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夢の島のなくころに やる夫とやらない夫 04 前編 カテゴリ:やる夫シリーズ
1 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2009/06/16(火) 16:58:49.57 ID:ySIG/nfi0
___
く/',二二ヽ>
|l |ノノイハ))
|l |リ゚ ー゚ノl|
ノl ハ∨/^ヽ
ノ::[三ノ
夢の島のなくころに 第四回 前編
01、02、03とは似た世界での別の話となっています。
実際の団体、その他いろいろな現実とは無関係です。
夢の島のなくころに やる夫とやらない夫 前|
後
夢の島のなくころに やる夫とやらない夫 02 前編|
後編
夢の島のなくころに やる夫とやらない夫 03 前編|
後編
2 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2009/06/16(火) 16:59:49.69 ID:ySIG/nfi0
___
く/',二二ヽ>
|l |ノノイハ))
|l |リ゚ ー゚ノl|
ノl ハ∨/^ヽ
ノ::[三ノ
夢の島のなくころに やる夫とやらない夫 01〜03まで下記ブログ様にございます。
AAまとめブログ(´∀`)
面白蛇屋
3 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2009/06/16(火) 17:02:17.06 ID:ySIG/nfi0
__
/ \
/ _ノ \ …………
| ( ●)(●) ____
. | (__人__) /― ― \
| ` ⌒´ノ /(●) (●) \ ・・・・・・
. | } / (__人__) \
. ヽ } \ | |
ヽ ノ \ \ _/
/ く. \ \ ノ \
| \ \ (⌒二 |
| |ヽ、二⌒)、 \ | |
暴動が起きたというニュースが流れると、二人の間に沈黙が漂った。
今となっては珍しくもない事件の一つ。
今となっては他人事ではない事柄の一つ。
二人はPCから視線を外し、テレビ画面に見入っていた。
4 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2009/06/16(火) 17:07:16.95 ID:ySIG/nfi0
__
/ \
/ _ノ \
| ( ●)(●)
. | (__人__)
| ` ⌒´ノ どうなっちまうんだろうな
. | }
. ヽ }
ヽ ノ
/ く.
| \
| |ヽ、二⌒)、
やらない夫が感情の篭らない声で言う。
いつの頃からか、日常になりつある”非日常”
その変化に戸惑いを覚えたのはもう昔の事だった。
5 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2009/06/16(火) 17:12:05.63 ID:ySIG/nfi0
____
/ \
/ _ノ ヽ__\
/. (ー) (●) \.
| . (__人__) | ・・・どうにかなる様なモンじゃないお・・・
/ ∩ノ ⊃ /
( \ / _ノ | |
.\ “ /__| |
\ /___ /
個人レベルでどうこう出来るような情況ではない。
楽観主義者を自他共に認めるやる夫も、それは判っていた。
表面的な変化ではなく、内側の変容が表に滲み出た変化。
それは、簡単に取り繕えるレベルのものではない。
6 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2009/06/16(火) 17:12:08.31 ID:lVG9+018O
元ネタしらんがみてるよ
7 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2009/06/16(火) 17:17:54.82 ID:ySIG/nfi0
*ありがとうございます
/ ̄三\
/;;;; _ノ 三 \
|;;;;;;; ( ○)(○)
. |;;;;; (__人__)
|;;; ` ⌒´ノ やっぱ、最近多いよな・・・
. |;;;; }
. ヽ;;; }
ヽ;;;l ノ
/ く
| \
| |ヽ、二⌒)
今月に入ってから小規模な暴動が日本各地で発生している。
だが、逮捕されても人権だのなんだのと言い募る人間のおかげで直ぐに釈放される。
移民や外国人に対しての優遇措置がこの背景にあるのは確かだろう。
この点に関しては法の運用が恣意的だと言う識者もいる。
8 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2009/06/16(火) 17:22:40.00 ID:ySIG/nfi0
____
/ \
/ _ノ ヽ、_.\
/ u (●) (●)\
| u (__人__) |
\ ` ⌒´ ,/ 何だおコレ?
ノ \
/´ ヽ
見てみろ・・・
そう言ってやらない夫が指差したPC画面。
それを見たやる夫が不審の声を上げた。
黒と灰色の見慣れないデザイン。
それが妙に、何か不吉な予感を覚えさせる。
そこには”裏2CH”とシンプルな文字だけがあった。
9 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2009/06/16(火) 17:27:03.17 ID:ySIG/nfi0
| ;'l:| i'`'i 、 /| |:|\ : | . |;'| ,、
!:`l'| ζ\ |;`;| ‖ 〕 .| |:| || | ./\ _.|;'| /.:〉
-、_|_.;l:| \';、\ :|':i;;| . i'1 ||/> r┘.:| |:| ||::| | ‖‐┘ .:|';|──へ./.:/_r‐
ー|_}:;| \';、.\|;';;;| ./〉 |;|_r// /| ̄\:| |:|  ̄ .:〃../>.::|;'|:::::::::::::::/.:/:::::::::::
-|_|`|_r:‐:‐:‐:‐\';、\;| r‐//┐_|:|::::::::;⊥、r/.::| .:::::::|/\/\ 《// ..:::|;'|:::::[]::::/.:/]:::::::[]::
ー|_};|::::::::::: : :: : {二l\;i`!、::://:::::::::::::::::::r| .::| /.:::::<\/ 〈:::.:... \ 》 ' .::::::::/|\_n::::::::::::::::::::
-|_| ̄/\:::::::/`|_{┬| |;、\::::::::i'|::::::r┴冂、 .:::::|::\\ _____:::::.:..〉″へ:::::/ .| |: : : |:|::::::::l`!へ、
ー|_}::/ 、';';〉.:/ /{_|┴lニニニニニl.r┴、_|_|_|:>:::::___|」__:l;_;_//..::. `〈 :| |: : : |:|::::::::| |: : :
-|_;l'_;_;_∠;/_/___l_,,:;;}┬┴┬┴┬┴┐::| .:::|_rェ┘__;!___;!__;|_;_;:::.:/ : :| |: : : |:|::::::::| | : :
~゛'' ┘⊥ 」_ | |{_|┴┬┴┬┴┬┴┤ .:|_;!__;!__:l__;!__;|<___;_/\_;_;_;|;|-∠|_|;_;_;
~゛'''' ┴'::⊥Λ二\.:| .:|ー:|__;!__;!__;!__:l__;l:::...\/<>::. ∠二
` , ' . ` ∨_,,,;;;;/. ~゛`┴ -'⊥ .」_;!__;!__;!__;!_;ト、 r─‐-、 ...:.:.:.::.:
, ~゛ ┴ ⊥. .,_..:::| ::/ ̄. ̄'"ヽ┴-、_;_;_;_;_;_;_
,, ` ~゛'' ‐-|\___ト--/.. ...:::::::./|
` ., ` ,. ' \|__;_;_;_;_;!─l二二二l/
やらない夫がクリックするたびに表示されていく様々な情報。
各地の暴動情況やら、移民賛成議員といったモノだった。
それらは一般的には出回っていない。
少なくとも、TVでは見た記憶がない。
10 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2009/06/16(火) 17:34:55.13 ID:ySIG/nfi0
__
/ \
/ _ノ \
| ( ●)(●)
. | (__人__)
| ` ⌒´ノ
. | } 重要な情報ってのは、自分で探すようになったんだ・・・
. ヽ }
ヽ ノ
/ く.
