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夢の島のなくころに やる夫とやらない夫 後 カテゴリ:やる夫シリーズ
1 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/03/12(木) 17:54:50.39 ID:DhzsTqj40
あらすじ
他人事メシウマ
夢の島送り
とんでもない日本
*あくまで作り話です。
夢の島のなくころに やる夫とやらない夫 前
2 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/03/12(木) 17:56:17.88 ID:DhzsTqj40
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/ \
/ _ノ \
| ( ●)(●)
. | (__人__)
| ` ⌒´ノ ・・・
. | }
. ヽ }
ヽ ノ
/ く.
| \
| |ヽ、二⌒)、
議員番として動き回っているやらない夫。
だが、何をしても形にならない焦り。
会社では相変わらず敬遠され、取材しても没になる原稿。
会社はもう、やらない夫を見捨てているのではないのか?
そんな気すらしてくる。
3 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/03/12(木) 17:57:31.69 ID:DhzsTqj40
,..―――-- 、
././^`''ー---‐^l
| ,l ,. -‐ ‐-|
| l_ ,. = = |
|l^l ( o o )|
||'l| l l | お願いできますか・・・・・・
|`l|, u し' |
z'" ̄`ri ∧;,. ⊂ニ⊃,!
<;;;;;;;,...-‐l ヽ、,_, ~ ,./_
,.‐'" ̄||:::::::::::::::ヽ、_  ̄_ノ::::::::`r‐-、
そんな中、大学の同期だった奴から連絡が来た。
【移民法】と【移民法の改正】に反対するデモを行うと言う事だった。
確かに、”夢の島”の様な場所は、一般人の目からは遠い場所にある。
未だに他人事と思っている人々も沢山居る。
ネット上だけではなく、実際に行動して人々に情況を知らせたいと言っていた。
だが、他のメディアに頼んでも相手にしてくれないらしい。
4 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/03/12(木) 17:58:47.28 ID:DhzsTqj40
∧_∧
(-@∀@)
φ⊂ 中 ) www
| | |
(__)_)
確かに、”移民に反対する人間は差別主義者”だと言う論調で語る”有識者”が多い。
そして、それは公の言葉として日本を覆っている。
そんな中であえて顔をさらして行動している同期。
ネットで募集した人員が40名前後と言うのは、多いか少ないか判らない。
でも、それは、やらない夫が出来なかった”行動”だ。
少しだけ、やる事が見えた気がする。
5 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/03/12(木) 17:59:42.32 ID:DhzsTqj40
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/ _ノ \
| ( ●)(●)
. | (__人__)
| ` ⌒´ノ よし!まかせとけ!
. | }
. ヽ }
ヽ ノ
/ く.
| \
| |ヽ、二⌒)、
他人任せの安心感で目を塞ぎ、現実を見ていなかったやらない夫。
何かしたいと言いつつ、何もしていない自分。
言い訳だけが上手くなっていく自分に嫌気が差していた事は確かだ。
だから・・・
自分の意思で取材したいと思ったのは、初めてだった。
6 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/03/12(木) 18:01:10.78 ID:DhzsTqj40
ヽ:::: ̄:l l:::: ̄:::::ノ||^!| |
l  ̄ L___.」 ̄ ̄ ||ン│
! ⊂ニニニ⊃ .∧. ト、 勝手にしろ
! -- / ヽ !:::\
__,∧____./ >|:::::::::`ー
::::::::::::| \ / l:::::::::::::::
:::::::::::::l. \ ./ l:::::::::::::::
上司は勝手にしろと言っただけだった。
意外な事に興味はなさそうだ。
デモに対してか、それともやらない夫自身に対してか判らないが。
どちらにしても、会社のお墨付きは得たと勝手に判断した。
7 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/03/12(木) 18:06:49.40 ID:DhzsTqj40
__
/ \
/ _ノ \
| ( ●)(●)
. | (__人__)
| ` ⌒´ノ (これで、ネタがボツにならなければ良いんだが・・・)
. | }
. ヽ }
ヽ ノ
/ く.
| \
| |ヽ、二⌒)、
心配事はそれだけだった。
取材はしても、それが他人の目に触れなければ意味はない。
まあ・・・最悪ネットにあげれば良いか・・・?
