以下の内容はhttp://blog.livedoor.jp/aamatome/archives/559670.htmlより取得しました。


夢の島のなくころに やる夫とやらない夫 02 後編(2)   カテゴリ:やる夫シリーズ 


44 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/03/31(火) 20:01:55.43 ID:UYLQkgRf0

     ____
   /      \
  /  _ノ  ヽ__\
/.    <●>  <●>\.     
|  .     (__人__)    |     
/     ∩ノ ⊃   /      ・・・
(  \ / _ノ |  |
.\ “  /__|  |
  \ /___ /

見殺しにしたと言う事だろうか?良いのだろうか?

そんな、自問自答の答えは直ぐに出た。
議員を自分の妄想する正義の味方に当てはめて、勝手に希望を持ったり絶望したりするなど、やる夫には過ぎた事柄だ。

・・・今更善人ぶっても無意味だ。

45 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/03/31(火) 20:06:53.90 ID:UYLQkgRf0
     ____
   /      \ ( ;;;;(
  /  _ノ  ヽ__\) ;;;;)    
/    (─)  (─ /;;/    
|       (__人__) l;;,´      ・・・・・・
/      ∩ ノ)━・'/      
(  \ / _ノ´.|  |
.\  "  /__|  |
  \ /___


それより・・・議員の仕込なら、やる夫ではなく、あの私設秘書にやらせた事が悔しい。



冷たい風が、やる夫の心まで染込んでくる。



46 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/03/31(火) 20:11:22.71 ID:UYLQkgRf0
  | ;`;|                            |  |:|》: ::::|        i'1
  | ;'l:|           i'`'i             、       /|  |:|\ : |  .      |;'|       ,、
  !:`l'|  ζ\     |;`;|             ‖       〕 .|  |:|  || | ./\   _.|;'|       /.:〉
-、_|_.;l:|   \';、\  :|':i;;|     .  i'1   ||/>  r┘.:|  |:|  ||::| |  ‖‐┘ .:|';|──へ./.:/_r‐
ー|_}:;|    \';、.\|;';;;|   ./〉 |;|_r//  /| ̄\:|  |:|   ̄ .:〃../>.::|;'|:::::::::::::::/.:/:::::::::::
-|_|`|_r:‐:‐:‐:‐\';、\;| r‐//┐_|:|::::::::;⊥、r/.::| .:::::::|/\/\   《// ..:::|;'|:::::[]::::/.:/]:::::::[]::
ー|_};|::::::::::: : :: : {二l\;i`!、::://:::::::::::::::::::r| .::| /.:::::<\/   〈:::.:... \ 》 ' .::::::::/|\_n::::::::::::::::::::
-|_| ̄/\:::::::/`|_{┬| |;、\::::::::i'|::::::r┴冂、 .:::::|::\\ _____:::::.:..〉″へ:::::/ .| |: : : |:|::::::::l`!へ、
ー|_}::/ 、';';〉.:/ /{_|┴lニニニニニl.r┴、_|_|_|:>:::::___|」__:l;_;_//..::. `〈 :| |: : : |:|::::::::| |: : :
-|_;l'_;_;_∠;/_/___l_,,:;;}┬┴┬┴┬┴┐::| .:::|_rェ┘__;!___;!__;|_;_;:::.:/ : :| |: : : |:|::::::::| | : :
~゛'' ┘⊥ 」_ |  |{_|┴┬┴┬┴┬┴┤ .:|_;!__;!__:l__;!__;|<___;_/\_;_;_;|;|-∠|_|;_;_;
         ~゛'''' ┴'::⊥Λ二\.:|  .:|ー:|__;!__;!__;!__:l__;l:::...\/<>::.  ∠二

こういう時に限って情況は一気に進んでいくようだ。
襲われた孤児院の情報がやる夫の元に届けられたのは、深夜の事だった。

咄嗟に頭に思い描いたのは、これも自作自演?だった。



47 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/03/31(火) 20:18:01.92 ID:UYLQkgRf0


     ____
   /      \     
  /  _ノ  ヽ__\   
/ U  <●>  <─> \  
|       (__人__)    |  
/     ∩ノ ⊃  /   ・・・いや、それは無いお・・・
(  \ / _ノ |  |     
.\ “  /__|  |    
  \ /___ /

情報収集の場を、自分で潰すなど無意味だ。
まして、孤児院など周囲から見れば税金の無駄と思われる場所だ。
公にしてこなかった分、下手に騒げば議員がやけどをする。

漏れた情報に関して確認しなければならず、議員にも報告を上げる必要があった。


一気に目の回るような忙しさになる。



48 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/03/31(火) 20:23:29.87 ID:UYLQkgRf0
      ヽl ヽ::::::\ ヽ ̄ ̄      ̄ ̄7 /.:: / ′
          、::::::::ヽ \   '_   /イ.:::::::/
          ト:::i.:::::::ト、`  ´ `   /l::::/l:/
             l V::::、:|:::`i . __ . イ::| {:/ /′
          l ::::::.::!::/ゝ、_  _ノV. /′
          ヽ __::ィノ   /,ムトv ヽ-、__
         _... : ! {{! //!:.:.:.!l{ /.ハ !: :ヽ、
       , -イ: : : : : :、 、ゝ' ハ_:._!、v' / ,: : : : : ゙ト-  、
      /   ヽ: : : : : : 、ヽ'  :!:.:.:! ヽ' ノ. : : : : : !    ハ