| \
| |ヽ、二⌒)、
押し黙ったやる夫を見ながら、やらない夫は自嘲気味に呟いた
つまり、政府はこの手の情報を出来るだけ隠したいのだ。
知られて困る類のものと言う事だろう。
かつての様に、ネットに繋げば簡単に見つけられるものではなくなっていた。
11 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2009/06/16(火) 17:40:06.88 ID:ySIG/nfi0
.____________________
|裏裏裏裏裏裏裏裏裏裏裏裏裏裏裏裏裏裏裏裏|
|裏 ____ _ 裏|
|裏  ̄ ̄ ̄| | | | 裏|
|裏 ___| | . ____ | |___ 裏|
|裏 | | ̄ ̄ ̄ | | ̄ ̄ ̄ | | ̄ ̄| | . 裏|
|裏 | | | | | | | | . 裏|
|裏 | |___ | |___ | | | | . 裏|
|裏.  ̄ ̄ ̄ ̄ .  ̄ ̄ ̄ ̄ . ̄  ̄ 裏|
|裏裏裏裏裏裏裏裏裏裏裏裏裏裏裏裏裏裏裏裏|
資本主義国家のネット社会では、完全に情報遮断する事は不可能に近かった。
だが、重要な情報を他の理由をつけて規制する術はいくらでもある。
様々な批判を受けつつも実行され、重要なものは”捜さなければ出てこない”様になる。
某巨大掲示板も、管理人のタラコ(仮名)が指名手配されてから地下化した。
12 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2009/06/16(火) 17:45:02.28 ID:ySIG/nfi0
> `´ < | i' -== u ==ゝ.
. / M ミ |r 、| , = =、 !
l ,ィ卅ノ uゞト、.ゝ |!.6||v ー-゚ l l゚-‐' |
| |「((_・)ニ(・_))! |ヽ」! u' L___」 v | ,' // イノ \ ヽ ゝ
|(6|! v L_.」 u リ | /l.メ ,.-─--‐-、 | / /`/ィ'__> u /∠ヽ! .!
/| ,イ )⊂ニ⊃( !\ | / l ー-─‐-‐' ! / /⌒y' ==== _ ,'== レ、 !
.-‐''7 |/ `ー-、ニ,.-イ ト.、 /l/ ヽ. = /ト7 l.{ヾ!,' `≠°' ゙゙ 〈≠゚.y/ i
/ | |. ⊥ -‐'1_|\ ` ー--‐ ' ノ / ヽ,リ u u r __ ヽ. ,'/ !
∩00 ∩ ,イ´ l__l \ /_,. '-‐''7! ト、 v ___ーY1 |
⊂ニニ ⊃ ⊂ ニ )-- 、 ヽ、,ゝ、 _,,.ゝ-‐'''"´ /.! !. \. └-----' / |\.|
,. ---ゝ ) | レ'/⌒ヽヽ ヽ/ヽ /, ! i | \. ー / |. \
. ( (´ ̄ ̄ / / ノ.ノ ○ ○ / l / 1|! l | \ ,イ !
ヾニニ⊃ `'∪ ⊂ニ-‐' / | / !| ‖ |\ \, ' | ‖|
結果、情報の流れは滞る。
その事が日々の生活に追われる人々を更に情弱に落とし込んだ。
だから、今になっても周囲の出来事を良く知らない人間も沢山いる。
なにより、善意は利用され、悪意が蔓延っていく社会。
その中では、何を信じて良いのかすら判らなくなりつつあった。
13 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2009/06/16(火) 17:50:17.36 ID:ySIG/nfi0
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
\ヽ ゝゝ , 〉  ̄ }ノ
ヽ\ , /ノ
\ト-i `''‐- 、,,,_ /‐'
l ヽ _  ̄ ノ ・・・・・・・・・・・・
l゙ ゙i /
_,l ヽ /
,r'´ .l ,r‐- 、,_`'‐-─-- ,,_,,ィl` >
_ \ l/r'  ̄``'''─--─'´ノ-、
_,,-‐''"´ _,,二ニニ=-、______,,,,,--‐ッ‐' ``‐、,,_
N○K
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
テレビ画面が素っ気無く切り替わる。
起きた暴動など、まるで大した事件ではないかのように。
・・・テレビ画面に映っている人物は帰化した大陸人。
大陸系移民からの支持を受けている。
それは同時に大陸政府が日本に対して大きな影響力を持つ事を意味していた。
14 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2009/06/16(火) 17:55:29.35 ID:ySIG/nfi0
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| ( "''''" | "''''" |
ヽ,, ヽ .| |
| ^-^ | ・・・・・・。
. | ‐-===- |
ヽ "'''''''" /
\,,,________,,,/
N○K
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
会談相手は経済同盟会長。
彼は大陸に便宜を図る事で莫大な利益を得ていると噂されている人物だ。
また、裏社会との繋がりも示唆されていた。
今となってはその真偽を確かめる事は困難だった。
誰もが彼らを敵に回したくはないと思っている。
15 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2009/06/16(火) 17:58:11.81 ID:ySIG/nfi0
/ ̄ ̄\
/ _ノ .\
| ( ●) (●) |.
