デイズサブタイトルは「若君 激突」(剣マークがでない…)
ナイツサブタイトルは「ナイトアゲンストナイト」
著者、GMはデイズ:加納正顕 ナイツ:矢野俊策。
プレイヤーはそれぞれ、
デイズ
キョウ:岡本信彦 凛々花:渋沢佳奈 斗月:矢野俊策 風見:中村やにお
ナイツ
瑠璃:若林直美 ラハブ:田中天 ハウント:稲葉義明 志津香:加納正顕

デイズ三巻は、FEARリプレイの同時進行シナリオとしては基本ともいえる、
デイズ&ナイツプレイヤーとGMが入り乱れる対決&協力シナリオ。
両GMがプレイヤーとして参加しているので、GMも途中で何度か交代することになる。
基本的には幸せ一杯夢一杯、なデイズ組を見て、
暗く重苦しいシナリオ続きなナイツ組が嫉妬悶絶するという巻。

…なのだが、デイズのおバカシナリオはナイツ組の暗さに、
ナイツの重いシリアスさはデイズ組の底抜け明るさにそれぞれ中和され、
どっちつかずでいまひとつな出来栄えに。
対決シナリオとしても、ナイツ側に「絶対に選択できない選択肢」は渡されるわ、
戦場がアウェイのうえ経験点がデイズ組より上ということで露骨な調整はあるわで
少々納得のいかない部分も多い。
率直に言って、TRPGとしてはあまり楽しめない巻であった。面白いんだけどね。残念。

ナイツ三巻はの出来は今まで通り。
テーマは重く、救いのないシナリオが繰り広げられる、まさにいつものダブルクロス。
そんななかで一服の清涼剤になるのがいつもの田中天
プレイ中、ハウントの仇キャラが登場する際、GMがその名前を付け忘れたくだりは
「ああ、やっぱりこの人のセンスはいいなあ」と感心することしきり。
少々ネタバレになるが、口髭の男にヒゲーノ、太った男にデブッツェリンとかステキだわー。
GM矢野俊策には受けなかったようだが、こういう「名は体を顕す」キャラって
思考と妄想繰り広げられるTRPGという遊びでは大事だと思う。
プレイヤー、GM、読者の全ての頭の中のイメージを少しでも一致させたほうが、
いいシナリオになると思うし。
とくにこんな今話限りのやられキャラ、小説なら挿絵に登場する事もなく退場するようなキャラに、
一つの固まったイメージを与える、こんな名前付けはすごくいい。
少なくとも私の頭の中では、コイツらぽっと出悪役のイメージが一瞬で固まって離れなくなった。
…その後再度田中天に呼ばれたときは、名前変わってたけどな!
このいいかげんさもじつに田中天

ハウントの仇との決着、ということでハウントの過去と周囲にスポットライトが当たるわけだが、
このシナリオでも実にハウントのロールが良い。
瑠璃の過去との決着が表とすれば裏となる、兄弟の確執とパーティからの離脱を経て
自分の復讐を果たしまた戻ってくるくだりが実にいい。
GMの予想を超えたロールを見せる、こんなプレイが出来るのはうらやましくなるほど。

総評。ナイツの質はいつも通り、文句なし。読後感も最高。
シナリオ・プレイヤーともに名作で間違いなし。
デイズは…うーん、並の出来か。感想も少なめになってしまうほど。
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