翌々日・・・院長はセーフティーハウスに退避していることが判った。
だが、子供を庇って重傷であり、身動きできないだろうとの事だ。

やる夫が危惧した、情が身を滅ぼすと言う事。
しかし、それを非難しようと言う気はなぜか起きなかった。

死んだ子供がいることは、多分もう知っているはずだ・・・



51 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/03/31(火) 20:29:16.47 ID:UYLQkgRf0
     ____
   /      \     
  /  _ノ  ヽ__\   
/ U  <●>  <─> \  
|       (__人__)    |  
/     ∩ノ ⊃  /   ・・・
(  \ / _ノ |  |     
.\ “  /__|  |    
  \ /___ /


一応、致命的な情報漏洩はない様だった。

逆に考えれば、情報を持っていそうな奴が危険だ。
孤児院に出入りして、隙だらけの奴。

つまり、今となってはあの記者が。


情報を持っているか否かに関わらず、無傷ではすまないだろう。



52 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/03/31(火) 20:34:33.70 ID:UYLQkgRf0
*支援ありがとうございます



             __,,,..  -‐''' ''    ~゙゙'''''''''ー‐---:' ''..= ---' --‐‐''"^:,~      ̄i
         ,. -‐ '"-~                      :   _____  '''' ; _  . |
     ,ィ"--    \_   ,,                    ,,, !             ; .,' `!   .,!
      ,:タT'O~R'''Oー-、.r''''"~~;~~ : ~`!   ,.r''"~~`ヽ、   ______-------,'  .,'/j:;〉i,|.-〈
    |`  ~`''''ー-' 'ー'---'--"--__ ,..  ,.' ,,.-‐ァ、:::..'!_ '!~         ,.'   {:|;:i:)ミi|レ'
    `tミl~~`''tー、  ̄  r--;      ,, ,, / /、ヾ'.ハ';::l !  i  _ .. -‐ '' "    _|ヾj:レノ
    ィ 、!,!、..,,_j`''キーr-- ニニ...、  ,;' ,;,' ;l! |;;:! ,r; ,rァ !:!:!  `      ,,.,.. -‐'''"
    'ー、    `''ー、〉 ゞ-=.....,,,,ノ  " " |  |r 'i , ヾ:','::!   _,,.. -‐''' " ~   
      `''ー、_、_               |::::::ヽ'_'‐"ソ:/ー'''' ~
          ~゙` '''''' ー--- --―'''" ゞ-:;;;:;:::=-''"

記者のアパートは街外れにある。
記者を確保する必要があった。
確保して・・・どうするかはまだ考えていない。

探偵にも協力を依頼しておいた。
自分ひとりで行動する愚かしさは良く判っている。


54 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/03/31(火) 20:37:02.36 ID:shBq3qDe0
気分が落ちる落ちる
だが読むのをやめられない


55 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/03/31(火) 20:40:05.11 ID:UYLQkgRf0
*人の気配!?




       ___
     /\  ,_ \
    /(ー )゛(ー ) \      …………
  /:::⌒(__人__)    \
  |  l^l^ln ⌒´       |
  \ヽ   L        /
     ゝ  ノ
   /   /

その間・・・
孤児院の子供達の事が初めて脳裏をよぎる。

守れないなら・・・手にしない事だ。

記憶から滲み出るモノを振り払ってやる夫は向かった。



58 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/03/31(火) 20:46:56.65 ID:UYLQkgRf0

    /:/::::| \  ヽ `_⌒ ィ ´
  /::::::/::::::|  \   ´ ∧>、
/:::::::::::/::::::::|    \  /  !\::`ー- 、
::::::::::::::/:::::::::∧    /二\ |::::::ヽ::::::::::::\
::::::::::::/::::::::::::::∧ヽ  /: : : : :}ヽ!::::::::::〉:::::::::::::::!


・・・アパートから出て来たのは、明らかに空気が違う奴だった。
自分の勘が当たった事を素直に喜べない。
街灯が逆光になって誰だか判らないが・・・戦いはやる夫の担当ではない。

後をつけて・・・

そう思い身を隠そうとしたが、その前に相手も気がついたようだ。



59 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/03/31(火) 20:52:36.81 ID:UYLQkgRf0
カシャカシャ


       ____
     /ノ   ヽ、_\ 
   /( ○)}liil{(○)\     ・・・ちょ、いきなりかお!
  /    (__人__)   \
  |   ヽ |!!il|!|!l| /   |   
  \    |ェェェェ|     /

そんなおもちゃの様な音と共に、わき腹に衝撃が走った。
サプレッサー付の銃声は、とても拳銃音とは思えない。

痛みではなく熱さ。
膝から下が無くなった様な感覚。



崩れ落ちるやる夫。



60 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/03/31(火) 20:57:58.63 ID:UYLQkgRf0

    /: : /:: : : / : : : !:: : : : !: : !: : : ヽ:: : : : : ',
   /: : /: : : 斗--、 :|: : : : :|: : | ,ィT: ',: : :ヽ : !
   |: : |: : : : : |: /  \: : /|:.ィ: :ヽ: : :.|.: : : ト、:|
   |: : |: : : : /!/ ⌒ヽ| :/ |:./⌒ヽV: |.: : : | V
  < : _: : : / 〈  {} |/  レ  {} }|:./ヽ: : |
  <:: |. 小{   _,,.. -    、-.,_  レ{: :.|ヽ:| 
   厶ヘ ハ          、     {ハ   /⌒ヽ_ノ) ) )
      \_!      _ '     !!   ,' ;'⌒'ー''´  
        ヽ  \ーェェェェァt   /   | i|   .|  
      ___,r| \  、\_ `ヽ /    ノ ,'.!   .i   
    /:/::::| \ ::::: \_`\ \'、 ./ //   l|
  /::::::/::::::|  \   ´ ∧\.、_>'´ ノ'´    U
/:::::::::::/::::::::|    \  /"''-  `ー一''´



一瞬だけ銃を持っているそいつの顔が見えた。


やる夫は一段低くなっている原っぱに転がり落ちた。



61 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/03/31(火) 21:00:30.36 ID:UYLQkgRf0