多少、図太くなった気がする。
僅かばかりの光明ではあるが、前に進めると言う思いは初めての事だったから・・・
だが・・・
9 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/03/12(木) 18:12:30.27 ID:DhzsTqj40
t 〉从||||iiー''";;;;;;;;ー、リリ) ~'ー、
了 ,r'~;;;;Lr'";;;;;、 '"ヽ ~' 、ii〈 /
吗 想 ( /ソ、;;;;;;;;;;;/::: ::ヽ:::ヽi| 跪 wa (
┃ 被 〉 |/、,, 'ーiii~''",,,、ヽ- 、,,t:::::j 在 ha 〉
┃ 消 ( y,,,,='';;'"´ ;;;;;;、r'--ミ:ヌ 地 ha (
┃. 毒 ヽ, t'" ;;;r'⌒''yー'" ::t ) 上 ha / ,,、-''"
┃ ゝ i ̄:::::ノ'ーイ;;;;,,,,_ー、 彡|i | ! /'",、-'"
┃ ,r" ヽ、 'r=='"~,,)i'iii リ:j | // 〉:::::::::::::
// r-、| ', i;;;;r'"~~ リ ソ:://'''ー、 ・・ _(::::::::::::::
・・ | i tー'--,ノ / ,r';;; :::L _ __ /::::::::::::/
,r、 ,、-- 、, -'" ,iヽ, 二~-ー, ',、 ':::::::::/ ノ/",, レ''"、~ ,、 ':::;;、
レ"从 ;:;: ( _,, r'''~|::::to'''''"o~j";;;、 -'":::"::| ,,,,」L,,,, ヽ''",,、-'~::::
从 ),,,、-ー ''''" ̄ ̄::/::::. (、;;;;二=ー'''":::::::::::::::,、-''i, |j" ,,,,,、- '":::::::::::::
゙〉 , '''~ '''"::''___''''/::::::::| ::::::::::::::::::::::::::::::::::;;;、-ー''"/从;;;;~'''''''i'i""| i|:/ ̄ ̄
∫ (,,:::::''" ,r"ii .ツY""::/:' 、;;;;;;;;;;、 -ー ''"" i i|||;;;;;;;;;;;;;;||;;;;;| i|:::/
`}∫ _ノ、,,,,,,,/ニ了 ̄/,,,,,i////::::::::::::::::::::tj:::::::::::::::::::::::::| }||;;;;;;;;;;;;;;;|i;;;;;;| |/
";:;: ;:i'___(二二i|/iiiiii//// :::::i ::: i 〈t""○;;;;ti;;;;;;i /
'、t,,々ヽ==、、~'' 、ヽ| iOj//リ:::::,、 '"" :::| ::: t | t、、 ti;;;;;;i
大陸民街の境界に当たる大通りを練り歩いていたデモ隊。
何事もなく終りそうに感じていたその時。
バールのようなものや鉄パイプを持った十数人が襲い掛かってきた。
あまりに唐突で、デモ隊は呆気にとられて立ち尽くしていた。
11 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/03/12(木) 18:16:44.06 ID:DhzsTqj40
. ’、 ′ ’. .