. | (__人__) |
| ` ⌒´ |,
. | } どうなっちまうんだろうな・・・
. ヽ }
ヽ ノ _
,,_,i y,ソト,,__
,/r-'"j / / ii, `ヽ、-x,,゜
,,/'/__.L、 /ヾ、"i `ヽ `;
,/ /_iーヘ,ヽ、 , /i" ヽ、 i `、'i
_,) ヽ " ネメ、_ii"~ _Yri
やらない夫は再び呟いた。
徐々に周りを囲まれていく様な閉塞感。
暗くどんよりとした空気だけが満ちていくのが、何となく判ってしまう今日この頃。
それが、当たり前の日常に変わりつつあった。
17 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2009/06/16(火) 17:59:48.95 ID:ySIG/nfi0
___
/ ヽ、_ \
/(● ) (● ) \
/:::⌒(__人__)⌒::::: \ ・・・まあ・・・気分を変えるお
| l^l^lnー'´ |
\ヽ L /
ゝ ノ
/ /
暗い話題から逃れたくて、わざと素っ気無く言う。
つまらない話で、暗くなるのはごめんだった。
留守番で暇だったので、遊びに来ていたのだから。
19 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2009/06/16(火) 18:01:15.10 ID:ySIG/nfi0
::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,
:::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,
:::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,
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/ ⌒ ⌒\
/ (⌒) (⌒) \
/ ///(__人__)/// \
| `Y⌒y'´ | ________
\ ゙ー ′ ,/ | | |<オレ「おかえりんこ」
ノ \ | | |
/´ | | |
普段パソコンを使っても、情報収集などしないやる夫。
20 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2009/06/16(火) 18:06:09.62 ID:ySIG/nfi0
___
/::::::─三三─\
/:::::::: ( ○)三(○)\
|::::::::::::::::::::(__人__):::: | ________
\::::::::: |r┬-| ,/ .| | |<妹「ただいまって言えるようになりなよ」
ノ:::::::::::: `ー'´ \ .| | |
そんな情弱のやる夫が、家族と伯母一家に旅行をプレゼントした。
今まで迷惑かけていた事に対しての、やる夫なりのけじめでもあった。
そういう訳で、安くて安全な場所をやらない夫に探してもらった。
21 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2009/06/16(火) 18:12:26.66 ID:ySIG/nfi0
___ 俺に探させて自分は昼寝ってどう言う事!
/ \ ___
/ノし u; \ ;/(>)^ ヽ\;
| ⌒ ) ;/ (_ (<) \; ちょ、永、永眠す・・・
| 、 );/ /rェヾ__)⌒::: ヾ;
| ^ | i `⌒´-'´ u; ノ;;
| | \ヽ 、 , /;
| ;j |/ \-^^n ∠ ヾ、
\ / ! 、 / ̄~ノ __/ i;
/ ⌒ヽ ヽ二) /(⌒ ノ
/ r、 \ / ./  ̄ ̄ ̄/
ぶつぶつ言いながらも、仕事を中断してまで段取りを付けてくれたやらない夫。
そういう意味では、かなり苦労をかけたといえる。
父親が議員であるやらない夫には、何度も助けられていた。
・・・安全に旅行できるというのは、面倒な条件だったから。
22 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2009/06/16(火) 18:16:55.68 ID:LR8meymh0
お、夢の島楽しみにしてたんだよ
23 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2009/06/16(火) 18:19:38.69 ID:ySIG/nfi0
*おひさしぶりです
::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,
:::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,
:::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,
/ ̄ ̄\
/u _ノ :::::\
| ( ○)(○)
| U (__人__)
| ` ⌒´ノ あ・・・え?・・・
| U u }
ヽ u }
ヽ、U__ __ノ
やる夫の言う事も尤もなので、ブラウザを閉じようとした。
だが、裏2CHの速報画像を見て思わず小さく驚きの声が出た。
やる夫が訝しげにモニターを覗き込んで来たのも気がつかない。
25 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2009/06/16(火) 18:28:00.42 ID:ySIG/nfi0
从|_皿__.日W^>;;∧(;;;;;;;)⌒(;;;;)
/llllll从从lllllll从lllllllllll\(;;;;;;;;)(;;;;)
|_ロ_癶_皿__皿_癶从_|(;;;;)(;;;;) (;;;;⌒)(;;;;;;)
/ll/_^_\llllll/_从从ll\ _从(;;;;)(;⌒;;;)
|___皿从从._皿___| /lllll从l\(;;;;;;;)
/llllllllllllllllllllllllllll从从llllllllll\______ |_ロ _从_|(;;;;)
|_皿_皿_皿_从_ 皿_|lll从llllllllllllllllllllll\
.lXXXXXXXXXXXXXXXX.l_ロ_从从_ロ_|
灰と化した建物、未だに燻り、所々火の手が上がったままの家屋。
倒れている人間と、拘束されている人間・・・
ただの画像なのに怒声が聞こえてきそうだ。
どうやら数時間前の事件を有志がうpした物のようだ。
・・・問題は、そんな事ではなかった。
26 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2009/06/16(火) 18:34:32.43 ID:ySIG/nfi0
/ ̄ ̄ ̄\
/ ─ ─ \
/ <○> <○> \. こ、ここって……。
| (__人__) し |
\ ` ⌒´ /
/ し \
安全と思ってプレゼントした場所で発生した暴動。
無事なはずだ・・・と言う根拠のない妄想。
暴動に巻き込まれれば無事ではすまないと言う現実。
”そうあって欲しい事柄”と”認めたくない事柄”とが一瞬にして頭の中を駆け回る。
27 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2009/06/16(火) 18:40:02.09 ID:ySIG/nfi0
/ ̄ ̄\
/u _ノ :::::\ て
| ( ○)(○) て
| U (__人__)
| ` ⌒´ノ ・・・・
| U u }
ヽ u }
ヽ、U__ __ノ
焦り気味にクリックしていたやらない夫が更に何かに気がつく。
その視線を追ってしまうやる夫。
見てはならないと言う本能はあっさり破れた。
そこに書かれているのは現在判明している被害者の名前。
28 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2009/06/16(火) 18:45:03.36 ID:ySIG/nfi0
/ ̄ ̄ ̄\
/ ─ ─ \
/ <○> <○> \. ・・・?え?な、なんだお・・・これ・・・
| (__人__) し |
\ ` ⌒´ /
/ し \
ぐるぐる巡る思考。
わが身に降りかかった非日常的な出来事に鼓動が早鐘となる。
不幸が自分を無視して存在していると言う寝ぼけた思考が、バラバラになっていった。
そして今、目の前にある現実は、やる夫の何かを削り取り、そして確実にやる夫を蝕んだ。
29 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2009/06/16(火) 18:52:07.63 ID:ySIG/nfi0
::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,
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:::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,
::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,
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:::::::::::::::::::::::::::::::::::,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,
. :::::::::::::::::::::::::,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,
:::::::::::::::::,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,
ヽ ヽ、i `7 ´ // |ト:::l/l::::::| }:::::::l::::i| |
ヽ .l/ ||:/ .ヽ::l _ノl:::::::l::::i| `
ヽ、 - l 〉l、|:::::|i::::::l::::|
ヽ` / .li:::lト:l::::l:l|
ヽ ‐、ニ= ‐ / lヽl-ヽl::l|
ヽ ー / ,. r '´ ヽ、
l、 ,. '" ,. '´ ヽ
`ー‐ ' r1,. '´ ,. ‐ ' ´ヽ.,
出生率の低下、労働人口の減少が日本に危機感をもたらした。
疲れきり、衰退していく傾向が示唆されていたあの頃。
政府の対応策の一つが、海外から若いエリートを呼び込み、経済再生の原動力にすると言うものだった。
日本の未来と言う名目を否定する人間はいなかった。
30 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2009/06/16(火) 18:55:47.58 ID:ySIG/nfi0
(;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;::::::\
// ヽ::::::::::|
. // ..... ........ /::::::::::::|
|| .) ( \::::::::|
.|********;;/⌒i
.|******** ).|
| ノ(、_,、_)\ ノ セイケンコウタイ!