      / ̄ ̄ ̄\
    /::::ノ:::::  ヽ、_ \   
   /:::::( ○)}liil{(○) \   ・・・・・
   |::::U::::::: (__人__)    |
   \:::::::ヽ |!!il|!|!l| / /   

思考がぐちゃぐちゃになる中で浮かんだ事。

裏切り。
議員が危ない。
自分の持っている情報まで失われる・・・


そう思ったとき、本気で死にたくないと思った。

心の底から、生きたいと思った。



67 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/03/31(火) 21:10:31.56 ID:UYLQkgRf0
:::::::::::::: .:;:;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;; ..::,:,:,,;:;::,,:;.:,,;:;:.:;:;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;
  .. .,..::,:,:,,;:;::,,:;.:,,;:;:.:;:;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;; ..::,:,:,,;:;::,,:;.:,,;:;:.:;:;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;
:::::::::::::::::::.. ., ..   ..:.. ... ,.. .. . ..,. ::,,::.:;:;;:..:;:.;:;;:,.,,,:;;:;:;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;
  .. .,..::,:,:,,;:;::,,:;.:,,;:;:.:;:;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;:,.,,,:;;:;:;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;
       ,......... ..,...::,,::.:;:;;:..:;:.;:;;:,.,,,:;;:;:;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;
‐''"::::::::|\/|::_;;>''"´::::::|:`ー─' |:: ``''<:_ ::|`t─ァイ:::::::::::└ァ    ,.イノノ ,.イ¨'''¬ーゝ::-...._.、
::::::::::::::::レ介y'"|::::::::::::::::::: |:\. /:|:::::::::::::::::::|`::v介v':::::_;::‐ァ'‘ーァ'「 ,ル//::::|:::::::::::::::::::::/:::::::\
⊂ニ二^^´`.ヽ、|:::::::::__;;:::::? -─┴‐---─…''""¨´ ̄:::::::|::::::::::|:::ヽ,/::::::::::|::::::::::::::::::/:::::::::::::::::::

慌しい足音。
再びあの玩具の様な金属音。
そして人の気配。

やる夫の傍で、誰かが何かを言っている。

あいつ・・・抑えて・・・くれお・・・

次第に暗くなる意識が、このときほど苛立たしい事はなかった。



71 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/03/31(火) 21:16:05.89 ID:UYLQkgRf0

           ___                      
     ____,./      \                
    ノ   /         \               ……。
  /   /            \             
 |     |::..           ...::::|            
 ヽ    `一ー――――-、;;;;::/`一ー―-、 
  ヽ____(⌒)(⌒)⌒) )  (⌒_(⌒)⌒)⌒))

暗くなる意識の最後の最後・・・

どうして、あの記者がムカつくのか・・・

どういうわけか・・・そんな事を考えていた・・・



その思考を最後に、やる夫は気を失った。



72 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/03/31(火) 21:18:08.73 ID:shBq3qDe0
ああ……


73 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/03/31(火) 21:22:05.09 ID:UYLQkgRf0
        . ..  ..:.  ... ,.. .. . ..,...::,,::.:;:;;:..:;:.;:;;:,.,,,:;;:;:;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;
        __          .. ..:,,.::..,.,,::,;;::,::,,;;,::;;:;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;
  .. .. .,,.. ..;:..,,.::;..,,;:.:;.,.;:,.:;,;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;
        . ..  ..:.  ... ,.. .. . ..,...::,,::.:;:;;:..:;:.;:;;:,.,,,:;;:;:;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;
        __          .. ..:,,.::..,.,,::,;;::,::,,;;,::;;:;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;
:  ゜   i   ゚          i             、i;,| i, ゚,゜   ゜ i      l ゚;   l     。i
   |         。i     l   l   ゜;/ ̄u ̄;j\。´    i    ゚ |         !
゜  。       .|   i      i     :。/ :j :::::\:::/\;゚  !゜   ゜ i        l      | ゜
 l ゜  ゚           。゜    i / u  。<一>:::::<ー>。 ! 
    i   ゜     |           |:j ° .:::。゚~(__人__)~゚j       ゜  ゚ l        。i
  |。     !          i    !  \、 u ;゜.` ⌒´,;/゜   ゜ i     l    ゜ i     l
    !            l       。i      /゚:j⌒ヽ゚  '"'"´(;゚ 。     !   ゜    。i
       。  ゚:     ! ゚    l   / ,_ \ \/\ \゜      !        ゜ i  ゚
  、i;,  、|;      、i;, 。  ゜ ;゚ 、i;,と___)_ヽ_つ_;_ヾ_つ.;._ 。  l  。i ゜    ;゚ 、i;,   ゜ ;゚ 、i;,

泣いている自分がいた。

枯れたはずの涙を流していた。

この世に頼れる人がいない事。
誰も助けてはくれない事。

そして、一人の人間として見てもらえない事が、こんなにも心細い。

大人の視線に怯え、他人との接触に怯え、この世界の何もかもが怖かった。
怖くて怖くて堪らなかった日々・・・



74 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/03/31(火) 21:28:29.87 ID:UYLQkgRf0

       ____
     /ノ   ヽ、_\ 
   /( ○)}liil{(○)\     
  /    (__人__)   \   キニイラナイオ
  |   ヽ |!!il|!|!l| /   |   
  \    |ェェェェ|     /

あの記者の姿が浮かんでは消える。

どうしてあんなに感情が乱れるのか・・・

自問自答の答えは、多分、すでに出ていた。

・・・・・・それを認めたくなかっただけだ。



76 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/03/31(火) 21:34:24.60 ID:UYLQkgRf0
      ____
    /_ノ   ヽ_\
   /( ●) ( ●)\
 / ::::::⌒(__人__)⌒:::::\   
 |        ̄      |    
 \              /

