【ベルリン＝井口馨】ドイツ連邦議会（下院、総議席数７０９）は１４日、アンゲラ・メルケル首相（６３）の任命同意案を賛成多数で可決し、メルケル氏にとって４期目となる中道の左右２大政党による大連立政権が正式発足した。

　昨年９月の連邦議会選挙以降の政治混迷を招いたとの批判も浴びたメルケル氏が、欧州連合（ＥＵ）改革などで求心力を回復できるかが注目される。

　大連立政権は戦後ドイツでは４度目で、２０１３年から２期連続となる。政権枠組みは維持されたものの、連立与党の議席数は全体の約３分の２を占めた前政権から大きく減って、３９９議席にとどまる。

　メルケル氏は０５年に首相に就任。在任期間は１２年を超える。４期目の任期（４年）を全うすれば、東西のドイツ統一などで功績を残し、戦後最長記録を持つヘルムート・コール氏（昨年６月に死去）に匹敵する長期政権となる。