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やる夫スレ読み歩き、AAで学ぶ南北戦争への道 第8回~第14回

泳ぐやる夫シアターから、AAで学ぶ南北戦争への道 第8回~第14回

第8回 遥かなる理想郷

新大陸に渡ってきた人は、それぞれに理想郷を夢見て渡ってきた訳ですが、その姿は人それぞれ。商品作物の栽培に適していた南部には貴族や大商人の子弟といった初期資本をそれなりに持った人間の移住が多く、大農園持ちの領主による支配構造が成立していきます。社会的には本国の延長ですね。後には清教徒革命での亡命者も移住して来ますが、基本構造は変わらず、イギリスの上流階級の生活を新大陸で実現していきます。イメージ的には風と共に去りぬのオハラ家、アイルランドからの移民という設定でした。大農園の働き手を最初は移住者に求めたようですが、土地が余っている新大陸では移住者は自分の土地を持って働くことを選ぶので、農園での働き手が確保できません。その解決法として持ち込まれたのが黒人奴隷です。まあ、当然ですが、奴隷を抱えるほどの大農園を経営するのはごく一部で、大半は小規模な個人農園で暮らす貧民層だったようです。

中部はニューヨーク、ニュージャージー、ペンシルバニアの諸州、このあたりは元々がイギリス以外の植民地だったところで、宗教的なマイノリティが多く移住して来たちいきです。有名なのがペンシルバニアのクエーカー教徒、その教義から奴隷解放運動に貢献する事になるようです。最後が北東部、いわゆるニューイングランド、気候的に農業には向かず、林業、漁業、造船が発達していった地域です。当時のニューファンドランド沖の浅瀬、物凄い量のタラが取れていたみたいです。タラ岬(Cape Cod)なんていうのがあるのもその頃の名残りでしょう。住民の多くは本国で迫害されていたピューリタン、その教義から働き者かつ家庭大切にするという風が強いちいきです。独立頃力を持っていたのは農場が発達していた南部と中部、北東部は貧しい土地でした。その分、労働者の不満が爆発しやすいところ、独立戦争の火蓋が北東部で開かれたのにはそういう背景もあるようです。

第9回 改革と革命

今回は、建国したての合衆国の動きを初代財務長官アレキサンダー・ハミルトンを中心に追って行くようです。まず手をつけたのは旧体制の下で発行された公債の整理。責任のある新政府としては義務ではあるのですが、暴落した公債が一部の投機家に集まっており、更に豊かな南部諸州では既に償却済とあっては素直に頷け無いところです。南部の反対派を切り崩すネタになったのが新首都の設置場所、これを南部に置くことで南部の議員との妥協が成立して財政改革案が通過しました。次の改革は中央銀行の設立、これまた北部の商業の振興策で南部の役には立たないと反対されますが、ワシントンのバックアップでなんとか成立します。そして、最後の改革が産業振興のための関税と助成金の制度、これまた南部の反対で関税制度は通ったものの助成金の方は拒否されています。

これらの一連の改革で中央集権化と中央政府の強化が進んだのですが、これらの改革は商工業が中心の北東部に有利な政策であり、南部では無視されているという意識があったようです。そんなところに、ハミルトンは国庫の充実のために酒税を掛けてくると中部、南部の猛反発を受け、農民の暴動騒ぎを引き起こしてしまいました。まあ、この所為でアメリカの田舎というと密造酒、というイメージができたのですがね。
Copper Kettle という歌では1792年から税金払ったことが無い、と自慢しています。こういう一連の改革への賛成派と反対派から初期の二大政党が出現してきます。北東部地盤、中央集権、商工業優先、親英の連邦党と、南部地盤、州の独立性、農業優先、親仏の民主共和党です。合衆国はしばらくはこの二大政党の綱引きで政治が揺れていくことになります。

旧大陸ではフランスの革命が暴走して国王を処刑してしまいます。フランス系AAはフランス革命スレ準拠ですね。これに対して危機を覚えた旧大陸の王政国家が対フランスで同盟を結び、フランス革命戦争が勃発しています。合衆国はこれに対して親英派と親仏派が抗争、外交がふらつきます。国家としては中立を宣言したものの、イギリスの対仏封鎖の影響を受けてきます。再度のイギリスとの戦争の危機にジェイが特使としてイギリスに赴き条約を締結して来ました。あまりに親英的だと批判を受けますが、またまたワシントンの後押しで批准され英国との戦争は回避されました。そして1796年、合衆国の英雄ワシントンが引退します。ワシントンの引退演説が上げられていますが、これは素晴らしいものですね。国を思い将来を見据えた名演説です。ワシントンが引退し死去して18世紀が終わり、19世紀に移っていきます。

