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うにゅほとの生活を書き連ねた日記が十四年と半月分たまった(2025年12月前半)

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1 :名前が無い程度の能力を持つVIP幻想郷住民:2016/07/01(金) 19:13:30 ID:1bfcR2jI0

うにゅほと過ごす毎日を日記形式で綴っていきます 


ヤシロヤ──「うにゅほとの生活」保管庫
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701 :名前が無い程度の能力を持つVIP幻想郷住民:2025/12/16(火) 10:45:59 ID:16rzhFZ.0

2025年12月1日(月)

「とうとう12月か……」
「そだねえ」
「もうすぐ2026年か……」
「そだねー」
「あっと言う間に2027年か……」
「まだはやい」
「それはそう」
「きーはやいよー……」
「でも、人生が加速してるような気もするんだよな」
「それは、わかるけど」
「二十歳くらいのときは、一年前のことを"ちょっと前"って言うと友達に笑われたもんだけど……」
「いちねんまえは、ちょっとまえじゃないよ?」
「××はまだ若いからな。俺くらいおっさんになると、二、三年前のことが"ちょっと前"になるんだよ」
「こわい……」
「怖いだろ……」
だが、事実である。
「××が俺くらいの年になる頃には──」
言い掛けて、そのとき自分が何歳になっているかを想像してしまった。
「……将来のことを考えるのは、やめよう」
「そだね……」
気が滅入るばかりだ。
弟のこともあるし、今は何も考えたくない。
「ゲームするかー」
「しよう、しよう」
弟から勧められたキュイジニアというゲームを、最近すこしずつ遊んでいる。
ゲームパッド対応のはずなのに何故かゲームパッドが使えず、仕方がないのでキーマウでプレイする羽目になっているのだが。
「これ、なんでゲームパッド使えないんだろうな……」
「あいしょうわるい、とか?」
「相性とかあんのかな」
原因をゲームパッドに絞り込み、適当にいじっていると、何故か使えるようになった。
「お、行ける」
「やた!」
「これで、だいぶ操作しやすくなるな」
面白いゲームなので、ストレスなくプレイできるようになったのは嬉しい。
ちょこちょこ遊んでいこう。








702 :名前が無い程度の能力を持つVIP幻想郷住民:2025/12/16(火) 19:46:20 ID:16rzhFZ.0

2025年12月2日(火)

今日は弟の誕生日だ。
だが、言葉で祝うことしかできなかった。
すこしだけ一緒にゲームをして、それだけだ。
「眠い……」
ゲームを終え、ベッドに突っ伏す。
何故か、やたらと眠かった。
「ねたほういいよ?」
「寝る」
「わたしもねよ」
「寝ろ寝ろ」
それぞれ自分のベッドに入る。
CPAPを装着し、目を閉じると、あっと言う間に意識が沈んでいった。
本眠のときはあんなに眠れないのに、仮眠のときはあっさり眠れるのは何故なのだろう。
不条理である。
目を覚ますと、既に日が沈みかけていた。
「おはよ」
隣のベッドでiPadをいじっていたうにゅほが、こちらを見て微笑んだ。
「まだ眠い……」
「きのう、ねれてない?」
「そんなこともないんだけど」
「ねむいときは、ねる」
「そうだな……」
トイレで小用を済ませたあと、再び眠りにつく。
気付けば夕食の時刻も近かった。
うにゅほはいない。
夕食を作っているのだから、当然だ。
階下へ向かい、食事をとり、シャワーを浴びたあとに再びベッドに入る。
「まだねむいの?」
「眠い」
「すーごいねる……」
「疲れてるのかな」
「そうかも。たくさんねよ」
「寝る……」
結局、十時間ほど眠り倒す俺だった。






703 :名前が無い程度の能力を持つVIP幻想郷住民:2025/12/16(火) 19:46:44 ID:16rzhFZ.0

2025年12月3日(水)

