気がついたら二週間ブログ更新を放置しておりました。
主にこいつのせい↓です。


次の大型バージョンアップがあるので、この一週間だけ課金無料!とか、
今だけ経験値増額!とか、受けるダメージ1/10!とか、
もう絶対に戻らないと思っていたゲームに戻ってしまう魔力がある。
冗談みたいなマゾ仕様のこのゲームにも…。
無料は水曜日までで、それが終わったらきっぱりすっぱりやめるでしょう。
つぎの無料課金まで休止ー。こんな時間限定プレイが私には向いていたり。

琴浦さん 2 えのきづ 友人Iより



精神防壁のないエスパー、琴浦さんの第二巻。
一巻の感想では、どう続きを描くのかと心配していたが、
一歩づつ着実に幸せになっていく主人公と対照的に、
森谷さんがヘヴィな事件に巻き込まれることになる。
元々わかりやすい身近な悪役として描かれていた森谷さんだが、
主人公達の幸せを見せ付けられるわ、ずっと片思いだわ、
宗教家の身内の行状で嫌味を言われるわと、かなりひどい扱いを受けている。
悪役→身内キャラはいじりやすいからね。仕方ないね。(ピッコロとかベジータとか)
琴浦・真鍋ペアが自然と仲間として受け入れているので救いはあるが。
真鍋の「アホか」言いながらティッシュを投げつけるシーンは良い。

超能力に対して理解のない身内、特に母親というのはかなり現実的だが、
男の趣味は悪く・酒にだらしなく・嫌な金持ち目線・娘にトラウマレベルの記憶と
ここまでひどい母親像を描くのも珍しい。
「もっけ」の母親も娘達の超能力を否定する現実主義者だったが、
ここまでひどくはなかった。
祖父のキャラクタを通して能力との付き合い方を学ぶというのは「琴浦さん」も同じだが、
この家族は幸せになるのだろうか、どう着地点を作るのか見ものである。


空が灰色だから 3 阿部共実 友人Jより



作品としては味薄め。1、2巻の衝撃と比べれば、かなりマイルドになった。
視覚的にはなぜか空に飛び回るクリオネの群れなど、異質ではあるが
そこまで凶悪なインパクトではない。
以下、ネタバレになるので「続き」に。
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この巻の最終話以外は。
繰り返す、最終話以外は。

狂気に溢れた作品を描いていると、そちらの世界に足を踏み入れた本物が寄ってくる。
幻想を描くと、幻想に囚われた人間が寄ってくる。
かつて「ぼくの地球を守って」を描いた日渡早紀は、その幻想のあまりの出来の良さに
「私の前世は~で、かつて~にいました」系のファンレターを大量に受け取った。
小野 不由美は、「十二国記」を書いた後、「私は向こうの世界からやってきた~で」な
ファンからの手紙を大量に受け取り、辟易してエッセイにこう書いた。
「ねぇ、あなたたちそんなに今いる場所が嫌い?」と。
…どちらも出来が良い「世界」を作り上げてしまったが故に、
「本物」を呼び寄せた、作り出してしまったという例である。
もちろん作者に責任などない。
が、そういう作品を描けば同じような人間が集ってくるものである。

この作品、どう見ても「狂気」に足を一歩踏み入れたような物語を
目立つほどに描いていたが、そのような「本物」を現実に呼んでしまったのではないだろうか。
…と、異質なこの巻の最終話を読んで思うのである。
自分(作者)は本物ではないのだが、漫画に描いて発表したせいで、
現実に作者のもとに「本物」が現れ、衝撃を受けたのではないだろうか。
本物の狂気を目にして、こけつまろびつ逃げていく主人公の姿が
作者自身であるような気がするのである。
作品を描いて発表できるという一点だけ見ても、作者は「本物」ではなく、
本物を装って一歩引いて描いている「偽物」なのだろう、予想でしかないが。

この巻の他の話、ダメージをそれなりに与えてくれたのは
「自分は絶対に正しいと信じて子供達にそれを押し付ける教師の話」
「自分の普通を否定されて、内面だけで激しくキレる女子高生の話」
の二つ。特に後者は、ラストでの主人公の笑顔がなんとも言えぬ。
「自分の普通」をその場その時点での多数派に普通だと認めて欲しいだけであり、
それだけで内面の忸怩たる思いを押し込んでひきつる笑顔をみせて、
なんでこの二人と友人顔をしているのか実に不思議。
こういう人間は自分の普通が認められる連中と集まってろよ、とは思う。
…あー、なんか若い頃、自慢げに
「雨降ってた時に傘がおいてあったら盗むでしょ普通」とか
「自転車が置いてあったら~(以下略」とか言ってた人間がいたのを思い出した。
この人とは絶対に相容れない、と感じて、知り合いレベルまで身を引いたが
「普通」は人それぞれで、その人の生い立ち・生活環境・教育の全てに関わることなので
相容れる人同士で付き合いましょう。
「鈴木先生」の一巻はそれを思い知るいい話だった。(一巻しか読んでないけど)

以上二作品、琴浦さんは十分良作。空が灰色だからは…
割と少なくなった狂気部分を楽しみに読むのはどうなのかなぁ。
まあダメージを与えてくれたということで、私の中では良作…になるのだろう多分。
しんどい作品でありました。


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