|. ___ \ |_
.| くェェュュゝ /|:\_
ヽ ー--‐ //:::::::::::::
/\___ / /:::::::::::::::
日本再生と言う言葉と、多民族共生。
そして友愛と言う耳障りの良い言葉が、現実に疲れきった人々を誘(いざな)った。
否定しきれない綺麗な言葉に夢を抱いたのかもしれない。
何かが変わる・・・
何かを変えてくれるという希望に縋ったのかもしれない。
31 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2009/06/16(火) 18:57:03.96 ID:ySIG/nfi0
| ( `ー─' |ー─'| 移民1000万人!
ヽ,, ヽ . ,、__) ノ!
| ノ ヽ |
∧ ー‐=‐- ./ お前ら、エコ替え!
/\ヽ /
,r―''''''ヽ, \ ヽ____,ノヽ
,r‐' ,、;-‐''''""''ヾ、、, l
/ ./ r''"ヽ, \, l`ヽ、
j l ,. / ' l ヽ、 ト, ヽ
,.Lj∠、'´ , i, / `ヾ、`'ヽゝ
l, / 二'''" ,;、, `''ー゙--、
/゙ヽ-ッ-‐'´ ./`ト-:rイ「´ ゙l;:`''ト-、,_ ノ'i,
/ / ,;∠∠,ノ´ イ l l, ├''| |、,/ l |
../ノ ./ /、, ,、' ./ / .l |:::::l,. | ゙ヽ、!_,,、L, 協賛
ヽ---ツ ∧  ̄ ̄ / | |:::::::| | r'"/ l, 法務省
/ ./ .ト、,_ / | |:::::::|. ! l'´! / |
移民に関する諸法案の制定。
それが、この国の情況を大きく変化させる事となった。
山積みだった問題を解決しようとして、更に積み上げたと言う者もいる。
それが事実かどうかは今となっては検証しようがない。
”そうならなかった未来”はもう存在しないのだから。
32 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2009/06/16(火) 18:59:15.38 ID:ySIG/nfi0
_ (⌒Y´ ̄ヽ ∧_/( ̄))∧_∧
γ´ `ヽ_`と.__ )( ∩( 《 ( 現実) ゴロン
)) ,、 , ) <、_,.ノ ヽ、.__,ノ l つ つ
((_/し∪V .ヽ.__ノ!__))
∧__∧ :::∧_∧: ∧_∧
( ) ( ;∩∩). ( 現実 )
( つ ::(´ ノ ノ:: (つ と) ゴロン
.ヽ___ノj ::( ̄__)__):: (⌒Y⌒)
∧__∧ /⌒"ヽ、
( ) __ ( __ ) 〈 ゴロン
と ヽ ( ̄)).∧_∧ /´ `⌒) UV''VU,_)
(__ト、__丿 〉 》∩実_) ( .__つ´
ヽ、.__,ノ ヽ、__,.>
やがて時は過ぎ、見たくもない現実が日本を浸蝕しつつあった。
日本国内に生まれた分割された階層。
見捨てられた人々の怨嗟と悲しみの満ちていく世界。
その狭間にあるのは、友愛ではなく怒りと不満と憎しみだった。
33 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2009/06/16(火) 19:00:03.28 ID:ySIG/nfi0
|> ( `八´) ∧_∧( `八´)
| /⌒ ヽ ( `八´) ヽ
| /| | | |/⌒ ヽ | |_
|ノ \\ /|/| | | |\./ └─ゝ)
| \\ ノ \\./| |\\
|/⌒\し'/ .\\ | |ヽ し'
| >/ /⌒\し'(ノ > )
| / / > ) / /
| / / つ / / (_つ
| し' (_つ |
| ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ \
| ゾロゾロ… \
徐々に権利拡大を図る移民と反比例して、日本人の権利は制約されつつあった。
差別、過去の謝罪etc・・・
そんな言葉がいまだに罷り通り、そしてそれを嬉々として聞き入れる政治家や圧力団体。
社会においては犯罪発生率と、自殺者数が過去最大となった。
34 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2009/06/16(火) 19:07:16.21 ID:ySIG/nfi0
/.:.:.:.:.:.:;.:.:.;.:.:.:i.:,へ:.:.、:.、:.:.:.:゙,
/.:.:.:.:.;.:.:.!:.:.|:.:l.:|.:{ l:ト;⊥_!:.i:.:.:i
. l.:.:!.:.:.:l.:.:|!:,ィチ厂i| |l | 」_「ハ:.:.l
!.:|.:/.:.{:l.:lヘ |!- ミヽ 1::d〉ヽ:.ト がっこうのせんせいになりたいの!
l.:!/:.:.;;}:l:.:lYち::::! ,`´,, レ⌒ヽ , - 、
>'ヌヽf ハ:.lヽ `゙´ _.. - i ! / i
Yl::|Yヽ、キi:l ''' l | イ:! |l/ / ノ ・・・いけないの?・・・なんで・・・?
