヽ　　　　　　　　--..,,,_　　　, '
　　　 　 　 　　　 　　　　l_,,..ゝ-､　　￣￣￣　　　　 , '
　　　　　　　　　　　,. ‐''";;;;;;;;;;;;;;ﾄ、　　 `''''''''" 　 ,.ｲ　　　　＿＿＿
　　　　　　　 ,,. ‐''";;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;lｽ:＼　　　　　 ／ i,.. -‐''";;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;ヽ
　 ┏━　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　━┓
┏┛|￣　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 　 　 　 　 ￣|┗┓
　 　 　 劉啓

　 　 　 漢の景帝

　 　 　 文帝の子、高祖劉邦の孫
　 　 　 父の文帝とともに文景の治をもたらす
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　 ┗━　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　━┛

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　　　景帝の父の文帝は
　　　高祖劉邦の庶子にすぎず、
　　　文帝の母の薄氏は皇后ではなかった

　　　かれが地方の代王家から皇帝へと即位できたのは、
　　　ひとえに呂氏族滅ののち空白になった玉座に
　　　外戚の力の弱い皇族をむかえいれようとする
　　　建国の元勲たちの思惑があってのことである

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　　　　　　　　　　　／: : : : : : : : : : : : : : : : : :｀ヽ
　　　　　　　　　 ／: : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : :＼
　　　　　　　　 /: : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : :ヽ
　　　 　 　 　 /.: : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : :ﾊ
　　 　 　 　 ./: : : : : : : : : : : :≧＝≦: : : : : : : : : : : : : : : : i
　　　　　　 /: : : : : : : : : : : 〈　　　　　｀ヽ: : : : : :,r‐'"ヽ: : ::l
　 　 　 　 /.: : : : : : : : : : : : :l　　　　　　　＼;:／　　　/: : : l
　　 　 　./: : : : : : : : : : : : : ﾉ＿_　　　　　　　　　 ＿/: : : :/
　　　　 /: : : : :/二ヽ: : : :／＿＿≧､＿,,　 ､_／＿_i: : : /
　　 　./: : : : ::i　r‐ﾊ l: : ::l ¨=廴ゞ='¨ヽヽ　 ィt_ｯ¨フﾞ/ノ　　　　　　みこしは軽くてパーがいい、か
　　　/: : : : : ::l　{r‐! l: : : l　　　 ￣　´　　　|￣￣　/: i
　　./: : : : : : : ヽ、ヽj:: :: :l　　　　　 　 　 　 | 　 　 /:: :l　　　　　　　 むろん私はパーではないが
　 /: : : : : : : : : : :｀¨´::: ::ll　　　　　　 　 　 ､l　　 /:::::::l
. /.: : : : : : : : : : : : : : : : :jl　 　 　 　 　 　 ／ 　 /: : : :l
/: : : : : : : : : : : : : : : : : /i ＼　　　　￣二¨ 　 /: : : :/j
: : : : : : : : : : : : : : : : : //　　｀　､　 　 　 　 ／-､_: //
: : : : : : : : : : : : : : : : // ｀ヽ､　　 ｀ ｰ‐ｧ‐'"　　　　｀ ｰ ､_
: : : : : : : : : : : : : : : //　　　　｀ ーｧ‐≦ﾄ､　　　　　　　　　｀ｰ ､_
: : : : : : : : : : : : ／／l　　　　　　/ 　 ﾊ l　',　 　 　 　 　 　 　 　 ｀ｰ ､＿
:: : : : : : : : : :／／　 ﾊ　　　　　 {　　　} l　 ',　　　　　　　　_,.-‐'"￣
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　 　 　 劉恒

　 　 　 漢の文帝

　 　 　 高祖劉邦の子、景帝の父
　 　 　 両漢皇帝のなかでいちばんの仁君である、とされている
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　 ┗━　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　━┛

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　　　ちなみに呂氏討伐のときに功績のあった皇族で、
　　　斉王家（高祖の庶長子の家）の次男でありながら
　　　建国の元勲たちに忌避されて領国につかされたのが
　　　城陽景王劉章である

　　　薨後二百年ののち、
　　　赤眉軍に皇帝として擁立された劉盆子は
　　　劉章のとおい末裔にあたる

　　　東漢末には劉章は淫祠邪教の祭神として
　　　あの曹操に祠を毀たれ、
　　　祭祀を禁ぜられることになる

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　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　/
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　|　　　, -―-‐‐
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　|　 ／
　　　　　　　　　　 　　,. -‐　￣三 ‐- レ'_, -―- ､_
　　　　　　　　　　　／ 　 　 　 三　　 三ヾ、 　 　　￣
　　　　　　　　　 ／　　　　 　 　 　 　 三三＼
　 　 　 　 　 　 /　/⌒ヽ 　 / ⌒ヽ　　 三三. ヽ
　　　　　　　　 ｌ 　l　　_｜ ｜　 _　|　　 三三 　|
　　　　　　　　 | 　| 　‘’|　 |　 ‘’｜ 　 三三　｜　　　　　　もう僕は
　　　　　　　　 |　 ヽ.＿ﾉ 　 ヽ＿ノ　 　 三三　 !　　　　　　　いらない存在なんだね……
　　　　　 　 　 v -――---―‐‐--､ 　 三三　|
　　　　　　　　 ゝ __,......._____..........＿　｀ｌ　三三｜
　　　　　　　　　ヽ、　　　　....................,ﾉ　三三. !
　　　 　 　 　 　 　 丁￣　￣￣￣￣ 　 三三. |
　　　　　　　　　　　| 　/　　　　　　 　≡三三 ﾄ、
　　　　　　　　　　　レ′ /　　　　　　三三三..| l
　　 　 　 　 　 　 ／ 　 ／三　　　　 〃三三　|｜
　　　　　　　　　/　_-ｒ'　 三.　　　　/　三三.　ﾚ′
　 　 　 　 　 　 { 　l　| 三三　　　／　　三三　〉
　　　　 　 　 　 `ｰ′|　　　　　　　　　　三三. |
　　　　　　　　 　r ‐┴ ､　　ヽ、.._＿＿.三三　〉-、
　　　　　　　　 　L{_.....:::.｀ ‐-､　　　　　 　＝=　___)
　　　　　　　　　 　`ー‐---―'^ー‐-～'＾￣￣
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　 　 　 劉章

　 　 　 城陽景王

　 　 　 高祖劉邦の孫、文帝のおい
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　 ┗━　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　━┛

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【劉氏略系図】


　 高祖①
　┃┃┃
　┃┃┣━━━恵帝②━┳━━少帝③
　┃┃┃　 　 　 　 　 　 　 ┃
　┃┃呂后　 　 　 　 　 　 ┗━━少帝弘④
　┃┃
　┃┣━━━━□━━┳━━━□
　┃┃　 　 　 　 　 　 　 ┃
　┃曹氏　 　 　 　 　 　 ┗━━━劉章━━━……━━━━━━劉盆子
　┃
　┣━━━━━文帝⑤━━━━景帝⑥━━━━武帝⑦
　┃
　 薄氏


【注】数字は即位順
　 　 ただしふたりの少帝は勘定にいれないこともある

＝＝＝＝＝＝＝＝＝＝＝＝＝＝＝＝＝＝＝＝＝＝＝＝＝＝

＝＝＝＝＝＝＝＝＝＝＝＝＝＝＝＝＝＝＝＝＝＝＝＝＝＝

【略年表】


高祖十二年（B.C.195）　　高祖が崩じた。
　　　　　　　　　　　　 　 　 恵帝が立った。
恵帝七年（B.C.188） 　　　恵帝が崩じた。
　　　　　　　　　　　　 　 　 少帝が立った。
呂后四年（B.C.184） 　　　少帝が廃された。
　　　　　　　　　　　　 　 　 少帝弘が立った。
呂后八年（B.C.180） 　　　呂后が崩じた。呂氏が族滅された。少帝弘が殺された。
　　　　　　　　　　　　 　 　 文帝が立った。
後元七年（B.C.157） 　　　文帝が崩じた。
　　　　　　　　　　　　 　 　 景帝が立った。

＝＝＝＝＝＝＝＝＝＝＝＝＝＝＝＝＝＝＝＝＝＝＝＝＝＝

╋━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━╋

　　　要するに文帝が皇帝になれたのは
　　　臣下のつごうによるものである

　　　景帝としては父の、ひいては自分の帝位の正統性を
　　　盤石にしたいとねがうのが自然である

　　　そして文帝――景帝ラインの正統性を保証してくれるのが
　　　春秋三伝のひとつ、『公羊春秋』であった

╋━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━╋

　　　　　　,､-‐､,-''"´｀`''"´｀`‐-‐''"´´´｀`‐-､
　　　　　 ,'　　　　　　　　　　　　 　 　　　　　　｀`''"´ヽ
　　 ,､-‐‐-､　　　　　　　　　　　　　　　　　　 　 　　　 ）
　 /　　　　　､　,､　　　　　　 ,､-''"´｀`‐､　　　　　　　 く　　　　　　　　　　　　　ご安心ください陛下！
　 i　　/⌒　 ',｀　｀‐'´ヽ_ノゝ　　 ＿　　 ヽ 　 　 　 　 　 ヽ
　 ',　 ', 　　　 ', ●　　● /　　'´　 ヽ　　 ', 　 　 　 　　　 ',　　　　　　　　　　　　聖人（孔子のこと）は
　　ヽ､_ゝ　（.　',　　　　　/　　　,､　　）　 ﾉ 　 　 　 　　　 ﾉ　　　　　　　　　　　　 孝文皇帝が至尊の君となることが
　　　　　　（　　ヽ　　 ／　　　 ', ｀"´　／　　　　　　　　 .） 　 　 　 　　　　　　　　ただしき道であると言っております！
　　　　　　 （　　　｀"´　　　 　　｀` "´　　　　　　　　　　　）＿
　　　　　　　 7┐　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　r 　 　)
　　　　　　　L__ヽ､＿_,､　　　　　,､　　　　　　　　r‐i- '´￣￣
　　　　　　　　　　/　 / ｀`‐-‐'"　 ヽ､＿___,､-‐'´　 l　 ',
　　　　　　　　　 ヽ-'´　　　　　　　　　　　　　　　　 ヽ､ﾉ
　 ┏━　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　━┓
┏┛|￣　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 　 　 　 　 ￣|┗┓
　 　 　 名もなき公羊学者

　 　 　 とりあえずこんな男がいたと思いねぇ
┗┓|＿　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 　 　 　 　 ＿|┏┛
　 ┗━　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　━┛

　　　　　　　　//:/.:.:.:.:.:.／:.／:.:.:.:./:/　　　　　　　　i:.:l;.:i､:.:.ヽ;.:.:ヽ
　　　　　　　 //;/:.:.:.:.／,:イ:.:.:.:i:.:.:i.:il　　　　　　　　　i:.|i:.|:.:､.:.:i!:.:.:i',
　　　　　　　i,:':/:,:.‐''";:'":.:／:/:l.://i:|　　　　　　　　　l:i:|;:l:i.:i.:.:.i:.:.:i:li
　　　　　　　|:,;.:.:‐''":.／:.'.:／/:i/i:.l'i:.i　　　　　　　　　i'i|'i:l.:.i:.i:.:.l:.|:|:|
　　　　　　,..ﾒ:.:./:.r''"i:／ｲ:.:/:.:ﾑ/_| i:l　　　　　　　　 i!,.l-'i:.'､';.i:.:i:|:|.!
　　　　　　　 |:/:ﾒ, ‐i;|::i:|:.i/://_/,,,｀`ﾒ､,,　　　　 ,, -ﾆ,,,,上_i';:ヾ;':,i:|:i!　　　　　　　　　あーん？
　　　　　　'''"ﾚ'ﾅ／l:.l:.|:iノ''ヽ, ヽﾟ;:ノ'ヽ　　　　　　 'ベﾟ;:ノ　'ﾞ 〉ヽ`､/、
　　　　　　　　ﾘ'|　{ﾞ,i|.:|.il,　　 `'-一''　　　　　i′　'''‐-‐'ﾞ　 √ |:'ﾘ`　　　　　　　　　　おもしろそうだな、
　　　 　 　 　 　 i,　r;;';| !　　　　 ・　　　　　　|::'. 　 　 　 　 ,'`'ﾞ/''　　　　　　　　　　　　どういうのかちょっと言ってみろ
　　　　　　　　 　 i:､ ､_'　　　　　　　　　　　　|: ' 　 　 　 　,'ﾉ./
　　　　　　　　　　ﾘ'＼ ヽ, 　 　 　 　　　　　　　　　　　　 /''"
　　　　　　　　　　　　ﾙ｢ﾄ、 　　　　　　　 -､ ,:　　　　　 /
　　　 　 　 　 　　　　　　| ヽ　　　　　　　　--..,,,_　　　, '
　　　 　 　 　　　 　　　　l_,,..ゝ-､　　￣￣￣　　　　 , '
　　　　　　　　　　　,. ‐''";;;;;;;;;;;;;;ﾄ、　　 `''''''''" 　 ,.ｲ　　　　＿＿＿
　　　　　　　 ,,. ‐''";;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;lｽ:＼　　　　　 ／ i,.. -‐''";;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;ヽ


　　　　　　,､-‐､,-''"´｀`''"´｀`‐-‐''"´´´｀`‐-､
　　　　　 ,'　　　　　　　　　　　　 　 　　　　　　｀`''"´ヽ
　　 ,､-‐‐-､　　　　　　　　　　　　　　　　　　 　 　　　 ）　　　　　　　　　　　　 　 　 ははぁっ！
　 /　　　　　､　,､　　　　　　 ,､-''"´｀`‐､　　　　　　　 く
　 i　　/⌒　 ',｀　｀‐'´ヽ_ノゝ　　 ＿　　 ヽ 　 　 　 　 　 ヽ　　　　　　　　　　　　　　　聖人の手による『春秋』の、
　 ',　 ', 　　　 ', ●　　● /　　'´　 ヽ　　 ', 　 　 　 　　　 ',　　　　　　　　　　　　　　　開巻劈頭の文に
　　ヽ､_ゝ　（.　',　　　　　/　　　,､　　）　 ﾉ 　 　 　 　　　 ﾉ
　　　　　　（　　ヽ　　 ／　　　 ', ｀"´　／　　　　　　　　 .） 　 　 　 　　　　　　　　　　　「元年春王正月」
　　　　　　 （　　　｀"´　　　 　　｀` "´　　　　　　　　　　　）＿
　　　　　　　 7┐　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　r 　 　) 　　　　　　　　　　　　　　とあるのがそれでございます！
　　　　　　　L__ヽ､＿_,､　　　　　,､　　　　　　　　r‐i- '´￣￣
　　　　　　　　　　/　 / ｀`‐-‐'"　 ヽ､＿___,､-‐'´　 l　 ',
　　　　　　　　　 ヽ-'´　　　　　　　　　　　　　　　　 ヽ､ﾉ

　　　　　　　　//:/.:.:.:.:.:.／:.／:.:.:.:./:/　　　　　　　　i:.:l;.:i､:.:.ヽ;.:.:ヽ
　　　　　　　 //;/:.:.:.:.／,:イ:.:.:.:i:.:.:i.:il　　　　　　　　　i:.|i:.|:.:､.:.:i!:.:.:i',
　　　　　　　i,:':/:,:.‐''";:'":.:／:/:l.://i:|　　　　　　　　　l:i:|;:l:i.:i.:.:.i:.:.:i:li
　　　　　　　|:,;.:.:‐''":.／:.'.:／/:i/i:.l'i:.i　　　　　　　　　i'i|'i:l.:.i:.i:.:.l:.|:|:|
　　　　　　,..ﾒ:.:./:.r''"i:／ｲ:.:/:.:ﾑ/_| i:l　　　　　　　　 i!,.l-'i:.'､';.i:.:i:|:|.!
　　　　　　　 |:/:ﾒ, ‐i;|::i:|:.i/://_/,,,｀`ﾒ､,,　　　　 ,, -ﾆ,,,,上_i';:ヾ;':,i:|:i!
　　　　　　'''"ﾚ'ﾅ／l:.l:.|:iノ''ヽ, ヽﾟ;:ノ'ヽ　　　　　　 'ベﾟ;:ノ　'ﾞ 〉ヽ`､/、
　　　　　　　　ﾘ'|　{ﾞ,i|.:|.il,　　 `'-一''　　　　　i′　'''‐-‐'ﾞ　 √ |:'ﾘ`　　　　　　　　　　……
　　　 　 　 　 　 i,　r;;';| !　　　　 ・　　　　　　|::'. 　 　 　 　 ,'`'ﾞ/''
　　　　　　　　 　 i:､ ､_'　　　　　　　　　　　　|: ' 　 　 　 　,'ﾉ./
　　　　　　　　　　ﾘ'＼ ヽ, 　 　 　 　　　　　　　　　　　　 /''"
　　　　　　　　　　　　ﾙ｢ﾄ、 　　　　　　　 -､ ,:　　　　　 /
　　　 　 　 　 　　　　　　| ヽ　　　　　　　　--..,,,_　　　, '
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　　　　　　　 7┐　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　r 　 　)
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　　　　　　　　　 ヽ-'´　　　　　　　　　　　　　　　　 ヽ､ﾉ

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　　　　　　　 |:/:ﾒ, ‐i;|::i:|:.i/://_/,,,｀`ﾒ､,,　　　　 ,, -ﾆ,,,,上_i';:ヾ;':,i:|:i!
　　　　　　'''"ﾚ'ﾅ／l:.l:.|:iノ''ヽ, ヽﾟ;:ノ'ヽ　　　　　　 'ベﾟ;:ノ　'ﾞ 〉ヽ`､/、
　　　　　　　　ﾘ'|　{ﾞ,i|.:|.il,　　 `'-一''　　　　　i′　'''‐-‐'ﾞ　 √ |:'ﾘ`　　　　　　　　　　……どこが？
　　　 　 　 　 　 i,　r;;';| !　　　　 ・　　　　　　|::'. 　 　 　 　 ,'`'ﾞ/''
　　　　　　　　 　 i:､ ､_'　　　　　　　　　　　　|: ' 　 　 　 　,'ﾉ./
　　　　　　　　　　ﾘ'＼ ヽ, 　 　 　 　　　　　　　　　　　　 /''"
　　　　　　　　　　　　ﾙ｢ﾄ、 　　　　　　　 -､ ,:　　　　　 /
　　　 　 　 　 　　　　　　| ヽ　　　　　　　　--..,,,_　　　, '
　　　 　 　 　　　 　　　　l_,,..ゝ-､　　￣￣￣　　　　 , '
　　　　　　　　　　　,. ‐''";;;;;;;;;;;;;;ﾄ、　　 `''''''''" 　 ,.ｲ　　　　＿＿＿
　　　　　　　 ,,. ‐''";;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;lｽ:＼　　　　　 ／ i,.. -‐''";;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;ヽ


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　　　　　 ,'　　　　　　　　　　　　 　 　　　　　　｀`''"´ヽ
　　 ,､-‐‐-､　　　　　　　　　　　　　　　　　　 　 　　　 ）
　 /　　　　　､　,､　　　　　　 ,､-''"´｀`‐､　　　　　　　 く
　 i　　/⌒　 ',｀　｀‐'´ヽ_ノゝ　　 ＿　　 ヽ 　 　 　 　 　 ヽ 　 　 　 　 　 　 　 　 　　　いえいえ、ふしぎに思われるのも
　 ',　 ', 　　　 ', ●　　● /　　'´　 ヽ　　 ', 　 　 　 　　　 ',　　　　　　　　　　　　　　　 まことにごもっとも！
　　ヽ､_ゝ　（.　',　　　　　/　　　,､　　）　 ﾉ 　 　 　 　　　 ﾉ
　　　　　　（　　ヽ　　 ／　　　 ', ｀"´　／　　　　　　　　 .）　　　　　　　　　　　　　　　しかし『春秋』は微言大義、
　　　　　　 （　　　｀"´　　　 　　｀` "´　　　　　　　　　　　）＿　　　　　　　　　　　　　 すなわちみじかいことばのうちに
　　　　　　　 7┐　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　r 　 　.)　　　　　　　　　　　　　 大いなる意義と道理とが
　　　　　　　L__ヽ､＿_,､　　　　　,､　　　　　　　　r‐i- '´￣￣　　　　　　　　　　　　　　　こめられているのでございます！
　　　　　　　　　　/　 / ｀`‐-‐'"　 ヽ､＿___,､-‐'´　 l　 ',
　　　　　　　　　 ヽ-'´　　　　　　　　　　　　　　　　 ヽ､ﾉ

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　　　　　　　　　　　　 /.:.／.:.:.:.:,'⌒i!⌒ヽ:.:.:ﾍxxxxxxxxxxxxxxxxxxx',',
　　　　　　　　　　-=彡´.:.:.:.:.:.:.:/´｀~＾i:.:.:.:.:i从xxxxxxxxxxxxxxxxxxxi !
　　　　　　　　　　〃/／.:.:.／/　　　,ﾉノ|:.:i:.:.八xxxxxxxxxxxxxxxxxxi !　　　　　　　　　フカシこくな！
　　　　　　　　 -=≠彡'／:／ヽ　　　 ィ八:.:.:.i　＼＼xxxxxxxxxxxxxi !r ､　　　　　　　　なにがビゲン早染めだ！
　　　　　　　　　　　 i＼≦. 弋ﾊ` , .ｲチ 从:.ﾊ　　 ＞ 　xxxxxxxx／八つ
　　　　　　　　　　 _｣: : :＼i ´　　 i　　 ノﾊ八　　　　　　＞r‐ｭ／　　　 ',っ　　　　　　　 「元年春王正月」って、
　　　　　　　　　,〃: : ＼: ∧　 ._｀´_.　〃＞　　　　　　　　.i　 ¨＞､　／㍉　　　　　　　　 単に最初の年の正月って
　　　　　　　　/: : : : : //77rゝ,　　 ／∠|　　　　　　　 　 ﾉ　　 /　 〉＼/ハ､　　　　　　 　 いってるだけじゃねーか！
　　　　　　　/: : : : :／: :｀＼///77ヽ/: : :i　　　　　　 ＞ '　　　　／　　｀ /ハ　r-i
　　　　　　./: : : : :/: : : : : : :｀＜///ハ: : |　　＞　´　　　　　＜~　　　　　｀/ﾊ/　.i¨
　　　　　 ./: : : : : |: : : : : : : : : : : :｀: ﾏﾑ､f¨~　　　　　　＜　　　　　　　　　　ri　 /
　　　　　/: : : : : : :i: : : : : : : : : : : : : :二//7ヽ　　,　＜　　　　　　　　　　　　i
　　　　 /＞､: : : : :',: : : : : : : : : : : : : : : : : :寸/ハ､　　　　　　　　　　　__ .-亠
　　　　/　　　＞､: :ヽ: : : : : : : : : : : : : : : : : : : :寸///7--‐‐‐------ヽ
　　　 .i　　　　　　　＞､: : : : : : : : : : : : : : : : : : : :｀／　　　　　　　　　　i
　　　 i　　　　　　　　　　 ￣￣¨~~＞､: : : : : : : ／　　　　　　　　 _ , -‐'
　　　 i＿　　　　　　: . : . : . : . : .　　　／|￣ヽｨ　ミ __ ,　--‐‐ﾞﾞ¨
　　　 .〉: : ‐‐‐‐---ﾆﾆﾆ三ﾆ--‐‐ ／ﾆ〉i
　　　/. : : :〃: : : : : : : : : : : : : : ／三〈: /
　　　７: : :／. : : : : : : : : : : : イ三三ﾆi/
　　　 〉／. : : : : : : : : : : :イ三三三三i!


　　　　　　,､-‐､,-''"´｀`''"´｀`‐-‐''"´´´｀`‐-､ 　　　　　　　　　　　　 いえいえ、そこがシロウトの
　　　　　 ,'　　　　　　　　　　　　 　 　　　　　　｀`''"´ヽ　　　　　　　　　赤坂三丁目でございます
　　 ,､-‐‐-､　　　　　　　　　　　　　　　　　　 　 　　　 ）
　 /　　　　　､　,､　　　　　　 ,､-''"´｀`‐､　　　　　　　 く　　　　 　 　 　元年とは魯の隠公の元年のことでございます
　 i　　/⌒　 ',｀　｀‐'´ヽ_ノゝ　　 ＿　　 ヽ 　 　 　 　 　 ヽ
　 ',　 ', 　　　 ', ●　　● /　　'´　 ヽ　　 ', 　 　 　 　　　 '.,　　　　　　　『春秋』には君主が即位したときには
　　ヽ､_ゝ　（.　',　　　　　/　　　,､　　）　 ﾉ 　 　 　 　　　 ﾉ　　　　　　　　「即位」の二文字を書くのが通例でございます
　　　　　　（　　ヽ　　 ／　　　 ', ｀"´　／　　　　　　　　 .）
　　　　　　 （　　　｀"´　　　 　　｀` "´　　　　　　　　　　　）＿　　　　　　　しかるにここではあえて書かなかった
　　　　　　　 7┐　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　r 　 　.)
　　　　　　　L__ヽ､＿_,､　　　　　,､　　　　　　　　r‐i- '´￣￣　　　　　　　 これこそ微言大義！
　　　　　　　　　　/　 / ｀`‐-‐'"　 ヽ､＿___,､-‐'´　 l　 ',　　　　　　　　　　 ここにこそ聖人の言わんとする意図が
　　　　　　　　　 ヽ-'´　　　　　　　　　　　　　　　　 ヽ､ﾉ　　　　　　　　　　 かくされているのでございます！

　　　　　　//:/.:.:.:.:.:.／:.／:.:.:.:./:/　　　　　　　　i:.:l;.:i､:.:.ヽ;.:.:ヽ
　　　　　 //;/:.:.:.:.／,:イ:.:.:.:i:.:.:i.:il　　　　　　　　　i:.|i:.|:.:､.:.:i!:.:.:i',
　　　　　i,:':/:,:.‐''";:'":.:／:/:l.://i:|　　　　　　　　　l:i:|;:l:i.:i.:.:.i:.:.:i:li
　　　　　|:,;.:.:‐''":.／:.'.:／/:i/i:.l'i:.i　　　　　　　　　i'i|'i:l.:.i:.i:.:.l:.|:|:|
　　　　,..ﾒ:.:./:.r''"i:／ｲ:.:/:.:ﾑ/_| i:l　　　　　　　　 i!,.l-'i:.'､';.i:.:i:|:|.!
　　　　　 |:/:ﾒ, ‐i;|::i:|:.i/://_/,,,｀`ﾒ､,,　　　　 ,, -ﾆ,,,,上_i';:ヾ;':,i:|:i!
　　　　'''"ﾚ'ﾅ／l:.l:.|:iノ''ヽ, ヽﾟ;:ノ'ヽ　　　　　　 'ベﾟ;:ノ　'ﾞ 〉ヽ`､/、　　　　　　　聖人の言わんとする意図、ねえ
　　　　　　ﾘ'|　{ﾞ,i|.:|.il,　　 `'-一''　　　　　i′　'''‐-‐'ﾞ　 √ |:'ﾘ`
　 　 　 　 　 i,　r;;';| !　　　　 ・　　　　　　|::'. 　 　 　 　 ,'`'ﾞ/''
　　　　　　 　 i:､ ､_'　　　　　　　　　　　　|: ' 　 　 　 　,'ﾉ./
　　　　　　　　ﾘ'＼ ヽ, 　 　 　 　　　　　　　　　　　　 /''"
　　　　　　　　　　ﾙ｢ﾄ、 　　　　　　　 -､ ,:　　　　　 /
　 　 　 　 　　　　　　| ヽ　　　　　　　　--..,,,_　　　, '
　 　 　 　　　 　　　　l_,,..ゝ-､　　￣￣￣　　　　 , '
　　　　　　　　　,. ‐''";;;;;;;;;;;;;;ﾄ、　　 `''''''''" 　 ,.ｲ　　　　＿＿＿
　　　　　 ,,. ‐''";;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;lｽ:＼　　　　　 ／ i,.. -‐''";;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;ヽ


　　　　　　,､-‐､,-''"´｀`''"´｀`‐-‐''"´´´｀`‐-､　　　　　　　　　　　　　　　　　かつて魯の恵公には隠公と桓公、
　　　　　 ,'　　　　　　　　　　　　 　 　　　　　　｀`''"´ヽ　　　　　　　　　　　　　ふたりの息子がいました
　　 ,､-‐‐-､　　　　　　　　　　　　　　　　　　 　 　　　 ）　　　　　　　　　　　　　恵公は生前、桓公に国をゆずろうとし、
　 /　　　　　､　,､　　　　　　 ,､-''"´｀`‐､　　　　　　　 く　　　　　　　　　　　　　 隠公もまた弟の桓公に国をゆずろうとしました
　 i　　/⌒　 ',｀　｀‐'´ヽ_ノゝ　　 ＿　　 ヽ 　 　 　 　 　 ヽ
　 ',　 ', 　　　 ', ●　　● /　　'´　 ヽ　　 ', 　 　 　 　　　 ',　　　　　　　　　　　 それは残念ながら成されませんでしたが、
　　ヽ､_ゝ　（.　',　　　　　/　　　,､　　）　 ﾉ 　 　 　 　　　 ﾉ　　　　　　　　　　　　大事なのは結果ではなく動機です
　　　　　　（　　ヽ　　 ／　　　 ', ｀"´　／　　　　　　　　 .）
　　　　　　 （　　　｀"´　　　 　　｀` "´　　　　　　　　　　　）＿　　　　　　　　　　国をゆずろうとする黄金の精神！
　　　　　　　 7┐　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　r 　 　)
　　　　　　　L__ヽ､＿_,､　　　　　,､　　　　　　　　r‐i- '´￣￣　　　　　　　　　　　それをこそ聖人は尊び、
　　　　　　　　　　/　 / ｀`‐-‐'"　 ヽ､＿___,､-‐'´　 l　 ',　　　　　　　　　　　　　　その意図を微言大義にこめたのです
　　　　　　　　　 ヽ-'´　　　　　　　　　　　　　　　　 ヽ､ﾉ