’、ヽ′・ ’、.・”; ” ’、
’、′ ’、 (;;ノ;; (′‘ ・. ’、′”;
.’;^`⌒)∴⌒`.・ ”; ’、′・ 〃
、’、 ’・ 、´⌒,;y'⌒((´;;;;;ノ、"'人 ヽ
、(⌒ ;;;:;´'从 ;' ;:;;) ;⌒ ;; :) )、 ヽ
( ´;`ヾ,;⌒:: :: :.从⌒;) :`.・__人__)
\:::::. ::: ´⌒(,ゞ、⌒) ;)r┬-|
\.;:;_) ...::ノ ソ ...::ノ :;; ; -'
\ 、′ 、 ’、 ′
実力行使の戦いなど経験した事がない日本人達。
怒りや憎しみや殺意を向けられて、硬直する体。
蛇に睨まれた蛙の様に、身動き取れない所を叩きのめされる。
デモによる混乱を避けると言う名目で機動隊が居たが、離れた場所に居た。
日本人によるデモで、今まで大した問題が起きた事はなかったからだ。
だから、デモ隊は救出されるまで一方的に攻撃された。
13 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/03/12(木) 18:21:59.56 ID:DhzsTqj40
/ ̄ ̄\
/u _ノ :::::\
| ( ●)(○)
| U (__人__)
| ` ⌒´ノ いや、洒落になんねーぞjk・・・
| U u }
ヽ u }
ヽ、U__ __ノ
助け出された後、被害がわかる。
半数近くが重軽傷を負い、残りもその場に蹲っている。
小競り合いなどと言うものではない。
明らかに彼らの目には殺意が篭っていた。
やらない夫も取材道具をいくつか壊された。
14 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/03/12(木) 18:28:46.33 ID:DhzsTqj40
/ ̄三\
/;;;; _ノ 三 \
|;;;;;;; ( ●)(○)
. |;;;;; (__人__)
|;;; ` ⌒´ノ ・・・なぜ・・・
. |;;;; }
. ヽ;;; }
ヽ;;;l ノ
/ く
| \
| |ヽ、二⌒)
必死になって襲撃グループの写真を撮ったやらない夫。
だが、場所が場所だけに警察も犯人を挙げる事が出来ない。
何しろ言葉が通じない上に、彼らは同胞を売ったりしない。
あれだけの目撃者と被害者が居ながら、一週間もしないうちに迷宮入りになりそうだと言う噂が流れた。
なにより、弁護士ががっちりと守りを固めていた。
そして、メディアがデモ隊の非難を始めている。
16 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/03/12(木) 18:33:31.83 ID:DhzsTqj40
∧_∧
(-@∀@)
φ⊂ 中 ) 差別主義者はだめだなwww
| | |
(__)_)
死んだとしても交通事故みたいなものだ。
外国人に対しての矮小な差別の心が招いた自業自得。
死んだ人間より、生きている人間の方が辛い。
襲われたデモ隊員が死亡した時、有識者を名乗る者達は言った。
そんな言葉を薄ら笑いと共に言っていた。
18 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/03/12(木) 18:38:56.21 ID:DhzsTqj40
人 デ // ̄> ´  ̄  ̄ `ヽ ,. - ── - 、. ,) デ え
権 モ L_ / r'つ)∠─── / ヽ モ |
擁 が / ' 〆⌒  ̄ ̄ ̄ \ ' i !? マ
護 許 / ,.イ ,イ \/ く ジ
だ さ i ,.lrH‐|'| /‐!-Lハ_ヾイ /{ { ヽ、トl l /-!'|/l /`'メ、
け れ l | |_|_|_|/| / /__!__ |/!{ .ト{\ヽ', メ __\i i/-- 、 レ!/ / ,-- レ
よ る _ゝ|/'/⌒ヽ ヽ/ '/ ̄`ヾ 、ゝ |"ひ) \ イびゞヽト、N'/⌒ヾ ,イ ̄`ヾ
ね の 「 l ′ 「1 /てヽ′ノ ト、"´,. ー ノ .| | 「L! ' i'ひ}
l は ヽ | ヽ__U, ヽ シノ/. { ゝ / レ! |ヽ_、ソ, ヾシ _ノ
⌒レ'⌒ヽ厂 ̄ | 〈 _人__人ノ_ ヽ ヽ⌒> _人__人ノ_ i く
人_,、ノL_,iノ! /!ヽ r─‐- 「 令 L_ \ └ ´ 「 キ L_ヽ r─‐- 、 u
ハ キ / / lト、 \ ヽ, -‐ ノ 不 了 >ー-ノ モ 了\ ヽ, -‐┤
ハ ャ { / ヽ,ト、ヽ/!`h) 舒 |/!イ| /) | |/! 「ヽ, `ー /)
ハ ハ ヽ/ r-、‐' // / |く 服 >{ | .|=く イ > / / `'//
実情を知らないであろう人々が、取材を受けて笑っていた。
デモを行うのは、愚かしい行為に映っているようだ。