ノ|::| !N:.:.:.:.:>-_ ._ゝ-_ イl|::」 | |! レ/
`l:::´j:.|z<リ〈rー―tコ' ̄ 〉‐y´ `ヽ
'yVノ_゙ゞッ.ヽ, /Fiヽ、人l ’ ・ }
} `ヽキ Y゙イ |~i,_..ィ゙ ヽ、 x _ _.ノ
〉 ゝメーイ卅 } , '7` ー 'ェ ヽ
l _\ `゙ッ゙´ /./ |三〉
ノ⌒ー-ァyヽj ´  ̄ ヽ、_ , ュ/ . ! l
‐ ー F =\ ツ} 彡 ! j、
夢と可能性は”現実”によって削り取られ、その残滓だけがお情けのように手元に残った。
そして、その僅かな可能性を巡って人々が争う社会。
限られた利益を奪い合う世界。
35 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2009/06/16(火) 19:07:44.31 ID:LR8meymh0
他人事とは思えないよな…
36 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2009/06/16(火) 19:12:23.90 ID:ySIG/nfi0
. .... ..: : :: :: ::::: ::: :::::: :::::::::::: :
∧_∧ . _ : : :∧_∧: : :: :::: ・・・
/:彡ミ゛ヽ;)(m,_)‐-(::ミ゛ヽ;;)ー、. . .
/ :::/:: ヽ、ヽ、 ::iー-、ヽ、ヽ、 ::i:.: :::
/ :::/;;: ヽ ヽ ::l ゝ. :ヽ ヽ ::l:. :. .:: : :: :: :::::::: : ::::::::::::::::::
 ̄ ̄ ̄(_,ノ  ̄ ̄ ̄ヽ、_ノ ̄ ̄ ̄ ̄ヽ、_ノ ̄
スタートラインにつく事もできないまま、底辺から空を眺める人々。
どん底からでは、平等も公平も見えない。
如何に権利を主張しようとも、嘲笑しか返ってこない。
全ては自業自得と言う、他人事の世界の出来事だったから。
子供が親から渡されたのは、そんな社会だった。
37 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2009/06/16(火) 19:17:08.58 ID:ySIG/nfi0
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:::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,
:::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,
::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,
:::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,
:::::::::::::::::::::::::::::::::::,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,
. :::::::::::::::::::::::::,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,
:::::::::::::::::,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,
時は流れ・・・
{ 'ァ' `ー'/,_ )!/リノ二二jノノ`i, / _i
,-ソ 、 ノ/ニ| `i// - r {⌒ / |__∠__,へ / ̄ ̄ヽ ,-rrr、
/#\ 、 `='ノ iニij ,ニ゙ | `i /| r、/__,| ̄/ ノノノij iっ,!,!,!
\#i\  ̄,ノ`i ヽ |r┼-、 i' v{_ (__ハ_! | _ノ^i'_フ'i,! `i {
\i#|\==|/`|\\`ー| ´|ニ、ヽ | i ` ,.-i{ }、|- ,-'i |\_|>
\|ヽ } ノ i \ | 〉' `ー'/ ,<j 二ノ /ソ ヽ._`ファ-ァr{`ー-1
O|/ |l/ i ノ´| / /_ノ\\ "{ヽ /i「|i、rr、/|ヘ! /ノ |
| リ /∧ V_i/ ヽ_|\ノ|ヘ !| !|.| | |/ |-── '
|0` | / ヽ_/|\ 、 `| {| |゛゛| |
| | /ノ | \ リ | ノ ri ノ |
テレビ画面には大陸系移民がデモ行進をする様が移っている。
現状の国籍法では国籍取得要件を満たさない移民達が騒いでいるのだ。
テレビはこれを移民差別と言う観点から編集していた。
昨今、この手の報道ばかりされている。
38 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2009/06/16(火) 19:22:57.75 ID:ySIG/nfi0
巛彡彡ミミミミミ彡彡
巛巛巛巛巛巛巛彡彡
|::::::: i ブフッ
|:::::::: /' '\ |
|::::: -・=- , (-・=-
| (6 ⌒ ) ・ ・)( ^ヽ 嘘を嘘と(ry
| | ┃ノヨョヨコョョi.┃ |
∧ | ┃.ト-r--、| ┃ | 騙されるのがわるいんやww
/\\ヽ ┃ヽニニニソ┃ ノ
/ \ \ヽ. ┗━━┛/ \
. r‐-‐-‐/⌒ヽ-ーイ `、
ヽ、 |_,|_,|_,h( ̄.ノヽ ビシッ ヽ
ー-ヽノ| `~`".`´ ´"⌒⌒) ヽ
現状の政府の裏側を知る者にとっては、鬱陶しい茶番に過ぎない。
大陸系帰化議員の進める移民政策は、既に当初の目的を逸脱している。
だが、ネットが規制された結果、テレビ報道を鵜呑みにする人間は同情しているようだった。
このご時勢になってもまだ、友愛やら隣人への愛などと言う言葉に踊らされる人間はいた。
39 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2009/06/16(火) 19:28:07.32 ID:ySIG/nfi0
_.≧ー'"ー'"ー'"-z_
> ヽ
^イイイイイイイz `、
/、\ u />Z. l
|r==、l </== 'i iヘ. !
