JCO東海事業所の核燃料加工施設で核燃料を加工中に、ウラン溶液が臨界に達し超高線量の被爆をしてしまった大内さんは事故直後病院に運ばれてきた時はまだ意識もあったそうです。
病院の先生に自ら『宜しくお願いします』と言える状態だったとのこと。
その時看護師さんは『助けることができるかも知れない』と思ったそうです。

しかし大内さんの体は超高線量の被曝により染色体が完全に破壊され、新たな細胞が生成できない状態となっていました。
白血球が生成されなくなってしまった大内さんは無菌病室に入り、妹さんから提供された造血幹細胞の移植が行われるなどの治療を受け、一時は白血球の増加が見られるも時間経過とともに移植後の新細胞の染色体にも異常が発見され白血球数は再び減少。

時間経過と共に大内さんの体の状態はどんどん悪化し、超高線量の放射線を浴びた大内さんの体はもはや新たな皮膚を形成することもできない状態となり、全身の皮膚から体液が滲み出て止まらなくななったそうです。
その痛々しい姿には医師や看護師でさえ絶句するほどだったそうです。

医師は大内さんを救おうと懸命になっていましたが、毎日のように皮膚移植を繰り返すも内臓からも出血するなど手の施しようがない状態になってしまい、事故から59日後の11月27日に心停止。
心臓マッサージにより約1時間後に蘇生するも心肺停止によるダメージから、脳および各臓器の機能が著しく低下、敗血症から最終的に治療手段がなくなり、事故から83日後の1999年（平成11年）12月21日、多臓器不全により亡くなりました。