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欧州リーグ残り2カ月、W杯で対戦する各国主力の動向やいかに

 1位コロンビア、2位コートジボワール、3位日本、4位ギリシャ、である。代表選手のクラブでの活躍度から判断する、グループステージ突破の可能性だ。

 コロンビアは主砲ファルカオが離脱しているが、アタッカー陣はのきなみ好調だ。
ドイツ・ブンデスリーガのヘルタ・ベルリンでプレーするアドリアン・ラモスは、ここまで得点ランキング3位の16ゴールをあげている。アシストも「7」を記録しており、チーム総得点の64パーセントに絡んでいる。

 ヘルタとは15年6月末まで契約を結んでいるが、複数のクラブが関心を寄せている。レバンドフスキをバイエルンへ放出するドルトムントが有力な移籍先だが、アトレティコ・マドリーやモナコも獲得を検討中と伝えられる。

 FCポルトのジャクソン・マルティネスは、ポルトガルリーグの得点ランキングで首位を走る。リーグ戦であげている15ゴールのうち、ほぼ半分に相当する7得点を残り30分以降で記録している。先制点も多い。ゲームを動かす一撃、ゲームを殺す一発が目につく。ストライカーとしての危険度を高めている印象だ。

 リーガ・エスパニョーラでは、カルロス・バッカが奮闘している。加入1年目のセビージャで、チームトップの14ゴールをマークしているのだ。

 2列目のプレーヤーも、ホセ・ペケルマン監督を満足させている。背番号10を背負うハメス・ロドリゲスは、モナコで得点とアシストを積み重ねている。右サイドアタッカーのファン・クアルドラードも、フィオレンティーナで定位置を確保している。

 3月5日のチュニジア戦に、ペケルマン監督は4-2-3-1の布陣で臨んだ。1トップに指名されたのはバッカで、W杯予選で重用されたテオフィロ・グティエレス、ラモスはいずれも途中出場だった。ファルカオ不在でも、指揮官は豊富な選択肢を持つことができているのだ。

 サブリ・ラムシ監督が束ねるコートジボワールも、攻撃陣が充実のパフォーマンスを見せている。昨シーズンのエールディビジ得点王で、今シーズンからスウォンジーでプレーするウィルフリード・ボニーは、チームに「12」の得点をもたらしている。2列目左サイドを担当するサロモン・カルーも、リーグアンのリールで10ゴールを記録している。また、代表で背番号10を託されるジェルジーニョが、セリエAトップタイの8アシストをマークしている。

 セイドゥ・ドゥンビアも復調傾向だ。昨シーズンは腰痛などでシーズンのほとんどをサイドラインの外側で過ごしたが、今シーズンはここまで13ゴールで得点ランク首位に立つ。調子をあげると得点を量産するのが彼の特徴で、W杯にピークが合えば重要な役割を果たすかもしれない。

 破格のシーズンを過ごしているのはヤヤ・トゥーレだ。リーグ戦17ゴールはプレミアリーグの得点ランク3位に食い込み、所属するマンチェスター・シティではクン・アグエロを抜いてチーム最多である。
 
 2列目からの効果的な飛び出しと高精度のフィニッシュは、コートジボワール代表でも威力を発揮する。3月25日に開催されたマンチェスター・ユナイテッドとのダービーでも、ダメ押しの3点目をゲットしている。キャリア最高と言っていいシーズンは、ブラジルW杯でのパフォーマンスにもつながっていくだろう。

 長く代表を支えてきたディディエ・ドログバは、ガラタサライで健在ぶりを示している。リーグ戦では10ゴールを記録し、3月5日のベルギー戦でも途中出場からネットを揺らした。ただ、3月22日のリーグ戦を鼠蹊部の痛みで欠場しており、復帰時期がはっきりとしていない。

 コロンビア、コートジボワールに比べると、ギリシャは明るい材料が少ない。
得点源のコンスタントティノス・ミトログルが、1月から移籍したフルアムで出場機会を失っている。ケガの影響だ。サイドアタックとリスタートのキッカーを任されるゲオルギオス・サマラスも、セルティックで途中交代のカードに甘んじている。
さらに加えて、レギュラーGKのオレスティス・カルネジスが、所属するグラナダで定位置をつかめていない。フェルナンド・サントスが統べるチームは、攻守両面に不安を抱えているのだ。

