今日の現場も新大久保。午後の3時くらい休憩行ってた近くの公園から戻ってくると、現場の前にまた、救急車とパトカーと人だかり。警官たちの囲まれて、オフィスワークっぽいアラフォーくらいの女性がしゃがみこんでいる。顔が血に染まってる。オデコか頭を割ったのか。歩道だから、自転車同士の接触かな。一部始終を見てた隊長さんに聞く。そしたらやっぱり自転車の接触事故だという。相手は背の高い茶色いジャンパーを着た白人の男で、逃げたという。
隊長さんは、警官が詳細を聞いて来るまでは、こちらからは出ないという。それは、ウチの現場の区画外の事故だから。そういう場合には、理由が無い限り首をつっこまないのがこの仕事の鉄則だ。「だけどモヤモヤする」と隊長さんが言う。隊長さんが子供の頃に、三鷹に住んでる親戚の家に行く途中に会った、同じくらいの年の知らないガキにうまくのせられて、価値のあった仮面ライダーのカードをうっかり渡してしまったコトと同じくらいに、なんかこうモヤモヤする、とか。
ついで隊長さんにMDP番号というのを教えてもらう。都内のあらゆる標識にはすべてMDP標識番号という9桁の数字が記してあるという。例えば歩道のトコにある「横断禁止」とか、ああいう標識すべてにはそれが記してあるのだという。MDPとは「Metropolitan Police Department」の略で、ようするに首都東京の警察ということか。だから他の県のについてはわからん。で、都内なら、もし事故やら何かで救急車を呼ぶとき、警察に連絡をして近くの標識を見てそこのMDP標識番号を言えば、場所が一発でわかるし、ついでに救急車の手配もしてもらえば、という感じで、そっちの方が便利だという話。試しの近くの標識を見にいったら、どこにもMDP番号が、確かに書いてあった。
事故の概要はこういう感じ。その背の高い白人が歩道に止めてあった自転車を出そうとした。そこで自転車のケツを出す。そこにやってきたアラフォーさんの自転車がひっかかり、歩道に身が飛び出して、というコトらしい。そんで人だかりが出来たところ、その背の高い白人はゆるゆるとそこから抜け出て、隊長さんが止めに行こうかと思ったら、逃げてった、と。
責任はどうなるのかという話を、隊長さんとする。とりあえず自転車も一応は車両だけど、乗ってないし、不可抗力の事故であって、刑事責任みたいなのにはならんかなあ、と。逃げた白人さんは見つかるのか。自転車だから脇道に入ればすぐわからなくなるし、その手の事故でそこまで警察が追及するかどうか、という話。しかしいま都内にはあっちこっちに防犯カメラがあるだろうし、という話。隊長さんが警察に声をかけられる。隊長さんが行って詳細を説明しに行く。オレは、その逃げた背の高い白人は、いまどんな気持ちなんだろうか、みたいなコトを考える。
夕暮れになって、歌いながらベビーカーを押すおっさんがやってくる。いつもこの時間にやってくるおっさんだ。いつも大きな声で歌ってる。だからそのおっさんが来ると気が付く。そのおっさんはムーミンみたいな体系で、ステテコとゲタが似合いそうな、目がとんがった初老のおっさん。それが歌いながらやってくる。「それがああああ、おとこのぉぉおぉ~」と、片手でベビーカーを押して、そしてもう一方の手でベビーカーに乗ってる赤ちゃんに向けて、ゆるゆるとうちわをあおぎながら、演歌らしきモノをよく通る低い声で歌っている。「よ~し、ここで伴奏が入るぞ、フフンフンフン、ズンチャチャズン…」とか言いながら。赤ん坊は笑ってる。昭和のおっさんだよな。オレはこのおっさんのファンだ。
そこに信号から渡ってきた中学1年生らしきの男子3人が来る。おっさんを見て、リーダーっぽいメガネで整った顔の一人が大きな声で「コンニチワー!」と言い、ほかの二人が「オオーッス!」「チワーッス!」と続く。演歌のおっさんが「おおよ!」と続く。通学路で良く会うのか、通りがかりになんかやりとりしてる。ヤツらもおっさんのファンなんだろう。それを見て笑ってたオレに、そのリーダー格のめがねが気づいて、オレに向かって、やはり大きな声で「コンニチワーッす」と大声を張り上げる。ほかの二人がやっぱり「オオーッス!」「チワーッス!」と続く。オレも笑って右手をメットに掲げて敬礼しながら、「コンニチワーッす」と大声を張り上げる。その背の高い白人も、逃げなきゃよかったのに、というようなコトを思う。