自分が孤児だった頃、あんな人間がいたら。
そうしたら、違った道を歩けたかもしれない。

孤児院の、あの絶望から抜け出した子供達の様に。
だが、そうはならなかった。



もう、決して手に入らない未来。
それを認めたくなかっただけだ。



79 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/03/31(火) 21:40:26.08 ID:UYLQkgRf0
エピローグ
  .. .. .,,.. ..;:..,,.::;..,,;:.:;.,.;:,.:;,;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;
        . ..  ..:.  ... ,.. .. . ..,...::,,::.:;:;;:..:;:.;:;;:,.,,,:;;:;:;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;
        __          .. ..:,,.::..,.,,::,;;::,::,,;;,::;;:;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;
  .. .. .,,.. ..;:..,,.::;..,,;:.:;.,.;:,.:;,;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;
        . ..  ..:.  ... ,.. .. . ..,...::,,::.:;:;;:..:;:.;:;;:,.,,,:;;:;:;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;
        __          .. ..:,,.::..,.,,::,;;::,::,,;;,::;;:;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;

     ___
   く/',二二ヽ>
   |l |ノノイハ))  
   |l |リ゚ ー゚ノl|  
   ノl ハ∨/^ヽ     お目覚め?
   ノ::[三ノ :.'、

目を覚ますと、目の前に変な格好の女がいた。
どう見てもそうは思えないが、医者だと言う。

無言のやる夫に、簡単に情況を説明してくれた。



80 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/03/31(火) 21:45:49.41 ID:UYLQkgRf0

       / ̄ ̄ ̄\
     / ─    ─ \
    /  (○)  (○)  \.   ……。
    |    (__人__) し  |  
    \    ` ⌒´    / 
    /  し          \

撃たれたやる夫は、ここに運び込まれ、三日間寝ていたという。

二重看板を掲げる闇医者で、警察沙汰を避ける場合には重宝されると言う。
どうやら、あの探偵が運び込んでくれたようだ。

起きようとして、動かない体に唖然とするやる夫。



83 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/03/31(火) 21:51:00.43 ID:UYLQkgRf0
     ___
   く/',二二ヽ>
   |l |ノノイハ))  
   |l |リ゚ ー゚ノl|  
   ノl ハ∨/^ヽ     撃たれてその程度なんだから運が良いよ
   ノ::[三ノ :.'、

まあ、あと一週間ぐらいは大人しくしている方がいい。

そのやる夫に女医は素っ気無く言った。

運が良いのか悪いのか・・・
やる夫は、その言葉を反芻していた。



84 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/03/31(火) 21:58:39.54 ID:UYLQkgRf0

         ____
        /ノ   ヽ、_\
      /( ○)}liil{(○)\
     /    (__人__)   \ 
     |   ヽ |!!il|!|!l| /   |    
     \    |ェェェェ|    ./l!|   あんの・・・くそがきゃ!!!
     /     `ー'    .\ |i 
   /          ヽ !l ヽi 
   (   丶- 、       しE |そ
    `ー、_ノ       ? l、E ノ <
               レY^V^ヽl

暫しの無言のあと、自分を撃ったあいつの事を思い出した。
途端に怒りが吹き上がり、同時に痛みで蹲った。

脂汗を流すやる夫に、呆れたような視線を向けた女医。

ほぼ同じくして、探偵が入室してくる。



86 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/03/31(火) 22:01:42.21 ID:UYLQkgRf0
        > ,, `  ,, '´ ゙̄,Z._
       , ' i!i   i!i  !ii   !! <     
.      / ii!  !! i! , ii ハ ii! ii! ヽ      
     l i! i!! ,イ /l./--l ト ii ii l
      | i!,.、ii /‐l/-'、 ̄,V-|ハ ! N     
      |!i.|.f1.| =。===.,, ,。===lW      ・・・向うが上手だな
      |.i!|.「l | `ニニ´  ヾ二 l         動きも、段取りも・・・
     |ii ヾlノ.  , -‐' r _ \l   (._ ⊂  
      /| ii /'\ ′'フ",二二ニ⊃   ,)   )  
   _/):| /    \/ ,. ´二ニゞくう ( r '´  
‐..T....|((::K    / /./ ´, ─_'ニ\>,_'ノ
.....|.....|::)):l(ヽ.  / ' '  .仄l ..|.....|....T..‐   
... |.....|((:(:l))(:><:\   ノ(:((:l...|.....|.....|....

相変わらず淡々とした口調で、やる夫が聞きたかった事を話しだした。

やる夫に追いついた時、既に撃たれた後だった。
向うも銃を持っていたので、反撃したが仕留め損ねた。

そう言って指で銃を作った。


・・・記者は叩きのめされて病院送りにされたという。



90 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/03/31(火) 22:08:07.53 ID:UYLQkgRf0

       / ̄ ̄ ̄\
     / ─    ─ \
    /  (○)  (○)  \.   (こいつ、銃つかえるんかお・・・)
    |    (__人__) し  |  
    \    ` ⌒´    / 
    /  し          \

議員は?
そんなやる夫の質問には、黙って新聞の束を放り投げてきた。


一昨日付けで議員逮捕記事。
他の新聞を見ても、まるで有罪が決定したかの様な論調。

メディアの偏向は今に始まった事ではないが・・・
これは明らかに、決定済みの排斥”だ。



93 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/03/31(火) 22:16:12.21 ID:UYLQkgRf0



                 /  ̄ ̄ ̄ \
                 /        ::::\
                 |          :::::::|
                \.....:::::::::    ::::, /  
                r "     .r  / 
               .|::|     ::::| :::i      
               .|::|:     .::::| :::|
               .`.|:     .::::| :::|_     
                ..,':     .::(  :::}
               i      `.-‐"

