副題?に英字で、「Girl meets Bear」。

東北のどこか山奥。電気はあるがその他色々なもののない田舎町。
そこには神の御使いとして崇められる、人語を話す一匹のヒグマと
神の託宣をする巫女が、一つ屋根の下で暮らしていた。

などとあらすじには書いたが、巫女であるヒロインはこの村が大嫌いであり、
都会に憧れるフツーの女子中学生。
クマはクマで、一応村のしきたりでこの村から外には出られないが、
電化製品を使いこなし多分ネットで知識を蓄えている現代っ子。
この二人が織り成す日常マンガ。
基本的にメインストーリーは、都会に出て行きたいと嘆くヒロインと、
機械・文明オンチのヒロインに、諦めさせようと課題を出すクマという構図で物語が進む。

ヒロインのコミュ障ぶりと、都会に対する憧れの割には
電化製品を必要以上に怖がったり、都会のことについて何も知らなかったりと、
そりゃあクマが過保護でなくとも止めるよな、と読者側としても納得。
ヒロインの無知なのに無鉄砲な、引き返すことを選ばない部分とか、
見てて本当に危険だしなぁ。

都会に出て買い物をしてくる話で、結局テンパってしまって
何も買えないどころか、泣きながら帰ってくる話は実に面白かった。
…うん、泣かせたくなるヒロインって久しぶりに見たね。
なにか私の中にある、危険な趣味のスイッチが入りそうになった。
結局のところ、クマ自身もまちを保護者のように心配しているだけではなく、
ほぼこの村を出て行って欲しくないだけなんだ、とわかる回であったのも実に良。
こういう関係も共依存って言うのかね?
そう考えると「(DVが)激しくて…」という台詞も、なんか深くて良し!

裏設定的な、わずかしか語られない、
「なぜクマが人語を話せるのか、一匹だけ人家で暮らしているのか」も
ちょっと興味が沸くけれど、そちらにはあまり踏み込まないようだな。
日常を描くだけで、充分なギャグテイストの物語であるし、
そちら方面は薄めなのだろう。
でもなぁ、気にしないようにしていたそちらの設定も、
クマの「切ってあるから」という一言だけでもう気になりすぎる。
何があったんだクマの一族の代表。切っていいのか。
人間とクマとの文化の架け橋役にならなきゃいけないんじゃないのか。
…と妄想が走りかけたが、これからの話を待つとしよう。
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