フランスでは革命の混乱の中で独裁者ナポレオンが頭角を表して来ています。合衆国では新たに得た西部、アパラチア山脈の西側、ミシシッピ川に至る領域の開拓が進み、18世紀の内にケンタッキー、テネシー州が成立していきます。西部はやはり連邦党には反対する立場で連邦党の衰えが目立ってきます。フランスの独裁者になったナポレオンは植民地帝国の復活を目指して新大陸に目を向けてきて、合衆国はフランスとの抗争に巻き込まれていきます。まずは英米の貿易の妨害に出て来たフランスに対して合衆国は海軍を創設し海上貿易の保護に乗り出します。愛読のKyddシリーズでは主人公が出来立ての合衆国海軍に連絡士官として招かれるシーンがありました。海軍を作ろうとする政府と反対派の動きも描写されていました。さて、海軍創設とともに建造されたのが六隻の大型フリゲート艦、今後どころか現代に至るまで活躍していきます。

しかし、アダムス大統領の露骨な親英反仏路線は南部、西部の反発を生み、次の大統領選挙では民主共和党のジェファーソンが当選し、南部西部の自営農民を基礎とするジェファーソンデモクラシー時代が始まります。ジェファーソンの時代、西部の開拓は推し進められ、オハイオ、インディアナ、ミシガン、イリノイ州が成立していきます。さて、旧大陸の混乱は大統領が変わっても合衆国を巻き込んできます。まずはバルバリの海賊による襲撃事件、これに対して合衆国は海軍と海兵隊を派遣、海兵隊賛歌のトリポリの海岸の元ネタですね。ここもKyddシリーズに登場していました。次に起きたのはカリブ海、フランス領ハイチでの黒人奴隷の反乱事件、そしてナポレオンによるスペインからのルイジアナ領域の分離割譲。ここで言うルイジアナはミシシッピ川からロッキー山脈に至る広大な領域です。ナポレオンはハイチを拠点にルイジアナを支配するつもりで、ハイチにルクレール将軍を送り込んで来ます。これに対してジェファーソンは民兵を召集しミシシッピ防衛体勢を固めます。しかし、フランスの目論見は送り込んだ軍勢がルクレール将軍ともに黄熱病で壊滅して崩壊してしまいました。しかも間の悪いことに旧大陸では和平が破れて戦争が勃発というか再開してしまいます。方針を変えたナポレオン、ニューオーリンズの港湾使用権で揉める合衆国にルイジアナの売却を持ち掛けて来ました。大使と特使は独断でこれを了承、ジェファーソンもこれを追認して、合衆国の領土は一気にミシシッピ川からロッキー山脈まで拡がることになりました。

広大な領土を買い取ったものの、実はどういう土地かを全く知らなかった合衆国政府、西部への探検隊、ルイス・クラーク探検隊を派遣します。先住民の女性サカガウィアを通訳として雇って大平原の諸部族の友好を取り付けた探検隊は西へ西へと進みロッキー山脈を踏破してオレゴン川を下りついに太平洋岸まで達します。この探検で得られた情報は以降の西部開拓の基礎資料になっていくようです。素晴らしい大探検ですね。コメによるとこれをネタにした映画があるとか、ぜひ見てみたいものです。で、サカガウィアの名前で検索掛けてみたら、合衆国海軍にルイス・クラーク級補給艦なるものがあって、その二番艦の名前がサカガウィアなんですね。まさに建国神話の世界です。ちなみに九番艦の名前がマシュー・ペリー、開国を迫ったペリー提督の名前が付いています。どうやら探検家の仲間とみなされているようですね。

さて、衰えていく連邦党ですが、指導者のハミルトンが、民主共和党のアーロン・バーとの諍いから決闘騒ぎを起こして命を失います。指導者を失った連邦党の凋落は確定的になりました。そしてついに合衆国も旧大陸の戦争に直接巻き込まれることになります。次回は1812年の戦争、第二次英米戦争の勃発です。