だが、それはテレビによる”差別主義者が移民を挑発した”と言う論調の影響も大きいだろう。
・・・誰もが自分で真相を探るわけではない。
19 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/03/12(木) 18:45:32.68 ID:DhzsTqj40
:: / ̄ ̄ヽ :: \
:: (「 `rノ :: \
:: ヽ ノ :: \
ガタッ! | | r 「\ \
| | | ノ \ \
ヽ_ノ /||| l \ヽ !l ヽi
|| i / | ||| | (しE |そ
|| || | | ||| | ? l、E ノ <
レY^V^ヽl
赤の他人の死なら、ここまでのムカつきは覚えなかった。
議員に会う前、自分で調べ始める前なら・・・
多分、メディアの言い分を鵜呑みにしていたかもしれない。
自業自得だろjk。ネトウヨはこれだから・・・
そう言って翌日には忘却していただろう。
だが、危険な現状に声をあげた人間の死は、恐怖以上に怒りを齎す。
20 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/03/12(木) 18:51:14.18 ID:DhzsTqj40
/ ̄三\
/;;;; _ノ 三 \
|;;;;;;; ( ●)(○)
. |;;;;; (__人__)
|;;; ` ⌒´ノ
. |;;;; }
. ヽ;;; } ・・・
ヽ;;;l ノ
/ く
| \
| |ヽ、二⌒)
だが、その怒りも現実の壁の前にあっけなく鎮火していく。
やり場の無い怒りは燻ったまま、消える事も燃えさかる事もなかった。
無力であると言う事を突きつけられ続けた結果、様々な感情をそう処理する事しかできなかった。
なにより、自分には何も出来ないのだという思いがそれに拍車をかける。
誰も判ってくれない。
新聞記者でありながら、やらない夫はメディアの壁を感じていた。
21 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/03/12(木) 18:56:17.67 ID:DhzsTqj40
/ ̄ ̄\
/ \
|:::::: |
. |::::::::::: | 同じ・・・日本人なのにな・・・
|:::::::::::::: |
. |:::::::::::::: }
. ヽ:::::::::::::: }
ヽ:::::::::: ノ
/:::::::::::: く
-―――――|:::::::::::::::: \ -―,――
|:::::::::::::::|ヽ、二⌒)
悄然とした気持ちのまま葬儀に参列した。
葬儀は、再チャレンジ村近くの教会で行われた。
そこ以外に受け入れてくれる場所が無かったのだ。
混乱が予想されるという理由で。
23 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/03/12(木) 18:59:41.48 ID:DhzsTqj40
(@ :::: (__人__) )
| ` ⌒´ |
\ ∩ ノ ⊃/ 正にゴミ捨て場だろ?
/ / _ノ
(. \ / ./_ノ │
\ “ /___| | 夢の島とは言い得て妙だよなwww
. \/ ___ /
堕ちた連中のたまり場。
見捨てられたゴミ捨て場。
あの冷たい目の男の言葉が蘇る。
そんな場所しか受け入れてくれない現実が重くのしかかる。
24 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/03/12(木) 19:00:19.16 ID:DhzsTqj40
/ ̄ ̄\
/ ノ \ \
| (●)(●) |
. | (__人__) |
| u ` ⌒´ ノ (俺もこいつらと同類なんか?・・・)
. | }
. ヽ }
ヽ ノ
/ く
| \
| |ヽ、二⌒)
どこかの取材班が来ていた。
彼らにとっては、ただの”ネタ”に過ぎないのだろう。
そこに至るまでの経緯など記される事はなく、結果だけが人々の目に留まる。
侮蔑の表情が自然に浮かぶ。
だが、自分も同じ世界に生きている事を思い出す。
26 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/03/12(木) 19:06:27.57 ID:DhzsTqj40
ヽ:::: ̄:l l:::: ̄:::::ノ||^!| |
l  ̄ L___.」 ̄ ̄ ||ン│
! ⊂ニニニ⊃ .∧. ト、 勝手な事ばかりしやがって
! -- / ヽ !:::\
__,∧____./ >|:::::::::`ー
::::::::::::| \ / l:::::::::::::::
:::::::::::::l. \ ./ l:::::::::::::::
