東京・小金井市で去年５月、芸能活動をしていた女子大学生をナイフで刺して殺害しようとした罪に問われた男の裁判で、東京地裁立川支部は男に懲役１４年６か月の判決を言い渡した。

　岩崎友宏被告（２８）は、冨田真由さんの首や胸などをナイフで刺して殺害しようとした罪に問われている。２月２８日の裁判では前回、岩崎被告が大声を出して退廷を命じられたためにできなかった最終意見陳述が行われた。岩崎被告は法廷で大声を出したことを謝罪し、「もう二度と冨田真由さんに近寄らないことを誓います」「まっとうな人間になりたいです」などと反省の言葉を口にした。その一方で、「僕は殺意を認めません」と述べ、これまでは認めていた殺意を否定した。

　その後、判決の言い渡しが行われ、東京地裁立川支部は「一定の計画性があり、殺意は非常に強固なものだった」として岩崎被告の殺意を認め、懲役１４年６か月の判決を言い渡した。

　判決後、冨田さんは自ら法廷で意見陳述した時の心境について、「自分の口から話さないと後悔すると思った。突然、犯人から怒鳴られたので、本当にびっくりしました。怖かったけれど、負けてはいけないと自分に言い聞かせた」とのコメントを発表。また、判決については「たった１４年後には、犯人が塀の外を歩いている。そう思うと、今から不安と恐怖しかない」と胸の内を明かした。