旧大陸ではナポレオン戦争が勃発、合衆国は当初中立を維持して戦争当事国双方を相手にした貿易で利益を上げていました。しかし力の無い者の中立は破られるのが世の習い、艦隊の人手不足に困った英国艦隊は米国艦相手に強制徴募を掛けてきます。まあ、某小説では領事に金を渡せばいくらでも合衆国旅券を発行してくれたとか言いますから、実際にはどっちもどっちだったのでしょう。合衆国の領事クラスの質の悪さは後々まで尾を引きます。これだけでも対英世論が悪化しているところに追い打ちを掛けるように、バージニア沖を航行中のUSSチェサピークがHMSレオパードに攻撃され乗組員を奪われるという事件が起きました。沸騰する世論の中でジェファーソン大統領は戦争当事国双方との通商を禁止する法を定めましたが、今度は海外貿易で成り立っている北東部諸州が反発してきます。世論の支持を失ったジェファーソンは退き、トーマス・マディソンが次の大統領として立ちます。

大統領に就任したマディソンの治世は当初から英国との関係悪化が重石になっています。議会も独立戦争を知らない若手が対英強硬論を煽っています。そんな時に北西部領土での先住民との戦いで英国製の銃が見つかりました。普通に売買されただけなのですが、英国が先住民の反乱を煽っていると世論が沸騰し、1812年、合衆国はついに英国に宣戦します。
宣戦した合衆国は、旧大陸に手を取られて手薄なはずのカナダ侵攻を目論見ます。独立戦争の時も同じことを狙って失敗したのに懲りない方々です。初動はボロボロ、英国は即座に防備を固めたのに合衆国側は国境線の要塞への連絡が遅れ、何もしないまま要塞が陥落しています。デトロイトからの侵攻軍は先に砦を急襲されて降伏、中央軍もエリー湖を渡ったところを襲撃されて壊滅、北東部から北上する予定の軍いたっては民兵が命令拒否。カナダ侵攻作戦は始まる前に崩壊しています。旧大陸ではナポレオンがモスクワ前面で敗退、手一杯のはずだったイギリスに余裕が生まれて来ました。マディソン大統領、目論見が外れっ放しです。狼狽えるAAが実に良く似合っています。

第12回 最後の英雄


開戦とともに英国海軍は合衆国沿岸を封鎖しますが、先に建造された大型フリゲート艦が活躍し封鎖を打ち破ります。特筆すべきはフリゲート艦コンスティテューション、英国海軍のゲリエール号、ジャワ号を打ち破り名を馳せます。そして付いたあだ名がアイアンサイズ、頑丈な北米オークの船体が英国海軍の砲撃を跳ね返したところから付いたあだ名です。ちなみに
コンスティテューションは未だに現役艦でボストンに係留されています。是非一度は見に行きたい船です。しかし翌年になると増援を受けたイギリス海軍によって封鎖が強化され、合衆国の通商は壊滅してしまいます。この辺りはオーブリー&マチュリンシリーズが詳しいところ、ジャワ号に便乗しているところを拿捕されてボストンで捕虜生活を送り、シャノン号に逃げ込んで脱出、という設定になっています。

さて内陸では合衆国が懲りずにカナダ侵攻を狙っています。まずはイギリス軍に奪われたデトロイト砦の奪還を目指します。デトロイト砦を守るのは
プロクター准将、テカムセ。ウィンチェスター准将率いる先遣隊がデトロイトに向かいますが、デトロイト南方のフレンチタウンを脱会したとろこにプロクター准将、テカムセに襲われて先遣隊が壊滅してしまいました。本隊を率いるハリソン将軍は南方のメイグス砦に籠城します。プロクター准将とテカムセはメイグス砦を攻め立てますが、守りが堅く抜けません。ここでカナダの防衛を優先したプロクター准将は一旦兵を引き上げます。