今日は、弟と、星のカービィSDXの洞窟大作戦をプレイした。
迷路のようなステージを進みながら、お宝を集めていくモードだ。
クリアはしたが、宝箱はすべて発見できなかった。
自室に戻り、うにゅほを膝に乗せる。
「すーごいおもしろかったね!」
「小学生のときハマってたんだよ。今でも見劣りしないだろ?」
「しない、しない」
「でも、さすがに全部の宝箱は覚えてなかったな……」
「ごじゅうさんこ?」
「六十個中五十三個だな。ただ、一回ゲームオーバーになってるから、もしかするとお宝失ってるかもしれない」
「うしなうんだ」
「たぶん。あんま覚えてないけど……」
「きびしい」
「カービィ、やっぱ面白いな。スタアラ買ったけどやってないし、そのうちやろうか」
「やるやる」
「最近話題ので言えば、エアライダーだけど──」
検索する。
「うん。Switch2だわ」
「すいっちつーかあ……」
特に必要を感じなかったので、Switch2は抽選にすら参加していない。
「ディスカバリーは二人プレイできるんだっけ」
「でぃすかばりーって、どんなんだっけ」
「3Dのやつ。プレイ動画は見たはず」
「あー」
調べてみると、できるらしかった。
「スターリーワールドはSwitch2限定なのか……」
「つづきのやつ?」
「続きのやつ。なんだかんだ、Switch2でしかできないゲームも増えてきたな……」
「かう?」
「買えないんじゃないかな。それとも、そろそろ欲しい人に行き渡ったんだろうか」
「てんばい、やだねー……」
「転売ヤーからは買わない」
「うん」
最低限の倫理観である。
たまにはゲームもいいものだ。






704 :名前が無い程度の能力を持つVIP幻想郷住民:2025/12/16(火) 19:47:03 ID:16rzhFZ.0

2025年12月4日(木)

「わあー……!」
うにゅほが頭を抱えながら、何やら奇声を上げている。
「××?」
「◯◯……」
「……大丈夫か?」
「だめ……」
「ダメか……」
「あしたから、またにゅういん……」
「そうだな」
「しかも、しじつ……」
「嫌だな」
「わあー……!」
今度は、俺を抱き締めながら悲鳴を上げる。
「ほら、一週間だから」
「そだけど」
ごく個人的な感覚としては、一週間の入院は大したことがない。
手術は嫌だが全身麻酔だし、現時点では恐怖もない。
当日になれば、また別かもしれないが。
「それに、(弟)もにゅういんなる……」
「俺の手術日にな……」
「うー」
「先月の検査入院のとき、(弟)と一緒に遊んでたのか?」
「うん。(弟)と、おかあさんと、げーむしてた」
「三人で……?」
想像がつかない。
「ごるふのげーむ」
「あー」
Switch Sportsか。
そう言えば、Switchを買ったときにすこしやったな。
「母さんとふたりでやるしかないな……」
「やるけど……」
「一週間なんて、すぐだよ。二週間、耐えられたんだから」
「……うん」
「お見舞い来てくれるんだろ」
「うん、いく」
「俺も頑張るから、××も一緒に頑張ろうな」
「うん……」
話していて、すこし落ち着いたようだ。
入院も手術も正直嫌だが、しなければ先月の入院が無駄になってしまう。
さっさと済ませて退院したいものだ。
 





705 :名前が無い程度の能力を持つVIP幻想郷住民:2025/12/16(火) 19:47:21 ID:16rzhFZ.0

2025年12月5日(金)

「また個室はお預けか……」
看護師に案内されたのは、広めの三人部屋だった。
荷物を下ろし、うにゅほがこぼす。
「うん、わるいね……」
「知ってる」
生きていて運が良かった試しなんて、ほとんど思い出せない。
実際にはあるのだろう。
だが、要所要所で運が悪かったからこそ、"運が悪い"という印象で塗り潰されているのだ。
運は収束する。
だが、どこで運が良かったか、どこで運が悪かったかで、人生は簡単に引っ繰り返る。
「こりゃ、お見舞いも部屋では無理だな。デイルームだ」
「そだね……」
「まあ、会えるは会えるから。明後日までは」
「……しあさって、しじつ」
「手術日は難しいだろうな。麻酔で寝てるだろうし……」
「おきたら、らいんしてね……?」
「もちろん。真っ先にするよ」
「うん……」
「さ、父さん待ってるぞ」
「はい……」
うにゅほは荷物持ちについてきてくれただけだ。
お見舞いは午後三時からだから、長居をすることはできない。
「玄関まで送るよ」
「ん」
入院生活一日目、あまり良いスタートを切れたとは言いがたいのだった。






706 :名前が無い程度の能力を持つVIP幻想郷住民:2025/12/16(火) 10:47:38 ID:16rzhFZ.0

2025年12月6日(土)

