みなさんこんにちは、Rakuten-CERTの福本です。今日は、Identity Theftについて。

 警視庁のサイバー犯罪対策のHPで、「平成23年中の不正アクセス行為の発生状況等の公表について」という資料が公開されていますが、その別紙に(おそらくどこかで不正に入手した)アカウントリストを使った不正ログイン攻撃についての記載があります。

ID

 おそらくなのですが、どこかのサイトで漏洩したID/パスワードのリストが流通していて、攻撃者は他のサイトでも不正に使えないか試しているようです。実際、僕たちのサービスも、どこかで情報漏洩のインシデントが発生すると不正ログイン試行の件数が急に跳ね上がったりします。これは攻撃者が最初に、対象サイトでログイン可能なアカウントリストを作成するために不正ログイン試行をしているようで、そしてリスト作成後に違うIPアドレスからログインしてこっそり不正を試みるわけです。(ちなみに楽天では独自開発した検知ロジックがあって、不正と判定されたらパスワードが初期化されます)

 さて、侵入率が6.7%という数値をどうみるか。これはかなりの成功率だと思うので、攻撃者側の経済合理性を想像すると不正ログインによる被害は今後増えていくのではないかと思っています。他社で漏れてしまったID/パスワードが自社の脅威となる状況なので、新たな対策を考えなければならないですね。