さてそのころ、エリー湖では米英の建艦競争が繰り広げられています。エリー湖はカナダの英軍の主要補給路、ここを抑えれば英軍の活動を抑えることができます。エリー湖の艦隊を率いるのはアメリカ側はオリバー・ハザード・ペリー大佐、黒船のマシュー・ペリー提督の兄です。先に艦隊の準備が整ったのはアメリカ側、9隻の艦隊で出撃します。こうなるとイギリス側は数で負けていても放置できずに対抗して出撃しますが、イギリス艦隊は6隻で出撃します。しかし新兵器カロネード砲(短射程大口径の砲ですね)の威力と数の前にイギリス艦隊は壊滅、エリー湖の制海権はアメリカが握ることになりました。ちなみに、アメリカでペリー提督というともっぱらエリー湖の海戦のオリバー・ハザード・ペリーの方が出てくるみたいですね。イージス以前の最新鋭のフリゲート艦のクラス名がオリバー・ハザード・ペリー、弟の方は補給艦の9番艦ですから随分な差です。もっとも補給艦の方の艦名は探検家シリーズになっていますので、探検家としての評価の方が高いのかもしれません。

エリー湖の制海権が失われたことを知ったプロクター将軍はデトロイトから撤退していきますが、その途中合衆国軍の追撃を受けます。戦況が不利と見て取ったプロクター将軍は早々に退却していきますが、テカムセは故地を捨てることは出来ないと最後まで奮戦して死んでいきました。タイトルの最後の英雄とは先住民を糾合し合衆国と対等の国を作る可能性のあったテカムセのことだったのですね。ちなみにテカムセでググったら本人よりも先に「テカムセの呪い」が出て来ました。そういえば、レーガンが大統領になった時に随分と騒がれていました。でも、1980年のレーガン、まあ未遂事件はありましたが、に2000年のブッシュと無事でしたから、呪いも解かれたようです。次は2020年、誰でしょうね。

おまけといった感じで南北戦争で活躍することになるシャーマン将軍(日本的には戦車の名前の方が有名ですね)が出てきていますが、この方のミドルネームがテカムセ。そして続いて英米戦争での民間人被害の話が出てきていますが、合衆国的に最たる被害を出すのは南北戦争で、そこで徹底的にインフラを破壊して南部の継戦能力を奪ったのがシャーマン将軍ですから、きつい皮肉になっています。さて短期決戦のつもりで始めたのに戦争はもはや3年目、合衆国、英国はどう対処していくのでしょう。

第13回 首都炎上

1814年、旧大陸ではついにナポレオンが退位し永きに渡ったナポレオン戦争が終結しました。こうなると英国の全戦力が合衆国に向けられるのも時間の問題、合衆国は英国との和平交渉を始めます。しかし、強気のイギリスが出して来た要求はオハイオ川以北の北西部領土の先住民への割譲を求めるもの、到底合衆国が受け入れられるものではありません。要求を拒否されたイギリスは交渉への圧力として新たな攻勢をかけてきます。それはカナダからニューヨーク方面への攻勢、海上から首都とボルチモアを狙う攻勢、そして西部の物流の拠点ニューオーリンズを狙うものとの三方向からの攻勢で、これで合衆国を締め上げようというものでした。

まずは首都、ボルチモアへの攻撃、イギリス艦隊は周辺の街や村を破壊しながらチェサピーク湾に侵入し、上陸部隊を首都ワシントンに差し向けます。ワシントンDCでは、敗走してくる民兵の姿に住民が逃げ出します。ついでにマディソン大統領も奥さんを残したまま逃げ出してしまいます。まあ、放り出して逃げたのか後始末を頼んでいたのか、真相は藪の中ですが、見栄えのいいものではありません。この日ワシントンDCは焼き討ちを受けて大統領官邸も含めて焼かれてしまいました。その焼け跡を誤魔化すために白く塗ったのがホワイトハウスの由来なのだそうですが、どこまで本当なのでしょうね。

ワシントンDCを陥した英軍は次にメリーランドの州都ボルチモアを目指します。合いの手が入っていましたが、如何にもな負けパターン突入です。英陸軍部隊は途中のノースポイントの町に陣取った米民兵隊に引っかかります。これはボルチモア防衛体勢を調える時間稼ぎの足止め部隊、いつものパターンになってきていますが、米軍のライフル部隊に狙撃されて指揮官が討ち取られてしまいました。陣地を抜いてボルチモアに着いて見れば防備は完璧、英軍は強襲を断念して海軍の支援を要請します。
ボルチモアを守るのはマクヘンリー砦、英艦隊は砦に向けて25時間に渡る艦砲射撃を行ないます。砲撃の夜が明けた時、マクヘンリー砦には朝日の中で星条旗が翻っていました。これも第二次英米戦争の名シーンです。何と言ってもこの時の詩が合衆国国歌になっている訳ですから。マクヘンリー砦の攻略に失敗したイギリス軍はボルチモア攻略を断念して撤退して行きました。