やらない夫の記事はボツどころか、公表すら禁じられた。
あの場にいた事すら、まずいと言う事だった。
休暇中の私的な行動で会社は関与しないと言う形になった。
恐らく、上からの圧力だろう。
やらない夫には10日間の謹慎処分が言い渡された。
27 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/03/12(木) 19:12:42.99 ID:DhzsTqj40
/ ̄ ̄\
/ \
|:::::: | ・・・・・・疲れた・・・・・・
. |::::::::::: |
|:::::::::::::: |
. |:::::::::::::: }
. ヽ:::::::::::::: }
ヽ:::::::::: ノ
/:::::::::::: く
-―――――|:::::::::::::::: \ -―,―
|:::::::::::::::|ヽ、二⌒)
辞表でも叩きつけて、何もかも投げ出して逃げ出したい気分だった。
それでもやらない夫はこの場を逃げるわけには行かなかった。
ここが最前線なのだから。
そして、あの子達を見捨てられないから。
疲れきったやらない夫はあの孤児院へ行く事にした。
まだ頑張れるんだと、自分に言い聞かせたかった・・・
それが甘えだとしても。
だが・・・
29 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/03/12(木) 19:20:53.59 ID:DhzsTqj40
iv'ヘ | |:|l==|
| ;`;| | |:|》: ::::| i'1
| ;'l:| i'`'i 、 /| |:|\ : | . |;'| ,、
!:`l'| ζ\ |;`;| ‖ 〕 .| |:| || | ./\ _.|;'| /.:〉
-、_|_.;l:| \';、\ :|':i;;| . i'1 ||/> r┘.:| |:| ||::| | ‖‐┘ .:|';|──へ./.:/_r‐
ー|_}:;| \';、.\|;';;;| ./〉 |;|_r// /| ̄\:| |:|  ̄ .:〃../>.::|;'|:::::::::::::::/.:/:::::::::::
-|_|`|_r:‐:‐:‐:‐\';、\;| r‐//┐_|:|::::::::;⊥、r/.::| .:::::::|/\/\ 《// ..:::|;'|:::::[]::::/.:/]:::::::[]::
ー|_};|::::::::::: : :: : {二l\;i`!、::://:::::::::::::::::::r| .::| /.:::::<\/ 〈:::.:... \ 》 ' .::::::::/|\_n::::::::::::::::::::
-|_| ̄/\:::::::/`|_{┬| |;、\::::::::i'|::::::r┴冂、 .:::::|::\\ _____:::::.:..〉″へ:::::/ .| |: : : |:|::::::::l`!へ、
ー|_}::/ 、';';〉.:/ /{_|┴lニニニニニl.r┴、_|_|_|:>:::::___|」__:l;_;_//..::. `〈 :| |: : : |:|::::::::| |: : :
-|_;l'_;_;_∠;/_/___l_,,:;;}┬┴┬┴┬┴┐::| .:::|_rェ┘__;!___;!__;|_;_;:::.:/ : :| |: : : |:|::::::::| | : :
~゛'' ┘⊥ 」_ | |{_|┴┬┴┬┴┬┴┤ .:|_;!__;!__:l__;!__;|<___;_/\_;_;_;|;|-∠|_|;_;_;
~゛'''' ┴'::⊥Λ二\.:| .:|ー:|__;!__;!__;!__:l__;l:::...\/<>::. ∠二
ボロボロの孤児院。
黄色いテープが張り巡らされ、警察官が何人も立っていた。
更にその周辺に、野次馬らしき人間が何人か残っている。
32 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/03/12(木) 19:29:44.24 ID:DhzsTqj40
/ ̄三\
/;;;; _ノ 三 \
|;;;;;;; ( ○)(○)
. |;;;;; (__人__)
|;;; ` ⌒´ノ
. |;;;; } ・・・・・・・・・。
. ヽ;;; }
ヽ;;;l ノ
/ く
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| |ヽ、二⌒)
昨夜襲撃され、死傷者が出たらしい。
そんな事件が起きた事に対して、野次馬は迷惑そうに言った。
だが、その目は言葉とは裏腹に非日常に興奮している。
彼らにとっては、普通を逸脱した見世物なのだろうか?