凍り付いたままのやる夫。

情報は使いこなせる人間が持つ時にのみ、その力を発揮する。
やる夫の持つあらゆる情報は、無力化されたと言う事だ。


どの時点で”詰んでいた”のか不明である。
しかし、敗北という、認めたくない現実が、再びやる夫にのしかかってきた。



96 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/03/31(火) 22:24:18.32 ID:UYLQkgRf0
  .. .. .,,.. ..;:..,,.::;..,,;:.:;.,.;:,.:;,;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;
        . ..  ..:.  ... ,.. .. . ..,...::,,::.:;:;;:..:;:.;:;;:,.,,,:;;:;:;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;
        __          .. ..:,,.::..,.,,::,;;::,::,,;;,::;;:;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;
  .. .. .,,.. ..;:..,,.::;..,,;:.:;.,.;:,.:;,;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;
        . ..  ..:.  ... ,.. .. . ..,...::,,::.:;:;;:..:;:.;:;;:,.,,,:;;:;:;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;
        __          .. ..:,,.::..,.,,::,;;::,::,,;;,::;;:;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;


    '⌒)i                           '⌒)i
       ^||                             ^||
      ||                            ||
...    ‐ || ─┐                       ||
⌒ゝ' , ー 、||.  ‐┴┐ .. . .  .    . .   .        ||
:::`⌒ヽ.:::::.||.::ヽ⌒)、||i. 。.        . 。  .ィ.〜⌒ヽr..、 ||
:::::::::::::)、::..||.::::::ゝ .::)l_|______|__ソ..::::) ..:::::::::)|| ヘ ̄ヘ ̄
:::::::::::::::::::::.||.::::::::)::ノ _  _, -───- 、_  _ ̄__ー- 、_||  ̄ ̄.,_
..´⌒............|| . : r_r'. └'  _  .  -  _  . `┘  `ヽ,;, ...||~.`",ー-、,_
____.!!_/._____________.\_!!_______
⌒Y⌒Y⌒||⌒Y⌒Y⌒Y⌒Y⌒Y⌒Y⌒Y⌒Y⌒Y⌒Y⌒||⌒Y⌒Y⌒Y⌒Y
. _,;| :) l.ノ ||.  |   |   |   |   |   |   |   |   |   l.  ||.\|   |   |   |
'_|__l._||._|__|__|__|__|__|__|__|__|__l._||._|`__.|__|__|
 ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄

警察は議員関連の情報を集めようとしていた。
秘書も身柄を拘束され、事務所などにも捜査の手が入っている。

やる夫も落ち込んでいる暇はなかった。
・・・議員がいなくなっても、やる事は存在していたから。



97 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/03/31(火) 22:28:28.35 ID:shBq3qDe0
なんと……


98 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/03/31(火) 22:29:36.03 ID:UYLQkgRf0
     ____
   /      \
  /  _ノ  ヽ__\
/.    (ー)  (━) \.     
|  .     (__人__)    |     ・・・
/     ∩ノ ⊃   /      
(  \ / _ノ |  |
.\ “  /__|  |
  \ /___ /

やる夫の下には警察は来ていない。
闇医者のもとに運ばれたのは良かった。
それに、特区や夢の島にいれば、身を隠して行動する事が可能だった。

あれほどキライな場所なのに、今となってはそこに紛れる事が出来る自分。
そういった点は、不幸中の幸いだろう。


・・・全く収支は合わないのだが。



100 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/03/31(火) 22:36:33.43 ID:UYLQkgRf0
   厶ヘ ハ          、     {ハ   /⌒ヽ_ノ) ) )
      \_!      _ '     !!   ,' ;'⌒'ー''´  
        ヽ  \ーェェェェァt   /   | i|   .|  
      ___,r| \  、\_ `ヽ /    ノ ,'.!   .i   
    /:/::::| \ ::::: \_`\ \'、 ./ //   l|
  /::::::/::::::|  \   ´ ∧\.、_>'´ ノ'´    U
/:::::::::::/::::::::|    \  /"''-  `ー一''´

議員失脚に深く関わっていると思われるのは、”奴”だった。
元から議員失脚を狙っていたのか、途中で寝返ったのか判らないが、ともかく目的は達成したのだ。

まんまとしてやられた訳だ。

やはり、議員に警告しておくべきだった。
苦い物が込み上げ、頭の芯から冷たくなる感覚を覚える。


絶対に味わいたくないと思っていたこの感覚・・・



102 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/03/31(火) 22:41:44.41 ID:UYLQkgRf0
        > ,, `  ,, '´ ゙̄,Z._
       , ' i!i   i!i  !ii   !! <     
.      / ii!  !! i! , ii ハ ii! ii! ヽ      
     l i! i!! ,イ /l./--l ト ii ii l
      | i!,.、ii /‐l/-'、 ̄,V-|ハ ! N     
      |!i.|.f1.| =。===.,, ,。===lW      こんなものがあった・・・
      |.i!|.「l | `ニニ´  ヾ二 l
     |ii ヾlノ.  , -‐' r _ \l   (._ ⊂  
      /| ii /'\ ′'フ",二二ニ⊃   ,)   )  
   _/):| /    \/ ,. ´二ニゞくう ( r '´  
‐..T....|((::K    / /./ ´, ─_'ニ\>,_'ノ
.....|.....|::)):l(ヽ.  / ' '  .仄l ..|.....|....T..‐   
... |.....|((:(:l))(:><:\   ノ(:((:l...|.....|.....|.... 