 もっとも、日本も状況は似ている。本田圭佑と香川真司が所属先でゴールをあげられず、吉田麻也がケガで戦線離脱してしまった。

 残り2か月弱となった欧州各国リーグを、それぞれの国の選手はどのような結果で終えるのか。日本代表だけでなく、各国の主力の動向からも目が離せない。

ファウルを受けて「ゴロゴロ」するのは有効な手段

 村井満Jリーグチェアマンの『3つの誓い』は、色々と考えさせてくれる。
 
 ひとつ目の「笛が鳴るまで全力でプレーする」には賛同する。チェアマンは具体例として、「簡単に倒れない」、「倒れても笛が鳴るまでプレーを止めない」と言い添えた。

 まったくもってそのとおりである。異議はない。

「痛くもないのに痛がって、ピッチの上でゴロゴロしない」とも付け加えた。

 これはちょっと、同意しかねる。

 20世紀ならともかく2014年のサッカーで、「痛くもないのにゴロゴロ」する選手はそもそも少数派だ。相手がやらないから自分もやらないという連鎖が、ゴロゴロを減らしている。

 その一方で、僕はゴロゴロを必要悪のようなものだと思っている。1980年代のディエゴ・マラドーナは、ゴロゴロを得意とした。彼には明確な意図があった。

 21世紀なら一発退場間違いなしの悪質なファウルが、当時は警告の対象にさえならなかった。マラドーナやジーコは、ユニホームを引っ張られたり、足を蹴られたりするばかりである。”やられ損”は著しい。彼ら攻撃の選手にとって、ゴロゴロは自己防衛策のひとつだったのだ。
 
 ゴロゴロするぐらいだから、接触プレーがあったのは間違いない。そこですっと立ち上がらずにゴロゴロするのは、ファウルがあったという事実を主審に意識づけしたいのである。自分にファウルをしたのはあの選手だと、記憶させたいのだ。
 
 同じ選手がまたファウルを冒せば、「二度目だから警告でしょ?」と主審にアピールできる。複数のブラジル人選手に聞いたゴロゴロの意図だ。
 
 21世紀のサッカーは反則に厳しくなったが、反則がなくなることはない。反則か否か、警告か警告でないのかは、主審の主観に委ねられる。ファウルがあったという意識づけをする必要性はあり、ゴロゴロはその有効な手段なのである。
 
 ゴロゴロが試合を止めるとしても、時間にすれば30秒から1分ほどである。この短い時間に繰り広げられる駆け引きは、その後のゲームを引き立てる要素のひとつだ。取り除くのはもったいないし、取り除いたらいけないと、僕は思うのである。

NZ戦の意味をどう作り出すか、国立最後の日本代表戦で観たいもの

 乱暴に言ってしまえば、メンバーは重要ではない。何を見せるか、である。

 3月5日のニュージーランド戦は、昨年11月のベルギー戦以来のテストマッチとなる。ワールドカップへ向けた〈足ならし〉と言っていい一戦だ。相手との力関係やコンディションを考えても、日本の勝利はほぼ用意されたものと言っていい。
 
 改修前最後の国立競技場で、ワールドカップイヤーの初戦を勝利で飾る──美しき予定調和だが、それだけではもったいない。

 僕が見たいのは3-4-3だ。

 およそ4か月の空白期間を埋めるテストマッチだけに、使い慣れた4-2-3-1で個々の役割やコンビネーションを確認したいのは分かる。ケガの長谷部と内田に代わる選手が、そのなかでどのようなプレーを見せるのかも、ザックのチェック項目に入っているはずだ。

 この試合の意味を、外向きに考えてみる。

 W杯で対戦するコートジボワール、ギリシャ、コロンビアの監督は、映像を取り寄せて日本のプレーぶりをチェックするだろう。

 そこで、4-2-3-1と3-4-3を併用したら。僕が対戦相手の監督なら、「これはちょっと、厄介だなあ」と眉をひそめる。3-4-3の完成度が高くないとしても、対応を考えなければならない。まるっきり機能しなかったとしても、無視することはできないからだ。

 長谷部と内田の不在も悩みを深める。とくに内田は、システムの肝になる「4の右サイド」だ。このポジションに起用される選手のキャラクターによって、システムそのものの性格が変わってくる。

 2月22日に発表されたメンバーを見て、僕は駒野を招集しなくてもないと考えた。ニュージーランド戦だけなら、所属クラブで右サイドバックを務めている酒井高、酒井宏のふたりで十分である。ゲーム形式の練習をするために、サイドバックが4人必要というのが現実的な理由だろう。

 ここで、ザックが駒野を使ったら。しかも、3-4-3への変更と同時に、彼がピッチに登場したら──。

 昨年8月以来の招集となった選手が、3-4-3になった途端に登場する。しかも、過去2大会連続でW杯に出場しているベテランだ。意味深ではないだろうか。対戦相手の監督からすると、悩みは膨らむばかりだ。

