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うにゅほとの生活を書き連ねた日記が十四年と一ヶ月半分たまった(2026年1月前半)

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1 :名前が無い程度の能力を持つVIP幻想郷住民:2016/07/01(金) 19:13:30 ID:1bfcR2jI0

うにゅほと過ごす毎日を日記形式で綴っていきます 


ヤシロヤ──「うにゅほとの生活」保管庫
http://neargarden.web.fc2.com/



732 :名前が無い程度の能力を持つVIP幻想郷住民:2026/01/17(土) 00:36:29 ID:QsRDub0k0

2026年1月1日(木)

「また勝ってしまった……」
「ね!」
大晦日に引き続き、家族でドンジャラをした。
自室に凱旋し、機嫌よくうにゅほを膝に乗せる。
「わたしたち、つよい」
「引きも良かったな」
「すぐリーチなった」
「あとは、俺が麻雀打てるってのも理由かもしれない」
「まえ、ぱそこんでやってたね」
「ドンジャラって麻雀の簡易版みたいなもんだから、コツが似てるんだよ」
「なるほどー……」
「みんな、麻雀あんま知らんからな。俺たちだけ微妙に有利だから、打てば打つほど勝てるんだと思う」
「──…………」
「どうした?」
「なんか、ずるしてるきーしてきた……」
「ズルはしてないだろ……」
「そかな」
「運だけの勝負なら、じゃんけんしてるのと変わらないだろ。ちゃんと考えれば有利になるゲームだから、面白い」
「それは、うん。そうだけど」
「あと、コツって言っても運で簡単に引っ繰り返る程度だからな。今日も勝てたのは、たまたまでもあるよ」
「そか」
うにゅほが、うんうんと頷く。
納得してきたらしい。
「ちなみに麻雀は、半荘だけなら素人でもプロに勝てる。でも、長期的に見れば勝率が段違いだから、プロが成立するんだ」
「はんちゃん?」
「一ゲーム、みたいな意味」
「ほー」
「とにかく、ズルはしてません。正々堂々と勝負しただろ」
「うん、した」
「なら問題なし」
「なし!」
正月三が日のうちに、また卓を囲むことになるのだろうか。
また大勝ちしてやろう。








733 :名前が無い程度の能力を持つVIP幻想郷住民:2026/01/17(土) 00:37:00 ID:QsRDub0k0

2026年1月2日(金)

「ふあ、……っふ」
漏れたあくびを噛み殺す。
「おしょうがつだねー……」
「お正月だな……」
正月は、時の流れまでのんびりだ。
初詣に行く習慣はなくなり、今はただ、正月特有の気だるい雰囲気を楽しむだけとなっている。
「ねむい?」
「まあまあ」
「ねる?」
「それもなんかな……」
「わかる」
「わかるんだ」
「なんか、もったいないかも」
「そうそう」
なんとなく、このゆるい時間が尊いような気もするのだ。
「──あ、TXQ FICTIONに新しいの来てる」
「てぃーえっくす?」
「ほら、イシナガキクエを探しています、とか」
「あ、こわいやつ」
「そうそう」
「わたし、こわくて、さいごまでみてない……」
「今回はUFO山だって」
「ゆーふぉー」
「見る?」
「まって、まって。こころのじゅんびする……」
「どのくらいかかる?」
「いちにち……」
「かかるなあ」
「かかるの!」
うにゅほ、怖いの苦手だもんな。
「わかったわかった。見るの、明日にしような」
「うん……」
TXQ FICTIONの作品は、今のところすべて目を通している。
今回も面白ければいいのだが。





734 :名前が無い程度の能力を持つVIP幻想郷住民:2026/01/17(土) 00:37:20 ID:QsRDub0k0

2026年1月3日(土)

