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ゲート 1.接触編 上下 柳内たくみ

副題は「自衛隊 彼の地にて、斯く戦えり」。
以前お借りしたマンガ版同タイトル作品の原作小説(感想 1 2 3)。

内容はほぼマンガ版どおり。
むしろこの小説版の内容を、ほぼ余すところなく漫画化できていることに驚かされた。
不思議に写植文字が大きい小説だと感じたが、
近頃のライトノベルとはこんなものなんだろうか。
読みやすくていいが、総文字数が少ないような気がしないでもない。

感想自体も、本当にマンガ版そのままなので、大筋は全く同じく。
ただし、絵に表しきれなかった細かい状況描写表現や、
各人の心の内側が詳しく描かれている部分、
小道具・小物の重厚さの表現などはこちらのほうが好み。
何人かいるヒロイン候補の一人かな?と思っていた姫様も、
小説版を読んで、初めてサブ主人公なのだと理解できた点も良。

総評。
マンガという媒体、ページ数に限度はあるし、
情報を絵に詰め込まないといけないというのに、
ここまでしっかりした漫画化をされていることに、少々感動を覚えた。
中身は読みやすいし、先にマンガ版に触れたという点を差し引いても
文字を読みながら情景理解の容易い良い文章。
うん、良作だと思います。
ただマンガ版を先に読み始めてしまったので、
小説版を読み進めてしまうか、マンガ版の連載が進むのを待つか絶妙。
いつになるのかさっぱりわからないのだが。
(この一巻の時点で、異邦人たちが東京に来て帰るまでを書いています)

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新黒沢最強伝説 1 福本伸行

かつて戦いの中、目的を達成し死んだはずの男がいた。
だがその男は死んでいなかった。臨死体験の後、
復活を遂げたのは戦いから数年後。
寝たきりの状態からリハビリを経て、男は復活する。

…というあらすじは書いてみたけれど、なんだこりゃ。
そんな内容じゃないだろ。

前作の小市民的幸せと不幸やら、ヒーローになりたくてもなりきれず、
成長もしない男の物語っぷりは面白い部分もあった。
職場の人間の弁当にそっとアジフライを忍ばせるエピソードなんて、
そうそう思いついても描けるもんじゃない。
しかもその動機が、「リーダーシップを持った同僚に嫉妬して」などというもの。
ここまで不思議な思考回路と行動力のあるキャラ、
魅力、…はないにしても、不思議にひきつけるものはあったんだが。

前作は、そんなさえない男を主人公にした物語を、
人気上昇中だったこの作者が描く、というので一部で評判になったところはあったが。
近頃同作者の噂で聞くのは「おい、麻雀しろよ」な地獄めぐりファンタジーになった
終わらない長期連載モノの話ばかり。
そんな状態の作者に、あの怪作の続きは描いて欲しくなかったな…というのが
正直な気持ちだった。
全盛期だから描ける物もあると思う。特に挑戦的な作品ほど。

さて今作。
…ひどいな、こりゃ。完結するまで作品としての評価はわからん、というのが
前作で思い知ったので、そうそう早く結論は出したくはない。
が、これはちょっとなぁ。
長期脳障害・寝たきりからの復活、リハビリをテーマにしているのかと
一瞬思ったが、そんなことはまるでなく。
第一巻からホモ。合コン。俺はこの時点でもうだめだった。
病気が治った瞬間はちやほやするが、一週間もすれば見舞いが途絶えるという
入院患者エピソードはちょっと心に響くものがあった。
天国にいるのは全部自分だけ、というのも、作者の宗教観が透けて見えて良かった。
けどこの一巻で、かなりの読者が引いたか逃げたかしたような。うーーーむ。

か、完結してから評判を聞いて、それからまとめて読むかどうか決める!
それまで封印作品に認定。
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ASTEROID Miners 2 あさりよしとお

出ない出ないと言われていた、
アステロイドマイナーズ2巻ついに発売!!
amazonあたりで注文しようか、どうしようかと友人Yと話していたら、
友人Kが「買ったよー」と持ってきてくれた。友人Kは一巻持ってないのに。ありがたや。