 3-4-3が機能しなければ、国内のメディアから批判されるだろう。それでも、いい。どんな内容だとしても、対戦相手を惑わせることになるのだから。

サンフレッチェを優勝に導いた背番号9の巧みな駆け引き

「出さなきゃ負けよ……」はジャンケンの掛け声だが、サッカーにも同じようなところがある。センターバックをゴール前から引きずり出すのは、ゴールへの重要なアクセス方法だ。

 もっとも、センターバックをおびき出すのは絶対条件でもない。外へ出るべきか、ゴール前へステイすべきかの判断に迷いを生じさせれば、決定的なシーンを作り出すことはできる。

 たとえば、2月22日に行われたサンフレッチェ広島対横浜F・マリノスのゼロックススーパーカップで、こんなシーンがあった。後半開始直後に、サンフレッチェの石原直樹が右サイドでパスを受けた。一発のターンで相手のマークを外した彼は、フリーで前を向く。

 ここからの駆け引きがめまぐるしい。

 中央へパスを出すタイミングを担保しつつも、石原はそのままドリブルで持ち込んだ。ペナルティエリア内へ侵入していった。

 F・マリノスのセンターバック中澤佑二は、難しい判断を迫られた。石原との間合い一気に詰めようとしたら、ゴール前の佐藤寿人をフリーにしてしまう。石原がペナルティエリア内へ侵入してくるにもかかわらず、中澤はゴール前から出られない。クロスのコースを限定しつつ、佐藤寿との距離を保つことを選ばざるを得なかった。
 
 結果的に中澤は、クロスをカットすることも、シュートを打たせないこともかなわなかった。センターバックからすると、どうにも対応しきれないシーンだった。

 この試合のサンフレッチェは、野津田岳人と浅野拓磨のゴールでF・マリノスを下した。この19歳コンビの活躍は頼もしいかぎりで、佐藤寿も持ち前の抜け目なさを発揮していた。

 そして石原の存在もまた、相手守備陣にストレスを与えていた。献身的なまでのディフェンスも含めて、彼は森保一監督の戦術に欠かせない選手と言っていい。リーグ開幕戦でぶつかるセレッソ大阪の守備陣は、どのような対応を見せるのか。サンフレッチェの背番号9を中心とした攻防は、ひとつのポイントになるはずだ。

ファルカオの負傷に想う、リスペクトとは

 ラダメル・ファルカオが負傷した知った瞬間、僕は喜んだ。ブラジル・ワールドカップのコロンビア戦で勝てる可能性が、これで少し高まると考えた。

 彼の負傷から1週間が過ぎて、気持ちが変わってきている。

 本田や香川がもしケガをしたら、自分はどんな気持ちになるだろう。ワールドカップに臨む日本代表を思い、暗く重い気持ちを抱くに違いない。

 日本に住んでいる自分の気持ちなど、世界のサッカー界には何の影響もない。だからといって、ライバル国の主力のケガを喜んでいいものか。違う、と思う。

 東日本大震災が発生した直後、世界のサッカー界から様々な応援メッセージが寄せられた。多額の寄付を届けてくれた団体や個人もある。日本と具体的な縁を持たない団体、チーム、選手が、我々の国を励ましてくれた。

 所属するモナコはもちろん前所属先のアトレティコ・マドリーも、ファルカオにエールを送っている。「頑張れ」と書かれたTシャツを着て入場したり、電光掲示板にメッセージを記したり、選手個人がSNSを通じて応援をしたり──彼らからすればごく当然かつ自然の行動だろうが、とても尊いと感じる。リスペクトという言葉の意味を、改めて考えさせられた。

 かつてアーセン・ベンゲルに言われたことを思いだす。

 対戦相手がいなければ、ゲームは成立しない。審判がいなければ、試合は秩序を失ってしまう。観客がいなければ、試合は味気ないものになってしまう。グラウンドを整備する人がいなければ、選手は思い切って力を発揮できない。
 
 様々な人が様々な形でかかわることで、サッカーのゲームは行なわれる。自分ひとりではサッカーにならない。そうした思いを出発点とすれば、他者をリスペクトする気持ちが自然に育まれていく。
 
 ファルカオがワールドカップに間に合ったら、複雑な気持ちを抱くだろう。回復するために彼が費やした時間と努力に敬意を抱きつつ、それでもワールドカップのコロンビア戦を心配してしまう。不謹慎だと分かっていても、心に残念な思いが芽生える。
 
 ただ、ファルカオのいるコロンビアに勝ってほしいと、いまは強く思っている。



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