探偵が回収してきた物の中には、手紙や指示書が入っていた。
今回足元を掬われたとは言え、元々用心深いあの議員の事だ。
予め、リスク分散していたと言う事だろう。

議員を裏切る連中が出る事は予想できる。
情報の抹消や、隠蔽は急務だ。

それに、”今は使いこなせない”情報だが、永遠に無意味とは限らない。



104 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/03/31(火) 22:48:35.82 ID:UYLQkgRf0
             |l |l.} ー ,   L _,ハl.lトl l. | l
             |l ilト、   n  ''  ,1l|ィ| |l l |
           _ 二,ニ^tュ--ェ_t1」l.|l !リ|_lノ
       r7´   f r┐| 〔/ミヽ>,-、 ̄´
       Y       ー个‐'t  ハ-、_'ゝ、
        ヽ ._・ rく ̄ヽト-'丿  ヽ l

やる夫や記者宛の手紙の他に、意外な事に孤児院に関しても書かれた物があった。
切り捨てていた自分と議員の差を思い知らされた気がする。


・・・あの子達はこれからも辛い人生を歩むだろう。
しかし・・・一度這い上がった人間は中々しぶとい。
絶望と薄暗がり以外の世界を知った者は特に・・・

何かは残ったわけだ。



107 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/03/31(火) 22:53:46.65 ID:UYLQkgRf0

     ____
   /      \
  /  _ノ  ヽ__\
/.    <━>  <●>\.     
|  .     (__人__)    |     
/     ∩ノ ⊃   /      ・・・・・・
(  \ / _ノ |  |
.\ “  /__|  |
  \ /___ /


記者宛の手紙は自分が持っていく事にした。

孤児院がらみで嫌味の一つでも言ってやりたかったから。
甘い素人が、その時、どんな表情をするのか見たかった。


・・・そんな暗い炎がやる夫の心に灯る。



109 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/03/31(火) 22:56:50.06 ID:UYLQkgRf0


       / ̄ ̄ ̄\
     / ─    ─ \
    /  <○>  <○>  \.   (・・・誰だお・・・こいつ・・・)
    |    (__人__) し  |  
    \    ` ⌒´    / 
    /  し          \


出てきた奴を見て目を疑った。
陰り、そして辛酸を舐めた人間だけが持つ独特の空気。

偽善と甘さの塊の様な素人と言う、やる夫の評価が崩れ落ちた。
それが判るのは、自分と似ていると咄嗟に思ったからに他ならない。


用意していた嫌味の一つも出なかった・・・




110 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/03/31(火) 22:57:30.90 ID:UYLQkgRf0

         / ̄ ̄\         
        /      \
       /::::::::::::::     ヽ       
       |::::::::::::::       | 
        ヽ::::::::::    /       ・・・・・・ 
        /::::::::::::   く        
-―――――|::::::::::::::::   \
         |:::::::::::::::  |ヽ ⌒)

失って始めて判る普通と日常。
だが、判った時にはもう戻れない。

自分にない物を持っているからこそ眩しく、そして疎ましかった。
あれ程見たいと思った堕ちた姿。

ようやくそれを見る事ができた。


・・・なのに、やる夫の胸中を物悲しさが吹き抜けて行った。



113 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/03/31(火) 23:00:42.46 ID:UYLQkgRf0
        __          .. ..:,,.::..,.,,::,;;::,::,,;;,::;;:;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;
  .. .. .,,.. ..;:..,,.::;..,,;:.:;.,.;:,.:;,;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;
        . ..  ..:.  ... ,.. .. . ..,...::,,::.:;:;;:..:;:.;:;;:,.,,,:;;:;:;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;
        __          .. ..:,,.::..,.,,::,;;::,::,,;;,::;;:;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;
   ___ : : :: :: . . . . . .
 \|;;;;;;;;;「\ . . . . . . . . . .
 \|[]![]i|\l   __   ,__.          ,‐レ /
 \|[]![]i|\|\〃..:::日ヽ」 2 !ヽ        |Hレ' /
 \|[]![]i|\|\:\::::日  |ー ト、|         |Hレ' /
 \|[]![]i|\|\:\i..l;;ト、 |::┌ 、! : : : ::: :: :┌‐lHレ' : : :
 \|[]![]i|\|\:\i..|;;ト、ヽ|ii|\ | : : ::: :: : : :||__|H| : : : :
 \|[]![]i|\|\:\i..|;;ト、ヽ|ii|l\L__r;;;;;;;ュ r'il|:::|H| /
 \|[]![]i|\|\:\i..|;;ト、ヽ|ii|l\|llllllllllllllllll| il「::|Hレ' /
 \|[]![]i|\|\:\i..|;;ト、ヽ|ii|l\|llllllllllllllllll| il「::|Hレ゙ : : : :
 \|[]![]i|\|\:\i..|;;ト、ヽ|ii|l\lllllllllllllllllll| il|、:|H|  : : :
 \|「l!「i| , ――┬、  ∠二Tヽ, r-‐‐‐-\;lH| : : : :
 .| l|L。∠___。ィlLlレ、 ゚=゚゚O-O’{iiト_≡_イii} '\;レ゙レ’
  ̄ ̄@=呂=@-‐jHr‐」     /Lt‐┸‐j」   \
     `‐' ̄`−'' `−’   /


移民法改正後、大陸系移民が増加する。
今になって漸く人々は違和感を覚え始めている。

移民達との接触が増えるにしたがって、その違和感は増大するだろう。

徐々にではあるが各地で反対集会などが開かれている。



115 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/03/31(火) 23:06:28.59 ID:UYLQkgRf0
     ____
   /      \
  /  _ノ  ヽ__\
/.    (ー)  (●) \.     
|  .     (__人__)    |     ・・・
/     ∩ノ ⊃   /      
(  \ / _ノ |  |
.\ “  /__|  |
  \ /___ /