なお、「星条旗」、今は四番までになっていますが、かつては五番まであったとアシモフのエッセイに出ていました。悪辣な侵略者イギリス人を貶しまくっている連だったとか、同盟締結後に封印されたと書かれていました。気になってググって見たのですが、中々強力な封印のようで、封印された連は見つかりませんでした。

次は北方戦線、イギリス軍はカナダからニューイングランドを目指して南下してきます。コースはいつものシャンプレーン湖からタイコンデロガ、サラトガのコース、独立戦争以来何度目でしょうね。米軍はシャンプレーン湖に軍艦を浮かべて南下してくる英艦隊を待ち受けます。錨下ろして固定砲台化した米艦隊の接近戦に敗れて、イギリス軍はカナダに撤退して行きました。こうしてイギリスの三方向からの攻勢は、二つまでが挫折してしまいました。残るは南方、ニューオーリンズの戦い、アンドリュー・ジャクソンのピクニックは次回持ち越しです。


今回の主人公はアンドリュー・ジャクソン、アイルランド系でアパラチアの山の中の生まれとくればアメリカ的には貧乏人のテンプレです。独立戦争で家族を失い、孤児の身ながら勉強して弁護士に、AAがアレなせいもありますが、こういうお方の判決だと誰も逆らえませんね。おまけでちらっとやらない夫が出てきましたが、他のところでも同じ役で出ていたということは役柄確定なのでしょうか。本格的に出てくるのはまだ先ですが、期待のキャスティングです。政治家、大農園の主として頭角を現してきたジャクソン、第二次英米戦争ではテネシーの兵を率いて、テカムセに煽られた先住民クリーク族との戦いで名を上げます。そしてついにイギリスの南方軍、ニューオーリンズ侵攻軍への迎撃に向かいます。

ですがニューオーリンズについてみれば戦争準備は皆無、州議会はイギリスへの降伏を検討している始末です。ジャクソンは議員を拘束し、市民を勝手に徴兵して軍に組み込み、カリブの海賊まで引き入れます。AA的にはナニな海賊氏ですが、史実的にはジャン・ラフィット氏、部下1,000人ばかりを引き連れての参陣だそうですから、相当の戦力です。更には黒人奴隷にも銃を持たせて軍に引き入れています。叛乱されたらどうする、に返した答えが自信あふれるアメリカ人といった感じの代物ですね。ニューオーリンズ近郊に上陸してきた英軍をまずは夜襲で出迎えて、その間に防衛ラインを構築、霧の中を迫ってくる英軍に陣地から砲火を浴びせて撃退してしまいました。

このニューオーリンズの戦い、とある高校の先生が歴史教育のための歌を作ったとかで名曲になっています。でもって
それをレゴアニメにしたもの、中々に素敵です。これが映画版になると海賊のジャン・ラフィットが主人公のバッカーニアでのニューオーリンズの闘いのシーン、馬に乗っているのがジャクソン将軍ですね。押し寄せる戦列歩兵を陣地からケンタッキーロングライフルで打ち崩すというのは英米戦争のテンプレートになっています。ところでこの後の消息が不明になる海賊のラフィット氏、最近読んだコレエティエンヌ・ジェラール氏と一緒に登場していました。姫様を守る騎士が豪勢です。

こうしてイギリスの攻勢はすべて失敗してしまいます。ただ、実際にはこの時にはガンで和平条約が締結されていたのですね。ボルチモア攻略の失敗とニューイングランド攻略の失敗で英国にも戦争を続ける余力が無くなっていたようです。ですが当時のこと、ベルギーで条約が結ばれてもそれが新大陸に伝わるのに相当時間がかかったわけで、ニューオーリンズの戦いでの犠牲者にはたまらない展開だったことでしょう。さて結局は戦前の状態に戻るだけの結果になった第二次英米戦争ですが、これによって始めて合衆国という国が一致団結したと言われています。またこの戦争で英国との貿易が途絶したためにアメリカの産業基盤が形成されていったという面もあるようで、これを第二次独立戦争と評価する人もいるようです。さて次回からはこうして独り立ちした合衆国の発展を追い駆けていくようです。

 





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