「にゅういん、どう……?」
お見舞いに来てくれたうにゅほをデイルームで出迎え、最初の一言がそれだった。
「あー……」
「つらい?」
「つらいってほどではないけど、やっぱ同室の人には気を遣うよな。特に深夜」
「ねてるんだもんね……」
「俺は、睡眠障害で朝方まで眠れないわけだから」
「しずかにしないと」
「特に、日記を書くときな」
「にっき?」
うにゅほが小首をかしげる。
「タイピング音が、深夜だと馬鹿にならないんだよ……」
「わたし、◯◯がたいぴんぐしてるおと、すきだけど」
「◯◯はそうかもしれないけど、深夜に同室の赤の他人が出すべき音ではないというか」
「それはそうかも……」
「ノートPCのキーボードが嫌すぎて自前の持ち込んでるから、余計にな」
「そんなにうちにくい?」
「打ちにくいなんてレベルじゃない。世のノートPCユーザーは、よくあんなもん常用できるな」
「そこまで」
「退院したら、××にも打たせてやろう」
「わたし、たいぴんぐにがて」
「あ」
そもそもそうだった。
両手の人差し指でたどたどしく打つのだから、大差ないかもしれない。
「◯◯、すーごいはやい……」
「××に比べたらそりゃ速いけど、ブラインドタッチできる人の中では普通か、いっそ遅いくらいだぞ」
「そなの?」
「けっこうミスタイプするし」
「いがい」
「速さを求められる使い方をしてないからな。必要十分」
「そか……」
そんな会話を交わしながら、うにゅほが不満げに目を伏せる。
人の目のあるデイルームでは、さすがにくっつけない。
隣ではなく、テーブル越しの正面に座っていることも、うにゅほとしては不本意だろう。
特別個室は退院まで取れそうにないし、そもそも明後日には手術を受ける。
うにゅほにとって試練の一週間になるかもしれない。





707 :名前が無い程度の能力を持つVIP幻想郷住民:2025/12/16(火) 19:47:57 ID:16rzhFZ.0

2025年12月7日(日)

今日もまた、デイルームでうにゅほを出迎える。
「あした、しじつだねえ……」
「そうだな……」
「こわくない?」
「……正直、怖くなってきた」
「やっぱし!」
「近付くにつれて、な」
「やめる?」
「やめないけど」
「すごい……」
「すごくないって。ここで退いて、もう一度やるって話になったら、また二週間の入院からなんだぞ」
「たしかに」
「どっちが嫌かと言えば、そっちのが嫌だ」
「それもわかる……」
入院が、どれだけ俺たちを消耗させるか、嫌と言うほどわかっている。
総計三週間のやり直しなんて勘弁中の勘弁だ。
「だから、怖いの我慢して頑張るよ……」
「えらい」
うにゅほが、俺の頭を優しく撫でる。
「わたしも、かくごするから」
「覚悟か」
「しじつ、せいこうするように、いのってるね」
「……無理しない程度にな」
「あした、(弟)にゅういんだから、くるけど、あえないよね……」
「会えないな……」
「めーさめたら、れんらくしてね。まってるから」
「わかってるって」
何度目かの約束を交わす。
うにゅほに心配は掛けたくない。
真っ先に連絡しなければ。






708 :名前が無い程度の能力を持つVIP幻想郷住民:2025/12/16(火) 19:48:16 ID:16rzhFZ.0

2025年12月8日(月)
2025年12月9日(火)
2025年12月10日(水)

8日に手術を終え、ようやくPCを触れるようになった。
歩けることは歩けるが、まだ少々自由が利かないため、うにゅほにお見舞いは我慢してもらっている。
正直に言って、何度手術を後悔したかわからない。
完全に甘く見ていた。
それでも、手術の翌々日にこうしてPCを使えている時点で、かなり軽い手術だったのだとは思う。
スマホはギリ使えた。
だが、暇潰しすらする気になれないのは、本当に弱っているとき特有の感覚なのだろう。
おまけに、12月8日深夜の地震だ。
うにゅほ、地震に弱いから、さぞ心細かっただろうな。
悪いことと言うのは、何故か続くものだ。
ともあれ、明日明後日には、お見舞いを出迎えることもできるだろう。
今日は、いったんここで筆を置くこととする。






709 :名前が無い程度の能力を持つVIP幻想郷住民:2025/12/16(火) 19:48:43 ID:16rzhFZ.0

2025年12月11日(木)