. |`ー・ ・― ' |.|ヘ| ! ・・・・・・
| ∴(__)∵∴ u||.ン |\
!u(二ニニ二) /ヽ. | |"''''‐- ..._
_,.. rr''"|\ ━ / ヽ| | //
'" l |. | `r― '" /| | //
テレビ画面の中、街を行く人々の表情は暗い。
みんな俯き加減に足早に歩いている。
視線を合わせない様にして行き交う人々は”旧日本人”だろう。
元気なのはデモ隊ぐらいだ。
40 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2009/06/16(火) 19:33:54.70 ID:ySIG/nfi0
/、Wヽ! i /_V l. 八 ヽ
,、 ノ\゙| | rf「¨=;「l | fニヽ ゝ==_}
r// l==i| l `{{|ij ニK (ト--仆--イj
{ | | .| ーl. ,、-nn/|. /lr',ニヒ′ /l t-`='ーァハ
ヽ! !.| u | l _, -‐UJJJ| : :ト、--‐''''"´ | `,コニニニ7 ハ `ニ´ / |ニ''_‐- _
. U| L.」二_'''¬┐: : : : : : :.|: : :| \. _」_;j l ト、`ー‐イ. | '''‐ 、ハ
ヽ⊂=ゝ__./ `ヽ ゙ .l: : : : : : : | : : l 冫 ,..イ: |: lヽ | |/.ハ ハl | | |
\.r' P }: : : :} }| : : : : : : |: : : l / .| ハ l: : | :|: | ! |/./ハハヽ| |. |. |
. /`'''‐、 ヾ ヽ. `ー' .'| : : : : : : l: : : :| ||o`|: : |: |: | |. |//ト::イト、| |.____ | |
/_ \ l/:\ _.」: : : : : : :|: : : :| |. | : :L:|/| > |/| |l::l|.| ||<☆☆☆|レ'' |
: : : :  ̄`'''‐ゝ、.:_ヽ./ \ : : : : > : | |o | くァ||:/| |. || | ||::||| l|. l___l|/ |
: : : : : : : : : : : : : : `'''‐- 、.__ヽ: : : :|: : : | | | : |」|:,/| | || | ||:::|.| |. | │/.|
誰もが別の意味で日常と非日常の区別を付けられなくなりつつある。
かつては異常な出来事も、今に生きる人々にとっては当たり前になりつつある。
退廃的な現実を見続けた人々は、かつて美徳として持っていた何かを失いつつあった。
その様は、まるで中身の腐った大木の様だった。
41 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2009/06/16(火) 19:37:53.56 ID:7G0Q8fbp0
派遣流民から全部見てきた。支援
42 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2009/06/16(火) 19:38:29.89 ID:ySIG/nfi0
( 'A)
ノ(ヘ_ヘ
‐''"´''"''''"""''"`'''""`""""''''''"´'''"""''"`''"""'''"'''''"`""''''``''‐
夢は時間を裏切らないと誰かが言っていた。
だが、その前提となる社会そのものが消えようとしている。。
夢も努力も時間も、それを叶える機会も・・・削り取られていった。
なにより、淡々と今日を生きている人々は、もう夢なんて見ていないのだろう。
43 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2009/06/16(火) 19:44:26.32 ID:ySIG/nfi0
、、、,. ,._
ィ`'′ ヽ
〃/ノノ八レレ、. |
ル三''′`三ヽ. | ・・・・・・
[ ≧|ニ|≦_]~|^)ト、
. | ,-L__」 -、u |ト:| |''‐- ...__
_.. -┬|l王l王l王l`/ .| | |
. ∧ |├‐┬─‐''′/ ||
/ l |.l-―|、___/-―┤
・・やらない夫はテレビ画面を黙ったまま見つめていた。
認めたくない現実であり、知りたくもない事実。
にも拘らず受け入れざるを得ない社会の変化。
そして、否定しても無意味である事が明確な今。
44 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2009/06/16(火) 19:50:36.16 ID:ySIG/nfi0
__
/ \
/ _ノ \
| ( ●)(●)
. | (__人__)
| ` ⌒´ノ
. | } ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
. ヽ }
ヽ ノ
/ く.
| \
| |ヽ、二⌒)、
何度見ても、この得体の知れない不快感は拭えない。
暗黙の了解と常識的な美徳が失われた日本。
声の大きい者だけが何かを得る世界になりつつあった。
そんなろくでもない社会ではあるが・・・
・・・目の前の移民達を非難がましく見ている”旧日本人”に対しては若干の同情と、それ以上の情けなさを感じていた。
45 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2009/06/16(火) 19:56:49.69 ID:ySIG/nfi0
/ ̄ ̄\
/ _ノ \
| ( ●)(●) ・・・・・・
. | (__人__)
| ` ⌒´ノ
. | . } , ´
. ヽ } (
_ヽ ノ`ヽ、_ )
_/|\ ` 、,__ 、小 L  ̄ ヽ (
_, ハ \ ` ァ、 /ヘ,レ―‐‐、__i__,)
, -‐ ´ ,ゝ \/ _ 又/ ,ヽ\丁
/ ヾ. \ , イ{`< _ ,ィ〉〉〉|
/ `゙ヾ\ ヽ/ ヽ\`く´ / `ー(/ |
! ´⌒` ヽ / `ーヲ`〈 i !
政治の世界に地位を得たやらない夫は、年齢から言ってもエリート層に分類されるだろう。
地位を得る為に多くのモノを見過ごした。
多くの物を得たいと願い、多くの物を手放した。
それがきっと必要だと信じた。
何かを手にする為に、何かを手放すのは仕方ないと思っていたから。
46 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2009/06/16(火) 19:58:48.04 ID:ySIG/nfi0
/ ̄ ̄\
/ _ノ \
| ( ●)(●)
. | (__人__) ・・・・・・・・・・・・・・・・・・
| ` ⌒´ノ
. | . } , ´
. ヽ } (
_ヽ ノ`ヽ、_ )
_/|\ ` 、,__ 、小 L  ̄ ヽ (
_, ハ \ ` ァ、 /ヘ,レ―‐‐、__i__,)
, -‐ ´ ,ゝ \/ _ 又/ ,ヽ\丁
/ ヾ. \ , イ{`< _ ,ィ〉〉〉|
/ `゙ヾ\ ヽ/ ヽ\`く´ / `ー(/ |
! ´⌒` ヽ / `ーヲ`〈 i !
・・・力を手にする立場に立ってみて初めて見えてくるモノがある。
それが”変わってしまった現実”だった。
そして見えなくなるモノもある。
それは、今まで自分が無邪気に信じていた未来。
お先真っ暗な現実の中で確実なのは、この国は変わってしまったと言う事だけだ。
47 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2009/06/16(火) 20:01:21.52 ID:ySIG/nfi0
/ ̄三\
/;;;; _ノ 三 \
|;;;;;;; ( ○)(○)
. |;;;;; (__人__)
|;;; ` ⌒´ノ
. |;;;; }
. ヽ;;; }
ヽ;;;l ノ ・・・
/ く
| \
| |ヽ、二⌒)
つらい事ばかりがある。
楽しい事なんてどこにもない。
それを知る事、それこそが大人になることなんだと思う。
だが、今感じている閉塞感だけはいつになっても慣れなかった。
48 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2009/06/16(火) 20:06:31.54 ID:ySIG/nfi0
捜査のプロが分析
. -──- 、
元 /.y〜〜─〜\
田 警 / > ミ、
● 視 _!彡'´ _ V
榮 庁 { Y 〃__ヽ 〃⌒〃
一 捜 ヾ{ ヽ ィ ド`フ ! 犯人は男、もしくは女。
氏 査 { _.,ん、_う ;!