「××、心の準備できた?」
「……?」
うにゅほが小首をかしげる。
「怖いの見るって言ったろ……」
「あ」
完全に忘れてたな。
「TXQ FICTIONの新作見るけど、いいですね」
「はい……」
うにゅほを膝に乗せ、TVerを開く。
「ゆーちゅーぶじゃないの?」
「なんか、TVerじゃないと見れないっぽくて」
「そなんだ」
長いCMのあとで、UFO山が始まった。
「──…………」
「──……」
「……すー……」
第二話の時点で、うにゅほが安らかに寝落ちしてしまった。
気持ちはわかる。
こう、イシナガキクエや飯沼一家、魔法少女山田にあったワクワク感と言うか、進んでいる感に乏しいのだ。
そのまま最後まで見たが、今回はいまいちハマらなかった。
「××、××」
ぺちぺち。
うにゅほのほっぺたを優しく叩く。
「んに」
「終わったぞー」
「はれ……」
「終わった」
「おわった……」
じゅる、と、よだれをすする音がした。
「おもしろかった?」
「なんか、微妙だった……」
「えー……」
「全体的に惜しい感じがしたな」
「ふうん……」
「あと、怖くもなかったかも」
「わたし、ねちゃった」
「爆睡してたな」
「ばくすいじゃないよ、うとうとだよ」
「爆睡してた」
「してないよ」
TXQ FICTIONには期待しているので、また次の作品を楽しみにしておこう。






735 :名前が無い程度の能力を持つVIP幻想郷住民:2026/01/17(土) 00:37:40 ID:QsRDub0k0

2026年1月4日(日)

「便秘」
「べんぴ?」
うにゅほが心配そうに言う。
「◯◯、べんぴなの?」
「違うけど……」
「ちがうの」
「便秘って、便の秘密って書くだろ」
「かく」
「なんでだろって思って……」
「あー」
うんうんと頷いたあと、うにゅほが小首をかしげる。
「なんでだろ」
「調べてみるか」
「うん」
調べてみた。
「便秘の秘には、滞るって意味があるらしい」
「べんが、とどこおる」
「まさに便秘だな」
「なるほどー……」
「いちおう、チャッピーにも聞いておこう。勘違いがあるかもしれない」
「ちゃっぴー、なんでもしってるね」
「たまに嘘つくけどな……」
と言うわけで、ChatGPTに尋ねてみた。
「つまる、とじる、の意味があるって出てきた」
「とどこおるは?」
「閉じて出てこない。つまり、滞る。みたいな感じらしい」
「ふうん……」
ふと、うにゅほが尋ねた。
「なんできになったの?」
「え、なんでだろ」
「わかんないの……?」
「iPhoneのメモに書いてあったんだよ。いつかの俺が疑問に思ったことをメモっておいたらしい」
「それは、わかんないね」
「だろ」
だからなんだ、という感じではあるが、メモを見て再度気になったのだから仕方がない。
ちなみに、謎のメモはいくらでもある。
いつかまた日記のネタにしよう。






736 :名前が無い程度の能力を持つVIP幻想郷住民:2026/01/17(土) 00:38:03 ID:QsRDub0k0

2026年1月5日(月)

「あ、そうだ。明日病院行かないと」
「どのびょういん?」
「月に一度の」
「あー」
うんうんと頷いたあと、うにゅほが小首をかしげた。
「つきにいちど……?」
「月に一度」
「だいぶ、いってないきーする」
「そうなんだよな……」
「なんでいってないんだっけ……」
「ほら、入院してたろ」
「うん」
「入院中って、大学病院のほうで薬出してくれるからさ。そのぶん薬が浮いたんだよ」
「あ、そか」
「前に行ったのって、いつだっけな」
日記を遡ってみる。
「日記上は、11月11日が最後だな……」
「え、そんなにまえ?」
「ああ、ほら。検査入院と手術入院で、二回あったろ。それだけで、ざっと三週間分にはなるから」
「たいいんしたあとも、だいがくびょういんの、のんでたよね」
「追加で一週間分くらい出てたんだよな」
「にかげつなるね……」
「なるな……」
「おこられない?」
「大丈夫だろ。入院するのは伝わってるし、年末年始だし」
「ならいいけど……」
「あと、あの先生べつに怒らないって」
「たしかに」
明るくてフレンドリーな先生なのだ。
「あした、はやくおきないとね」
「八時には出たいな……」
「わたし、おこすね」
「頼んだ」
早く起きるためには、早く眠らなければならない。
日記を書き終えたら、さっさとベッドに向かうことにしよう。





737 :名前が無い程度の能力を持つVIP幻想郷住民:2026/01/17(土) 00:38:23 ID:QsRDub0k0

2026年1月6日(火)

