読者の皆さんは自分のラップトップのスマート・カード・リーダーを使ったことはあるだろうか?使ったことはない?そうか、そうは思っていなかった。

 (読者の半数は、そもそもあることに気づいてさえいなかったのでは。)

 Windowsユーザなら、コントロール パネルを開いて、管理ツール、サービスと進み、Smart Cardサービスを停止する。また、スタートアップの種類を変更して、システムと同時に起動しないようにする。

Smart Card Properties

 完了しただろうか?よろしい。

 これで使っていないサービスでリソースを浪費することがなくなった。おまけにShylockと呼ばれるマルウェアがシステムに悪影響を及ぼすこともない。

 それはなぜか?

 Shylockは実行時にSmart Cardサービスをチェックし、存在しなければ終了するのだ。

Shylock Smart Card check
Shylock 1

 そして、それだけではない。当社Threat ResearchチームのMarkoは、Shylockがメモリやハード・ディスクの空きをチェックすることも突き止めた。

 メモリ・チェックは以下のとおり。

Shylock memory check
Shylock 2

 最低256MBが要求される。

Shylock memory check
Shylock 3

 続いて以下が、ハード・ディスク関連のチェックだ。

Shylock logical drives check
Shylock 4

Shylock drives check
Shylock 5

 そして「Shylock 3」の図より、合計のディスク容量が少なくとも12GBなければならないことが分かる。

 ここで、読者の皆さんは疑問に思っているかもしれない。Shylockはなぜこんなに細かいのか?

 もっともありそうな答えは、アンチウイルス・ベンダーにデバッグされるのを回避しようとしている、というものだ。アンチウイルス・ベンダーは一般に調査に仮想環境を用いる。そしてそのような仮想環境には、仮想スマート・カード・リーダーのようなものが常に含まれるわけではないのだ。とはいうものの…、時には含まれる。

 次はがんばれ、Shylock。

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