そんな言い掛かりじみた考えすら涌いてくる。
それを飲み込むと子供達が搬送された病院を聞き出し駆けつける。
34 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/03/12(木) 19:35:42.26 ID:DhzsTqj40
/ rヽ 〉ノソ ', ! !ヽ ヽ \ `ー ・・・・・・
/ ノ し/. ノ .| l ヽ、ヽ、 ヽ、 __ \
. l r‐ ´ ヽ _ ,-, ! .l _/::::::ー--‐´/::::`:ヽ\
rL _ i ` 7 ‐ / ト/:::::::::::::::::::::/::::::::::::::::::ヽ ヽ
| `ーfァ / i l/:::::::::/:::::::::/:::::::::::::::::::::::::', ヽ
イ. | / | |:::::::::/:::::::::〈::::::::ヽ、_::::::::::::i
./ `ー-、 ノ ー、 / l l:::::::::i:::::::::::::\::::::::ヾー、_::l
ヽ i ! l l::::::::l::::::::::::::::::::ヽ:::::::`ヽ、`!
知り合いの記者だと言うと、意外な事に病室に入れてもらえた。
病室は小さな機械音以外は沈黙が支配していた。
1人の看護師が子供の小さな手を握っている。
包帯だらけの姿。
誰だか判らない・・・
35 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/03/12(木) 19:39:48.54 ID:6NheXizi0
相変わらずシャレにならない空気のスレだ
36 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/03/12(木) 19:40:43.31 ID:DhzsTqj40
/ ̄三\
/;;;; _ノ 三 \
|;;;;;;; ( ○)(○)
. |;;;;; (__人__)
|;;; ` ⌒´ノ
. |;;;; } ・・・・・・・・・。
. ヽ;;; }
ヽ;;;l ノ
/ く
| \
| |ヽ、二⌒)
その子と目があった。
やらない夫を見ると、その小さな手が伸ばされる。
看護師が悲しそうな表情でやらない夫に頷いた。
その手にあったのは小さな鈴。
それは・・・銀色の鈴。
震える手でそれを受け取るやらない夫。
手が触れた時、小さく笑みを浮かべた様に見えた。
38 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/03/12(木) 19:47:16.39 ID:DhzsTqj40
/ rヽ 〉ノソ ', ! !ヽ ヽ \ `ー ずっと・・・その鈴を握っていたんですよ・・・
/ ノ し/. ノ .| l ヽ、ヽ、 ヽ、 __ \
. l r‐ ´ ヽ _ ,-, ! .l _/::::::ー--‐´/::::`:ヽ\
rL _ i ` 7 ‐ / ト/:::::::::::::::::::::/::::::::::::::::::ヽ ヽ
| `ーfァ / i l/:::::::::/:::::::::/:::::::::::::::::::::::::', ヽ
イ. | / | |:::::::::/:::::::::〈::::::::ヽ、_::::::::::::i
./ `ー-、 ノ ー、 / l l:::::::::i:::::::::::::\::::::::ヾー、_::l
ヽ i ! l l::::::::l::::::::::::::::::::ヽ:::::::`ヽ、`!