　　　　　　//:/.:.:.:.:.:.／:.／:.:.:.:./:/　　　　　　　　i:.:l;.:i､:.:.ヽ;.:.:ヽ
　　　　　 //;/:.:.:.:.／,:イ:.:.:.:i:.:.:i.:il　　　　　　　　　i:.|i:.|:.:､.:.:i!:.:.:i',
　　　　　i,:':/:,:.‐''";:'":.:／:/:l.://i:|　　　　　　　　　l:i:|;:l:i.:i.:.:.i:.:.:i:li
　　　　　|:,;.:.:‐''":.／:.'.:／/:i/i:.l'i:.i　　　　　　　　　i'i|'i:l.:.i:.i:.:.l:.|:|:|　　　　（父上が斉王家の頭ごしに即位したことの
　　　　,..ﾒ:.:./:.r''"i:／ｲ:.:/:.:ﾑ/_| i:l　　　　　　　　 i!,.l-'i:.'､';.i:.:i:|:|.!　　　　　正当化にはつかえるな……）
　　　　　 |:/:ﾒ, ‐i;|::i:|:.i/://_/,,,｀`ﾒ､,,　　　　 ,, -ﾆ,,,,上_i';:ヾ;':,i:|:i!
　　　　'''"ﾚ'ﾅ／l:.l:.|:iノ''ヽ, ヽﾟ;:ノ'ヽ　　　　　　 'ベﾟ;:ノ　'ﾞ 〉ヽ`､/、
　　　　　　ﾘ'|　{ﾞ,i|.:|.il,　　 `'-一''　　　　　i′　'''‐-‐'ﾞ　 √ |:'ﾘ`　　　　　しかし待ちな、
　 　 　 　 　 i,　r;;';| !　　　　 ・　　　　　　|::'. 　 　 　 　 ,'`'ﾞ/''　　　　　　　たしか定公と隠公とが桓公に国をゆずろうとしたのは
　　　　　　 　 i:､ ､_'　　　　　　　　　　　　|: ' 　 　 　 　,'ﾉ./　　　　　　　　　弟のほうが母親の位が高かったからだろ？
　　　　　　　　ﾘ'＼ ヽ, 　 　 　 　　　　　　　　　　　　 /''"
　　　　　　　　　　ﾙ｢ﾄ、 　　　　　　　 -､ ,:　　　　　 /　　　　　　　　　　　俺さまの婆さま（薄氏）と斉王家の曹氏とは
　 　 　 　 　　　　　　| ヽ　　　　　　　　--..,,,_　　　, '　　　　　　　　　　　　 どっちも高祖皇帝の側室だが、
　 　 　 　　　 　　　　l_,,..ゝ-､　　￣￣￣　　　　 , '　　　　　　　　　　　　　　どっちかというと曹氏のほうが位は高いぜ
　　　　　　　　　,. ‐''";;;;;;;;;;;;;;ﾄ、　　 `''''''''" 　 ,.ｲ　　　　＿＿＿
　　　　　 ,,. ‐''";;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;lｽ:＼　　　　　 ／ i,.. -‐''";;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;ヽ　　　　 そこらへんはどうなんだ、公羊学的に


　　　　　　,､-‐､,-''"´｀`''"´｀`‐-‐''"´´´｀`‐-､
　　　　　 ,'　　　　　　　　　　　　 　 　　　　　　｀`''"´ヽ
　　 ,､-‐‐-､　　　　　　　　　　　　　　　　　　 　 　　　 ）
　 /　　　　　､　,､　　　　　　 ,､-''"´｀`‐､　　　　　　　 く
　 i　　/⌒　 ',｀　｀‐'´ヽ_ノゝ　　 ＿　　 ヽ 　 　 　 　 　 ヽ 　 　 　 　 　 　 　 むろんぬかりはございません！
　 ',　 ', 　　　 ', ●　　● /　　'´　 ヽ　　 ', 　 　 　 　　　 ',
　　ヽ､_ゝ　（.　',　　　　　/　　　,､　　）　 ﾉ 　 　 　 　　　 ﾉ　　　　　　　　　　　「子は母を以て貴く、母は子を以て貴し」！
　　　　　　（　　ヽ　　 ／　　　 ', ｀"´　／　　　　　　　　 .）
　　　　　　 （　　　｀"´　　　 　　｀` "´　　　　　　　　　　　）＿　　　　　　　　　　これが春秋の義でございます！
　　　　　　　 7┐　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　r 　 　)
　　　　　　　L__ヽ､＿_,､　　　　　,､　　　　　　　　r‐i- '´￣￣
　　　　　　　　　　/　 / ｀`‐-‐'"　 ヽ､＿___,､-‐'´　 l　 ',
　　　　　　　　　 ヽ-'´　　　　　　　　　　　　　　　　 ヽ､ﾉ

>>839
薄氏って魏の王室の出で、家柄“だけ”は一番高貴じゃなかったっけ
もう魏王家が滅亡してるから外戚はいないし色々都合がよかったはず

　　　　　　　　　　　　　　　（　　　　　　　／／xxxxxxxxx＼＼
　　　　　　　　　　　　　　　　ヾ､___　　　/ /xxxxxxxxxxxxxxxヾ､､
　　　　　　　　　　　　　　＞:.¨￣:.:.｀i⌒｀ヽxxxxxxxxxxxxxxxxxxxヾ
　　　　　　　　　　　　　.〃.:.:.:.:.:.:.〃i!=:.:.:.:.:ヾxxxxxxxxxxxxxxxxxxヾ
　　　　　　　　　　　　 /.:.／.:.:.:.:,'⌒i!⌒ヽ:.:.:ﾍxxxxxxxxxxxxxxxxxxx',',
　　　　　　　　　　-=彡´.:.:.:.:.:.:.:/´｀~＾i:.:.:.:.:i从xxxxxxxxxxxxxxxxxxxi !
　　　　　　　　　　〃/／.:.:.／/　　　,ﾉノ|:.:i:.:.八xxxxxxxxxxxxxxxxxxi !
　　　　　　　　 -=≠彡'／:／ヽ　　　 ィ八:.:.:.i　＼＼xxxxxxxxxxxxxi !r ､　　　　　　あーん？
　　　　　　　　　　　 i＼≦. 弋ﾊ` , .ｲチ 从:.ﾊ　　 ＞ 　xxxxxxxx／八つ
　　　　　　　　　　 _｣: : :＼i ´　　 i　　 ノﾊ八　　　　　　＞r‐ｭ／　　　 ',っ　　　　　　「子は母を以て貴く、母は子を以て貴し」？
　　　　　　　　　,〃: : ＼: ∧　 ._｀´_.　〃＞　　　　　　　　.i　 ¨＞､　／㍉
　　　　　　　　/: : : : : //77rゝ,　　 ／∠|　　　　　　　 　 ﾉ　　 /　 〉＼/ハ､　　　　　　なんだそのトートロジーは
　　　　　　　/: : : : :／: :｀＼///77ヽ/: : :i　　　　　　 ＞ '　　　　／　　｀ /ハ　r-i
　　　　　　./: : : : :/: : : : : : :｀＜///ハ: : |　　＞　´　　　　　＜~　　　　　｀/ﾊ/　.i¨
　　　　　 ./: : : : : |: : : : : : : : : : : :｀: ﾏﾑ､f¨~　　　　　　＜　　　　　　　　　　ri　 /
　　　　　/: : : : : : :i: : : : : : : : : : : : : :二//7ヽ　　,　＜　　　　　　　　　　　　i
　　　　 /＞､: : : : :',: : : : : : : : : : : : : : : : : :寸/ハ､　　　　　　　　　　　__ .-亠
　　　　/　　　＞､: :ヽ: : : : : : : : : : : : : : : : : : : :寸///7--‐‐‐------ヽ
　　　 .i　　　　　　　＞､: : : : : : : : : : : : : : : : : : : :｀／　　　　　　　　　　i
　　　 i　　　　　　　　　　 ￣￣¨~~＞､: : : : : : : ／　　　　　　　　 _ , -‐'
　　　 i＿　　　　　　: . : . : . : . : .　　　／|￣ヽｨ　ミ __ ,　--‐‐ﾞﾞ¨
　　　 .〉: : ‐‐‐‐---ﾆﾆﾆ三ﾆ--‐‐ ／ﾆ〉i
　　　/. : : :〃: : : : : : : : : : : : : : ／三〈: /
　　　７: : :／. : : : : : : : : : : : イ三三ﾆi/
　　　 〉／. : : : : : : : : : : :イ三三三三i!

　　　　　　,､-‐､,-''"´｀`''"´｀`‐-‐''"´´´｀`‐-､
　　　　　 ,'　　　　　　　　　　　　 　 　　　　　　｀`''"´ヽ
　　 ,､-‐‐-､　　　　　　　　　　　　　　　　　　 　 　　　 ） 　 　 　 　 　正室の子であればその子が立ち、
　 /　　　　　､　,､　　　　　　 ,､-''"´｀`‐､　　　　　　　 く　　　　　　　　側室の子が何人かいれば、
　 i　　/⌒　 ',｀　｀‐'´ヽ_ノゝ　　 ＿　　 ヽ 　 　 　 　 　 ヽ.　　　　　　　側室としての母の地位が高い子が立つ
　 ',　 ', 　　　 ', ●　　● /　　'´　 ヽ　　 ', 　 　 　 　　　 ',
　　ヽ､_ゝ　（.　',　　　　　/　　　,､　　）　 ﾉ 　 　 　 　　　 ﾉ　　　　　　　これが「子は母を以て貴し」でございます
　　　　　　（　　ヽ　　 ／　　　 ', ｀"´　／　　　　　　　　 .）
　　　　　　 （　　　｀"´　　　 　　｀` "´　　　　　　　　　　　）＿
　　　　　　　 7┐　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　r 　 　)　　　　　そして子の地位が高ければ
　　　　　　　L__ヽ､＿_,､　　　　　,､　　　　　　　　r‐i- '´￣￣　　　　　　 その生母の地位もまた高くなる
　　　　　　　　　　/　 / ｀`‐-‐'"　 ヽ､＿___,､-‐'´　 l　 ',
　　　　　　　　　 ヽ-'´　　　　　　　　　　　　　　　　 ヽ､ﾉ　　　　　　　　　これが「母は子を以て貴し」でございます


　　　　　　//:/.:.:.:.:.:.／:.／:.:.:.:./:/　　　　　　　　i:.:l;.:i､:.:.ヽ;.:.:ヽ
　　　　　 //;/:.:.:.:.／,:イ:.:.:.:i:.:.:i.:il　　　　　　　　　i:.|i:.|:.:､.:.:i!:.:.:i',
　　　　　i,:':/:,:.‐''";:'":.:／:/:l.://i:|　　　　　　　　　l:i:|;:l:i.:i.:.:.i:.:.:i:li
　　　　　|:,;.:.:‐''":.／:.'.:／/:i/i:.l'i:.i　　　　　　　　　i'i|'i:l.:.i:.i:.:.l:.|:|:|
　　　　,..ﾒ:.:./:.r''"i:／ｲ:.:/:.:ﾑ/_| i:l　　　　　　　　 i!,.l-'i:.'､';.i:.:i:|:|.!
　　　　　 |:/:ﾒ, ‐i;|::i:|:.i/://_/,,,｀`ﾒ､,,　　　　 ,, -ﾆ,,,,上_i';:ヾ;':,i:|:i!　　　　　　いやちょっと待てよ
　　　　'''"ﾚ'ﾅ／l:.l:.|:iノ''ヽ, ヽﾟ;:ノ'ヽ　　　　　　 'ベﾟ;:ノ　'ﾞ 〉ヽ`､/、
　　　　　　ﾘ'|　{ﾞ,i|.:|.il,　　 `'-一''　　　　　i′　'''‐-‐'ﾞ　 √ |:'ﾘ`　　　　　　　「子は母を以て貴し」ってのはわかる
　 　 　 　 　 i,　r;;';| !　　　　 ・　　　　　　|::'. 　 　 　 　 ,'`'ﾞ/''　　　　　　　　　 『春秋』の経文にも合致する、としとこう
　　　　　　 　 i:､ ､_'　　　　　　　　　　　　|: ' 　 　 　 　,'ﾉ./
　　　　　　　　ﾘ'＼ ヽ, 　 　 　 　　　　　　　　　　　　 /''"　　　　　　　　　　　　けど「母は子を以て貴し」ってのはムチャだぜ
　　　　　　　　　　ﾙ｢ﾄ、 　　　　　　　 -､ ,:　　　　　 /　　　　　　　　　　　　　　 隠公と桓公の譲国話からは
　 　 　 　 　　　　　　| ヽ　　　　　　　　--..,,,_　　　, '　　　　　　　　　　　　　　　　どうやったって導かれやしねー
　 　 　 　　　 　　　　l_,,..ゝ-､　　￣￣￣　　　　 , '
　　　　　　　　　,. ‐''";;;;;;;;;;;;;;ﾄ、　　 `''''''''" 　 ,.ｲ　　　　＿＿＿　　　　　　　　　オメーら公羊学派の勝手なつけたしじゃねーか
　　　　　 ,,. ‐''";;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;lｽ:＼　　　　　 ／ i,.. -‐''";;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;ヽ

　　　　　　,､-‐､,-''"´｀`''"´｀`‐-‐''"´´´｀`‐-､
　　　　　 ,'　　　　　　　　　　　　 　 　　　　　　｀`''"´ヽ
　　 ,､-‐‐-､　　　　　　　　　　　　　　　　　　 　 　　　 ）
　 /　　　　　､　,､　　　　　　 ,､-''"´｀`‐､　　　　　　　 く
　 i　　/⌒　 ',｀　｀‐'´ヽ_ノゝ　　 ＿　　 ヽ 　 　 　 　 　 ヽ 　 　 　 　 　 ゲヘヘヘヘ、そこはそれ、
　 ',　 ', 　　　 ', ●　　● /　　'´　 ヽ　　 ', 　 　 　 　　　 ',　　　　　　　　魚心あれば水心でゲス
　　ヽ､_ゝ　（.　',　　　　　/　　　,､　　）　 ﾉ 　 　 　 　　　 ﾉ
　　　　　　（　　ヽ　　 ／　　　 ', ｀"´　／　　　　　　　　 .）　　　　　　　　陛下と孝文皇帝にとっては
　　　　　　 （　　　｀"´　　　 　　｀` "´　　　　　　　　　　　）＿　　　　　　 「母は子を以て貴し」こそ
　　　　　　　 7┐　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　r 　 　)　　　　　　　なににもまして必要な義例でゲしょう？
　　　　　　　L__ヽ､＿_,､　　　　　,､　　　　　　　　r‐i- '´￣￣
　　　　　　　　　　/　 / ｀`‐-‐'"　 ヽ､＿___,､-‐'´　 l　 ',
　　　　　　　　　 ヽ-'´　　　　　　　　　　　　　　　　 ヽ､ﾉ


　　　　　　//:/.:.:.:.:.:.／:.／:.:.:.:./:/　　　　　　　　i:.:l;.:i､:.:.ヽ;.:.:ヽ
　　　　　 //;/:.:.:.:.／,:イ:.:.:.:i:.:.:i.:il　　　　　　　　　i:.|i:.|:.:､.:.:i!:.:.:i',
　　　　　i,:':/:,:.‐''";:'":.:／:/:l.://i:|　　　　　　　　　l:i:|;:l:i.:i.:.:.i:.:.:i:li
　　　　　|:,;.:.:‐''":.／:.'.:／/:i/i:.l'i:.i　　　　　　　　　i'i|'i:l.:.i:.i:.:.l:.|:|:|
　　　　,..ﾒ:.:./:.r''"i:／ｲ:.:/:.:ﾑ/_| i:l　　　　　　　　 i!,.l-'i:.'､';.i:.:i:|:|.!
　　　　　 |:/:ﾒ, ‐i;|::i:|:.i/://_/,,,｀`ﾒ､,,　　　　 ,, -ﾆ,,,,上_i';:ヾ;':,i:|:i!
　　　　'''"ﾚ'ﾅ／l:.l:.|:iノ''ヽ, ヽﾟ;:ノ'ヽ　　　　　　 'ベﾟ;:ノ　'ﾞ 〉ヽ`､/、
　　　　　　ﾘ'|　{ﾞ,i|.:|.il,　　 `'-一''　　　　　i′　'''‐-‐'ﾞ　 √ |:'ﾘ`
　 　 　 　 　 i,　r;;';| !　　　　 ・　　　　　　|::'. 　 　 　 　 ,'`'ﾞ/''　　　　　　　　フン、ヌケヌケと言いやがる……
　　　　　　 　 i:､ ､_'　　　　　　　　　　　　|: ' 　 　 　 　,'ﾉ./
　　　　　　　　ﾘ'＼ ヽ, 　 　 　 　　　　　　　　　　　　 /''"
　　　　　　　　　　ﾙ｢ﾄ、 　　　　　　　 -､ ,:　　　　　 /
　 　 　 　 　　　　　　| ヽ　　　　　　　　--..,,,_　　　, '
　 　 　 　　　 　　　　l_,,..ゝ-､　　￣￣￣　　　　 , '
　　　　　　　　　,. ‐''";;;;;;;;;;;;;;ﾄ、　　 `''''''''" 　 ,.ｲ　　　　＿＿＿
　　　　　 ,,. ‐''";;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;lｽ:＼　　　　　 ／ i,.. -‐''";;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;ヽ

　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 ,
　　　　　　　　　　　　　　　　　_,､､､r- '~ i
　　　　　　　　　 __,､､､r-‐'"~^　　　　　　i
　　　　　　　　　 i　　　　 　 　 　 　 　 　 i
　　　　　　　　　 i　　　　　 　　　 　　　　 i
　　　　　　　　　 i　　　　　　　　　　　　　 !
　　　　　　　　　 !　　　　　 , ｸ　　　　　　 !
　　　　 　　　　　!　　　　／/　　 　 _,､r '~　　　＿___
　　　　 　　　 　 !__,､､／ /,､r,‐' "~　　 _,､r ' ~::::::::::::::｀ r ─ヽ､
　　　　 　　　　　　／　 ﾑ'　/　　　　／:::::::::::::::::::::::::::::ヽr::::::::::::::ヽ､
　　　　 　　　　　r　　／　/　　 　 ,r'::::::::::::i::::::::::::::::::::::::ヽr:::::::::::::::::::ヽ
　　　　 　 　 　 /　 /　 -‐'^￣＼/::::::::::::i:::::::::::::,r':::,r'＼ッ､ヽ:::::::i:::::::::｀､
　　　　　　 　 ./　 /　　　‐─ﾍ　/:::::::::::i::::::::::::::ｲ::/　　　 　i::i::::::::::i:::::::::::!
　　　　　　　 /　 ,　　　　　 ,ﾍ　!:::::::::::::イ::::::::,r' i:i　　 　 　 i::i!::::::::::i:::::::::!
　　　　　　 ./　　　　　　　/　 ヽ､:::::::,r':::!::::∠ヽ､!　　　　　 ! i::::i::::::i:::::i::!
　　　　 　 /　　　　　　　/　　 ﾉ::::,r':::::::ﾉ!::入ﾃﾝ､ト､　　 ,＿,､i::i!::::::i::::::i!:!
　　　　　 /　　　　　　／　　　　,r'::| ^,|/ !:/ ー‐ ｀　　,r' ,ィテヽi!::::i:,r' ヽ ヽ
　　　　　 |　　　　　／　　　　　　 ﾘ､,r'　!/･ 　　　　　i　　｀ﾆ~ "i::i〈
　　　　　.|　　 r'　r'　　　　　　 　ﾉ　ヽ　' 　 　　　　　i　　　 　 / |i　`
　　　　　|　　 ;:.　 | 　 　 　 　　　　　 iヽ　　　　　 ｀ '　　　　 ./,r' ヽ　　　　　　　　　　　　ヌケヌケだぜ！！
　　　　　|　　 ;:.　 |　　　　　　　　　　i::|ヽ　　｀ ‐-ﾆ､_　 　 ／｀
　　　 　 |　　 ;::.　 |　　　　　 　 　 　 /ｲ. ヽ　　 ｀　　　　／/
　　　　 .|　　 ;　　 | 　 　 　 　 　 　 '　 |　　＼　　 　 ／ / !
　　　　 |　　　　　 |　　　　　　　　　　 ﾉ　　　::｀ － '::;　/
　　　　 |　　　　　 |　　　　　　へ､　 ノ　　　　 　::::::::;　 |　 ._
　 　 　 |　　　　　 .|,　 - ‐　ヽ　　｀ヽ 、_　　　　　 ::;　　（ ノ ＼
　　　　.|　　　　　　| 　　　　　ヽ　　　　　 ~^' ‐､.　;　　 ／　　　>ヽ､
　　　　|　　　　　　 |　　　 　 　ヽ､　　　　　 　 ﾍ＼　 ノ／ヽ　　i　　^ヽ､,
　　 　 |;　　　　　　 |　　　　　　　＼　　　　 ./ ミヽ;;;;-‐イ彡ヽ　i　　　　　 ^ヽ､
　　　 .|;:　　 　 　 　 |　　　　　　　　＼　　 / 　 　 ｀|;;;;;;;;ヽ　 |　!　　　　　　　　~ヽ､

╋━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━╋

　　　かくして『公羊春秋』は
　　　「子は母を以て貴く、母は子を以て貴し」の義例を用意することで
　　　帝位継承の補強材料となった

　　　また『公羊春秋』は
　　　諸侯に対して絶対的な王の地位を主張するものであった

　　　皇帝は自分の帝位を補強してくれる公羊学派に目をかけ、
　　　公羊学派は自分たちを引きたててくれる皇帝をもちあげた

　　　両者は俗に言うWin-Win関係となり、
　　　公羊学派、ひいては儒者は
　　　しだいに漢王朝におのれの地歩をかためていった

╋━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━╋

　　 /::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::＼　　　 ずっと後の話になるが、
　　 l::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::＼　　俺がアニキ（劉彊）にかわって皇太子に立てられたときの
　　|::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::ｌ　　 詔勅の開口一番が
　 .l:::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::!
　　l::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::/-､::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::!　　 「春秋の義、子を立つるに貴を以てす」
　　.ヽ::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::／　＼./／lﾆ''|':::::::::::＿:::::::::::::::.|
　　 . l::::::::::::::::::::::::::|ヽ:::::::::／::／　　　 ./　　|./ │::.／　 ﾞ',:::::::::./ ∧　　だった
　　 ./::::::::::::::::::::::::::::| ヽ::::/:／　　 　 ノo｝ // 　l::::./ /r､! .!:::::./ ノ::::i　　 このばあいの春秋の義は言うまでもなく
　　ﾌ:::::::::::::::::::::::::::::::ｌ　(.orヽ、　'-　　━━"　/::::.l　　ゝ /:::::::ｰ'::::::/　　　『公羊春秋』の「子は母を以て貴し」だな
　ヽ::::::::::::::::::::::::::::.! ｀━'ｰｯ′　　 　　　　　　/:::::::＼＿ノ:::::::::::::／!
　　＼.--―'''ﾞﾞ＼:::ヽ　　 r　　　　　　 　　､ノ::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::/_　　　　 俺の立太子の二年まえに
　　　　　　　　　 ｌ::::::ｌ　　 ｀　 　__＿ノ　　　 ﾐ;::::::::::::::::::::::::::::::::ｰ'":/　　　　　俺のおふくろ（陰麗華）が
　　　　　　　　　 ヽ::::ｌ、　 ￣￣ 　 　 　 　 　　ﾐ;;;;;;;;ﾊト::::::::::::::::／　　　　　　オヤジの正妻（郭聖通）にとってかわったんだ
　　　　　　 　 　 　 　 ＼ 　 　 　 　 　 　 　｀フ　　　　ﾞ:::::::::::／
　　　　　　　　　　　　　　＼　　　　　　 ／　 　　　　　 |-、　　　　　　　　　このあと公羊学派は白虎観会議とかをへて
　　　　　　　　　　　　 ,,／　＼＿r‐'"　　　 ."　　　　　 ! .`L　　　　 　 　 　 東漢一代の思想界のメインストリームになった
　　　 　 　 　 　 　 ,r'"　　　!　ゝ　　　　 　 　 　 　 　　ヽ　.＼
　　　　　　　　 : ,,ﾉ./ 　　　 |　　　　　　　　 ,..　　　　　　/ 　　ｌ、　　　　　　 権力との癒着バンザイだね
＿＿＿＿―ｰ"゛::::＼　　 ./ 　　　　　　 '"゛　　　　　 /´,, ‐":::::ﾞ'''ｰ-＿
　 ┏━　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　━┓
┏┛|￣　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 　 　 　 　 ￣|┗┓
　 　 　 劉荘（もとの名は陽）

　 　 　 漢の明帝

　 　 　 光武帝の子、章帝の父
┗┓|＿　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 　 　 　 　 ＿|┏┛
　 ┗━　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　━┛

╋━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━╋

　　　「母は子を以て貴し」の義例は
　　　文帝・景帝そして武帝の生母を正統化した

　　　史書には明記されていないが、
　　　昭帝が母の趙婕に皇太后の位を追贈したのも
　　　『公羊春秋』の義例があってのことと思われる

　　　そして『公羊春秋は』
　　　昌邑王を廃する論拠も提出した

　　　宣帝以前まで、
　　　『公羊春秋』はずっと漢の皇帝の正統化の論拠となりつづけた

╋━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━╋

　　　　　　,､-‐､,-''"´｀`''"´｀`‐-‐''"´´´｀`‐-､
　　　　　 ,'　　　　　　　　　　　　 　 　　　　　　｀`''"´ヽ
　　 ,､-‐‐-､　　　　　　　　　　　　　　　　　　 　 　　　 ）
　 /　　　　　､　,､　　　　　　 ,､-''"´｀`‐､　　　　　　　 く
　 i　　/⌒　 ',｀　｀‐'´ヽ_ノゝ　　 ＿　　 ヽ 　 　 　 　 　 ヽ 　 　 　 　 　 ゲヘヘヘヘ
　 ',　 ', 　　　 ', ●　　● /　　'´　 ヽ　　 ', 　 　 　 　　　 ',
　　ヽ､_ゝ　（.　',　　　　　/　　　,､　　）　 ﾉ 　 　 　 　　　 ﾉ
　　　　　　（　　ヽ　　 ／　　　 ', ｀"´　／　　　　　　　　 .）
　　　　　　 （　　　｀"´　　　 　　｀` "´　　　　　　　　　　　）＿
　　　　　　　 7┐　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　r 　 　)
　　　　　　　L__ヽ､＿_,､　　　　　,､　　　　　　　　r‐i- '´￣￣
　　　　　　　　　　/　 / ｀`‐-‐'"　 ヽ､＿___,､-‐'´　 l　 ',
　　　　　　　　　 ヽ-'´　　　　　　　　　　　　　　　　 ヽ､ﾉ

╋━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━╋

　　　だが、しかし！

╋━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━╋

　　　　　　　　　　　　　　　 　 　 　 _,._
　　　　　　　　　　　　　　,--､..,r'''ヽ. !　 ヽ、
　　　　　　 　 _,.. -.､ r‐''"　　_人.　ヽヽ、. ヽ
　　　　 　 i''´　 _,...ｨ ヽ,-‐'　　 ｀)!　 `'"ヽ　 ヽ
.　　　　 　 ,ゝ'"　　 ｀ヾ､..-ｭ　 'ｰ､ヽ. 　 ,!ヽ.ノ
　　　　 　 ヽ...- '"ヽ　 l/´rっ　,､..ﾉ `ｰ'´　_
　　　　　　　　r''"´　ノ ヽ--‐'´ 　 　 ┼ﾆ/ﾆ
　　　　　　　　ヽ‐''´-‐'　,r'ヽ、- 、　./l`７ｴヾ
　　　　　　　,. r'''ヽ 　 　 ! 　 ヽ　 ｀ヽ. l ｰ┼‐
.　　　 　 ,r'´　! 　 `　　　　　 　 　 　 ヽ
　　　　 /　 　 　 ＿ 　　,r'´￣｀ヽ、　__,.ヽ
　　　　,!　 　 ,r'´ 　 ｀ヽ.!　　　　　l'´　_,.　i
　　 　 !　　　l.　　　　,..､!､i'ヽ　　 / "´　　.!　　　　　　　駄菓子菓子！
.　　　 l _,. - ﾍ　　　 l､ ﾉ,.ﾆ､'--ﾆ'"´｀ヽ　 !
　 　　 l　 ,,rr' ` _ｰ__''´__二. -'´ 　 　　.!　!
　　　　ヽ.　　r'´　　 　 　 　 ,r ''''' ヽ､_/ /
　　 　　 ヽ　 !　　　,r'´￣` く　　 　.／r'
　　　　　　ヽ ヽ､_/　　　　　　_,..- '／!,､〉 ､
　　　　　　 　 7ｰ､二_ｰ_‐,...´-‐'7/　 'Vく.r へ
　　　 　 　 　 l　　,､..r、 ヾ=､r'´｀く,.-r'l'´)-l‐'!1
　　　　　　 　 l　!`,r''´r'_ﾆ!ヽ''"i !´...r''´Y-'r'' ´
　　　　　　　　ヽ' i 　 ()､,!-l''l''"´l!　 ! 　 _ノ

