ファッション通販サイト「ZOZOTOWN」を運営するスタートトゥデイの社長で、女優剛力彩芽（26）と交際中の前沢友作氏（42）が民間人としては初の月旅行者となることが18日、発表された。米宇宙ベンチャー「スペースX」が23年に予定している月周回飛行の初の契約者となった。旅行費用は非公表だが、関係者によると「700億～1000億円」。72年のアポロ17号以来、人類51年ぶりの月旅行となる。

米国時間17日、スペースXのあるロサンゼルスで行われた発表会見で、前沢氏は「やっと皆さんに発表できます。私は月に行くことにしました」と声を弾ませた。「子どものころから月が好きだった。このチャンスを逃せないと思った。とうとう月に行ける。とても興奮している」と語り、スペースXのイーロン・マスク最高経営責任者（CEO＝47）と笑顔で握手した。

スペースXは全長118メートルの大型ロケット「BFR（ビッグ・ファルコン・ロケット）」を開発中で、23年の飛行を予定している。開発費用は50億ドル（約5600億円）で、計画では打ち上げ後、上段の約55メートルの宇宙船が切り離され、3日目に月まで125マイル（約200キロ）に接近。周回しながら月越しに日の出ならぬ「地球の出」を見て、6日目に帰還する。

5日間23時間の月旅行。前沢氏は「旅行1回分を丸ごと購入しました」と、貸し切り旅行であることを明かしたが、費用については「今は答えられない」。関係者によると「700億～1000億円」。総資産2830億円とされる前沢氏にとっても極めて大きい旅行代となりそうだ。頭金は「かなりの額」（マスク氏）を支払い済みという。

前沢氏は「月と丸い地球を受けたインスピレーションを基に作品を創作してほしい」とし、世界の芸術家を招待する意向だ。画家、写真家、音楽家、デザイナーなど「自分の好きな世界的なアーティスト6～8人を招待する」という。「アーティスト同士がコラボして何が出来るのか非常に楽しみ」と明かした。

前沢氏に近い関係者によると、アーティストの中に熱愛中の剛力は含まれていないという。剛力の所属事務所もこの日、「現時点で剛力が月に一緒に行くことはないと思う」とコメントを発表した。

72年の米航空宇宙局（NASA）のアポロ17号を最後に、人類は月に行っていない。まだX社のロケットは開発段階の上、搭乗員の訓練や健康管理など、専門家からは23年の打ち上げを疑問視する声も上がるが、前沢氏の飛行が実現すれば51年ぶり。米国人以外で初めて、民間人としても初めての月旅行になる。