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A4サイズの野望/分室」(リンクは公式ページ)さんが開発した、
初期Wizardryライクなフリーゲーム、Abyss and Dark [平和の代償]をプレイ。
最終階層隠しボスにコテンパンにやられたので、
ここをひとつの目処としてプレイ終了。
いつも通り攻略Wikiの情報を封印してプレイしていたので、
気が向いたらそちらを読んで雪辱を果たすかどうかを考えよう。

総合評価:A+

ノスタルジー:S
テンポ:A+
不条理な死:B


ゲームシステムはWizardry。(以下Wiz)
ゲームのどの部分を切り取って判じても、初代Wiz以外の何者でもない。
ワイヤーフレームで描かれたダンジョンと、
文字だけで表現された拠点である町と、
簡素な文字と一枚絵だけで表現される戦闘シーン。
レベル分けされた、使用回数の最大制限9回の魔法。
ああ、Wizardryだ。
色々なゲーム機で発売された、貼ったり付けたりしてゴテゴテした
亜流・外伝・似たようなものでなく、(但しGB版外伝は除く。BUSINも好きよ)
シンプルでただWizらしくあろうとするこの姿勢、好感が持てる。

基本は最初から最後まで、徹頭徹尾ハック&スラッシュ。潜って殺せ。
夢溢れるボーナスポイント割り振り数値に一喜一憂、
キャラ作りから「善」キャラと「悪」キャラの洞窟内に入ってのパーティ合流までも
完璧なまでにWizのスタイルを踏襲。
さあ君も首を狩られたり石化したり、宝箱の罠に一喜一憂したり、
いしのなかにいたり灰になったりしようぜ!
経験者である私も、プリーストブラスターを喰らって迷宮奥で僧侶とビショップが
双方ともにマヒった時は久々に血の気が引いた。

それでもどうしてもな時は大丈夫だ。原作と違いオートセーブではないので、
F12でリセットしたらセーブした所に戻れる。
ダンジョン内で、戦闘外ならいつでもセーブできるしな。
ただしセーブデータが一箇所しかないので、ハマリには注意。
3Dダンジョンに恐怖心のある人でも、レベル1の魔法ロケーションで
これまで歩いたところのオートマッピングが見られるぞ。
…一方通行の扉やターンテーブルは見えないが。
地図内に情報を書き込めたらいいんだけどねぇ。

ダンジョン自体のトラップや仕掛けも、
かなり難易度が控えめになっていて私なりの評価ポイントが高い。
ダークゾーンもワープポイントもベルトコンベアもなく、
攻略情報にどうしても頼りたくなる難易度ではない。
手馴れた冒険者には、物足りなさを感じるかもしれないが
3Dダンジョン初心者なら、あまり悩まずハック&スラッシュを楽しむとよいだろう。
オートマッピングのみで充分ストレスなし。
特に私はダークゾーンというものの何が楽しいのかわからないので、
この部分は本当に嬉しかった。

ただし、少々バランスが悪いと感じる部分もある。
最初期のWizのままの設定だと思うのだが、
範囲攻撃魔法と、各種状態異常を与えてくる+ダメージのブレスが異様に強力なこと。
序盤で受ける敵のファイアーボールは二発受ければ後衛死、三発で全滅。
ブレスに至っては、状態異常関係なしにダメージだけで生き残れるのが前衛二人、
もちろんその二人には状態異常、などということはざら。
…うん、確かに初代Wizはこのバランスだったけれど、
外伝Wizは各種装備品に魔法防御力が設定されていたし、
後衛の生き残る手段があっても良かったんじゃないかなぁ。
ただでさえHPの伸びにくい後衛が、HPを伸ばすしか対抗手段がないというのは残念。
この部分だけは、過去のバランスのままで納得できない部分。

総評。
これは確かにWizardryだ。
…現代に生きるゲームプレイヤーは、残念だがこのゲームを
懐古以外の目的で手に取ることはないだろう。多分。
でももしWizをどこかで知って興味が沸いたのなら、
このゲームを入門としてみるのもいいんじゃないだろうか。
一番Wizシリーズでお勧めしたい外伝は、手に入れる方法も難しいし。
昔のWizプレイヤーなら?やあお帰り。ここが懐かしい土地だ。
少し変わったが楽しんで行ってくれ。
…バランスもまあまあよし、かなり気軽にWizらしさを楽しめる一作であった。


続きを読むのあとには、自分勝手な意見込みネタバレぽい感想を書いたので
プレイ済みの方以外は読まないでください。
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所々、このゲームの製作者がオリジナル要素を出そうとしたところに、
今ひとつ納得のいかない部分もある。
原作とは少し違ったオリジナル魔法や、
「精錬石」を使った武器防具の強化などは、
いらなかったんじゃないかと思う付け足し部分。
ロア(装備鑑定魔法)やオートアンロック(宝箱罠完全回避魔法)よりも、
GB外伝で使われたコルツ(魔法障壁)やバコルツ(敵魔法障壁解除)が欲しかったところ。
武器防具の強化に関しては、「精錬石」があまり手に入るものではなく、
先に進めばどんどん強化され使い捨てられていく武器防具の、
どれの強化に使えばいいのか決断がつけづらい。
まだ金だけを大量に消費して微強化、
もしくは同じ武器二つを一つに合成して小強化のほうが良かったんじゃないかな。
結局隠しボスに会うまで、武器防具強化というシステムを使うことはなかった。

これはWiz通りだけれども、隠しダンジョン域に入ると、
完全に金の価値が消滅するあたりも、もう一味欲しかったか。
多種な武器防具が出現するけど、使えるのはもちろん一キャラ一部位ひとつなわけで。
それらことごとくに国が買えそうなほどの金額が、強さに応じてつけられているからだが。
結局金額も、アイテム強化代金のベース金額が左右されるだけだったので、
何がしかの他の金の使い道が欲しかったところ。
文字だけの「家」とか「城」とかだけでもいいのよ。想像で埋めるから。
(追記 Wikiを見ると、寺院に寄付すると1/10?の経験値をもらえるらしい。
そういう使い道があったのか、気がつかなかった)

後は上にも書いた範囲魔法強すぎの部分と、敵思考パターンがちょっと。
「仲間を呼ぶ」と「逃げる」を敵が多用していたように感じたことかな。
オーディン4体に囲まれる、そうはない経験ができたのである意味ok。

それにしてもミスリルクロス、人間にしか装備できない設定とか、
なんか予感はしていたんだが。
武器:ネビュラの鎖で「ああ、やっぱり」と笑わせてもらった。
こんな所にも車田が!

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#フリーゲーム