::::::::::::::::::::::::::::::::｀ヽ、
::......::::::::::::::::::::::::::::::::::ヽ、
::::::::::::::::::::....::::::::::::::::::::::｀ヽ、
'::‐--::,_:::::::::::::::::.....::::::::::::::::::ヽ、　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 　 /!
￣｀ ‐-::::￣｀' - .,_::::::::::::..:::::::::::へ、　　　　　　　　　　 　 ＿_,.　　　/! 　 /! l
::::::::::::::::::::::::::::::.......｀' - .,_:::::::...::::::::::ヽ、　　　 ＿_,. -‐_'"_,. /　 　 /てソ: :l　l、　/!
:::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::｀' - _::::::..::::::ヽ、　 ト-‐''""::::/ /　 ﾊt/::｀"::::::::l:::::lｰ/::l
"￣￣￣￣￣￣｀'::‐-:::.,_:::::::::::..｀ヽ:、:::.::::＼ l::::::::.::::::/ /｀'-l:::/:::::::,γ'´7-、｀':::l_,.-,
::::::::::::....::::::::::::::::::::::...:...:.::...::｀' ‐- .,_:::::｀'ヽ、::..:.ﾞ,:::::::.::::l　l　　.l::!::::::/　: : ,ﾞ　ﾞ,:::::::l-'/　　　_
￣￣￣￣｀':.── --:.,:_:::::::::::::::::::::::｀'‐-.,_:::::::::ﾞ,::::::::.::l　l.　　! l !,ﾞ　　: ,ﾞ　 　 l:::::l:/　　　 ヽ て＝=-rz　 　 『公羊春秋』は
:::::::::::::::::::::::::::::::::::......::::::::::｀'‐-.,_::::::::::::::::::::::::｀ヽ, ﾍ:::::::.::ﾞ, ﾞ,　　l l{ !ヽ、.,ﾞ　　_/:i:ﾉ/｀ー──} /:::::::.::／　　 　 私にとっては
::::::::::::::::::::::r- ､:::::::::::::::::::::::::::........｀' ‐-.,_:::::::::::::::::::ヽ、::.:ヽヽノ,l:l:ヽ: : :l ￣フ//´}　 　 　 //::. .:::／　　　　　　ただひたすらに
::::::::::::::::::::/:: : :j:::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::..... :::｀' - .,_::::::::::＼:::.ヽﾞ,::lﾐ,'ﾍ｀ー‐-'／-' l j　　 ,'::::,.-‐'´ 　 　 　 　 　 つごうがわるいのだ！
￣￣,'ﾌ､:::: :/─ - .,_::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::....｀' - <:::ヽへヽﾞ,ヽ`/斤,ｲl 　 lﾉ　 〃.,.-‐'´
、:::::l:::: :: :´〈::::::::::::::::::::￣｀' ─ - .,_::::::::::::::::::::::::::::＞- ､', - _:::ヾ､!｀'ﾍ } ヽ:l / ,ｨ'´,::ィ､｀ﾞ' - .,_
ﾉ:..:::j::/:: :: :: ヽ::::::::::::::::::::::::::::::::::::::.....｀ﾞ':::─- .,__/:::::::::::::::.｀ヽ了__ヽ_!__o_jﾉ／' ":_,. -::::::::ヽ::::::::｀' ‐- .,_
､_ノ::{:. :: :: :: j-‐''""ﾞ´￣￣￣_,.二::ニ＝＝=- -'一‐- .,_:::.:::::ヽヽ- .,_￣:::::::::￣:::_,-=zzzzｼ::::::::::::::_,.-≫
:: ヽ,. へ:: :: :l::::_,. - ─ '"ﾆ二 -─ ''""´￣￣/￣￣￣｀:"ｧ-z==ヾ､::::￣'-=三Zシ::::::::::::::_, ｨz -'"'´
::／:::::ノ、::::lﾆ-,r-‐'"´￣｀ヽ、　　　　　　　　{':: :: :: ::' ::::／!l: :!l:::::::::ヽへ、:::::::...._,. -‐'=＝-'"´
　 ／::},:: :.フ´:: :〉-,/⌒!　 　 ＼、　　 　 ／:: :: :: :: ::／:: ::!l: j l::::::_,z=1l｀ーr -＜'"￣'＜ヽ-､
／:_:: ::y´:: ::／::Y´:: :/ ｀ｰ-,　　 ｀'- _／:: :: :: :: _,イ:: :: :: ::ヽl !／-':: ::l{!:: l!:l ＞- _:: :: _／r- :〉、
‐'-､:／:: ::／:_:／:: :/j:::::::::::j!ー- .,_ノ､:: :: :: :: ／　 l:: :: :: :: :j／ヽ:: ::､::!l!;; ;l!:l てz＜'",.-‐'_／::::::ヽrz､-っ＿
　 /:: ::／:: :ソ:: ::／/: lヽ::,/:: :: :: :: :: :: !:: ::／`' .,_　ヽ :: :: ::.. :: ::l !:: ヾ､ゞ、l!:l　　 ￣￣￣　 l:::::::::::_,.- 二ニっ
　/ー'7｀ヽ＿／∠/:ノ´::,/ :: :: .. :: :: ::.:l／　　　　｀'- ヽ:: :: :: :: ::l ! :: :: ::l l !z:lﾍ、　　　　　　 ヽ::::〈
　　 /::::::::::_,. z='シ:::_,.ノ:: :: ::_ _＿ : ／　　　　　　　　 ヽ、:: :: :: l !:: :: :: ! li:: l!ヽ ＼、_　　　　　ヽ_j
　 /::::_,z=Z=ﾆ_,. -'"´｀¨¨¨ ´ ｀ｰ-'ﾞ　　　　　　　　　　　 ヽ、:: :: :ﾞ,ﾞ, :: :: :l !l ::l!::l,　　｀ヽ､‐- .,_
　 /∠z≠''"´　　ヽ、　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　＼:: :: :: ﾞ, :: :: ﾞ, !ﾞ,:ヽ r- .,_　｀'=z.,_::::' ─- .,＿＿

　　　　　　　　|:.:.:.:.:.:.＼_ノ:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.∧
　　　　　　　/:|:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:＞　　￣ 　＜:.:.:∧ /l
　　　 |＼　/:. |:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.／　 　 　 　 　 　 ヽ:.:.} :.|
　　　 |:.:.:＞――ｧ:.:.:.:.:.:. /　　　　　　　　　　　 ∨:.:;　　 　 r ､
　　／／￣￣.／:.:.:.:.:.:.:.:,　　　　 　 　 　 　 　 　 W　　　　 ∨ ＼　　　　　　「士庶 立ちて人君と為るも、
_／／: : :／／|:.:.:.:.:.:.:.:.:.:i　　　　　　　　　　　　　 i:|　　　　　∨ﾍ:.＼　　　　　 母は亦た夫人と称するを得ず」
.／: : :／／ヽ:.|:.:.:.:.:.:.:ll:.:.|　　　　　　　 　 　 　 　 ,ﾘ:.　　　　　|　:|: : :.＼
: : : :/ ./　　　}|:.:.:.:.:.:.:ll:从　　　　　　　　　　　　 ,:: 　 　 　 　 |　:|: : : : ::｝　　　 と公羊学派は言う
: : :/ ./ 　 　 八:.:.:.:.:. ∨:∧　　　 　 　 　 　 　 //　　　　　　 |　:|: : : : /
: : {　{ 　 　 ムイ∧:.:.:.:∨:∧　　　　　　　　　.ｲく､＿＿＿ｨ彡|　:|: : : /
: : |　|ミ＝＝＝|{::∧:.:.:.:.＼＼＞　　＿__　ｨ彡 　 ￣￣￣ 　 :|　,: :.:./　　　　　　民間から出て皇帝となった私には
: : |　| 　 　 　 ｛￣ヽ＼:.:.:.:.:＼ >:.:.:.:.::/:.:.／　　　　　　 　 　 / /:.:.:/
: :∧ ∨　　 rく入､　 ＼＞ｔ、: :ヾミ＝彳　　　　　　　 　 　 / /:.:.:/　　　　　　　　「母は子を以て貴し」
: : :∧ ∨　jﾉ:　　　＼ ｛⌒ヾ:>､ : : /／｝_ 　 　 　 　 　 　 / /:.:.:/
: : : : :＼＼:.∧　ー===|　　　＼＼,ｲ　「xヘ　 　 　 　 　 / /:.:.:/　　　　　　　　　　の義例を利用することができんのだ
: : : : : :.:.＼＼ ＼＼___.|　 　 　 l}　 |l　|{ハ:.:＼.　　　　 / /:.:.:/

　/'´￣ ）／ヽ
./　　Ｙ/´　/,へ、
く、　{./　 //　├(⌒ヽ
　＼ ヽ　ヾ」　 | ./　 /
　　ヽ　ヽ　!!　/Ｙ　 {　　　　 /ﾍ　／iヽ ﾊ
　　　｀ヽヽﾉヽ(　( ）ヽ　　　 /　Ｖ:.　 |:::Ｖ |
　　　　 ＼ ||| ||| |||　i　　　ﾉ::/　.:ｨ　|::::::Ｖ
.　　　　　 ﾄ､＿　_ノ ｝.　 Ｎ::/::／/´⌒ヽ:::|
　　　　　 |: .::厂Ｔ :.:{_／二二_／ 　 　　i::ﾚ/　　　　,ｨ　　　　　　それだけではない！
.　　　　　|: :::i .:::|: :: |　　　 .／{　　　　　}ん　　　／/
　　　　　|: :::i .::::|: ﾊ:|＼　　|:ヽヽ、　　ノ:/　　／　/　　　　　　　 『公羊春秋』は
　　　　 i.| :::i ::::::ﾚ　 |　 ヽ＜iヽゝヽ-彡ノ─'　　 /　　　　　　　　　 わが祖父、衛太子を
.　　　　| |.::i :::::/　.:/|:::::/ﾊｼ⌒ｰ､ー'/　　 ＿／　　　　　　　　　　　問答無用で罪人とする
　　　 /| ::::　::/　.:/ .|ハ彡二ニヽ＼」＿／　　　　　　　　　　　　　　ゆるしがたい書なのだ！
　 　 / | ::厂|' ...::/　ヽ...}-{＿＿二ﾆy　ヽミ､-､
　　 {　 .|ﾉ: ::| :::/　　 ヽﾉ ヽ.....-:::::::::::}:::::::}､ｰ}... ヽ
　　 ヽ::/::: .::::ヽ.........::ｿ　／ヽ:::::::::_ -ヘ-､::...}､:::: |
　　　 ヽ:::...:::::::::::::_／::　:　　　￣　　　..::　＼,､:::ﾉ
　　　　 廴__ﾊ─'i:::::::　.::　　　　　　　　　　　 >'
　　　　　　　ヽ, ::|:::::: .:::　　　　..:　　...:::::　　 /
　　　　　　　　 ヾ､:::::::　　..:..:::　 ...::::::::　　　/
　　　　　　　　　 ヽ::::: ...::::::: ...:::::::::::::　　.／!
　　　　　　　　　　 ヽ:::::::::::::::::::::::::::　　.:/::/
　　　　　　　　　　　<::::::::::::::::::::::　..::::/:::::ヽ
　　　　　　　　　　　ﾉ:::::::::::::::::　..::::::::::::::::::|　　　　　　　＿＿
　　　　　ﾉ⌒ゝ＿ノ::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::ヽ　　　　　＜:::::::
　　　､ノ::,--､:::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::ヽ　　　　＿）:::::
　　　 ￣ ／:::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::/ｰ─'::,-─‐､

　　　　　　　　　　　　　　　　　　―＝＝ﾆﾆ＝＝―

　　　　　　　　　　　 ――＝＝＝ﾆﾆﾆﾆ二ﾆﾆﾆﾆ＝＝＝――

―――＝＝＝＝＝＝ﾆﾆﾆﾆﾆﾆﾆ二二二二二ﾆﾆﾆﾆﾆﾆﾆ＝＝＝＝＝＝―――

╋━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━╋

　　　宣帝が即位する八年まえ、
　　　始元五年（B.C.82）、
　　　ひとりの男が長安の北闕（宮殿の北の正門）にあらわれた

　　　かれをひと目みようと、
　　　長安の民数万人がやって来た

╋━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━╋

　　　　 ∩00　　∩
　　⊂ﾆﾆ　⊃ ⊂　ﾆ )-- ､
　　 ,. ---ゝ ) 　 | ﾚ'／⌒ヽヽ
. 　（ (´￣￣ 　 /　/ 　 　 ﾉ.ﾉ　○ ○
.　　ヽﾞニﾆ⊃　`'∪ ⊂ﾆ-‐'
　　　　　　　　　　　　　 　 　 　 　 　 }〉============〈{　　　　　　　　 ∩00　　∩
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　ﾍﾍﾊ|||||||||||||||||||||||||ﾊﾍﾍ　　　　⊂ﾆﾆ　⊃ ⊂　ﾆ )-- ､
　　　　　　　　　　　　　　　　　 十o_o_o_o_o_o_o_o_o_o_o_oﾞo十 　　 ,. ---ゝ ) 　 | ﾚ'／⌒ヽヽ
　　　　　　　　　　　　　　　　　　|　＼|　　　 ||　 || 　　　|／　 |　. 　（ (´￣￣ 　 /　/ 　 　 ﾉ.ﾉ　○ ○
　　　　　　　　　　　　　　　　　　|　　 |　　　 ||＿|| 　　　|　 　 |　.　　ヽﾞニﾆ⊃　`'∪ ⊂ﾆ-‐'
　　　　　　　　　 　 　 　 　 　 [ﾆﾆﾆﾆﾆﾆﾆﾆﾆﾆﾆﾆﾆﾆﾆﾆﾆﾆﾆ]
┬┬┬┬┬┬┬┬┬┬┬i┘王王王王王王王王王王王└i┬┬┬┬┬┬┬┬┬┬┬┬
ﾆｴﾆｴﾆｴﾆｴﾆｴﾆｴﾆｴﾆｴｪi┘ 王王王王 |:闕::北:| 王王王王└iﾆｴﾆｴﾆｴﾆｴﾆｴﾆｴﾆｴﾆｴﾆｴ
ﾆｴﾆｴﾆｴﾆｴﾆｴﾆｴﾆｴﾆｪi┘王王王王王王王王王王王王王ﾖ└iﾆｴﾆｴﾆｴﾆｴﾆｴﾆｴﾆｴﾆｴﾆ
ﾆｴﾆｴﾆｴﾆｴﾆｴﾆｴﾆｴﾆi┘王王王王王 l／ lllｌ ＼|王王王王王ﾖ└iﾆｴﾆｴﾆｴﾆｴﾆｴﾆｴﾆｴﾆｴ
ﾆｴﾆｴﾆｴﾆｴﾆｴﾆｴﾆｴi┘王王王王王T |￣ｌ￣l￣|王王王王王王 └iﾆｴﾆｴﾆｴﾆｴﾆｴﾆｴﾆｴﾆ
ﾆｴﾆｴﾆｴﾆｴﾆｴﾆｴﾆi┘.王王王王王王 |　O　O　|王王王王王王王└iﾆｴﾆｴﾆｴﾆｴﾆｴﾆｴﾆｴ
ﾆｴﾆｴﾆｴﾆｴﾆｴﾆzi┘王王王王王王王 |　 ｌ　 l 　|王王王王王王王ﾓ└iﾆｴﾆｴﾆｴﾆｴﾆｴﾆｴﾆ

　　　　　_＿_,,,,,＿_
　 　〃/ /　/　　＼ヽ　アレ、本物か……？
　　≪|__|　　( ・ ∠　|
　　　（d u　　⊂⊃　|)　　　＿,,,,,___
　　　__|　　: : : : : :　ヽ.,,∠,,,--(__)-ヽ、
　 ,,-＼ヽ└＜＞-'丿=|　/／- 、 -ヽi　　　　本物みたことないから
　/　　 ＼￣￣/￣i　　|__|　|　 ・|・　| |　　　　わかんないよ
　|／(⌒ヽ／⌒)____|.　 （d　 ｀-　o-´ |
　 ﾞ|＼,￣ .／￣ .ノ　　　ヽ、　　 ３　ノ , つ　　当人はそう
　 .|　　￣　　￣ |　　　　 /ﾞ＼￣/ヽ　/⊃）　　 言いはってるけどね


　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 ＿＿＿
　　　　 ＿＿＿＿　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　／M　　　＼
　　　／＿＿＿＿_＼　きっと本物さ！　　　　　　　　　　　　＝＝＝＝--┬|
　 　 |__| 　ヽ　　/ 　|　　あのとき難をのがれて　　　　　　　　　| θ　θ　|_|
　　 (∂ 　(・　　(・　|　　　いらっしゃったんだよ！　　　　　 　 　| 　o 　　　6)
　　　|　　　　）⌒　　）　∩_　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 　（　　　ノ　 /
　　／＼　 ノ（フ　／＼( つﾉ　　　　　　　　　　　　　　まさかあ　　｀ ┬-イ
　/　　　 ￣￣￣　　　　|　 |　　　　　　　　　　　　　　　　　　 　　 　／￣￣＼
　|￣|　　　　　　　　　|　|　ノ　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　|　　　　 　|

　　　　　　　　　　　　　　　 . ,ｲ　 ,ｲ　　,ｲ,ｲ
　　　　　　　　　　　　　 ＿_/.ﾑ_/./　　ﾚ'ﾚ'
　　　　　　　　　　　　　ヽ=, ,.--., .二7　　　　　　　 . ,ｲ　 ,ｲ　　,ｲ,ｲ
　　　　　　　　　　　　　　/″ .//　　　　　　　　＿_/.ﾑ_/./　　ﾚ'ﾚ'
　　　　　　　　　　　　　　　　 //　　　　　　　　ヽ=, ,.--., .二7　　　　 　 　 . ,ｲ　 ,ｲ　　,ｲ,ｲ
／￣ー―‐　、　　　　　　　./´　　 ,ｲ,ｲ ,ｲ　　　 /″ .//　　　　　　　　 ＿_/.ﾑ_/./　　ﾚ'ﾚ'
:::::::::::::::::::::::::::::::ヽ　　　　　　　　　　ﾚﾚ //　　　　　　//　　　　 　　 　 ヽ=, ,.--., .二7
:::::::::::::::::::::::::::::::::::｀ヽ　　　　　　　　　　/'　　　　　　./´　　 ,ｲ,ｲ　　　　　/″ .// ,ｲ
:::::::::::::::::::::::::::::::::ﾊ::::i　　 ., -―- 、 　 ___　　　　　　　　　　ﾚﾚ /　 　 　 　 　 ///
:::::::::::::::::::_＿_ノ､/〉'　 ／::::::::::::::::::て/::_:::ヽ　　　　　　　　　　　　　　 　 　 ./´　　 ,ｲ,ｲ ,ｲ/'
:::::::::::::::/ u　 て;/7　/::::::::::::::::::;ｧ､､:::「ｪ ヽ::〉 __　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 ﾚﾚ //
::::::::::::/　　　　 /〈　 i::::::::r､::／=ﾐ ｀く.u J／:::::::::＼　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 /'
:::::::::::j　u　　 ､ ´_}ヽ.|::::::iｵ/u　ﾆi < iヽｧ/:::::r----J　 　.r:´二ﾆヽ
::::::::::i　　 （二７´_.L.,　､ハ　〉 　_　_ﾏ/ﾝ::::r ' ;tr /;j　　　i::/r-､r-|　 r一ー､
::::::::::|、　　 .r ' c ／､:.:.:ヽ ヽ　 ｰ」: : : : ii ヽu.___､/　 ＿ん' ｀´ム.'　 |:::r―┤　　　　って……ちょっとおい、
:::::::::／￣ ´」ｰ／:.:.:.:.＼:.:.＼＼__j: : : : : ヽ　ヽフ｀ヽ´　 | | ヽ'ｰン､ _/ﾊu.'_' |　　　　　なんだよこの足音……
i:i i:::i:iヽi　´　!':.:.:.:.:.:.:.:.:.:.＼:.:.',:.:i: : : : : : : :「=| : : : |: !　　７!｀:´|<　 ７ﾏ.ヽー'

　　.　　　　　 ＼　＼　　　　　　　　 ⅧIi:::: :　　 　 　 　 :|　　|　　　　　　　 .　　　　＼ ＼　　　　　　ⅦIi::: :　　 　 　 　 |　|
　　　 、 　 　 　 ＼　＼　 　 　 　 　 ⅧIi:::: :　　 　 　 　 |　　|　　　　 　 　 　 、 　 　 ＼ ＼　　　　　ⅦIi::: :　　　 　 　 |　|
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　　　　　　　　　　　　　　　　　｀ヾ三三三三二ニ才”　　　　　　　　 　　 　 ヽ=, ,.--., .二7　　　　 　 　 . ,ｲ　 ,ｲ　　,ｲ,ｲ
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　/″ .//　　　　 　　　 ＿_/.ﾑ_/./　　ﾚ'ﾚ'
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　　　　　　 γ´　　　　　　　＼　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 　 　 　 γ´ヽ　｀ヽ
　　　　　　 /i　　　　　　　　 ｉ　ヽ　　　　　　　　　　　　　　　　　　 　 　 　 j 　 辷≧x∨
　　　　 　./ .ｉ!　　　　　　　　ｉ 　 ∨　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　q　　　　 ｉﾞｰｉ
　　　　　 |ｉ　ｉ!　　　　　　 　 ｉ!　　.∨　　　　　 _　__　 　 　 　 　 　 　 　 　 |　　　　.|}kj
　　　　　 |ｉ　ｉ!　　　　　　 　 ｉ!　 　 ｉ 　 　 　 /ｉ　　/ヽ　　　　　　 　 　 　 ノヾー 彡ﾉ/､
　　　　　 |ｉ　ｉ!　　　　　　 　 ｉ!　ﾉ!　|r x　 　 ｉ |　　i　 |　　　　　　　___＿/ ｉ　.｀ヾ彡/　ｉ___
　　　　 ｰｉ|　,ｉ!≦三二　､ｰ,　､‐ヾ　|:::::i　 ／| ミ彡ﾉ .j｀ヽ　　 　 ./　|::／　 ＼　　 /　 .iヽ＞o｡
　 　 _./　弋 弋 て･孑 〈　辷彡 ﾉ .j＼;／ ｉ!　≧≠／　 ヾ､ 　 ノ　 .|::´ｉ｀ヽ　 ヽ _jｰ‐ ┘| | ｉ! ヽ
‐=≦/　rf::::ｉ≧=≦ ノ三》｀¨¨　　　|　　＞o｡.ｰ=彡∥　　　.)rf　 　 .|:::::|　　＼ /　　　 ./| | ｉ!､,!ｉ
　　./　　ヾ::::ヾﾒ　 ﾉ三刈　　 　 　 |　　　　　ヾメ .∥ 　 .γ⌒ヾﾒ､ ,|:::::|　､＿_ｉ＿＿_ノｉ!| | ｉ!ｉ!ｉ!ｉ
　 /　　　∧:::::ヾﾒヾ弋＿＿ 　 　 ,〈　　　　　　ｉ!　　 ＼　/　　　.ヾ｀ﾞ|:::::|　 ¨｀゛|　　 ｀ﾞｉ!ｉ!| |,ｉ!ｉ!ｉ!iｉ
. /　　　　 ∧:::::辷 ｀ヾ㌢　　　 /　 j　 　 　 　 ｉ!　　 　 ＼_＿＿＿,､!:::::|≦三 |二≡＝i!i| |ｉ!ｉ!ｉ!ｉ!ｉ!
　ｰ=≦三三≧=彡ミ≧≠　　/　 / 　 r―-- Jヽ 　 　 　 ヽ　 ｀ヾ＼::::::|　 　 .|=≦三三i| |ﾉ卅从＼
ｉ!,､　ﾐ三二彡´　 ＼　　ｰ=≦´／　　　＼::::::::::::::|　　　　　.∧　　少ｰx´ーzx .|三三三ｉ!j| |i⌒ヽ　ヾｉ
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ｉ!ヾ彡　　　　 ＼　　　 .＼　 /／　 　 .|::::::::::::::::::::| 　 |　　　　∧　 !　　　 廴ヾ≧三三≧ヾｰ　 　 ｉ´
ﾞｉ!　ﾐﾒ＼　　　　 ゝ-　　　 Y　 　 　 　 |::::::::::::::::::::| 　 |　　　　 ∧ヾﾐﾒ＿k少ー‐γ三三／´≧ｰo｡.
　ヾ ゞ､ .＼　　　　＝＝孑ｉ!　 　 　 　 |::::::::::::::::::::| 　 |　　　　　 ヾミメ二彡　　 /;:;:;:;//＞孑j三三三≧
　　ｉ　 ヾﾒ　ミマ　　＼　 　 ヽ　　　　　|ｉ:::::::::::::::::::|　.J　　　　 　 |ｉ!三三三三　ｉ;:;:;://　　 弋n∩fj三三
　　ｉ!　　 ヾﾒ　 　 　 ヽ＼　　| 　 　 　 .|ｉ:::::::::::::::::::|　　 ¨¨¨¨¨ 　 |ｉ!ζ⌒ヾｰ三 ｉ;:;:;:|:|　　　　 ｰ-＜

　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　r―=＝二￣｀ヽ
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 >‐-_'´　u V:::::|
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　　　　　　　　　 アー-'^⌒}:::::!　　　　　　　　　　　 　 　 （　 '　 　 }　 「r､:::|　　　　　ゲゲーッ！？
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　　　　　　　　 ヽ =＝ﾍ　 /-､::!　　　 ＿　 __　　　　　　 ／　ｰ-u'　　 |ン::: |　　　　　 ぐ、軍隊……！？
　＿　rｧ__　　 ／ i　　 }}　|ヒ}!::|　　　＞ ^´　 ヽ　　　 ∠__r=_`-ｲ丁ヽ.|ヽ:::::|
＞::::^':::::::::'.　/　　=u彡　 |ン::::|　　　イ/⌒く　 |　　　､---ヾエヱ二」 !　＼|r
そ:／ヽ:::::_::! ｀1工エｴﾊ ./＼:: 「｀ヽ　 .> i う ヒ}l　 　 <r ､V^ｰ ´｀ー '_|　／／
　ハ｡＝Y{.）|　　 _}-r‐://　　 ヽ＼ﾘ　<_r-┬!ﾄ､|_　　∠≦ﾘ::}　 ,　イ　／／.....
　 <.｀_^､/く:|　　Lー-ｲ/　　／/:.:.:.＼　 f＝' j　| ヽー-＜j /ｲ　　 ＼/／..........
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:.:.:.:.:.:.:Vノ.　　￣｀Y:.:.|　（￣￣￣￣:.:/:.:/　　.|:.:.:.:.> ／ /　　.}............................/
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:.:.:.:.:.:.:.:.:.'. ヽ_ＶＬ イ:.:.:.:.:￣「￣「￣:.:.:.ヽ:.:.:.:.:.／　　|:.＼／　j--―..´........../
:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.V"´　　　ヽー--}ヽ　＼:.:.:.:.:.:.＼／　　　 j:.:.:.:＼/........................./

　　　　　　　　　　　　　　　　　　　,.:.:;ﾆ三三ミミﾐヽ､,,,　.　　　 (
　　　　　　　　　　　　　　　　　 ,〃'ﾆ二三三ミﾐヽ州N　ヽ　　　)
　　　　　　　　　　　　　　 　 　 ﾚ'´ﾆ 二三ｼ'´￣｀ﾞヾｼ　　ﾉ　ノ
　　　　　　　　　　　　　　　　　ﾚ'´ﾆヽ三ｼ' 　 ､､､ 　 !　(　(
　　　　　　　　　　　　　　　　　}jij!い　ﾞﾞ′　 '''ﾃﾐヽLj　　:. ヽ
　　　　　　　　　　　　　　　　　ﾚ'ヽﾐ､ 　: .　　 ' ~:.｀V　　　)ﾉ　　　　よーし、おまえら
　　　　　　　　　　　　　　　,r‐ ﾘ　　.:i . ; .: 　 .: .,, ,.r''　　((　　　　　　いい子だからしずまれ
　　　　　　　　　　　　　　 ﾉ `く　　　 ﾞ､. : ;. : ''¨ﾆ7,,_ _　ノ
　　　　　　　　　 　 　 ,.ィ´　　　｀丶､.:.:＼. :; :.: ./´￣ ﾞ　　　　　　　　ヘタにさわぎたてると
　　　　　　　　 　 　／´￣｀`ヽ､　　　 ｀¨¨¨¨ 「　　　　　　　　　　　　 容赦はしねえぞ
　　　　　　 　 　 ／　　　　　　　＼ .: : .:. : ,. ィ'´｀`ヽ､
　　　　　　　　 /´￣￣｀`ヽ　　　　ﾊ､.:;:;;:.:;:;:;:ﾄ､　　　ヽ
　　　　　　　 /´ ￣￣｀`ヽ　＼ _ノﾉﾉL;:;:;;;:;:;:ﾉ人`ヽ　ﾉﾊ
　　　　　　 ,/　　　　　　　 ＼／彡'´￣｀ヽ ﾆﾆﾆﾆ辷ミ ﾊ
　　　　　　/　/´￣`ヽ　 　 ,.ｲﾚ'´ ﾆﾆﾆ.､　　　　　　　 ﾞ;N
　　　　　 ,′　´￣｀` 　 　/〃i　　　　　　　: :　　　　　　ぃ
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　 　 　 王莽、字は稚叔

　 　 　 天水郡のひと
　 　 　 右将軍衛尉

　 　 　 やる夫とはもちろん同姓同名の別人
┗┓|＿　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 　 　 　 　 ＿|┏┛
　 ┗━　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　━┛