一 ,ト ノ- =v=、ゝノ
課 _,,.イ/| \ ⌒彡´、_
長 ‐''/////∧\ `T'''''' イ// V`
/// ////∧ >-< |////〉
///\////∧/\_ハ |///∧
そんな閉塞感の中、最近あちこちで発生している事件。
被害者が元官僚や政治家と言う点で、テロではないかと噂されている事件だ。
犯人からの声明文もなく、予告もなく、それでいて政治に関わった人間が死んでいる。
現段階では、その意図は判明していない。
49 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2009/06/16(火) 20:09:15.26 ID:LR8meymh0
田宮さんがw
50 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2009/06/16(火) 20:11:56.59 ID:ySIG/nfi0
ヽ._|! ,r'⌒ヽ、_.ノl lヽ.__, -‐-、|!_,ノ
│l. lヾi;、.,,,,,,,゙ー^ー'^ー',,,,,,,,.:ッ:;シ
. ! ゙、L工工工工工工工工工」ノ l がははははは
! ヽ、匚匚匚匚匚匚匚匚レ' l
./!、 ___ !\._
.-‐''"´/::┃::`'i‐ 、  ̄ ̄ ,. ‐i´::┃ヽ`''‐- 、.._
::┃::::/::::┃:::::l;;ヽ `''‐ 、. ,. ‐'´ /;l::::┃::::i、:::::┃::
だが、巷で言われている様に、怨恨の線は否定できないだろう。
そんな連中ばかりが殺されているのだから。
そういう訳で、治安関連部署に配置されているやらない夫は多忙だった。
若手の有望株であるが、自慢する気もなかった。
やらない夫は政治の中枢にいるからこそ、殺された連中の正体も知っている。
51 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2009/06/16(火) 20:13:11.68 ID:P0LI8NnL0
閉塞した状況だなぁ
52 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2009/06/16(火) 20:16:52.24 ID:ySIG/nfi0
__
/ \
/ _ノ \
| ( ●)(●)
. | (__人__)
| ` ⌒´ノ (オレは・・・なにやってんだろうな・・・)
. | }
. ヽ }
ヽ ノ
/ く.
| \
| |ヽ、二⌒)、
誰だって権力を使って私腹を肥やす奴なんて不要だと思う。
ましてや、自分達の利益が食われているなら・・・尚更の事。
その結果、やらない夫達は”悪党に味方するクズ”呼ばわりされる事すらあった。
だから、この忙しさは誰の為の忙しさなのか・・・時々判らなくなってくる。
53 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2009/06/16(火) 20:22:06.48 ID:ySIG/nfi0
/ ̄ ̄\
/ \
|:::::: |
. |::::::::::: |
|:::::::::::::: |
. |:::::::::::::: } (やる夫・・・)
. ヽ:::::::::::::: }
ヽ:::::::::: ノ
/:::::::::::: く
-―――――|:::::::::::::::: \
|:::::::::::::::|ヽ、二⌒)
欲しかったもの、守りたかったもの、見たかった未来、ともに歩みたかった親友・・・
疲労の中、一瞬訪れる空白の合間。
微かなまどろみの中、いつも決まって思い出す。
やる夫の事が・・・・・・
54 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2009/06/16(火) 20:28:07.89 ID:ySIG/nfi0
:::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,
:::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,
::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,
:::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,
:::::::::::::::::::::::::::::::::::,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,
. :::::::::::::::::::::::::,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,
:::::::::::::::::,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,
/ ̄三\
/;;;; _ノ 三 \
|;;;;;;; ( ○)(○)
. |;;;;; (__人__)
|;;; ` ⌒´ノ
. |;;;; }
. ヽ;;; }
ヽ;;;l ノ
/ く
| \
| |ヽ、二⌒)
”あの事件”が起きてから、やる夫とは疎遠になった。
安全だと思って紹介した場所での暴動。
客観的に見ればやらない夫に責任はない。
しかし、自責の念が気楽に話しかける気分を削いでいた。
やる夫はやらない夫を責めなかったが、それが逆に辛かった。
55 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2009/06/16(火) 20:33:19.88 ID:ySIG/nfi0
/ ̄三\
/;;;; _ノ 三 \
|;;;;;;; ( ○)(○)
. |;;;;; (__人__)
|;;; ` ⌒´ノ
. |;;;; } おれは・・・おれは・・・どうしたら・・・どうしたら・・・
. ヽ;;; }
ヽ;;;l ノ
/ く
| \
| |ヽ、二⌒)
親の権力を利用していい気になっていた自分に、実は何の力もない事を思い知る。
何も出来ない無力感に苛まれる・・・
やる夫は非難めいた事は何も言わなかったのに。
なのに、自分がこの街を離れる事になった時・・・
56 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2009/06/16(火) 20:38:35.09 ID:ySIG/nfi0
/ ̄ ̄\
/u _ノ :::::\ て
| ( ○)(○) て
| U (__人__)
| ` ⌒´ノ
| U u } ・・・オレってやつは・・・
ヽ u }
ヽ、U__ __ノ
・・・ほっとしたのだ。
自分の罪を見なくて良い事に。
自分の薄暗さを突きつけられなくて良い事に。
入院費用などを援助すると言う事を免罪符にして・・・
やらない夫は、自分の感情に唖然とする。
それは恐ろしく空虚な気分を齎した。
57 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2009/06/16(火) 20:44:33.85 ID:ySIG/nfi0
/ ̄三\
/;;;; _ノ 三 \
|;;;;;;; ( ○)(○)
. |;;;;; (__人__)
|;;; ` ⌒´ノ
. |;;;; } ・・・。
. ヽ;;; }
ヽ;;;l ノ
/ く
| \
| |ヽ、二⌒)
心が痛いという言葉の意味を始めて知った。
”親友”は大切な人達を失い、やらない夫も何か大きなものを失った。
認めたくない事柄と向き合う事は出来なかった。
逃げ出した以上、やらない夫は目を瞑る以外に出来なかった。
58 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2009/06/16(火) 20:50:17.95 ID:ySIG/nfi0
/ ̄ ̄\
/ ー ー\
| ( ○)(○)
. | U (__人__)
| |r┬-|
. | u `ー'´} え・・・あ・・・や、やる・・・夫?
. ヽ u }
ヽ ノ
_, 、 -― ''"::l:::::::\ー-..,ノ,、.゙,i 、
/;;;;;;::゙:':、::::::::::::|_:::;、>、_ l|||||゙!:゙、-、_
丿;;;;;;;;;;;:::::i::::::::::::::/:::::::\゙'' ゙||i l\>::::゙'ー、
. i;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;|::::::::::::::\::::::::::\ .||||i|::::ヽ::::::|:::!
