New York Times / Mikko Hypponen

  好むと好まざるとにかかわらず、Twitterは重要だ。おしゃべりのために使われるだけでなく、何かが起きた時にその場にいた人々からの目撃報告を得るための、最速の方法であることが分かっているからだ。

  よって、昨日の攻撃のようなことが起きると、非常に不快に感じられる。我々が頼り始めているサービスが突然、不調になってしまう。それもバカげたワームのせいで? 最新のツイートをチェックしていると、どういうわけか突然、自分のフォロワー全員にウイルスメッセージが送られてしまう。

  そして、あなたが購入したアンチウイルスプログラムも助けてはくれない。どれだけ一生懸命システムをスキャンしようと、そこには何も無い。このワームはあなたのコンピュータ上にあるのではない。どこかにあるデータセンタの、Twitterサービスファーム上にあるのだから。

  これは我々がクラウドと呼ぶものの一部だ。我々がますますクラウドサービスを利用し始めれば、自分達のデータのコントロールをあきらめることにもなる。自分のコンピュータ上にドキュメントを保存しているなら、それらを暗号化し、セキュアにすることができる。そのデータをクラウドサービス上に保存しているなら、誰かがあなたのためにそうしてくれることを願うしかない。コミュニケーションに関しても同様だ。

  Twitterワームは、Windowsオペレーティングシステムを攻撃する、より悪意のあるトロイの木馬とは全く異なる。大部分のTwitterワームは、テストのため、あるいは面白半分に作られる。ごく少数しか、情報を盗んだり、金儲けをしようとはしない。これらのワームは、10年前にインターネットワームを書いていたかもしれない、好奇心の強い人々の同類によって、ワームがどのくらいすばやく拡散するかを見るために作成されているのだ。

  私が助言するとすれば、Twitterは自分達のシステム内にある、重要なセキュリティ脆弱性を新たに発見する目的で、報奨制度を設けるべきだろう。

  たぶん、こうしたオンラインハッカーの中には、楽しみのために新たなシステム破壊ワームを書くよりは、金儲けの方に興味を持つ人達もいるだろう。

  この署名記事は、もともとは「The New York Times」に掲載されたものだ。

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