　　　　　 ,r=ヽ、　　　　　　　　　　　　r';;;:;:;;:::;;;;;;;;;;;;ヽ、
　　　　　j｡ ｡ﾞLﾞi　　　　 rﾆ二`ヽ.　　　Y",,..、ｰt;;;;;;;;;;;）　　　　　　　　　　　　　　ヒャッホー、
　r-=、　l≦ ﾉ6)＿　　　l_,.､ヾ;r､ﾞt　　 lｦ '・=　 ）rテ-┴- ､　　　　　　　　　　　　右将軍のお出ましだ！
　｀ﾞゝヽ、`ｰ!　ﾉ::::::｀ヽ､ L､ﾟﾞ　tﾉ`ｿﾞ`ｰ ﾞiｰ'　 ,r"彡彡三ﾐミ｀ヽ.
　　にｰ `ヾヽ'":::::::::::: ｨ"^ﾞiﾌ　 _,,ﾉ　,　　ﾞtﾌ　ﾞゞ''"´　　 ﾞifrﾐソﾍ,
　,.、　｀~iヽ､. ｀~`''"´　ﾞt　（,,￣,　frﾉ　　 ゝ-‐,i ,,.,...、　 ヾミく::::::l　　　　　　　　　大物だぜ！
　ゝヽ、__l::::ヽ｀iー- '''"´ﾞi,　ヽ　ヽ,/　　　/　　lｦ ｪ｡､　　 〉:,r-､::ﾘ
　W..,,」:::::::::,->ヽi''"´::::ノ-ゝ ヽ､_ﾉｰ‐ﾃ-/　i　/ ,, 、　　 '"fっ)ﾉ::l
　　￣r＝=ミ__ｨ'{-‐ﾆ二...,-ゝ、'″ ／,/｀ヽl : :`i- ､ヽ　　,.:ﾞ''" )'^`''ｰ- :、　　　　　てことは、本物かもな！
　　　 lﾐ､　　／ f´　 r''/'´ミ)ゝ^),ノ>''"　 ,:ｲ`i /i､ヲﾞi　.:" ,,.　/;;;;;;;;;;;;;;;;;;;｀ﾞ
　　　 !　ヾ .il　　l　　l;;;ﾄ､つノ,ノ ／　　 ／:ﾄ-"ﾉﾞi　　,,.:ｨ'"　/;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;
.　 　 l　　　ハ.　l　　l;;;;i _,,.:イ　/　　 ／ 　,ﾚ''";;;;｀ﾞﾞ" ヽ_,,ノ;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;　　　　　かも知れねーぜ！
　　 人 ヾﾆﾞi　ヽ.l　 yt,;ヽ　 ﾞv'′ ,:ｨ"　　/;;;;;;;;;;;;;;r-'"´｀i,;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;　　　　　 あの……
　 r'"::::ゝ､_ﾉ　　ﾞi_,/　 l ヽ　　ﾞ':く´　_,,.〃_;;;;;;;;;;;;f´' 　 　 ll;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;
　 ｀￣´　　　　 ／　　l　 ヽ　　　ヾ"／　 ｀ﾞ''ーハ.　　 　 l;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;
　　　　　　　 ／　　　 l　　ﾞt　　　 `'　　　　 ／^t;＼　　,,.ゝ;;;;;;;;;;;;;;;i;;;;;;;;;;;;

　　　　　　　　　　　　＼ヽ　　　　 |　l　　　　　/／
　　　　　　　　　　　　　
　　　　　　　　　　二ﾆ　　　自称、　　　　　　　　 -‐
　　　　　　　　　　 -‐　　　　衛太子は……！　 ﾆ二

　　　　　　　　　　　　／/　　　　　| ｌ　　　　ヽ＼

　　　　　　　　　　　　　　　　　 _ .... -――- ..._
　　　　　　　　　　　　　　_...‐ '" . . . :.:.:.:.:.:.:.:. . . ｀ヽ、
　　　　　　　　　　　_. ‐ "　　 . .:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:. ヽ
　　　　　　　　 _.-'"　　　　. .:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.. .｀ヽ
　　　　　　　／ /.:.　 .: .:.:.:.:_:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:ヽ;.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:. :.:.:ヽ
　　　　 　／　/:.:　 :.: :.:.:.:.:ヽ｀ヽ;.:.:.:.i:.:.ヽ:.:.:.:ヽ:.:.:.:.:.:.:V:.:.:.:.:. ヽ
　　　　／　 /:.: :.　:.: :.:.:.:.:_:.:.ヽ ｀ﾞl:.:.ヽ:.:.ヽ:.:.:.:ヽ:.:.:.:.:.:.l:.:.:.:.:.:.: ',
　　　　　　 /:./:　:.:.: :_／　＼ |　 |:.:ﾄ;.iヽ;.:.ヽ:.:.:.l:.:.:.:.:.:.l:.:.:/:.:.:. l
　　　　 　 //l:.:l　:_.y　＼l>　 ヽ　 l:.l_..-''"ヽ＼:.:l:.:.:.:.:.:l:.:/:.:.:.:. l
　 　 　 　 l/ l:/l　l　 ＼　　　　　　l:.:l　 ―-‐' ヽl:.:.:.:.:.l:/_:.:.:.:.:.l
　 　 　 　 l　 |. l　:〉　　　　　　　　ﾄ‐ヽ　　　　　|l:.:.:.:.:/^ |:.:.:/:|
　　　　　　　　　';:.:|　　　　　　 　 ,'　　｀　　　　　l:.:.:/ l:/ l:.:.ハl
　 　 　 　 　 　 　ﾞy　 　 　 　 　 ,'　　　　　　 　 l:.:/_　／ﾊ/
　　　　　　　　　　l　　　　 　 　 ,'　 _ ...　　　　 ／ / Y:/
　　　　　　　　　　l　　 　 　 　 /　´　　　　　　 ／　 l/
　　　　　　　　　　 ヽ　 _ ...... _ |＼　　　　　 ／　　　|
　　　　　　　　　　　/"´　　　 ｀ヽ､＼__.... '´ 　 /￣ ｀ ﾞ ''―-i
　　　　　　　 　 　 l"　　　　　　　├l　 　 　 　,'　 l　 　 　 　 |
　　　　　　　　　　 l　_..-‐　　ヽ.、 l. 'l　＿ __..ﾉ　._l　　　 _.-''ﾞヽ......＿＿
　　　　　　　　　　 l/　　　　　　　｀ヽ_...|　 | 　 ／ |　 .／　　　　　　　　_.｀二ヽ、
　　　　　 　 　 　 /　　　　　　　　　　ヽl　 |　　　　l /　　　　　 _... - '"´　　　｀ ﾞヽ
　　　　　　　　　/　　　　　　　　　　　　|　 |　　　　´　/:　　 ／　　　　　　　　　　 ',

╋━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━╋

　　　黄色の子牛にひかせた車に乗り、
　　　黄色の旗を立て、
　　　黄色の単衣を着、
　　　黄色の頭巾をつけた、
　　　黄色づくしの男は
　　　みずからを衛太子であると名のった

　　　（このころの漢の徳は土徳で、イメージカラーは黄だった

╋━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━╋

　　　　　　　　/　　　　　　　　　＼　　　　　　　　　　　　＼
　　　　 　 　 /　　　　　　　　　　　ヽ　 　 　 　 　 　 　 　 ! ヽ
　　　　　　　l　　　　　　　　　　　　　ヽ　　　　　　　　　　 |　ﾊ
　　 　 　 　 l　　　　　　　　　　　　　　ヽ 　 　 　 　 　 　 　 　 l
　　　　　　/ ｀丶、　　　　　　　　　　　　 　 　 　 　 　 　 　 　 l
　 　 　 　 {､　　　｀丶､　 　 　 　 　 　 ＿＿..　-‐ ､ 　 　 　 　 l
　　　　　　〉丶　　　　　｀ ｰ　　　　　 {　, -‐- ､_ 　 V　　 　 　 l
　　　　　　|:::::::｀ ｰ-　__　　　　　　r‐ '´　 　 　 ＼ 　V￣　　‐ ﾊ
　　　　 　 l:::i:::::V |:::::::::::｀ ｰ- ､／ ゝ-‐ ⌒　‐-　､＼ V　　　　　ヽ
　 　 　 　 ﾚ'|::::/,-V::::|:::::://　 ｀(´　 　 ,.-- ..__　 　 　 V＿＿_ 　 ﾊ
　　　　　 　 |:::ﾊ　､V::|::::/ﾘ `＝=,ゝ‐ ´ __　　　　　　　 }:/::::::/ﾘ￣´
　　　　　 　 |ﾊ::::＼ V!::/　　　　　｀￣/／｀i　　　　　　l//:::/
　　　　　 　 ﾚヘ:::::ヽﾘ､l 　 　 　 　 　 　 　 l　　　　 　 |/／
　　　　　　　　 　 ＼:!:::|ヽ　　　　　　　　　 l　　　　　 /
　　　　　　　　　　　 ＞ゝ ＼　　　　　 , --l　　　　　 {
　　　　　　　　　 　 / ＼　 　 丶､　 　 ￣´!　　　　　 ヽｬ､
　　　　　　　　　　/　　　丶､　 　 ｀i　､__.イヽ　　　　 ／　}
　　　　　　 　 _／　　　　　　 ｀丶、Ｌ｣　 /　 ヽ　　／　　 ヽ
　　 　 　 ,.　'′＼　　、　 　 　 /´}|::::l　,′ /　> '　　　　　 ヽ
　 ,　－ ´　,　'´￣＼　＼　 　 /　 l!::::l_｣ゝ/,／　　　 　 　 　 ﾉ｀T ー--
´　　 ,.　 '´　　　　　 ＼　ヽ　/　　||:::::ｌ::::/　　　　 　 　 　 ／ 　 ヾｰ-､

╋━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━╋

　　　詔勅がくだり、
　　　丞相・御史大夫・中二千石にこの男を視させたが、
　　　発言するものはいなかった

╋━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━╋

　　　　　　　　　　 ∧,,∧　 ∧,,∧　 ∧_∧
　　∧∧　　∧∧(´・ω・)(´・ω・｀)(・ω・｀) ∧,,∧.　　　　　（まあニセモノだろうね）
　(　´・ω)(ω・｀ )l 　　Ｕ) ( つと ﾉ　Ｕ Ｕ　(・ω・｀)
　｜　Ｕ 　 ｜と ﾉ`ｕ-ｕ'　 `ｕ∧,,∧　∧∧（Ｕ　Ｕ)　　　　　（しかし万一ってこともあるし）
　(　　´・) 　 u-ｕ　 (　　´・) ( 　　　)(・｀　　)`ｕ-ｕ'
　（l 　　 )　　　　　　（l 　　 )（ 　　　) (　　　ﾉ∧,,∧　　　 　 （主上や大将軍の本音もわからない）
　 `ｕ-ｕ'　　　　　　　`ｕ-ｕ'　`ｕ-ｕ'　..`ｕ-u'( 　　　 )
　　　　　　　　　　　　　　　　　 　 　 　 　 　 （ 　　　)　　　　（というわけで、ここはひとつ……）
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 　　`ｕ-ｕ'


　　　　　　　　　　ﾟ･　*:　 :　*･
　　　　　　*･　゜ﾟ･　*　:　　.｡.　.｡.:　　*゜
　　　*　･゜　ﾟ･　*:　.　.｡.:　*･　゜ﾟ　　･　*　　:..
　｡.　･　･*:.｡ ∧,,∧ 　.∧,,∧　　　.:*　･゜
　　　 ∧∧(´・ω・｀)(´・ω・｀)∧∧
　　　(´・ω・｀).∧∧) (∧∧(´・ω・｀)　　　　　　　　 　 　 　（なりゆきにまかせるよ！）
　　　｜　Ｕ (´・ω・｀)(´・ω・｀) と ﾉ
　　　　ｕ-ｕ　（l 　　 ) ( 　　　ﾉ u-ｕ
　　　　　　　　 `ｕ-ｕ'　`ｕ-u'

╋━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━╋

　　　そこへ雋不疑という人物がおくれてあらわれ、
　　　すぐさま部下をしかって自称衛太子を捕縛させた

╋━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━╋

　　　　　　　　＿__
　　　　　 　 fｼ´￣｀i
　　　　　 　 ｈ(=)(=)l/'ﾞ）　　　みなのもの、
　　　　 　＿ヽ　ヮ / /　　　　 なにをしている！
　　　　　 ﾂ＼＼i‰/
　　　　　/　/ ＼＼|　　　　　 その痴れ者を
　 　 ｛ｧ,》／ |：　＼|　　　　　　さっさとひっとらえよ！
　　　_|⊥　　|.三三|
　　　 |｜　　| 　 l ｜
　　　 |｜　　| 　 l /
　　　 | | 　 /| 　 i
　　　 |_!　 ヾj_,.べ、
　　　　　　 　　￣
　 ┏━　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　━┓
┏┛|￣　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 　 　 　 　 ￣|┗┓
　 　 　 雋不疑、字は曼倩

　 　 　 渤海郡のひと
　 　 　 京兆尹

　 　 　 公羊学者
┗┓|＿　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 　 　 　 　 ＿|┏┛
　 ┗━　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　━┛

　 　　（＞＜；）　　　　ちょ……本物かもしれないんですよ？
　 　　/つと ﾉ　　　　　もうちょっと手心というか、
　 　　しーＪ 　　　　　　なんというか……


　　　　　　　　＿__
　　　　　 　 fｼ´￣｀i　　　　　なにを申すか！
　　　　　 　 ｈ(=)(=)l/'ﾞ）
　　　　 　＿ヽ　ヮ / /　　　　 むかし衛の蒯聵は父の霊公の命にそむいて出奔し、
　　　　　 ﾂ＼＼i‰/　　　　　 のち帰国したものの
　　　　　/　/ ＼＼|　　　　　　 その子の輒は父をゆるさず国にいれなかった！
　 　 ｛ｧ,》／ |：　＼|
　　　_|⊥　　|.三三|
　　　 |｜　　| 　 l ｜
　　　 |｜　　| 　 l /
　　　 | | 　 /| 　 i
　　　 |_!　 ヾj_,.べ、
　　　　　　 　　￣

　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　- -　　- -　-
　　　　　　　　　　　　　　　　　　- -　--　─　──　─　--　- -
　　　　　　　　　　- -　--　──　────────────　──　--　- -
　　　　　- -　--　──　──────────────────　──　--　- -

╋━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━╋

　　　雋不疑がひきあいにだしたことについて
　　　かいつまんで説明する

　　　春秋時代末期、衛の国に霊公という君主がいた

╋━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━╋

　　　　　　　　　　/　　　 　 {　　 　 　 　 　 　 /　 7ノ
　　　　　　　　　 　　　,,.=ミﾍ　　 ,彡ﾍ,,.=-.　　　　 {
　　　 　 　 　 　 i　　 ﾐ　　　 ｀¨^　　　　　 ミ -=　 }
.　　　　　　 　 　 ',　 ミ　　 、　　　　　　　 ミ　-= ノフ
.　　　　　 　 　 　 '　ミ,-‐‐- 、__彡-‐‐-､{.ミ　　　 く
　　　　　　　　　　　Ｖ r⌒ヽ 　　　ｒ⌒ヽ　￣二7、　〉　　　　 私はいろんな意味で「すごい人」
　　　　　　　　 　 　 i.入__ノ　厂i 入__.ノ 厂六/ :|⌒
　　　　　　　　　　　 ', ｰ--‐7　 ｀ー--‐'　,./｜) }.　　　 　 　 私の思いは、多くの人を変えていく
　　　　 　 　 　 　 　 Λ　　 ｖ:フ　　　 　 ｨ }　!_ノ
　　　　　　　　　　　　} .；　/¨　~¨¨ヽ　 ノ /　{　〉-､　　 　 　 私は人生を通し、戦争への恐怖、苦悩など
　　　　　　　　　　　 人 ＼レ'"＾｀ヽﾉ　　 /　｜　　 ヽ　 　 　 たくさんのものを背負い、乗り越えていく
　　　　　　　　　　／　 〉 ｀ 一¨^¨ー.,_／　　 ﾚ'"
. 　 　 　 　 .． "¨　 　Λ　　　　　　　　　　,．' 　 　 　 　　　　私は大河ドラマの主人公のようで、まさに「偉人」という人物
　　　 　 ／　 　 　 ／ 人　　　　　　　　／ｒ
　 　,． ¨7　 　 　 〈　　　 ｀ヽ,.__,.__,.ノ-'"_ノ
　　ｉ　　 {i　　 　 　 ヽ.,ノ-､ ∨//////¨/
　　|　 　 ＼　 　 　 　 　 く　∨////¨/　　　　　　_ノ~
　　|　 　 　 ｀ ‐--ミ、　　 ト　V//¨ /　　　 ノ¨￣
　 ┏━　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　━┓
┏┛|￣　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 　 　 　 　 ￣|┗┓
　 　 　 衛の霊公

　 　 　 ??の父、輒の祖父

　 　 　 霊の謚号が伊達ではない程度の暗君
┗┓|＿　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 　 　 　 　 ＿|┏┛
　 ┗━　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　━┛

╋━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━╋

　　　衛の霊公が寵愛する南子は
　　　淫乱なことで有名だった

╋━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━╋

　　　　　　　　　　　　　 ／: : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : ＼
　　 　 　 　 　 　 　 　 / : : : : : : l: : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : ﾍ
　　　　　　　 　 　 　 /: / : : : : : |: : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : ﾍ
　 　 　 　 　 　 　 　 } : |: : : : : : |: : | : : : : | : : : : : : : |: : : |: : : : : : : |: :ﾍ
　　　　　　　　　　　 ﾘ: :| : : : : : }: |: | : : : : |: : : : : : : : |: : : |: : : |: : : :| : :ﾍ
　　　　　　　　　　　/: : |: : : :|: /斗十 -: : :|ヽ: : : : : -十-: :|: : : |: : : :|: : : 〉
　　　　 　 　 　 　 /: : : |: : : :|/斗土ヒ　￣　　￣￣￣二_￣７￣ ヽ八:／
　　　　　　　　　 〈: : : : ||: : : | Ｙ 了示 ヽ　　　　　 イ示「 Ｙ´{: : : : :|ノ
　　　　 　 　 　 　 ＼ : : | : : |　 　Ｖtﾂ　　　　　　　 Ｖtﾂ　　从 : : 「　　　　　　AGEのビッチといったら
　　　　　　 　 　 　 　 ⌒| : 从　　　　　　　　　　　　　　　　ハ: : : |　　　　　　　ロマリーのはずなのに……
　　　　　　　　　　　　 　 |: : ﾄﾊ　　　　　　　　 |!　　　　 　 /^|: : :.|
　　　　　 　 　 　 　 　 　 |: : |: ヽ　　 　 　 ､＿　_ ,　　 　 /　| : : |
　　　　　　　　　　　　　　 |: : |＼ ＼　　　　　　　　　　 イ'　 |: : :|
　　　　　　　　　　 　 　 　 | : |　 ト~|　＞　　　　　＜ _;ノ 　 |: :｜
　　　　　　　　　　　　　　　ヽ | 　　八　　￣ ヽ￣ 　| ｲ'　　 |／
　　　　　　　　　 ／ ￣￣￣ヽ￣＼＼　　　　　|　「　/
　 　 　 　 　 　 /　　 　 　 |　 }　 　 ＼＼　　　 ∨　　＼ー‐┬
　　　　　　 　 / 　 　 　 　 |　 |　 　 　 ＼＼　ーく彡 / /　　 |　　 ＼
　 ┏━　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　━┓
┏┛|￣　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 　 　 　 　 ￣|┗┓
　 　 　 南子

　 　 　 宋のひと
　 　 　 衛の霊公の夫人

　 　 　 宋人にメスブタよばわりされた
┗┓|＿　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 　 　 　 　 ＿|┏┛
　 ┗━　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　━┛

╋━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━╋

　　　南子は衛の太子で、
　　　義理の息子の蒯聵と折りあいが悪かった

╋━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━╋

　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 ﾄ､
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 |　＼　　　　　　　 ,
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 ゝ　　 ￣　 ミ　 ノ(
　　　　　　　　　　　　　　　 ﾏ冖￢ー-=ﾆ¨￣￣　　 、　｀丶 丶
　　　　　　　　　　　　　　　　′　　　　　　 ｀丶　　　 ＼　　　Vハ
　　　　　　　　　　　　　　　　　＞─　　 　 　 　 　 　 　 ＼　　 Vハ　 ,
　 　 　 　 　 　 　 　 ゝ￣￣　　　　　　　　　　＼　　　　　 ヽ　　i　｛ノ{
　　　　　　　　　　　　 ＼　　　　　　　　　￣ ＞　　二二 ￣ ヽ　　｜ i
　　　　　　　　　　　　　　＼／ 　 　 　 　 ／　　　　　　　　　〈　　 ﾉ　!
　 　 　 　 　 　 　 　 　 　 /　,　--―‐ｧ彡／　　　　　　　　　ﾉ　　　 ﾉ
　　　　　　　　　　　　　　 }／|/,厶ｒ／ｲ／　　　　　　＿／／＾ﾍヽ ｨ
　　　　　　　　　　　　　　 ′ ﾏ　ﾍ ﾏ /　＿　 ‐＜　 ／／　　　i,ﾊ }
　　　　　　　　　　　　　　　　　i ｛〈　/^　 汀J癶‐=彡　　,　― ﾉ　}'
　　　　　　　　　　　　　　　　 人　^　 　 　 じ　　 　 　 ィ勺ｱ /　　　　　　　あの女のせいで
　　　　　　　　　　　　　／￣__ノ〕圦　　　　　　 　 　 　 じ　 /　　　　　　　　父さんはいつまでたっても
　　　 　 　 　 　 　 　 〈　　 二ニ∟ﾍ　　　　　　　 　 (　 　 ハ　　　　　　　　 ヴェイガンを皆殺しにすることを
　　　　　　　　　　　 　 ′｜　　　　 ｀＼　　　　　　｀ｒ　　.〈　　　　　　　　　　 あきらめないんだ
　　　 　 　 　 　 　 　 　 ｝人　 　 　 　 　＼ 　 ´￣｀　 イ
　　　　　　　　　　　　__,ﾝ　　　￢　　　　　介ｰ　_ｒ≦三ﾆ=､
　　　　　　　　　,x＜　　 　 　 　 　 　＞ 　_ 　 　　｀!　⌒ヽ
　　　　　　　　〃　　　　　　　　　　　　＿ 　≧z___ノ⌒ヽ　i
　　　　　　　 ///　　　　　　　　　　　　　＿＿_＼__ 　　 }丿
　　 　 　 　 ///　　　　　　　　　　　　／　　　　＼ i　 ｰ'′
　 ┏━　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　━┓
┏┛|￣　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 　 　 　 　 ￣|┗┓
　 　 　 蒯聵

　 　 　 衛の荘公
　 　 　 衛の霊公の子、輒の父
┗┓|＿　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 　 　 　 　 ＿|┏┛
　 ┗━　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　━┛

　　　　　　　　　　　　 l ヽ　　-‐　 ￣￣　　 ‐-　 -‐　::7
　　　　　　　　　　　　 | ／　　　　.......　　:_;;:::　-‐-　／
　　　　　　　 　 　 ｒ　" l　　　 ..　:::;:':::／　　 .....　:::......｀ヽ､＿
　　　　　　　 　 　 l　　 ヽ　　.::;　-―　　　　　::;: 　''" ヽ 　　　 ::ﾌ
　　　　　　　　　l ヽ　　　::> '　 　 　 　 ヾ､ｨ::／　.......　:::.. ＼::／
　　　　　　　　　 l　 ＼／　　　　　　　　 /ｚ_z＿_　　　　　::..ヽ＿＿
　　　　　　　　　　ゝ／　　　　　　　..::/ /　　　　::l￣::ヽ＼　　　::／
　 　 　 　 　 　 　 /　／　／　...　／//　 　　　　| ヾ　::ヽl_;;;:::／
　　　　　　　　 　 l /l　／　..　:／　／‐-=＝＝‐-ヽ　　　:l
　　 　 　 　 　 　 |/ |/　 ::;;≠ｭ_ >'　　　 ｨ'了T ヽ　ﾍ::ヽ_:/
　　　　　　　　 　 　 |　,ｲ〈 iJ;i　l　　　　　　i:'_ｊ ﾉ　　:ﾚ'　ヽ
　　　　　　　　　　　 | ハ　 ゝ'　'　　　　　　　　　　　（ヽ　l　　　　　というわけで戯陽速、
　　　　　　　　　　　　　　　　　　 / 　　　　　　　　　ﾉ　::/　　　　　　あの女への挨拶に行くから
　　　　　　　　　　　　　　　　　　 ヽ.　　　　　　　　　 ／!　　　　　　　俺について来い
　　　　　　　　　　　　　　　、　　　ｒ‐- 、　　　　:/7"　　:ヽ
　　　　　　　　　　　　　　　 ＼　　｀￣　　　　／ノ;;ｌ　　　　）　　　　　　合図したらすぐ殺せ
　　　　　　　　　 　 　 　 　 　 /　 、　 　::　イ/";;;;;;;;l::;: -‐ 'ｌ
　　　　　　　　　　　　　　　　/ 　 /｀:::‐:::´::／.;;;;;;;;／　　　.: l


　　　 　 ＼　 　 ＼　　 　 ./:::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::＼　 　 /　　 /
　　　 　 　 ＼　　　＼ 　 /:::::::::::::::::::___ﾄ､|＼::::::ﾄ､:::::::::::::::::::::::::::::::::::::: ＼ /　　 /　 　 　 　 ／
　　　　　　　　＼　 　 ` /::::::::::::::::::＞　　' 　 ＼{　＼:::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::≧=ｰ　　　　　／
　　　　　　　　 　 　 γ´｀Y:::::::::／　 　 　 　 　 　 　 ゛`ｰ＼:::::::::::::::::::::::::::::::＼　　　　／
　　　　　　　　　　　/　r､ :}:::::ｱ　　　　　　　　 　 　 　 　 　 ＼＼::::::::::::::::::::::: rヽ　／
　　　　　　　 　 　 / ./　 ｿ:::/ 　 　｀ﾞマ::｢　　　　　}　　　 　 　 `　`゛ヽ::::::::::::厶
――――　　　 __{　{　 /:::/　 　 　 __ ﾏ::， 　 　 }'　 　 　 ﾉ´ 　 　 　 /::ﾍ{´
　　 　 　 　 i}ｰ=:〉::', r /:::厶.:ｧ　　　　 ﾋﾘヾ:､__　 }　 　 ／　 　 　 　 /:/　　　　 ＿＿＿＿＿＿＿
＿＿__＿＿ﾏ:::/:::く_ノ::::::::／　　 　 　 `ー′`ｰ='　 ／　 　 __　 　 /:/　　　＿＿＿＿＿
　　　　　　　 V ::: /:/::::／ 　 　 　 　 　 ― ― -　 / ノｰ=≦ﾆミ　/´　　＿＿＿＿__
　　 　 　 　 ,rﾍ:::/:::r≪＿　　　　　　　　　　　　　/`ｰ､ﾋﾘ　〉　r　　 　＿＿＿＿__　　　　　国君の夫人を暗殺することを……
　　　　　 ,./　　〉 {´　　´　　　　　　　　　　　 　 /　 　 ゛　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　強いられているんだッ！
　　 　 ／/ 　 /　 ｘく;　　　　 ,　__　　 ⌒｀　 　 ﾉ 　 　 　 　 /
　　　/　　　 ,i{　 　}ﾏ/、　 ／r　｀く＞．　　 "´　　　　　　,　　　 　 ＼ ＼　　＼
　　　　　　　　', ｉ　}! ﾏ/,　 ’, {　　　` ＜＞ｰｧ ﾘ　　 　 ／　　 　 　 　 ＼ ＼　　＼
　　　 　 ／　　 ,　 |!　ﾏ/、　ヾ ､___　　　 厂　,′　　　　　　　　　　 　 　 ＼ ＼　　＼
　　　 ／　 　 　 , 　 　 ’,　　 ` - ､ ｀ー― ′　　 xく　　　　　　　　　　　　　＼ ＼　　＼

╋━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━╋

　　　南子が蒯聵を接見し、
　　　蒯聵はみたび合図をおくったが
　　　戯陽速は進み出なかった

╋━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━╋

　　　 　 ＼　 　 ＼　　 　 ./:::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::＼　 　 /　　 /
　　　 　 　 ＼　　　＼ 　 /:::::::::::::::::::___ﾄ､|＼::::::ﾄ､:::::::::::::::::::::::::::::::::::::: ＼ /　　 /　 　 　 　 ／
　　　　　　　　＼　 　 ` /::::::::::::::::::＞　　' 　 ＼{　＼:::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::≧=ｰ　　　　　／
　　　　　　　　 　 　 γ´｀Y:::::::::／　 　 　 　 　 　 　 ゛`ｰ＼:::::::::::::::::::::::::::::::＼　　　　／
　　　　　　　　　　　/　r､ :}:::::ｱ　　　　　　　　 　 　 　 　 　 ＼＼::::::::::::::::::::::: rヽ　／
　　　　　　　 　 　 / ./　 ｿ:::/ 　 　｀ﾞマ::｢　　　　　}　　　 　 　 `　`゛ヽ::::::::::::厶
――――　　　 __{　{　 /:::/　 　 　 __ ﾏ::， 　 　 }'　 　 　 ﾉ´ 　 　 　 /::ﾍ{´
　　 　 　 　 i}ｰ=:〉::', r /:::厶.:ｧ　　　　 ﾋﾘヾ:､__　 }　 　 ／　 　 　 　 /:/　　　　 ＿＿＿＿＿＿＿
＿＿__＿＿ﾏ:::/:::く_ノ::::::::／　　 　 　 `ー′`ｰ='　 ／　 　 __　 　 /:/　　　＿＿＿＿＿
　　　　　　　 V ::: /:/::::／ 　 　 　 　 　 ― ― -　 / ノｰ=≦ﾆミ　/´　　＿＿＿＿__
　　 　 　 　 ,rﾍ:::/:::r≪＿　　　　　　　　　　　　　/`ｰ､ﾋﾘ　〉　r　　 　＿＿＿＿__　　　　　自分の命を一番に考えることを……
　　　　　 ,./　　〉 {´　　´　　　　　　　　　　　 　 /　 　 ゛　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　強いられているんだッ！
　　 　 ／/ 　 /　 ｘく;　　　　 ,　__　　 ⌒｀　 　 ﾉ 　 　 　 　 /
　　　/　　　 ,i{　 　}ﾏ/、　 ／r　｀く＞．　　 "´　　　　　　,　　　 　 ＼ ＼　　＼
　　　　　　　　', ｉ　}! ﾏ/,　 ’, {　　　` ＜＞ｰｧ ﾘ　　 　 ／　　 　 　 　 ＼ ＼　　＼
　　　 　 ／　　 ,　 |!　ﾏ/、　ヾ ､___　　　 厂　,′　　　　　　　　　　 　 　 ＼ ＼　　＼
　　　 ／　 　 　 , 　 　 ’,　　 ` - ､ ｀ー― ′　　 xく　　　　　　　　　　　　　＼ ＼　　＼


　　　　　　　　　　　　 l ヽ　　-‐　 ￣￣　　 ‐-　 -‐::::::7
　　　　　　　　　　　　 | ／　　　　.......:::::::::_;;:::　-‐-　／
　　　　　　　 　 　 ｒ　" l　　　 ..:::::::;:':::／　　 .....:::::::......｀ヽ､＿
　　　　　　　 　 　 l　　 ヽ　　.::;　-―::::::::::::::::::::::;: 　''" ヽ ::::::::::::::ﾌ
　　　　　　　　　l ヽ　　　::> '　 　 　 　 ヾ､ｨ::／　.......:::::::.. ＼::／
　　　　　　　　　 l　 ＼／　　　　　　　　 /ｚ_z＿_::::::::::::::::::::::..ヽ＿＿
　　　　　　　　　　ゝ／　　　　　　　..::/ /::::::::::::::::::l￣::ヽ＼::::::::::::::／
　 　 　 　 　 　 　 /　／　／　...::::／//　 ::::::::::::::::| ヾ::::::ヽl_;;;:::／
　　　　　　　　 　 l /l　／　..:::::／　／‐-=＝＝‐-ヽ:::::::::::::l
　　 　 　 　 　 　 |/ |/　 ::;;≠ｭ_ >'　　　 ｨ'了T ヽ::::ﾍ::ヽ_:/
　　　　　　　　 　 　 |　,ｲ〈 iJ;i　l　　　　　　i:'_ｊ ﾉ:::::::::ﾚ'::::ヽ
　　　　　　　　　　　 | ハ　 ゝ'　'　　　　　 ..::::::::::::::::::::（ヽ::::l　　　　　この役たたず……！
　　　　　　　　　　　　　　　　　　 / :::::::::::::::::::::::::::::::::::ﾉ::::::/
　　　　　　　　　　　　　　　　　　 ヽ.:::::::::::::::::::::::::::::::::::::／!
　　　　　　　　　　　　　　　、　　　ｒ‐- 、:::::::::::::::::/7":::::::::ヽ
　　　　　　　　　　　　　　　 ＼　　｀￣::::::::::::::::／ノ;;ｌ::::::::::::::::）
　　　　　　　　　 　 　 　 　 　 /　 、　 ::::::　イ/";;;;;;;;l::;: -‐ 'ｌ
　　　　　　　　　　　　　　　　/ 　 /｀:::‐:::´::／.;;;;;;;;／　　　.: l
　　　　　　　　　　　　　　,. イ 　 /:.:.:i　　 /:.:.:;;;;／　　 　 .::　ﾍ