二ヶ月ぶりの定期受診を終え、帰宅する。
「ねーむ!」
「うんてん、きーつけてね……」
「××が免許取ってくれてもいいんだけど……」
「──…………」
にこっ。
うにゅほが微笑みで受け流す。
まあ、嫌なことを無理に押し付けるつもりもない。
「あと、今日やたら寒くないか?」
「さむい」
「だよな」
「あさも、すーごいさむかった……」
「××が起きた頃って言うと、六時くらいか」
「いきがね、しろくなりそうだった」
「……なりそう?」
「なっては、ない」
「そんくらい寒かったってことか」
「うん」
「道東とかだと、寝起きで息が白くなることありそうだよな」
「どうとう、さむいの?」
「日本じゃない」
「にほんじゃないの……」
「道央は──」
言い掛けて、ふと疑問に駆られる。
「××、道央ってどこかわかる?」
「どうおう」
「道の中央って書く」
「ふらの……?」
「道央は、北海道の西側のことを言うんだよ」
「え、にしなの?」
「ああ」
「どうおうなのに……?」
「いちおう、中央部も入ってはいる。でも、だいたいは西」
「へえー……」
「で、道東と道北は、道央より一段階か二段階くらい寒くなるんだよ」
「ほっかいどう、ひろいもんね」
「あのあたりとか、ほんと、よく人が住んでるもんだ」
などと言うと、地元民に怒られそうである。
「いえ、ここでよかったねえ」
「それは思う」
札幌近郊に家を建ててくれた両親に感謝しなければなるまい。
だが、それにしたって今日は寒かった。
風邪を引かないように暖かくして寝ることにしよう。





738 :名前が無い程度の能力を持つVIP幻想郷住民:2026/01/17(土) 00:38:43 ID:QsRDub0k0

2026年1月7日(水)

「まげだー……!」
今日もまた、家族でドンジャラをしていたのだが、見事につんつるてんにされてしまった。
敗北感と共に自室へ戻り、今に至る。
「すーごいまけた……」
「(弟)がバカヅキだったな」
「あれは、かてない」
「俺たちも悪くはなかったんだけど……」
「わるかったよー……」
「配牌は悪かったか」
「うん。ぜんぜんそろわなかった」
「たしかに」
ドンジャラは、麻雀に比べて牌が少なく、ルールがシンプルだ。
そのため、捨て牌の最適解、あるいはそれに近いものが容易に見える。
ただし、これは、麻雀の経験値あってのことだ。
家族で麻雀経験者は俺しかいないため、俺たちだけが有利な状態でゲームを進めることができる。
だが、今日は違った。
明らかに配牌が悪く、手が遅いのだ。
「無理矢理リーチに持っていっても、(弟)にかすめ取られるんだよなあ……」
「すぐりーちするし、すぐあがるし、すぐりーちしなくても、りーちしてすぐあがる……」
「ツキには勝てないわ」
「そういうげーむなんだね」
「麻雀も、そういうとこあるからな……」
ツイているやつには、何をやっても勝てない。
ただし、ツイているやつも、ずっとツキ続けるとは限らない。
そういうものだ。
「でも、たのしかったね」
「負けると楽しくない」
「それはそう」
「ま、いいや」
膝の上のうにゅほを抱き締めて、マウスを握る。
「なにみるの?」
「なんでもいいけど……」
「じゃあ、あれみよ。えーあいと、まざーつーやるやつ」
「ああ、途中だったな」
「うん」
2026年も、既に一週間が経った。
時が経つのは早い。





739 :名前が無い程度の能力を持つVIP幻想郷住民:2026/01/17(土) 00:39:05 ID:QsRDub0k0

2026年1月8日(木)