/;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;![少 将 ]\::::::::ヽ|||||:::::/::::::i:::|
だから・・・・
唐突にやる夫と再会した時、やらない夫はどうして良いのか判らなかった。
謝って良いのか、心配したと空々しく言えば良いのか・・・
言葉も出ないまま、立ち尽くしていた事を覚えている。
だが、言葉が出なかった原因は別にもあった。
始めは誰か判らなかったのだ。
59 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2009/06/16(火) 20:50:59.13 ID:AFS9Vi0U0
どう足掻いても苦しい選択だな…
60 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2009/06/16(火) 21:00:38.05 ID:ySIG/nfi0
| (__人__) |
/ ∩ノ ⊃ /
( \ / _ノ | |
.\ " /__| |
\ /___ /
やる夫は・・・
昔と変わらない口調。
昔と変わらない表情。
だが、明らかに昔と変わった・・・雰囲気。
61 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2009/06/16(火) 21:07:12.89 ID:ySIG/nfi0
/ ̄三\
/;;;; _ノ 三 \
|;;;;;;; ( ○)(○)
. |;;;;; (__人__)
|;;; ` ⌒´ノ
. |;;;; } ・・・
. ヽ;;; }
ヽ;;;l ノ
/ く
| \
| |ヽ、二⌒)
やる夫は・・・あんな張り詰めた空気は纏っていなかった。
冷たく澱んだような空気は、やらない夫の知る限り表の人間のソレとは違う。
その変化にやらない夫は戸惑った。
その戸惑いは今も消えないし、その違和感は今も拭えない。
62 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2009/06/16(火) 21:19:09.66 ID:ySIG/nfi0
:::::::: :: :: ::::: :: :::
:::::: :: ____ ::::: :::: :::
:::::: :::: / ::: \ ::: ::: ::
:::: ::::/ :: \:: ::: ::
:::: /::: ─ ─ \ :: ::
::: | :: .(○) (○) | : ::::
::: \ (__人__) ,/ : :::
:: ノ ` ⌒´ \ : :::
/´ ヽ :::
| l \:::
”あの時”のやる夫は絶望に打ちひしがれていた。
巨大な喪失がやる夫を変えた事は判る。
・・・そして、そんな”親友”を見捨てた自分が無関係とは思えなかった。
63 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2009/06/16(火) 21:25:17.06 ID:ySIG/nfi0
. | (__人__)
| ` ⌒´ノ
. | } / (__人__) \
. ヽ } \ | |
ヽ ノ \ \ _/
/ く. \ \ ノ \
| \ \ (⌒二 |
| |ヽ、二⌒)、 \ | |
あれからたまにやる夫と会う。
やる夫は当時の事を話さない。
やらない夫も聞かない。
まるで”そんな事”等無かったかのように。
64 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2009/06/16(火) 21:30:43.70 ID:ySIG/nfi0
/ ̄ ̄\
/ _ノ \
| ( ●)(●)
. | (__人__)
| ` ⌒´ノ ・・・・・・
. | . } , ´
. ヽ } (
_ヽ ノ`ヽ、_ )
_/|\ ` 、,__ 、小 L  ̄ ヽ (
_, ハ \ ` ァ、 /ヘ,レ―‐‐、__i__,)
, -‐ ´ ,ゝ \/ _ 又/ ,ヽ\丁
/ ヾ. \ , イ{`< _ ,ィ〉〉〉|
/ `゙ヾ\ ヽ/ ヽ\`く´ / `ー(/ |
! ´⌒` ヽ / `ーヲ`〈 i !
今、やらない夫には多少なりとも力がある。
再会した事自体、それが何か運命的なものに感じた。
やらない夫は、やる夫に色々"便宜”を図った。
65 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2009/06/16(火) 21:35:21.62 ID:ySIG/nfi0
{ / | (__人__) |
,-、 ヽ ノ、\ ` ⌒´ ,/_
/ ノ/ ̄/ ` ー ─ '/>< ` ー─ ' ┌、 ヽ ヽ,
/ L_  ̄ / _l__( { r-、 .ト
_,,二) / 〔― ‐} Ll | l) )
>_,フ / }二 コ\ Li‐'
__,,,i‐ノ l └―イ ヽ |
l i ヽl
だが、そこにあるのは親友の助け合いではない。
やらない夫の心の中に存在する負い目でしかない。
”親友”と言いつつ、二人の間には目に見えない壁があった・・・
66 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2009/06/16(火) 21:40:55.43 ID:ySIG/nfi0
/ ̄ ̄\
/ _ノ \
| ( ━)(━)
| (__人__)
| ` ⌒´ノ ・・・・・・
| }
ヽ }
ヽ、.,__ __ノ
_, 、 -― ''"::l:::::::\ー-..,ノ,、.゙,i
/;;;;;;::゙:':、::::::::::::|_:::;、>、_
その壁に殊更気がつかないフリをする。
親友が変わってしまったと言う事を見たくなかったのかもしれない。
その原因に自分が関わっている事を認めてしまう事に他ならないから。
負い目がのしかかって来るのが怖かったのかもしれない。
肝心な時にやる夫を見捨ててしまったのだから。
67 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2009/06/16(火) 21:46:02.23 ID:ySIG/nfi0
/ ̄ ̄\
/ \
|:::::: |
. |::::::::::: |
|:::::::::::::: |
. |:::::::::::::: } ・・・・・・
. ヽ:::::::::::::: }
ヽ:::::::::: ノ
/:::::::::::: く
-―――――|:::::::::::::::: \
|:::::::::::::::|ヽ、二⌒)
しかし・・・それでも・・・
変わりゆく世界で、変わらない”親友”の幻影を追い求めていたのかもしれない。
不満だらけだけど、何とかなるという気楽な幻想の時代を忘れられなかったのかもしれない。
やらない夫はそう考える事にした。
そうしないとやる夫の目を見る事ができない。
例え違ったとしても・・・やらない夫には他の選択肢は思いつかなかった。
04 前編 終わり
68 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2009/06/16(火) 21:47:29.66 ID:P0LI8NnL0
乙
69 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2009/06/16(火) 21:48:31.00 ID:AFS9Vi0U0
乙です
やる夫側の思惑が凄く気になる
続き楽しみに待ってます
70 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2009/06/16(火) 21:49:49.96 ID:ySIG/nfi0
___
く/',二二ヽ>
|l |ノノイハ))
|l |リ゚ ー゚ノl|
ノl ハ∨/^ヽ
ノ::[三ノ
明日17時頃、中編はじめます。
お暇ならお越しくださいませ。
71 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2009/06/16(火) 21:54:05.65 ID:7G0Q8fbp0
乙でした
明日了解です
つづく
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