╋━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━╋

　　　蒯聵の顔色がかわったのを見て
　　　南子は事情をさとって泣き叫び、
　　　霊公は南子の手を取って楼台へのがれた

╋━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━╋

　 ∨　　. : :／ . :/　　 　 :/ !　 .:/!　: :!ハ　　ト､ 　 :|､ : :ﾍ ∨.　　: : : 　 : : :
　　∨ . : //　 : :ｉ　　　. : :{斗＿:Ｈ　: :|　乂＿＿` :十ヽ: :ﾍ-V:_.　: : : 　 : : :
　 　 ＼://　 : :/|　. :＞'"´_＿_≧ﾐ￣｀　 　 　 　 ￣｀_,≧≦ﾐ_≧＜: : .　: : :
　　　　　 ､　 :/ :|: : : ｉ`ｰf´￣,　､｀ヾヽ　　　 　 　 .::::ヲ￣,.　、￣｀ヾ二) : :
　　　　　　ヽ/ i　`: : ﾊ　i!　 f::ん:!　 i｀　　 　 　 　 　 ′ｆ:ん:ﾊ　　 ﾘ´/　:　　 　　　ひいっ！
.　 　 　 　 　 `|　 : : : :'　ヽ　!::じﾘ　/ 　 ......... 　 　 　 !　{::じ::ﾘ 　 /　′　　 :
.　　　　　　 　 |　: : : : :|　 .:｀＝＝:´::::::::::::::::::::::::::::::::::::`::＝＝:::::´:.　i 　 　 . :　　　　殿、太子は私を殺すつもりです！
　　　　　 　 　 V　: : : :|　　:::::::::::::::::::::i!´　　　　 :::::::::::::::::::::::::::::::: 　 |　　 . : :
　　　　 　 　 　 Ｖ　 : : | 　 　 　 　 　 t　､　　　　　　　　　 　 　 U　| 　 .:　 :
　　　 　 　 　 　 V　: : :.　　　　　　　　　　　　 　 　 　 　 　 　 　 　 l　 .:　.: :
　　 　 　 　 　 　 V　: :ﾍ　　　　 　 　 ,　　 ､　　　　　　　　　　　　 ..l　.:　: : :
　 　 　 　 　 　 　 〉　: : :ヽ　　　　　 ´￣￣　`　 　 　 　 　 　 　 .:::::ゝ:　 : : :
　　　　　　 　 　 ∧　: : : : :丶　　　　　 　 　 　 　 　 　 　 　 .::::::::イ: 　 : : : :
　 　 　 　 　 　 /　　 : : : : :/　＼　　　　 　 　 　 　 　 　 .:::::::＜/.: :　　.: : : :


　　　　　　　　　　/　　　 　 {　　 　 　 　 　 　 /　 7ノ
　　　　　　　　　 　　　,,.=ミﾍ　　 ,彡ﾍ,,.=-.　　　　 {
　　　 　 　 　 　 i　　 ﾐ　　　 ｀¨^　　　　　 ミ -=　 }
.　　　　　　 　 　 ',　 ミ　　 、　　　　　　　 ミ　-= ノフ
.　　　　　 　 　 　 '　ミ,-‐‐- 、__彡-‐‐-､{.ミ　　　 く
　　　　　　　　　　　Ｖ r⌒ヽ 　　　ｒ⌒ヽ　￣二7、　〉　　　　 蒯聵、このバカ息子め！
　　　　　　　　 　 　 i.入__ノ　厂i 入__.ノ 厂六/ :|⌒
　　　　　　　　　　　 ', ｰ--‐7　 ｀ー--‐'　,./｜) }.　　　 　 　 さあ南子、ふたりで逃げるぞ！
　　　　 　 　 　 　 　 Λ　　 ｖ:フ　　　 　 ｨ }　!_ノ
　　　　　　　　　　　　} .；　/¨　~¨¨ヽ　 ノ /　{　〉-､　　 　 　 か、勘ちがいしないでよね！
　　　　　　　　　　　 人 ＼レ'"＾｀ヽﾉ　　 /　｜　　 ヽ 　　 　 南子の命が最優先だからであって、
　　　　　　　　　　／　 〉 ｀ 一¨^¨ー.,_／　　 ﾚ'"　　　　　　　別に息子が怖いからじゃないんだからねっ！
. 　 　 　 　 .． "¨　 　Λ　　　　　　　　　　,．'
　　　 　 ／　 　 　 ／ 人　　　　　　　　／ｒ
　 　,． ¨7　 　 　 〈　　　 ｀ヽ,.__,.__,.ノ-'"_ノ
　　ｉ　　 {i　　 　 　 ヽ.,ノ-､ ∨//////¨/
　　|　 　 ＼　 　 　 　 　 く　∨////¨/　　　　　　_ノ~
　　|　 　 　 ｀ ‐--ミ、　　 ト　V//¨ /　　　 ノ¨￣

╋━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━╋

　　　蒯聵は晋へ亡命した

╋━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━╋

　　　　　　　　　　　　　　　＿　-―‐ｧ
　　　　　　　　　　　　 〃´_　 ｀ヽ＿　＼
　　　　　　　 　 　 　 〈／ ､_＼＿彡'　l__ｧ
　　　　 　 　 　 　 　 〈　／＼　　　}＼iハ
　　　　　　　　　　　 /ト｢ヽ　　　　 l　/ 〉 〉　　　自由への逃亡！
　　　　　　　　　　　 ´}〈r'　＼ 〉　├ゝ《⌒
　　　　　　　　　　　　(　 _､__クニﾆ＼ﾊ ＼
　　　　　　　　　　　γ二ミ　 ｀〈:::::::}::::∧　i＼
　　　　　　　　　　　 l/: : :.∧ 　 ∨::|:.Π八{Πト､
.　　　　　　　　　　／: :⌒: : i　　 ∨|: lll: : : :lll:.! i: ＞-- . .
　 　 　 　 　 　 ／: : : : : : :./　 ／∨〉lll: : : :lllﾘ/: : : : : : : : :＼
　　　　　　　　 {: : : : :_:_:／-＜: : : :｀~~¨¨¨¨ /／: : : : : }: : : : ＼
　　　　　　　　 |: : : :Τ＿__　　 ｀ヽ:_:_:_:_:_:_:_{~~￣￣￣∨: : : : :∧
　　　　　　　　 |: : : : :}　 　 ｀ヽ　　 ∧　　{人　　　　　　 ＼: : : : :∧
　　　　　　　　 |: : : : {-- ､　　 ∨　 ├――‐＼　　　　　　 ｀ヽ: : -ﾍ
　　　　　　　　∧ : : :.!⌒ヽ∨　 i　　ﾘ￣￣￣＼＼　　 　 　 　 《　 _∧
　　　　　　 　 廴ト=彡}　　} }　 l|__o/　　　 　 　 ﾏ∧　　　　 　 ∨､ 　 ＼
.　　　　　　 　 　 ゞr-ﾍ＼ Π　　／　　　 　 　 　 }　 }〉 　　　　　{　＼_ﾉ´〉
　　　　　　　　　　 {＿_}　_ﾌ｢Τ　　　　　　 　 　 / 　/　　　　　　 ヽ 〈ヽ/
　　　　　　　 　 　 (Lﾌ-' 　 |　∨　　　 ＼　､_　/ ／　　 　　　　　　 ｀~´
　　　　　　　　　　　　 　 　 l 　 ∨　　　　　　　{~
　　　　　　　　　　　　 　 　 |　　 ∨　　　　　　∧
　　　　　　　　　　　　　 　 ！　 　∨　　　　　 　 ',
　　　 　 　 　 　 　 　 　 　 ！　　　∨　　　　　　！
.　　　　　　　　　　　　　　　！　　　∧　　　　 　 ！
　　　　　　　　　　　　 　 　 ！　　 ,′∨　　 　 　 |
　　　　　　　　　　　　　　　　l　　 ,'　　 ∨ 　 　 　 !
　　　　　　　　　　　　　 /￣「ミ=彳　 　 ∨　　 ､_∧
　　　　　　　　　　 　 　 ∨ 人＿_|　　　　∨　　｀ｰ ＼
　　　　　　　　　　　　　　 ＼/　　}.　　　　 ∨　　　　 ∧
　　　　　　　　　　　　　　　　＼__ﾉ　　　　　 ∨　　　　 ∧

╋━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━╋

　　　その三年後、霊公は卒した

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ー　 ＿. : : : : : :＿_　　　　　　 　 　 ＼　　 〉:.: }:　 }__
　　　 ｀ー　´￣￣. . : : : . .　　　　 ＼　｝..:/: : /: : / /
: : : : .　　 : : : : : : : : : : : :／ー―`---＼: : : :ィ{: :.　｛
ゝ: : : : : . 　: : : : : : : : : :,′　|　　　　　　 ￣　　}: :　 }
: : : : : : : : : :　　　　　:_;/　　 }　　　　　　|　　　│:.／
: : : : :ー : : : : : : : : :_;ノ　　 /　　　 　 　 | 　 /　∨
∨: : : ￣.: : ―＜:..:.|　　　　 ,.ィ二ヽ 　 │　{　ノ:.〉
__＼: : : : :/ ⌒ヽ |: :|　　　　　　／ゝ ﾆ==〉　ﾚ'ィ/
｀ヽ : : : : :{　{ 　 〉 :.:|　　　 　 ■■■■■■■
　　乂 : : ∧ ｝ 〈 |:..:|　　　　　　　　／ 　　　:,　}
　　 　 ＞:.:小、__j:..:{　 ＼　　　　　　　　　　 ∨
　 ／ﾚ{: : ﾄ､{　r=':.:.:|　　│　　　　　　　 -:.＞′
´~| ＼乂_|　　/: :..　＼　 }　　　 ,:／ ￣￣ 〈
.....|　　＼　　　｀¨ﾌ:..:.　＼ 　　 ｛ ィ　´￣Yﾊ｀　　　　　　あぼーん
.....{　　　　　丶　　 ｀ヽ: :　＼　 　 ｰ==='''}　い、
.......丶　 　 　 　 丶　　 ＼:..: ＼_,ｨ_,ｨノヽ八　ヾ＼
　 ............＼ 　　　　　＼ 　 ヾ: :　　 　 　 　 ｝　 ＼::、
　　　 　 　 ＼　　　　　} 　／ﾚヽ: : : : : : : :/ 　 ／:::ｉ
　　　　　　　　＼　 ____{　｛ 　|　 ＼: : : :ｨ/,　'~~::::::::}
　　　　　　　　　 ＼└┐　　 } 　く ｀T〔{／:::::::::|::::::/

╋━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━╋

　　　南子は霊公の庶子を太子にしようとしたがことわられ、
　　　蒯聵の子の輒があとつぎに立てられた

　　　衛の出公である

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　　　　　　　　　　　　　　　　　,.｡-‐=ﾆ二三 二ニ=ｭ｡,
　　　　　　　　　　 　 　 　 .ィ´:::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::＼
　　　　 　 　 　 　 　 　 ／::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::＼
　　　　　　　　　 　 　 /::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::ヽ:::ヽ
　　　　　　　　　　 　 ':::::::::::::::::::::::::::::::ﾊ:::::::',:::::::::＼::::::::::::::ハハ
　　　　　 　 　 　 　 ':::::::::i:::::::::!:::::::::::/ヘ:::::ﾍ､:::::::::::＼::::::::::::ﾊ:::l
　　　　　　　　　　　i:::::::::i:::::::::i:::::::,ノ　　 ＼:::＼､:::::::::ヽ,:::::::::::', l
　　　　　　　　　　　l:::::::::l:::::::::ﾄ,::::l _,.，-‐ -＼:::＼`'・ｬ､ ＞:::::::i'
　　 　 　 　 　 　 　 iﾘ:::::::ヽ,::::i∧j .｡=≠ミ､　　`'ｰ' r=ニｷ,〉::::/
　　　　　 　 　 　 　 l::::＞＜::::{ 　 {i　lト' ｲﾘ　　　　:心:ﾘ ij iﾑﾉ　　　　　　ヒャッハー！
　　　　　　　　　　.ノ::::i'´ﾊヽlヽ' 　 丶弋ソ 　 　 ,　 弋ソ'’li::!
　　　　　　　　　/:::::::ムﾍ L　　　　　 ¨"　　　　. 〉　　 "　lリ,　　　　　　　ヴェイガンは皆殺しだー！
　　 　 　 　 　 /::::／:::::｀ゝ，._　　 　 　 　 _＿＿_　 　 　 ﾉ::::ﾊ
　　　　　　　　レﾍ::::::::::::::::::::::勹｡ 　 　 　 l　　ヽ/　　 ／::::ﾊ ﾘ
　　　　　　　　　　∨ﾍ:::::＿.ｲハ ヘ.　　　 ` ー'″ ／::::／　′
　　　　　　　　　　　.＞'’　　i　ヾ丶. ≧ ，＿ 　 ／ =‐く
　　　 　 　 　 _.＞'’　　　　　i　　＼≧ｭ｡.,_￣ ア!　　 　 ヽ,
　　　　　　 「丶,　　　　　　　丶　　　　　　ﾘ￣ノ　　　　　 lﾑ
　　　 　 　 j'´ﾍヽ　　　　　　　　＼､_　　 /_　/　　　　　　ﾘ　ﾄ､
　 　 　 　 /　　∧　　　　　　　　　i　￣ﾆ! 　 i　　　　　　/　ﾘ└ｭ
　 ┏━　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　━┓
┏┛|￣　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 　 　 　 　 ￣|┗┓
　 　 　 輒

　 　 　 衛の出公
　 　 　 衛の霊公の孫、蒯聵の子
┗┓|＿　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 　 　 　 　 ＿|┏┛
　 ┗━　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　━┛

╋━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━╋

　　　その二ヶ月後、
　　　晋のバックアップをうけた蒯聵が衛へ帰ってきた

╋━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━╋

　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 ﾄ､
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 |　＼　　　　　　　 ,
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 ゝ　　 ￣　 ミ　 ノ(
　　　　　　　　　　　　　　　 ﾏ冖￢ー-=ﾆ¨￣￣　　 、　｀丶 丶
　　　　　　　　　　　　　　　　′　　　　　　 ｀丶　　　 ＼　　　Vハ
　　　　　　　　　　　　　　　　　＞─　　 　 　 　 　 　 　 ＼　　 Vハ　 ,
　 　 　 　 　 　 　 　 ゝ￣￣　　　　　　　　　　＼　　　　　 ヽ　　i　｛ノ{
　　　　　　　　　　　　 ＼　　　　　　　　　￣ ＞　　二二 ￣ ヽ　　｜ i
　　　　　　　　　　　　　　＼／ 　 　 　 　 ／　　　　　　　　　〈　　 ﾉ　!
　 　 　 　 　 　 　 　 　 　 /　,　--―‐ｧ彡／　　　　　　　　　ﾉ　　　 ﾉ
　　　　　　　　　　　　　　 }／|/,厶ｒ／ｲ／　　　　　　＿／／＾ﾍヽ ｨ
　　　　　　　　　　　　　　 ′ ﾏ　ﾍ ﾏ /　＿　 ‐＜　 ／／　　　i,ﾊ }
　　　　　　　　　　　　　　　　　i ｛〈　/^　 汀J癶‐=彡　　,　― ﾉ　}'
　　　　　　　　　　　　　　　　 人　^　 　 　 じ　　 　 　 ィ勺ｱ /　　　　　　　ソロモンよ！
　　　　　　　　　　　　　／￣__ノ〕圦　　　　　　 　 　 　 じ　 /　　　　　　　　私は帰ってきた！
　　　 　 　 　 　 　 　 〈　　 二ニ∟ﾍ　　　　　　　 　 (　 　 ハ
　　　　　　　　　　　 　 ′｜　　　　 ｀＼　　　　　　｀ｒ　　.〈
　　　 　 　 　 　 　 　 　 ｝人　 　 　 　 　＼ 　 ´￣｀　 イ
　　　　　　　　　　　　__,ﾝ　　　￢　　　　　介ｰ　_ｒ≦三ﾆ=､
　　　　　　　　　,x＜　　 　 　 　 　 　＞ 　_ 　 　　｀!　⌒ヽ
　　　　　　　　〃　　　　　　　　　　　　＿ 　≧z___ノ⌒ヽ　i
　　　　　　　 ///　　　　　　　　　　　　　＿＿_＼__ 　　 }丿
　　 　 　 　 ///　　　　　　　　　　　　／　　　　＼ i　 ｰ'′

╋━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━╋

　　　しかし輒は父親が嫌いだったのか、
　　　南子一派の反対がこわかったのか、
　　　君主の座をゆずるのがおしかったのか、
　　　くわしい理由は知らんがとにかく父をゆるさず
　　　その帰国をみとめなかった

╋━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━╋

　　　　l　 l　　　　i;　　／:::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::ム　　　　 　 l　　 　 !
　　　　l　 l　　　　i　 /:::::::::::::::::::::::::j:::::::::::!:::::::::ヽ::::::::::::::::::::::::::::::::ム. 　 　 　 l　　 　 !
　　　　l　 l　　　　i　,'::::::::::::::::::::::::,ｨ!:::::::::::i:::::::::::::::＼:::::::::::::::::::::::::::::ﾑ　　　　 l　　 　 !
　　　　l　 l　　　　i. !::::::::::::::::::::::/　l:::::::::::::ﾄ,::::::::::::::::::' ,::::､:::::::::::::::::::::ｌ　 　 　 ! 　 　 :l
　　　　l　 l　　　　i i:::::::i::::::::::::/　　i:::::::::::::i ヽ.::::::::::::::::',::::ﾍ:::::::::::i:::::::l　 　 　 l　　 　 !　　　　じいちゃんが言ってた！
　　　　l　 l　　　　i }:::::::l:::::::::/　　　',:::::::::::ﾑ　 ＼::::::::::::.:::::l::::::::::i::::::::l　 　 　 ! 　 　 :l
　　　　l　 l　　　　iﾍ::::_ ﾍ:::::i=＝=-ｭ＼:::::::ﾊ　　.≧,:::::::ﾄ,i l:::::.ｲ::i:::::ﾘ　 　 　 ! 　 　 :l　 　　　父さんは
　　　　l　 l　　　　i　}i',｀Yﾍ/ x‐==ミ､　`＜::::＼,.x==ミヽVl:::://ﾊlﾘ'　　　　　l　　 　 !　　　　 できそこないの失敗作だったって！
.　　 　 l　 l_＿_＿j /iﾊﾍｷ　〈〃,_ﾉ::ﾊ ﾞ.　　`＜ﾍｨ,_ﾉ:ﾊ　》ｲ/ﾍ.i　ハ,　　　／　　　　l
　　　　 〉 ∧￣￣/::.ﾍヽ:ﾑ　　V//ｿ 　 　 　 　 ~' V/ｿﾉ　　∧ /:::ハ　／　　 　 　 :l
.　　 ／／　ー─(:::::::::::ヽ､',　　 ¨"　　　　　　　　　ﾞ""　　 /　ハ:::::::ハー────|
.　 /　/￣二二二ヽﾄ,:::::::::∧　　　　　　 ､　,　　　　 　 　 /ィ’　i!:::::ﾘリ二二二二二二ヘ
　/　/　　lﾆr───‐ヽ,.｡・ヘ　　　　 _＿＿＿　　　　　//　`'・ｬ,ノ ￣￣￣ ア二二　　 ＼
/　./　_＿＿＼　　　　 ∧　　i＞ .　　∨　 　 /　　 ，＜ ﾘ　　／　　　 　 ／＿＿＿＿＿　＼
i　 |￣￣　 ／iﾍ 　 　 　 ∧　l　　　＞ .￣￣.，　≦　　 リ　 /　 　 　 　 /ヽ.
l　 | 　 　 ,/　 i! Ⅵ　　　　∧ ∨　　　ヘ. ￣　.ィ’ 　 　 ﾘ　 /　 　 　 　 /　 ,' ヽ,
l　 |　　 ,/　　 i　 Ⅵ　　　　∧ i　　　厂L　　斤!　　　　i　 /　 　 　 　 /　 /　　ム
l　 |　　/　 　 ﾑ　 Ⅵニニニ∧j　.ィ’　oﾊ　ﾉ　 ＼　　 ﾘ ./　 　 　 　 /　./　　 　 ﾑ
l　 | ＿jー _　ﾍﾍ,　Ⅵニニニ∧'1　　　　'y'　　　　ﾄ､ノ' /二二二二/　/／　　 　 ﾑ
l　 |' ,.｡ '’　　　ヽ丶.Ⅵニニニ∧l　　 　 / 　 　 　 l　　/二二二二/　/ｲ　　 　 　 ､ﾊ

　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　●

　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　●

　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　●

╋━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━╋

　　　余談だが、
　　　孔子はビッチで名高い南子と会見したことがある

╋━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━╋

　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 　 　 . . .‐ …　-. .
　　　　　　　　　　　　　　　　　　 　 　 , ＜ : : : : : : : : : : : : ヽ
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 . : : : : : : : : : : : : : : : : : : : :＼
　　　　　　　　　　　　　　　　 　 ,イ: : : : : : : : : : : : : : ﾊ : : : : : : :.＼
　　　　　　　　　 　 　 　 　 　 〃 : : : : : : : /: : :/i: : : : :}i: }: :ヽ: : : : :'，
　　　　　　　　　　　　　　　　 /: : : : :/ : : /--:/､|: : : : ;}l:.-‐‐}Ⅵ、: : ::.
.　　　　　　 ムイ　　　 　 　 /: : :/: /: : : }'ﾑイ,_　ｰ‐‐‐'八_:_人'; :ﾍ: : : :.
　　　　　　〈: : :彡'　 　 　 　 へ/: /: : : :/〃心ﾊ　　　　 心ﾏ 7.}:: :|: : l_:}
　　　　　　　℡'　　　　　　 　 ≠ｲ: : : :/　ヽ夊ｸ　　　　 弋ｿノ∧: :|: : }
.　　　　　 　 (:::)_　　 　 　 　 /三|: : ::/∧　　　　　　 :､　　 　 {ｲ}: :l‐ '　　　　ビッチゆーな！
　　　　　　　　(::::)　　　　　　{　　|: ::/ ｀ム　　 　　‐― ｧ 　　 ,::ﾉ}:.:l
　　　　 　 　 　 ゝ⌒y‐- 、／ ⌒|::/厂}i￣ 、　　{　　 ﾉ 　　ノ7　}: |
　　　　　　　　 　 ｀´ゝ≠｡ﾟ 　 　 j/.}二.}　　{＞　　= ´　 ＜ ヾ　 .} |
　　　　　　　　　　　　　/ 　 　 　 　}二 }　 ∧ ｀i　ミチﾍ=i　　　'，リ
　　　　　　 　 　 　 　 /　　　　　　 }二 .}　　 ＼l　./＞'´t|　　　 }´
　 　 　 　 　 　 　 γ≠γ=o。 　 /ニニ廴.　　｀Y´　 |ニ} 　 　 {　　 　 　 　 z、
　　　　　　　　　　/　　//　　.ﾏ　ﾉニニニﾆ＞､　 　 ノ二| 　 　 ﾊ.　　 　 {｀Ｙ /7､
　　 　 　 　 　 ／'　　 ' '　　　 .Yニニニニニニ}}/三三ﾆ} 　 　/ ‘,　　　/　ﾏ_/ ハ
　　　 　 　 ,ム{　ｉ　　 ｉ i　　 　 .iニニニニニニニニニﾆ,ヽ　　　　 ゝ 　 { 　 }　ﾑ,/
　　　　　　 Ｖ⌒f|　　 | |　　　　.|ニニニニニニニニニ/ 　 ﾏ_　_ノ_フ〕_ﾑ　　　 /
.　 　 　 　 /　　 |　　 | |　//　　|二ニニニニニニニ /　　 .弋__ノ　／ 　　,　イ
　　 　 　 　、 　 |　　 | |　　//　|ニニニニニニニﾆ, '　　　　 ∧ 　 　 　／
　　　　　 　 ＞ミ|　　 | |　　　　.|ニニニニニニﾆ／.　　　 　 　 ｀　___　´
　　　　　　　　　 |　　 ｌ l　　 　 .ｌ.ニニニニﾆﾆ／
　　　　　　 　 　 ,!　　 ｌ ｌ　　　 ﾑ二二二二イ{＿
　　　　 　 　 　 从 　　ｌ l　 　 从二二ニニ〃ﾆﾆ}
　　　　　　　 ノニム＿ゝゝ_ノ≧ニ＝ニ≦ニニﾆ＼
　 　 　 　 ／ニニニニニニニニニニニニニニニﾆヽ
　　　　　/ニニニニニニニニニニニニニニニニニﾆ＼

　　　　　　　　　　 ﾄ、　|:::::::＼{::::::::::::＼, ィ´ ￣ ｀ヽ、　　　 　 　 |､
　　　　　　　　　　 |::丶 ',::::::::::::ヽ:::::::::::::::::::::::::::::::::::::: ＼　　 　 　 |::!
　　　　　　　　　　｜::::::｀＼:::::::::: /::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::ヽ、＿_,ノ:::|
　　　　　　 　 　 　ﾍ:::::::::::::::ヽ::: /: /:/:/:::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::___,ﾉ
　　　　　　　　 ＼、 ヽ、::::::::::::V::,ｲ,ｲｿ:::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::＼
　　　　　 　 　 　 ヾー-｀--‐'´ﾙ'/y'ﾞ::::::::::::::::/::::::::::::::::::::::::::::: ＼:::::: ヽ
　　 　 　 　 　 　 　 ＼:::::::::::::::: ,勹::::;ﾉ ::::::::/｀'' ‐- ．__::|:::::::::::::::ヽ、:::ﾍ
　　 __ 　 　 　 _,．-‐ ´,ゝ､__:::::〈 /／:::::::::::,㌧．___　 　 ｀!::: |::::|:::|: |ャ:: |
＼/ 　｀ヽ、''´,,ｨｧ' ア´ｲ´／-､::/'| ::::::::::: /‐ﾍ＼_,|｀7_＞|:::::|::: !:::!::| ∨:|
ﾉﾂ｀>､ 　 /''´／／;ﾉ::|1´　＼ ＼|::::::::: ,ｲニﾆ＾¨´',ﾉv'_ﾌj:::: !: /::;ﾊ:!　V:|
〉､ｨ o/　/ヽr'‐'´::/___:!ヽ、 　 ＼ ｀ヽ､::| !　　　　 { ｀¨´ﾉ|::: |/|:/　||　 V!　　　ぶっす～
　｀¨´　/　ノ::.::, =.ﾆ二ヽrー-- 、ヽ r_'ヽ ー ､__r ′ィ´/|::: ﾚ'|′ |!　　ﾘ
ヽ、__,ノ､/::., -‐r_ｧ'´_￣￣ }ヽ.人　 |l | |　　､ｧ, イ|ﾉﾉ:;'|::!::::|　 　 ﾉ
　ｲ/　 ノ／::.'´:｀¨_´__ ￣ヾ、:::＼ヽ !l | |ヽ__,.ｲ　j_ﾚ|:/_j_|:::ﾉ'´:}､_
/ ,' ／ ´ィ´::.,ｨｺ´___'__j￣￣｀ :::}ヽ:∨ ! |-':::Vｨ',ィ＾Vﾉ-r｀':::::_'__:::}､_
,ノ//／::.::.／:rﾐ´､＿___＞､ ::::::,′j::ﾍ ヽ!_／ィ´:ﾍ　|!､::j l::::/　i｀ヽ､ﾉ、
　i/´::.: ／::.::.:｀ヽ＿__{____,:::::::ノ　/::::;ﾊ、::.´::.::.::.::.:｀´::|:::::|: ー､|rﾁy'i j
　|::.::／::.::.::.::.::.::ゝ､_｀_ｧ'´:::::::｀ー':::::,'/　｀ヽ、::.::.::.::.::./ヽﾉ::___:::｀:く 〃
　|::/::.::.::.::.::.::.::.::.::.／/￣￣｀ゝ､__,〃　　　　｀iヽ､::.::.|:::::::V´｀ヾ::::: ｿ
　|,'::.::.::.::.::.::..::.::／::.;ハ:::::::::::::::::／｀＼　　　 ,ﾉ:::::::＼|:::／　　　ヽ/
　 ┏━　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　━┓
┏┛|￣　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 　 　 　 　 ￣|┗┓
　 　 　 仲由、字は子路