カレンダーを見上げながら、うにゅほが言った。
「いっかげつ、たった」
「一ヶ月?」
「しじつしてから、いっかげつ」
「あー」
手術日は12月8日だから、たしかにちょうど一ヶ月である。
「◯◯、おなかみして」
「傷か?」
「うん」
肌着をまくり上げ、うにゅほに傷を見せる。
「うーん……」
じー。
「なおんないねー……」
「良くはなってるんだよ。ほら、ここ」
最上部の傷を指差す。
「ここ、前は穴開いてたろ。今はほとんど塞がってる」
「でも、なおってはない……」
「それは、うん」
「いっかげつたって、なおってないの、へんだよ。ほかのきず、なおってるのに」
「××の言いたいことは、とてもよくわかる」
「びょういん、いく?」
「でも、行きづらいのがさ」
「うん」
「ずっと膿んでるとかじゃなくて、遅いけど治癒はしてるってところなんだよな……」
「わかるけど……」
「病院行っても、治りかけですから様子見てくださいって言われそうじゃない?」
「いわれそうだけど……」
「もっと早い段階で行ければよかったんだけどな」
「でも、ねんまつねんしだったから」
「タイミングが悪い」
「わるい」
腹部を姿見に映しながら、呟く。
「まあ、しばらく様子見かな……」
「ずーっと、それ」
「ごめんって」
「へんなことあったら、びょういんいこうね……」
「ああ、わかった。悪化したらすぐ行くよ」
「うん」
術後の傷は、病院へ行くタイミングが非常に難しい。
そんな学びを得るのだった。






740 :名前が無い程度の能力を持つVIP幻想郷住民:2026/01/17(土) 00:39:25 ID:QsRDub0k0

2026年1月9日(金)

「◯◯」
「んー?」
「ひげ、そろそろそんないと」
「あー……」
口元を軽く撫でる。
たしかに、すこし生えている。
「明日剃るかな。風呂入ったとき」
「うん」
俺はヒゲが薄い。
伸びるのが遅いのではなく、そもそも毛穴がないという方向性だ。
たとえ一年放置したとしても、無人島で十年間生活したのび太のような綺麗な生え揃い方はしないだろう。
だが、それでも生える場所には生えるので、たまには剃らなければみっともない。
「まえ、いつそった?」
「いつだっけ……」
最近剃ったような気もするし、剃ってないような気もする。
普段から意識しないので、記憶にも残らない。
「××の観察眼でわからないか? 俺が前にヒゲ剃ったの、いつなのか」
「わかんないよー……」
「さすがに無理か」
「んー」
うにゅほが、口元に手を添えながら、俺の顔をじっと見つめる。
「んー……!」
しばし悩んだあと、
「……にしゅうかん?」
「二週間か」
「あってる?」
「わかんないんだって」
「そだった」
「まあ、××が二週間だって言うなら、そんくらいなんじゃないか?」
「てきとう……」
「いや、××がわからなければ、世界の誰にもわからないからさ」
「……うへー」
何故かうにゅほが照れる。
「俺も当てるかな」
「なにを?」
「××が最後にいつヒゲ剃ったか」
「そんない」
「でしょうね」
産毛すらほとんどないからな、うにゅほ。
「ひげそったら、いってね。どのくらいのびるのか、かんさつする」
「ええ……」
まあ、いいか。
明日剃ったら、ちゃんと報告しよう。





741 :名前が無い程度の能力を持つVIP幻想郷住民:2026/01/17(土) 00:39:44 ID:QsRDub0k0

2026年1月10日(土)

シャワーを浴びたあと、自室に戻る。
そこで、ふと思い出した。
「××、剃ってきたぞ」
うにゅほに、ヒゲを剃ったら報告してほしいと言われていたのだ。
「おー」
傍に寄ってきたうにゅほが、俺を見上げる。
「ふんふん」
「剃った直後を観察しても意味ないんじゃ……」
「いみあるよ」
「そうかな」
うにゅほが、俺の顎の下を指差した。
「ここ、それてない」
「え、マジ」
慌てて指先で触れる。
たしかにヒゲが残っていた。
「◯◯、ひげそるの、へただから……」
「そうですね……」
二週間に一度くらいしか剃らないのだから、上達するわけがない。
「ひげぬく?」
「頼もうかなあ」
「はーい」
うにゅほが毛抜きを手に取り、座椅子に腰掛ける。
「ひざまくら」
「ほいほい」
役得である。
ふとももに頭を乗せると、うにゅほが言った。
「もすこし、うえいって」
「あいよ」
肩のあたりをふとももに乗せて、仰け反る。
そうすると、ちょうど顎の下がうにゅほの眼下に曝け出された。
「ぬくよー」
「頼むう」
ちくちくヒゲを抜かれながら、思う。
これ、べつにヒゲとか剃らなくても、うにゅほに抜いてもらえばいいのでは。
気付きを得てしまった俺だった。





