人類と謎の生命体、シャヘルとの戦い、15巻にて堂々の完結。
この物語、シナリオのどこを切り取って感想を書いてもネタバレになり、
読んでいない人間にはネタバレを極力見せたくないが、
ネタバレ無しで興味を引くことは出来ないと感じて
一部感想を書くのを諦めた。
好きな部分がことごとくそんな場面ばかりだから、
ファンは「仕方がないなぁ」と苦笑していただくとありがたい。

ネタバレ込みの感想は続きから。

ネタバレなしの感想。
良作。主人公達の乗機の設定の細かさ、人物の描き方、狂気と良い部分はあるが、
作者の良いところが一番出ているのが、ギャグパートだと思う。
人類が滅亡に瀕している中のそんなシーンが、実に輝いている作品。
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こうして「続きを書く」で内容に踏み込んで書くのを覚えたし、
敗者復活のようにもう一度、感想に挑戦してみるとしよう。


前巻、前々巻で、謎の生物シャヘルの正体は明らかになり、
予想外の人々の裏切りで窮地に立たされた主人公たち。
まさかの新登場ヒロインが根っからの狂人で、全人類を敵に回す。
地球の明日はどっちだ!?という終わり方で、やきもきしていた読者も多いはず。
シャヘルに対しては、自壊ウィルスのようなものも匂わされていたし、
このままあっという間に勝利→ENDフラグが立っているだけに、
もう始との一騎打ちで全てが決まると思っていたのだけれど。
ちと最終決戦に、横槍が入った感じがして少し残念。

とはいえ最後の一騎打ちシーンは圧巻。
前作「悪魔狩り」でははっきり描かずにぼやかされた、
主人公とライバルの信念のぶつけ合い、ラスト前の会話が
しっかり描かれていて良かった。
円とその子には犠牲になってもらい、子供が地獄に立つとき僕が前にいる!
と伝えるシーンはまさに最高潮。これよこれ。ここがないとな。

そんな最高のシーンがあったからこそ、終わり方には不満が。
ラストエピソード前に、オズの魔法使いに扮する主人公と三人のヒロインが描かれている。
脳の無いカカシ=庵 ブリキの木こり=滝川 臆病なライオン=九十九 と
ああ、やっぱりこの三人がヒロインだったんだなーと今さら理解するとともに、
それならラストの扱いは、もう少し何とかならなかったのかと。
塚原が、ヒロイン達を守りたいと願って自分を戦いの中に投じたからこそ、
彼女達は傷も少なく、生き延びる事が出来た-というのはちょっと。
それこそ彼女らも彼女らなりの信念があって、戦場に立ったのであって、
塚原が片手片足を失ったほどの傷は受けてもらいたかったなぁ。
庵・九十九はあれだけ作中で、電子的ダメージや、
「使いすぎると廃人になる」ドラゴンアイのフィードバックダメージが描かれていたのだから、
エピローグでは完全廃人→電子世界に生きる電子妖精化ぐらいを想像していた。
生き残るのはヒロイン勢では滝川のみ。
もし2が描かれるとしたら、こんな設定が良かったのになぁ。
と絶対に万人に受けない要望をしてみる。
電子妖精となって永遠に生きる二人のヒロインと、二人に制御された機体に乗る
老けた塚原と円の息子。…いいのになぁ。描かないかなぁ。

今巻の帯で、作者が「IIなんて描かないんだからねっ」などとのたまっているが、
「僕が前にいる!」のシーンを成就するためにも、
描かないとこの作品、終わらないような気がするんだが。
一章だけの外伝でもいいじゃないか。
…いやいや、円の子供のことについても、他の生き残った隊員の事にも、
ラストの章では言及し切れてないし、だめだな一章では。
ちゃんとエピローグを描いて欲しい。でないとこの話、終わらないぞ。

作品総評。
良かった。(小学生並の感想)
どこを切り取ってもネタバレになる、と感じた本はこれが初めて。
始の復活からこちら、「感想に何を書いたらいいんだ…」と頭を抱えていたが、
大団円で終わったのでなんとかして最終巻だけは感想を搾り出しました。
人類と絶望的な数・兵力差の異生命体との戦いを描いた作品としては、
ギャグ・シリアス部分どちらも良でありました。
特にギャグ部分の方がこの作者らしさが前面に出ており、私の好みでした。

(7/26追記)
友人Yからきつい突っ込みがきたので修正。
EMESとシャヘルを間違えるなんて何書いてるんだ。
あれだね、作品中の固有名詞を覚えきれなくなったら老化の印だね…。

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