　 　 　 魯の卞のひと

　 　 　 孔門十哲のひとり
　 　 　 もと遊侠
┗┓|＿　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 　 　 　 　 ＿|┏┛
　 ┗━　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　━┛

　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 .．-─- ､
　　　　　　　　　　　　　　　　　ｨ=ｒ=ｒ=ｒｘ:、 从{、　ﾉノﾉヽ.＿
　　　　　　　　　　　　　　　 メﾔ ¨¨¨ﾞ　＜Ｙ:f^ゝ一 " ヽﾊ:.:.:.:＼
　　　　　　　　　　　　　　 /メ　　　　　. ィ:{ﾐ!ｬ｡ﾐﾊィ｡ミ.〉{:.:.:.:.:.:.:ヽ　　　　　どうした由よ、
　　　　　　 ｨ= .､ 　 　 　 fﾒｉ　　　　／､:.:./∧　´i.i,｀　/ﾄﾐ =ｧ:.:.:.:.:!　　　　　なにをそのようにぶすったれておる
　　　　　　{　　 ヾミ:x　　爻!　　.イヾ三､:{ i:ヾ.ﾔ三ﾃj;.ｲｿﾘ´:､:.:.:丿
.　　　　　　ゝ　　　 　 ＼ Ⅵ ／:.:.:.:.:.ヾ三Y:.:.:.ゝ==彳メ:.:.:.:.:.:ｉ:ソ
　　　　　　　　｀ ＜.　　　｀ヾ--- ミ､:.:.:.ヾ;;:､:.:.:.:.:.:.:.:j三ﾊ:.:.:.:.:{′
　　　　　 　 　 　 　 ＼/　　　＼ミ､ ｀ヽ:.:.:;.;}:.:.:i三三三ｨ:.:.:.:.:.i
　　　　　　x─一"¨ナ辷､ ＿ ,　＼ヽ　 Ｖ/:.:.:.:l三i:.:.:.:.:.;;:.:.:.:ノ　　　 ｨ==ｙ… ､
　　ｒ==彡’　　　　　　　,.　　　　　　＼　 ﾘ:ゝ:.:.!ﾆﾘ:.:.／:.:.ソrミ:、　/　 iヲ==､ i
　　ゝ ＿.．-―ャ…一"　　　　　　､　 ＼}:.:.:.:/ﾆ/:.:.:..:.:／ヽ:.i 　Y《　　 }― ､.ｿ
　　　　　　.イ´　　　ノ　　　　　　　　ヽ　 ゝ:./ﾆ/:.:.:.:.:.f⌒ヾ)ﾉ_.斗 …‐┴一､}
　 　 　 ／　　 イ ´　　　　　　　　 ゝｫ.　　　ヾ/:.:.:.:.:.:/爪｀ミ …　､　 　 　 iУ
　　　 /ｧ　　/ /　　 }　　　　 ゝ ＿ノ彡､　　　 ＼⌒ / /:.:＞ ､　　　｀ ≧ｫリ
　　 ./-　 .ノ /ﾞ　／ヾﾐｘ ＿.厶彡シ ﾉ＞寺ｭ､＿.ﾉ　;シ:.:´:.:.:.:.:.＼　／､　:!ｽ
　　　｀￣　 /､　ﾉ　　i:.:.:.＞ミ一".／:.:ｘ≦三ミr一 く:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:／ ´ャ"77/∧
　　　　　　 iｫ　.'　　 .|:.:/ﾆ/イ三三彡ｲ::::::::::::::｀ヾ三ヽ:.:.:.:.:.:／三／::::...､///∧
　　　 　 　 l._ノ　　　 メﾆ/彡"::::::::::::::::::::::::::::::::::::::ミ､三＼:/三／::::::::::::::::｀ ＜ﾘ
　　 　 　 　 　 　 　 〈 シ　/:::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::ミｘ三／::::::::::::::::::::::::::::::::＼


　　　　　| ヽ、　|　　｀-′ 　　　　 .｀ｰ ..,,__）　 l
　　　　　 l:::　ヽ_＼::　　　　　　　　　　　　::::／
　 　 　 　 ＼::: 　 　 　 　 /　　　　　　　　　 ｀ヽ
　　　ヽ 、　　＼:::::　　,　.l /__　　　 ,　　,　　　　l
　　　　＼ ￣￣ ::::::i　l i　|ｌ_:::::｀゛''ｰ-l　　l　　　　|
..、　　　　ヽ、＿, -| l.| ./｀|，、｀゛''',.=.| i　|　ハ,r.ｰ、　　　　　　　　不機嫌にもなりますよ！
、ヽ　　　-ー ''´::::::l |::::| ｀lｰ_´ r,'､’_｀l |. l /|,/　｀/　 ,,..,
..＼ ＼　_,,｀',ー_-ｰ,|:l::l　　　　,!>｀　:::/~ﾞi　l/　　,'　　l 　l　　　　　　師匠はなにをお考えなのですか
　　i.　 ヽ　　　　 ｀ｌヽｿl 　r==--,　／ /:ﾉ /　'　l　.,.-'′.ヽ
　r'　''´　 　　　　　|　｀ヽ、｀二゛/l　　l:::し'　　　 ｰ'　,-'／_,,　　　　　あのような評判のわるい女と会見するなど、
./　　　　　　　　　　l　 ', .｀'ー ´ゝ|　 .ｰ　　　　　　　　l,_ゝ　'、　　　　いい恥さらしです！
l　　　　,,..ー―-- ;;ノ　　l::、　 |::: l　　　　　　　　　　, ー '__ ﾉ
|　　 ,r',.-ｰ''゛~゛''､ 　　　 ー、 l　 .|　　　　　　　　　/l　 l_,,.、
.l　 /　　 ヽ　　　 ヽ,　　　 | 　ｰ- ,,.>,　　,,.. -ｰ'''~゛´゛　　　 ）
..|　.l　　　　）　　　　ミ-.. ,i　　　/ 　ゞｰ''　　　　　　／￣゛´
. ヽ_,!　　 ,/_　　　　　 ＼　　／＼　　 ＼　　_.__,,／
　　 ヽ,　　　 ヾ,　　　　,,.-''.´　　　＼　　::｀ｰr'

　　　　　　　　　　　 _, -zーｧ―-､　　　　　　　　　　　 l　　　ﾚi
　　　　　　　　　 ∠ｨｆ´￣｢￣￣¨丶_　　　　　　　　　　{　　　　ﾚ!
　　　　　　　　 ／/ ｌｉ　　 | 　 　 　 | l＼　　　　　　　　 ﾍ　　 　 ！
　　　 　 　 　 /　l　_｣.、　　　　　　' /　 ＼　　　　　　/　:.　　　　レ!
　　　　　　 ／｀Y　l 　 ＼　　　　　/　　/ ハ　　　　 /　　::　　　　　i
　　　　　　l ／ , ト|　　　 ＼　 　 /　　/ /　 }　　　 /　　 ﾊ　　　　　{
　　　　　／　 /　ｰ ､　　 ｌ,　＼＿＿＿_,　 /　　　/　　 /　l　　　　　'
___ _　／イ　 /　　￣＼　 lｉ　　　　　　 /／　　／　　　/　 l　　　　　|
三二ﾆ／　 / l　　＼__ﾟﾍ_ﾉ　,,, - ' 　 〃　 _ ノ　 /　／　　 !　　　　 ,
ﾆ¨￣/　／ﾘ /　　 -―=　yｹー｡=､ ﾃ! 二三≧彡'　　　　 ,　　　　 ﾘ　　　　この、うつけものがぁ！
　　　７/l　 } j/⌒丶k　/ /　ヽー'　/ﾉ 　 　 　 　 　 　 　 /　　　　 j
　　　 |　:.　 V"｀>､__＼_/},__　　 ／|　　　　　　　　　　　〃,　　　　l
　　　　　ヽ　l　 {_ｰ- `ーｭ-､〉 ｲ　 l|　　　　　　　　　　 　 /　　　 /
　　　　　　 ｀{＿ー￣ヽ二ﾉ／ jﾊ　 |　　　　　 　 　 　 　 /　　　　〉
　　 　 　 　 　 ｨ少く ＿_／　　 ハ　!　　　　　　　　　　 /　　　 ,ｲ
　　　　　　　x彡ｿ　　　　　　　 　 ヽ|　　　　　　　　　／　　　 /


　　　　　　　l　i|: : : :ヽ: : : :ｉ: : : : :l:、
　　　　　　　ヽ､l: : : : : : : : :＿:_: : : :ヽ
　　　　　　　＿ヽ: : : : :,:ｨ´_―‐_｀ﾄ; : :i
　　　　　 '´￣｣: : : : : /ｲﾞ￣' :::￣｀l: : ヽ　 　!　　　　　　　　ウボァー！
　　　　　　　　 ヽ: : : :i,　 /二二';i　l: : : :ｲ／|
　　　　　　　　　´7: :fri'　!´::::::::｀ｌ|　!: : : : : :/　　　__
　　　　　　　　 ／:_ 弋|　|::::::::::::::ｌ}　!: :_; -'´_,　 　(　）
　　　　　　　 ￣´ /ｉ: : l、ｌ⌒'⌒ｿ ,ｲ: : : ￣/　 　/ /
　　　 ,-､ 　 　 　 l |:/!:!ﾍヽﾆﾆｲ,/ l: :-､‐_'_＿._/ /
　　　ゝ.ｲ　 　 　 　l'｜!　ヽ_´_,/ｉ :l:lｰ,ｒ'´--､　 ｀丶
　　 _, -'‐――- ､　 　|!＿..　 --┴/´　 　　￣ ヽ　',
　／ 　 　 　 　 　 ヽ-'´　 　 　　　/ 　 　 _＿　 　 ｀ﾞ|

　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 ／　ヾ、ヽ　ヾ､ｿ　illﾉ　//　　>､
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　／　　　　　　　　　　　　　　　 ´　 ＼
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 /ヾミﾍ　　　ヾﾍ､　　　 /, 　 ／,ｚ彡　　ヽ
　　　　　　　　　　　 　 　 　 　 　 /　｀ﾞｿﾞ　｀ﾞ^´ ｀ﾞ'ﾞヾｿ,;ﾉ j/ ／／jz彡≦三 }､
　　　　　　　　　　　　　　　　　　/ヾﾐソ　　　　　　　　　｀'´ﾞ''´´´´´´´´´ﾞ''ｿ　　ヽ
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　 /　　　＼ー､　　　　　　/〃/ヾ､/　 ヾ:.z､　　　　ヾ､j　 ﾉ　＿　　　　　　i　　 丿
. /　　　　　ヽ' ´ ヽ　　rｿヾ､ {{　　ｿ　＞-―ﾐz:,､　　　},: /'´　　　　　　　 zヾ,z彡}
/　　　　　 /　　　　ﾞ'<ﾐゞ､彡'ヾj　|　 ヽ　 　 o　ヾﾐ:､ノ八_＿＿__,,.. ．-‐ 」三ト=ﾞ　　　わしがまちがいを犯したならば、
　　　　　 /　　　　 ﾉ_＝-=＝-} { j　　　｀ー--彡'　>z´ ｀Kﾞ´ o 　 　ヽ;::' }彡'´j }　　　　天が見すてるであろう！
　　　　 ' ﾞ　　　　 /　 ｀ヽ. 　 /　 i　　　　 ,,,;;;;;' ´ .:::::,'　 ,'´ヾヽ､＿　ノ　 / {　//　　　　　天が見すてるであろう！
　　ﾉ　　　　　　 /　　　　iﾞｰ､!∧ ﾍ　　'　　　　.:::::::::,'　 ,'　　｀ﾞ:::::::::::::;　　i　 }'ノ
　　'　　　　　　　　　　　 i!　 |　 |　i|　　　　 -=.:::::::,'　 ,'　　　　｀:::::; '　　 }　 |　　　　　　大事なことなので二回いいました！
　　　　　　　　　　　i　　 | 　 !　 !　|!　ｒ=＝-､ヽ　　　 '　　> -､　　　　〃 　 j
　　　　　　　　、　 ﾉ　　 '　　|　 |　| 　ト彡､　´ ｀ヽ,_彡'ﾞ´ー-､_　　 j/　 　 /}
　　　　　　　　　　　　　　　　}　j{　|　　　{ﾞﾐﾞ-=､_,z､_,;_＿__j　)　i　//,　　 /〃
　　　　　　　　　　　　　　　 /　|ヽ｜ 　 八ヽ　　　｀ﾞ゛'ー-､, i｀'ﾞ/. / |　　/'´
　　　　　　　　　　 　 　 　 /　 |　　ヽ　　　＼｀>=-､＿　／ノ, 　 /　iヾjｿ
　　 　 　 　 　 　 　 　 　 /　　ｌ　　 ∧ 　 ､　 ｀￣｀ﾞ＝- 'ﾞ　 / .〃　 }
　　　　　　　　　　　　 ／　　　＼　　ﾊ　　 ｀ﾞ≧=---=彡　/／　　 /
　　　　　　　　　 　 ／　　　　　　＼　 ｀:､　　　　　　 　 ／　　　 〃
　　　　　　　　　 ／　　　　　　　　　＼_　｀ﾞﾐ≧≡=-=彡　　　／

　　　 ／:::　.:::::::: ..:::::::::::::::::::::: ..:::　　 ,.　-　'"~::::::::::::::::::::::::::::::::::ヽ　　　　::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::
　　／ .:　 .:::::　 .::::::::::::::::::::::.::::::　 /~:::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::ヽ.　　　 ::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::
.／　／　 .:::　　.::::::::::::::::::::::::::::　 /:::　::::::::::::::::::::::::::::::::::::＿＿＿＿_ヽ　　　::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::
　.／　　.:::　　 .:::::::::::::::::::::::::::　 /::　　:::,;:　-─　 '"~￣　　　　　　　 ヽ.　　 ::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::
／ i　　:/　　　:::::::::::::::::::::::::::　 /;: - '"~　　　　　　　　　　　　　_　-‐'"ヽ.　　 ::::::::::::::::::. ::::lヾ:::::::::::::::::
　 l　 .::/　　　:::::::::::::::::::::::::　 .i　　　　　　　　 l.　 | 　_ ,　-‐'"~,　-‐┐‐ヽ.　　 ::::::::::::::::::　::l. ヾ::::､＿_　　　　はぁそうですか
　l　 .:/|.　　　.::::::::::::::::::::::::　 .l~~゛三二_─‐--､　ヽ＼_ ,. _'"~　､ﾉ::::ﾉ　 _ヽ　.　 :::::::::::::::::　:l　 |:::ヽ
. i　 /　|　　　 ::::::::::::::::::::::　　|ｨ '" ､ﾉ::::）,..~-゛`'ヽ　　　　　￣￣￣￣￣　 i　:　　::::::::: :::|l.　l　|:::::::ヽ､
. | ./ 　.|　　　|::::::::::::::::::::::　 .|‐--‐' '"~　　　　 .::l　　　　　　　　　　　　　　 l. l　　 :::::::　:l l　|ﾉ:::::::::::::
. | l　　 |.　　 |:::::::::::::::::::::　　|　　　　　　　　　.:::丿　　　　　　　　　　　　　　.|. l　　 :::::　 :| l. |:::::iヽ､__
. |.l　　　|　　 |:::::::::::::::::::l|:　 |　　　　　　　　 .::く　　　　　　　　　　　　　　　　|. |.　　::::.　 :|/|.|::::::|
. |l　　　 .|　　|.ヾ:::::::::::::|.| 　|　　　　　　　　:::::::::ヽ　　　　　　　　　　　　　　　| |.|　　:::　 .|::::|l:::::::／￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣
　　　　　 l　 |　ヾ:::::::::::| |.　|､,'　　　　　　　　 ::::::::ヽ　　　　　　　　　　　　　　| |.|　　:　 .l:::::::::::: |
　　　　　　l　|.　 ヾ::::::::l　l　|,'＼　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　|.|.|　　　 .l::::::::: 　|　 　 大ゲサすぎて
.　　　　　　 l |　　 ヾ:::::i.　l. |ヽ. ＼　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　l|.|　　/ /:::::｡ｏO|　　　かえって怪しい……
.　　　　　　　l|　　　 ヾ:ヽ　l |　ヽ　ヽ　　　　　　⊂二二二二>　　　　　　　　　. |　 /|/:::::::::::::　|　　　ゲスの勘繰りかも知れんが
　　　　　　　　　　　　 ヾ､　 l　| | ヽ　　　　　　　　　　 .........　　　　　　　　　　/ |　/::::::::::::::::::::| |
　　　　　　　　　　　　　l.　　　|::::| .| .ヽ.　　　　　　 .:::::::::::　　　　　　　　　　／ .| /:::::::::::::::::::::::.|:.＼＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿
　　　　　　　　　　　　　 l　　 |:: ::| |.|.　 ヽ.　　　　　 :::::　　　　　　　　　　／　　|/　　:::::::::::::::::::|　::::
　　　　　　　　　　　　　　l　 |　 ::|l .|　　 :::ヽ　　　　　　　　　　　　　　／　　　　　　　 ::::::::::::::::|　:::::
　　　　　　　　　　　　　　 l. |　　:::::::|　　 ::::::::ヽ.　　　　　　　　　　 ／　　　　　　　 .....:::::::::::::::/　.:::::
　　　　　　　　　　　　　.／.l|　　::::::::l　　 :::::::::::::ヽ.　　　　　　　 ／　　　　　　　...::::::::::::::::::::::/　 .::::::
　　　　　　　　　　　 .／　　　　　::::::ヽ　　 ::::::::::::::::ヽ　　　　 ／　　　　　　 ...:::::::::::::::::::::::::::/　.:::::::::::

　　　　　- -　--　──　──────────────────　──　--　- -
　　　　　　　　　　- -　--　──　────────────　──　--　- -
　　　　　　　　　　　　　　　　　　- -　--　─　──　─　--　- -
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　- -　　- -　-

　　　　　　　　＿__
　　　　　 　 fｼ´￣｀i　　　　　　とにかく衛の輒は
　　　　　 　 ｈ(=)(=)l/'ﾞ）　　　　 父の蒯聵の帰国をみとめなかった！
　　　　 　＿ヽ　ヮ / /
　　　　　 ﾂ＼＼i‰/　　　　　　そしてこのときの輒のふるまいを
　　　　　/　/ ＼＼|　　　　　　　『春秋』は是としている！
　 　 ｛ｧ,》／ |：　＼|
　　　_|⊥　　|.三三|　　　　　　 衛太子もまた蒯聵とおなじこと、
　　　 |｜　　| 　 l ｜　　　　　　すでに孝武皇帝に罪を得ながら逃れて死につかなかった！
　　　 |｜　　| 　 l /　　　　　　　今ごろのこのこあらわれたところで罪人でしかないわ！
　　　 | | 　 /| 　 i
　　　 |_!　 ヾj_,.べ、
　　　　　　 　　￣

―――＝＝＝＝＝＝ﾆﾆﾆﾆﾆﾆﾆ二二二二二ﾆﾆﾆﾆﾆﾆﾆ＝＝＝＝＝＝―――

　　　　　　　　　　　 ――＝＝＝ﾆﾆﾆﾆ二ﾆﾆﾆﾆ＝＝＝――

　　　　　　　　　　　　　　　　　　―＝＝ﾆﾆ＝＝―

　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 　　 　 ＼＼:::::::::::::::＼ヽ
　　　　　　　　　　　　　　　　　_　-----､　　　　　　　 　 ＼＼::::::::::::::::＼
　　　　　　　／/　　　　　　／　　　　　　 ｀ヽ､　　　　　　　 ＼＼::::::::::::::
　　　　　 ／ﾌ/　　　　　., '　 　 　 　 　　　　 }::＼　　　　　　　＼ヽ::::::::::::
　　　　／:::::/{　　　　　/　 　　　　　 　 　 　 l:::::::ヽ、 　　　　　　| }::::::::::::　　　　かくして自称衛太子は
　　　//::::::::l l　　　　　ｆ　　　　　　　　　　　 /:::/::::ｲ　　　　　　　| |:::::::::::　　　　 訟獄におくられた
.　　//::::::::::l {　　　　　|ヽ　　　　　　　　　／::://:::::{　　　　　　　 | |:::::::::::
.　 //::::::::::::l !　　　　　l､::＼ 　　　　　 ／::::／ノ::r-‐イ　　　　 　 } |:::::::::::　　　　　のちの調べで、
　 l/::::::::::::::| | 　　　　　!ヽ::::｀ｰ―r―´::r‐ﾆ-´:::::::::::::/　　　　　 / /::::::::::　　　　　 やつの正体は成方遂といい、
　 |{:::::::::::::::l l　　　　 ､」:::::ヾｰ┐::::::::::::::} 「:::::::::::::::::ノ　　　　　 / /::::::::::::　　　　　　（一説に張延年ともいう）
　 ｌl::::::::::::::::〉ｌ　　　 　 ＼:::::::::l {:::::::::::::://:::::::::::::／/　 　 --／／::::::::::::::　　　　　　 衛太子と容貌がそっくりだと
　 ヾ::::::::::::::ヽヽ　　　　　 ＼_-､:＼:::::／::::::::,.‐:´:∠-－´.／／::::::::::::::::::／　　　　　　かつて言われたことがきっかけで
　　 ＼::::::::::::ヽヽ　　　　　　　ヾ:ヽ､::::::::::::::ﾉr､::::/　　 ／／:::::::::::::::::::／ 　 　 　 　 　 衛太子の名を騙ることにしたという
　　　　＼::::::::＼ヾー―――－＞- ゝｲ7´ ∧ﾐ-ﾆ ´- ´:::::::::::_ -―＜―
　　　　　 ｀ ヽ､:::＼＼　　　　ｒイ　.i {　/　　{　ゝﾆ‐"-＝ニ‐" -―￣:::>　　　　　　 やつは誣妄の罪で
　　　　 ヽｰ､　 ＼::＼＼　 ／ /　 | Lム-ﾆニ´／::::::::::::／:::　 ／::::／:::::　　　　　　 腰斬の刑に処された
　　 　 　 ヽ ゝﾆﾆゝ- ＼ニﾆムﾄ=ﾆﾆ‐::::::::_::／::::::::::::::::::_／.／::::::/:::::::::::
　　　　　 -} |＼ゞ^―――― ´:::::::::::::／ﾍ ヽー―‐ ￣ _／:::::::::/::::::::::::::
　　　/´:::::::| |::::＼＼:::::::::::::::::::::::::::::／／:::｀ヽ―― ￣:::::::::::::::::/::::::::::::::::::

　/'´￣ ）／ヽ
./　　Ｙ/´　/,へ、
く、　{./　 //　├(⌒ヽ
　＼ ヽ　ヾ」　 | ./　 /
　　ヽ　ヽ　!!　/Ｙ　 {　　　　 /ﾍ　／iヽ ﾊ
　　　｀ヽヽﾉヽ(　( ）ヽ　　　 /　Ｖ:.　 |:::Ｖ |
　　　　 ＼ ||| ||| |||　i　　　ﾉ::/　.:ｨ　|::::::Ｖ
.　　　　　 ﾄ､＿　_ノ ｝.　 Ｎ::/::／/´⌒ヽ:::|
　　　　　 |: .::厂Ｔ :.:{_／二二_／ 　 　　i::ﾚ/　　　　,ｨ　　　　　しかしニセモノのことは
.　　　　　|: :::i .:::|: :: |　　　 .／{　　　　　}ん　　　／/　　　　　　この際どうでもいい！
　　　　　|: :::i .::::|: ﾊ:|＼　　|:ヽヽ、　　ノ:/　　／　/
　　　　 i.| :::i ::::::ﾚ　 |　 ヽ＜iヽゝヽ-彡ノ─'　　 /　　　　　　　 問題なのは雋不疑、
.　　　　| |.::i :::::/　.:/|:::::/ﾊｼ⌒ｰ､ー'/　　 ＿／　　　　　　　　　いやさ『公羊春秋』だ！
　　　 /| ::::　::/　.:/ .|ハ彡二ニヽ＼」＿／
　 　 / | ::厂|' ...::/　ヽ...}-{＿＿二ﾆy　ヽミ､-､
　　 {　 .|ﾉ: ::| :::/　　 ヽﾉ ヽ.....-:::::::::::}:::::::}､ｰ}... ヽ　　　　　　　　『公羊春秋』の立てる義例では、
　　 ヽ::/::: .::::ヽ.........::ｿ　／ヽ:::::::::_ -ヘ-､::...}､:::: |　　　　　　　　　あのニセモノが本物であったとしても
　　　 ヽ:::...:::::::::::::_／::　:　　　￣　　　..::　＼,､:::ﾉ　　　　　　　　　 やはり罪人になってしまうのだ！
　　　　 廴__ﾊ─'i:::::::　.::　　　　　　　　　　　 >'
　　　　　　　ヽ, ::|:::::: .:::　　　　..:　　...:::::　　 /　　　　　　　 　 　 ならば私は罪人の孫か！
　　　　　　　　 ヾ､:::::::　　..:..:::　 ...::::::::　　　/　　　　　　　　　　　そのようなことがみとめられるか！
　　　　　　　　　 ヽ::::: ...::::::: ...:::::::::::::　　.／!
　　　　　　　　　　 ヽ:::::::::::::::::::::::::::　　.:/::/
　　　　　　　　　　　<::::::::::::::::::::::　..::::/:::::ヽ
　　　　　　　　　　　ﾉ:::::::::::::::::　..::::::::::::::::::|　　　　　　　＿＿
　　　　　ﾉ⌒ゝ＿ノ::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::ヽ　　　　　＜:::::::
　　　､ノ::,--､:::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::ヽ　　　　＿）:::::
　　　 ￣ ／:::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::/ｰ─'::,-─‐､

　　　　　　　　　　　　　　　　　　/: : : : :／
　　　　　　　　　　　　　　　　　 /: : : :／
　　　　　　　　　　　　　　　　　/: : :/
　　　　　　　　　　　　　　　　 /:::::/
　　　　　　　　　　　　　　／::/::::/
　　　　　　　　　　　　／:::::::/:::/
　　　　　　　　　　／:::::::::::::/::/　　　　　　　　　　　　　　　　　　一~＼
　　　　　　　　／::::::::::::::::::/:/　　　　　　　　　　　　　　　_,一￣::::::::::::::::::＼
　　　　　　　<::::::::::::::::::::::/:iヽ ﾊ＿＿＿＿＿，―￣::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::＼　　　　　なればこそ、
　　　　　　　　|:::::::::::::::::://:⌒ヽ:i::::::::::::::::::::::::: ー―､＿＿＿＿＿＿＿＿＿＼　　　『公羊春秋』は排除されねばならん！
　　　　　　　　 |:::::::::::::::/:::ｌ 　 　i:ﾚ⊿:::::::::::＿一￣
　　　　　　　/（ |:::::::::::/:: :::ヽ_ ノ:/　 :／￣　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　そして私の帝位を正統化してくれる、
　　　　　 __/::::｀､|::　/iヽゝヽ- ノ::／　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　『公羊春秋』にとってかわるべき
　　　　入::::::::::::::::::＼＠ｴｪｪ　(::/､＿／彡＼ 　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　スゲェイカス書こそがッ！
　　　/:::::::::::::::::::::::::::::::ヽ　　~~ｴｴ＠／　　彡彡
　　<＼::::::::::::::::::::::::::＼　＼　　／　　　　　／＼
　　　>＼:::::::::::::::::::::::::::::＼＼＼　　／　／　＿＿＼＿
　　/ゞ　ミ＼::::⌒:::::::::::::::＼＼/:⌒|へー――´⌒ ￣＼￣￣＼
　　＼ミ:::::::::::::::⌒::::::::::::::::::，/:::::::>:＿::::::::::::::::::::::::::〉､　　ー､:::::::＼
　　　|＼＼＼　／:::::::/⌒</| | | ｖ｀　￣ー―-＜　ﾉ:::＼::::彡｀ ､:::::::＼
　　　|:::::::／　　／　　ヽ　　　ＶＶ:::::::::::::::::::::::::::::::::ﾉ　::::::＼~~:::::::::::ー　ゝ