巻末ラストの奥付の作品初出を見て、絶望するとともに感動する。
初出:「月刊COMICリュウ」2009年10、11月号。2010年3~7月号、9、10月号。
…もちろんこの本、初版で2013年8月1日発行。
なにかの問題が出版or作者の間であって、単行本分は作品が貯まっているのに
単行本が発売できなかった、と類推するに足る時間経過だ。
ファンの間では、「なぜあんなに未発表部分があるのに発売できないんだヨォ」と
嘆きの声が長々と聞こえていたらしい。
よかった。発売にこぎつけて本当によかった。
そしてもちろん今巻でも、連載分全てが掲載されているわけではなく、
作者本人のtwitterで7月20日に
「単行本未収録分がまだあるし、描かなきゃならない内容も最低三つは残っているので、
徳間で続けられなくても、いずれどこかで。」
と発言されているので、楽しみに…いや、完成を祈るとしよう。祈るしかない。
某2chで語られている情報によると、内容が
「住人が裸で暮らしてる小惑星に地球から役人が来て、原子炉がどうこういう話」
だとか。うわぁ読みたい誰か何とかして。

さて今巻の中身について。
第一話から、前巻の最終話、円筒型スペースコロニーに住む少年達の少し未来の話。
むむ、と唸る。そして再び作中の時間が巻き戻ったのか、
軌道上で戦闘機動を取ろうとする愚かしさの話。
どうやら前巻の軌道上飛行研修の登場人物と同じだ。
ここでようやく気がつく。
この物語、ただのオムニバス方式で物語を語っているのかと思っていたが、
作中のタイムラインは一本きちんと取られていて、
時間軸どおりに並べたら、人類の宇宙開発が少しづつ進んでいく物語になっていたのか!
と一人膝を打つ。
なるほど第一巻第一話に出てきた感じの悪いロボットが、
壊れた人形として少年たちのスペースコロニーに現れているのは
ただの偶然や同型機や作者の遊びでもなく、全く同じ小惑星の未来を表していたのか。
ということはこの物語、一巻と二巻の全てを通して繋がっていない物語はないと
考える方がむしろ自然で、独裁者の軌道上戦闘も、
月に送り込まれた二人のアストロノーツも、全部繋がっていたんだなぁ。
今巻の作中でもっとも感動した、「円筒型スペースコロニーを一から作る作り方と材料」を
子供たちに試算しながら聞かせるシーンは笑えるし、納得できるし、
「こんなもん絶対に作るのは無理だろー!」な感想も抱いたけれども、
全ての物語が繋がっていると知ったなら、このシーンの感想は変わる。
もう作者なりの答えは出ていたんだな。
つまり「水を含む小惑星を削り、円筒形型に成型してスペースコロニーを削りだす」と。
一巻第一話の孤独な鉱山労働者がその第一歩で、
そのままスペースコロニーで生活する少年達に繋がっていくのか。
いいなぁ。実に夢がある近未来SF宇宙開発。
もし私の考察が正しいとしたら、「火星年代記」に値するような超大作の気がするのに、
出版社は大損したなー。
…あ、すみませんこの考察はただの私の妄想かもしれません。
三巻が出たらまるっと覆るかもしれませんので。

総評。面白い。SF好きなら安心して即買いを選びなさい。
そして第三巻が出るように、私とともに祈ろう。
ラストに掲載された、「ドワーフの村」の話が少し浮いていたような気もするが、
上の私の妄想が正しいならば、三巻以降で伏線となって解消されていたはずだ。
作者自身が語っていた「描かなければならない最低三つ」も大体想像をつけると、
「イオンエンジンで地球圏外探査飛行の話」と
「スペースコロニーの少年が中年になって宇宙に再び戻る話」と
この「ドワーフの村の少し未来の話」ではないだろうか。くそう読みたいぜ。
どうかお願いします。三巻出てください。お願いします。お願いします。
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