立ち尽くすやらない夫に看護師は呟いた。
・・・心電図が甲高い音を立てる。
やりきれない空気が流れている。
普通に生きて、普通に働いて、普通に結婚して・・・
そんな人生・・・今は難しいんですかねぇ・・・
しばらくしてから、看護師は凍った表情で言う。
かすかに浮かぶのは諦観にも似た表情。
40 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/03/12(木) 19:55:44.22 ID:DhzsTqj40
/ ̄三\
/;;;; _ノ 三 \
|;;;;;;; ( ○)(○)
. |;;;;; (__人__)
|;;; ` ⌒´ノ
. |;;;; } ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・。
. ヽ;;; }
ヽ;;;l ノ
/ く
| \
| |ヽ、二⌒)
心の底から何かが込み上げるが、それをどうして良いか判らない。
言葉を発する事もできないまま立ち尽くしていた。
視界が滲んでいく。
形見となった鈴を握り、それを堪えた。
強張る体を強引に動かし、ようやく病室を出ると目の前に刑事が立っていた。
42 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/03/12(木) 20:01:52.87 ID:DhzsTqj40
/ ̄三\
/;;;; _ノ 三 \
|;;;;;;; ( ○)(○)
. |;;;;; (__人__)
|;;; ` ⌒´ノ
. |;;;; } ・・・・・・・・・。
. ヽ;;; }
ヽ;;;l ノ
/ く
| \
| |ヽ、二⌒)
やらない夫は無言だった。
何も言葉が出ない。
刑事が何か言っているのは判るが、それはただの音でしかなかった。
強いショック状態のやらない夫は、長椅子で凍り付いた様に座っているだけだった。
それを見て、事情聴取はムリだと判断した刑事。
病院側も、しばらく休める様に取り計らってくれた。
46 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/03/12(木) 20:08:30.88 ID:DhzsTqj40
/ \ ヾ
/ ヽ |!|
/ }ヽ 〉
{ ̄ ̄ ‐- `′ i
ヾ- ――- 〉 守られているのは・・・
\ (__,.. ソ
_r― ー;.,.,. '´
_/マ==|ヽ{、
-‐ .:::.:::.::\::\└勺!
//.:::.:ヽヽ:::.:::.:ヽ:::.\ ゞヽ、
|l:::.:::.:::.:i i:::.:::.:::.:i l:::.:ヽ ヾヽト、
|l:::.:::.:::.:j l:::.:::.:::.::|ヽ:::.::ヘ `i! l:::ヽ
亅L. イ /.:::.:::.:::.\\:::.:Y i! l::.::|
犯罪者の権利ばかりだな・・・
やらない夫の隣に無言のまま立っていた刑事。
しばらくして呟いた言葉が、空虚な重さを持って病院の冷たい空気の中に消えていく。
その言葉はやらない夫に向けられたものではない。
だが、刑事もまた現実の出来事を見続けている。
48 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/03/12(木) 20:13:28.41 ID:DhzsTqj40
/ ̄三\
/;;;; _ノ 三 \
|;;;;;;; ( ○)(○)
. |;;;;; (__人__)
|;;; ` ⌒´ノ
. |;;;; } ・・・・・・・・・。
. ヽ;;; }
ヽ;;;l ノ
/ く
| \
| |ヽ、二⌒)
その言葉がやらない夫の頭の中に流れ込んでくる。
この事件の結末は多分決まっている。
犯人逮捕は困難だろう。
万が一捕まったとしても、また人権だの何だのが持ち出される。
だから、結局犯罪者が守られ、被害者は忘却されていく。
51 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/03/12(木) 20:20:39.72 ID:DhzsTqj40
/ ̄三\
/;;;; _ノ 三 \
|;;;;;;; ( ○)(○)
. |;;;;; (__人__)
|;;; ` ⌒´ノ
. |;;;; } (腐ってる・・・)
. ヽ;;; }
ヽ;;;l ノ
/ く
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| |ヽ、二⌒)
感情論で法律を取り扱ってはならない事は十分理解している。
だからこそ、一部政治家の”綺麗事じみた言葉”を非難していたのだから。
それでも・・・
心の奥底に澱んでいる感情がわき上がって来るのを抑える事が辛い。
生きているのが辛いと思ったのは、この時が初めてだった。
握り締めた鈴が肌に食い込む。
53 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/03/12(木) 20:27:00.42 ID:DhzsTqj40
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|;;; ` ⌒´ノ
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ヽ;;;l ノ
/ く
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| |ヽ、二⌒)
省みられない人々の存在。
やらない夫は心の奥で何かが冷たくなるのを感じていた。
泣く事もできない。
熱い塊だけが喉の奥に張り付いていた。
多分、やらない夫の中で何かが変わりつつあった。
55 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/03/12(木) 20:32:31.67 ID:DhzsTqj40
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数日後。
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厶ヘ ハ 、 {ハ,;' ((
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ヽ 'ー―-- / ヽノζ ・・・
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やらない夫に会いたいと連絡して来た男は、指定のファミレスでコーヒーを飲んでいた。
重要な案件と言う割には、こんな目立つ場所で良いのだろうか?