　　　　　　　　　　/::::／::::::::／　　　　 ＼:::::::::::＼::::ヽ
　　　　 　 　 　 N::::/:::::::::／　　　　　　　 ＼:::::::::::ﾊ::::V!　 ___
　　　　　　/| 　 !::V::::::::::i′　　　　　　　　　∨:::::::::::＜￣ ＿_｀_ヽ.
　　　　 ／ /　　!:::::::::::::::!　　　　　 　 　 　 　 i::::::::::::::::!＼ ＼::::::＼＼
　　 　/ /|│ 　 |:::::::::::::::l　　　　　　　　　　　 |::::::::::::::,!　 ヽ 丶::::::::＼＼
　 　<／:::| |　　 V:::::ヽ::::|　　　　　　　　 　 　 !::::,/:::::/　　 .|　|:::::::::::::::＼＼　　　　　　『穀梁春秋』
　　　|::::::::l l　　　ヽ:::::ヽ::＼　　　　　　 　 　 /::::/:::::/__＿_.」　|::::::::::::::::::::ヽ/
　　　|::::::::| |＼＿__ヽ::ヾ＼｀ヽ-､　　　 　 ／:::/,::::::/　　　　|　l:::::::::::::::::::::/　　　　　　　　なのだァァァァッ！
　　　 ',::::::l l　　　　　ヽ.::＼ ､__:::｀￣￣::´_／／:::/ 　 　 　 |　l::::::::::::::: ::/
　　　　V:::| | 　 　 　 　 ＼:::::ｽ<､::::::::::::, ﾝ::::::::／　　　　　./ /:::::::::::::: :/
　 　　　V::{ l 　 　 　 　 　 ｀ >:::::ヽ::::::／:::-ﾊ､　　　　　　/ /::::::::::: ::::/
　　　 　 ヽ:ヽヽ　　　　　　　/＾r‐/￣｀l‐￢<￣￣ヽ 　　/ /::::::::::: ::::/
　　　　　 　､:＼＼　　　　 rl　 |/　l:　 | ,　 ヽ.　　　 >_./ /::::::::::::::／
　　　　　　　r､:::＼＼　 ／l ∨l 　 |　 /　 　 |___ ／／／:::::::┌_'__
　　　　　　　|　＼::ヽ ∨　 | /: |.　 |Dﾉ　/ 　 l 　／／:::::::::::::￣:::::└､＿＿
　　　　　l￣:|　ﾄ､ ＼＼＼.l/　 |　　　　/　　 ﾚ´／:::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::ヽ
　　　　　|::::::|　|::::＼ ＼＼＼　{ 　 　 / 　.／／::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::|
　　　　　|::::::|　|::::::::::＼ ＼≧｀丶.　　　／／::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::|
　　　　　|::::::|　|::::::::::::: :＼ ＼::＼__ｰ_'´／:::::::::::::: :::::::::::::::::::::::::::::,ｲ:::::::::::::::::::::|　　　　　 って前にもやったなコレ
　　　　　|::::::|　|:::::::::::::::::::::＼ ＼:::::::::::::::::::::::::::::::::／＼:::::::::::::::／/:::::: ::::::: ::::::|

　　　　　　　　　　　　　　　　　,.-‐∠
　　　　　　 　 　 　 　 　 ,.-‐＝ニ二＾｀ニ=、
　　　　　　　　　　　　　/,,、＼ ヽ、｀ヽ、＼气、
　　　　　　　　　 　 　 /,ｲ ＼;仆,斗‐、:ヾ､ 卞､
　　　 　 　 　 　 　 　 |;;;{! _　.ﾒfｦﾌヾ､ヽ!,､ ㍉! ヽ、　　　　　つーわけで
　　　 　 　 　 　 　 　 i ;i|fﾘﾞ,　　'"´　 ヽrf ）!=‐-込,　　　　　『穀梁春秋』がどういう理屈で
　　　　　 　 　 　 　 　| ;;i!´ヾ＿,　　　　Y´|ヾ=-‐､!　　　　　　今上陛下を正統化しているのかについて
　　　　　 　 　 　 　 　∨ﾑ､｀　　 　 　 ｲヾ、 ,､ヾﾏi　　　　　　 説明するぜ！
　　　　　　　　　　　　　∨;心､_,.　'´ 　 |∨卞､ｊヾY
　　　　　　　　　　　　　　　ヽﾘi|　　　　 !rﾍﾘ／匸{
　　　　　　　　　　　　　　 　 ｀ﾘ=ｭ､_,ィ彡､‐´:.:.廴i
　　　　　　　　　　　　_,. -‐='´､_ ｀ー'´ ＿｀ヽ､.._tj
　　　　　　　　　　,ｨ仔ｭ､ ヽ弍　 ｀　　´　　_fオ＼｀ヽ、
　　　 　 　 　 　 /ｼ´　 /　/⌒ヽ.　　｀;´ （ r┐) Yヽ、}ヽ
　　　　　　　　　ﾚ'　　 iｨｯ､ゝTｨﾉ 　 　.: 　ヽ;Y´く;ﾂ　｀! ヽ
　 ┏━　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　━┓
┏┛|￣　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 　 　 　 　 ￣|┗┓
　 　 　 尹更始、字は翁君

　 　 　 汝南郡の人

　 　 　 穀梁学者
┗┓|＿　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 　 　 　 　 ＿|┏┛
　 ┗━　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　━┛

　　　　　　　　　　　　　　_,　-‐一"＾´￣二ニ=
　　　　　　　　　　　 ,　 ´　　　　 ､｀`下､
　　　　　　　　 .-‐'´　｀　､ 　 　 　 ｀ヽ、　ヽ、
　　　　　　　 / /ﾍ、＼　　＼　　　　 　 ＼　ヽ
　　　　　　 / /|iﾄ､＼　＼　　ヽ、　　　　　＼｀ヽ
　　　　　 ./,r',' ﾘ､ﾍ　!＼　＼　　＼　 ＼　　 ｀ ､!
　　　　　/　/ 　 　 ﾍ!,斗ｬ､　＼＿ ＼＿＼　ヽ　て　　　　　聖人の手による『春秋』の、
　　　　　! ,/=‐、　 ,イ! ,.=弍ﾍ、ヾ、＿ヽ＿ ＼　ヽ　　　　　　開巻劈頭の文に
　　　　/　i,´fﾊ 　 　 ,ｲ 仟心 X　＼＼　＼　 ＼ ヾ
　　　　ﾘ　i. ゞｿ　　　　､_ゞン"　K　　　｀ ､ ｀ヽ、.＼　　　　　　「元年春王正月」
　　　　i　 !　 (､　　　　 　 　 　 |i ｀Λ ヽ　　　　 ヽ
　　　　| 八 　､_　＿_,　　 　 　 ﾘ　|ン＼ ＼_ ＼　　　　　　　　とあるのがそれだ！
　　　　ﾚ'　ヽ　 ｀ｰ='´　　　 　 ノﾍ|i　、 ､ヽ、マ‐｀
　　　　　　　＼　｀　　　　 , 　　　 |!: !ヽ ｀マﾍ|
　　　　　　　　 ヽ､＿, ,　'´ 　 　 ノi;/ 　ヽi ｀
　　　　　　　　　 　ヾ!　　　 _／: :∧
　　　　　　　　　　 　ヽ　＿ﾉ:.:.:.:.: :__,ゝ､
　　　　　　　　　　　 　∨: :. :／￣＿_＿＼_
　　　　　　　　　　　　_ﾘ-ィ´ノ￣／/. .,r‐-､ヽ、
　　　　　　　　　　　 ﾁ‐ｫ!　ｲ‐: :/.../..::（　 　 ）::ﾊ
　　　　　　　　　　/:.:.f´ 　,;';ノ.:.:i.　{...:.:.:｀ー‐'::,'.!:i
　　　　　　　　　∧:ノ! 　 ﾙ'.:.:.:.:{　 ﾍ、.:.:.:.:.::./ ,!:.|
　　　　　　　　　仂'　 　 ﾉ,r'!: : :.:ゝ、 :｀ー一'.ノ:.:.:}

　　　　　　　　|:.:.:.:.:.:.＼_ノ:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.∧
　　　　　　　/:|:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:＞　　￣ 　＜:.:.:∧ /l
　　　 |＼　/:. |:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.／　 　 　 　 　 　 ヽ:.:.} :.|
　　　 |:.:.:＞――ｧ:.:.:.:.:.:. /　　　　　　　　　　　 ∨:.:;　　 　 r ､
　　／／￣￣.／:.:.:.:.:.:.:.:,　　　　 　 　 　 　 　 　 W　　　　 ∨ ＼
_／／: : :／／|:.:.:.:.:.:.:.:.:.:i　　　　　　　　　　　　　 i:|　　　　　∨ﾍ:.＼
.／: : :／／ヽ:.|:.:.:.:.:.:.:ll:.:.|　　　　　　　 　 　 　 　 ,ﾘ:.　　　　　|　:|: : :.＼
: : : :/ ./　　　}|:.:.:.:.:.:.:ll:从　　　　　　　　　　　　 ,:: 　 　 　 　 |　:|: : : : ::｝　　　　　　……
: : :/ ./ 　 　 八:.:.:.:.:. ∨:∧　　　 　 　 　 　 　 //　　　　　　 |　:|: : : : /
: : {　{ 　 　 ムイ∧:.:.:.:∨:∧　　　　　　　　　.ｲく､＿＿＿ｨ彡|　:|: : : /
: : |　|ミ＝＝＝|{::∧:.:.:.:.＼＼＞　　＿__　ｨ彡 　 ￣￣￣ 　 :|　,: :.:./
: : |　| 　 　 　 ｛￣ヽ＼:.:.:.:.:＼ >:.:.:.:.::/:.:.／　　　　　　 　 　 / /:.:.:/
: :∧ ∨　　 rく入､　 ＼＞ｔ、: :ヾミ＝彳　　　　　　　 　 　 / /:.:.:/
: : :∧ ∨　jﾉ:　　　＼ ｛⌒ヾ:>､ : : /／｝_ 　 　 　 　 　 　 / /:.:.:/
: : : : :＼＼:.∧　ー===|　　　＼＼,ｲ　「xヘ　 　 　 　 　 / /:.:.:/
: : : : : :.:.＼＼ ＼＼___.|　 　 　 l}　 |l　|{ハ:.:＼.　　　　 / /:.:.:/


　　　　　　　　　　　　　　　　　,.-‐∠
　　　　　　 　 　 　 　 　 ,.-‐＝ニ二＾｀ニ=、
　　　　　　　　　　　　　/,,、＼ ヽ、｀ヽ、＼气、
　　　　　　　　　 　 　 /,ｲ ＼;仆,斗‐、:ヾ､ 卞､
　　　 　 　 　 　 　 　 |;;;{! _　.ﾒfｦﾌヾ､ヽ!,､ ㍉! ヽ、
　　　 　 　 　 　 　 　 i ;i|fﾘﾞ,　　'"´　 ヽrf ）!=‐-込,　　　　　　　　　　　　　　　　　 ……
　　　　　 　 　 　 　 　| ;;i!´ヾ＿,　　　　Y´|ヾ=-‐､!
　　　　　 　 　 　 　 　∨ﾑ､｀　　 　 　 ｲヾ、 ,､ヾﾏi
　　　　　　　　　　　　　∨;心､_,.　'´ 　 |∨卞､ｊヾY
　　　　　　　　　　　　　　　ヽﾘi|　　　　 !rﾍﾘ／匸{
　　　　　　　　　　　　　　 　 ｀ﾘ=ｭ､_,ィ彡､‐´:.:.廴i
　　　　　　　　　　　　_,. -‐='´､_ ｀ー'´ ＿｀ヽ､.._tj
　　　　　　　　　　,ｨ仔ｭ､ ヽ弍　 ｀　　´　　_fオ＼｀ヽ、
　　　 　 　 　 　 /ｼ´　 /　/⌒ヽ.　　｀;´ （ r┐) Yヽ、}ヽ
　　　　　　　　　ﾚ'　　 iｨｯ､ゝTｨﾉ 　 　.: 　ヽ;Y´く;ﾂ　｀! ヽ

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　　　 |:.:.:＞――ｧ:.:.:.:.:.:. /　　　　　　　　　　　 ∨:.:;　　 　 r ､
　　／／￣￣.／:.:.:.:.:.:.:.:,　　　　 　 　 　 　 　 　 W　　　　 ∨ ＼
_／／: : :／／|:.:.:.:.:.:.:.:.:.:i　　　　　　　　　　　　　 i:|　　　　　∨ﾍ:.＼
.／: : :／／ヽ:.|:.:.:.:.:.:.:ll:.:.|　　　　　　　 　 　 　 　 ,ﾘ:.　　　　　|　:|: : :.＼
: : : :/ ./　　　}|:.:.:.:.:.:.:ll:从　　　　　　　　　　　　 ,:: 　 　 　 　 |　:|: : : : ::｝　　　　　　……それ、
: : :/ ./ 　 　 八:.:.:.:.:. ∨:∧　　　 　 　 　 　 　 //　　　　　　 |　:|: : : : /　　　　　　　公羊学者が
: : {　{ 　 　 ムイ∧:.:.:.:∨:∧　　　　　　　　　.ｲく､＿＿＿ｨ彡|　:|: : : /
: : |　|ミ＝＝＝|{::∧:.:.:.:.＼＼＞　　＿__　ｨ彡 　 ￣￣￣ 　 :|　,: :.:./　　　　　　　　　「子は母を以て貴く、母は子を以て貴し」
: : |　| 　 　 　 ｛￣ヽ＼:.:.:.:.:＼ >:.:.:.:.::/:.:.／　　　　　　 　 　 / /:.:.:/
: :∧ ∨　　 rく入､　 ＼＞ｔ、: :ヾミ＝彳　　　　　　　 　 　 / /:.:.:/　　　　　　　　　　　の義例を立てたところだよな
: : :∧ ∨　jﾉ:　　　＼ ｛⌒ヾ:>､ : : /／｝_ 　 　 　 　 　 　 / /:.:.:/
: : : : :＼＼:.∧　ー===|　　　＼＼,ｲ　「xヘ　 　 　 　 　 / /:.:.:/
: : : : : :.:.＼＼ ＼＼___.|　 　 　 l}　 |l　|{ハ:.:＼.　　　　 / /:.:.:/


　　　　　　　　　　　　　　　　　,.-‐∠
　　　　　　 　 　 　 　 　 ,.-‐＝ニ二＾｀ニ=、
　　　　　　　　　　　　　/,,、＼ ヽ、｀ヽ、＼气、
　　　　　　　　　 　 　 /,ｲ ＼;仆,斗‐、:ヾ､ 卞､
　　　 　 　 　 　 　 　 |;;;{! _　.ﾒfｦﾌヾ､ヽ!,､ ㍉! ヽ、
　　　 　 　 　 　 　 　 i ;i|fﾘﾞ,　　'"´　 ヽrf ）!=‐-込,　　　　　　　　　　　　　　　　　 いやいや、
　　　　　 　 　 　 　 　| ;;i!´ヾ＿,　　　　Y´|ヾ=-‐､!　　　　　　　　　　　　　　　　　　それは公羊学のボンクラどもが
　　　　　 　 　 　 　 　∨ﾑ､｀　　 　 　 ｲヾ、 ,､ヾﾏi　　　　　　　　　　　　　　　　　　 微言大義の解釈をまちがえたトコ！
　　　　　　　　　　　　　∨;心､_,.　'´ 　 |∨卞､ｊヾY
　　　　　　　　　　　　　　　ヽﾘi|　　　　 !rﾍﾘ／匸{　　　　　　　　　　　　　　　　　　　聖人の意図をはきちがえた
　　　　　　　　　　　　　　 　 ｀ﾘ=ｭ､_,ィ彡､‐´:.:.廴i　　　　　　　　　　　　　　　　　　 　 ただのデタラメ義例！
　　　　　　　　　　　　_,. -‐='´､_ ｀ー'´ ＿｀ヽ､.._tj
　　　　　　　　　　,ｨ仔ｭ､ ヽ弍　 ｀　　´　　_fオ＼｀ヽ、　　　　　　　　　　　　　　　　　俺たち穀梁学者こそ
　　　 　 　 　 　 /ｼ´　 /　/⌒ヽ.　　｀;´ （ r┐) Yヽ、}ヽ 　　　　　　　　　　　　　　　　 聖人の意図をただしく読み解く者たちだ！
　　　　　　　　　ﾚ'　　 iｨｯ､ゝTｨﾉ 　 　.: 　ヽ;Y´く;ﾂ　｀! ヽ

　　　　　　　　　　　　／;:,.‥´;:ヽ;:;:;:／|
　　　　　　　　　 ,.､ノ;:;:´;:;:;:;:;:;:;:;:;:∨;:;:;:;:!
‐ ‐'¨´￣￣￣７,. -―- ､;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:',;:;:;:L
　　　　　　　 〃　　　　　ヽ.;:;:;:;:;:;:;:;:};:;:│ ｀¨ｰ ､
　　　　　 　 /　　　　　　　 ',;:;:;:;:;:;:;:;:!;:;:;:.]._ 　 　 ｀ヽ、
＼　　　　　ｆ　 　 　 　 　 　 i;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:/　　　　 　 ﾞ,　　　　　魯の隠公が弟の桓公に
　　ヽ　　　 l　　..:::: : : : : : : ;';:;:;:;:;:;:;:;:;:;:ィ′　　 ＿_,,.ｨ.}　　　　　位をゆずろうとしたことについて
　　　｀、 　 ',　..:::: : : : : : : /;:;:,,,;:;:;:;:ー┘-‐=ﾆ - ― ｿ　　　　　　公羊学者は絶賛しているが……？
　　　　｀,　　',::: : : : : : : : ,.'／/;:;:;:;:,=┐｀ヽ､＼..... ／
　 ,. - ‐ ﾍ　 弋 :: : : : :ン´／;:;:;:／/　ヽ　　 ﾝ:::::く
「´;:;:;:;:;:;:.∧　　ﾞ ー ‐"´¨ ィ ァ´　／/// .／;:;:;:;:;:.}
.!;:;:;:;:ﾄ､;:;:.∧　　 F｀!´7　/ ｨ´ ,／ ,///／;:;:;:;:;:;:;:;:;:｀
.;:',;:;:;:!ﾊ、;:.∧ 　 [　|　 :/　/／ ／∠, ′;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:
;:;:;:',;:.;:|;:ﾊ＼.＼＼ヾｆ! ﾊ'　 .|' ／, '／;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:


　　　　　　　　　　　　　　_,　-‐一"＾´￣二ニ=
　　　　　　　　　　　 ,　 ´　　　　 ､｀`下､　　　　　　　　　　そこが連中のデタラメなんだって
　　　　　　　　 .-‐'´　｀　､ 　 　 　 ｀ヽ、　ヽ、
　　　　　　　 / /ﾍ、＼　　＼　　　　 　 ＼　ヽ　　　　　　　 たしかに公羊学者のいうように、
　　　　　　 / /|iﾄ､＼　＼　　ヽ、　　　　　＼｀ヽ　　　　　　　『春秋』は君主が即位したときには
　　　　　 ./,r',' ﾘ､ﾍ　!＼　＼　　＼　 ＼　　 ｀ ､!　　　　　　　「即位」の二文字を書く
　　　　　/　/ 　 　 ﾍ!,斗ｬ､　＼＿ ＼＿＼　ヽ　て
　　　　　! ,/=‐、　 ,イ! ,.=弍ﾍ、ヾ、＿ヽ＿ ＼　ヽ　　　　　　それをあえて書かなかったことに
　　　　/　i,´fﾊ 　 　 ,ｲ 仟心 X　＼＼　＼　 ＼ ヾ　　　　　　微言大義がこめられているのも
　　　　ﾘ　i. ゞｿ　　　　､_ゞン"　K　　　｀ ､ ｀ヽ、.＼　　　　　　 公羊学者の言うとおりだ
　　　　i　 !　 (､　　　　 　 　 　 |i ｀Λ ヽ　　　　 ヽ
　　　　| 八 　､_　＿_,　　 　 　 ﾘ　|ン＼ ＼_ ＼　　　　　　　　しかしここにこめられた聖人の意図は
　　　　ﾚ'　ヽ　 ｀ｰ='´　　　 　 ノﾍ|i　、 ､ヽ、マ‐｀　　　　　　　 隠公を称賛するためではなく、
　　　　　　　＼　｀　　　　 , 　　　 |!: !ヽ ｀マﾍ|　　　　　　　　　　筆誅するためだったんだ
　　　　　　　　 ヽ､＿, ,　'´ 　 　 ノi;/ 　ヽi ｀
　　　　　　　　　 　ヾ!　　　 _／: :∧
　　　　　　　　　　 　ヽ　＿ﾉ:.:.:.:.: :__,ゝ､
　　　　　　　　　　　 　∨: :. :／￣＿_＿＼_
　　　　　　　　　　　　_ﾘ-ィ´ノ￣／/. .,r‐-､ヽ、
　　　　　　　　　　　 ﾁ‐ｫ!　ｲ‐: :/.../..::（　 　 ）::ﾊ
　　　　　　　　　　/:.:.f´ 　,;';ノ.:.:i.　{...:.:.:｀ー‐'::,'.!:i
　　　　　　　　　∧:ノ! 　 ﾙ'.:.:.:.:{　 ﾍ、.:.:.:.:.::./ ,!:.|
　　　　　　　　　仂'　 　 ﾉ,r'!: : :.:ゝ、 :｀ー一'.ノ:.:.:}

　　　　　　　　　　　　　　　　　,.-‐∠
　　　　　　 　 　 　 　 　 ,.-‐＝ニ二＾｀ニ=、
　　　　　　　　　　　　　/,,、＼ ヽ、｀ヽ、＼气、　　　　　　　　　魯の恵公がふたりの息子のうち、
　　　　　　　　　 　 　 /,ｲ ＼;仆,斗‐、:ヾ､ 卞､　　　　　　　　　 兄の隠公をさしおいて弟の桓公に位をゆずろうとした
　　　 　 　 　 　 　 　 |;;;{! _　.ﾒfｦﾌヾ､ヽ!,､ ㍉! ヽ、
　　　 　 　 　 　 　 　 i ;i|fﾘﾞ,　　'"´　 ヽrf ）!=‐-込,　　　　　　　これは正じゃない、邪なんだ
　　　　　 　 　 　 　 　| ;;i!´ヾ＿,　　　　Y´|ヾ=-‐､!
　　　　　 　 　 　 　 　∨ﾑ､｀　　 　 　 ｲヾ、 ,､ヾﾏi　　　　　　　 「兄弟は天倫なり。
　　　　　　　　　　　　　∨;心､_,.　'´ 　 |∨卞､ｊヾY　　　　　　　　 子と為るは之を父より受け、
　　　　　　　　　　　　　　　ヽﾘi|　　　　 !rﾍﾘ／匸{　　　　　　　　　諸侯と為るは之を君より受く」
　　　　　　　　　　　　　　 　 ｀ﾘ=ｭ､_,ィ彡､‐´:.:.廴i
　　　　　　　　　　　　_,. -‐='´､_ ｀ー'´ ＿｀ヽ､.._tj　　　　　　　　　隠公のふるまいは天倫を廃して小恵をおこない、
　　　　　　　　　　,ｨ仔ｭ､ ヽ弍　 ｀　　´　　_fオ＼｀ヽ、　　　　　　　千乗の国を軽んずることだった
　　　 　 　 　 　 /ｼ´　 /　/⌒ヽ.　　｀;´ （ r┐) Yヽ、}ヽ
　　　　　　　　　ﾚ'　　 iｨｯ､ゝTｨﾉ 　 　.: 　ヽ;Y´く;ﾂ　｀! ヽ　　　　　 それを筆誅するために「元年春王正月」と書かれたんだ

　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　●

　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　●

　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　●

　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 　　 　 ＼＼:::::::::::::::＼ヽ
　　　　　　　　　　　　　　　　　_　-----､　　　　　　　 　 ＼＼::::::::::::::::＼　　　　　とまあ、そういうわけだ
　　　　　　　／/　　　　　　／　　　　　　 ｀ヽ､　　　　　　　 ＼＼::::::::::::::
　　　　　 ／ﾌ/　　　　　., '　 　 　 　 　　　　 }::＼　　　　　　　＼ヽ::::::::::::
　　　　／:::::/{　　　　　/　 　　　　　 　 　 　 l:::::::ヽ、 　　　　　　| }::::::::::::　　　　　　「兄弟は天倫なり。
　　　//::::::::l l　　　　　ｆ　　　　　　　　　　　 /:::/::::ｲ　　　　　　　| |:::::::::::　　　　　　　 子と為るは之を父より受く」
.　　//::::::::::l {　　　　　|ヽ　　　　　　　　　／::://:::::{　　　　　　　 | |:::::::::::
.　 //::::::::::::l !　　　　　l､::＼ 　　　　　 ／::::／ノ::r-‐イ　　　　 　 } |:::::::::::　　　　　　　ンッン～
　 l/::::::::::::::| | 　　　　　!ヽ::::｀ｰ―r―´::r‐ﾆ-´:::::::::::::/　　　　　 / /::::::::::　　　　　　　　名言だな、これは
　 |{:::::::::::::::l l　　　　 ､」:::::ヾｰ┐::::::::::::::} 「:::::::::::::::::ノ　　　　　 / /::::::::::::
　 ｌl::::::::::::::::〉ｌ　　　 　 ＼:::::::::l {:::::::::::::://:::::::::::::／/　 　 --／／::::::::::::::　　　　　　　　親の遺志をとげようとする「小恵」よりも
　 ヾ::::::::::::::ヽヽ　　　　　 ＼_-､:＼:::::／::::::::,.‐:´:∠-－´.／／::::::::::::::::::／　　　　　　　 長子相続という「大義」を優先する！
　　 ＼::::::::::::ヽヽ　　　　　　　ヾ:ヽ､::::::::::::::ﾉr､::::/　　 ／／:::::::::::::::::::／
　　　　＼::::::::＼ヾー―――－＞- ゝｲ7´ ∧ﾐ-ﾆ ´- ´:::::::::::_ -―＜―
　　　　　 ｀ ヽ､:::＼＼　　　　ｒイ　.i {　/　　{　ゝﾆ‐"-＝ニ‐" -―￣:::>　　　　　　　　　これこそ衛太子の嫡孫である
　　　　 ヽｰ､　 ＼::＼＼　 ／ /　 | Lム-ﾆニ´／::::::::::::／:::　 ／::::／:::::　　　　　　　　　私が必要とするものだ！
　　 　 　 ヽ ゝﾆﾆゝ- ＼ニﾆムﾄ=ﾆﾆ‐::::::::_::／::::::::::::::::::_／.／::::::/:::::::::::
　　　　　 -} |＼ゞ^―――― ´:::::::::::::／ﾍ ヽー―‐ ￣ _／:::::::::/::::::::::::::
　　　/´:::::::| |::::＼＼:::::::::::::::::::::::::::::／／:::｀ヽ―― ￣:::::::::::::::::/::::::::::::::::::

　　　　　　　　　　　　　　　　　／;:;:;:;:,;:;:';:´;:;:;:ヽ;:;:;:;:;:／;:|
　　　　　　　　　　　　　　　　/;:;:／;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:ヽ;:;:,;;:;:;:;:}
　　　　　＿＿ _ ＿ _ _／'／;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:｀ｆ;:;:;:;:;:;:|
- ‐ ' ¨´　　　　　　　, ' _,- ‐ ‐ -　、;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:',;:;:;:;:;:ｌ_
　　　　　　　　　　 ,.',　'　　　　　　　ヽ;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:};:;:;:;:|　｀¨' - 、
　　　　　　　　　　,;.'　　　　　　　　　　',;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:};:;:;:;:',　　　　　｀ ‐ 、
　　　　　　　　　 ,' 　 　　　　　　　　　　,;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:|;:;:;:;:;:} ,.,　　　　　　｀ヽ、
ヽ、　　　　　　　ｆ　　　　　　　　　　　　 i;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:' ,'　　　　　　　　 ｀,　　　　　　長子相続の最優先！
　　ヽ、　　　　　ｌ　　　　.::::: : : : : : : : :　;;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:/　　　　　　　　　　}
　　　 ヽ　　　　 ｌ　　　.::::::: : : : : : : : : : ,';:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:イ´　　　　　＿ _,,..　イ　　　　　　これが天下の道理となれば
　　　　 ヽ 　　　'.　　.:::::: : : : : : : : : : :/;:;:;:;:,,,;:;:;:;:;:;:;:.＿ 」 - ‐_‐ ニ - - ‐ ‐'/　　　　　　　私の帝位は正統化されるのだ！
　　　　　 ヽ　　　',:::::　: : : : : : : : : : :,.';:;:／/;:;:;:;:;:;:;:;:｀¨ー　、｀ヽ、;:;:;:;:;:;:;:／
　　　　　　 ;',　　 .',::::::　: : : : : : : : , ',;:;:'.／;:;:;:;:;:;:;:;:ｒﾃ┐　　 `ヽ　）::::::;:;:/
　　_ , - ‐´ ',',　　　'.,,、::　: : : ; ン;:;:;:／;:;:;:;:;:;:;:;／/　 ｀ヽ 　 　,冫:::::::;:く
ｒ‐´;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:,', 　　　 ' ,ー'　ﾞ、、' ¨ﾞ;:;:_,;:;:-,,／　 ／ , '//. 　 ／;:;:;:;:;:;:;:;:}
ｌ;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:',',　　　　　ﾄ-　イ- ‐´/　／｀.　／　, '././　／;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:}
.',;:;:;:;:;:;:|ヽ;:;:;:;:',',　　　　 ｆ　 ｌ　/　 :/　ｲ:　 ／　 , ' / /／;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:｀
　',;:;:;:;:.|;:ﾊ;:;:;:;:', ',　　　 {　　l　　 :/　 / ／　 ／∠ ／;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:
　 ',;:;:;:;:|;:;:',＼;:;:＼＼　　ｌ|　ﾊ ﾊ.　　　ﾚ　　, ' , ' ／;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:
　　',;:;:;:;:ｌ;:',;:',;:;:＼;:＼　　ヽ ｆ　{::} 　 　ｌ　, '　, ／;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:

　　　　　　　　　 　 ／　　　　　　　　　　　　　i　　　　 ＼
　　　 　 　 　 　 ／　　　 　 　 ／ 　 　 　 　 /　}　　　 　 ＼
. 　 　 　 　 　／ 　 　　／　　/ 　 　 　／　/　/　　　 i　　　ヽ
　　 　 　 　 / /　 /　/　 　 /　　 ｲ ィ´ 　/ ィ 　 　 　 !　　 　 ',
　　　　　　/ /　 /　 ﾊ 　 ｨ !　　/ / /　イ　/1　 　 　 |　　　　ﾊ
　　 　 　 /　! 　1　 {　　 | ',1 .斗/ / ´_/ィ　 1　　　　 !　　　　 ﾊ
　　　　　i 　 ! 　 ﾍ　',　　| ｲ! .//ィrf灯}㌢ 　 !　　　　 !　　　 　 ﾊ　　　　　　　　なるほど
　　　　　ヽ 　', 　　ﾄ ﾄ､　ﾄ {1'}/ 癶斗 ´ 　 　1　 　 　 ﾄ　　 　 　:ﾊ
.　　　 　 　＼ ＼　≦ィﾆ.ﾊ',ﾍ　 　 　 　 　 　 !　 　 　 !　'. 　 　 　ﾊ　　　　　　　　つまりおまえが太子を廃さなかったのも、
　　　 　 　 　 ｀ ┬ 斗匁ﾌ　　　　　　　　　　 |　 　 　 |　 ﾊ 　 　　ﾊ　　　　　　　　 孫の誕生をあれほどよろこんだのも、
　　 　 　 　 　 　 } :ﾊ ¨´､　　　　　　　　　　　!　　 　 ′　ﾊ 　　　 ﾊ　　　　　　　　 結局は自分のためだったのか
　　　　　　　　　 1 　ﾊ　　 　t ´￣ｱ　　　　　| 　 　 ,'　　　ﾊ　　　　ﾊ
　　 　 　 　 　 　 | 　 ∧ 　 　　こ´　　 　　　/!　　　ﾊ＿_　 ﾊ　 　　 ﾊ
　　 　 　 　 　 　 |　　}　＞ ､　　　　　　　 ∠┤ 　 ,'　　　}　 ﾊ 　 　　ﾊ　　　　　　 嫡男の太子を廃すれば
　　 　 　 　 　 　 |　　| 　 　　＞ ､__.. -‐´　　 1　　'＿＿/　 　',　　　　ﾊ　　　　　　 自己否定につながるし、
　　 　 　 　 　 　 |　　!j 　　　}　／　　　　　 _..! 　 {:::::::::::}　　　 ',　　　　ﾊ　　　　　　 嫡孫がうまれなければ
　　 　 　 　 　 　 |　　!　 　　／　　　 ／‐::く　|　　,'´￣／￣￣￣ 二ゝ、ﾊ　　　　　　長子相続は不可能だからな
　　 　 　 　 　 　 |　　! 　 ／　　　 ／:::::::_::＜1　 .';;;;／::::::::::::::::／　　　 ヽﾊ
　　 　 　 　 　 　 | 　 |　/　　　 ／ _ ｨ ´:::::::::::!　 .' /::::::::::::::::::/ 　 　 　 　 } ﾊ
　　 　 　 　 　 　 |　　!　＼__／Y´:::::::::::::::::-‐|　 .'/::::::::::::::::::.ﾉ　　 　 　 　1　ﾊ
　　 　 　 　 　 　 |　　!　　　　　|_::; -‐ ´　　 1　/:::::::::, ィ￣ 　 　 　 　 　 { 　 ﾊ


　　　　　　　　|:.:.:.:.:.:.＼_ノ:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.∧
　　　　　　　/:|:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:＞　　￣ 　＜:.:.:∧ /l
　　　 |＼　/:. |:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.／　 　 　 　 　 　 ヽ:.:.} :.|
　　　 |:.:.:＞――ｧ:.:.:.:.:.:. /　　　　　　　　　　　 ∨:.:;　　 　 r ､
　　／／￣￣.／:.:.:.:.:.:.:.:,　　　　 　 　 　 　 　 　 W　　　　 ∨ ＼
_／／: : :／／|:.:.:.:.:.:.:.:.:.:i　　　　　　　　　　　　　 i:|　　　　　∨ﾍ:.＼
.／: : :／／ヽ:.|:.:.:.:.:.:.:ll:.:.|　　　　　　　 　 　 　 　 ,ﾘ:.　　　　　|　:|: : :.＼
: : : :/ ./　　　}|:.:.:.:.:.:.:ll:从　　　　　　　　　　　　 ,:: 　 　 　 　 |　:|: : : : ::｝　　　　　全否定はしない
: : :/ ./ 　 　 八:.:.:.:.:. ∨:∧　　　 　 　 　 　 　 //　　　　　　 |　:|: : : : /
: : {　{ 　 　 ムイ∧:.:.:.:∨:∧　　　　　　　　　.ｲく､＿＿＿ｨ彡|　:|: : : / 　 　 　 　 全肯定もしないがな
: : |　|ミ＝＝＝|{::∧:.:.:.:.＼＼＞　　＿__　ｨ彡 　 ￣￣￣ 　 :|　,: :.:./
: : |　| 　 　 　 ｛￣ヽ＼:.:.:.:.:＼ >:.:.:.:.::/:.:.／　　　　　　 　 　 / /:.:.:/
: :∧ ∨　　 rく入､　 ＼＞ｔ、: :ヾミ＝彳　　　　　　　 　 　 / /:.:.:/
: : :∧ ∨　jﾉ:　　　＼ ｛⌒ヾ:>､ : : /／｝_ 　 　 　 　 　 　 / /:.:.:/
: : : : :＼＼:.∧　ー===|　　　＼＼,ｲ　「xヘ　 　 　 　 　 / /:.:.:/
: : : : : :.:.＼＼ ＼＼___.|　 　 　 l}　 |l　|{ハ:.:＼.　　　　 / /:.:.:/

　　　　　　　　　　　　　　　　,r
　　　　　　　　 　 　 　 　 ／/　　　　　　　　　i
　　　　　　　　　　　　　 /:::::{　　　　　　　　　 l|
　　　　　　　　　　　　 ./:::::::|､r='TF⌒ヽ　　 .,';|　　　　　　　とにかく私にとっては
　　　　　　　　　　　　〈::::::::::Y:::::::',ヽ　　 }　 /:/　　　　　　　 『穀梁春秋』が『公羊春秋』にとってかわるのが
　　　　　　　　　　　　　＼:::::ゝ;::::::ゝ＼,/　/:/　　　　　　　　　つごうがいい
　　　　　　　　　　　,r--<::｀ー-＼::::Y/-‐'::/
　　　　　　　　,r-‐/:::::::::::≧-::::｀ヽ',:Y､:::∠_　　　　　　　　　しかし『公羊春秋』は孝景皇帝以来、
　　　　　　 ／: : :/＼:::／. ./:＼::::::｀ゝfヾ::::::ヽ,　　　　　　　　百年ちかくにわたって営々と力をたくわえつづけてきた
　　　 　 ／ : : ／. ./ ｀. . ./､:::::::}r-y-....._ゝ::::::＼
　　　,／ : : ／ . . /. . . . /:::::｀ｰj､:::＿::::::::｀ー--..ゝ､　　　　 いくら皇帝とはいえ、
　 ,／ : : ／ . . . /. . . . ∧:::::r=-.､::::::::￣ー--―-..､}　　　　　私ひとりが音頭を取ったところで
／: : : ／. . . ..／. . . . /　 ＼j::::::j､｀ｰ----―r--- '′　　　　 笛吹けども踊らずの結果に終ることは目に見えている
: : : ／ . . . ／. . . . . /　　　/｀Y´　¨´ .　{}　 .j
.,／ . . . ／. . . . . . ./　　　/　 .}　 　 　 ._{}_　.|　　　　　　　　まさか公羊学者を皆殺しにするわけにもゆくまい
. . . . .／. . . . . . . ./　　　/　　/｀ｰ 　 　 .{}　 .|

　　　　　　　　　　　　　　　　　　/: : : : :／
　　　　　　　　　　　　　　　　　 /: : : :／
　　　　　　　　　　　　　　　　　/: : :/
　　　　　　　　　　　　　　　　 /:::::/　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　まずは『穀梁春秋』を公認し、
　　　　　　　　　　　　　　／::/::::/　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　博士官を立てることだ
　　　　　　　　　　　　／:::::::/:::/
　　　　　　　　　　／:::::::::::::/::/　　　　　　　　　　　　　　　　　　一~＼
　　　　　　　　／::::::::::::::::::/:/　　　　　　　　　　　　　　　_,一￣::::::::::::::::::＼　　　　　私はいろいろ骨をおって
　　　　　　　<::::::::::::::::::::::/:iヽ ﾊ＿＿＿＿＿，―￣::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::＼　　　　　 『穀梁春秋』の勢力拡大につとめた
　　　　　　　　|:::::::::::::::::://:⌒ヽ:i::::::::::::::::::::::::: ー―､＿＿＿＿＿＿＿＿＿＼
　　　　　　　　 |:::::::::::::::/:::ｌ 　 　i:ﾚ⊿:::::::::::＿一￣　　　　　　　　　　　　　　　　　　 穀梁学の領袖が左遷されたり病死したりと
　　　　　　　/（ |:::::::::::/:: :::ヽ_ ノ:/　 :／￣　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 いろいろトラブルもあったが、
　　　　　 __/::::｀､|::　/iヽゝヽ- ノ::／　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 全体としては順調に行った
　　　　入::::::::::::::::::＼＠ｴｪｪ　(::/､＿／彡＼
　　　/:::::::::::::::::::::::::::::::ヽ　　~~ｴｴ＠／　　彡彡　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 元康年間（B.C.65～B.C.61）から
　　<＼::::::::::::::::::::::::::＼　＼　　／　　　　　／＼　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 のうちの麒麟児十名を選抜して
　　　>＼:::::::::::::::::::::::::::::＼＼＼　　／　／　＿＿＼＿　　　　　　　　　　　　　　　　　 『穀梁春秋』の学を受けさせた
　　/ゞ　ミ＼::::⌒:::::::::::::::＼＼/:⌒|へー――´⌒ ￣＼￣￣＼
　　＼ミ:::::::::::::::⌒::::::::::::::::::，/:::::::>:＿::::::::::::::::::::::::::〉､　　ー､:::::::＼
　　　|＼＼＼　／:::::::/⌒</| | | ｖ｀　￣ー―-＜　ﾉ:::＼::::彡｀ ､:::::::＼
　　　|:::::::／　　／　　ヽ　　　ＶＶ:::::::::::::::::::::::::::::::::ﾉ　::::::＼~~:::::::::::ー　ゝ

　　　　　　　　　|:::::::::::ﾍ
　　　 　 　 　 　 |:::::::::::::ﾍ　　　　　　　　　　　　　　　　　_,..､-''::＞
　　　　　　　　　 |::::::::::::::ﾍ　　　　　　　　　　　　　　　７:::::::/"　　　 y"l , -'"｀,
　　　　　　　　　 ﾔ::::::::::::::ﾍ　　　　　　　　　　　　　　/:::::::/　　　　/ (/:::::::::::::::i_/l　　　　　　　　　それから十余年！
、　 　 　 　 　 　 ヽ::::::::::::::::＼　　　　　　　　　　 　 /:::::::/　　 iヽ'"::::, -'""' -,:::::::|　　　　　　　　　 時はみちた！
::::＼　　　　　　　　 ＼::::::::::::::::＼　 　 　 　 　 　 　 |::::::::Y　　|:::::::､"　　　 　 ヽ:::::|　　　ｌ::.、
:::::::::＼　　　　　　　　 ＼::::::::::::::::＼　 　 　 　 　 　 |::::::::∧::::::|:::::::l　　　　　　 i::::l'"l 　 .|::::ヽ　　　 たちは全員が
:::::::::::::::＼　　　　　　　　 ＼::::::::::::::::｀`丶 　　 　 　 ﾔ::::::::∧::::i_:::::i　　　　　　/:::::::/ 　 /:::::::|　　　　『穀梁春秋』を習得した！
ヽ::::::::::::::::::｀:ﾞ''-､,_　　　_,,..-‐'::、::::::::::::::::::ヽ、　　 .＿>:::::::::∧::::>　ヽ　　　　ノ:::::／ 　 /:::::::::.|
　ヽ､,_::::::::::::::::::::::｀ﾞ''ｰ-､::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::｀'､,/:::::::::::ヽ:::::::∧ヽ:::::::::"'''":::::／:::::::::::／:::::::::::::|
　　 　ﾞ''ｰ-､,:::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::＼::::::::::::::::::ﾔ、＼ヽ:::::::::::／:::::::-‐'':::::::::::::::／　　　 甘露三年（B.C.51）、
　　　　　　　｀ﾞ''ｰ-､,:::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::"""""ヽ、.∨｀:、ヽ_,..､-''":::::::::::::::::::::::／　　　　　 儒者たちに命じて
　　　　　　　,.､'"::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::｀ﾞ''ｰ---､,::::::::::::::::::::_,..､-''"　　　　　　　　 石渠閣にて五経の異動を
__,,.. ．-‐ "::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::＿ノ::::::::::::::::::::::::::￣＼　　　　　　　　 講論させた！
:::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::_,,..-‐''"":.:.:.:.:ﾍ:::::::::::::::::::::::::::::::::::::::/
:::::::::::::::_,..､-''ヽ,:::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::_,..､-":.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.ﾍ:::::::::::::::::::::::::::::::::∧　　　　　　　 世に名高い石渠閣会議だ！
_,,..-‐''　　　　/:::::::::::::::::::::::::::::::::::::,---､,＿ノ:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:ﾍ:::::::::::::::::::::::::::::::::::ヽ

　　　　　　　　　　　　　　　＼::::::::::::ヽ　　　　　　　　　　　　　　　　　/::::::::::::::::::::／
　　　　　　　　　　　　　　　　 ＼:::::::::ヽ　　　　　　　　 　 　 　 　 　 /::::::::::::::::::／　　　　　　　　　　　,
　 ,　　　　　　　　　　　　　　　　ヽ:::::::::ヽ　　　　　　　　 　 　 　 　 /:::::::::::::::／　　　　　　　,　,....イ´::::〉
　＼＼､　　　　　　　　　　　　　　ヽ::::::::ヽ　　　　　　　 　 　 　 　 /::::::::::::／　　　　,...ィイ´ll､_::::＜´
　　　＼::｀lへ,,‐-,､_　 　 　 　 　 　 ヾ::::::::l　　　　　　　　,､　　　 /::::::::::／　 , -‐´´　 ll　| /l　 ｀＞'
　　　／ノll　ll　ll　　｀`‐-､　　　　　　ヾ::::::l　,､　　,へ　　ll＼　 /::::::::／, -´　　　 , -┴ ┴'
　　　`´　└┴┴､＿　　　｀`‐-､　　　ヾ:::V::ll ／´T｀＼ll:::::::〉/:::::／´´　_, -‐ ´
　　　　　　　　　　　　 ￣｀`‐-､_ ｀`‐-､ヾ::::::::ゝ＼ l　 //::::／::::／ _, -‐´　　　　　　　　　もちろん私も臨席したぞ！
　　　　　　　　　　　　　　　　　　 ｀`‐､　ヾ::::::､:ヾ⊂ノノ:／:::／´‐´
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 ｀` ＼::＼::........:::::::イ ´　　　　　　　　　　　　　　　 みずから制書をくだして
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 　 　 　 l｀｀┐ィ ´´ /　　　　　　　　　　　　　　　　　　これを決定した！
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　l　　lll　　 /
　　　　　　　　　　　　　　　　 　 　 　 　 　 　 |　 lll　　 l　　　　　　　　　　　　　　　　　　　私の目的が
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　l　 lll　　 l　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 『穀梁春秋』を公認することだから
　　　　　　　　　　　 　 　 　 　 　 　 　 　 　 /　lll　　 /　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　公羊学者と穀梁学者の議論では
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　/　川　　/　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　当然、穀梁にしたがう解釈が
　　　　　　　　　　 　 　 　 　 　 　 　 　 　 / ノﾍヽ　へ　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　多く是とされた！
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　/ // ヽヽ |　 ＼
　　　　　　　　　　　　　 　 　 　 　 　 _ -┤//　 ヽl l　　　　＼
　　　　　　　　　　　　　　　,　-‐　´　　　 |l l　∩　ll |　　　　　　 ヽ､
　　　　　　　　　　　,　-　´　　 　 　 　 　 l ll　 l.|　ll |　　　　　　　　　ヽ､
　　　　　　_　-‐ ´　　　　 　 　 　 　 　 　 l ll　 l|　ll |　　　　　　　　　　　　ヽ､
,　　-‐　´　　　　　　 　 　 　 　 　 　 　 　 l ll　 |　ll |　　　　　　　　　　　　　　　ヽ､
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　l ll　l　ll |　　　　　　　　　　　　　　　　　　ヽ､

.　　　 　 　 /　/　　 l.l　　l.ｌ　ｌ　　　　　　l　　ｌ　　l　　 　 、
　 　 　 　 /　｜ 　　|.| 　 | l　|　　　　 　 |　　|　　| 　 ｜∧
　　　　　 ｌ　　 !　　 ｌ| !　 .|│ l　 　 　 　 ﾄ,　 !　　|　 ./ /　|
　　 　 　 l　　 ヽ 　 | !ヽ.　ヽ ､ヽ、　l 　 / |. ｜　/　./ /l　｜
　　 　 　 | 　 　 ＼　{ヽヽ＼ ヽ＼ヽ|　 / -l／ｌ／ｌ／／｜　l
　　　 　 ｜　　　　|＼ヽ ＼ ヽ-、ヽ|　/　, -_仏∠∠| . | 　 |　　　　　　　　審判とグル……
.　　　　　 !｜l　　 | /"7¨丁ﾞ}＼ 　 ﾚ'　 ,イ､_>ｰ} 〉 / .｜　∥　　　　　　　　っていうのは
　 　 　 　 ｌ | |　　 | ｀ ヽ二ン　　　　　　ヽﾞ＝'´ノ / / ｜　∥　　　　　　　　 一番 恐ろしい罠の一つだよねェ
　　　　　　ｌ.ｌ |　　 |ヽ　 ￣　　　　 　 |　　　　 　 / /　 1　　|
　　　　　　∥|　　 ﾄ､丶　　　　　　　 '　　 　 　 / /　 /|　　｜
　　　　　　 |│　　|　 ｀＼　　　　　-─　　　 ／}′ / ||.　　 |
　　　　　　 |│　　|　　, -‐ヽ、　　　　　　 ／ / 　 /'　||　 　 !、
　　　　　　 |│　　|／ 　　　 | ｀丶 、 __／"７　　/ｲ　 ||　 　 ｌヽ
　　　　　　 |│　 │ 　 　 　 | , ‐ ´　　　　/　　//_|.　 ||　 　 ｌ　 ､
　　　　　　 |│　　|ｰ---‐ "´ 　 　 　 　 /　　//　｜　||　　　', 　 ヽ
　　　　　　 |│　 ｜　 　 　 　 　 - ┬‐/　　//´￣ ＼ ＼､ 　 ヽ　　＼


　　　　　　　　　　　　　　　／;:,.‥´;:ヽ;:;:;:／|
　　　　　　　　　　　　 ,.､ノ;:;:´;:;:;:;:;:;:;:;:;:∨;:;:;:;:!
　　　‐ ‐'¨´￣￣￣７,. -―- ､;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:',;:;:;:L
　　　　　　　　　　 〃　　　　　ヽ.;:;:;:;:;:;:;:;:};:;:│ ｀¨ｰ ､
　　　　　　　　 　 /　　　　　　　 ',;:;:;:;:;:;:;:;:!;:;:;:.]._ 　 　 ｀ヽ、　　　　　　　　　当然 そのぐらいの
　　　＼　　　　　ｆ　 　 　 　 　 　 i;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:/　　　　 　 ﾞ,　　　　　　　　　 準備はしてあったさ
　　　　　ヽ　　　 l　　..:::: : : : : : : ;';:;:;:;:;:;:;:;:;:;:ィ′　　 ＿_,,.ｨ.}
　　　　　　｀、 　 ',　..:::: : : : : : : /;:;:,,,;:;:;:;:ー┘-‐=ﾆ - ― ｿ
　　　　　　　｀,　　',::: : : : : : : : ,.'／/;:;:;:;:,=┐｀ヽ､＼..... ／　　　　　　　　　　……って
　　　　 ,. - ‐ ﾍ　 弋 :: : : : :ン´／;:;:;:／/　ヽ　　 ﾝ:::::く　　　　　　　　　　　　どこぞの死神みたいな
　　　「´;:;:;:;:;:;:.∧　　ﾞ ー ‐"´¨ ィ ァ´　／/// .／;:;:;:;:;:.}　　　　　　　　　　　　セリフはやめろ
　　　.!;:;:;:;:ﾄ､;:;:.∧　　 F｀!´7　/ ｨ´ ,／ ,///／;:;:;:;:;:;:;:;:;:｀
　　　.;:',;:;:;:!ﾊ、;:.∧ 　 [　|　 :/　/／ ／∠, ′;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:
　　　;:;:;:',;:.;:|;:ﾊ＼.＼＼ヾｆ! ﾊ'　 .|' ／, '／;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:

　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 　　 　 ＼＼:::::::::::::::＼ヽ
　　　　　　　　　　　　　　　　　_　-----､　　　　　　　 　 ＼＼::::::::::::::::＼
　　　　　　　／/　　　　　　／　　　　　　 ｀ヽ､　　　　　　　 ＼＼::::::::::::::
　　　　　 ／ﾌ/　　　　　., '　 　 　 　 　　　　 }::＼　　　　　　　＼ヽ::::::::::::
　　　　／:::::/{　　　　　/　 　　　　　 　 　 　 l:::::::ヽ、 　　　　　　| }::::::::::::　　　　　いくら私が『穀梁春秋』を
　　　//::::::::l l　　　　　ｆ　　　　　　　　　　　 /:::/::::ｲ　　　　　　　| |:::::::::::　　　　　　公認したいと思っても、
.　　//::::::::::l {　　　　　|ヽ　　　　　　　　　／::://:::::{　　　　　　　 | |:::::::::::　　　　 　　学問の世界にまでは
.　 //::::::::::::l !　　　　　l､::＼ 　　　　　 ／::::／ノ::r-‐イ　　　　 　 } |:::::::::::　　　　　　　なかなか皇帝の威光はとどかん
　 l/::::::::::::::| | 　　　　　!ヽ::::｀ｰ―r―´::r‐ﾆ-´:::::::::::::/　　　　　 / /::::::::::
　 |{:::::::::::::::l l　　　　 ､」:::::ヾｰ┐::::::::::::::} 「:::::::::::::::::ノ　　　　　 / /::::::::::::　　　　　　公羊学者に伍しうるだけの学識をもつ
　 ｌl::::::::::::::::〉ｌ　　　 　 ＼:::::::::l {:::::::::::::://:::::::::::::／/　 　 --／／::::::::::::::　　　　　　 穀梁学者がいなければ、
　 ヾ::::::::::::::ヽヽ　　　　　 ＼_-､:＼:::::／::::::::,.‐:´:∠-－´.／／::::::::::::::::::／　　　　　　そもそも話にはならん
　　 ＼::::::::::::ヽヽ　　　　　　　ヾ:ヽ､::::::::::::::ﾉr､::::/　　 ／／:::::::::::::::::::／
　　　　＼::::::::＼ヾー―――－＞- ゝｲ7´ ∧ﾐ-ﾆ ´- ´:::::::::::_ -―＜―
　　　　　 ｀ ヽ､:::＼＼　　　　ｒイ　.i {　/　　{　ゝﾆ‐"-＝ニ‐" -―￣:::>
　　　　 ヽｰ､　 ＼::＼＼　 ／ /　 | Lム-ﾆニ´／::::::::::::／:::　 ／::::／:::::
　　 　 　 ヽ ゝﾆﾆゝ- ＼ニﾆムﾄ=ﾆﾆ‐::::::::_::／::::::::::::::::::_／.／::::::/:::::::::::
　　　　　 -} |＼ゞ^―――― ´:::::::::::::／ﾍ ヽー―‐ ￣ _／:::::::::/::::::::::::::
　　　/´:::::::| |::::＼＼:::::::::::::::::::::::::::::／／:::｀ヽ―― ￣:::::::::::::::::/::::::::::::::::::

　　　　　　　　|:.:.:.:.:.:.＼_ノ:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.∧
　　　　　　　/:|:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:＞　　￣ 　＜:.:.:∧ /l
　　　 |＼　/:. |:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.／　 　 　 　 　 　 ヽ:.:.} :.|
　　　 |:.:.:＞――ｧ:.:.:.:.:.:. /　　　　　　　　　　　 ∨:.:;　　 　 r ､
　　／／￣￣.／:.:.:.:.:.:.:.:,　　　　 　 　 　 　 　 　 W　　　　 ∨ ＼　　　　　　　公羊学派の牙城をつきくずす刺客！
_／／: : :／／|:.:.:.:.:.:.:.:.:.:i　　　　　　　　　　　　　 i:|　　　　　∨ﾍ:.＼
.／: : :／／ヽ:.|:.:.:.:.:.:.:ll:.:.|　　　　　　　 　 　 　 　 ,ﾘ:.　　　　　|　:|: : :.＼
: : : :/ ./　　　}|:.:.:.:.:.:.:ll:从　　　　　　　　　　　　 ,:: 　 　 　 　 |　:|: : : : ::｝　　　 そのうちのひとりが、
: : :/ ./ 　 　 八:.:.:.:.:. ∨:∧　　　 　 　 　 　 　 //　　　　　　 |　:|: : : : /　　　　 錬金術の失敗で投獄されながら許され、
: : {　{ 　 　 ムイ∧:.:.:.:∨:∧　　　　　　　　　.ｲく､＿＿＿ｨ彡|　:|: : : /
: : |　|ミ＝＝＝|{::∧:.:.:.:.＼＼＞　　＿__　ｨ彡 　 ￣￣￣ 　 :|　,: :.:./　　　　　　その翌年から後追いで『穀梁春秋』を学び、
: : |　| 　 　 　 ｛￣ヽ＼:.:.:.:.:＼ >:.:.:.:.::/:.:.／　　　　　　 　 　 / /:.:.:/
: :∧ ∨　　 rく入､　 ＼＞ｔ、: :ヾミ＝彳　　　　　　　 　 　 / /:.:.:/　　　　　　　　先輩の十人をあっさり追いぬいて
: : :∧ ∨　jﾉ:　　　＼ ｛⌒ヾ:>､ : : /／｝_ 　 　 　 　 　 　 / /:.:.:/　　　　　　　　　『穀梁春秋』の代表のひとりとして
: : : : :＼＼:.∧　ー===|　　　＼＼,ｲ　「xヘ　 　 　 　 　 / /:.:.:/　　　 　 　 　 　 　 弱冠二十九歳の若さで
: : : : : :.:.＼＼ ＼＼___.|　 　 　 l}　 |l　|{ハ:.:＼.　　　　 / /:.:.:/　　　　　　　　　　　　石渠閣会議に参加した！

　/'´￣ ）／ヽ
./　　Ｙ/´　/,へ、
く、　{./　 //　├(⌒ヽ
　＼ ヽ　ヾ」　 | ./　 /
　　ヽ　ヽ　!!　/Ｙ　 {　　　　 /ﾍ　／iヽ ﾊ
　　　｀ヽヽﾉヽ(　( ）ヽ　　　 /　Ｖ:.　 |:::Ｖ |
　　　　 ＼ ||| ||| |||　i　　　ﾉ::/　.:ｨ　|::::::Ｖ
.　　　　　 ﾄ､＿　_ノ ｝.　 Ｎ::/::／/´⌒ヽ:::|
　　　　　 |: .::厂Ｔ :.:{_／二二_／ 　 　　i::ﾚ/　　　　,ｨ　　　　　　劉更生！
.　　　　　|: :::i .:::|: :: |　　　 .／{　　　　　}ん　　　／/
　　　　　|: :::i .::::|: ﾊ:|＼　　|:ヽヽ、　　ノ:/　　／　/
　　　　 i.| :::i ::::::ﾚ　 |　 ヽ＜iヽゝヽ-彡ノ─'　　 /　　　　　　　　 キサマなのだァッッッッ！！
.　　　　| |.::i :::::/　.:/|:::::/ﾊｼ⌒ｰ､ー'/　　 ＿／
　　　 /| ::::　::/　.:/ .|ハ彡二ニヽ＼」＿／
　 　 / | ::厂|' ...::/　ヽ...}-{＿＿二ﾆy　ヽミ､-､
　　 {　 .|ﾉ: ::| :::/　　 ヽﾉ ヽ.....-:::::::::::}:::::::}､ｰ}... ヽ
　　 ヽ::/::: .::::ヽ.........::ｿ　／ヽ:::::::::_ -ヘ-､::...}､:::: |
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　　　　 廴__ﾊ─'i:::::::　.::　　　　　　　　　　　 >'
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　　　というわけで次回につづく

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　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　, r:'::::::ト､　　　　うわアオリがテキトー！
　　　　　　　　　　　　　　　　　　／:::r ､::::u rヾ.､　　　メンドくさくなったんだ！
　　　　　　　　　　　　　　　　 .ri:::::l.| !_ﾉ::l:|:l:::!_ﾉ::i　　　　　　　　,
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　　　　　　　　　　／ / トこ=‐┴‐┴＝＝─t､/ |:. 　..::::::::::::::7r'':::::::.. ',

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┃｜　　　やる夫が王莽になるようです 　 　 　　　　　　　　　　　　　　　　　｜┃
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┃｜　　　番外編　西漢の錬金術師　その三　　　　　　　　　　　　おわり　｜┃
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　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　次回へつづく

本日の投下はこれまでとなります。

おつきあいくださりありがとうございました。

>>879氏
薄氏を母にもつ文帝が
ロボットにしやすそうだったのはそのとおりでしょう

あと呂氏討伐に功績のあった劉章を
皇太子にしたくなかったというのも大きかったはずです
行動力と実績のある皇太子なんて、
建国の元勲にとって邪魔な存在ですから

乙
正統性の問題は支配君臨の根幹に関わることだから拘るのも判るんだが
御用学者とまでは言わんが儒者の微言大義っぷりはもうお前らよくまあそこまで妄想できるなと

おつおつ
なんかもう、当人たちは大真面目だし実際重要な事なんだろうが
解釈というかこじつけレベルはMMR並に見えるなｗ

儒教なんて、所詮こじつけだらけの嘘学問（学問という言葉を使いたくないが）だからな
くっだらねー