母親と共に、うにゅほがお見舞いにやってきた。
「──◯◯!」
駆け寄ってきたうにゅほが、俺の傍らにある点滴スタンドを見て、抱き着くのを躊躇する。
軽く悩んだ結果、俺の手を取って頬に触れさせた。
「◯◯……」
「いらっしゃい、××。来てくれてありがとうな。母さんも」
「うん、うん……」
「無事で良かった。連絡あんまりつかないから、心配したよ」
「スマホが使いにくくて……」
軽く現状の共有をしたのち、母親は弟の病室へ向かった。
うにゅほが、デイルームの隣の席で、俺の右腕を抱き締めている。
「……臭くない?」
手術以来、シャワーすら浴びられていないのだ。
脇腹から管が出ているので、こればかりはどうしようもない。
「くさい!」
「嬉しそうに言うなあ……」
「うへー」
「……××の顔見たら、ほっとしたよ」
「わたしも……」
「地震とか大変だったろ」
「わたし、あわてて、おかあさんのふとんはいった」
「母さん、びっくりしたろうな」
「してた」
かなり大きな地震が来たと思ったら、娘までもが突撃してきたのだ。
目を白黒させる姿が目に見えるようだった。
「(弟)のところは行かなくていいのか?」
「(弟)のおみまいは、きのうもいった」
「ああ、昨日来てたのか」
「◯◯、きのう、あえなかったから……」
「昨日はな……」
尿道カテーテルが取れたのが、昨日の夕刻のことだ。
お見舞いはデイルームに限られるため、自由に歩けない状態では出迎えることすらままならない。
「実は、13日には退院できそうなんだよな」
「え!」
「手術当日の弱り方から言えば、俺もびっくりなんだけどさ……」
「あさって……!」
「まだ確定じゃないから、期待し過ぎるなよ。たぶんだから、たぶん」
「わかった……!」
わかってなさそう。
ともあれ、手術の予後は悪くない。
早く自宅へ帰りたいものだ。






710 :名前が無い程度の能力を持つVIP幻想郷住民:2025/12/16(火) 19:49:05 ID:16rzhFZ.0

2025年12月12日(金)

「◯◯ー!」
「おー」
エレベーターから降りたうにゅほが、小走りでこちらへ駆けてくる。
「おみまい、きた!」
「ありがとうな」
「あした、たいいん?」
「明日退院」
「うへー……」
うにゅほが、嬉しそうに笑みを湛える。
「寂しかったよなあ……」
「さみしかった……」
「今回は特に、(弟)も同時だし」
「(弟)は、にしゅうかんくらい、かかるって……」
「そっか」
「いえに、わたしと、おとうさんと、おかあさんだけ」
「大丈夫だ。明日、ちゃんと帰るから」
「うん!」
「しかし──」
窓の外を見やる。
「雪の量、ヤバくないか……?」
「やばい」
「ヤバいよなあ」
思っていたのだ。
入院してから、ずっと降り続けている。
この窓から晴れ間を見た覚えが、少なくとも今回の入院では、ない。
12月5日に入院し、一週間が経過した。
まる一週間降り続けているのだから、かなりの異常気象だ。
「今年の夏、暑かったからかな……」
「そうかも」
ひどい話である。
「明日くらいは、晴れてる中を帰りたいもんだけど」
「はれさしたい……」
「できたらすごいな」
「いのるね」
「そこまで祈らんでもいいけど……」
小一時間ほど雑談したのち、うにゅほは弟の病室へ向かっていった。
今考えれば、俺も行けばよかった。
同じ病院に入院しているのに、結局、俺と弟は会わないままだ。
退院して落ち着いたら、今度はちゃんとお見舞いに来よう。






711 :名前が無い程度の能力を持つVIP幻想郷住民:2025/12/16(火) 19:49:25 ID:16rzhFZ.0

2025年12月13日(土)