やる夫も、色々とそれを手助けする裏工作をしていた。

今更遅いし、嫌がらせ程度にしかならない事は判っている。
だが、負けたという現実を受け入れたくなかった。

それに、”奴”の行方を探る事も忘れてはいない。
いつか見つけてやると決心していた。



118 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/03/31(火) 23:12:38.09 ID:UYLQkgRf0
゜         ○    ゜゜     ○    ゜   ゜      ○    ゜    ○
   o 。     ゜゚  ゚ .    o      ○o   o 。     ゜゚  ゚ .    o     。  ○o
         r⌒ヽ (⌒⌒)   (⌒⌒)   (⌒⌒)   (⌒⌒)    (⌒⌒) ⌒ヽ/,     o
     、、;(⌒ヾ    ,ィ'^i^ト,、   ,ィ'^i^ト,、.  ((⌒⌒))  .,ィ'^i^ト,、   .,ィ'^i^ト,、 /⌒) ), ' ,
  、ヾ (⌒ ファビョ━《y'´⌒ ヽ━《y'´⌒ ヽ. ━《y'´⌒ ━ 《y'´⌒ ヽ.━ 《y'´⌒ ヽ━ン !!⌒);;)/.
 、\(⌒ゝ;(⌒ヾ (⌒[》《]ノノ))〉 [》《]ノノ))〉  [》《]ノノ))〉 [》《]ノノ))〉  [》《]ノノ))〉 ⌒)/)) .,/ ,,
((⌒-丶(;;;(⌒ゝ;;(⌒  ∩(i^ヮノ∩, ∩(i^ヮノ∩∩(i^ヮノ∩'')∩(i^ヮノ∩, ∩(i^ヮノ∩, ⌒⌒);;;;;)))⌒)
 (;;;;(⌒(⌒;;;(⌒    ヽi{SiS}iノ  ヽi{SiS}iノ ヽi{SiS}iノ .ヽi{SiS}iノ .. ヽi{SiS}iノ / )⌒));;;;)-⌒))
ゞ (⌒⌒=─     とん|i__i|.〉 .とん|i__i|.〉  とん|i__i|.〉. とん|i__i|.〉  とん|i__i|.〉  -─=⌒⌒)ノ;;ノ;;;::)
((⌒≡=─ 人从;;;;,,,,,  し~ ,;从;,   し~ ,;从;,  レ' ,;从;,  し~ ,;从;, .. し~ ノ;;;从人─=≡丿;;丿
゜         ○    ゜゜     ○    ゜   ゜      ○    ゜    ○


広場では式典が行われている。

移民増加と彼らの国籍取得を祝うものだ。
改正法成立後に国籍をとった日本人は、非公式にこう呼ばれている。




「新日本人」・・・と。



119 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/03/31(火) 23:19:26.37 ID:UYLQkgRf0

         ,..--‐‐‐‐‐‐‐‐---..
        /::::ヽ;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;)
       |::::::::::/        ヽヽ
       .|::/'ヽ  ........    ..... |:|
      /  ノ´      )  (.   ||
     /  /|   ※※※※※※※
   / ー''"⌒ヽ  ※※※※※※※  多文化共生の構築が大事
  /     ̄ ̄`}.   /(_,、_,)ヽ  |
 /     )ー<  |. /  ___   .|
/\   /  |  |、   トエェェエイ  |
::::::::\    ハ_ノ )   ー--‐  /
::::::::::::::\/\     ___/\

大陸系移民の増加は、遠からず新日本人の政治家が増える事を予期させた。
やがては合法的に権力を握っていき、その先にあるものは・・・不明だ。


最近では、新日本人以外を「旧日本人・旧人」と呼称する事がある。
もちろん公にではない。


ただし・・・その区分けが将来なくなるのか、固定されるかは不透明だった。



122 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/03/31(火) 23:24:45.41 ID:UYLQkgRf0

     ____
   /      \
  /  _ノ  ヽ__\
/.    (ー)  (━) \.     
|  .     (__人__)    |     ・・・
/     ∩ノ ⊃   /      
(  \ / _ノ |  |
.\ “  /__|  |
  \ /___ /

人道、人権、情、争わない気質・・・
そういった日本人の美徳は徹底的に利用された。

この盛大な式典は、そういった日本人の得た一つの未来を象徴していた。


やる夫は苛立たしげに視線を返す。
その視線の先にいくつも連なった高層ビルが見えた。

裕福層の新日本人達の城だ。



123 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/03/31(火) 23:29:02.73 ID:UYLQkgRf0
               ゙i    ``     : : : リノ
                 ゙i  r--‐ーッ : :r、ノ
                 ゙i ``''''"´ : :/::l'"
               . ゙i、,___/: :l_
               _,,(F-、, _,,-‐''''""´ !、,_
          _,,,..-‐/''´::l゙`-、-V_,,,、、-‐'''"ノ;;;;;;;`゙`'‐ 、,_
    ,,-‐'""´ ̄:::::::::/:::::::,rレ'´  i、ヽ--‐ 丿::::::::::;;;;;;;;;;;;;;;;;`゙`'‐-- 、
  ,ィ'::::::::::::::::::::::::::::/_/     i : ヽ ,ィ':::::::::::::::::::l:::::::::::::;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;:ヽ
 r':::::::::::::::::::::::::::::::::::::,r       i : : l:::::::<⌒ ̄:::::::::::::::::::,i::::::::::::::;;;;;;;;;;ヽ
_l;::::::::::::::::i:::::::::::::::::::::i          :l::::::::::::::>::::::::::::::::::::/:::::::::::::::::::::;;;;;;;;;l
::::::::::::::::::i:::::::::::::::::::::::ゝこヽ       :l::_,,,..-‐''´:::::::::::::::::/::::::::::::::::::::::::::;;;;;;;l、
::::::::::::::::::i:::::::::::::::::::::::/:::::::ゝ    ,,ィ''´::::::::::::::::::::::::::::::::::::l:::::::::::::::::::::::::::::::;;;;;;;ヽ

