副題?に「リサイズ全部入り」。…いや、これはただの説明か。

主人公、ももえが16歳の誕生日に贈られたものは、
斬られるとその持ち主が、その存在を肩代わりしてしまうという死神のカマ。
早速そのカマに斬られたももえはその日から、
斬ったもの全てを自分の身に取り込んでいく死神となって
カオスな学園生活を楽しむ。

ブ厚ッ!!物理的になんという分厚さだ。
FFの学者の炎の辞典か、ベルセルクのモズグス様かと思うほどの分量。
しかし本当の驚きは、この中身を読んでからだと思う。
驚くほどの中身の無さ。勢いとキャラと駄洒落と、
R-30、モノによってはR-40かと思われるほどの濃いネタの凝縮体。
作品全体から立ち昇る、ゲーメスト臭が実に怪しいスパイスとなっている。
…ぬう、面白い。こういう不条理日常マンガに近頃飢えていたというのもあるが、
何が私の心に受けたのか説明しきれないが面白い。

主人公の持つカマが、連載一回ごとに新しいものをひとつ斬り
斬られたものが次回のタイトルに蓄積されていくというのも、ベタだが面白い。
巻末の目次を見るだけで笑えてしまうのは、もう卑怯といいたくなる。
まあ細かなネタの数々、スーパーロボットネタ、ゲームネタ、ゲーム機ネタ、
ガンダムネタ、ハナアルキ、ポンキッキと私自身さっぱりわからない部分も多い。
が、このわけのわからない世界観と勢いと濃密なネタの濃度は好みである。
だがまぁ…楽しめるにはR-30ぐらいの年齢制限はいるような気がするなぁ。

一番好きな、味のあるキャラは主人公の友人キャラ、たまみちゃん。
初期は主人公の一番近く、傍にいる現実世界に生きている友人だったのに、
物語が進むごとに魔界に侵食されていく姿が実に不憫。
「ももえとの友情」という概念までカマで斬られたせいで、
それまでの思考をかなぐり捨てて主人公ベタ惚れになってしまうところが涙を誘う。
そこからは転がり落ちるように、思考も姿も人でなくなっていくのがもう。

総評。
分厚いが、ネタの対象年齢も非常に高いが、面白い。
…でもこの面白さ、私限定のような気もして、
あまり他人にお勧めできない物かもしれないなぁ。
とりあえずハナアルキのことは、柴田昌弘の「ミッシングアイランズ」や
google先生に画像検索してもらうと、少しは幸せになるかも。
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