最近、ランサムウェアに関連する報告が続いています。私の周辺でも感染者がでる始末です。
ランサムウェアといえば、少し前まで主に英語、ロシア語圏のユーザを狙ったものでした。しかし、近年は日本語対応したものが登場するなど、犯罪者グループは世界中から金銭を巻き上げている模様です。
このようなランサムウェアを悪用した犯罪の流行の背景には、いくつか理由が考えられますが、ひとつはUG市場に関連商品やサービスが流通し始めたことが挙げられます。

例1)
下図はカスタムを行うための管理者画面付きでランサムウェアを売買している例です。表示画面等をカスタマイズが可能です。価格もリーズナブルですので、すでに買い手がついているようです

ransomeware_custom

例2)
ランサムウェア生成サービスが登場しています。使い方は簡単で、振り込んで貰いたい金額(米国ドル)や、恐喝相手の名前等を入力するだけでオリジナルのランサムウェアが生成することができます。(src拡張子)
マルウェア自体はCryptoLockerとよく似た動作(標的端末上のファイルの暗号化)をしますが、被害者への状況説明等が殆どありません。
その意味では、サービス品質は高いとは言えないレベルです。
#F-Secure での検出は確認しています。

tox


これらのマルウェアを悪用した恐喝ビジネスは、姿形を変え今後ますます増加すると考えています。スマートデバイスを狙ったものも登場しており、標的デバイスのシフトも予想されます。もしかすると、オレオレ詐欺や振り込め詐欺のスマートフォン版等が登場するかもしれません。
#例えば、盗んだSNSアカウントにより身内になりすますなど。
その点では、広い範囲での警戒が必要になってくるものと思われます。特に現在振り込め詐欺等の標的となっている世代や若年層に対しては、十分な啓発が必要になるのではないでしょうか。

ちなみに、現在マルチ言語対応のものは、サポート窓口に日本語で連絡をしても返信はありません。
被害ユーザを見かけましたら、
・決して金銭や電子マネーを振り込まない
・誘導先のサイトに設置されている復号サービス(ちゃんと動作します)を利用しない
(機微情報を含む業務ファイル等を提供することになるため)
などなど教えてあげてくださいね。