あの高い権力の座は、多くの日本人と移民達の骸の上に立っていた。
底辺を蠢き這い回る人々から吸い上げられる血と汗。

彼らは遥か上から下々の諍いを眺めている。

本当の他人事の世界を・・・
決して這い上がれない高さから見下ろしている。



126 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/03/31(火) 23:34:50.02 ID:UYLQkgRf0

      |."しl|  ̄ ,._ ∨      
      | " ゙ハ  ー--7′      分水嶺か・・・  
      r'ニニヽ._\. ¨/            
     r':ニニ:_`ー三`:く._         、       
   /: : : : : : :`,ニ、: :_:_;>           
.   /: : : : : : : : / : : : ヽ\     
  | : :.:.:.:.:.: . :/: : : : : : l : ヽ.       
.   |:.:.:.:.:.:.:.:.:.,' ''" ̄: : :l: : : :l  

誰かが選択した、誰かが望まぬ世界へ続く道。
この国は、後戻りできない道を進み始めた。


様々な人々の想いを飲み込み、未来へ進んでいく。

擦切れるほどの想いを抱えて、やる夫はその場に立ち尽くしていた。



129 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/03/31(火) 23:39:38.51 ID:UYLQkgRf0

     ____
   /      \
  /  _ノ  ヽ__\
/.    (●)  (━) \.     
|  .     (__人__)    |   ・・・・・・
/     ∩ノ ⊃   /      
(  \ / _ノ |  |
.\ “  /__|  |
  \ /___ /

何もかも失って初めて自分の心と向き合える。
そして、手遅れになって初めて冷静に考える事ができた。
もう手に入らないから、求める事も無い未来への可能性を。


・・・諦めがついたのかもしれない。

やる夫はそう思う。



132 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/03/31(火) 23:44:46.82 ID:UYLQkgRf0

         / ̄ ̄\         
        /      \
       /::::::::::::::     ヽ       
       |::::::::::::::       | 
        ヽ::::::::::    /        
        /::::::::::::   く        
-―――――|::::::::::::::::   \  
         |:::::::::::::::  |ヽ ⌒)


だが・・・
死にたい程絶望していた世界から引き上げてくれた蜘蛛の糸。
自分を”唯一認めてくれた人間”。

・・・ムカツクほどに羨ましかった存在。


空っぽの自分を埋めていた、そういったモノを喪失した事実。

その事を考える度に・・・・・・・・



135 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/03/31(火) 23:49:32.22 ID:UYLQkgRf0








     |          {{        {        / ヽ     }               |
     |           ヽ       ヽ___/ __ \___ノ            |  
     \          人        ヽ   ´    `  '             /  
       \           ( し.)                                 /   
        \       `¨                           /     
         /                                     \      
        /                                          \    
      / ̄                                             \  
    /                                               

吼える様な強い風が吹き荒れた

その冷たさに一瞬息が止まる

・・・視界が滲む


やる夫は・・・

風の、突き刺さる様な冷たさのせいだと思った



136 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/03/31(火) 23:50:47.20 ID:UYLQkgRf0
  i    ゜  i           |    ゜ i       |       ゜ i   l
             ゜   i         。   i          l        i   l
  |         l    ゚    ;゜   ゜   : ; ; i        l       l           !
:  ゜   i   ゚          i             、i;,| i, ゚,゜   ゜ i      l ゚;   l     。i
   |         。i     l   l   ゜; i    ゚ |         !
゜  。       .|   i      i     :゚  !゜   ゜ i        l      | ゜

  i    ゜  i           |    ゜ i       |       ゜ i   l
             ゜   i         。   i          l        i   l
  |         l    ゚    ;゜   ゜   : ; ; i        l       l           !

荒々しい晩秋の風が、夢の島に雨をもたらした

凍る様な風に乗って聞こえる誰かの泣く声

小さく、そして物悲しく響く

なぜ、泣いているのか



それを知る者は、まだいない・・・




02 終わり



137 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/03/31(火) 23:54:06.32 ID:3S4T8vgE0
乙です

138 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/03/31(火) 23:54:37.24 ID:UYLQkgRf0


お付き合い、ご支援ありがとうございました。


139 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/03/31(火) 23:57:08.44 ID:LbOOVmx90
乙でした


140 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/03/31(火) 23:58:21.27 ID:shBq3qDe0

派遣流民思い出した。こういうのすきだ


142 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/03/31(火) 23:59:37.88 ID:UYLQkgRf0
>>140


実はそれも・・・


143 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[sage] 投稿日:2009/03/31(火) 23:59:57.30 ID:3S4T8vgE0
一緒の方ですよね・・?


144 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/04/01(水) 00:00:31.93 ID:cqIkTzIp0
>>143

そうです


145 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/04/01(水) 00:02:13.54 ID:ikwGYYxd0
やっぱり同じ作者さんだったか


146 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/04/01(水) 00:05:09.50 ID:l+jwF6gE0
まあ、他にこんな書き方する奴いないから、みりゃわかるよなあ


147 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/04/01(水) 00:06:48.74 ID:eyv1SM/k0
>>1乙


派遣流民のなくころに やらない夫編|やる夫編1|やる夫編2|やる夫編3
夢の島のなくころに やる夫とやらない夫 前|
夢の島のなくころに やる夫とやらない夫 02 前編|後編
夢の島のなくころに やる夫とやらない夫 03 前編|後編






以上の内容はhttp://blog.livedoor.jp/aamatome/archives/559670.htmlより取得しました。
このページはhttp://font.textar.tv/のウェブフォントを使用してます

不具合報告/要望等はこちらへお願いします。
モバイルやる夫Viewer Ver0.14