「ただいまー……」
八日ぶりの自室は、なんだか涼しかった。
真冬日の外を経て帰ってきているため、寒いとまでは思わないが、退院する前より明らかに室温が低い。
「……寒くない?」
「さむいの!」
よくぞ言ってくれたとばかりに、うにゅほがパンと手を叩く。
「◯◯、にゅういんしたら、すとーぶきかなくなった……」
「まあ、人間一人って弱めの暖房器具と同じくらい熱を放射してるって言うしな」
「きーたことある」
「でも、俺ひとりがいなくなったくらいで、ここまで室温下がるか……?」
「さがってる」
「たしかに」
「よほど暑苦しいのかな、俺」
「あったかいよ」
うにゅほが、俺をパソコンチェアへと導く。
先にシャワーを浴びたかったのだが──そんなことを一瞬考え、そしてヒヤリとした。
「××」
「?」
「手術の傷開くかもしれないから、膝乗せは数日ダメだ……」
「あ!」
うにゅほが目をまるくする。
うにゅほには正しい倫理観があるため、ここでわがままを言うことはない。
しかし、うにゅほには感情があるため、ようやくありつけそうになった密着の機会を逃したくはない。
そのため、以下のうにゅほの行動はごく自然である。
パソコンチェアと隣に置かれている丸椅子を跨ぐように腰掛け、そのまま俺の右腕から背中にかけて抱き締める。
完全にホールドされてしまったが、これくらいは幸福税として支払うべきだろう。
そんなことを、小用を我慢しながら考えていた。







712 :名前が無い程度の能力を持つVIP幻想郷住民:2025/12/16(火) 19:50:11 ID:16rzhFZ.0

2025年12月14日(日)

退院二日目。
手術からは、もう、一週間が経過していた。
「体、動かさないとなあ……」
俺の膝に座れないため、丸椅子に腰掛けて俺を左からホールドしているうにゅほが、意外そうに言った。
「うごいていいの?」
「むしろ、動かないほうがダメまである。俺、手術翌日から歩かされたし」
「いってたねー……」
「手術当日とかマジで何もできなかったからな。人間としてより、生き物として、今は休まなきゃいけないって感じたくらい」
「らいんも、へんじ、さいていげんだった」
「あれでも頑張ったんだぞ」
「わかってるよー。わかってるから、あんましおくんなかった」
「……そうだな。××にしては、だいぶ控えめだった」
うにゅほにしては、だが。
「そう言えば、8日の地震って大丈夫だったのか? 本とか落ちなかったか?」
「ほんはね、おちなかったよ」
「平気だったか」
「おおとろ、おちた」
「あー、大トロが……」
大トロ。
うにゅほが名付けた大トトロのぬいぐるみのことだ。
「ひがい、おおとろだけだったよ」
「それはよかった」
「わたしたちのへや、ほん、おおいもんねー……」
「震度5以上が来ると、ちょっと厳しいかもしれない」
「……こんど、じしんくるとき、いっしょにいてね?」
「いたいけどさ……」
「けど?」
「いつ来るかわからんし」
「なら、いつも、いっしょにいる」
べったり。
「はいはい」
などと苦笑しつつ、当然悪い気はしない俺なのだった。






713 :名前が無い程度の能力を持つVIP幻想郷住民:2025/12/16(火) 10:50:30 ID:16rzhFZ.0

2025年12月15日(月)

俺の左腕を抱き締めて離さないうにゅほが、ふと尋ねる。
「あのね」
「うん?」
「にゅういんちゅう、いちばんたいへんだったこと、なに?」
「大変だったことか……」
ほんの数日前までのことを思い返す。
考えてみれば、まだ、退院してから三日しか経っていないのだ。
「そうだな。やっぱ、手術に関わることかな」
「ぱそこん、できなかったこと?」
「ノートPCは術後二日で触れるようになったし……」
「すごい」
「手術のせいで微熱があったんだよ。それで、暑くて、アイスノンを枕にしてたんだけどさ」
「うん」
「それにも限界があって、体中べったべただったのが大変だったかな。手術直後なんてシャワー浴びれるはずないし」
「どのくらい、はいれなかったの?」
「8日に手術して、一昨日退院してシャワー浴びるまでだから、六日間かな……」
「むいか!」
うにゅほが目をまるくする。
「◯◯、かみ、じぇるつかったみたいになってたもんね」
「すごかったろ」
「すごかった」
「××も、健康には気を付けるんだぞ。手術なんてしたくないだろ」
「したくない……」
「俺も、××が苦しむのはちょっとな……」
今回、手術の苦しみを知ったことで、しっかりと健康診断を受けようという気持ちになっている。
たとえガンであれ、場所によっては、早期発見さえできればリスクはほとんどないのだ。
「俺と一緒に健康診断、受けような」
「うける!」
今回の一件は、俺たちの健康意識をすっかり変えてしまった。
健康に長く生きたいものだ。






714 :名前が無い程度の能力を持つVIP幻想郷住民:2025/12/16(火) 10:51:14 ID:16rzhFZ.0

以上、十四年一ヶ月め 前半でした

引き続き、後半をお楽しみください
 



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