テスラCEOのイーロン･マスク氏が、タイで洞窟に閉じ込められた少年たちの救出に貢献したイギリス人ダイバー、バーノン･アンズワース氏を罵るメールを、BuzzFeed Newsに送ってきた。

アンズワース氏は7月、マスク氏らが少年救出のために提案したミニ潜水艦を「役に立たない」と批判。これに対し、マスク氏がアンズワース氏を「小児性愛者」と罵倒するツイートを投稿した。ツイートは反発を呼び、テスラの株価は下落した。

マスク氏はツイートを削除して謝罪したが、そのマネージメント能力や危機管理能力が疑問視される事態となった。

マスク氏は8月下旬、この問題で訴訟を起こされる可能性を問い合わせたBuzzFeed Newsのメールに返信。複数回にわたったやりとりの最初のメールで、こう書いてきた。

「タイにいる知り合いに電話して、実際に何が起きているかを調べた方がいい。そして小児強姦犯の弁護はやめることだ。このファッキング馬鹿野郎（fucking asshole）」

「あいつは30年か40年、英国とタイの間をふらふらしている白人の独身じじいだ。ずっとパタヤビーチにいて、その後は幼妻を探しにチェンライに渡って12歳の少女と一緒になった」「訴訟の件だけど、やれるもんならやってみろっつうことだ」

マスク氏はアンズワース氏について書いたことの証拠は示さなかった。

BuzzFeed Newsは、マスク氏の主張が事実かどうかを確認しようとしたが、できなかった。アンズワース氏とともに少年らの救出作業に携わった複数の関係者は「救出作戦は彼無しでは難しかった」と証言した。

いま40歳だというアンズワース氏のガールフレンドは「私は彼と7年以上付き合ってきた」と語り、マスク氏がメールで伝えてきた内容についてはコメントを拒否した。

マスク氏はメールに「オフレコ」と書いてきたが、BuzzFeed Newsは同意しなかった。米国のジャーナリズムの慣行では、オフレコは双方が合意した時点で、初めて成立する。

アンズワース氏の代理人は「小児性愛者という発言はあまりにも重大な問題だ。マスク氏が、自らの富と地位が嘘をついたことから守ってくれると考えるなら、それは間違いだ」との声明を出し、法的措置を行う考えを示唆した。