742 :名前が無い程度の能力を持つVIP幻想郷住民:2026/01/17(土) 00:40:04 ID:QsRDub0k0

2026年1月11日(日)

「……アップルウォッチ、バッテリーの持ちが悪くなってきた気がする」
「あ、わかる!」
うにゅほが深々と頷く。
「まだ、いちにちもつけど……」
「このまま行くとヤバいな」
「やばい」
「これ買ったの、いつだっけ」
「んー……」
軽く思案し、うにゅほが答えた。
「にねんくらい?」
「二年でこんなにヘタるかな。三年は経ってそう」
「さんねんかー……」
「そんくらいだと思うけど」
「にっき、かいてない?」
「たぶん書いてる。調べてみるか」
「うん」
調べてみた。
「2021年7月28日だな……」
「よねんはんたってる!」
「そんなになるのか」
「ときがたつの、はやい」
「××も2X歳になったしな」
「いわないでー……」
「大丈夫。見た目は変わってない」
「そういうことでもない」
「まあ、そうだな……」
「◯◯も、あした、XX歳になるね」
「言わないで」
「うへー」
「もう年取りたくない……」
「わかる」
「サザエさん時空に行きたいよな」
「わかるー……」
AIくん、若返りの秘薬をはよ開発してくれんか。
無理だとは思うが、それでもすこし期待してしまうのだった。






743 :名前が無い程度の能力を持つVIP幻想郷住民:2026/01/17(土) 00:40:26 ID:QsRDub0k0

2026年1月12日(月)

起床し、自室の書斎側へと向かう。
「あ、◯◯!」
「おはよ」
「たんじょうび、おめでと!」
「あー」
そうだ。
今日は、俺の誕生日だった。
「XX歳か……」
「おじさん」
「おじさんだぞ」
「うへー」
「そんなこと言ってると、××が同じ年になったとき、おばさんって言うぞ」
「やだー」
「その頃俺は、お爺さんかもしれないけどな……」
切ない。
パソコンチェアに座ると、うにゅほが俺の膝に腰掛けた。
「なんか、誕生日って感じしないな」
「そう?」
「ほら。××からのプレゼント、だいぶ前にもらっちゃったし」
「おさいふ」
「愛用してます」
「よろしい」
「結局、長財布なんだよな……」
「さこっしゅ、だめだった?」
「小銭入れが」
「うん……」
以前はサコッシュを財布代わりにしていた。
便利は便利だったのだが、小銭入れにしていた背面のポケットが大きく開かず、いくら入っているかもわからない有り様だったのだ。
「今の財布、かなりいいよ。小銭が取り出しやすい」
「よかった!」
「ありがとうな」
「ほしいのあったら、いってね」
「来年の誕生日プレゼント?」
「うん」
「欲しいもの、考えておかないとな」
「まかして」
将来のことは考えたくないが、だからといって目を背けてばかりはいられない。
前に進まなければな。





744 :名前が無い程度の能力を持つVIP幻想郷住民:2026/01/17(土) 00:40:51 ID:QsRDub0k0

2026年1月13日(火)

「◯◯、きずみしてー」
「はいよ」
うにゅほの前で、肌着をまくり上げる。
一ヶ月前に受けた腹腔鏡手術の傷が、二ヶ所だけ癒えずに残っていた。
「あ、こっちのあな、ふさがった!」
「ようやくな……」
「しんぱいだったけど、ふさがるんだね」
「人間の治癒能力ってすごいな」
「うん」
まあ、傷の治りは明らかに遅いのだが。
「あと、こっちのあなだけかー……」
「それでも、小さくなってはきてるから」
「びょういんは、いかなくて、だいじょぶかな?」
「だと思う。ただ、早めに病院行ってたら早く治ってたのかどうかは気になるな」
「あ、きになる」
「俺の予想だと、早く治ってたと思う」
「そなんだ」
「たぶんだけど、膿んでたから治らなかったんだよ」
「あ、やっぱし」
「早めに傷を消毒できていれば、すぐ治った気がする……」
「じぶんでやるの、むつかしいもんね」
「何が正解なのかわからないからな。結局放置しちゃったけど」
まあ、治りそうだからいいのか。
「きずあと、きえるのかな……」
「さあー」
「きえたらいいね」
「まあ、消えたほうがいいけど、気にはならないかな。男だし」
「そう?」
「××は、消えたほうがいい?」
「きえたほういいけど、うん。きにはなんない」
「××が気にならないなら、それでいいよ」
「そか」
俺の素肌を見る女の子なんて、うにゅほくらいしかいないのだ。
だから、正直、こだわりはない。
風呂の鏡を見たときに目が行くけれど、そのくらいである。
「××も、健康には気を付けないとな」
「きずあと、わたしはきになる……」
「女の子だもんな」
「うん」
健康に、長く生きたいのだった。