そんなやらない夫の懸念を察したのか、男は先に言った。
こういう場所の方が、却って安全なんですよ・・・と。
その言葉で、厄介事の予感が現実のものとなる。
57 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/03/12(木) 20:41:17.21 ID:DhzsTqj40
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厶ヘ ハ 、 {ハ/ V
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ヽ / `t / 道筋が出来上がれば、後は進むだけでしょうね・・・
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イトウと名乗るその男は元議員秘書で、今は探偵事務所にいると自己紹介した。
名刺にはGall Agency 主任 イトウとなっている。
話は移民関連法案により別のものに形を変えつつある日本に関して。
帰化議員らが行っているのは、宣伝、メディアの掌握、大衆の扇動、そして無意識の誘導・・・
そんな事柄に関して、イトウは危険性を述べた。
60 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/03/12(木) 20:48:25.94 ID:DhzsTqj40
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| |ヽ、二⌒)、
凍りついた表情のまま、やらない夫はその言葉を反芻する。
系統立てて言う事が出来なかった不安の正体。
イトウが言っている話は、やらない夫が欲していた不安の正体そのものだ。
抑えきっていた感情が、微かに滲み出る。
まだ・・・遅くはないのか?
63 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/03/12(木) 20:54:43.61 ID:DhzsTqj40
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厶ヘ ハ 、 {ハ/ V
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ヽ / `t / 協力してくれますか?
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イトウは周囲を伺うようにして小声で言う。
人身売買の情報を、調べていたはずですね?
議員に依頼されていたんでしょう?
その情報・・・移民推進派追い落としと、偏向メディア潰しに使いませんか?
私ならそれが可能です。
64 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/03/12(木) 20:56:00.50 ID:DhzsTqj40
乂l N ¨´ , `¨// // l |
N l >、 - ,ィj l / l l | この子達は売られたり・・・
| lハl l /`テェチ V/l l l |
,⊥L..ム〈ヽ/l()lヽ/〉メiLレ┴ト、
院長の言葉が蘇る。
議員も政治家の関与を疑っていた。
だが、孤児院が失われた以上、その手の情報も不明だ。
もちろん、どうしてイトウがこの話を持って来たのか疑念はある。
65 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/03/12(木) 20:56:33.69 ID:DhzsTqj40
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〔ノ^ゝ (__人__)
ノ ノ^,- ` ⌒´
/´ ´ ' , ^ヽ } ・・・・・・
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人 ノ \/,_ __ノ
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だが・・・
同時に議員に孤児院の事を報告した時の事を思い出した。
忘れろ。
たった一言の議員の言葉が、やらない夫を焼いた。
とっくに切れた携帯を持ったまま、立ち尽くしていた事を思い出した。
66 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/03/12(木) 20:57:08.87 ID:DhzsTqj40
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. ヽ }
ヽ ノ
/ く.
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| |ヽ、二⌒)、
今までやらない夫は誰も救えなかった。
救いたいと思っても、その力がなかった。
あの孤児達も、デモに参加した人々も、そして絶望に目を曇らせるあの村人も。
何かしたいと思いつつ・・・
もう手遅れなのではないかと怯えつつ・・・
怒りすら凍りつく現実の前に、のた打ち回っていた。
67 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/03/12(木) 20:57:52.21 ID:DhzsTqj40
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_ヽ ノ`ヽ、_ )
_/|\ ` 、,__ 、小 L  ̄ ヽ (
_, ハ \ ` ァ、 /ヘ,レ―‐‐、__i__,)
, -‐ ´ ,ゝ \/ _ 又/ ,ヽ\丁
/ ヾ. \ , イ{`< _ ,ィ〉〉〉|
/ `゙ヾ\ ヽ/ ヽ\`く´ / `ー(/ |
! ´⌒` ヽ / `ーヲ`〈 i !
それが、今、逆転する可能性が出てきたのだ。
議員は何もしてくれはしない。
他人任せの安心感など、クズ同然だ。
やらない夫は、それを実感していた。
危険だとしても、こんな機会・・・逃すわけにはいかないだろjk
つづく
以上の内容はhttp://blog.livedoor.jp/aamatome/archives/529362.htmlより取得しました。
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