隊長さんは、警官が詳細を聞いて来るまでは、こちらからは出ないという。それは、ウチの現場の区画外の事故だから。そういう場合には、理由が無い限り首をつっこまないのがこの仕事の鉄則だ。「だけどモヤモヤする」と隊長さんが言う。隊長さんが子供の頃に、三鷹に住んでる親戚の家に行く途中に会った、同じくらいの年の知らないガキにうまくのせられて、価値のあった仮面ライダーのカードをうっかり渡してしまったコトと同じくらいに、なんかこうモヤモヤする、とか。
ついで隊長さんにMDP番号というのを教えてもらう。都内のあらゆる標識にはすべてMDP標識番号という9桁の数字が記してあるという。例えば歩道のトコにある「横断禁止」とか、ああいう標識すべてにはそれが記してあるのだという。MDPとは「Metropolitan Police Department」の略で、ようするに首都東京の警察ということか。だから他の県のについてはわからん。で、都内なら、もし事故やら何かで救急車を呼ぶとき、警察に連絡をして近くの標識を見てそこのMDP標識番号を言えば、場所が一発でわかるし、ついでに救急車の手配もしてもらえば、という感じで、そっちの方が便利だという話。試しの近くの標識を見にいったら、どこにもMDP番号が、確かに書いてあった。
事故の概要はこういう感じ。その背の高い白人が歩道に止めてあった自転車を出そうとした。そこで自転車のケツを出す。そこにやってきたアラフォーさんの自転車がひっかかり、歩道に身が飛び出して、というコトらしい。そんで人だかりが出来たところ、その背の高い白人はゆるゆるとそこから抜け出て、隊長さんが止めに行こうかと思ったら、逃げてった、と。
責任はどうなるのかという話を、隊長さんとする。とりあえず自転車も一応は車両だけど、乗ってないし、不可抗力の事故であって、刑事責任みたいなのにはならんかなあ、と。逃げた白人さんは見つかるのか。自転車だから脇道に入ればすぐわからなくなるし、その手の事故でそこまで警察が追及するかどうか、という話。しかしいま都内にはあっちこっちに防犯カメラがあるだろうし、という話。隊長さんが警察に声をかけられる。隊長さんが行って詳細を説明しに行く。オレは、その逃げた背の高い白人は、いまどんな気持ちなんだろうか、みたいなコトを考える。
夕暮れになって、歌いながらベビーカーを押すおっさんがやってくる。いつもこの時間にやってくるおっさんだ。いつも大きな声で歌ってる。だからそのおっさんが来ると気が付く。そのおっさんはムーミンみたいな体系で、ステテコとゲタが似合いそうな、目がとんがった初老のおっさん。それが歌いながらやってくる。「それがああああ、おとこのぉぉおぉ~」と、片手でベビーカーを押して、そしてもう一方の手でベビーカーに乗ってる赤ちゃんに向けて、ゆるゆるとうちわをあおぎながら、演歌らしきモノをよく通る低い声で歌っている。「よ~し、ここで伴奏が入るぞ、フフンフンフン、ズンチャチャズン…」とか言いながら。赤ん坊は笑ってる。昭和のおっさんだよな。オレはこのおっさんのファンだ。
そこに信号から渡ってきた中学1年生らしきの男子3人が来る。おっさんを見て、リーダーっぽいメガネで整った顔の一人が大きな声で「コンニチワー!」と言い、ほかの二人が「オオーッス!」「チワーッス!」と続く。演歌のおっさんが「おおよ!」と続く。通学路で良く会うのか、通りがかりになんかやりとりしてる。ヤツらもおっさんのファンなんだろう。それを見て笑ってたオレに、そのリーダー格のめがねが気づいて、オレに向かって、やはり大きな声で「コンニチワーッす」と大声を張り上げる。ほかの二人がやっぱり「オオーッス!」「チワーッス!」と続く。オレも笑って右手をメットに掲げて敬礼しながら、「コンニチワーッす」と大声を張り上げる。その背の高い白人も、逃げなきゃよかったのに、というようなコトを思う。
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