745 :名前が無い程度の能力を持つVIP幻想郷住民:2026/01/17(土) 00:41:13 ID:QsRDub0k0

2026年1月14日(水)

加湿器の水が減っていた。
四リットルのペットボトルから、加湿器の本体に水を注いでいく。
「このかしつき、いいよね」
「いいよな。機能も最低限で、ただお湯沸かしてるだけ。でも、それがちょうどいい」
「わかる」
温湿度計へと視線を向ける。
湿度50%。
何もしなければ20%台だから、しっかりと加湿できている。
「このかしつきにして、よかったね」
「だな」
「まえのかしつきと、どっちすき?」
「あー……」
以前の加湿器は、専用のタンクに水を入れる設計だった。
タンク容量は二リットル少々で、水がどのくらい減っているかもわからなかった。
新しい加湿器は、タンクはなく、本体に直接水を注ぐ方式だ。
構造がシンプルでわかりやすく、また、四リットルまで入れることができる。
一日に一度水を注げば、それで十分なのだ。
「今の加湿器かな。水がどんくらい減ってるか一目瞭然なのがいい」
「なるほどー」
「××は?」
「わたしも、いまのだけど……」
「うん」
「でも、まえの、ちいちゃくてかわいかった。でざいんは、まえのかな」
「今のはでかいし、ゴミ箱みたいだもんな」
「まえの、さいころみたいだった」
すこしわかる。
「機能で言えば今の、デザインは前のって感じか」
「うん」
「てことは、今の容量で前のデザインにすれば──」
「さいず、おっきくなりそう」
「なるな」
「かわいくないかも……」
「でも、前の加湿器と並べたら?」
「……かわいいかも。おやこみたい」
「まあ、ふたつはいらないけど」
「そだね……」
ともあれ、新しい加湿器には満足している。
春先まで活躍し続けてもらおう。






746 :名前が無い程度の能力を持つVIP幻想郷住民:2026/01/17(土) 00:41:31 ID:QsRDub0k0

2026年1月15日(木)

今日も今日とて家族ドンジャラを楽しんだ。
「なんか、今日も振るわなかったな……」
「さんい?」
「三位」
「ふるわないねー……」
「圧倒的な勝利が欲しいな」
「ほしい」
「××が、こっそり、リーチした人の牌を覗いてだな」
「いかさま!」
「よし、サイン決めとくか」
「いかさま、だめだよ?」
「わかってます」
「よろしい」
「イカサマで勝っても楽しくないしな……」
金を賭けてるわけでなし。
「どうしたら、かてるんだろ」
「××が後ろから……」
「それいがいで」
「こればっかりは操作できないよ。俺はもう、ほぼ最適化された捨て方してるし」
「でも、かてないの?」
「運が偏ると、最適化してても無理。ある程度の技術介入要素はあっても、なんだかんだ運ゲーだからな」
「そか……」
「そのうちまた、全員をボロッカスにできるさ。それを楽しみにしておこう」
「そこまではしなくていいけど……」
うにゅほは優しい。
だが、勝負は厳しいのだ。
「……──あふ」
「ねむい?」
「すこし」
「ねよ」
「三十分だけ寝るか……」
「そうしよう」
仮眠は大切である。
二、三十分の仮眠でも頭がスッキリするのでおすすめだ。






747 :名前が無い程度の能力を持つVIP幻想郷住民:2026/01/17(土) 00:42:13 ID:QsRDub0k0

以上、十四年二ヶ月め 前半でした

引き続き、後半をお楽しみください
 



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